【実施例1】
【0013】
図1は、本実施例によるセンサデバイス管理システム構成を示す図である。
センサデバイス管理システムは、センサデバイス101、LPWA(Low Power Wide Area)網102、モバイル端末103、セルラー網104、管理サーバ105、データベース106、アプリケーションサーバ107を含んで構成される。ここで、センサデバイス101はLPWA網102に接続され、モバイル端末103はセルラー網104に接続されて、それぞれ管理サーバ105へ接続される。なお、これらの網に限らず他の無線ネットワークを用いても良い。
【0014】
センサデバイス101は、温度、湿度、振動などを測定し、その測定データはLPWA網102を介して管理サーバ105へ送信される。管理サーバ105は、受信した測定データをデータベース106に格納する。データベース106はネットワーク上に設置されたコンピュータであり、センサデバイス101に関する管理情報や測定データを蓄積する。アプリケーションサーバ107は、データベース106から測定データを取得して、分析や表示を行う。
【0015】
図2は、センサデバイス101の構成を示す図である。
センサデバイス101は、電源ボタン201、通信テスト開始ボタン202、LEDランプ203、制御部204、無線通信部205、センサ206を有して構成される。なお、電源(バッテリー)の図示は省略している。電源ボタン201は、センサデバイス101の電源オン・オフを切り替えるボタンである。通信テスト開始ボタン202は、センサデバイス101に通信テスト開始を指示するボタンである。LEDランプ203は、点灯、消灯、点滅することで、センサデバイス101の管理サーバ105への登録状況や通信状態を表す表示子として機能する。詳細は後述するが、例えばセンサデバイス101が通信テスト待ちモードへ移行(状態)、と管理サーバ105が判断した場合、LEDランプ203を点滅させる、が如きである。
【0016】
制御部204は、マイクロプロセッサ2041と、メモリ2042を有し、マイクロプロセッサ2041はプログラムを実行して、電源ボタン201、通信テスト開始ボタン202、LEDランプ203の入出力制御や、センサ206の測定制御、センサ206の測定結果を基づく測定データの生成、無線通信部205への測定データ送信指示、無線通信部205から受信したデータの処理などを行う。メモリ2042はセンサデバイスID(第2の識別子に相当)を記憶している。無線通信部205は、LPWA網102との間で無線送受信する。センサ206は、温度、湿度、振動などの物理的変化を測定する検知器である。
【0017】
センサデバイス101には、センサデバイス101の識別子(第1の識別子に相当)であるセンサデバイスID207が設けられる。センサデバイスID207は例えば2次元コードで表示され、その表示シートがセンサデバイス101の表面に貼付される。本実施例において第1の識別子と第2の識別子には同じ番号が付与される。
【0018】
図3は、モバイル端末103の構成を示す図である。
モバイル端末103は、センサデバイス101の設置作業を補助するためのものであり、作業員が使用する。モバイル端末103は例えばスマートフォンやタブレット端末であることが好ましい。モバイル端末103は、表示入力部301、制御部302、無線通信部303、測位部304、カメラ305を有して構成される。表示入力部301は、情報を表示する表示部と作業員の操作による入力を受付ける入力部を持つ、例えばタッチパネルディスプレイである。制御部302は例えばマイクロプロセッサ(CPU)であり、表示入力部301の表示制御や入力情報の取得、無線通信部303へのデータ送信指示、無線通信部303から受信したデータの処理、測位部304への測位指示、カメラ305への撮影指示、等の制御を行う。無線通信部303は、セルラー網104との間で無線送受信を行う。測位部304は、GNSS(Global Navigation Satellite System)やQZSS(Quasi-Zenith Satellite System)、無線LANを用いた方法などにより、測位を行い、位置情報を取得する。カメラ305は二次元バーコードで読み取ってセンサデバイスID207を取得する。
【0019】
図4は、管理サーバ105の構成を示す図である。
管理サーバ105は、メモリ40、CPU41、入出力器421を接続する入出力インタフェース42、ネットワークインタフェース43、及び外部記憶装置44を有して構成される。管理サーバ105の各機能は、外部記憶装置44に格納されるプログラムソフトウェアがメモリ40に展開されて、CPU41により実行されることで実現する。管理サーバ105はネットワークインタフェース43により、LPWA網102を介してセンサデバイス101と、セルラー網104を介してモバイル端末103と通信する。管理サーバ105はまたネットワークインタフェース43を介してデータベース106と接続される。
【0020】
メモリ40は、センサデバイス照合処理プログラム401、通信環境判定処理プログラム402、及びセンサデバイス管理テーブル403、通信テスト結果テーブル404、通信環境格納テーブル405を格納する。これらのプログラムの処理動作及び各テーブルの構成については後述する。
【0021】
次に、
図5を参照して、センサデバイスの設置時における管理方法の動作を説明する。
図5はセンサデバイスの設置手順を説明するためのシーケンス図である。
まず、作業員の操作により、モバイル端末103の測位部304が測位を行って位置情報を取得する(501)。位置情報は例えば緯度および経度である。
【0022】
続いて、作業員の操作により、モバイル端末103のカメラ305がセンサデバイス101に貼付された2次元コードを読み取り、センサデバイスID207(センサID1と図示)(第1の識別子)を取得する(502)。
【0023】
モバイル端末103は、ステップ501乃至502で取得した位置情報とセンサデバイスID1を管理サーバ105へ送信し、センサデバイスの登録要求を行う(503)。このように、モバイル端末103がセンサデバイスID207を取得して、モバイル端末の測位機能を用いて位置情報を取得することで、作業員のキー入力を省略することができ、誤入力を防止できる。
【0024】
次に、作業員がセンサデバイス101の電源ボタン201を押すことにより、センサデバイス101の電源がオンになる(504)。電源がオンになると、センサデバイス101は、センサデバイス101とLPWA網102の間の無線接続も含め、センサデバイス101と管理サーバ105との間でネットワーク接続を確立する(505)。なお、ステップ505で、センサデバイス101はLPWA網102との無線接続を確立するのみでも良い。
【0025】
ネットワークの接続が確立した後、センサデバイス101は、メモリ2042に記憶したセンサデバイスID2(センサID2と図示)(第2の識別子)を管理サーバ105へ送信する(506)。
【0026】
管理サーバ105は、モバイル端末103からの登録要求に含まれるセンサデバイスID1と、センサデバイス101から送信されて受信したセンサデバイスID2を照合して、センサデバイスIDの照合処理を行う(507)。
【0027】
ここで、
図6を用いて、センサデバイス照合処理の例を説明する。
図6は、センサデバイス照合処理の手順を説明する図である。この処理は、管理サーバ105のCPU41がセンサデバイス照合処理プログラム401を実行することで行われる。
管理サーバ105は、ステップ503でモバイル端末103から登録要求を受信した後、一定期間内にセンサデバイス101からセンサデバイスID2を受信した場合に、このセンサデバイス照合処理を行う。
【0028】
CPU41は、モバイル端末103からの登録要求に含まれるセンサデバイスID1と、センサデバイス101からのセンサデバイスID2を照合する(601)。照合の結果、センサデバイスID1とセンサデバイスID2が一致すると(601:Yes)、CPU41は、そのセンサデバイスIDの照合成功と判定する(602)。一方、両者が一致しない場合(601:No)、CPU41は、照合失敗と判定する(603)。
【0029】
また、管理サーバ105が、モバイル端末103から登録要求503を受信した後の一定期間内にセンサデバイス101からセンサデバイスID2を受信しなかった場合、CPU41はタイムアウトのため照合失敗と判定する。また、管理サーバ105が、モバイル端末103から登録要求を受信した後の一定期間以外で、センサデバイス101からセンサデバイスID2を受信した場合、CPU41は該当する登録要求が存在しないため照合失敗と判定する。
【0030】
管理サーバ105は、センサデバイスID2を送信してきたセンサデバイス101に照合結果、すなわち照合が成功か失敗かを通知する(
図5:508)。センサデバイス101は、この通知を受信すると、照合結果(成功か失敗か)に応じてLEDランプ203を表示する。
なお、管理サーバ105は、照合失敗について、センサデバイスIDの不一致による照合失敗の場合だけでなく、該当する登録要求が存在しないことによる照合失敗の場合もその照合結果をセンサデバイス101へ通知しても良い。勿論、管理サーバ105は、照合結果が成功の場合のみ、その照合結果をセンサデバイス101へ通知しても良い。
【0031】
センサデバイス101が、管理サーバ105から照合結果が成功である旨の通知を受信した場合、制御部204は通信テスト待ちモードへ移行する(509)。このとき、制御部204がLEDランプ203を点滅させると、作業員はセンサデバイス101が通信テスト待ちモードに移行したことを知る。これにより、作業員は、センサデバイス101が通信テスト待ちモードであり、通信テスト開始ボタン202を押して良いことを容易に判別できる。
【0032】
一方、センサデバイス101が、管理サーバ105から照合結果が失敗である旨の通知を受信した場合あるいは照合結果を受信しなかった場合、作業員はそのセンサデバイス101の設置・運用を意図していないということである。このような場合、センサデバイス101は、測定データの送信を行うべきではないから、作業員は電源オンのまま待機するかあるいは電源をオフする。
【0033】
さらに管理サーバ105は、登録要求を送信してきたモバイル端末103に、照合結果が成功か失敗かを通知する(510)。このとき、管理サーバ105は、照合失敗について、センサデバイスIDの不一致による照合失敗の場合だけでなく、タイムアウトによる照合失敗の場合も通知しても良い。
【0034】
照合結果の通知を受信したモバイル端末103は、照合結果が成功か失敗かを表示入力部301に表示する(511)。表示入力部301への画面表示例については後述する。
【0035】
このように、モバイル端末103から送信されるセンサID1と、センサデバイス101から送信されるセンサID2を照合することにより、管理サーバ105に接続されるセンサデバイス101が、作業員が設置・運用を意図したものであるかを正しく確認できる。例えば、作業員が、誤って設置対象とは異なるセンサデバイスの電源をオンにしても、管理サーバ105は照合失敗と判定するので、設置対象とは異なるセンサデバイスが測定データを送信することはない。また、作業員がモバイル端末103の照合結果の表示を確認することで、電源をオンにしたセンサデバイスが、設置対象であるか否かを判断することができる。
【0036】
管理サーバ105のCPU41は、ステップ507で照合成功したセンサデバイス101の情報をセンサデバイス管理テーブル403に記憶する。センサデバイス管理テーブル403は更にデータベース106に登録される(512)。一方、ステップ507で照合失敗した場合、そのセンサデバイスに関する情報をデータベース106に登録する必要はない。
【0037】
ここで、
図7を参照して、センサデバイス管理テーブル403の構成について説明する。センサデバイス管理テーブル403は、センサデバイスID、位置情報、センサデバイスのステータスを登録する。センサデバイス管理テーブル403は、ステップ512において形成されて、管理サーバ105がデータベース106に格納する。ここで、センサデバイスIDは、
図5のステップ503又はステップ506で管理サーバ105に通知されるセンサID1(第1の識別子)又はセンサID2(第2の識別子)である。位置情報は、ステップ503で管理サーバ105に通知される位置情報である。センサデバイスのステータスは、照合が成功していれば、“照合成功”となる。
【0038】
図5の説明に戻る。上記照合が成功の後、作業員が、通信テスト待ちモードのセンサデバイス101の通信テスト開始ボタン202を押すと、制御部204がこれを感知して、センサデバイスを通信テストモードへ移行する(513)。通信テストモードに移行したセンサデバイス101は、制御部204の制御の下、一定の待ち時間後にテストパケットを無線通信部205から送信する(515)。作業員は、この待ち時間の間に、例えばセンサデバイス101の弁室内への据付や弁室の蓋を閉めるといった作業を行い(514)、センサデバイス101の通信環境を運用時と同じ状態にする。これにより、実際の運用環境での通信テストを行うことができる。なお、センサデバイス101の据付はステップ501より前に、あるいはステップ501から513までの間に行っても良い。
【0039】
ステップ513のとき、制御部204がLEDランプ203を点灯させると、作業員はセンサデバイス101が通信テストモードに移行したことを知ることができる。さらに、制御部204が例えばテストパケット送信までの待ち時間の間、LEDランプ203を点灯させ、テストパケット送信開始時にLEDランプ203を消灯させるようにすると、作業員はテストパケット送信開始までにセンサデバイス101の据付や弁室の蓋を閉じるといった作業を完了できたかどうかを容易に判別できる。
【0040】
その後、制御部204は管理サーバ105へテストパケットを送信する(515)。そして、テストパケットを受信した管理サーバ105はACK(Acknowledgement)応答する(516)。センサデバイス101がテストパケット送信後にACK応答を受信しなかった場合、制御部204はテストパケットを再送する。なお、センサデバイス101がテストパケットを再送する時に、直前の送信時より低いデータレートを使用しても良い。再送のたびに低いデータレートを使用することで、再送回数の増加に伴いテストパケットの受信成功率が高まる。従って、受信成功時のデータレートはこのセンサデバイス101が通信可能な最高データレートと言え、センサデバイス101がこの最高データレートを使用して通信すると効率が良い。
【0041】
なお、LPWA網102がACK応答機能を有している場合、ステップ515のテストパケット送信とステップ516のACK応答を、センサデバイス101とLPWA網102の間で行っても良い。
センサデバイス101は、ACK応答を受信、または再送回数が所定の回数に到達した場合、テスト結果を管理サーバ105へ送信する(517)。
【0042】
ここで、
図8を参照して、通信テスト結果テーブルの構成について説明する。通信テスト結果テーブル404は、センサデバイスID、通信成否、再送回数、データレートを登録する。通信テスト結果テーブル404は、
図5のステップ516で形成される。通信成否は、センサデバイス101がACK応答を受信した場合は成功、ACK応答を受信しなかった場合は失敗である。再送回数とデータレートは、それぞれ、直前のテストパケット送信時の再送回数とデータレートである。なお、通信テスト結果テーブル404は、データレートに代えて無線伝搬路の品質情報であるCQI(Channel Quality Indicator)を含んでも良い。
【0043】
通信成否が失敗の場合、センサデバイス101は再度テストパケット送信してもよい。あるいは、作業員により再度通信テスト開始ボタン202が押された場合に、センサデバイス101は再度テストパケット送信してもよい。
【0044】
図5の説明に戻って、ステップ517でテスト結果を送信したセンサデバイス101は、通常運転モードへ移行する(518)。通常運転モードのセンサデバイス101は、温度、湿度、振動などの測定と、測定データの送信を行う。
【0045】
ステップ517でテスト結果を受信した管理サーバ105は、通信環境評価を行う(519)。ここで、
図9および
図10を用いて、管理サーバ105が通信環境判定処理プログラム402により実行する、通信環境判定処理の例を説明する。通信環境評価は、
図9又は
図10の何れか一方の処理で実現する。
【0046】
図9は、通信成否を用いた通信環境判定処理プログラム402の処理手順を説明する図である。管理サーバ105が受信したテスト結果で通信成否が成功であった場合(901:Yes)、CPU41は通信環境が良と判定する(902)。一方、受信したテスト結果において通信成否が失敗であった場合(901:No)、CPU41は通信環境が不良と判定する(903)。
【0047】
図10は、
図9の通信環境判定処理に、再送回数の判定処理を追加した例である。
図10において、管理サーバ105が受信したテスト結果において通信成否が成功であった場合(1001:Yes)、CPU41は受信したテスト結果において再送回数が一定以下か判定する(1002)。さらに再送回数が一定以下の場合(1002:Yes)、CPU41は通信環境が良と判定する(1003)。再送回数が一定より大きい場合(1002:No)、CPU41は通信環境が不良と判定する(1004)。受信したテスト結果において通信成否が失敗であった場合(1001:No)は、CPU41は、通信環境が不良と判定する(1004)。このように、再送回数を用いて通信環境を判定することにより、再送回数が多く、無線リソースを多く消費しなければ無線パケット送信が成功しないような非効率なケースを、通信環境が不良と判定することができる。
【0048】
図10では再送回数を用いた通信環境判定処理を説明したが、再送回数に代えて、データレートやCQIを用いてもよい。データレートやCQIを用いて通信環境を判定することにより、低データレートや低CQIのため無線パケット送信時間が長くなってしまい、無線リソースを多く消費しなければ無線パケット送信が成功しないような非効率なケースを、通信環境が不良と判定することができる。また、管理サーバ105は、再送回数、データレート、CQIのうち複数のものを使用して通信環境評価を行っても、上述の効果を得ることができる。
【0049】
再び
図5に戻って、ステップ520において、管理サーバ105は、ステップ519の通信環境評価により作成した通信環境情報をモバイル端末103に通知する。
【0050】
ここで、
図11を参照して、管理サーバ105がモバイル端末103に通知する通信環境情報テーブル405の構成について説明する。通信環境情報テーブル405は(A)又は(B)の構成とすることができる。(A)に示す通信環境情報テーブル405は、センサデバイスIDと通信環境の良不良の情報を含む。一方、(B)に示す通信環境情報テーブル405は、センサデバイスIDと通信環境の良不良の情報に加えて、通信成否、再送回数、データレートといったテスト結果の情報を含む。通信環境情報テーブル405は、データレートに代えてCQIを含んでも良い。
【0051】
再び
図5の説明に戻って、ステップ520で通信環境情報を受信したモバイル端末103は、通信環境情報を表示する(521)。作業員は、モバイル端末103の表示に応じてその後の作業を決定する。
【0052】
ステップ521で、モバイル端末103が表示する通信環境情報が、
図11(A)のようにセンサデバイスIDと通信環境の良不良の情報から構成される場合は、作業員は通信環境の良不良の情報に基づいてその後の作業を決定する。例えば、通信環境が良であれば、作業員はそのセンサデバイスからLPWA網経由で測定データを収集できると判断して、設置作業を完了する。通信環境が不良であれば、作業員はそのセンサデバイスからはLPWA網経由で測定データを収集できない可能性が大きいと判断して、その場所へのセンサデバイスの設置を中止する。
【0053】
モバイル端末103が表示する通信環境情報が、
図11(B)のように、センサデバイスIDと通信環境の良不良の情報に加えて、通信成否、再送回数、データレートといったテスト結果を含む場合は、作業員は通信成否、再送回数、データレートも考慮に入れてその後の作業を決定する。例えば、通信成否が失敗の場合は、再送回数を増やしたりデータレートを下げたりしても通信が成功しないと判断して、その場所へのセンサデバイスの設置を中止する。あるいは、再送回数が多い場合やデータレートが低い場合は、作業員はセンサデバイス101の位置を微修正して、通信環境の改善を試みる。
【0054】
図11(B)のように、通信環境情報に通信成否、再送回数、データレートも含めることにより、センサデバイスの設置位置を微修正すれば通信環境が改善するか、微修正では通信環境の改善が望めないかを判断するための情報を作業員に提供することができる。
【0055】
このように、通信テストと通信環境評価を行うことにより、センサデバイス時に、センサデバイス101が無線通信できることができる。さらには、一定以上の無線通信品質が得られることが確認でき、測定データを確実に収集できるようセンサデバイスを設置することができる。
【0056】
図5のステップ519で、通信環境評価を行った管理サーバ105は、センサデバイス101の情報をデータベース106に登録する(522)。この際、管理サーバ105がデータベースに登録するセンサデバイス情報は、
図7のものと同様であるが、通信環境評価において管理サーバ105のCPU41が、通信環境が良と判定していれば、センサデバイスステータスは“通常運転”となる。
【実施例2】
【0057】
実施例2では、センサデバイス、モバイル端末、管理サーバを用いてセンサデバイスを撤去する例を示す。実施例2におけるシステム、センサデバイス、モバイル端末、管理サーバは、それぞれ実施例1の
図1乃至
図4に示した構成と同じであるため、それらの説明を省略する。
【0058】
図12を用いて、実施例2におけるセンサデバイス撤去方法を説明する。
図12は、センサデバイス撤去手順を説明するためのシーケンス図である。
まず、作業員の操作により、モバイル端末103の測位部304が位置情報を取得する(1201)。続いて、作業員の操作により、モバイル端末103のカメラ305がセンサデバイス101に貼付された2次元コードを読み取り、センサデバイスID207(第1の識別子)を取得する(1202)。
【0059】
モバイル端末103の制御部302は、ステップ1201と1202で取得した位置情報とセンサデバイスIDを管理サーバ105へ送信し、センサデバイス削除要求を行う(1203)。なお、ステップ1201の位置情報の取得は省略しても良い。ステップ1201が省略された場合、ステップ1203のセンサデバイス削除要求における位置情報の送信は省略される。
【0060】
管理サーバ105はセンサデバイス削除要求を受信すると、データベース106にセンサデバイスIDを通知し、センサデバイス削除要求を行う(1204)。データベース106は当該センサデバイスIDに対応するセンサデバイス管理テーブル403の情報を削除する。管理サーバ105は、ステップ1204のセンサデバイスの削除指示と共に、モバイル端末103へセンサデバイスIDの削除結果の通知を行う(1205)。
【0061】
モバイル端末103は、削除結果の通知を受信して、その旨の画面を表示入力部301表示する(1206)。作業員がモバイル端末103の画面の表示を確認して、センサデバイス101の電源ボタン201を押すことにより、センサデバイス101の電源がオフになる(1207)。
【0062】
このように、作業員がセンサデバイスIDや位置情報を手入力することなく、センサデバイスを撤去することで、キー操作等の誤入力により意図しないセンサデバイスを削除してしまう事態が防止できる。
以上、センサデバイス、モバイル端末、管理サーバを用いた、センサデバイスの管理方法および撤去方法を説明した。
【0063】
[表示画面の説明]
以下では、実施例1および実施例2におけるモバイル端末103の表示入力部301の表示部に表示される画面について説明する。
図13から
図20が実施例1のセンサデバイス管理方法におけるモバイル端末103の画面を示し、
図21が実施例2における撤去方法における表示画面を示す。
【0064】
図13は、初期画面の表示例である。作業員が設置ボタン1301を押すと、モバイル端末103は、
図5のステップ501の測位を行う。測位が完了すると、モバイル端末103は
図14の画面へ遷移する。
【0065】
図14は、測位完了時の画面表示例である。画面には位置情報が表示される。作業員がOKボタン1401を押して、
図5のステップ502のセンサデバイスIDを取得すると、モバイル端末103は
図15の画面へ遷移する。作業員がリトライボタン1402を押すと、モバイル端末103は再度測位を行う。何れも行わない場合、作業員はキャンセルボタン1403を押す。
【0066】
図15は、センサデバイスIDの取得完了後の画面表示例である。画面にはセンサデバイスIDが表示される。作業員がOKボタンを押すと、制御部302は、
図5のステップ503の登録要求を行い、
図16の画面へ遷移する。作業員がリトライボタンを押すと、モバイル端末103は、再度センサデバイスIDの読取を行う。
図14及び
図15で説明したように、作業員はセンサデバイスIDや位置情報を手入力する必要がないので、手入力による入力ミスを防止できる。
【0067】
図16は、センサデバイス登録要求後の画面表示例である。作業員がセンサデバイス101の電源をオンにして、OKボタンを押すと、制御部302は、ネットワーク接続を確立して(505)、センサデバイスIDを管理サーバ105へ送信する(506)。管理サーバ105のCPU41はセンサデバイスIDの照合を行い(507)、照合結果をモバイル端末103に通知する(510)。モバイル端末103は、照合結果を受信すると、制御部302が照合結果に応じて
図17の画面または
図18の画面へ遷移させる。
【0068】
図17は、照合結果が成功である場合の照合結果の画面表示例である。作業員がセンサデバイス101の通信テスト開始ボタン202を押し、OKボタンを押すと、モバイル端末101の制御部302はテストパケットを送信して(515)、ACK応答受信(516)、テスト結果通知(517)を行い、管理サーバ105は通信環境評価(519)を行い、通信環境情報をモバイル端末103に通知する(520)。モバイル端末103は、通信環境情報を受信すると、
図19の画面へ遷移する。
【0069】
図18は、照合結果が失敗である場合の照合結果の画面表示例である。例えば、作業員がセンサデバイス101の電源をオンするのに時間を要して、登録要求(503)から一定期間内にセンサデバイス101からセンサデバイスIDを管理サーバ105へ送信できず、タイムアウトによる照合失敗が起こった場合に、
図18の画面が表示される。この場合、作業員がリトライボタンを押し、電源ボタン201を操作することにより、センサデバイスを再起動させて、上記の照合動作が再度行われる。
【0070】
図19は、通信環境情報の画面表示例である。画面には、管理サーバ105から受信した通信環境情報が表示される。図示の画面は、通信環境情報テーブル405として
図11(B)を用いた場合の例である。
図19のように、表示入力部301に通信環境情報の画面を表示することで、その後の作業を決定するための情報を作業員に提供することができる。
【0071】
図20は、通信テスト失敗時の画面表示例である。この画面は、例えばモバイル端末103が、
図17の画面でOKボタンが押されてから一定時間内に、管理サーバ105から通信環境情報が通知されなかった場合に表示される。
【0072】
次に、実施例2のセンサデバイス撤去方法におけるモバイル端末103の表示画面について説明する。
センサデバイス撤去手順における初期画面は
図13と共通である。作業員が
図13の画面で撤去ボタン1302を押すと、モバイル端末103は、
図12のステップ1201の測位を行う。測位が完了すると、モバイル端末103は測位完了画面へ遷移する。
【0073】
センサデバイス撤去手順における測位完了画面は
図14と共通である。作業員が
図14の画面でOKボタンを押して、
図12のステップ1202のセンサデバイスIDを取得すると、モバイル端末103はセンサデバイスID読取完了画面へ遷移する。作業員がリトライボタンを押すと、モバイル端末103は再度測位を行う。
【0074】
センサデバイス撤去手順におけるセンサデバイスID取得完了画面は
図15と共通である。作業員が
図15の画面でOKボタンを押すと、モバイル端末103は、
図12のステップ1203のセンサデバイス削除要求を行う。モバイル端末103は、
図12のステップ1205の削除結果通知を受信すると、
図21の画面へ遷移する。
【0075】
図21の画面は、センサデバイス削除完了後の画面表示例である。作業員は、
図21の画面を確認後、センサデバイス101の電源をオフにし、センサデバイス101を撤去する。
【0076】
このように、モバイル端末103でセンサデバイスの設置作業や撤去作業の進捗や、センサデバイスの通信環境、次の作業の指示、処理結果などを表示することにより、センサデバイスの設置作業や撤去作業を簡易化することができる。
【実施例3】
【0077】
実施例3は、第1の識別子を提供する他の例及びセンサデバイス管理テーブルの他の例について述べる。
実施例1では、ステップ507において管理サーバ105のCPU41が、センサデバイス101の二次元バーコードから取得された第1の識別子と、センサデバイス101の制御部の記憶手段が保持している第2の識別子を照合して両者が一致するか、を判断している。実施例3では、上記第1の識別子は二次元バーコードに限らず、第1識別子の情報を記憶したICタグをセンサデバイス101に固定しておき、これをモバイル端末が有するICタグリーダ(無線読取機)で取得することができる。
【0078】
実施例1において、センサデバイスID1とセンサデバイスID2の照合において両者が一致するかを判定しているので、これを前提にすれば、ICタグの使用時にICタグに1つ1つ、第1の識別子を書き込む必要がある。しかし、その書き込み作業は面倒なので、できればメーカーによりICタグの製造時又は出荷時に付与される製造番号又は出荷番号等をそのまま利用できれば、効率的である。
【0079】
そこで、実施例3では、
図22に示すような、センサデバイス管理テーブル403´が管理サーバ105のメモリ40に保持される。すなわち、第2の識別子(
図7のセンサデバイスIDに対応)に対応して第1の識別子が対にして登録される。併せて、第2の識別子に対応して、当該センサデバイスが検知した位置情報及びステータスが登録される。ここで、第1の識別子は、センサデバイスにICタグを固定する時に、そのICタグの識別番号をICタグリーダが読み取って、センサデバイス管理テーブル403´に登録される。
【0080】
実施例3では、
図5のステップ507或いは
図6のステップ601におけるセンサデバイスIDの照合において、管理サーバのCPU41は、センサデバイス管理テーブル403´を参照して、ステップ502〜503で取得した第1の識別子(例えば100500614)と、ステップ506で取得した第2識別子(00000002)が、センサデバイス管理テーブル403´に登録された対応関係(所定の関係)にあるか、を判定する。判定の結果、両者が所定の関係にあれば照合成功(S602)、所定の関係に無ければ、照合失敗となる(S603)。
なお、実施例3は、ICタグに限らず、二次元バーコードの場合も提供可能である。要するに、第1の識別子と第2の識別子がそれぞれ独立的に付与される場合でも、両者の対応関係をセンサデバイス管理テーブル403´に登録することで、柔軟に適用可能である。
【0081】
以上、幾つかの実施例を説明したが、本発明は他にも種々変形して実施し得る。
【0082】
[変形例1]
実施例1では、センサデバイス101がLEDランプ203(即ち表示子)を有して、センサデバイス101の登録状況や通信状態を表示子に表示しているが、この表示子は必ずしも必須ではない。変形例ではこの表示子を有しない。作業者は、モバイル端末103を所持してセンサデバイス101の設置作業をしているので、設置工程において、管理サーバ105が、例えばステップ507で、センサデバイスID1とセンサデバイスID2の照合結果をモバイル端末103へ送信して、制御部302が表示入力部301にセンサデバイス101の登録状況や通信状態を表示するように制御できる。センサデバイス101からLEDランプ203を削除できれば、コスト減になる。
【0083】
[変形例2]
実施例1又は3の変形例として、ICタグや二次元バーコード以外に、例えば、第1の識別子を数字や文字で表示することができる。例えば、第1の識別子を示す数字や文字を印刷したステッカーをセンサデバイス101の表面に貼付することで、実現できる。更には、第1の識別子を示す数字や文字を、センサデバイス101の表面に油性マーカー等で直接手書きすることで実現できる。この場合、モバイル端末103は文字認識機能を備え、カメラ305で取得した数字や文字を文字認識して、その認識後の情報を第1の識別子として、登録要求と共に管理サーバへ送信する(ステップ503)。