(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の操作センサが、使用者が当該蒸気供給システムの第1のボタンを押圧したことに応じて使用者の操作を検出するように構成されており、前記第2の操作センサが、使用者が当該蒸気供給システムの第2のボタンを押圧したことに応じて使用者の操作を検出するように構成されている、請求項1に記載の蒸気供給システム。
前記第1の操作センサが、使用者が所定の第1の押圧順序に従って当該蒸気供給システムのボタンを押圧したことに応じて使用者の操作を検出するように構成されており、前記第2の操作センサが、使用者が所定の第2の押圧順序に従って前記ボタンを押圧したことに応じて使用者の操作を検出するように構成されている、請求項1に記載の蒸気供給システム。
前記第1の押圧順序及び前記第2の押圧順序のうちの少なくとも一方が、前記使用者が前記ボタンを既定の時間以内に既定の回数押圧することに対応する、請求項3に記載の蒸気供給システム。
前記電源制御回路は、前記第2の操作センサが使用者の操作を、前記第1の操作センサが使用者の操作を検出したことと併せて検出したときにのみ、前記第2のユーザ定義設定に従って前記気化器への前記電力供給を制御するように構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蒸気供給システム。
前記電源制御回路は、前記第1の操作センサ及び前記第2の操作センサが同時に使用者の操作を検出したことに応じて第3の設定に従って前記気化器への前記電力供給を制御するように構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の蒸気供給システム。
前記第3の設定がユーザ定義設定であり、前記ユーザプログラミング回路機構が、使用者の入力に応じて、ユーザ定義の第3の電力設定を受け取って記憶するように構成されている、請求項7に記載の蒸気供給システム。
前記ユーザプログラミング回路機構が、前記第1の操作センサ及び/又は前記第2の操作センサと同じユーザ入力機構を通じて使用者の入力を受け取るように構成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の蒸気供給システム。
前記第1のユーザ定義設定の指示及び/又は前記第2のユーザ定義設定の指示を提示するためのディスプレイをさらに備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の蒸気供給システム。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ(eシガレット)のような電子蒸気供給システムは、一般に、典型的にはニコチンを含む配合物を含有する原料液体(source liquid)のリザーバ、又はタバコベースの製品のような固体材料等の蒸気前駆材料を包含し、この材料から、例えば、熱気化を通じて、蒸気が使用者による吸引のために生成される。それゆえ、蒸気供給システムは、通例、前駆材料の一部分を気化させ、蒸気生成チャンバ内に蒸気を生成するために配置された気化器、例えば、加熱要素を包含する蒸気生成チャンバを備えることになる。使用者がデバイス上で吸入し、電力が気化器に供給されると、空気が入口孔を通してデバイスに吸い込まれ、蒸気生成チャンバに入り、そこで、空気は、気化された前駆材料と混合し、凝縮エアロゾルを形成する。蒸気生成チャンバとマウスピース内の開口部との間を接続する流路が存在し、これにより、蒸気生成チャンバを通して吸い込まれた流入空気は、蒸気の一部を空気と共に運びながら、流路に沿ってマウスピース開口部へ進み、マウスピース開口部を通して使用者による吸引のために流出する。
【0003】
システムによっては、気化器への電力供給は、例えば、使用者が、蒸気を吸引のために生成したいと希望する時に、操作ボタンを押圧することによって、手動で起動される。いくつかの他のシステムでは、気化器への電力供給は、例えば、使用者がデバイスをいつ吸っているのかを検出するための圧力又は空気流センサを用いて、使用者の吸引に応じて自動的に起動される。
【0004】
気化器が起動される時に電子タバコの気化器に供給される電力量はユーザエクスペリエンスに影響を及ぼす。概して述べるならば、電力量が高いほど、多くの蒸気を生成することになり、これにより、使用者は、ニコチン及び/又は香味料等の、蒸気を構成する成分を対応してより多く吸引することができる。他の効果もあり得、例えば、異なる蒸気温度及び凝縮蒸気粒子サイズが、気化器に供給される異なる電力量に関連付けられ得る。
【0005】
これを考慮して、一部の電子タバコは、使用者が、自身のエクスペリエンスを調整するために、使用時に気化器のための異なる電力レベルを選択することを可能にする。例えば、一部のデバイスは、各ボタンが異なる電力量の供給に関連付けられた二つの操作ボタンを組み込むことができ、それによって、実際上、低電力モードを動作させるためのボタン、及び高電力モードを動作させるためのボタンを提供する。他のデバイスでは、使用者が、例えば、メニューシステムを通じて、気化器が動作させられた時に使用するべき所望の電力量を設定することを可能にすることができる。
【0006】
使用者が使用時における気化器のための異なる電力レベルを選択することを可能にするデバイスは、付加的な望ましい機能性を提供するが、発明者らは、この機能性を提供するための既存のアプローチは、いくつかの点において、使用者のための柔軟性及び簡便性を欠くことがあり得ることを認識した。
【0007】
これらの課題のうちの一部への対処又はこれらの緩和を助けることを追求する様々なアプローチについて、以下、本書において説明する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
特定の例及び実施形態の態様及び特徴について本書において論じ/説明する。特定の例及び実施形態のいくつかの態様及び特徴は従来実施されている場合があり、簡潔にするために、これらは詳細に論じ/説明しない。それゆえ、詳細に説明されない本書において論じられる装置及び方法の態様及び特徴は、このような態様及び特徴を実施するための任意の従来の技法に従って実施され得ることを理解されたい。
【0015】
本開示は、eシガレット等の、エアロゾル供給システムとも称される蒸気供給システムに関する。以下の説明全体を通じて、用語「eシガレット」又は「電子タバコ」が時として用いられる場合があるが、この用語は、蒸気供給システム/デバイス及び電子蒸気供給システム/デバイスと互換的に用いられ得ることを理解されたい。さらに、当技術分野において一般的であるように、用語「蒸気」及び「エアロゾル」、並びに「気化させる」、「揮発させる」及び「エアロゾル化する」等の関連用語は、概して、互換的に用いられ得る。
【0016】
蒸気供給システム(eシガレット)は、常にとは限らないが、多くの場合、再使用可能部分及び交換可能(使い捨て)カートリッジ部分の両方を含むモジュール式アセンブリを備える。多くの場合、交換可能カートリッジ部分は、蒸気前駆材料及び気化器を備え、再使用可能部分は電源(例えば、再充電可能バッテリー)及び制御回路を備えるであろう。これらの異なる部分は機能性に応じてさらなる要素を備え得ることは理解されるであろう。例えば、再使用可能デバイス部分は、多くの場合、使用者による入力を受け取り、動作ステータス特性を表示するためのユーザインターフェースを備え、交換可能カートリッジ部分は、場合によっては、温度の制御を助けるための温度センサを備えるであろう。カートリッジは、例えば、適切に係合する電気接点を有するねじ式又はバヨネット式の固定具を用いて、使用のためにコントロールユニットに電気的且つ機械的に結合される。カートリッジ内の蒸気前駆材料が使い果たされるか、又は使用者が、異なる蒸気前駆材料を有する異なるカートリッジに交換したいと希望した場合、カートリッジがコントロールユニットから取り外され、交換カートリッジがその代わりに取り付けられてもよい。この種の2パートモジュール式の構成に適合するデバイスは、概して、2パートデバイスと称され得る。電子タバコは概ね細長い形状を有するのが一般的である。具体例を提供するために、本書において説明される本開示の特定の実施形態は、使い捨てカートリッジを利用するこの種の概ね細長い2パートデバイスを含むと理解されたい。しかし、本書において説明される基本原理は、異なる電子タバコ構成、例えば、単一パートデバイス、若しくは二つを超える部分を備えるモジュール式デバイス、詰め替え式デバイス及び一回限りの使い捨てデバイス、並びに例えば、通例、より箱形の形状を有する、いわゆるボックスモッド(box−mod)高性能デバイスに基づく、他の全体形状に適合するデバイスのために等しく採用され得ることは理解されるであろう。より一般的には、本開示の特定の実施形態は、本書において説明される原理に係る機能性を提供するように機能的に構成された電子タバコに基づくものであり、本開示の特定の実施形態に係る機能性を提供するように構成された電子タバコの構造的な態様は第一義的に重要なものではないことは理解されよう。
【0017】
図1は、本開示の特定の実施形態に係る例示的なeシガレット1を通した断面図である。eシガレット1は、二つの主要なコンポーネント(構成要素)、すなわち、再使用可能部分2と交換可能/使い捨てカートリッジ部分4とを備える。通常使用時、再使用可能部分2及びカートリッジ部分4は境界部6において共に取外し可能に結合されている。カートリッジ部分が使い果たされるか、又は使用者が、単に、異なるカートリッジ部分に交換したいと希望した場合に、カートリッジ部分が再使用可能部分から取り外され、交換カートリッジ部分がその代わりに再使用可能部分に取り付けられ得る。境界部6は、二つの部分の間の構造的接続部、電気接続部及び空気経路接続部を提供し、例えば、二つの部分の間の電気接続部及び空気経路を必要に応じて確立するための適切に配置された電気接点及び開口部を有するねじ式又はバヨネット式の固定具を中心とした、従来の技法に従って確立され得る。カートリッジ部分4が再使用可能部分2に機械的に装着される特定の方法は、本書において説明される原理にとって重要でないが、具体例のために、ここでは、ねじ継手(
図1には示されていない)を含むと仮定する。境界部6は、実施形態によっては、それぞれの部分の間の電気接続部及び/又は空気経路接続部をサポートしなくてもよいことも理解されるであろう。例えば、実施形態によっては、気化器は、カートリッジ部分内でなく、再使用可能部分内に設けられてもよく、又は再使用可能部分からカートリッジ部分への電力の伝送は(例えば、電磁誘導に基づく)無線式であってもよく、このため、再使用可能部分とカートリッジ部分との間の電気接続部は必要ない。さらに、実施形態によっては、電子タバコを通した空気流が再使用可能部分を通過しない場合があり得、このため、再使用可能部分とカートリッジ部分との間の空気経路接続部は必要ない。
【0018】
カートリッジ部分4は、本開示の特定の実施形態によれば、広く標準となっているものであり得る。
図1において、カートリッジ部分4は、プラスチック材料で形成されたカートリッジハウジング42を備える。カートリッジハウジング42はカートリッジ部分の他のコンポーネントを支持し、再使用可能部分2との機械的境界部6を提供する。カートリッジハウジングは、カートリッジ部分が再使用可能部分2に結合する長手方向軸線の周りに概ね円対称である。本例では、カートリッジ部分は、4cm前後の長さ及び1.5cm前後の直径を有する。しかし、具体的な幾何形状、並びにより一般的に、全体形状及び使用される材料は、異なる実施形態において異なり得ることは理解されるであろう。
【0019】
カートリッジハウジング42内には、液体蒸気前駆材料を包含するリザーバ44がある。液体蒸気前駆材料は従来のものであってもよく、eリキッドとも称される。本例における液体リザーバ44は、カートリッジハウジング42によって画定される外壁、及びカートリッジ部分4を貫く空気経路52を画定する内壁を有する環状形状を有する。リザーバ44は、eリキッドを包含するために、各端部において端部壁によって閉じられている。リザーバ44は従来の技法に従って形成されてもよく、例えば、リザーバ44はプラスチック材料を含み、カートリッジハウジング42と一体に成形されてもよい。
【0020】
カートリッジ部分は、マウスピース出口50と反対のリザーバ44の端部の方に位置するウィック46とヒータ(気化器)48とをさらに備える。本例では、ウィック46はカートリッジ空気経路52を横切って横方向に延びており、ウィック46の端部はリザーバ44の内壁内の開口部を通してeリキッドのリザーバ44内へ延びている。リザーバの内壁内の開口部は、ウィックの流体移送性能にとって有害になり得る、ウィックの過度な圧縮を伴うことなく、液体リザーバからカートリッジ空気経路内への漏れに対する適度なシールをもたらすよう、ウィック46の寸法に広く一致するようにサイズ設定されている。
【0021】
ウィック46及びヒータ48はカートリッジ空気経路52内に配置されており、これにより、ウィック46及びヒータ48の周りのカートリッジ空気経路52の領域が、実際上、カートリッジ部分のための気化領域を画定する。リザーバ44内のeリキッドは、リザーバ44内へ延びるウィックの端部を通ってウィック46に浸透し、表面張力/毛管作用(すなわち、ウィッキング)によってウィックに沿って引かれる。本例におけるヒータ48は、ウィック46の周りに巻き付けられた電気抵抗性のワイヤを含む。本例では、ヒータ48はニッケルクロム合金(Cr20Ni80)ワイヤを含み、ウィック46はガラス繊維束を含むが、特定の気化器の構成は、本書において説明される原理にとって重要でないことは理解されるであろう。使用時には、ウィック46によってヒータ48の近傍に引かれた、ある量のeリキッド(蒸気前駆材料)を気化させるために、電力がヒータ48に供給され得る。気化されたeリキッドは、その後、使用者の吸引のためにカートリッジ空気経路に沿って気化領域からマウスピース出口50に向かって引かれる空気に取り込まれ得る。
【0022】
上述したように、eリキッドが気化器(ヒータ)48によって気化される速度は、ヒータ48に供給される電力量(レベル)に依存することになる。それゆえ、カートリッジ部分4内のeリキッドから蒸気を選択的に発生させるために電力をヒータに印加することができ、さらに、例えば、パルス幅及び/又は周波数変調技法を通じて、ヒータ48に供給される電力量を変更することによって、蒸気生成の速度を変更することができる。
【0023】
再使用可能部分2は、eシガレットのための空気入口28を画定する開口部を有する外部ハウジング12と、電子タバコのための動作電力を提供するためのバッテリー26と、電子タバコの動作を制御し、監視するための制御回路18と、第1のユーザ入力ボタン14と、第2のユーザ入力ボタン16と、視覚ディスプレイ24とを備える。
【0024】
外部ハウジング12は、例えば、プラスチック又は金属材料から形成されてもよく、本例では、境界部6における二つの部分の間の滑らかな移行をもたらすためにカートリッジ部分4の形状及びサイズに概ね適合する円形断面を有する。本例では、再使用可能部分は8cm前後の長さを有し、そのため、カートリッジ部分及び再使用可能部分が共に結合された時のeシガレットの全長は12cm前後である。しかし、すでに述べたように、本開示の一実施形態を実施する電子タバコの全体形状及び規模は、本書において説明される原理にとって重要でないことは理解されるであろう。
【0025】
空気入口28は、再使用可能部分2を通して空気経路30に接続する。再使用可能部分2及びカートリッジ部分4が共に接続されている時には、再使用可能部分の空気経路30がひいては境界部6を横切ってカートリッジ空気経路52に接続する。それゆえ、使用者がマウスピース開口部50を吸うと、空気が空気入口28を通して吸い込まれ、再使用可能部分の空気経路30に沿って進み、境界部6を横切り、アトマイザ48の近傍における蒸気生成領域(ここで、気化されたeリキッドが空気流に取り込まれる)を通り、カートリッジ空気経路52に沿って進み、使用者の吸引のためにマウスピース開口部50を通して流出する。
【0026】
本例におけるバッテリー26は再充電可能であり、従来型のもの、例えば、電子タバコ、及び比較的短い期間にわたる比較的高い電流の供給を必要とする他の適用物において通常用いられる種類のものとすることができる。バッテリー26は、再使用可能部分のハウジング12内の充電コネクタ、例えば、USBコネクタを通して再充電されてもよい。
【0027】
本例における第1のユーザ入力ボタン14及び第2のユーザ入力ボタン16は、例えば、電気接触を確立するために使用者によって押圧され得るばね式で取り付けられたコンポーネントを含む従来の機械式ボタンである。この点に関して、入力ボタンは、使用者による入力を検出するための入力デバイスと考えてもよく、ボタンが実装される特定の様態は重要でない。例えば、他の実施形態では、他の形式の機械式ボタン、又は(例えば、容量式若しくは光学式感知技法に基づく)タッチ感知ボタンが用いられてもよい。ボタンが実装される特定の様態は、特に、所望の審美的外観を考慮して選択されてもよい。例えば、場合によっては、二つのボタン14、16は構造的に互いに独立していてもよく、それに対して、他の場合には、二つのボタン14、16は、例えば、それぞれのボタンのうちの一方若しくは他方又は両方を選択的に作動させるために用いられる単一のトグル要素を用いて、ある程度統合されていてもよい。
【0028】
ディスプレイ24は、電子タバコに関連付けられた様々な特性、例えば、現在の電力設定情報、残りのバッテリー電力等の視覚指示を使用者に与えるために設けられている。ディスプレイは様々な様態で実装され得る。本例では、ディスプレイ24は、従来の技法に従って所望の情報を表示するために駆動され得る従来のピクセル化されたLCD画面を備える。他の実施形態では、ディスプレイは、例えば、特定の色及び/又は点滅の順序を通じて、所望の情報を表示するために配置された一つ以上の別個のインジケータ、例えば、LEDを備えてもよい。より一般的には、ディスプレイが設けられ、ディスプレイを用いて情報が使用者に表示される様態は、本書において説明される原理にとって重要でない。例えば、実施形態によっては、視覚ディスプレイを含まなくてもよく、電子タバコの動作特性に関連する情報を使用者に提供するための、例えば、音声信号を用いる他の手段を含んでもよく、又は電子タバコの動作特性に関連する情報を使用者に提供するための手段を全く含まなくてもよい。
【0029】
制御回路18は、本書においてさらに説明されるような本開示の実施形態に係る機能性を提供するため、並びにこのようなデバイスを制御するための確立された技法に沿って電子タバコの従来の動作機能を提供するために、電子タバコの動作を制御するように適切に構成/プログラムされる。制御回路(プロセッサ回路)18は、電子タバコの動作の異なる態様に関連付けられた様々なサブユニット/回路要素を論理的に含むと考えられ得る。本例では、制御回路18は、使用者による入力に応じてバッテリー26から気化器48への電力供給を制御するための電源制御回路22、使用者による入力に応じて構成設定(例えば、ユーザ定義電力設定)を確立するためのユーザプログラミング回路20、並びにディスプレイ駆動回路及びユーザ入力検出回路等の、本書において説明される原理に係る機能性及び電子タバコの従来の動作態様に関連付けられた他の機能ユニット/回路を含む。制御回路18の機能性は、例えば、所望の機能性を提供するように構成された、一つ以上の適切にプログラムされたプログラム可能コンピュータ及び/又は一つ以上の適切に構成された特定用途向け集積回路/電子回路/チップ/チップセットを用いて、様々な異なる方法で提供することができることは理解されるであろう。
【0030】
それゆえ、蒸気供給システム1は、第1のボタン14の使用者による操作(すなわち、押圧)を検出するための第1の操作センサと、第2のボタン16の使用者による操作(すなわち、押圧)を検出するための第2の操作センサとを備える。本書においてさらに論じるように、制御回路18、及びより具体的には、電源制御回路22を含む制御回路の論理構成要素は、操作センサのうちの一方若しくは他方(又は両方)の使用者による操作に応じて、カートリッジ部分4内のeリキッドの一部分から蒸気を、マウスピース出口50を介した使用者の吸引のために生成するための、バッテリー26からヒータ/気化器48への電力供給を制御するように構成されている。各操作センサは、使用者によって構成される気化器に供給するための電力量に関連付けられる。すなわち、使用者は、制御回路18、及びより具体的には、ユーザプログラミング回路22を含む制御回路の論理構成要素を、各操作センサを異なるユーザ定義電力レベル設定に関連付けるようにプログラムし得る。それゆえ、例えば、使用者は、蒸気供給システム1を、使用者が第1のボタン14を押圧すると、比較的低い電力量を気化器48に供給し、使用者が第2のボタン16を押圧すると、比較的高い電力量を気化器48に供給するようにプログラムし得る。例示的な実施形態によっては、蒸気供給システム1は、使用者が第1のボタン14及び第2のボタンを同時に押圧すると、第3の電力量を気化器48に供給するようにさらに構成されていてもよい。場合によっては、第3の電力量もまた、使用者によって定義され、ユーザプログラミング回路によって構成可能であり得、以て、単に適切なボタンを押圧するだけで直接アクセスすることができる三つの別々の性能/蒸気生成レベルを定義する柔軟性を使用者に提供する。いくつかの他の場合には、第3の電力量は既定のものであり、例えば、第3の電力量は、バッテリーによって提供され得る最大電力に対応してもよく、それによって、単に適切なボタンを押圧するだけで直接アクセスすることができる二つの別々の電力レベルを定義する柔軟性、並びに両方のボタンを一緒に押圧することによって最大電力を気化器に供給する能力を使用者に提供する。
【0031】
それゆえ、本書において説明される原理によれば、使用者は、複数の異なるユーザ定義電力レベルを動作させる能力がもたらされる。発明者らは、これは、固定された電力量を供給すること、又は使用者に、電力量を変更するためのプログラミングメニューに入るよう要求することに依拠する既存の方式を上回る改善された柔軟性及び簡便性をもたらすことを認識した。例えば、使用者は、使用セッションの始めにおいては蒸気生成のために比較的高い電力レベルを使用するが、使用セッションの終わりの方では蒸気生成のためにより低い電力レベルを使用したいと希望し得る。これは、本書において説明される本開示の特定の実施形態によれば、単に、所望の電力レベルの各々をボタンのうちの一つに関連付け、その後、関連ボタンを用いてそれに応じて蒸気生成を行わせることによって、達成され得る。
【0032】
図2は、本開示の特定の実施形態に係る、所望のユーザ定義電力レベル設定をそれぞれの操作センサに関連付けるための蒸気供給システムのエンドユーザプログラミングの方法を概略的に示すフロー図である。この特定の例では、第1のボタン14及び第2のボタン16が、蒸気供給システムをプログラムするための使用者による入力を可能にするために用いられると仮定している。しかし、他の例示的な実施形態は、プログラミング中の使用者による入力のための一つ以上の追加のユーザ入力デバイス、例えば、一つ以上の追加のボタンを有し得ることは理解されるであろう。さらに他の例示的な実施形態では、蒸気供給システムは、代わりに、又は追加的に、使用者が、蒸気供給システムをプログラムすること、及び特に、ユーザ定義電力レベル設定を、異なる操作センサに関連付けるように構成することを可能にするためのアプリケーションを実行する独立したデバイス、例えば、スマートフォン又はタブレット等の、コンピュータに(有線又は無線で)接続するように構成されていてもよい。より一般的には、使用者が、デバイスによって提供される異なる動作手段のための設定を、異なる動作手段のための使用者の所望の蒸気生成レベルに対応するよう確立することを可能にするための任意の手段が提供され得る。
【0033】
図2のステップS1において、蒸気供給システムをユーザプログラミングモードに入らせる。これは、例えば、使用者が第1及び/又は第2のボタンを既定の順序(シーケンス)で押圧すること、例えば、第1のボタンを3秒以内に6回押圧すること、又は各ボタンを3回交互に押圧することによって達成され得る。無論、ユーザプログラミングモードに入るために蒸気供給システムがトリガされる特定の様態は、本書において説明される原理にとって重要でないことは理解されるであろう。概して述べるならば、使用者が、異なる操作センサに現在関連付けられている電力設定(これは、以前に設定されたことがない場合には、工場出荷時の設定であり得る)を変更したい時はいつでも、使用者はユーザプログラミングモードに入ることができる。蒸気供給システムがユーザプログラミングモードに入ると、ディスプレイは、これの指示、並びに電流構成設定等の、他の情報を使用者に提供するように構成されていてもよい。
【0034】
ステップS2において、ユーザプログラミングモードになっている時に、使用者は、第1の入力ボタンに関連付けられるべき所望の電力レベル設定を指示するための使用者による入力を可能とする。これを行うことができる多くの方法が存在する。例えば、場合によっては、使用者は、例えば、視覚ディスプレイ24によって指示される目下の電力レベル設定を、例えば、0.1ワットの刻みで、又は所与の実施形態において提供される分解能であればどれでもその分解能の刻みで、それぞれ増減するために、第1及び第2のボタンを用いることによって、特定のワット数を指示することにより、所望の電力レベル設定を定義し得る。場合によっては、所望の電力レベル設定は任意の単位に関連付けられ得、例えば、使用者は、0の電力から最大電力までの間の10個の異なる設定から選択することが可能であってもよい。この場合も先と同様に、ユーザプログラミングモードになっている時に、使用者は、現在の電力レベル設定をこのような階級で調整するために第1及び第2の入力ボタンを用い得る。使用者は、例えば、使用者が「ok」又は「enter」を指示することに実際上対応すると解釈される、ボタンのうちの一方又は他方を既定の順序で押圧すること、例えば、一方又は他方のボタンの3回の素早い押圧、又は両方のボタンの同時押圧によって、第1の入力ボタンへの関連付けのための所望の電力レベル設定を確定し得る。
【0035】
ステップS3において、ユーザプログラミングモードになっている時に、及び第1の入力ボタンに関連付けられた第1のユーザ定義電力レベルの指示を受け取って記憶した後に、ユーザプログラミング回路機構は、使用者による入力に応じて、第2の入力ボタンに関連付けられた第2のユーザ定義電力レベルの指示を受け取って記憶し得る。これは、ステップS2の場合と同じ方法で行われ得る。
【0036】
ステップS4において、第1及び第2のユーザ定義電力レベルが設定された状態で、使用者はプログラミングモードから抜けることができる。この場合も先と同様に、これは、いくつかの異なる方法のうちの任意のもので、例えば、ユーザ入力ボタンのうちの一方又は他方を、ユーザプログラミングモードを抜けるための命令に対応すると解釈される既定の順序で押圧することによって、達成され得る。
【0037】
それゆえ、
図2は、使用者が、第1及び第2の入力ボタンへの関連付けのための使用者の所望の電力設定を確立し得る一つの方法を示す。これは、単に、例えば、電子タバコ等の電子デバイスのユーザプログラミングのための確立された慣行を考慮して、これを達成することができる多くの異なる方法のうちの一つを提供しているにすぎないことは理解されたい。電力レベルが設定される順序は無論重要でないことも理解されるであろう。さらに、ユーザプログラミングモードは、所与の実施形態のために利用可能であり得る蒸気供給システムの任意の他の構成可能な態様を設定するためにも用いられ得ることは理解されるであろう。
【0038】
蒸気供給システムをプログラムし、特に、第1のボタン14に関連して用いるための第1のユーザ定義電力設定、及び第2のボタン16に関連して用いるための第2のユーザ定義電力設定を構成し、プログラミングモードを抜けたことで、蒸気供給システムは通常使用(すなわち、選択的蒸気生成)の準備ができた状態となる。
【0039】
図3は、本開示の特定の実施形態に係る、
図1の蒸気供給システムを用いて蒸気を選択的に発生させる方法を概略的に示すフロー図である。
【0040】
ステップT1において、蒸気供給システム1はスタンバイ状態に入る。電子タバコに一般的であるように、蒸気供給システム1は、三つの基本動作状態、すなわち、「オフ]状態、「オン」状態、及び「スタンバイ」状態をサポートする。オフ状態では、電子タバコは蒸気を生成することができない(すなわち、オフ状態では、電源制御回路は、電力を気化器/ヒータに供給することを阻止される)。電子タバコは、例えば、例として、電子タバコが脇に置かれているか、又は使用者のポケット若しくは鞄に入れられている場合があり得る、使用セッションの合間には、オフ状態に置かれてもよい。オン(又は動作)状態では、電子タバコは蒸気を能動的に生成している(すなわち、電源制御回路は電力を気化器/ヒータに供給している)。それゆえ、電子タバコは、使用者が電子タバコから蒸気を吸引する過程にある時には、通例、オン状態になっていることになる。スタンバイ状態では、電子タバコは、使用者による入力に応じて蒸気を生成する準備ができているが(すなわち、電力を気化器に印加する準備ができているが)、現在はそれを行っていない状態である。それゆえ、電子タバコは、使用者が、使用セッションを開始するためにオフ状態を最初に抜けた時、又は進行中の使用セッション中の吸引の合間には、通例、スタンバイ状態になっていることになる。具体例のために、
図3に示されるステップT1では、電子タバコは、使用者が、使用セッションを開始するために、デバイスをオフ状態から抜けさせることによって、スタンバイ状態に入ると仮定している。しかし、
図3に示される処理は、使用者が電子タバコを吸うのを終了したために電子タバコがオン状態からスタンバイ状態に入るときについても同じである。電子タバコがオフ状態からスタンバイ状態へ切り替えさせられる様態は実施形態の問題になり、ここでは重要でない。例えば、オフ状態からスタンバイ状態へ移行するために、使用者は、入力ボタンのうちの一つを特定の順序で押圧すること、例えば、所定の時間以内の複数回の押圧、又は両方のボタンを一緒に押圧することを要求されてもよい。
【0041】
ステップT2において、電源制御回路は、使用者が第1及び第2の入力ボタン14、16のうちの一方又は他方を押圧することに対応する使用者の操作を検出する。この点に関して、使用者は、使用者が以前に構成したユーザ定義電力レベル設定に基づいて、使用者が現在使用したいであろう電力レベル設定に対応するボタンをどれでも押圧することになる。
【0042】
ステップT3において、電源制御回路は、関連する電力レベル設定に従って電力を気化器に供給する。すなわち、ステップT2において、検出された使用者の操作が、使用者が第1のユーザ入力ボタン14を押圧したことに対応する場合には、電源制御回路は、
図2に示されるプログラミングプロセスの間に第1のボタンに以前に関連付けられたユーザ定義電力レベル設定に従って電力を気化器に供給する。他方で、ステップT2において、検出された使用者の操作が、使用者が第2のユーザ入力ボタン16を押圧したことに対応する場合には、電源制御回路は、
図2に示されるプログラミングプロセスの間に第2のボタンに以前に関連付けられたユーザ定義電力レベル設定に従って電力を気化器に供給する。
【0043】
電源が、関連する電力レベル設定に対応するように制御される方法は目下の実施形態に依存することになり、概して、従来の技法に基づき得る。通例、異なる電力レベル設定は、電力を気化器に供給するためのパルス又は周波数幅変調方式における異なるフィルファクタ/デューティサイクルに関連付けられることになると期待され得る(その意味で、蒸気生成の間における気化器への電力供給は、通例、例えば、通例、気化器のための冷却/加熱時間よりも速い時間スケールで駆動電流をオン及びオフにパルス変調することによって、変化することになり、それは、実用目的のために最適である平均電力レベルであることは理解されるであろう)。しかし、原理上、電源制御回路は、異なる電力レベル設定のために異なる一定の電圧で電力を供給するように等しく構成され得る。概して述べるならば、使用者がプログラミング中に選択するために利用可能である異なる電力レベル設定の範囲、及び電源制御回路が、異なる電力レベル設定に対応して電流を気化器に供給するように構成される様態は、本書において説明される原理にとって重要でない。
【0044】
さらに、ユーザ設定は、気化器へ送るべき特定の電力量を指定しなくてもよく、異なるパラメータ表現に基づき得ることは理解されるであろう。例えば、実施形態によっては、電子タバコは、使用者が蒸気生成のための所望の温度設定を選択することを可能にしてもよく、電子タバコのための電源回路は、所望の温度設定を維持するために適切であるレベルで電力を供給するように構成されることになる(すなわち、1回のパフ(1回のパフは1回の吸引)中における異なる時点において供給される特定の電力は、所望の温度レベル設定に対応する温度を維持するために必要とされるものに従って変化することになる)。このような場合には、使用者は、ユーザ定義電力レベル設定と対照的に、所望のユーザ定義温度レベル設定を異なる操作センサに関連付けてもよい。しかし、当技術分野において一般的であるように、たとえ、設定そのものが、ヒータへ送られる電力量に直接関連しなくても、それでもなお、語句「電力レベル設定」が、通例、使用され得る。むしろ、電力レベル設定という語句は、より一般的には、使用者によって知覚される蒸気生成レベルに影響を与える設定に言及するために使用され得る。
【0045】
ステップT4において、電源制御回路は、本例では、使用者が、自身がステップT2において押圧し始めたボタンを放すことに対応する、ステップT2において開始された使用者の操作の終了を検出する。これに応じて、電源制御回路は、気化器への電力供給を停止するように動作し、以て、現在の吸入/パフイベントを終了する。実施形態によっては、電源制御回路はまた、特定の他の条件が満たされた場合に、電力を気化器に供給することを停止するように構成されてもよい。例えば、電力供給は、単一の動作イベントに対する蒸気生成のための既定の最大時間に達したか、又は障害条件(例えば、過熱)が検出された場合に停止されてもよい。
【0046】
かように、
図3に示される処理によれば、使用者は、使用者の所望の電力設定に従って生成された蒸気を吸引のために供給され得る。意義深いことに、使用者は、電子タバコを、二つのユーザ定義電力設定の間で変化するよう再構成又は再プログラムすることを必要することなく、パフごとに、(及び原理的には、ボタンを切り替えることによって1回のパフ内で)複数の、この場合は、二つ、しかし、他の例では、より多くの、ユーザ定義電力設定から選択することができる。この手段は使用者のための操作の柔軟性及び簡便性を増大させる。
【0047】
図1〜
図3に関して上で論じた蒸気供給システム及び処理は異なる実施形態のために様々な様態で変更され得ることは理解されるであろう。
【0048】
例えば、この例示的な実施形態では、使用者がユーザ入力ボタン14、16のうちの一方を押圧した時にいつでも電力が気化器に供給されると仮定している。しかし、他の実施形態では、電子タバコは、使用者がいつ電子タバコを能動的に吸っているのかを検出するように構成された吸引センサ、例えば、圧力センサをさらに含み得る。このような場合には、電源制御回路は、吸引センサが、使用者が電子タバコを能動的に吸っているのを検出した時にのみ、ユーザ入力ボタンのちの一方又は他方の使用者による操作に応じて電力を気化器に供給するように構成されてもよい。このような場合には、使用者は、使用者の吸引の間に蒸気の生成を維持するために、関連する入力ボタンへの圧力を維持する必要があってもよく、或いは使用者は、吸引の開始時、又はその前に、所望の電力レベルを指示するために、単に、関連するボタンを押圧するだけであってもよく、その後、使用者が吸引イベント中に関連するボタンを押圧し続けているかどうかにかかわらず、使用者が吸引し続ける限り、その電力レベルが供給されてもよい。その意味で、異なる事前記憶されたユーザ定義電力レベル設定に関連付けられた操作センサのうちの一つの操作は、使用者が、電子タバコを吸っていることと関連して(すなわち、それと同時又は同じ頃に)、関連するボタンを押圧していることを検出することに実際上対応すると考えることができる。
【0049】
図4は、本開示の特定の他の実施形態に係る、
図1に示される蒸気供給システム1の一変形形態を示す例示的な蒸気供給システム101を通した断面図である。
図1に示される蒸気供給システム1の対応する要素と機能的及び/又は構造的に同様であり、それらの要素から理解されるであろう
図4に示される蒸気供給システム101の要素は、対応する参照符号を用いて識別され、簡潔にするために、再度詳細には述べない。
図4に示される電子タバコ101は、その操作センサが使用者の操作イベントを検出する様態によって、
図1に示される電子タバコ1とは異なる。特に、
図1に示される電子タバコ1のための操作センサが二つのユーザ入力ボタンに基づくのに対して、
図4に示される電子タバコ101のための操作センサは、一つのユーザ入力ボタン14及び吸引センサ110の組み合わせに基づく。
【0050】
それゆえ、
図4における電子タバコ101は、この場合も先と同様に、二つの主要なコンポーネント、すなわち、再使用可能部分102と交換可能/使い捨てカートリッジ部分4とを備える。
図4に示される電子タバコ101のためのカートリッジ部分は、
図1に示される電子タバコ1のためのカートリッジ部分と同一であり得る。しかし、上述されたように、
図4に示される電子タバコの再使用可能部分102は、一つのユーザ入力ボタン14のみを有し、吸引センサ110を含む点で、
図1に示される電子タバコの再使用可能部分2とは異なる。吸引センサ110は、電源制御回路22が、使用者がいつ電子タバコ101のマウスピース出口50を吸うのかを判定することを可能にするために設けられている。吸引センサ110は任意の従来の吸引感知手段に基づくことができ、通例、再使用可能部分102内の空気経路30と流体連通したチャンバ内の圧力センサを含むであろう。使用者が電子タバコを吸うと、電源制御回路によって、吸引センサ110からの測定値に基づいて、空気経路30内の対応する圧力降下が検出される。
【0051】
図2を参照して上述したものと同様の方法で、
図4に示される電子タバコ101の使用者は、第1及び第2のユーザ定義電力レベルを、
図1に示される電子タバコ1の場合と概ね同じ方法で第1及び第2の操作センサに関連付けられるようプログラムし得る。しかし、これらの二つの電子タバコの間で異なることは、使用者が二つのユーザ定義電力レベル設定のうちの所望のものを動作させる様態である。
図1に示される例示的な電子タバコ1では、第1の操作センサは、使用者が第1のユーザ入力ボタン14を押圧したことを検出することに基づき、第2の操作センサは、使用者がユーザ入力ボタンの第2のものを押圧したことを検出することに基づく。しかし、
図4に示される例示的な電子タバコ101では、第1の操作センサは、吸引センサ110を用いて使用者が電子タバコを吸ったことを検出することに基づき、第2の操作センサは、使用者が、電子タバコを吸ったことと併せて(すなわち、それと同時又は同じ頃に)ユーザ入力ボタン14を押圧するのを検出することに基づく。
【0052】
それゆえ、
図4に示される電子タバコ101のためのユーザプログラミングステップにおいて、第1のユーザ定義電力設定レベルは、使用者が、ボタン14を押圧することなくデバイスを吸うことに関連付けられてもよく、それに対して、第2のユーザ定義電力設定レベルは、使用者が、ボタン14を押圧するのと同時にデバイスを吸うことに関連付けられてもよい。
【0053】
ステップT3において、電源制御回路22が、使用者が、ボタン14を押圧することなく電子タバコを吸うと、第1のユーザ定義電力レベル設定に従って電力をヒータに供給し、使用者が、ボタン14を押圧するのと併せて電子タバコを吸うと、第2のユーザ定義電力レベル設定に従って電力をヒータに供給するように構成されていることを除いて、使用時、
図4に示される電子タバコ101は、
図3に示される手順に概ね従って動作し得る。その意味で、使用者は、第1の電力レベルを、使用者の二つの所望の電力レベル設定のうちのより低いものに対応するように設定し、第2の電力レベルを、使用者の二つの所望の電力レベル設定のうちのより高いものに対応するように設定するのが好適であると思うことがある。この手段によれば、ボタンを押圧することが、使用者が電子タバコを吸う際に気化器に供給される電力量を使用者の所望の電力レベル設定のうちのより低いものから使用者の所望の電力レベル設定のうちのより高いものへ増大させることになるので、電子タバコにおける吸引と併せたボタン14の使用は、実際上、ユーザ定義の電力増加を提供すると考えられ得る。目下の実施形態次第では、場合によっては、使用者は、使用者の吸入の間に第2の電力レベル設定における蒸気の生成を維持するために、入力ボタンへの圧力を維持することを要求されてもよく、使用者が、ボタンを放すが、吸引を続けた場合には、気化器に供給される電力は第1の電力レベル設定へ変化することになる。代替的に、システムは、吸引の開始時又はその直前に入力ボタンを押圧すると、第2の電力レベル設定が吸引全体を通して用いられるよう動作するように構成されてもよい。同様に、進行中の吸引の途中で入力ボタンが押圧された場合に、気化器への電力供給が変更されるかどうかに関することも実施形態の事柄になろう。
【0054】
本書において説明される原理に従って動作するように構成された電子タバコが、異なる操作センサの使用者の操作のための手段に関連付けられ得る、様々な他の方法が存在することは理解されるであろう。例えば、別の実施形態では、電子タバコは、
図4に示されるものと同様の吸引センサ及び単一のボタンを備えてもよく、電子タバコの第1の操作センサは、使用者が単一の押圧を用いてボタンを押圧することによってトリガされ、電子タバコの第2の操作センサは、使用者が、所定の時間以内の複数の押圧、例えば、1秒以内の2回の押圧を用いてボタンを押圧することによってトリガされるように構成されてもよい。それゆえ、使用者は、使用者がボタンを1回押圧するのか、それとも2回押圧するのかに基づいて、使用者が用いたいと希望するユーザ定義電力設定を指示し、その後、使用者の選択したユーザ定義電力レベル設定に従って気化器への電力供給をトリガするためにデバイスを吸うステップへ進み得る。より一般的には、異なる操作センサは、いくつかの異なる既定の押圧順序のうちの一つで使用者がボタンを押圧したことを検出することに関連付けられてもよい。
【0055】
上述の実施形態は、いくつかの点において、いくつかの特定の例示的な蒸気供給システムに焦点を当てたが、同じ原理を、他の技術を用いる蒸気供給システムのために適用することができることは理解されるであろう。すなわち、蒸気供給システムの様々な態様が機能する特定の様態は、本書において説明される例の基礎をなす原理に直接関連しない。
【0056】
例えば、上述の実施形態は、主として、液体蒸気前駆材料を加熱するための電気ヒータベースの気化器を有するデバイスに焦点を当てたが、同じ原理が、他の技術に基づく気化器、例えば、圧電振動子ベースの気化器若しくは光加熱気化器、並びにまた、他のエアロゾル前駆材料、例えば、タバコ由来材料等の、植物由来材料等の、固体材料、又はゲル、ペースト、若しくはフォームベースの蒸気前駆材料等の、他の形態の蒸気前駆材料に基づくデバイスに合わせて採用され得る。
【0057】
また、上述の例は、二つのユーザ定義電力設定を対応するユーザ入力と共に含む実施形態に焦点を当てたが、他の実施形態では、同じ原理が、二つを超えるユーザ定義電力設定及び対応するユーザ入力をサポートする蒸気供給システムについて適用され得ることも理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態に係る蒸気供給システムは、三つ、四つ、又はそれ以上のユーザ定義電力設定を対応する数のユーザ入力/操作センサと共にサポートし得る。
【0058】
さらに、上述の実施形態は、使用者が所与の電力レベル設定を所与のユーザ操作センサの作動に関連付け得る手段に焦点を当てたが、他の例示的な実施形態では、蒸気供給システムはまた、使用者が、電力送電の他の態様を、いくつかの異なるユーザ操作センサの各々への関連付けのために構成することも可能にし得る。例えば、単に、特定のボタン(又は他の操作センサ)に関連付けるべき固定された電力レベル設定を定義するのではなく、特定の実施形態に係る蒸気供給システムは、使用者が、1回のパフを通した時間変動電力供給プロファイルを定義することを可能にし得る。例えば、複数のパフ(吸引イベント)は、一連のセグメント、例えば、10個の0.5秒のセグメント(5秒の最大吸煙継続時間を与える)に概念的に分割されてもよく、使用者は、上で論じられた種類のプログラミングモードを用いて、パフにおけるセグメントの各々のための所望の電力レベル設定をプログラムし得る。それゆえ、使用者は、異なる操作センサのための異なる時間変動電力供給プロファイルをプログラムし得、これにより、通常使用において、使用者は、一つのボタンを、1回のパフ中に第1の電力供給プロファイルを送電するために操作し、別のボタンを、1回のパフ中に第2の異なる電力供給プロファイルを送電するために操作させ得る。例えば、一つのパフプロファイルは、高電力の始期(例えば、最初の2秒間は最大電力)を、より低電力の終期(例えば、次の2秒間は最大電力の3分の2、及び最後の1秒間は最大電力の2分の1)と共に含んでもよく、その一方で、別のパフプロファイルは、定常的な電力送電(例えば、全吸煙を通して半分の電力)を含んでもよい。それゆえ、使用者は、例えば、使用セッションの始めにおいては初期効果を得るために第1のボタンを操作させることによって第1の電力プロファイルを使用し、次に、使用セッションにおける残りのパフのためには、(第2のボタンを操作することによって)より定常的な電力送電プロファイルを使用し得る。
【0059】
使用者が、異なる操作センサに関連付けるための様々なパフプロファイルを定義し得る様々な方法が存在することは理解されるであろう。例えば、使用者は、電力送電プロファイルの異なるセグメントのための時間分解能及び/又はパフプロファイルの最大継続時間(すなわち、異なるセグメントの数)を構成することが可能であってもよいし、或いはこれらは固定されていてもよい。さらに、使用者にパフのセグメントごとの特定の電力レベル/電力レベル設定を入力させるのではなく、吸引センサを含むいくつかの例では、蒸気供給システムは、プログラミングセッションの間における使用者の吸入のプロファイルに基づいて所望のパフプロファイルを学習するように構成されてもよい。例えば、蒸気供給システムは、パフ中の異なる時点において供給される電力量が(例えば、圧力測定に基づいて)使用者の吸引の現在の強さに応答する、組み込みのパフ応答モードを含み得るであろう。プログラミングモードになっている時に、プログラミング中の使用者の吸引プロファイルを対応する電力供給プロファイルに対応付け、これを操作センサのうちの一つに関連付けるために、この組み込みのパフ応答モードが用いられ得る。その後、通常使用になっている時に、使用者が関連する操作センサを作動させると、対応する電力供給プロファイルが気化器に与えられる。したがって、これは、個々のボタン(又は他の操作手段)に関連付けるべき所望の電力送電プロファイルを確立するための容易な仕組みを使用者に提供するための仕組みを提供する。さらに、それは、蒸気供給システムが現在の空気流を継続的に測定し、現在の空気流の測定値に基づいて電力送電を加減することを必要とすることなく、使用者が、パフ全体を通した電力送電の所望の変化を提供することを可能にすることができる。
【0060】
かように、第1のユーザ操作アクションを検出するための第1の操作センサと、第2のユーザ操作アクションを検出するための第2の操作センサと、使用者による入力に応じて、第1の操作センサに関連して用いるための第1のユーザ定義設定、及び第2の操作センサに関連して用いるための第2のユーザ定義設定を記憶するように構成されたユーザプログラミング回路と、蒸気前駆材料から蒸気を使用者の吸引のために生成するための気化器への電力供給を制御するように構成された電源制御回路であって、電源制御回路が、第1の操作センサによる使用者の操作を検出したことに応じて第1のユーザ定義設定に従って気化器への電力供給を制御し、第2の操作センサによる使用者の操作を検出したことに応じて第2のユーザ定義設定に従って気化器への電力供給を制御するように構成されている電源制御回路と、を備える蒸気供給システムが説明された。それぞれのセンサによって検出される第1及び/又は第2のユーザ操作アクションは、例えば、使用者が、操作センサに関連付けられた特定のボタン、若しくは共通ボタンを既定のシーケンス(順序)パターンで押圧すること、又は使用者がシステムを吸うことを含み得る。
【0061】
様々な課題に対処し、当技術を進歩させるために、本開示は、特許請求される発明が実践され得る様々な実施形態を実例として示す。本開示の利点及び特徴は実施形態の代表サンプルのみのものであり、網羅的及び/又は排他的なものではない。それらは、特許請求される発明の理解を助けるため、及びそれらを教示するためにのみ提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定義されるとおりの本開示の限定、又は特許請求の範囲の等価物の限定と考えられるべきではなく、他の実施形態を利用することができ、特許請求の範囲から逸脱することなく変更を行うことができることを理解されたい。様々な実施形態は、本書において具体的に説明されるもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段等の様々な組み合わせを適切に含むか、これらからなるか、又はこれらから実質的になり得、それゆえ、従属請求項の特徴は、特許請求の範囲において明示的に提示されたもの以外の組み合わせで独立請求項の特徴と組み合わせられ得ることは理解されるであろう。本開示は、現在特許請求されていないが、将来特許請求される可能性のある他の発明を含み得る。
[発明の項目]
[項目1]
第1の操作センサと、
第2の操作センサと、
使用者の入力に応じて、前記第1の操作センサに関連して用いるための第1のユーザ定義設定、及び前記第2の操作センサに関連して用いるための第2のユーザ定義設定を記憶するように構成されたユーザプログラミング回路機構と、
蒸気前駆材料から蒸気を使用者の吸引のために生成するための気化器への電力供給を制御するように構成された電源制御回路であって、前記第1の操作センサが使用者の操作を検出したことに応じて前記第1のユーザ定義設定に従って前記気化器への前記電力供給を制御し、前記第2の操作センサが使用者の操作を検出したことに応じて前記第2のユーザ定義設定に従って前記気化器への前記電力供給を制御するように構成されている電源制御回路と
を備える蒸気供給システム。
[項目2]
前記第1の操作センサが、使用者が当該蒸気供給システムの第1のボタンを押圧したことに応じて使用者の操作を検出するように構成されており、前記第2の操作センサが、使用者が当該蒸気供給システムの第2のボタンを押圧したことに応じて使用者の操作を検出するように構成されている、項目1に記載の蒸気供給システム。
[項目3]
前記第1の操作センサが、使用者が所定の第1の押圧順序に従って当該蒸気供給システムのボタンを押圧したことに応じて使用者の操作を検出するように構成されており、前記第2の操作センサが、使用者が所定の第2の押圧順序に従って前記ボタンを押圧したことに応じて使用者の操作を検出するように構成されている、項目1に記載の蒸気供給システム。
[項目4]
前記第1の押圧順序及び前記第2の押圧順序のうちの少なくとも一方が、前記使用者が前記ボタンを既定の時間以内に既定の回数押圧することに対応する、項目3に記載の蒸気供給システム。
[項目5]
前記第1の操作センサが、使用者が当該蒸気供給システムを吸引したことに応じて使用者の操作を検出するように構成されている、項目1に記載の蒸気供給システム。
[項目6]
前記電源制御回路は、前記第2の操作センサが使用者の操作を、前記第1の操作センサが使用者の操作を検出したことと併せて検出したときにのみ、前記第2のユーザ定義設定に従って前記気化器への前記電力供給を制御するように構成されている、項目1〜5のいずれか一項に記載の蒸気供給システム。
[項目7]
前記電源制御回路は、前記第1の操作センサ及び前記第2の操作センサが同時に使用者の操作を検出したことに応じて第3の設定に従って前記気化器への前記電力供給を制御するように構成されている、項目1〜6のいずれか一項に記載の蒸気供給システム。
[項目8]
前記第3の設定がユーザ定義設定であり、前記ユーザプログラミング回路機構が、使用者の入力に応じて、ユーザ定義の第3の電力設定を受け取って記憶するように構成されている、項目7に記載の蒸気供給システム。
[項目9]
前記ユーザプログラミング回路機構が、前記第1の操作センサ及び/又は前記第2の操作センサと同じユーザ入力機構を通じて使用者の入力を受け取るように構成されている、項目1〜8のいずれか一項に記載の蒸気供給システム。
[項目10]
前記第1のユーザ定義設定の指示及び/又は前記第2のユーザ定義設定の指示を提示するためのディスプレイをさらに備える、項目1〜9のいずれか一項に記載の蒸気供給システム。
[項目11]
別の操作センサをさらに備え、
前記ユーザプログラミング回路機構が、使用者の入力に応じて、前記別の操作センサに関連して用いるための別のユーザ定義設定を受け取って記憶するように構成されており、
前記電源制御回路は、前記別の操作センサが使用者の操作を検出したことに応じて前記別のユーザ定義設定に従って前記気化器への前記電力供給を制御するように構成されている、項目1〜10のいずれか一項に記載の蒸気供給システム。
[項目12]
前記気化器をさらに備える、項目1〜11のいずれか一項に記載の蒸気供給システム。
[項目13]
前記蒸気前駆材料をさらに備える、項目1〜12のいずれか一項に記載の蒸気供給システム。
[項目14]
当該蒸気供給システムが、
前記第1の操作センサ、前記第2の操作センサ、前記ユーザプログラミング回路機構、前記電源制御回路及び電源を備える再使用可能部分と、
前記蒸気前駆材料を備えるカートリッジ部分と
から形成され、
前記カートリッジ部分が使用のために前記再使用可能部分に取外し可能に結合することができる、項目1〜13のいずれか一項に記載の蒸気供給システム。
[項目15]
第1の操作手段と、
第2の操作手段と、
使用者の入力に応じて、前記第1の操作手段に関連して用いるための第1のユーザ定義設定、及び前記第2の操作手段に関連して用いるための第2のユーザ定義設定を記憶するように構成されたユーザプログラミング手段と、
蒸気前駆材料から蒸気を使用者の吸引のために生成するための気化手段への電力供給を制御するように構成された制御手段であって、前記第1の操作手段が使用者の操作を検出したことに応じて前記第1のユーザ定義設定に従って前記気化手段への前記電力供給を制御し、前記第2の操作手段が使用者の操作を検出したことに応じて前記第2のユーザ定義設定に従って前記気化手段への前記電力供給を制御するように構成されている制御手段と
を備える蒸気供給手段。
[項目16]
蒸気供給システムを動作させる方法であって、
前記蒸気供給システムの第1の操作センサに関連して用いるための第1のユーザ定義設定、及び前記蒸気供給システムの第2の操作センサに関連して用いるための第2のユーザ定義設定を指示するための使用者の入力を受け取るステップと、
その後、前記第1の操作センサが使用者の操作を検出したことに応じて前記第1のユーザ定義設定に従って蒸気前駆材料から蒸気を使用者の吸引のために生成するために電力を気化器に供給し、前記第2の操作センサが使用者の操作を検出したことに応じて前記第2のユーザ定義設定に従って前記蒸気前駆材料から蒸気を使用者の吸引のために生成するために電力を前記気化器に供給するステップと
を含む、蒸気供給システムを動作させる方法。