(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のシステムは、ユーザの勤務スケジュール、推奨される睡眠時間といった項目に基づいてユーザの入眠時刻及び起床時刻を決定するだけのものである。すなわち、このシステムでは、ユーザの普段生活における入床時刻及び起床時刻を参照せずに、推奨する入床時刻及び起床時刻が決定される。
【0005】
また、決定されたそれらの時刻に基づいてユーザが自分の1日のスケジュールを計画しようとした場合、それらの時刻によっては、ユーザが普段の生活で実行している行動(食事、飲酒、昼寝等)を制限しなければならないおそれがあった。
【0006】
その結果、ユーザは、睡眠状況を改善するために、従来の生活とは異なるスケジュールで生活を行うことが要求されてしまい、そのスケジュールを実行するためにストレスを感じてしまうおそれがあった。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、ユーザがストレスなく睡眠状況の改善を図ることができるスケジュールを提案することができるスケジュール提案システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のスケジュール提案システムは、
ユーザの睡眠における深睡眠率及び熟睡度の少なくとも一方を改善するために推奨されるスケジュールを提案するスケジュール提案システムであって、
前記ユーザの入床時刻及び起床時刻を認識する睡眠時刻認識部と、
前記ユーザの身体情報を認識する身体情報認識部と、
前記ユーザが起床中に実行する生活イベントを認識する生活イベント認識部と、
前記深睡眠率及び前記熟睡度の少なくとも一方に影響を与える生活イベントの、入床時刻及び起床時刻の少なくとも一方に対する開始時刻及び終了時刻の少なくとも一方と、前記深睡眠率及び前記熟睡度の少なくとも一方との相関関係を表すデータである相関データを、身体情報ごとに格納している相関データ格納部と、
認識された前記ユーザの身体情報に対応する前記相関データを認識する個人用相関データ認識部と、
認識された前記相関データと、認識された前記ユーザの入床時刻及び起床時刻の少なくとも一方とに基づいて、認識された前記生活イベントについて、前記深睡眠率及び前記熟睡度の少なくとも一方を改善するために推奨される開始時刻である推奨開始時刻、及び、推奨される終了時刻である推奨終了時刻の少なくとも一方を認識する推奨時刻認識部と、
前記推奨開始時刻及び前記推奨終了時刻の少なくとも一方と、認識された前記ユーザの入床時刻及び起床時刻とに基づいて、推奨スケジュールを決定するスケジュール決定部とを備えていることを特徴とする。
【0009】
ここで、「深睡眠率」とは、睡眠の全時間中に深睡眠となっている割合を示す。また、深睡眠とは、ノンレム睡眠の睡眠段階3及び4の状態(すなわち、徐波睡眠の状態)をいう。「熟睡度」とは、ユーザが睡眠の後に感じたよく眠れたか否かの度合いあり、主観的なものである。「身体情報」とは、例えば、性別、年齢、身長、体重等を指す。
【0010】
また、ここで、「生活イベント」とは、ユーザが起床時刻から入床時刻の間に実行する行動を指す。そのうち、深睡眠率及び熟睡度の少なくとも一方に影響を与える生活イベントとは、例えば、食事、入浴、飲酒、喫煙、運動、仮眠等が該当する。
【0011】
このように、本発明のスケジュール提案システムでは、相関データ格納部に、予め、入床時刻及び起床時刻の少なくとも一方に対する生活イベントの開始時刻及び終了時刻の少なくとも一方と、深睡眠率及び熟睡度の少なくとも一方との相関関係を表すデータである相関データを、身体情報ごとに格納している。
【0012】
このシステムで推奨スケジュールを決定するに際には、まず、ユーザの身体情報に基づいて、そのユーザに対応する相関データを認識する。次に、その相関データと、ユーザの入床時刻及び起床時刻とに基づいて、ユーザが起床中に実行する生活イベントについて、深睡眠率及び熟睡度の少なくとも一方を改善するための推奨開始時刻、及び、推奨終了時刻の少なくとも一方が認識される。最後に、その入床時刻、起床時刻、並びに、推奨開始時刻及び推奨終了時刻の少なくとも一方に基づいて、推奨スケジュールが決定される。
【0013】
このようにして決定された推奨スケジュールは、ユーザの身体情報に対応する相関データに基づいたものであり、且つ、ユーザが普段の生活で行っている生活イベントの時刻を修正したものである。すなわち、睡眠状況を改善できるものであり、且つ、ユーザの普段の生活を大きく変えるものではない。
【0014】
したがって、本発明のスケジュール提案システムによれば、普段の生活を大きく変えることなく睡眠状況の改善を図ることができる推奨スケジュールが提案されるので、ユーザは、その推奨スケジュールに従った生活を行うことによって、ストレスを感じずに、睡眠状況の改善を図ることができる。
【0015】
また、本発明のスケジュール提案システムにおいては、
決定された前記推奨スケジュールに基づいて、前記推奨開始時刻及び前記推奨終了時刻の少なくとも一方を、前記ユーザに報知する報知部を備えていることが好ましい。
【0016】
このように構成すると、ユーザは、決定された推奨スケジュールを詳細に把握しなくても、生活イベントの推奨開始時刻及び推奨終了時刻の少なくとも一方を把握することができる。これにより、ユーザは、さらにストレスなく睡眠状況の改善を図ることができる。
【0017】
また、本発明のスケジュール提案システムは、報知部を備える構成においては、
前記生活イベントに代わり、前記深睡眠率及び前記熟睡度の少なくとも一方を改善するために推奨される代替イベントに関する情報を格納している代替イベント情報格納部と、
前記ユーザからの入力を受け付ける入力部とを備え、
前記生活イベントを実行しない場合に、該生活イベントに代わり実行が推奨される前記代替イベントを選択する代替イベント認識部とを備え、
前記報知部が前記生活イベントの前記推奨開始時刻及び前記推奨終了時刻の少なくとも一方を報知した際に、前記代替イベント認識部は、前記ユーザからの入力に基づいて該生活イベントを実行しない旨、又は、該生活イベントが実行できなかった旨を認識した場合に、該生活イベントに代わり実行が推奨される前記代替イベントを選択し、前記報知部は、選択された該代替イベントを報知することが好ましい。
【0018】
普段実行している生活イベントであっても、推奨スケジュールに含まれていると、ユーザは、その実行に対してストレスを感じてしまうおそれがある。そこで、このように構成すると、ユーザに対して、生活イベントだけでなく、代替イベントという選択肢が与えられることになる。これにより、ユーザは、その時々の気分、好み等によって、行うべき行動を選択することができるようになる。その結果、ユーザは、さらにストレスを感じずに、睡眠状況の改善を図ることができる。
【0019】
また、本発明のスケジュール提案システムは、報知部及び入力部を備え、生活イベントを報知し、且つ、生活イベントを実行しない又は実行しなかった場合には生活イベントに代わり代替イベントを報知する構成においては、
前記ユーザからの入力に基づいて、前記ユーザが実行した前記生活イベント又は前記代替イベントを、日ごとに記憶する実行イベント記憶部と、
前記ユーザの睡眠中の生体情報を認識する生体情報認識部と、
認識された生体情報に基づいて、前記ユーザの前記深睡眠率を認識するとともに、該深睡眠率を日ごとに記憶する深睡眠率記憶部と、
前記ユーザが実行した前記生活イベント又は前記代替イベント、並びに、該生活イベント又は該代替イベントを実行した後における前記ユーザの入床時刻及び起床時刻を含む実行スケジュールを日ごとに記憶する実行スケジュール記憶部と、
複数の実行スケジュールを選択可能に提示するスケジュール提示部と、
前記スケジュール提示部が提示した前記実行スケジュールとともに、該実行スケジュールを実行した日に対応する前記深睡眠率を提示する深睡眠率提示部と、
複数の前記実行スケジュールから前記ユーザに選択された選択スケジュールを認識する選択スケジュール認識部とを備え、
前記報知部は、前記選択スケジュールに基づいて、前記推奨開始時刻及び前記推奨終了時刻の少なくとも一方、又は、前記代替イベントについて推奨される開始時刻及び推奨される終了時刻の少なくとも一方を、前記ユーザに報知することが好ましい。
【0020】
ユーザが従来行っていた生活イベントは、必ずしも睡眠状況の改善に好ましいとは言い切れない。一方で、従来実行していた生活イベントを変更することは、ユーザにストレスを感じさせるおそれがある。
【0021】
そこで、このように、まず、日ごとに、ユーザが実行した生活イベント又は代替イベント、及び、生体情報(ひいては、深睡眠率)に基づいて、実行スケジュールとそれに対応した深睡眠率を記憶し、その後、深睡眠率と実行スケジュールとを対応させた形で選択可能に提示し、その後、選択された実行スケジュールを選択スケジュールとして、以後の報知の基準とすることができるように構成してもよい。
【0022】
このように構成すると、ユーザは自らが実行した又は実行しなかった生活イベント又は代替イベント(すなわち、実行スケジュール)と、実行スケジュールとともに提示される自らの深睡眠率とを見比べながら、新たなスケジュールを選択することができるようになる。これにより、ユーザは、納得したうえで(すなわち、ストレスを感じずに)、実行するイベントを、さらに深睡眠率の改善に寄与しやすいものに変更することができる。
【0023】
また、本発明のスケジュール提案システムは、報知部及び入力部を備え、生活イベントを報知し、且つ、生活イベントを実行しない又は実行しなかった場合には生活イベントに代わり代替イベントを報知する構成においては、
前記ユーザからの入力に基づいて、前記ユーザが実行した前記生活イベント又は前記代替イベントを、日ごとに記憶する実行イベント記憶部と、
前記ユーザからの入力に基づいて、前記熟睡度を認識するとともに、該熟睡度を日ごとに記憶する熟睡度記憶部とを備え、
前記ユーザが実行した前記生活イベント又は前記代替イベント、並びに、該生活イベント又は該代替イベントを実行した後における前記ユーザの入床時刻及び起床時刻を含む実行スケジュールを日ごとに記憶する実行スケジュール記憶部と、
複数の実行スケジュールを選択可能に提示するスケジュール提示部と、
前記スケジュール提示部が提示した前記実行スケジュールとともに、該実行スケジュールを実行した日に対応する前記熟睡度を提示する熟睡度提示部と、
複数の前記実行スケジュールから前記ユーザに選択された選択スケジュールを認識する選択スケジュール認識部とを備え、
前記報知部は、選択された前記実行スケジュールに基づいて、前記推奨開始時刻及び前記推奨終了時刻の少なくとも一方、又は、前記代替イベントについて推奨される開始時刻及び推奨される終了時刻の少なくとも一方を、前記ユーザに報知することが好ましい。
【0024】
ユーザが従来行っていた生活イベントは、必ずしも睡眠状況の改善に好ましいとは言い切れない。一方で、従来実行していた生活イベントを変更することは、ユーザにストレスを感じさせるおそれがある。
【0025】
そこで、このように、まず、日ごとに、ユーザが実行した生活イベント又は代替イベント、及び、熟睡度に基づいて、実行スケジュールとそれに対応した熟睡度を記憶し、その後、熟睡度と実行スケジュールとを対応させた形で選択可能に提示し、その後、選択された実行スケジュールを選択スケジュールとして、以後の報知の基準とすることができるように構成してもよい。
【0026】
このように構成すると、ユーザは自らが実行した又は実行しなかった生活イベント又は代替イベント(すなわち、実行スケジュール)と、実行スケジュールとともに提示される自らの熟睡度とを見比べながら、新たなスケジュールを選択することができるようになる。これにより、ユーザは、納得したうえで(すなわち、ストレスを感じずに)、実行するイベントを、さらに熟睡度の改善に寄与しやすいものに変更することができる。
【0027】
また、本発明のスケジュール提案システムは、報知部を備える構成においては、
前記報知部は、前記生活イベントについての深睡眠率及び熟睡度の少なくとも一方に対する影響の大きさに基づいて該生活イベントごとに定められている値である重要度に基づいて、決定された前記推奨スケジュールに含まれる前記生活イベントから選択された生活イベントである選択イベントを、所定の数、選択するとともに、該選択イベントについての前記推奨開始時刻及び前記推奨終了時刻の少なくとも一方を、前記ユーザに報知することが好ましい。
【0028】
ユーザによっては、報知される推奨開始時刻及び推奨終了時刻(すなわち、推奨される生活イベント)の数が多すぎると、その報知そのものにストレスを感じてしまうことがある。
【0029】
そこで、このように、全ての生活イベントについて報知を行うのではなく、重要度に基づいて、決定された推奨スケジュールに含まれる生活イベントから所定の数の選択イベントを選択して、その選択イベントについて報知を行うようにすると、比較的重要ではない生活イベントについての報知を抑制することができる。これにより、報知の数が多すぎることに起因するストレスを抑制することができる。
【0030】
また、本発明のスケジュール提案システムは、報知部を備える構成においては、
前記報知部は、前記生活イベントごとに予め定められている値である重要度に基づいて、決定された前記推奨スケジュールに含まれる前記生活イベントから選択された生活イベントである選択イベントを、所定の数、選択するとともに、該選択イベントについての前記推奨開始時刻及び前記推奨終了時刻の少なくとも一方を、前記ユーザに報知することが好ましい。
【0031】
重要度を、生活イベントについての深睡眠率及び熟睡度の少なくとも一方に対する影響の大きさに基づいて定めるのではなく、例えば、システム設計者等が任意に予め定めるようにしても、同様に、比較的重要ではない生活イベントについての報知を抑制することができる。これにより、報知の数が多すぎることに起因するストレスを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[第1実施形態]
以下、
図1〜
図13を参照して、本実施形態に係るスケジュール提案システムSについて説明する。このスケジュール提案システムSは、ユーザUの睡眠中における深睡眠率及び熟睡度を改善するために推奨されるスケジュールの提案、及び、そのスケジュール遂行のサポートを行うためのものである。
【0034】
ここで、「深睡眠率」とは、睡眠の全時間中に深睡眠となっている割合を示す。また、深睡眠とは、ノンレム睡眠の睡眠段階3及び4の状態(すなわち、徐波睡眠の状態)をいう。「熟睡度」とは、ユーザが睡眠の後に感じたよく眠れたか否かの度合いあり、主観的なものである。本実施形態においては、深睡眠率及び熟睡度を総称して、「睡眠状況」ということがある。
【0035】
なお、本発明のスケジュール提案システムは、深睡眠率及び熟睡度を改善するために推奨されるスケジュールを提案するものに限定されるものではなく、深睡眠率及び熟睡度の少なくとも一方を改善するために推奨されるスケジュールを提案するものであればよい。そのため、そのいずれか一方の改善のみを目的とする場合には、本実施形態の説明における深睡眠率及び熟睡度のいずれか一方に関する構成及び処理を省略してもよい。
【0036】
図1に示すように、スケジュール提案システムSは、ユーザUが使用するスマートフォンである携帯情報端末1と、携帯情報端末1から送信されたデータを処理するとともに、処理結果を携帯情報端末1に送信するサーバ2とを備えている。
【0037】
なお、本発明のスケジュール提案システムは、後述する処理部を備えたものであればよく、携帯情報端末とサーバとにより構成されたものに限定されるものではない。例えば、複数のサーバを用いても構成してもよいし、携帯情報端末のみで構成してもよい。
【0038】
また、構成するための機器として、ユーザが身体に装着するタイプのウェアラブルデバイス、寝具に設置するタイプのセンサ、ノートパソコン、タブレット、音声操作に対応したスピーカ等を採用してもよい。
【0039】
図2に示すように、携帯情報端末1は、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)の両方又は一方により実現される機能(処理部)として、ユーザUからの入力を受け付ける入力部1aと、サーバ2から送信された処理結果をユーザUに提示又は報知する出力部1bと、ユーザUの睡眠中の生体情報を認識する生体情報認識部1cとを備えている。
【0040】
入力部1a及び出力部1bは、本実施形態では携帯情報端末1がスマートフォンであるので、そのタッチパネル10(
図4等参照)、スピーカ、マイク、カメラ等によって構成されている。
【0041】
生体情報認識部1cは、携帯情報端末1に搭載されたセンサ類によって構成されており、ユーザUの睡眠中の呼吸、脈拍、体動等の深睡眠率を算出するために必要な生体情報を認識する。
【0042】
サーバ2は、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)の両方又は一方により実現される機能(処理部)として、睡眠時刻認識部2aと、身体情報認識部2bと、生活イベント認識部2cと、相関データ格納部2dと、個人用相関データ認識部2eと、推奨時刻認識部2fと、スケジュール決定部2gと、報知部2hと、代替イベント情報格納部2iと、代替イベント認識部2jと、実行イベント記憶部2kと、実行スケジュール記憶部2lと、深睡眠率記憶部2mと、熟睡度記憶部2nと、スケジュール提示部2oと、睡眠状況提示部2p(深睡眠率提示部、熟睡度提示部)と、選択スケジュール認識部2qとを備えている。
【0043】
睡眠時刻認識部2aは、ユーザUが携帯情報端末1の入力部1aを介して携帯情報端末1に入力した情報に基づいて、入床時刻及び起床時刻を認識する。なお、本実施形態においては、入床時刻若しくは起床時刻、又は、入床時刻及び起床時刻を指して睡眠時刻ということがある。
【0044】
また、睡眠時刻認識部2aは、ユーザUから直接入力された睡眠時刻だけではなく、ユーザUが携帯情報端末1のアラーム機能を停止した時刻を起床時刻として認識し、後述するおやすみボタン(
図8参照)を押した時刻を入床時刻として認識する。
【0045】
身体情報認識部2bは、ユーザUが携帯情報端末1の入力部1aを介して携帯情報端末1に入力した情報に基づいて、ユーザUの身体情報を認識する。ここで、「身体情報」とは、例えば、性別、年齢、身長、体重等を指す。
【0046】
生活イベント認識部2cは、ユーザUが携帯情報端末1の入力部1aを介して携帯情報端末1に入力した情報に基づいて、ユーザUが起床中に実行する生活イベントを認識する。ここで、「生活イベント」とは、ユーザが起床時刻から入床時刻の間に実行する行動を指す。
【0047】
なお、入床時刻及び起床時刻、身体情報、生活イベントの認識は、ユーザによって直接入力された情報を認識する方法に代わり、他の方法によって行われていてもよい。例えば、生体情報認識部によって認識された生体情報に基づいて、入床時刻及び起床時刻、身体情報、生活イベントを認識してもよい。
【0048】
相関データ格納部2dは、相関データを、身体情報ごとに格納している。この相関データは、睡眠状況に影響を与える生活イベントについての深睡眠率及び熟睡度の少なくとも一方に対する開始時刻及び終了時刻の少なくとも一方と、睡眠状況との相関関係を表すデータである。ここで、「深睡眠率及び熟睡度の少なくとも一方に影響を与える生活イベント」とは、例えば、食事、入浴、飲酒、喫煙、運動、仮眠等が該当する。
【0049】
なお、本実施形態における相関データは、例えば、「※日本睡眠改善協議会 睡眠改善学 基礎講座 第二版 (監修:白川修一郎・福田一彦・堀忠雄)」に記載の推奨される睡眠時刻、及び、身体情報ごとに分類して収集したサンプルデータを用いて決定されている。
【0050】
この相関データは、具体的には、例えば、朝食時刻を起床時刻より1時間後に取った場合には深睡眠率が向上する、昼食時刻は朝食時刻より4.5時間後(すなわち、起床時刻より5.5時間後)に取った場合には熟睡度が低下する、といった形式のデータが、年齢、身長、体重、性別といった身体情報ごとに分類されたデータとなっている。
【0051】
個人用相関データ認識部2eは、身体情報認識部2bによって認識されたユーザUの身体情報に基づいて、そのユーザUの身体情報に対応する相関データを、相関データ格納部2dから取得する。また、個人用相関データ認識部2eは、取得した相関データを、そのユーザUについての相関データとして認識する。
【0052】
推奨時刻認識部2fは、個人用相関データ認識部2eによって認識された相関データと、睡眠時刻認識部2aで認識されたユーザUの睡眠時刻とに基づいて、生活イベント認識部2cによって認識された生活イベントについて、推奨開始時刻及び推奨終了時刻の少なくとも一方を認識する。
【0053】
ここで、「推奨開始時刻」及び「推奨終了時刻」とは、生活イベントについて、睡眠状況を改善するために推奨される開始時刻及び終了時刻を指す。なお、本実施形態においては、推奨開始時刻若しくは推奨終了時刻、又は、推奨開始時刻及び推奨終了時刻を、推奨時刻ということがある。
【0054】
スケジュール決定部2gは、推奨時刻認識部2fによって認識された推奨時刻と、睡眠時刻認識部2aによって認識されたユーザUの睡眠時刻とに基づいて、ユーザUについての推奨スケジュールを決定する。
【0055】
報知部2hは、スケジュール決定部2gで決定された推奨スケジュール、又は、後述する選択スケジュールに基づいて、生活イベント及び後述する代替イベントの少なくとも一方についての推奨時刻を、出力部1bを介して、ユーザUに報知する。
【0056】
代替イベント情報格納部2iは、生活イベントに代わり、睡眠状況を改善するために推奨される代替イベントに関する情報を格納している。具体的には、代替イベントの種類、及び、その代替イベントについての推奨時刻を、身体情報ごとに格納している。
【0057】
代替イベント認識部2jは、ユーザUが生活イベントを実行しない場合に、その生活イベントに代わりに実行が推奨される代替イベントを、代替イベント情報格納部2iから取得して選択する。
【0058】
具体的には、代替イベント認識部2jは、報知部2hが生活イベントの推奨時刻を報知した際に、ユーザUからの入力に基づいて、その生活イベントを実行しない旨、又は、その生活イベントが実行できなかった旨が入力されたかを認識する。すなわち、実行不可であるか否かを判断する。その後、それらを認識した場合(すなわち、実行不可であると判断した場合)に、その生活イベントに代わり実行が推奨される代替イベントを選択する。
【0059】
実行イベント記憶部2kは、ユーザUが携帯情報端末1の入力部1aを介して携帯情報端末1に入力した情報に基づいて、ユーザUが実行した生活イベント又は代替イベントを、日ごとに記憶する。
【0060】
実行スケジュール記憶部2lは、ユーザUが実行し、実行イベント記憶部2kによって記憶された生活イベント又は代替イベント、並びに、その生活イベント又はその代替イベントを実行した後に、睡眠時刻認識部2aによって認識されたユーザUの睡眠時刻に基づいて、それらを含む実行スケジュールを生成する。また、実行スケジュール記憶部2lは、その実行スケジュールを日ごとに記憶する。
【0061】
深睡眠率記憶部2mは、生体情報認識部1cによって認識された生体情報に基づいて、ユーザの深睡眠率Uを認識する。また、深睡眠率記憶部2mは、その深睡眠率を日ごとに記憶する。
【0062】
熟睡度記憶部2nは、出力部1bを介して、熟睡度の入力をユーザUに要求する。また、熟睡度記憶部2nは、ユーザUが携帯情報端末1の入力部1aを介して携帯情報端末1に入力した情報に基づいて、熟睡度を認識する。また、熟睡度記憶部2nは、その熟睡度を日ごとに記憶する。
【0063】
スケジュール提示部2oは、スケジュール決定部2gが決定した推奨スケジュールを、出力部1bを介して、ユーザUに提示する。また、スケジュール提示部2oは、実行スケジュール記憶部2lが記憶している複数の実行スケジュール選択可能に、出力部1bを介して、ユーザUに提示する。その選択は、入力部1aを介して行われる。
【0064】
睡眠状況提示部2p(深睡眠率提示部、熟睡度提示部)は、スケジュール提示部2oが提示する実行スケジュール、及び、その実行スケジュールを実行した日に対応する睡眠状況を、出力部1bを介して、ユーザUに提示する。
【0065】
選択スケジュール認識部2qは、ユーザUが携帯情報端末1の入力部1aを介して携帯情報端末1に入力した情報に基づいて、スケジュール提示部2oが選択可能に提示した複数の実行スケジュールからユーザUに選択された実行スケジュールを、選択スケジュールとして認識する。
【0066】
次に、
図2〜
図5を参照して、スケジュール提案システムSが、推奨スケジュールを決定する際に行う処理について説明する。
図3は、この処理を示すフローチャートである。
【0067】
この処理においては、まず、身体情報認識部2bが、ユーザUが入力部1aを介して入力した情報に基づいて、ユーザUの入床時刻及び起床時刻を認識する(
図3/STEP101)。
【0068】
次に、身体情報認識部2bが、ユーザUが入力部1aを介して入力した情報に基づいて、ユーザUの身体情報を認識する(
図3/STEP102)。
【0069】
次に、生活イベント認識部2cが、ユーザUが入力部1aを介して入力した情報に基づいて、ユーザUが起床中に実行する生活イベントを認識する(
図3/STEP103)。
【0070】
STEP101〜STEP103における処理は、本実施形態では、一括して行われる。具体的には、まず、睡眠時刻認識部2a、身体情報認識部2b、及び、生活イベント認識部2cは、携帯情報端末1の入力部1a及び出力部1bであるタッチパネル10に、
図4に示すような画面を表示させる。ここで、
図4の画面のうち「生活習慣」という項目が、生活イベントに関する入力部分となる。
【0071】
携帯情報端末1は、ユーザUがその画面における入力項目に対して、入力部1aを介して入力した情報を、サーバ2に送信する。その後、サーバ2の睡眠時刻認識部2a、身体情報認識部2b、及び、生活イベント認識部2cは、受信した情報に基づいて、睡眠時刻、身体情報、及び、生活イベントを認識する。
【0072】
なお、睡眠時刻、身体情報、及び、生活イベントの認識は、必ずしも
図7に示すような画面を介して行う必要はない。例えば、他のプログラムにおいて、すでにユーザUの睡眠時刻、身体情報、及び、生活イベントが入力されている場合には、睡眠時刻認識部2a、身体情報認識部2b、及び、生活イベント認識部2cが、その睡眠時刻、身体情報、及び、生活イベントを認識するようにしてもよい。
【0073】
次に、個人用相関データ認識部2eが、身体情報認識部2bによって認識されたユーザUの身体情報に基づいて、そのユーザUについての相関データを認識する(
図3/STEP104)。
【0074】
具体的には、まず、個人用相関データ認識部2eは、身体情報認識部2bによって認識されたユーザUの身体情報に基づいて、そのユーザUの身体情報に少なくとも一部で一致する又は類似する身体情報に関連付けられている相関データを、相関データ格納部2dから取得する。その後、個人用相関データ認識部2eは、取得した相関データを、そのユーザUについての相関データとして認識する。
【0075】
なお、ユーザについての相関データは、必ずしも関連付けられている身体情報が一致する又は類似する相関データを取得することによって認識する必要はない。例えば、関連付けられている身体情報が一致する又は類似する相関データに基づいて、基準となる相関データを修正することによって、ユーザについての相関データを生成して認識してもよい。
【0076】
次に、推奨時刻認識部2fが、個人用相関データ認識部2eによって認識されたユーザUについての相関データと、睡眠時刻認識部2aで認識されたユーザUの睡眠時刻とに基づいて、生活イベント認識部2cによって認識された生活イベントについての推奨開刻を認識する(
図3/STEP105)。
【0077】
次に、スケジュール決定部2gが、推奨時刻認識部2fによって認識された推奨時刻と、睡眠時刻認識部2aによって認識されたユーザUの睡眠時刻とに基づいて、ユーザUについての推奨スケジュールを決定する(
図3/STEP106)。
【0078】
具体的には、まず、スケジュール決定部2gは、睡眠時刻をプロットする。次に、スケジュール決定部2gは、睡眠時刻を基準として、実行する生活イベントごとに、その生活イベントに関する推奨時刻をプロットする。これにより生成されたスケジュールを、スケジュール決定部2gは、推奨スケジュールとして決定する。
【0079】
なお、複数の生活イベントに関する推奨時刻が重なる場合(例えば、ある生活イベントの推奨終了時刻が他の生活イベントの推奨開始時刻が遅い場合等)であって、それらの生活イベントが同時に実行できないものである場合がある。
【0080】
そのような場合、スケジュール決定部2gは、ユーザUについての相関データに基づいて、それらの生活イベントを実行した際における睡眠状況の改善度合いを比較して、いずれの生活イベントを優先すべきかを判断し、その判断結果に基づいて、生活イベントについての推奨時刻を変更する。
【0081】
次に、スケジュール提示部2oが、スケジュール決定部2gが決定した推奨スケジュールを、出力部1bを介して、ユーザUに提示して(
図3/STEP107)、今回の処理を終了する。
【0082】
具体的には、スケジュール提示部2oは、携帯情報端末1の入力部1a及び出力部1bであるタッチパネル10に、
図5に示すような画面を表示させる。
【0083】
以上説明したように、スケジュール提案システムSを用い、このようにして決定された推奨スケジュールは、ユーザUの身体情報に対応する相関データに基づいたものであり、且つ、ユーザUが普段の生活で行っている生活イベントの時刻を修正したものである。すなわち、睡眠状況を改善できるものであり、且つ、ユーザUの普段の生活を大きく変えるものではない。
【0084】
したがって、スケジュール提案システムSによれば、普段の生活を大きく変えることなく睡眠状況の改善を図ることができる推奨スケジュールが提案される。これにより、ユーザUは、その推奨スケジュールに従った生活を行うことによって、ストレスを感じずに、睡眠状況の改善を図ることができる。
【0085】
次に、
図2、
図6、
図7を参照して、スケジュール提案システムSが、睡眠状況の記憶の際に処理について説明する。
図6は、この処理を示すフローチャートである。
【0086】
この処理においては、まず、生体情報認識部1cが、ユーザUの睡眠中の呼吸、脈拍、体動等の深睡眠率を算出するために必要な生体情報を認識して記憶する(
図6/STEP201)。
【0087】
なお、本実施形態においては、この生体情報の認識は、所定の処理周期(例えば、5分ごと)で繰り返される。しかし、生体情報の認識は、睡眠中に継続して行うようにしてもよいし、所定のイベント(例えば、ユーザUの寝返り等の体動)が生じたタイミングで行うようにしてもよい。
【0088】
次に、携帯情報端末1が、その時計機能によって、予定されている起床時刻(すなわち、推奨スケジュールにおける起床時刻)であるか否かを判断する(
図6/STEP202)。
【0089】
予定されている起床時刻ではないと判断された場合(すなわち、STEP202でNOの場合)、STEP201に戻り、予定されている起床時刻であると判断されるまで、生体情報の記憶(STEP201)、及び、起床時刻であるか否かの判断(STEP202)を繰り返す。
【0090】
一方、予定されている起床時刻であると判断された場合(すなわち、STEP202でYESの場合)、サーバ2の深睡眠率記憶部2mが、生体情報認識部1cによって認識された生体情報に基づいて、ユーザUの深睡眠率を認識し、その深睡眠率を日ごとに記憶する(
図6/STEP203)。
【0091】
次に、携帯情報端末1が、その時計機能によって、アラームを開始する(
図6/STEP204)。
【0092】
次に、深睡眠率記憶部2mが、記憶した深睡眠率を、出力部1bを介して、ユーザUに提示する(
図6/STEP205)。
【0093】
次に、熟睡度記憶部2nが、出力部1bを介して、熟睡度の入力ボタンを表示することによって、熟睡度の入力をユーザUに要求する(
図6/STEP206)。
【0094】
STEP204〜STEP205における処理は、本実施形態では、ほぼ同時に行われる。そのため、具体的には、携帯情報端末1のアラームの開始とともに、サーバ2の深睡眠率記憶部2m及び熟睡度記憶部2nは、携帯情報端末1の入力部1a及び出力部1bであるタッチパネル10に、
図7に示すような画面を表示させる。
【0095】
その画面には、現在の時刻、深睡眠率、及び、3組の熟睡度の入力ボタン(
図7における3つ1組の表情の異なる顔型のボタン)が表示される。各組の入力ボタンは、3つのうちから1つを、択一的に選択可能になっている。また、この3組の入力ボタンは、「寝つきの気分」、「目覚めの気分」、及び、「熟睡できたか否か」を入力するためのものとなっている。
【0096】
なお、本実施形態における熟睡度の入力ボタンの入力形式は、あくまでも一例であり、システム設計者が適宜設定してよい。例えば、熟睡度の入力ボタンの組数を、2組以下、又は、4組以上としてもよい。また、入力できる段階の数(すなわち、1組あたりのボタンの数)を、2つ、又は、4つ以上としてもよい。さらには、ボタンによる入力形式に代わり、スライドバーによる入力形式を採用してもよい。
【0097】
次に、携帯情報端末1は、熟睡度の入力ボタンが押されたか否かを判断する(
図6/STEP207)。
【0098】
具体的には、携帯情報端末1は、全ての組の入力ボタンにおいて、3つの顔型のボタンのうちのいずれか1つのボタンが選択されたか否かを判定する。
【0099】
入力ボタンが押されていないと判断された場合(すなわち、STEP205でNOの場合)、入力ボタンが押されるまで、アラーム、深睡眠率の提示、熟睡度の入力ボタンの表示を継続する。
【0100】
一方、入力ボタンが押されたと判断された場合(すなわち、STEP205でYESの場合)、携帯情報端末1が、アラームを停止する(
図6/STEP208)。
【0101】
次に、熟睡度記憶部2nが、ユーザUが入力部1aを介して入力した情報に基づいて、熟睡度を認識し、その熟睡度を日ごとに記憶して(
図6/STEP209)、今回の処理を終了する。
【0102】
具体的には、熟睡度記憶部2nは、熟睡度を認識するに際しては、3組の入力ボタンの各々で選択されたボタンに基づいて、熟睡度を算出する。本実施形態では、3組の入力ボタンに含まれる9個のボタンには、それぞれスコアが設定されており、熟睡度記憶部2nは、そのスコアの合計又は平均を、熟睡度としている。
【0103】
次に、
図2、
図8〜
図11を参照して、スケジュール提案システムSが、推奨時刻の報知、並びに、睡眠状況及び実行スケジュールの記憶の際に処理について説明する。
図8は、この処理を示すフローチャートである。
【0104】
この処理においては、まず、睡眠時刻認識部2aが、携帯情報端末1がアラームを停止した時刻(
図6/STEP208)を、起床時刻として認識する(
図8/STEP301)。
【0105】
次に、報知部2hが、推奨スケジュールに含まれる生活イベントの推奨時刻であるか否かを判断する(
図8/STEP302)。
【0106】
生活イベントの推奨時刻でないと判断された場合(すなわち、STEP302でNOの場合)、生活イベントの推奨時刻になるまで、推奨時刻であるか否かの判断(STEP302)を繰り返す。
【0107】
一方、生活イベントの推奨時刻であると判断された場合(すなわち、STEP302でYESの場合)、報知部2hは、生活イベントの推奨時刻であることを、出力部1bを介して、ユーザUに報知する(
図8/STEP303)。
【0108】
具体的には、報知部2hは、携帯情報端末1の入力部1a及び出力部1bであるタッチパネル10に、所定の音声とともに、
図9に示すような画面を表示させる。その画面には、現在の時刻、推奨時刻となった生活イベント(
図9に示した例では、朝食)、及び、その生活イベントについての対応を選択するためのボタンが表示される。
【0109】
本実施形態においては、対応を選択するためのボタンとして、その生活イベントを実行したことを入力するための「Clear!」、その生活イベントを所定時間後に改めて報知させるための「1時間以内には」、その生活イベントに代わる代替イベントを希望することを入力するための「リクープを選ぶ」、及び、その生活イベントを無視するための「通知しない」の4つのボタンが表示される。
【0110】
なお、本実施形態における対応を選択するための4つのボタンは、あくまでも一例であり、システム設計者が適宜設定してよい。例えば、上記4つのうちの3つ以下のボタンのみを表示したり、さらに種類を増やして5つ以上のボタンを表示したりしてもよい。また、表示するボタンの内容も適宜設定してよく、例えば、生活イベントの種類に応じて、「1時間以内には」に代わり、「2時間以内には」、「30分以内には」等としてもよい。
【0111】
さらに、対象となる生活イベントについての対応の種類の数が、表示可能な数、又は、表示するように設定された数よりも多い場合には、それらの対応の中から、所定のルール(例えば、重要なものを優先する等)に従って表示してもよいし、ランダムで表示してもよい。なお、ランダムで表示する場合には、ユーザが、対応の内容に飽きてしまうことを抑制することができる。
【0112】
次に、代替イベント認識部2jが、推奨時刻であることを報知された生活イベントを、ユーザUが実行不可であるか否かを判断する(
図8/STEP304)。
【0113】
具体的には、代替イベント認識部2jは、対応を選択するためのボタンのいずれかが押されたかによって、生活イベントが実行不可であるか否かを判断する。より具体的には、代替イベント認識部2jは、
図9における「Clear!」というボタンが押された場合には、実行不可ではない(実行できた)と判断し、「リクープを選ぶ」というボタンが押された場合には、実行不可であると判断する。
【0114】
生活イベントが実行不可ではないと判断された場合(すなわち、STEP304でNOの場合)、実行イベント記憶部2kが、その生活イベントが実行されたことを、その実行時間とともに記憶する(
図8/STEP305)。
【0115】
一方、生活イベントが実行不可であると判断された場合(すなわち、STEP305でNOの場合)、代替イベント認識部2jが、実行不可と判断された生活イベントに代わりに実行が推奨される代替イベントを、代替イベント情報格納部2iから取得して認識する(
図8/STEP306)。
【0116】
次に、報知部2hが、代替イベント認識部2jによって認識された代替イベントを、出力部1bを介して、ユーザに対して報知する(
図8/STEP307)。
【0117】
具体的には、報知部2hは、携帯情報端末1の入力部1a及び出力部1bであるタッチパネル10に、
図10に示すような画面を表示させる。その画面には、現在の時刻、代替イベント(
図10に示した例では、「日光を30分以上浴びる」、「15分以上歩く」)、及び、その代替イベントについての対応を選択するためのボタンが表示される。
【0118】
本実施形態においては、対応を選択するためのボタンとして、実行する代替イベントを選択するための「日光を30分以上浴びる」、及び、「15分以上歩く」、並びに、その代替イベントを実行しない旨を入力するための「どちらもできない」の3つのボタンが表示される。
【0119】
次に、実行イベント記憶部2kが、いずれの代替イベントも、ユーザUが実行不可であるか否かを判断する(
図8/STEP308)。
【0120】
具体的には、実行イベント記憶部2kは、対応を選択するためのボタンのいずれかが押されたかによって、代替イベントが実行不可であるか否かを判断する。より具体的には、実行イベント記憶部2kは、
図10における「日光を30分以上浴びる」、及び、「15分以上歩く」というボタンのいずれかが押された場合には、実行不可ではない(実行できた)と判断し、「どちらもできない」というボタンが押された場合には、実行不可であると判断する。
【0121】
代替イベントが実行不可ではないと判断された場合(すなわち、STEP308でNOの場合)、実行イベント記憶部2kが、実行された代替イベントの種類を、その実行時間とともに記憶する(
図8/STEP309)。
【0122】
なお、STEP304において、ユーザUが、「1時間以内には」というボタンを押した場合には、1時間後に、
図5と同様の画面を用いて、推奨時刻である旨を報知する。その際には、STEP304〜STEP309と同様の処理が実行される。また、「通知しない」というボタンを押した場合には、その推奨イベントに関するSTEP304〜STEP309の処理が省略される。
【0123】
実行イベント記憶部2kが生活イベント又は代替イベントの実行を記憶した場合(すなわち、STEP305、又は、STEP308が実行された場合)、又は、代替イベントが実行不可であると判断された場合(すなわち、STEP308がYESの場合)、実行スケジュール記憶部2lは、入床時刻の所定時間前であるか否かを判断する(
図8/STEP310)。
【0124】
ここで、「入床時刻の所定時間前」となる時刻とは、例えば、ユーザUが、その日に実行する生活イベントを全て終了して、あとは入床するだけとなった時刻等を指す。具体的には、例えば、推奨スケジュールにおいて予定されている入床時間の15分程度前の時刻を指す。
【0125】
入床時刻の所定時間前でないと判断された場合(すなわち、STEP310でNOの場合)、再度、STEP302〜STEP310の処理を繰り返す。
【0126】
一方、入床時刻の所定時間前であると判断された場合(すなわち、STEP310でYESの場合)、実行スケジュール記憶部2lが、その日に実行した生活イベント又は代替イベント、並びに、起床時刻、及び、予定されている入床時刻に基づいて、仮の実行スケジュールを生成する(
図8/STEP311)。
【0127】
次に、スケジュール提示部2oが、推奨スケジュール、実行スケジュール記憶部2lが生成した仮の実行スケジュール、及び、お休みボタンを、出力部1bに表示する(
図8/STEP312)。
【0128】
具体的には、スケジュール提示部2oは、携帯情報端末1の入力部1a及び出力部1bであるタッチパネル10に、所定の音声とともに、
図11に示すような画面を表示させる。その画面には、推奨スケジュール、仮の実行スケジュール、アラームをセットするための入力ウィンドウ、及び、入床することを入力するための「おやすみ」というボタン(以下、「おやすみボタン」という。)が表示される。
【0129】
次に、睡眠時刻認識部2aが、おやすみボタンが押された時刻を、入床時刻として認識する(
図8/STEP313)。
【0130】
次に、実行スケジュール記憶部2lが、実行した生活イベント又は代替イベント、並びに、起床時刻及び入床時刻に基づいて、実行スケジュールを生成して記憶して(
図8/STEP314)、今回の処理を終了する。
【0131】
以上説明したように、スケジュール提案システムSでは、生活イベントの推奨時刻が、報知部2hを介して、ユーザUに対して報知されるように構成されている。
【0132】
これにより、ユーザUは、決定された推奨スケジュールを詳細に把握しなくても、生活イベントの推奨開始時刻及び推奨終了時刻の少なくとも一方を把握することができる。
【0133】
ところで、普段実行している生活イベントであっても、推奨スケジュールに含まれていると、ユーザUは、その実行に対してストレスを感じてしまうおそれがある。
【0134】
しかし、スケジュール提案システムSでは、生活インベントが実行不可である場合(すなわち、生活イベントを実行しない旨、又は、生活イベントが実行できなかった旨を認識した場合)には、ユーザUに対して、生活イベントに代わり、睡眠状況を改善するために推奨される代替イベントが提示されるように構成されている。
【0135】
すなわち、ユーザUに対して、生活イベントだけでなく、代替イベントという選択肢が与えられる構成となっている。これにより、ユーザUは、その時々の気分、好み等によって、行うべき行動を選択することができるようになる。
【0136】
ところ「で、ユーザUが従来行っていた生活イベントは、必ずしも睡眠状況の改善に好ましいとは言い切れない。一方で、従来実行していた生活イベントを変更することは、ユーザUにストレスを感じさせるおそれがある。
【0137】
そこで、スケジュール提案システムSでは、以下に説明するような処理によって、ユーザUに対して、生活イベントの変更を提案するように構成されている。
【0138】
以下においては、
図2、
図12、
図13を参照して、スケジュール提案システムSが、スケジュールの変更を行う際に行われる処理について説明する。
図12は、この処理を示すフローチャートである。
【0139】
この処理においては、まず、スケジュール提示部2oが、複数の実行スケジュールを、出力部1bを介して、ユーザUに、選択可能に提示する(
図12/STEP401)。
【0140】
次に、睡眠状況提示部2pが、実行スケジュールに対応する睡眠状況を、出力部1bを介して、ユーザUに提示(
図12/STEP402)。
【0141】
具体的には、スケジュール提示部2o及び睡眠状況提示部2pは、携帯情報端末1の入力部1a及び出力部1bであるタッチパネル10に、
図13に示すような画面を表示させる。その画面には、推奨スケジュール及び複数の実行スケジュールが対比可能に配置されるとともに、実行スケジュールの各々に対応する深睡眠率及び熟睡度(本実施形態では、熟睡度の入力ボタンの入力状況)が表示される。
【0142】
次に、選択スケジュール認識部2qが、ユーザUが入力部1aを介して入力した情報に基づいて、選択された実行スケジュールを、選択スケジュールとして認識して(
図12/STEP403)、今回の処理を終了する
【0143】
このようにして選択された選択スケジュールは、これ以後の処理において、推奨スケジュールに代わり用いられる。
【0144】
このように構成すると、ユーザUは自らが実行した又は実行しなかった生活イベント又は代替イベントと、睡眠状況との対応関係を把握したうえで、新たなスケジュールを選択することができるようになる。
「0134」
これにより、ユーザUは、納得したうえで(すなわち、ストレスを感じずに)、実行するイベントを、さらに睡眠状況の改善に寄与しやすいものに変更することができる。
【0145】
[第2実施形態]
以下、
図2、
図14、及び、
図15を参照して、本実施形態に係るスケジュール提案システムについて説明する。
【0146】
なお、本実施形態に係るスケジュール提案システムは、相関データ格納部2dが格納している相関データ、及び、報知部2hが報知のために行う処理のみが、第1実施形態のスケジュール提案システムSと異なるものである。そのため、以下の説明においては、同一又は対応する構成については、同じの符号を付すとともに、詳細な説明は省略する。
【0147】
本実施形態においても、スケジュール提案システムは、ユーザが使用するスマートフォンである携帯情報端末と、携帯情報端末から送信されたデータを処理するとともに、処理結果を携帯情報端末に送信するサーバ2とを備えている。
【0148】
図2に示すように、サーバ2は、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)の両方又は一方により実現される機能(処理部)として、睡眠時刻認識部2aと、身体情報認識部2bと、生活イベント認識部2cと、相関データ格納部2dと、個人用相関データ認識部2eと、推奨時刻認識部2fと、スケジュール決定部2gと、報知部2hと、代替イベント情報格納部2iと、代替イベント認識部2jと、実行イベント記憶部2kと、実行スケジュール記憶部2lと、深睡眠率記憶部2mと、熟睡度記憶部2nと、スケジュール提示部2oと、睡眠状況提示部2pと、選択スケジュール認識部2qとを備えている。
【0149】
相関データ格納部2dは、相関データを、身体情報ごとに格納している。この相関データは、睡眠状況に影響を与える生活イベントについての深睡眠率及び熟睡度の少なくとも一方に対する開始時刻及び終了時刻の少なくとも一方と、睡眠状況との相関関係を表すデータである。
【0150】
ここで、本実施形態における相関データには、各生活イベントについての深睡眠率及び熟睡度の少なくとも一方に対する影響の大きさが、重要度として含まれている。
【0151】
ここで、本実施例において、「重要度」とは、その生活イベントを実行した場合における深睡眠率又は熟睡度の向上の度合いの大きさに基づいて定められた値であり、向上の度合いが大きいほど大きな値となる。
【0152】
ただし、本発明における重要度は、本実施形態のように、生活イベントについての深睡眠率及び熟睡度の少なくとも一方に対する影響の大きさに基づいてその生活イベントごとに定められている値(例えば、算出又は取得された値)に限定されるものはない。
【0153】
例えば、生活イベントごとに予め定められている値(例えば、システム設計者が任意に設定した値)であってもよい。また、重要度を定めるにあたっては、ユーザの身体特性を参照するようにしてもよいし、逆に、ユーザの身体特性を参照しないようにしてもよい。
【0154】
報知部2hは、スケジュール決定部2gで決定された推奨スケジュール、又は、選択スケジュールに基づいて、相関データに含まれる重要度を参照して、推奨スケジュール又は選択スケジュールに含まれる生活イベントから選択された生活イベントである選択イベントを、所定の数(本実施形態においては5つ)、選択する。その後、選択イベントについての推奨時刻を、出力部1bを介して、ユーザに報知する。
【0155】
次に、
図2、
図14、及び、
図15を参照して、スケジュール提案システムが、選択イベントを選択する際に行う処理について説明する。
図14は、この処理を示すフローチャートである。
【0156】
この処理においては、まず、報知部2hが、例えば、
図3のフローチャートを参照して説明した処理によって決定された推奨スケジュールに含まれる生活イベントを認識する(
図14/STEP501)。
【0157】
具体的には、例えば、
図15の画面に示すような推奨スケジュールが決定された場合には、報知部2hは、起床時刻及び入床時刻とともに、その推奨スケジュールに含まれる朝食、昼食、仮眠、夕食、入浴、アルコール・カフェインに関する推奨時刻を認識する。
【0158】
次に、報知部2hは、相関データ格納部2dから、認識した生活イベントに対応する重要度を認識する(
図14/STEP502)。
【0159】
具体的には、報知部2hは、ユーザの身体情報、起床時刻、入床時刻を参照して、認識された生活イベントごとに、その重要度を認識する。
【0160】
次に、報知部2h、認識した重要度に基づいて、認識した生活イベントから、所定の数(本実施形態においては5つ)の選択イベントを選択して(
図14/STEP503)、今回の処理を終了する。
【0161】
具体的には、報知部2hは、重要度の大きい順に、所定の数の生活イベントを選択する。本実施形態では、その結果、朝食、昼食、仮眠、夕食、入浴を選択イベントとして認識し、アルコール・カフェインの摂取を選択イベントとして認識しない。
【0162】
この後、本実施形態のスケジュール提案システムは、
図15に示すように、決定された推奨スケジュールとともに、報知する生活イベント(すなわち、選択イベント)の種類が、ユーザに予め提示される。
【0163】
また、本実施形態のスケジュール提案システムは、
図8のフローチャートを参照して説明した処理によって、推奨スケジュールに含まれる生活イベントに関する推奨時刻をユーザに報知するに先立って、報知部2hが、その生活イベントが選択イベントであるか否かを判断する。
【0164】
その判断の結果、その生活イベントが選択イベントであると判断された場合には、報知が行われ、選択イベントでないと判断された場合には、報知が行われない。例えば、本実施形態では、朝食、昼食、仮眠、夕食、入浴に関する報知は行われるものの、アルコール・カフェインに関する報知は行われない。
【0165】
このように、生活イベントから選択イベントを選択するように構成すると、比較的重要ではない生活イベントについての報知を抑制することができるので、報知部2hによってユーザに報知される回数が、ある程度制限されることになる。これにより、ユーザが報知の回数が多すぎると感じることを抑制することができる。ひいては、報知の回数の多さに起因してユーザがストレスを感じてしまうことを抑制することができる。
【0166】
なお、本実施形態においては、重要度に基づいて生活イベントから選択イベントを選択している。しかし、本発明はそのような構成に限定されるものではなく、選択イベントの選択基準は、システム設計者によって適宜設定されてよい。例えば、生活イベントの種類によって、ユーザの特性、予め定められた重要度等に関わらず、一律に優先して選択すべき生活イベントを定めておいてもよい。
【0167】
また、本実施形態においては、選択イベントを5つ選択している。しかし、本発明はそのような構成に限定されるものではなく、選択する選択イベントは1つ〜4つであってもよいし、6つ以上であってもよい。また、その数は、ユーザの身体特性等によって、変動するように構成されていてもよい。
【0168】
[その他の実施形態]
以上、図示の実施形態について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。
【0169】
例えば、上記実施形態では、推奨スケジュールを決定した後、その内容の提示、その推奨スケジュールに含まれる推奨時刻の報知、代替イベントの提案、実行スケジュールへの変更が可能となっている。
【0170】
しかし、本発明のスケジュール提案システムは、推奨スケジュールを決定できるものであればよい。そのため、推奨スケジュールの内容の提示、その推奨スケジュールに含まれる推奨時刻の報知、代替イベントの提案、実行スケジュールへの変更が可能の少なくとも1つを省略してもよい。なお、そのような省略を行う場合には、省略された処理に関連する構成部材及び処理部も省略してよい。