(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、本実施の形態を説明する前に、その前提又は本実施の形態を利用する画像処理装置について説明する。なお、この説明は、本実施の形態の理解を容易にすることを目的とするものである。
印刷物が放置されないようにするために、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)等の画像処理装置が印刷指示(印刷ジョブともいわれる)を受け取った場合に、すぐに印刷を行うのではなく、画像処理装置でユーザーの認証が行われた後、そのユーザーの印刷指示による印刷を行うことが行われている。ユーザーは自分の印刷物の印刷を確かめることになり、他人がその印刷物を取り出すおそれを減少させることができる。
そして、消費電力削減のため、画像処理装置に低消費電力モード(省電力モードともいわれる)を設けて、赤外線等による人感センサーにより画像処理装置の使用ユーザーを判断した場合は、低消費電力モードから印刷モード(プリントモード、スタンバイモードともいわれる)に復帰する仕組みが搭載されている。
特許文献1に記載の技術では、画像処理装置が携帯端末と連携しなくてはならず、ユーザーは携帯端末を所持している必要がある。また、人感センサーだけでは画像処理装置のすぐ近くまでユーザーが近寄らないと印刷モードへの復帰判断ができず、ユーザーによる復帰待ち時間が発生してしまう。例えば、人感センサーの検知範囲は2メートル程度であるので、その距離に近づくまでは印刷モードに復帰することができず、印刷可能になるまでにユーザーの待ち時間が発生することになる。
一方、画像処理装置において、顔認証等のためにカメラを搭載したものがある。
【0017】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0018】
本実施の形態である画像処理装置100は、低消費電力モードから印刷モードに復帰するものであって、
図1の例に示すように、印刷指示受付モジュール110、撮影モジュール120、検知モジュール130、低消費電力モード制御モジュール140、画像処理モジュール150を有している。
画像処理装置100には、印刷(プリントともいわれる)を待機している状態である低消費電力モードと、印刷が可能な状態である印刷モード(プリントモード、スタンバイモードともいわれる)がある。低消費電力モードの消費電力は、印刷モードより少ない。印刷モードでは、画像形成部の予熱が行われており、画像形成部で印刷が実行可能又は印刷の実行が行われている。低消費電力モードは、印刷モード以外の状態をいう。また、低消費電力モードとして、複数段階のモードがあってもよい。例えば、ヒーター部の温度を下げ、かつモーターが停止している状態である低電力モードと、主電源が切れ、最も電力を節約できる状態である自動オフモード(スリープモードともいわれる)等があってもよい。
【0019】
印刷指示受付モジュール110は、撮影モジュール120、画像処理モジュール150と接続されている。印刷指示受付モジュール110は、通信回線290を介して、ユーザー端末200から印刷指示(印刷ジョブともいわれる)を受け付ける。
【0020】
撮影モジュール120は、印刷指示受付モジュール110、検知モジュール130と接続されている。撮影モジュール120は、印刷指示受付モジュール110が印刷指示を受け付けた後に第1の画像を撮影し、予め定められた期間後に第2の画像を撮影する。印刷指示を受け付けた後に、その印刷指示による印刷物を受け取るために、印刷指示を出したユーザーが画像処理装置100に近寄ることを検知するために撮影を行う。第1の画像を撮影する「印刷指示を受け付けた後」として、印刷指示を行ったユーザーが立ち上がる前の状態を撮影できればよく、例えば、(1)印刷指示を受け付けた直後であってもよいし、(2)印刷指示を受け付けて、予め定められた時間後(例えば、5秒後等)であってもよいし、(3)印刷指示を受け付けた後に、撮影モジュール120が撮影している画像に変化があったときであってもよい。この(3)の場合、撮影モジュール120は常に撮影を行っていてもよいし、印刷指示を受け付けた直後に撮影を開始してもよい。また、第1の画像を撮影してから第2の画像を撮影するまでの「予め定められた期間」として、印刷指示を行ったユーザーが立ち上がった後の状態を撮影できればよく、1回の撮影であってもよいし、複数回の撮影であってもよい。
撮影モジュール120は、画像処理装置100に備え付けられている顔認証用のカメラを用いてもよい。
また、撮影モジュール120として、静止画を撮影するデジタルカメラのほか、動画撮影用カメラであってもよい。なお、動画撮影用カメラの場合、第1の画像を撮影してから連続して第2の画像までを撮影していることになる。
【0021】
検知モジュール130は、撮影モジュール120、低消費電力モード制御モジュール140と接続されている。検知モジュール130は、印刷指示を受け付けた後に、人が立ち上がる動作を検知する。
また、例えば、検知モジュール130は、撮影モジュール120によって撮影された第1の画像と第2の画像を比較して、人が立ち上がる動作を検知するようにしてもよい。
また、検知モジュール130は、第1の画像と第2の画像とで、異なる画像が上下方向にある場合は、人が立ち上がる動作として検知するようにしてもよい。
さらに、検知モジュール130は、異なる画像内に人を検知した場合に、人が立ち上がる動作として検知するようにしてもよい。
【0022】
低消費電力モード制御モジュール140は、検知モジュール130、画像処理モジュール150と接続されている。低消費電力モード制御モジュール140は、検知モジュール130によって動作(人が立ち上がる動作)が検知された場合は、低消費電力モードから印刷可能な印刷モードに変更する。
【0023】
画像処理モジュール150は、印刷指示受付モジュール110、低消費電力モード制御モジュール140と接続されている。画像処理モジュール150は、低消費電力モード制御モジュール140によって印刷モードに変更された後、印刷指示受付モジュール110が受け付けた印刷指示による印刷処理を開始する。また、顔認証等によるログイン処理が必要である場合は、ログイン処理が成功する前に、印刷処理のための画像処理(印刷する印刷用画像をメモリ上に生成する処理)を開始してもよい。そして、ログイン処理が成功した場合は、そのログインしたユーザーが印刷指示受付モジュール110が受け付けた印刷指示を送信したユーザーであることを確認した上で、用紙上に画像を形成する処理を行うようにしてもよい。印刷指示を送信した直後に立ち上がる動作をしたユーザーは、印刷物を取り出す可能性が高いので、待ち時間を短くするためである。
【0024】
図2は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
図2(a)に示す例は、画像処理装置100、ユーザー端末200A、ユーザー端末200B、ユーザー端末200Cは、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。ユーザー端末200から印刷指示が、通信回線290を介して画像処理装置100に送信される。
図2(b)に示す例は、ユーザー端末200A、ユーザー210A、ユーザー端末200B、ユーザー210B、画像処理装置100の、オフィス内での位置関係を示すものである。ユーザー210は、座ってユーザー端末200を使用している。ユーザー210は、ユーザー端末200を用いて、画像処理装置100に対して印刷指示を行う。一般的に、印刷指示を行ったユーザー210は、印刷指示を行った直後に印刷物を取り出すために、立ち上がって画像処理装置100に近寄る。画像処理装置100の撮影モジュール120は、ユーザー210が座っている方向を向いており、ユーザー210を撮影可能である。画像処理装置100は、使用されていない場合は、低消費電力モードの状態である。画像処理装置100は、印刷指示を受け取った場合に、ユーザー210の立ち上がる動作を検知したときは、低消費電力モードから印刷モードに変更する。そして、ユーザー210が画像処理装置100に来たときは、印刷指示に応じた印刷を可能な状態にしておく。
【0025】
図3は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS302では、低消費電力モード制御モジュール140は、低消費電力モードに設定する。例えば、予め定められた時間、画像処理装置100が使用されていない場合等が該当する。
ステップS304では、印刷指示受付モジュール110が、ユーザー端末200から印刷指示を受け付けたか否かを判断し、受け付けた場合はステップS306へ進み、それ以外の場合は受け付けるまで待機する。
ステップS306では、撮影モジュール120が撮影する(画像A)。例えば、
図4(a)に示すように画像A:400を撮影する。画像A:400内には、座っている状態のユーザー210が2人、撮影されている。
ステップS308では、撮影モジュール120が、予め定められた期間を待機する。
ステップS310では、撮影モジュール120が撮影する(画像B)。例えば、
図4(b)に示すように画像B:410を撮影する。画像B:410内には、2人のうち1人は立っている状態のユーザー210が撮影されている。
【0026】
ステップS312では、画像Aと画像Bを領域分割し、画像Aと画像Bを比較する。前述の例では、画像A:400、画像B:410を領域分割し、両画像で異なる領域を抽出する。
図4の例では、5×5=25分割し、座っていたユーザー210が立ち上がったため、そのユーザー210の立ち上がり画像420があるので、変化領域422(左下端の領域を(1,1)とした場合は、(2,2)の領域)、変化領域424(同様に(2,1)の領域)を異なる領域として抽出する。そして、その異なる領域(変化領域422と変化領域424)は、縦方向に連続している(異なる画像が上下方向にある)ので、ステップS314の判断では「Yes」となる。異なる領域の抽出は、両者の画像内の対応する領域を比較して、異なる画素の割合が予め定められた閾値より多い又は以上である場合に、その領域は異なると判断すればよい。
さらに、画像Aと画像Bを比較して、下にある領域の画像が上方向の領域の画像に移動したことを検知するようにしてもよい。つまり、立ち上がることによって顔画像が上方向に移動することを検知するようにしてもよい。検知できた場合は、ステップS316へ進み、それ以外の場合はステップS304へ戻るようにしてもよい。
ステップS314では、異なる領域は縦方向に連続しているか否かを判断し、連続している場合はステップS316へ進み、それ以外の場合はステップS304へ戻る。
【0027】
ステップS316では、低消費電力モード制御モジュール140は、低消費電力モードから印刷モードに変更する。
ステップS316の処理として、さらに、ステップS304で受け付けた印刷指示にかかる印刷処理の準備処理(例えば、印刷対象の文書から印刷用画像をメモリ上に生成する処理等)を行うようにしてもよい。
【0028】
図5は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。ステップS502からステップS514までの処理はステップS302からステップS314までの処理と同等であり、ステップS518の処理はステップS316の処理と同等である。
ステップS502では、低消費電力モード制御モジュール140は、低消費電力モードに設定する。
ステップS504では、印刷指示受付モジュール110が、ユーザー端末200から印刷指示を受け付けたか否かを判断し、受け付けた場合はステップS506へ進み、それ以外の場合は受け付けるまで待機する。
ステップS506では、撮影モジュール120が撮影する(画像A)。
ステップS508では、撮影モジュール120が、予め定められた期間を待機する。
ステップS510では、撮影モジュール120が撮影する(画像B)。
ステップS512では、画像Aと画像Bを領域分割し、画像Aと画像Bを比較する。
ステップS514では、異なる領域は縦方向に連続しているか否かを判断し、連続している場合はステップS516へ進み、それ以外の場合はステップS504へ戻る。
【0029】
ステップS516では、異なる領域内に人(特に上体)が撮影されているか否かを判断し、撮影されている場合はステップS518へ進み、それ以外の場合はステップS504へ戻る。前述の
図4(b)の例では、異なる領域として抽出した変化領域422、変化領域424内に、人が撮影されているか否かを判断することになる。人の画像か否かは、既存の人体検出技術を利用すればよい。また、顔検出技術、顔画像の認識技術を利用して、異なる領域内の顔画像を認識し、その認識されたユーザーは印刷指示を行ったユーザー(ステップS504で印刷指示を行ったユーザー)であるか否かを判断し、異なった場合はステップS504へ戻り、同一人物である場合はステップS518へ進むようにしてもよい。
ステップS518では、低消費電力モードから印刷モードに変更する。
【0030】
図6は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。ステップS602からステップS616までの処理はステップS302からステップS316までの処理と同等である。
ステップS602では、低消費電力モード制御モジュール140は、低消費電力モードに設定する。
ステップS604では、印刷指示受付モジュール110が、ユーザー端末200から印刷指示を受け付けたか否かを判断し、受け付けた場合はステップS606へ進み、それ以外の場合は受け付けるまで待機する。
ステップS606では、撮影モジュール120が撮影する(画像A)。
ステップS608では、予め定められた期間を待機する。
ステップS610では、撮影モジュール120が撮影する(画像B)。
【0031】
ステップS612では、画像Aと画像Bを領域分割し、画像Aと画像Bを比較する。
ステップS614では、異なる領域は縦方向に連続しているか否かを判断し、連続している場合はステップS616へ進み、それ以外の場合はステップS604へ戻る。
ステップS616では、低消費電力モードから印刷モードに変更する。
【0032】
ステップS618では、予め定められた期間内に人感センサーは人を検知したか否かを判断し、検知した場合はステップS620へ進み、それ以外の場合はステップS622へ進む。ここでの「予め定められた期間」における始期は、立ち上がった人を検知したとき(ステップS614で「Yes」の判断をしたとき)であってもよいし、時間の計測が無駄になる場合もあるが、ステップS604で印刷指示を受け付けたときからであってもよいし、ステップS606で画像Aを撮影したときからであってもよいし、ステップS610で画像Bを撮影したときから等であってもよい。「予め定められた期間」は、ユーザーが画像処理装置100にたどり着くまでの時間より長い又は以上である期間であればよい。
ステップS620では、ステップS604で受け付けた印刷指示に応じた準備処理(例えば、印刷対象の文書から印刷用画像をメモリ上に生成する処理等)を行う。
ステップS622では、低消費電力モードに変更し、ステップS604へ戻る。立ち上がったユーザーを検知したが、画像処理装置100の近くに来なかったので低消費電力モードに戻す処理を行う。いったん印刷モードになったが、画像処理装置100が予め定められた時間使用されていないことによって低消費電力モードに戻る場合よりも、早く低消費電力モードに戻ることになる。これによって消費電力を削減することができる。
【0033】
図7を参照して、本実施の形態の画像処理装置のハードウェア構成例について説明する。
図7に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等によって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部717と、プリンタ等のデータ出力部718を備えたハードウェア構成例を示している。
【0034】
CPU(Central Processing Unit)701は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、印刷指示受付モジュール110、撮影モジュール120、検知モジュール130、低消費電力モード制御モジュール140、画像処理モジュール150等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0035】
ROM(Read Only Memory)702は、CPU701が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)703は、CPU701の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス704により相互に接続されている。
【0036】
ホストバス704は、ブリッジ705を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス706に接続されている。
【0037】
キーボード708、マウス等のポインティングデバイス709は、操作者により操作されるデバイスである。ディスプレイ710は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)等があり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。また、ポインティングデバイス709とディスプレイ710の両方の機能を備えているタッチスクリーン等であってもよい。その場合、キーボードの機能の実現について、キーボード708のように物理的に接続しなくても、画面(タッチスクリーン)上にソフトウェアでキーボード(いわゆるソフトウェアキーボード、スクリーンキーボード等ともいわれる)を描画して、キーボードの機能を実現するようにしてもよい。
【0038】
HDD(Hard Disk Drive)711は、ハードディスク(フラッシュ・メモリ等であってもよい)を内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU701によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。ハードディスクには、印刷指示、撮影した画像等が格納される。さらに、その他の各種データ、各種コンピュータ・プログラム等が格納される。
【0039】
ドライブ712は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体713に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース707、外部バス706、ブリッジ705、及びホストバス704を介して接続されているRAM703に供給する。なお、リムーバブル記録媒体713も、データ記録領域として利用可能である。
【0040】
接続ポート714は、外部接続機器715を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート714は、インタフェース707、及び外部バス706、ブリッジ705、ホストバス704等を介してCPU701等に接続されている。通信部716は、通信回線に接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部717は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部718は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0041】
なお、
図7に示す画像処理装置のハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、
図7に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに
図7に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、複合機の他、プリンタ、複写機、ファックスなどに組み込まれていてもよい。
【0042】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。