(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記割当決定ステップによりペン先電極及び周辺電極のそれぞれに1以上の前記時間スロットを割り当てることが決定された場合に、前記センサコントローラが、前記ペン先電極に割り当てる1以上の前記時間スロットを示す第1の時間スロットセットと、前記周辺電極に割り当てる1以上の前記時間スロットを示す第2の時間スロットセットとを特定する設定情報を、前記一方のアクティブペンに対して送信する設定ステップ、
をさらに含む請求項1に記載の方法。
前記第2のアクティブペンが、前記第1の時間スロットセットにより示される1以上の前記時間スロットを用いて前記ペン先電極からダウンリンク信号を送信するステップと、
前記第2のアクティブペンが、前記第2の時間スロットセットにより示される1以上の前記時間スロットを用いて前記周辺電極からダウンリンク信号を送信するステップと、
をさらに含む請求項2又は3に記載の方法。
前記機能情報は、前記周辺電極の形状を示す情報、前記ペン先電極と前記周辺電極の位置関係を示す情報、前記周辺電極のペン軸に対する角度を示す情報、及び、前記周辺電極の個数を示す情報の中の少なくとも一部を含み、
前記センサコントローラは、前記機能情報に基づいて、前記第2のアクティブペンの傾き又は回転角のいずれか少なくとも一方を検出する、
請求項1に記載の方法。
前記設定ステップは、前記設定情報のうち前記第1の時間スロットセットを特定する第1の部分と、前記設定情報のうち前記第2の時間スロットセットを特定する第2の部分とを、互いに異なる前記ビーコン信号に含めて送信する、
請求項2に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1(a)は、本実施の形態による位置検出システム1の全体構成を示す図である。同図に示すように、位置検出システム1は、3種類のアクティブペン2A〜2Cと、タブレット端末3とを有して構成される。
【0019】
アクティブペン2A〜2Cはそれぞれ、タブレット端末3内のセンサコントローラ31に接続されたセンサ電極群30との間で結合容量を介して信号を送受信するペン型の装置であり、いずれも信号処理部20を有して構成される。アクティブペン2A〜2Cの違いは、電極の個数・形状・配置にある。以下の説明では、アクティブペン2A〜2Cを特に区別する必要がない場合には、これらをアクティブペン2と総称する。
【0020】
アクティブペン2Aは、ペン軸方向の先端に設けられたペン先電極21を有して構成される。アクティブペン2Aの信号処理部20は、このペン先電極21をアンテナとして用いて、センサコントローラ31との間で信号の送受信を行う。
【0021】
アクティブペン2Bは、ペン軸方向の先端に設けられたペン先電極21と、ペン先電極21から見てペン軸方向の後方に設けられた周辺電極22aを有して構成される。アクティブペン2Bの信号処理部20は、ペン先電極21及び周辺電極22aのいずれか一方又は両方をアンテナとして用いて、センサコントローラ31との間で信号の送受信を行う。
【0022】
アクティブペン2Cは、ペン軸方向の先端に設けられたペン先電極21と、ペン先電極21から見てペン軸方向の後方に設けられた周辺電極22b,22cを有して構成される。アクティブペン2Cの信号処理部20は、ペン先電極21及び周辺電極22b,22cのいずれか1つ、2つ、又は3つをアンテナとして用いて、センサコントローラ31との間で信号の送受信を行う。
【0023】
図1(b)は、周辺電極22aをアクティブペン2Bの末端側から見た場合の上面図であり、
図1(c)は、周辺電極22b,22cをアクティブペン2Cの末端側から見た場合の上面図である。
図1(b)に示すように、周辺電極22aはリング状に形成されており、その中心をペン軸が通過している。別の言い方をすれば、周辺電極22aは、ペン軸周りの回転に対して等方的な形状を有している。また、
図1(c)に示すように、周辺電極22b,22cは、ペン軸を含む平面により周辺電極22aを2つに分割することによって得られる2つの切断片(複数の分割電極)のそれぞれに相当する。別の言い方をすれば、周辺電極22b,22cは、ペン軸周りの回転に対して異方的な形状を有している。
【0024】
タブレット端末3は、センサ電極群30、センサコントローラ31、ホストプロセッサ32を有して構成される。また、図示していないが、タブレット端末3には、センサ電極群30と重ねて配置された表示面を有する表示装置も設けられる。タブレット端末3のパネル面3aは、表示装置の表示面によって構成される。
【0025】
センサ電極群30は、表示装置の表示面と重なるように配置された複数の導電体(後述する
図2に示すセンサ電極30X,30Y)によって構成される。センサ電極群30はパネル面3aの全体にわたって設けられており、これにより、アクティブペン2やユーザの指などの指示体の位置をパネル面3aの全域で検出することが可能とされている。
【0026】
センサコントローラ31は、センサ電極群30を用いて、アクティブペン2やユーザの指などの指示体のパネル面3a内における位置(x,y)の検出と、アクティブペン2が送信したデータの受信とを行う装置である。詳しくは後述するが、センサコントローラ31は、アクティブペン2B,2Cについてはさらに、パネル面3aに対する傾きθ、及び、傾きの方向を示す方位φも検出する。また、アクティブペン2Cについては、ペン軸周りの回転角ψも検出する。センサコントローラ31は、検出した位置(x,y)、傾きθ、方位φ、回転角ψ、及びアクティブペン2から受信したデータを、ホストプロセッサ32に対して出力するよう構成される。
【0027】
ホストプロセッサ32は、センサコントローラ31及び表示装置を含むタブレット端末3の全体を制御する装置である。ホストプロセッサ32が行う処理には、センサコントローラ31から供給される位置(x,y)、傾きθ、方位φ、回転角ψ、及びアクティブペン2の送信データに基づいてインクデータのレンダリングを行い、その結果を表示装置に表示させる処理が含まれる。
【0028】
図2は、アクティブペン2Cの内部構成を示す図である。以下に記述するアクティブペン2Cについての説明の中で、アクティブペン2A,2Bの構成についても言及する。
【0029】
ペン先電極21は、ダウンリンク信号DSを送信するためのアンテナの役割を果たすとともに、センサコントローラ31がセンサ電極群30を介して送信するビーコン信号BSを受信するためのアンテナとしての役割も果たす導電体である。なお、ペン先電極21とは別に、ペン先を構成する部材を設けることとしてもよい。また、ビーコン信号BSを受信する電極を、ペン先電極21とは別に設けることとしてもよい。
【0030】
周辺電極22b,22cは、ダウンリンク信号DSを送信するためのアンテナの役割を果たす導電体である。詳しくは後述するが、信号処理部20は、周辺電極22b,22cのそれぞれからダウンリンク信号DS又はその逆相信号を送信可能に構成される。別の言い方をすれば、信号処理部20は、周辺電極22b,22cのそれぞれに対して個別に、ダウンリンク信号DSの送信と、その逆相信号の送信とを切り替え可能に構成される、
【0031】
信号処理部20は、所定のトリガに応じて、ペン先電極21及び周辺電極22b,22cのそれぞれからのダウンリンク信号DS又はその逆相信号の開始又は停止を行う機能を有する。本実施の形態においては、この所定のトリガはセンサコントローラ31が送信したビーコン信号BSによって与えられる。より具体的に言えば、信号処理部20は、ビーコン信号BS内に配置される設定情報(後述)により示される送信スケジュールに従って、ペン先電極21及び周辺電極22b,22cのそれぞれからのダウンリンク信号DS又はその逆相信号の開始又は停止を行う。
【0032】
信号処理部20は、機能部として、切替部40〜42、検出部43、制御部44、送信部45、及び逆相信号生成部46を含んで構成される。以下、これらのそれぞれについて、順に説明する。
【0033】
切替部40は、共通端子とT端子及びR端子のいずれか一方とが接続されるように構成された1回路2接点のスイッチ素子である。切替部40の共通端子はペン先電極21に接続され、T端子は逆相信号生成部46の正相信号出力端に接続され、R端子は検出部43の入力端に接続される。切替部40の状態は、制御部44からの制御信号SWC1によって制御される。制御部44は、センサコントローラ31からのビーコン信号BSを受信する場合、R端子と共通端子とが接続されるよう、制御信号SWC1によって切替部40を制御する。また、センサコントローラ31に対してペン先電極21からダウンリンク信号DSを送信する場合、T端子と共通端子とが接続されるよう、制御信号SWC1によって切替部40を制御する。
【0034】
切替部41は、共通端子とプラス端子及びマイナス端子のいずれか一方とが接続されるように構成された1回路2接点のスイッチ素子である。切替部41の共通端子は周辺電極22bに接続され、プラス端子は逆相信号生成部46の正相信号出力端に接続され、マイナス端子は逆相信号生成部46の逆相信号出力端に接続される。切替部41の状態は、制御部44からの制御信号SWC2によって制御される。制御部44は、センサコントローラ31に対して周辺電極22bからダウンリンク信号DSを送信する場合、プラス端子と共通端子とが接続されるよう、制御信号SWC2によって切替部41を制御する。また、センサコントローラ31に対して周辺電極22bからダウンリンク信号DSの逆相信号を送信する場合、マイナス端子と共通端子とが接続されるよう、制御信号SWC2によって切替部41を制御する。
【0035】
切替部42は、共通端子とプラス端子及びマイナス端子のいずれか一方とが接続されるように構成された1回路2接点のスイッチ素子である。切替部42の共通端子は周辺電極22cに接続され、プラス端子は逆相信号生成部46の正相信号出力端に接続され、マイナス端子は逆相信号生成部46の逆相信号出力端に接続される。切替部42の状態は、制御部44からの制御信号SWC3によって制御される。制御部44は、センサコントローラ31に対して周辺電極22cからダウンリンク信号DSを送信する場合、プラス端子と共通端子とが接続されるよう、制御信号SWC3によって切替部42を制御する。また、センサコントローラ31に対して周辺電極22cからダウンリンク信号DSの逆相信号を送信する場合、マイナス端子と共通端子とが接続されるよう、制御信号SWC3によって切替部42を制御する。
【0036】
ここで、アクティブペン2A,2Bの構成について説明すると、まずアクティブペン2Aにおいては、切替部41,42及び逆相信号生成部46が省略され、送信部45の出力端が切替部40のT端子に直接接続される。また、アクティブペン2Bにおいては、切替部42が省略され、切替部41の共通端子が周辺電極22aに接続される。
【0037】
検出部43は、切替部40から供給される信号(ペン先電極21に到来した信号)の検出と、検出した信号に含まれる符号列のデコードを行う回路であり、波形再生部43a及び相関演算器43bを含んで構成される。検出部43は、このデコードにより、ビーコン信号BSを検出可能に構成される。
【0038】
波形再生部43aは、ペン先電極21に誘導された電荷(電圧)のレベルを、センサコントローラ31がビーコン信号BSの拡散を行う際に使用する拡散符号のチップレートの数倍(例えば4倍)のクロックで2値化し、正負の極性値のバイナリ列(チップ列)に整形して出力する。相関演算器43bは、波形再生部43aが出力したチップ列をレジスタに格納し、上記クロックで順次シフトしながら、センサコントローラ31が送信する可能性のある複数の拡散符号のそれぞれとの相関演算を行うことで、受信信号に含まれていたチップ列をシンボルの形式にデコードする。
【0039】
ここで、シンボルは1つの拡散符号に対応付けられる情報の単位であり、ビット列に対応するシンボルDと、ビット列に対応しないシンボルPとを含んで構成される。また、ビーコン信号BSは、アクティブペン2にビーコン信号BSを検出させるためのプリアンブルPREと、アクティブペン2に対する命令を示すコマンドCOMとをこの順で含んで構成される。プリアンブルPREは連続する2つのシンボルPによって構成され、コマンドCOMは連続する4つのシンボルDによって構成される。
【0040】
検出部43は、相関演算器43bのデコード結果に基づき、逐次、プリアンブルPREの検出動作を行う。この検出動作は、具体的には、連続する2つのシンボルPが取得されたか否かを判定する動作である。検出部43は、プリアンブルPREの検出によってセンサコントローラ31の存在を検出した場合に、制御部44を起動するための起動信号ENを制御部44に対して発行し、続いてコマンドCOMの検出動作を行う。具体的には、デコードによって順次得られる一連のシンボルDを逐次ビット列に復調し、最終的に所定数ビット分のビット列を得て制御部44に出力する。
【0041】
送信部45は、制御部44による制御に応じてダウンリンク信号DSを生成し、逆相信号生成部46に供給する回路である。送信部45によって生成されるダウンリンク信号DSには、ビーコン信号BSの受信直後に送信される応答信号と、後述する時間スロットの中で送信されるスロット内信号とが含まれる。応答信号は、無変調の搬送波信号であるバースト信号と、アクティブペン2Cがセンサコントローラ31に対して送信するデータによって変調された搬送波信号であるデータ信号とを含んで構成される。センサコントローラ31に対して送信するデータには、当該アクティブペン2Cに設けられる電極の個数・形状・配置を示す機能情報が含まれる。一方、スロット内信号は、無変調の搬送波信号であるバースト信号を含んで構成される。
【0042】
逆相信号生成部46は、ダウンリンク信号DSの位相を反転してなる逆相信号を生成する回路である。逆相信号生成部46は、ダウンリンク信号DSを出力する正相信号出力端と、ダウンリンク信号DSの逆相信号を出力する逆相信号出力端とを有して構成される。
【0043】
制御部44は内部にROM及びRAMを有しており、これらに格納されたプログラムを実行することによって動作するマイクロプロセッサである。制御部44は、検出部43から起動信号ENが供給されたことを契機として起動するよう構成される。起動した制御部44は、検出部43から供給されるコマンドCOMに従う動作を行う。この動作には、ダウンリンク信号DSを送信部45に出力させる処理と、上述した制御信号SWC1〜SWC3によって切替部40〜42を制御する処理とが含まれる。
【0044】
制御部44は、センサコントローラ31を検出中である場合に真となり、検出していない場合に偽となるフラグを記憶している。このフラグが偽であるときにコマンドCOMを受け取った制御部44は、検出部43から起動信号ENが供給された直後に、ペン先電極21から応答信号の送信を行う。具体的には、送信部45に応答信号を出力させるとともに、制御信号SWC1〜SWC3により、ペン先電極21を逆相信号生成部46の正相信号出力端に接続する。こうして応答信号が送信されることにより、センサコントローラ31に当該アクティブペン2Cを検出させるとともに、センサコントローラ31に対してアクティブペン2Cの機能情報を通知することが可能になる。制御部44は、応答信号の送信とともに、上記フラグを真に書き換える。
【0045】
詳しくは後述するが、センサコントローラ31は、アクティブペン2Cが送信した応答信号を正しく受信した場合に、その中に含まれる機能情報からアクティブペン2Cに含まれる電極の個数・形状・配置を取得する。そして、取得したこれらの情報に基づき、電極ごとに1以上の時間スロットを割り当てるとともに、アクティブペン2Cが各電極から送信すべき信号の種類(ダウンリンク信号DS又はその逆相信号)を決定する。ビーコン信号BS内のコマンドCOMには、この割り当て及び決定の結果を示す設定情報が含まれる。
【0046】
制御部44は、上記フラグをメモリに記憶した後にコマンドCOMを受け取った場合、その中に含まれる設定情報から、ダウンリンク信号DS又はその逆相信号の送信タイミングを電極ごとに取得する。そして、取得した送信タイミングに従って、ペン先電極21及び周辺電極22b,22cのいずれか1つ以上からスロット内信号又はその逆相信号の送信を行う。具体的には、ある電極からスロット内信号を送信する場合、制御部44は、送信部45にスロット内信号を出力させるとともに、制御信号SWC1〜SWC3により、その電極を逆相信号生成部46の正相信号出力端に接続する。また、ある電極からスロット内信号の逆相信号を送信する場合、制御部44は、送信部45にスロット内信号を出力させるとともに、制御信号SWC1〜SWC3により、その電極を逆相信号生成部46の逆相信号出力端に接続する。
【0047】
次に、
図3は、センサ電極群30及びセンサコントローラ31の内部構成を示す図である。
【0048】
センサ電極群30は相互容量型のタッチセンサを構成するもので、それぞれY方向に延在し、Y方向と直交するX方向に等間隔で配置された透明な導電体である複数のセンサ電極30Xと、それぞれX方向に延在し、Y方向に等間隔で配置された透明な導電体である複数のセンサ電極30Yとがマトリクス状に配置された構成を有している。なお、ここではセンサ電極30X,30Yがともに直線状の導電体により構成される例を示しているが、他の形状の導電体によってセンサ電極群30を構成することも可能である。例えば、二次元に配置された複数の矩形導電体によって、センサ電極群30を構成することとしてもよい。また、センサ電極群30は、相互容量型ではなく自己容量型のタッチセンサを構成するものとしてもよい。
【0049】
センサ電極30X,30Yの一方は、表示装置内の共通電極としても使用され得る。センサ電極30X,30Yの一方を表示装置内の共通電極として使用するタイプのタブレット端末3は、例えば「インセル型」と呼ばれる。一方、センサ電極30X,30Yと表示装置内の共通電極とを別々に設けるタイプのタブレット端末3は、例えば「アウトセル型」又は「オンセル型」と呼ばれる。以下では、タブレット端末3はインセル型であるとして説明を続けるが、本発明はアウトセル型又はオンセル型のタブレット端末についても、同様に適用可能である。また、以下では、センサ電極30Xを共通電極として使用するものとして説明を続けるが、センサ電極30Yを共通電極として使用してもよい。
【0050】
表示装置が画素の駆動処理を実行する際には、共通電極の電位を所定の共通電位Vcomに維持する必要がある。したがって、インセル型のタブレット端末3においては、表示装置が画素の駆動処理を実行している間、センサコントローラ31は、アクティブペン2A〜2Cとの通信及び指の検出を行うことができない。そこでホストプロセッサ32は、画素の駆動処理が行われていない水平帰線区間及び垂直帰線区間を利用して、センサコントローラ31にアクティブペン2との通信及び指の検出を実行させる。具体的には、1画面分の表示期間を1フレームとし、その中に含まれる水平帰線区間及び垂直帰線区間を時間スロットに見立て、個々の時間スロット内でアクティブペン2との通信及び指の検出を実行するよう、センサコントローラ31を制御する。
【0051】
センサコントローラ31は、
図3に示すように、MCU50、ロジック部51、送信部52,53、受信部54、選択部55を有して構成される。
【0052】
MCU50及びロジック部51は、送信部52,53、受信部54、及び選択部55を制御することにより、センサコントローラ31の送受信動作を制御する制御部である。具体的に説明すると、MCU50は内部にROM及びRAMを有しており、これらに格納されたプログラムを実行することによって動作するマイクロプロセッサである。MCU50は、共通電位Vcomと、上述したコマンドCOMとを出力する機能も有している。一方、ロジック部51は、MCU50の制御に基づき、制御信号ctrl_t1〜ctrl_t4,ctrl_r,sTRx,sTRy,selX,selYを出力するよう構成される。
【0053】
MCU50が出力するコマンドCOMによる命令には、検出中の各アクティブペン2に含まれる電極ごとの1以上の時間スロットの割り当てと、割り当てた時間スロット内でアクティブペン2が各電極から送信すべき信号の種類(ダウンリンク信号DS又はその逆相信号)とを示す設定情報が含まれる。MCU50は、検出中の各アクティブペン2から受信した機能情報に基づいて、アクティブペン2ごとに後述する予め定義された複数の設定情報の中から1つを選択し、選択した1以上の設定情報のそれぞれを示す1以上のインデクスをコマンドCOM内に配置するよう構成される。
【0054】
コマンドCOMによる命令には、他に、アクティブペン2のペン先に加わる圧力を示す筆圧データを送信すること、アクティブペン2の表面に設けられるスイッチ(図示せず)の押下状態を示すデータを送信すること、アクティブペン2に予め格納されるスタイラスIDを送信すること、などを含むこととしてもよい。この場合、これらの命令を受信したアクティブペン2は、指示されたデータを応答信号内のデータ信号に含めて送信することとしてもよいし、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信により送信することとしてもよい。また、例えばペン先電極21から送信するスロット内信号を指示されたデータによって変調された信号とすることにより、指示されたデータを送信することとしてもよい。
【0055】
送信部52は、MCU50の制御に従って、指を検出するために使用される指検出用信号FDSを生成する回路である。指検出用信号FDSは、例えば、無変調のパルス列信号又は正弦波信号であってよい。
【0056】
送信部53は、MCU50及びロジック部51の制御に従ってビーコン信号BSを生成する回路であり、
図2に示すように、プリアンブル供給部61、スイッチ62、符号列保持部63、拡散処理部64、及び送信ガード部65を含んで構成される。なお、このうちプリアンブル供給部61は、MCU50内に含まれるものとしてもよい。
【0057】
プリアンブル供給部61はプリアンブルPREを保持しており、ロジック部51から供給される制御信号ctrl_t1の指示に従ってプリアンブルPREを出力する機能を有する。プリアンブル供給部61が出力したプリアンブルPREは、スイッチ62に供給される。スイッチ62には、他にMCU50からコマンドCOMが供給される。
【0058】
スイッチ62は、ロジック部51から供給される制御信号ctrl_t2に従ってプリアンブル供給部61及びMCU50のいずれか一方を選択し、選択した一方の出力を拡散処理部64に供給する機能を有する。スイッチ62がプリアンブル供給部61を選択した場合、拡散処理部64にはプリアンブルPREを構成する2つのシンボルPが順次供給される。一方、スイッチ62がMCU50を選択した場合、拡散処理部64にはコマンドCOMを構成する4つのシンボルDが順次供給される。
【0059】
符号列保持部63は、ロジック部51から供給される制御信号ctrl_t3に基づき、自己相関特性を有する例えば11チップ長の拡散符号を生成して保持する機能を有する。符号列保持部63が保持している拡散符号は、拡散処理部64に供給される。
【0060】
拡散処理部64は、スイッチ62を介して供給されるシンボルの値に基づき、符号列保持部63によって保持される拡散符号を変調する機能を有する。この変調は、例えば巡回シフトによって行われ、その場合、変調の結果として、シンボルごとに12チップ長の拡散符号が出力される。
【0061】
拡散処理部64から出力された拡散符号は、順次、送信ガード部65に供給される。送信ガード部65は、ロジック部51から供給される制御信号ctrl_t4に基づき、ビーコン信号BSの送信期間と、後述する受信部54により受信動作を行う期間との間に、送信と受信の両方を行わない期間であるガード期間を挿入する役割を果たす。
【0062】
受信部54は、ロジック部51の制御信号ctrl_rに基づいて、アクティブペン2が送信したダウンリンク信号DS又は送信部52が送信した指検出用信号FDSを受信するための回路である。具体的には、増幅回路70、検波回路71、及びアナログデジタル(AD)変換器72を含んで構成される。
【0063】
増幅回路70は、選択部55から供給される信号を増幅して出力する。検波回路71は、増幅回路70の出力信号のレベルに対応した電圧を生成する回路である。AD変換器72は、検波回路71から出力される電圧を所定時間間隔でサンプリングすることによって、デジタル信号を生成する回路である。AD変換器72が出力するデジタル信号は、MCU50に供給される。MCU50は、こうして供給されたデジタル信号に基づき、アクティブペン2又は指の位置(x,y)、アクティブペン2B,2Cの傾きθ及び方位φ、並びに、アクティブペン2Cの回転角ψの検出と、アクティブペン2が送信したデータResの取得とを行う。MCU50は、検出した位置(x,y)、傾きθ、方位φ、回転角ψと、取得したデータResとを、逐次、ホストプロセッサ32に出力する。
【0064】
選択部55は、スイッチ68x,68yと、導体選択回路69x,69yとを含んで構成される。
【0065】
スイッチ68yは、共通端子とT端子及びR端子のいずれか一方とが接続されるように構成されたスイッチ素子である。スイッチ68yの共通端子は導体選択回路69yに接続され、T端子は送信部53の出力端に接続され、R端子は受信部54の入力端に接続される。また、スイッチ68xは、共通端子とT1端子、T2端子、D端子、及びR端子のいずれか1つとが接続されるように構成されたスイッチ素子である。スイッチ68xの共通端子は導体選択回路69xに接続され、T1端子は送信部53の出力端に接続され、T2端子は送信部52の出力端に接続され、D端子は共通電位Vcomを出力するMCU50の出力端に接続され、R端子は受信部54の入力端に接続される。
【0066】
導体選択回路69xは、複数のセンサ電極30Xを選択的にスイッチ68xの共通端子に接続するためのスイッチ素子である。導体選択回路69xは、複数のセンサ電極30Xの一部又は全部を同時にスイッチ68xの共通端子に接続することも可能に構成される。
【0067】
導体選択回路69yは、複数のセンサ電極30Yを選択的にスイッチ68yの共通端子に接続するためのスイッチ素子である。導体選択回路69yは、複数のセンサ電極30Yの一部又は全部を同時にスイッチ68yの共通端子に接続することも可能に構成される。
【0068】
選択部55には、ロジック部51から4つの制御信号sTRx,sTRy,selX,selYが供給される。具体的には、制御信号sTRxはスイッチ68xに、制御信号sTRyはスイッチ68yに、制御信号selXは導体選択回路69xに、制御信号selYは導体選択回路69yにそれぞれ供給される。ロジック部51は、これら制御信号sTRx,sTRy,selX,selYを用いて選択部55を制御することにより、ビーコン信号BS又は指検出用信号FDSの送信並びに共通電位Vcomの印加と、ダウンリンク信号DS又は指検出用信号FDSの受信とを実現する。
【0069】
以下、ロジック部51による選択部55の制御内容及びそれを受けたMCU50の動作について、指の検出時、画素駆動動作実行時、ビーコン信号BSの送信時、応答信号の受信時、及びスロット内信号の受信時に分けて詳しく説明する。
【0070】
まず、指の検出時におけるロジック部51は、T2端子が共通端子に接続されるようスイッチ68xを制御するとともに、R端子が共通端子に接続されるようスイッチ68yを制御する。さらに、複数のセンサ電極30X,30Yの組み合わせが順次選択されることとなるよう、導体選択回路69x,69yを制御する。こうすることで、複数のセンサ電極30X,30Yによって構成される複数の交点のそれぞれを通過した指検出用信号FDSが、順次、受信部54によって受信されることになる。MCU50は、こうして順次受信される指検出用信号FDSの受信強度に基づいて、パネル面3a上における指の位置を検出する。
【0071】
次に、画素駆動動作実行時におけるロジック部51は、D端子が共通端子に接続されるようスイッチ68xを制御するとともに、複数のセンサ電極30Xのすべてがスイッチ68xに同時に接続されるよう導体選択回路69xを制御する。これにより、MCU50から各センサ電極30Xに共通電位Vcomが供給されることになるので、表示装置による画素駆動動作の実行が可能になる。なお、MCU50は、ホストプロセッサ32から供給されるタイミング信号に基づくタイミングで、ロジック部51に上記制御を実行させる。
【0072】
次に、ビーコン信号BSの送信時におけるロジック部51は、R端子が共通端子に接続されるようスイッチ68xを制御するとともに、T端子が共通端子に接続されるようスイッチ68yを制御する。これにより、送信部53から出力されたビーコン信号BSが導体選択回路69yに供給されることになる。ロジック部51はさらに、複数のセンサ電極30Yのすべてがスイッチ68yに同時に接続されるよう導体選択回路69yを制御する。これにより、すべてのセンサ電極30Yから同時にビーコン信号BSが送信されるので、アクティブペン2は、パネル面3a内のどこにいてもビーコン信号BSを受信可能となる。
【0073】
次に、応答信号の受信時におけるロジック部51は、R端子が共通端子に接続されるようスイッチ68x,68yのそれぞれを制御する。そしてまず、応答信号内のバースト信号が送信されている間に、各複数のセンサ電極30X,30Yの中の1本が順に選択されることとなるよう、制御信号selX,selYによって導体選択回路69x,69yを制御する処理を行う。これにより、各複数のセンサ電極30X,30Yが1本ずつ順に受信部54の入力端に接続され、受信部54からMCU50に対し、各センサ電極30X,30Yにおけるバースト信号の受信強度が順次供給される。MCU50は、こうして供給される一連の受信強度に基づいて、応答信号を送信したアクティブペン2の位置を決定する。次いでロジック部51は、複数のセンサ電極30X,30Yのうち、検出された位置の近辺にある所定数本(例えば1本)のみが選択されることとなるよう、導体選択回路69x,69yを制御する。選択された所定数本のセンサ電極によって受信された応答信号は、受信部54を介してMCU50に供給される。これにより、バースト信号に続いて送信されたデータ信号がMCU50に供給される。MCU50は、こうして供給されたデータ信号に対して復調及び復号を行うことにより、上述したデータResを取得する。
【0074】
最後に、スロット内信号の受信時におけるロジック部51は、R端子が共通端子に接続されるようスイッチ68x,68yのそれぞれを制御したうえで、複数のセンサ電極30Xのうち、対応するアクティブペン2について検出している最新の位置の近傍に位置する所定数本(例えば5本)と、複数のセンサ電極30Yのうち、対応するアクティブペン2について検出している最新の位置の近傍に位置する所定数本(例えば5本)とが順に選択されることとなるよう、制御信号selX,selYによって導体選択回路69x,69yを制御する処理を行う。これにより、選択されたセンサ電極30X,30Yが1本ずつ順に受信部54の入力端に接続され、受信部54からMCU50に対し、各センサ電極30X,30Yにおけるスロット内信号の受信強度が順次供給される。MCU50は、こうして供給される一連の受信強度に基づいて、スロット内信号を送信したアクティブペン2の位置(x,y)の更新、傾きθ及び方位φの検出、回転角ψの検出を行う。
【0075】
ここまで、位置検出システム1の全体的な概要について説明した。次に、位置検出システム1の構成のうち本発明に特徴的な部分について、詳しく説明する。以下では、まず初めに、スロット内信号に基づいて実行されるアクティブペン2の位置(x,y)、傾きθ、方位φ、回転角ψの検出について詳しく説明し、その中で、センサコントローラ31がパネル面3aに対して傾いているアクティブペン2の指示位置を正しく検出できるようにするための構成について説明する。次に、センサコントローラ31が手の接触位置をアクティブペン2の指示位置として誤検出してしまうことについて、その発生理由を説明した後、発生を防止するための構成について説明する。最後に、各アクティブペン2の機能に応じて適時に時間スロットを付与することを可能にする、アクティブペン2とセンサコントローラ31との間で実行される通信方法について説明する。
【0076】
初めに、スロット内信号に基づくアクティブペン2の位置(x,y)、傾きθ、方位φ、回転角ψの検出について、
図4〜
図12を参照しながら詳しく説明する。以下の説明の中で、センサコントローラ31がパネル面3aに対して傾いているアクティブペン2の指示位置を正しく検出できるようにするための構成についても説明を行う。
【0077】
図4は、アクティブペン2の傾きθ、方位φ、回転角ψの説明図である。同図及び後掲の
図6〜
図8において、X軸とY軸はパネル面3a内の方向を示し、Z軸はパネル面3aの法線方向を示す。また、太線がアクティブペン2のペン軸を表し、位置Pはアクティブペン2のペン先とパネル面3aとの接触位置を示す。
【0078】
図4に示すように、アクティブペン2の傾きθは、Z軸とアクティブペン2のペン軸とがなす角によって表される。また、ペン軸の一点からXY平面に下ろした垂線とXY平面とが交わる位置をTとすると、アクティブペン2の方位φは、位置Pと位置Tを結ぶ線分とX軸とがなす角によって表される。さらに、回転角ψは、ペン軸周りのアクティブペン2の回転角を指す。
【0079】
図5は、位置(x,y)を検出する場合、傾きθ及び方位φを検出する場合、回転角ψを検出する場合のそれぞれにおいて、センサコントローラ31がアクティブペン2に送信させるスロット内信号を示す図である。同図において「+」は、
図2に示した送信部45から出力されるスロット内信号(バースト信号)の正相信号の送信を示し、「−」は、
図2に示した送信部45から出力されるスロット内信号(バースト信号)の逆相信号の送信を示す。
【0080】
まずアクティブペン2Aに着目すると、
図5に示すように、アクティブペン2Aは、位置(x,y)の検出のみに対応し、傾きθ、方位φ、回転角ψの検出には対応していない。アクティブペン2Aの位置(x,y)の検出を行う場合、センサコントローラ31は、アクティブペン2Aにペン先電極21からスロット内信号の正相信号を送信させる。
【0081】
図9は、アクティブペン2Aがペン先電極21からバースト信号を送信した場合の、パネル面3a上における受信強度分布を示す図である。同図及び後掲の
図10〜
図12では、座標0がペン先電極21とパネル面3aとの接触位置を表している。また、
図9並びに後掲の
図10及び
図11では、破線グラフはパネル面3aとペン軸のなす角度が0度の場合(パネル面3aに対してアクティブペン2Aが直立している場合)を示し、実線グラフはパネル面3aとペン軸のなす角度が45度の場合(パネル面3aに対してアクティブペン2Aが傾いている場合)を示している。
【0082】
図9の破線グラフによって示されるように、パネル面3aに対してアクティブペン2Aが直立している場合の受信強度分布は、ペン先電極21とパネル面3aとの接触位置(座標0)にピークを有する略正規分布となる。センサコントローラ31は、受信強度分布のこのような性質を利用して、アクティブペン2Aの位置(x,y)を算出する。具体的には、上述した所定数本のセンサ電極30Xのそれぞれにおける受信強度を正規分布曲線によって近似し、そのピーク位置を求めることにより、アクティブペン2Aの位置のx座標を算出する。また、上述した所定数本のセンサ電極30Yのそれぞれにおける受信強度を正規分布曲線によって近似し、そのピーク位置を求めることにより、アクティブペン2Aの位置のy座標を算出する。
【0083】
一方、
図9の実線グラフによって示されるように、パネル面3aに対してアクティブペン2Aが傾いている場合の受信強度分布のピークは、直立している場合に比べ、アクティブペン2Aが傾いている側に移動する。その結果、上記のようにして算出されるアクティブペン2Aの位置(x,y)も、本来の接触位置から見て、アクティブペン2Aが傾いている側にずれてしまうことになる。この位置ずれは、アクティブペン2Aでは避けることができないものであるが、アクティブペン2B,2Cにおいては、周辺電極22a〜22cを用いることによって軽減される。
【0084】
次にアクティブ2Bに着目すると、
図5に示すように、アクティブペン2Bは、位置(x,y)、傾きθ、方位φの検出に対応し、回転角ψの検出には対応していない。アクティブペン2Bの位置(x,y)の検出を行う場合、センサコントローラ31は、アクティブペン2Bにペン先電極21からスロット内信号の正相信号を送信させると同時に、周辺電極22aからスロット内信号の逆相信号を送信させる。また、アクティブペン2Bの傾きθ及び方位φの検出を行う場合、センサコントローラ31は、アクティブペン2Bにペン先電極21及び周辺電極22aのそれぞれから同時にスロット内信号の正相信号を送信させる。
【0085】
図10は、アクティブペン2Bがペン先電極21からバースト信号を送信すると同時に、周辺電極22aからバースト信号の逆相信号を送信した場合の、パネル面3a上における受信強度分布を示す図である。同図に示す受信強度に基づいてセンサコントローラ31が行うアクティブペン2Bの位置(x,y)の算出の具体的な方法は、アクティブペン2Aの場合と同様である。
【0086】
図10を
図9と比較すると理解されるように、
図10の例では、実線グラフのピークの位置ずれが
図9の例に比べて小さくなっている。これは、ペン先電極21からのバースト信号の送信と同時に周辺電極22aからその逆相信号を送信することによって、アクティブペン2Bが傾いた方向におけるダウンリンク信号DSの強度が選択的に小さくなっていることによるものである。したがってセンサコントローラ31は、アクティブペン2Bがパネル面3aに対して傾いている場合にも、アクティブペン2Aの場合に比べて、その指示位置を正しく検出することができることになる。
【0087】
なお、
図5に示すように、アクティブペン2Bの位置(x,y)の検出を行う際に、周辺電極22aからの信号送信を行わないこととしてもよい。こうすることによっても、少なくともアクティブペン2Aと同等の精度では、アクティブペン2Bの位置(x,y)の検出を行うことができる。
【0088】
図11は、アクティブペン2Bがペン先電極21及び周辺電極22aのそれぞれからバースト信号を送信した場合の、パネル面3a上における受信強度分布を示す図である。同図と
図10とを比較すると理解されるように、
図11の例では、
図10の場合に比べ、パネル面3aに対してアクティブペン2Bが傾いている場合の受信強度分布のピークの位置ずれが大きくなっている。これは、アクティブペン2Bが傾いていることによって、周辺電極22aの位置が大きく変化するためである。センサコントローラ31は、受信強度分布のこのような性質を利用して、アクティブペン2Bの傾きθ及び方位φを算出する。
【0089】
図6は、アクティブペン2Bの傾きθ及び方位φの算出の原理を示す図である。同図に示す位置Tは、アクティブペン2Bがペン先電極21及び周辺電極22aのそれぞれから同時にスロット内信号を送信した場合に検出されるアクティブペン2Bの位置を示す。
【0090】
アクティブペン2BとZ軸のなす角度がθ(>0)である場合、
図8(a)に示すように、位置Pと位置Tとが離れることになる。この場合において、位置Pと位置Tの間の距離dは、d=H・cosθの関係を満たす。ただし、Hはアクティブペン2のペン先から周辺電極22aまでの距離である。そこでセンサコントローラ31は、まず距離dを算出し、その結果を上記式に当てはめることにより角度θを算出する。また、センサコントローラ31は、位置Pから位置Tに向かうベクトルがX軸となす角度を求めることにより、方位φを算出する。このように、センサコントローラ31は、位置Pと位置Tとを用いて、アクティブペン2Bの傾きθ及び方位φを算出するよう構成される。
【0091】
なお、
図5に示すように、アクティブペン2Bの傾きθ及び方位φの検出を行う際に、ペン先電極21からの信号送信を行わないこととしてもよい。こうすれば、上記距離dをより大きな値にすることができるので、角度θの算出をより高い精度で行うことが可能になる。
【0092】
次にアクティブペン2Cに着目すると、
図5に示すように、アクティブペン2Cは、位置(x,y)、傾きθ、方位φ、回転角ψすべての検出に対応している。アクティブペン2Cの位置(x,y)の検出を行う場合、及び、アクティブペン2Cの傾きθ及び方位φの検出を行う場合に各電極から送信される信号は、アクティブペン2Bの場合と同様である。ただし、周辺電極22b,22cから送信される信号は、アクティブペン2Bの周辺電極22aから送信される信号と同じものとする。
【0093】
アクティブペン2Cの回転角ψの検出を行う場合の信号送信は、2つのステップR1,R2に分けて実行される。ステップR1では、センサコントローラ31は、アクティブペン2Cにペン先電極21及び周辺電極22bのそれぞれからスロット内信号を同時に送信させると同時に、周辺電極22cからスロット内信号の逆相信号を送信させる。次いでステップR2では、センサコントローラ31は、アクティブペン2Cにペン先電極21及び周辺電極22cのそれぞれからスロット内信号を同時に送信させると同時に、周辺電極22bからスロット内信号の逆相信号を送信させる。
【0094】
位置(x,y)の検出を行う場合のパネル面3a上における受信強度分布は、
図10と同様になる。センサコントローラ31は、アクティブペン2Bの場合と同様にして、アクティブペン2Cの位置(x,y)の算出を行う。これにより、センサコントローラ31は、アクティブペン2Cがパネル面3aに対して傾いている場合にも、アクティブペン2Aの場合に比べて、その指示位置を正しく検出することができる。
【0095】
また、傾きθ及び方位φの検出を行う場合のパネル面3a上における受信強度分布は、
図11と同様になる。センサコントローラ31は、アクティブペン2Bの場合と同様にして、傾きθ、方位φを算出する。
【0096】
図12(a)は、
図5に示したステップR1での、パネル面3a上における受信強度分布を示す図である。また、
図12(b)は、
図5に示したステップR2での、パネル面3a上における受信強度分布を示す図である。これらの図において、アクティブペン2Cの傾きθは0度であるとしている。また、破線グラフは、比較のために
図10の0度の場合を再掲したものである。
【0097】
図12(a)(b)に示すように、ステップR1,R2で観測される受信強度分布には、それぞれ偏りが発生する。具体的には、周辺電極22b,22cのうちバースト信号の正相信号を送信している一方の側の受信強度が、周辺電極22b,22cのうちバースト信号の逆相信号を送信している他方の側の受信強度に比べて大きくなる。センサコントローラ31は、受信強度分布のこのような性質を利用して、アクティブペン2Cの回転角ψを算出する。
【0098】
図7及び
図8は、アクティブペン2Cの回転角ψの算出の原理を示す図である。
図7は傾きθが0である場合を示し、
図8は傾きθが0でない場合を示している。
図7及び
図8に示す位置R1,R2は、それぞれ
図5に示したステップR1,R2において検出される位置を示している。
図12(a)(b)に示したように、ステップR1とステップR2とで受信強度分布の実際のピークの位置はほとんど変わらないが、正規分布曲線を用いた近似によって得られるピークの位置は、上述した偏りのためにステップR1とステップR2とで大きく異なることになる。したがって、
図7及び
図8に示すように、ステップR1で検出される位置R1とステップR2で検出される位置R2とは大きく異なることになる。また、
図7及び
図8に示すように、位置R1と位置R2とは、傾きθが0である場合には位置Pを、傾きθが0でない場合には位置Tをそれぞれ挟んで対称な位置に存在する。
【0099】
位置R1は、周辺電極22bからバースト信号の正相信号を送信している場合に検出される位置であるから、アクティブペン2Cの周囲のうち周辺電極22bがある側に相当する。同様に、位置R2は、周辺電極22cからバースト信号の正相信号を送信している場合に検出される位置であるから、アクティブペン2Cの周囲のうち周辺電極22cがある側に相当する。したがって、
図7(b)及び
図8(b)に示したベクトルv(位置R2から位置R1に向かうベクトル)がX軸となす角度は、アクティブペン2Cの回転角ψに相当すると言える。そこでセンサコントローラ31は、このベクトルvがX軸となす角度を求めることにより、回転角ψを算出する。このように、センサコントローラ31は、位置R1と位置R2とを用いて、アクティブペン2Cの回転角ψを算出するよう構成される。
【0100】
なお、
図5に示すように、アクティブペン2Cの回転角ψの検出を行う際に、ペン先電極21からの信号送信を行わないこととしてもよい。また、逆相信号の送信に代えて、何も送信しないこととしてもよい。このようにしても、上記と同様に、位置R1と位置R2とを用いてアクティブペン2Cの回転角ψを算出することができる。
【0101】
以上説明したように、本実施の形態にかかるアクティブペン2B,2Cによれば、これらが傾いた方向におけるダウンリンク信号DSの強度を選択的に小さくすることができる。したがって、センサコントローラ31は、パネル面3aに対して傾いているアクティブペン2B,2Cの指示位置を正しく検出できるようになる。
【0102】
また、本実施の形態にかかるアクティブペン2B,2Cによれば、指示位置の他に傾きθ及び方位φを算出することが可能になる。また、本実施の形態にかかるアクティブペン2Cによれば、さらに回転角ψを算出することも可能になる。
【0103】
次に、センサコントローラ31が手の接触位置をアクティブペン2の指示位置として誤検出してしまうことについて、その発生理由を説明した後、発生を防止するための構成について説明する。
【0104】
図13(a)は、タブレット端末3のパネル面3aに対し、ユーザがアクティブペン2Aによる書き込みを行っている状態を示す図である。また、
図13(b)は、
図13(a)の等価回路を示す図である。なお、これらの図に示すタブレット端末3の絵は、X方向に沿って切断した場合の断面を模式的に示す断面図となっている。
【0105】
図13(a)に示したセンサ電極30X
1は、ペン先電極21に最も近いセンサ電極30Xを表している。また、同図に示すセンサ電極30X
2は、アクティブペン2Aを保持しているユーザの手に最も近いセンサ電極30Xを表している。なお、同図の例では、アクティブペン2を保持しているユーザの手は、センサ電極30X
2の近傍でパネル面3aに接触している。
【0106】
図13(b)に示した容量C
pen_tipは、アクティブペン2Aのペン先電極21とセンサ電極30X
1の間に形成される結合容量である。また、容量C
pen_GNDは、アクティブペン2Aの筐体(グランド端子)とユーザの手の間に形成される結合容量であり、容量C
palmは、パネル面3aに接触しているユーザの手とセンサ電極30X
2との間に形成される結合容量である。さらに、容量C
X_Yは、各センサ電極30Xとセンサ電極30Yの間に形成される結合容量を表している。
【0107】
図13(b)に示すように、ユーザの手がパネル面3aに接触しているとき、ペン先電極21からセンサ電極30X
1を通ってセンサ電極30Yに至り、さらに、センサ電極30Yからセンサ電極30X
2及び人体4を経由してアクティブペン2Aのグランド端子に至る電流経路Aが形成される。その結果、アクティブペン2Aのペン先電極21から送出されたダウンリンク信号DSの一部がこの電流経路Aを通って流れ、そのときにセンサ電極30X
2に電流が誘起される。こうしてセンサ電極30X
2に電流が誘起されると、センサコントローラ31は、センサ電極30X
2の近傍にもアクティブペン2Aのペン先電極21を検出してしまうことになる。これが、センサコントローラ31が手の接触位置をアクティブペン2の指示位置として誤検出してしまう理由である。
【0108】
本実施の形態によるアクティブペン2B,2Cを用いると、このような誤検出の発生を防止することが可能になる。以下、
図14を参照しながら詳しく説明する。
【0109】
図14は、アクティブペン2Bが周辺電極22aからダウンリンク信号DSの逆相信号を送信している場合に関して、
図13(b)と同様の等価回路を示す図である。
図14に括弧書きで示したように、アクティブペン2Cが周辺電極22b,22cからダウンリンク信号DSの逆相信号を送信している場合についても同様の等価回路となる。
【0110】
図14に示すように、周辺電極22aからダウンリンク信号DSの逆相信号を送信する場合、ペン先電極21から送出されてセンサ電極30Yに入ったダウンリンク信号DSの少なくとも一部は、センサ電極30X
2に到達する前に周辺電極22aに吸収されることになる。したがって、センサ電極30X
2に誘起される電流が低減されるので、センサコントローラ31が手の接触位置をアクティブペン2の指示位置として誤検出してしまうことが防止される。アクティブペン2Cについても同様である。
【0111】
以上説明したように、本実施の形態にかかるアクティブペン2B,2Cによれば、ペン先電極からのダウンリンク信号DSの送信と同時に周辺電極からダウンリンク信号DSの逆相信号を送信することにより、従来はユーザの手に吸い取られていたダウンリンク信号DSを周辺電極によって吸い取ることが可能になる。したがって、センサコントローラ31が手の接触位置をアクティブペン2の指示位置として誤検出してしまうことが防止される。
【0112】
次に、各アクティブペン2の機能に応じて適時に時間スロットを付与することを可能にする、アクティブペン2とセンサコントローラ31との間で実行される通信方法について説明する。以下の説明では、初めにセンサコントローラ31及びアクティブペン2のそれぞれが行う処理の流れを説明し、その後、各アクティブペン2の機能に応じて適時に時間スロットを付与することを可能にするための送信スケジュールの具体的な内容について説明する。
【0113】
図15は、本実施の形態によるセンサコントローラ31の処理を示すフロー図である。同図に示すように、センサコントローラ31は、複数の時間スロットにより構成されるフレームごとに、ステップS2〜S7の処理を繰り返すよう構成される(ステップS1)。
【0114】
ステップS2においてセンサコントローラ31は、フレームの基準時刻となるビーコン信号BSをセンサ電極群30に供給する(ビーコン信号供給ステップ)。このときセンサコントローラ31は、ビーコン信号BS内に、前サイクルのステップS4で決定した送信スケジュールを実行するために必要となる各アクティブペン2の設定情報を配置する。これにより、センサコントローラ31が検出中の1以上のアクティブペン2のそれぞれに対し、設定情報が送信されることになる(設定ステップ)。
【0115】
センサコントローラ31は次に、アクティブペン2がビーコン信号BSに対して返送した応答信号を検出し、その中から該アクティブペン2の機能情報を取得する(ステップS3。機能情報取得ステップ)。そして、新たに機能情報を取得したアクティブペン2を含む検出中の1以上のアクティブペン2それぞれの機能情報に基づいて、各アクティブペン2の送信スケジュールを決定する(ステップS4)。この決定には、各アクティブペン2について実行する検出動作の種類(位置検出、傾き・方位検出、回転角検出のいずれか1つ以上)の決定と、その結果に基づく、電極ごとの1以上の時間スロットの割り当て、及び、割り当てた時間スロット内でアクティブペン2が各電極から送信すべき信号の種類(ダウンリンク信号DS又はその逆相信号)の決定とが含まれる。前者の決定は、例えば、機能情報により周辺電極がペン軸周りの回転に対して等方的であることが示されるアクティブペン2(例えばアクティブペン2B)については、位置検出及び傾き・方位検出を実行することを決定し、機能情報により周辺電極がペン軸周りの回転に対して異方的であることが示されるアクティブペン2(例えばアクティブペン2C)については、位置検出、傾き・方位検出、及び回転角検出を実行することを決定する、というものである。また、後者の決定には、例えば、ペン先電極21のみに1以上の時間スロットを割り当てるか、ペン先電極21及び周辺電極のそれぞれに1以上の時間スロットを割り当てるか、の決定が含まれる(割当決定ステップ)。
【0116】
次いでセンサコントローラ31は、ステップS4の決定の結果に基づいて、各アクティブペン2の設定情報を生成する(ステップS5)。具体的には、後述する予め定義された複数の設定情報の中から1つを選択することによって、設定情報の生成を行う。センサコントローラ31は、こうして生成した設定情報を、次回のステップS2で送信するビーコン信号BS内に配置するよう構成される。
【0117】
続いてセンサコントローラ31は、フレーム内に含まれる各時間スロットについて、ステップS7,S8の処理を行う(ステップS6)。具体的には、まずスロット内信号の検出動作を実施し(ステップS7)、その結果に基づいて、アクティブペン2の位置(x,y)、傾きθ、方位φ、回転角ψを検出する(ステップS8)。この検出の詳細については、上述したとおりである。
【0118】
図16は、本実施の形態によるアクティブペン2の処理を示すフロー図である。同図に示すように、アクティブペン2は、まずセンサコントローラ31が送信したビーコン信号BSを受信し(ステップS10)、それに対する応答信号を送信する(ステップS11)。このときアクティブペン2は、当該アクティブペン2に設けられる電極の個数・形状・配置を示す機能情報を応答信号内に配置する。こうして応答信号内に配置される機能情報には、当該アクティブペン2が周辺電極を有するか否かを示す情報が含まれる。
【0119】
アクティブペン2は、ステップS11の実行後に再度ビーコン信号BSを受信した場合(ステップS12)、その中から当該アクティブペン2用の設定情報を抽出する(ステップS13)。そして、抽出した設定情報により示される送信スケジュールに従って、各電極からスロット内信号の送信を行う(ステップS14)。
【0120】
図17は、予め定義された複数の設定情報の例(
図15のステップS5において選択の対象となるもの)を示す図である。同図において、kは2以上の整数である。また、インデクスは設定情報の識別子であり、各時間スロット内に示す「P」「T」「R1」「R2」はそれぞれ、
図5に示した位置検出、傾き・方位検出、回転角検出のステップR1、回転角検出のステップR2に対応している。以下、アクティブペン2Cに対して送信される設定情報を例に取り、設定情報の具体的な内容について説明する。
【0121】
アクティブペン2Cに対して送信される設定情報は、具体的には、ペン先電極21に割り当てる1以上の時間スロットを示す第1の時間スロットセットと、周辺電極22bに割り当てる1以上の時間スロットを示す第2の時間スロットセットと、周辺電極22cに割り当てる1以上の時間スロットを示す第3の時間スロットセットとを特定するとともに、アクティブペン2Cが各時間スロットでペン先電極21及び周辺電極22b,22cのそれぞれから送信すべき信号の内容を指定する信号内容指定情報を含む情報となる。
【0122】
例えば、インデクスn(0≦n<k)の設定情報は、第1〜第3の時間スロットセットとして時間スロットS
n,S
k+n,S
2k+n,・・・を特定する。この場合、特定されたすべての時間スロットが位置検出(P)のために使用されるので、これらの設定情報に含まれる信号内容指定情報は、
図5から理解されるように、特定されたすべての時間スロットに関して、ペン先電極21から送信すべき信号としてスロット内信号の正相信号を指定し、周辺電極22b,22cのそれぞれから送信すべき信号としてスロット内信号の逆相信号を指定する情報となる。これにより、特定された各時間スロットにおいて、アクティブペン2Cがペン先電極21からスロット内信号の正相信号を送信するとともに周辺電極22b,22cのそれぞれからスロット内信号の逆相信号を送信することになるので、センサコントローラ31は、各時間スロットにおいてアクティブペン2Cの位置(x,y)を精度よく検出することが可能になる。
【0123】
また、例えばインデクスk+n(0≦n<k)の設定情報は、第1〜第3の時間スロットセットとして時間スロットS
n,S
n+1,S
k+n,S
k+n+1,S
2k+n,S
2k+n+1,・・・を特定する。そして、これらの設定情報に含まれる信号内容指定情報は、位置検出(P)のために使用される時間スロットS
n,S
k+n,S
2k+n,・・・に関して、ペン先電極21から送信すべき信号としてスロット内信号の正相信号を指定するとともに、周辺電極22b,22cのそれぞれから送信すべき信号としてスロット内信号の逆相信号を指定し、傾き・方位検出(T)のために使用される時間スロットS
n+1,S
k+n+1,S
2k+n+1,・・・に関して、ペン先電極21及び周辺電極22b,22cのそれぞれから送信すべき信号としてスロット内信号の正相信号を指定する情報となる。これにより、時間スロットS
n,S
k+n,S
2k+n,・・・においては、アクティブペン2Cがペン先電極21からスロット内信号の正相信号を送信するとともに周辺電極22b,22cのそれぞれからスロット内信号の逆相信号を送信することになるので、センサコントローラ31は、これらの各時間スロットにおいてアクティブペン2Cの位置(x,y)を精度よく検出することが可能になる。また、時間スロットS
n+1,S
k+n+1,S
2k+n+1,・・・においては、アクティブペン2Cがペン先電極21及び周辺電極22b,22cのそれぞれからスロット内信号の正相信号を送信することになるので、センサコントローラ31は、これらの各時間スロットにおいてアクティブペン2Cの傾きθ及び方位φを検出することが可能になる。
【0124】
また、例えばインデクス2k+n(0≦n<k)の設定情報は、第1〜第3の時間スロットセットとして時間スロットS
n,S
n+1,S
n+2,S
n+3,S
k+n,S
k+n+1,S
k+n+2,S
k+n+3,S
2k+n,S
2k+n+1,S
2k+n+2,S
2k+n+3,・・・を特定する。そして、これらの設定情報に含まれる信号内容指定情報は、位置検出(P)のために使用される時間スロットS
n,S
k+n,S
2k+n,・・・に関して、ペン先電極21から送信すべき信号としてスロット内信号の正相信号を指定するとともに、周辺電極22b,22cのそれぞれから送信すべき信号としてスロット内信号の逆相信号を指定し、傾き・方位検出(T)のために使用される時間スロットS
n+1,S
k+n+1,S
2k+n+1,・・・に関して、ペン先電極21及び周辺電極22b,22cのそれぞれから送信すべき信号としてスロット内信号の正相信号を指定し、回転角検出のステップR1のために使用される時間スロットS
n+2,S
k+n+2,S
2k+n+2,・・・に関して、ペン先電極21及び周辺電極22bのそれぞれから送信すべき信号としてスロット内信号の正相信号を指定するとともに、周辺電極22cから送信すべき信号としてスロット内信号の逆相信号を指定し、回転角検出のステップR2のために使用される時間スロットS
n+3,S
k+n+3,S
2k+n+3,・・・に関して、ペン先電極21及び周辺電極22cのそれぞれから送信すべき信号としてスロット内信号の正相信号を指定するとともに、周辺電極22bから送信すべき信号としてスロット内信号の逆相信号を指定する情報となる。これにより、時間スロットS
n,S
k+n,S
2k+n,・・・においては、アクティブペン2Cがペン先電極21からスロット内信号の正相信号を送信するとともに周辺電極22b,22cのそれぞれからスロット内信号の逆相信号を送信することになるので、センサコントローラ31は、これらの各時間スロットにおいてアクティブペン2Cの位置(x,y)を精度よく検出することが可能になる。また、時間スロットS
n+1,S
k+n+1,S
2k+n+1,・・・においては、アクティブペン2Cがペン先電極21及び周辺電極22b,22cのそれぞれからスロット内信号の正相信号を送信することになるので、センサコントローラ31は、これらの各時間スロットにおいてアクティブペン2Cの傾きθ及び方位φを検出することが可能になる。さらに、アクティブペン2Cは、時間スロットS
n+2,S
k+n+2,S
2k+n+2,・・・においてペン先電極21及び周辺電極22bのそれぞれからスロット内信号の正相信号を送信するとともに、周辺電極22cからスロット内信号の逆相信号を送信し、その後の時間スロットS
n+3,S
k+n+3,S
2k+n+3,・・・においてペン先電極21及び周辺電極22cのそれぞれからスロット内信号の正相信号を送信するとともに、周辺電極22bからスロット内信号の逆相信号を送信することになるので、センサコントローラ31は、時間スロットS
n+3,S
k+n+3,S
2k+n+3,・・・それぞれの終了後に、アクティブペン2Cの回転角ψを算出することが可能になる。
【0125】
ここで、アクティブペン2A,2Bについて選択され得る設定情報について、説明する。アクティブペン2Aは、傾き・方位の検出、及び、回転角の検出に対応しないことから、センサコントローラ31による選択の対象となる設定情報は、
図17に示した各設定情報のうち、インデクスn(0≦n<k)に対応する設定情報のみとすることが好適である。また、アクティブペン2Bは回転角の検出に対応しないことから、センサコントローラ31による選択の対象となる設定情報は、
図17に示した各設定情報のうち、インデクスn(0≦n<k)及びインデクスk+n(0≦n<k)に対応する設定情報のみとすることが好適である。こうすることで、アクティブペン2A,2Bに対し、それぞれの機能情報に適合した設定情報を送信することが可能になる。
【0126】
また、センサコントローラ31は、複数のアクティブペン2を検出中である場合においては、各アクティブペン2が同一の時間スロット内で信号の送信を試みることがないよう、電極単位で重複しないように設定情報を選択することが好適である。例えば、センサコントローラ31がアクティブペン2Aとアクティブペン2Cを1本ずつ検出している場合であれば、例えば、アクティブペン2Aに対してはインデクス0に対応する設定情報を送信し、アクティブペン2Cに対してはインデクス2k+1に対応する設定情報を送信することとすればよい。また、例えばセンサコントローラ31がアクティブペン2Bとアクティブペン2Cを1本ずつ検出している場合であれば、例えば、アクティブペン2Bに対してはインデクスkに対応する設定情報を送信し、アクティブペン2Cに対してはインデクス2k+2に対応する設定情報を送信することとすればよい。このようにすることにより、検出中の複数のアクティブペン2のそれぞれに対して、電極単位で重複しないように1以上の時間スロットを割り当て、それによって各アクティブペン2の位置(x,y)、傾きθ、方位φ、回転角ψを好適に算出することが可能になる。
【0127】
以上説明したように、本実施の形態によれば、センサコントローラ31に、検出中の1以上のアクティブペン2それぞれの電極数に応じて、電極単位で時間スロットを指定させることができる。したがって、各アクティブペン2の機能に応じて適時に時間スロットを付与することが可能になる。また、その結果として、アクティブペン2の電極数に応じて、その位置(x,y)、傾きθ、方位φ、回転角ψを算出することが可能になる。
【0128】
なお、
図17の例によれば、位置の検出のみに対応するインデクスn(0≦n<k)の設定情報と、位置、傾き、方位の検出に対応するインデクスk+n(0≦n<k)の設定情報と、位置、傾き、方位、回転角の検出に対応するインデクス2k+n(0≦n<k)の設定情報とでスロット内信号の送信レートが異なるが、これらの送信レートが一定値になるよう、設定情報の内容を定義することも可能である。
【0129】
図18は、予め定義された複数の設定情報の第1の変形例を示す図である。本変形例では、インデクスn(0≦n<k)の設定情報は、
図17に示したものと同一である。これらの設定情報によるアクティブペン2の送信レートは、k個の時間スロットあたり1回の送信というレートになる。
【0130】
一方、インデクスk+n(0≦n<k)の設定情報は、時間スロットS
n,S
2k+n,・・・を位置検出(P)のために使用し、時間スロットS
k+n,S
3k+n,・・・を傾き・方位検出(T)のために使用するというものになる。したがって、これらの設定情報によるアクティブペン2の送信レートは、インデクスn(0≦n<k)の場合と同様、k個の時間スロットあたり1回の送信というレートになる。
【0131】
また、インデクス2k+n(0≦n<k)の設定情報は、時間スロットS
n,S
4k+n,・・・を位置検出(P)のために使用し、時間スロットS
k+n,S
5k+n,・・・を傾き・方位検出(T)のために使用し、時間スロットS
2k+n,S
6k+n,・・・を回転角検出のステップR1のために使用し、時間スロットS
3k+n,S
7k+n,・・・を回転角検出のステップR2のために使用するというものになる。したがって、これらの設定情報によるアクティブペン2の送信レートは、インデクスn(0≦n<k)の場合と同様、k個の時間スロットあたり1回の送信というレートになる。
【0132】
このように、本変形例によれば、各設定情報によるアクティブペン2の送信レートが一定になるよう、各設定情報の内容を定義することが可能になる。
【0133】
また、
図17の例によれば、位置検出、傾き・方位検出、回転角検出が同じ頻度で行われることになるが、これらを互いに異なる頻度で実行することとしてもよい。
【0134】
図19(a)は、予め定義された設定情報の第2の変形例を示す図である。紙面の都合上、同図にはインデクス2kの設定情報のみを図示しているが、他のインデクスの設定情報も同様である。
【0135】
図19(a)に示す設定情報は、時間スロットS
k,S
k+4,S
k+8,S
k+12,S
k+16,S
k+20,S
k+24,S
k+28,・・・を位置検出(P)のために使用し、時間スロットS
k+2,S
k+10,S
k+18,S
k+26,・・・を傾き・方位検出(T)のために使用し、時間スロットS
k+6,S
k+22,・・・を回転角検出のステップR1のために使用し、時間スロットS
k+14,S
k+30,・・・を回転角検出のステップR2のために使用するというものになる。したがって、位置検出、傾き・方位検出、回転角検出それぞれの実行頻度を割合で表すと、4:2:1となる。
【0136】
このように、本変形例によれば、位置検出、傾き・方位検出、回転角検出が互いに異なる頻度で実行されることとなるよう、各設定情報の内容を定義することが可能になる。
【0137】
なお、
図19(a)の例では、位置検出、傾き・方位検出、回転角検出のステップR1、回転角検出のステップR2のそれぞれが一定の時間間隔で実行されることになる。具体的には、位置検出が時間スロット4個分の時間に相当する時間INT1ごとに実行され、傾き・方位検出が時間スロット8個分の時間に相当する時間INT2ごとに実行され、回転角検出のステップR1,R2のそれぞれが時間スロット16個分の時間に相当する時間INT3ごとに実行される。したがって、位置検出、傾き・方位検出、回転角検出の結果を受けてホストプロセッサ32(
図1を参照)が生成するインクデータの精度を高めることが可能になる。
【0138】
図19(b)は、
図19(a)に示した第2の変形例のさらなる変形例を示す図である。この変形例では、
図19(a)の変形例に比べて、傾き・方位検出、回転角検出のステップR1、及び、回転角検出のステップR2のそれぞれが1つ前の時間スロットで実行される。これによっても、位置検出、傾き・方位検出、回転角検出が互いに異なる頻度で実行されることとなるよう各設定情報を定義することが可能になり、また、位置検出、傾き・方位検出、回転角検出のステップR1、回転角検出のステップR2のそれぞれを一定の時間間隔で実行することが可能になる。
【0139】
また、
図17では、センサコントローラ31がアクティブペン2ごとに設定情報を決定する例を説明したが、予め1つの設定情報を決定しておき、その中に複数のアクティブペン2を当てはめていくこととしてもよい。
【0140】
図20は、予め定義された設定情報の第3の変形例を示す図である。図示したインデクスZは、複数のアクティブペン2に対応する設定情報の例を示している。この設定情報によれば、1本目のアクティブペン2には時間スロットS
0,S
k,S
2k,・・・が割り当てられ、2本目のアクティブペン2には時間スロットS
1,S
k+1,S
2k+1,・・・が割り当てられ、3本目のアクティブペン2には時間スロットS
2,S
k+2,S
2k+2,・・・が割り当てられる。
【0141】
この場合において、各アクティブペン2が各時間スロットで送信する信号の内容は、それぞれの機能情報に応じて決定されることとしてもよい。例えば
図20には、1本目のアクティブペン2がアクティブペン2Aであり、2本目のアクティブペン2がアクティブペン2Bであり、3本目のアクティブペン2がアクティブペン2Cである例を示している。同図に示すように、アクティブペン2Aについては、いずれの時間スロットにおいても、位置検出用の信号(すなわち、ペン先電極21から送信されるスロット内信号の正相信号)を送信することとすればよい。また、アクティブペン2Bについては、位置検出用の信号(すなわち、ペン先電極21から送信されるスロット内信号の正相信号及び周辺電極22aから送信されるスロット内信号の逆相信号)と、傾き・方位検出用の信号(すなわち、ペン先電極21及び周辺電極22aのそれぞれから送信されるスロット内信号の正相信号)とを交互に送信することとすればよい。また、アクティブペン2Cについては、位置検出用の信号(すなわち、ペン先電極21から送信されるスロット内信号の正相信号及び周辺電極22b,22cのそれぞれから送信されるスロット内信号の逆相信号)と、傾き・方位検出用の信号(すなわち、ペン先電極21及び周辺電極22b,22cのそれぞれから送信されるスロット内信号の正相信号)と、回転角検出のステップR1のための信号(すなわち、ペン先電極21及び周辺電極22bのそれぞれから送信されるスロット内信号の正相信号及び周辺電極22cから送信されるスロット内信号の逆相信号)と、回転角検出のステップR2のための信号(すなわち、ペン先電極21及び周辺電極22cのそれぞれから送信されるスロット内信号の正相信号及び周辺電極22bから送信されるスロット内信号の逆相信号)とをこの順で繰り返し送信することとすればよい。機能情報に応じたこのような送信方法を予め定義しておけば、センサコントローラ31は、アクティブペン2が送信した信号の内容に応じた検出動作を行えることになる。したがって、各アクティブペン2の位置検出、傾き・方位検出、回転角検出を好適に行うことが可能になる。
【0142】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
【0143】
例えば、上記実施の形態では、各アクティブペン2が時間スロットの単位でダウンリンク信号DSの送信を行うシステムを例に取って説明したが、本発明は、時間スロットを用いないシステムにも適用可能である。例えば、ビーコン信号BS内にアクティブペン2と該アクティブペン2が送信すべき信号の内容とのみを指定する情報を配置し、指定されたアクティブペン2が指定された内容の信号を任意のタイミングで送信するシステムにも、本発明は適用され得る。
【0144】
また、上記実施の形態では、ビーコン信号BSによってアクティブペン2が信号の送信を行う1以上の時間スロットを指定するシステムを例に取って説明したが、本発明は、ビーコン信号BSを用いないシステムにも適用可能である。この場合、各アクティブペン2は、内蔵しているタイマ(図示せず)から与えられる所定のトリガに応じて、センサコントローラ31との間で予め決められた順に、各電極から信号の送信を行うこととすればよい。
【0145】
また、機能情報は、アクティブペン2Cに設けられる電極の個数・形状・配置に加えて、ペン先電極と周辺電極の位置関係を示す情報、周辺電極のペン軸に対する角度を示す情報などを含むこととしてもよい。この場合、センサコントローラ31は、これらにも基づいて傾き、方位、回転角を算出するようにすることで、アクティブペン2の傾き、方位、回転角をより高精度に求めることが可能になる。
【0146】
また、機能情報は、周辺電極に関して事前に定義された複数の電極特性プロファイルのいずれかを特定する電極特性プロファイル識別子を含むこととしてもよい。そして、センサコントローラ31は、この電極特性プロファイル識別子に基づいて、アクティブペン2について行う検出動作の種類(位置検出、傾き・方位検出、回転角検出のいずれか1つ以上)を決定することとしてもよい。複数の電極特性プロファイルには、例えば、周辺電極がペン軸周りの回転に対して等方的であることを示す電極特性プロファイルと、周辺電極がペン軸周りの回転に対して異方的であることを示す電極特性プロファイルとが含まれることとしてもよい。また、機能情報は上記のような情報を特定することができればよく、所謂ペンIDあるいはペンタイプIDと呼ばれるような情報であってもよい。
【0147】
また、上記実施の形態では、設定情報を1つのビーコン信号BSに含めて送信することを前提として説明したが、複数のビーコン信号BSに分割して設定情報を送信することとしてもよい。例えば、設定情報のうち上述した第1の時間スロットセットを特定する第1の部分と、設定情報のうち上述した第2の時間スロットセットを特定する第2の部分とを、互いに異なるビーコン信号BSに含めて送信することとしてもよい。この場合において、第1の部分は、第1の時間スロットセットを用いて送信される信号の時間長を指定する情報を含み、第2の部分は、前記第2の時間スロットセットを用いて送信される信号の時間長を指定する情報を含むこととしてもよい。また、アクティブペン2は、第2の部分を含むビーコン信号BSを受信した場合に、ペン先電極21又は周辺電極を介して応答信号を送信することとしてもよい。
【0148】
また、設定情報には、センサコントローラ31が対応している検出動作の種類を特定する情報(例えば、周辺電極を用いる傾き検出にセンサコントローラ31が対応しているか否かを示す情報)を含めることとしてもよい。こうすることで、アクティブペン2の側で、送信すべき信号の種類を選択することが可能になる。
【0149】
また、上記実施の形態では、各アクティブペン2の各電極に時間スロットを割り当てることを説明したが、周波数を変えることにより、あるいは符号を変えることにより、同じ時間スロットに区別可能に信号を送信あるいは受信することができる場合には、周波数又は符号と時間スロットの組み合わせによって表される通信単位を割り当てることとしてもよい。この場合、異なる電極に同じ時間スロットが割り当てられる場合が発生し得ることになる。
【0150】
また、上記実施の形態では、回転角の検出に対応するアクティブペン2の例として、ペン軸を含む平面により周辺電極22aを2つに分割することによって得られる2つの周辺電極22a,22bを有するアクティブペン2Cを説明したが、ペン軸周りの回転に対して異方的な形状を有する周辺電極を有するアクティブペン2であれば、回転角の検出を行うことが可能である。
【0151】
図21は、本発明の実施の形態の変形例によるアクティブペン2が有する周辺電極22d〜22fを示す図である。本変形例によるアクティブペン2は、図示するように、アクティブペン2Bの周辺電極22aを3つに等分割することによって得られる3つの周辺電極22d〜22fを有して構成される。周辺電極22d〜22fもペン軸周りの回転に対して異方的な形状を有していることから、本変形例によるアクティブペン2によれば、回転角の検出を行うことが可能である。
【0152】
図21(a)〜(c)は、本変形例によるアクティブペン2を用いて回転角の検出を行う場合に周辺電極22d〜22fのそれぞれから送信する信号の一例を示している。これらの図における「+」「−」及び括弧の意味は、
図5におけるものと同じである。
【0153】
周辺電極22dからダウンリンク信号DSの正相信号を送信し、周辺電極22e,22fからダウンリンク信号DSの逆相信号を送信するステップ(
図21(a))と、周辺電極22eからダウンリンク信号DSの正相信号を送信し、周辺電極22d,22fからダウンリンク信号DSの逆相信号を送信するステップ(
図21(b))と、周辺電極22fからダウンリンク信号DSの正相信号を送信し、周辺電極22d,22eからダウンリンク信号DSの逆相信号を送信するステップ(
図21(c))とを実行することにより、XY平面上に、それぞれ周辺電極22d〜22fに対応する3つの位置が得られる。センサコントローラ31は、この3つの位置により示される三角形の回転角を算出することにより、アクティブペン2の回転角ψを検出することができる。
【0154】
なお、アクティブペン2Cについて説明したことと同じように、本変形例によるアクティブペン2についても、各周辺電極からの逆相信号の送信に代えて、何も送信しないこととしてもよい。この場合において、
図21(a)〜(c)のそれぞれで逆相信号を送信することとした2つの周辺電極のうちの一方についてのみ、何も送信しないこととしてもよい。例えば、
図21(a)では周辺電極22eを無信号とし、
図21(b)では周辺電極22dを無信号とし、
図21(c)では周辺電極22fを無信号としてもよい。このようにしても、上記と同様に、3つの位置を用いてアクティブペン2の回転角ψを算出することができる。