【実施例】
【0029】
以下実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、特に断らない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」をそれぞれ意味する。
【0030】
<不織布の目付>
JIS L1913(2010) 6.2 単位面積当たりの質量(ISO法)に記載の方法に準拠し、20cm×20cmのサイズで測定した。
【0031】
<難燃性>
JIS D1201記載の方法に準拠し測定した。上記評価方法に従い、標線から50mm以内かつ60秒以内(標線までに消えたものも含む)で消えるものについては○、標線から50mm以内かつ60秒以内で消えなかったものについては×として評価した。
【0032】
<剥離強さ>
JIS L3416(2000)7.4.2 剥離強さに記載の方法に準拠し測定した。上記方法に従い、引張り試験を行い剥離強さの平均値(n=5)を求めた。
【0033】
<磨耗試験>
JIS L1913(2010)6.6.2 テーバ形法に記載の方法に準拠し、直径100mmサイズの円盤状試験片を3点採取し、テーバ磨耗試験機を用いて磨耗回数100回で試験を行い、判定は試験後の試験片を
図1の各等級と比較し限度内にある最高等級でテーバ磨耗を評価した。
【0034】
<初期応力>
5cm×20cmサイズの試験片を機械方向・機械幅方向にそれぞれ5点採取する。テンシロンを用いて引張速度30cm/分、つかみ間隔10cmの条件で引張り試験を行い、破断強力の5%伸張時の応力の平均値を求めて、初期応力とする。
【0035】
(実施例1)
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.7g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度3.5dtexの長繊維からなる目付100g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率8%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、193℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記不織布をニードルパンチ工程においてオイルを噴霧すると共に、ニードル密度90ケ/cm
2、ニードル針深度13mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
このとき、オイル付与面、ニードルパンチのニードル貫入面を上記エンボス加工のエンボス面側から加工し、ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂/エチレングリコールモノ‐t‐ブチルエーテル/水=25/10/65;互応化学株式会社製「プラスコート(登録商標)RZ−105」)が固形分で18%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、スプレー法によって、上記樹脂組成物を非エンボス面側に付着させて、樹脂の乾燥後付着量が10g/m
2の自動車内装材を得た。
難燃性、剥離強さ、磨耗試験、初期応力を上記方法で評価し、表1に示した。
【0036】
(実施例2)
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.7g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度3.5dtexの長繊維からなる目付100g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率8%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、193℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記不織布をニードルパンチ工程においてオイルを噴霧すると共に、ニードル密度90ケ/cm
2、ニードル針深度13mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
このとき、オイル付与面、ニードルパンチのニードル貫入面を上記エンボス加工の非エンボス面側から加工し、ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂/エチレングリコールモノ‐t‐ブチルエーテル/水=25/10/65;互応化学株式会社製「プラスコート(登録商標)RZ−105」)が固形分で18%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、スプレー法によって、上記樹脂組成物をエンボス面側に付着させて、樹脂の乾燥後付着量が10g/m
2の自動車内装材を得た。
難燃性、剥離強さ、磨耗試験、初期応力を上記方法で評価し、表1に示した。
【0037】
(実施例3)
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.7g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度3.5dtexの長繊維からなる目付100g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率8%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、193℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記不織布をニードルパンチ工程においてオイルを噴霧すると共に、ニードル密度90ケ/cm
2、ニードル針深度13mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
このとき、オイル付与面を非エンボス面側にニードルパンチのニードル貫入面を上記エンボス加工のエンボス面側から加工し、ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂/エチレングリコールモノ‐t‐ブチルエーテル/水=25/10/65;互応化学株式会社製「プラスコート(登録商標)RZ−105」)が固形分で18%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、スプレー法によって、上記樹脂組成物をエンボス面側に付着させて、樹脂の乾燥後付着量が10g/m
2の自動車内装材を得た。
難燃性、剥離強さ、磨耗試験、初期応力を上記方法で評価し、表1に示した。
【0038】
(実施例4)
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.7g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度3.5dtexの長繊維からなる目付100g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率8%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、193℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記不織布をニードルパンチ工程においてオイルを噴霧すると共に、ニードル密度90ケ/cm
2、ニードル針深度13mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
このとき、オイル付与面をエンボス面側にニードルパンチのニードル貫入面を上記エンボス加工の非エンボス面側から加工し、ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂/エチレングリコールモノ‐t‐ブチルエーテル/水=25/10/65;互応化学株式会社製「プラスコート(登録商標)RZ−105」)が固形分で18%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、スプレー法によって、上記樹脂組成物を非エンボス面側に付着させて、樹脂の乾燥後付着量が10g/m
2の自動車内装材を得た。
難燃性、剥離強さ、磨耗試験、初期応力を上記方法で評価し、表1に示した。
【0039】
(実施例5)
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.7g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度3.5dtexの長繊維からなる目付100g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率8%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、193℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
塩化ビニルの共重合体エマルジョンおよびアンチモン(塩化ビニル/アンチモン=85/15)で塩化ビニルとアクリルの共重合体エマルジョン(塩ビ/アクリル=80/20;日信化学工業株式会社製「ビニブラン(登録商標)278」)が固形分で85%、三酸化アンチモン水分散液(sb
2O
2/H
2O=60/40;日本精鉱株式会社製「STOX−W−60」)が固形分25%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、スプレー法によって、上記樹脂組成物を非エンボス面側に付着させて、樹脂の乾燥後付着量が10g/m
2の自動車内装材を得た。
難燃性、剥離強さ、磨耗試験、初期応力を上記方法で評価し、表1に示した。
【0040】
(比較例1)
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.7g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度3.5dtexの長繊維からなる目付100g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率8%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、193℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記不織布をニードルパンチ工程においてオイルを噴霧せずに、ニードル密度90ケ/cm
2、ニードル針深度13mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
このとき、ニードルパンチのニードル貫入面を上記エンボス加工のエンボス面側から加工し、ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂/エチレングリコールモノ‐t‐ブチルエーテル/水=25/10/65;互応化学株式会社製「プラスコート(登録商標)RZ−105」)が固形分で18%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、スプレー法によって、上記樹脂組成物を非エンボス面側に付着させて、樹脂の乾燥後付着量が10g/m
2の自動車内装材を得た。
難燃性、剥離強さ、磨耗試験、初期応力を上記方法で評価し、表1に示した。
【0041】
(比較例2)
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.7g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度3.5dtexの長繊維からなる目付100g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率8%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、193℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
記不織布をニードルパンチ工程においてオイルを噴霧すると共に、ニードル密度90ケ/cm
2、ニードル針深度13mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
このとき、オイル付与面をエンボス面側にニードルパンチのニードル貫入面を上記エンボス加工のエンボス面側から加工し、ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂/エチレングリコールモノ‐t‐ブチルエーテル/水=25/10/65;互応化学株式会社製「プラスコート(登録商標)RZ−105」)が固形分で18%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、ディッピング法によって、上記樹脂組成物を付着させて、樹脂の乾燥後付着量が10g/m
2の自動車内装材を得た。
難燃性、剥離強さ、磨耗試験、初期応力を上記方法で評価し、表1に示した。
【0042】
(比較例3)
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.7g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度3.5dtexの長繊維からなる目付100g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率8%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、193℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記不織布をニードルパンチ工程においてオイルを噴霧すると共に、ニードル密度90ケ/cm
2、ニードル針深度13mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
このとき、オイル付与面をエンボス面側にニードルパンチのニードル貫入面を上記エンボス加工のエンボス面側から加工した自動車内装材を得た。
難燃性、剥離強さ、磨耗試験、初期応力を上記方法で評価し、表1に示した。
【0043】
【表1】