(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の図面は原寸に比例していないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様だけを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものとしてみなされるべきではない。図面において、同様の番号は、図面間で同様の要素を表す。
【0012】
上述したように、本開示はサイレンサパネル、および少なくとも1つのプラスチックの穴あき側壁を備えたサイレンサシステムを提供する。さらに、本開示は、サイレンサパネルセクションまたはセクションと、(モジュール式)サイレンサパネルと、サイレンサパネルをスライド可能に受け入れることができるサイレンサダクトとを含む。
【0013】
図面を参照すると、
図1は、とりわけガスタービンシステム12を含むことができるターボ機械システム10(例えば、単純サイクルガスタービン発電システム)の形態で例示的な産業機械を示す。ガスタービンシステム12は、天然ガスおよび/または水素豊富化合成ガスなどの液体または気体の燃料を燃焼して、高温燃焼ガスを生成してガスタービンシステム12を駆動することができる。ガスタービンシステム12は、空気取入口セクション16と、圧縮機18と、燃焼器コンポーネント20と、タービンコンポーネント22とを備える。タービンコンポーネント22は、シャフト24を介して圧縮機18に駆動可能に結合されている。動作時、空気(例えば、周囲空気)は、空気取入口セクション16を通じてガスタービンシステム12に入り(矢印26によって示されている)、圧縮機コンポーネント18内で加圧される。空気取入口セクション16は、内部に作動流体流を形成するための取入口フレーム17を含むことができる。図示されるように、取入口フレーム17は圧縮機18に動作可能に結合され、圧縮機18は、シャフト24に結合された複数の圧縮機ブレードを備えた少なくとも1つの段を含む。シャフト24が回転することによって、圧縮機ブレードの対応する回転を引き起こし、それによって空気取入口セクション16を介して空気を圧縮機18に引き込み、燃焼器コンポーネント20に入る前に空気を圧縮する。
【0014】
燃焼器コンポーネント20は、1つまたは複数の燃焼器を備えることができる。実施形態では、複数の燃焼器は、シャフト24を中心にしたほぼ円形または環状の構成における複数の円周位置において燃焼器コンポーネント20に配設されている。圧縮空気が圧縮機コンポーネント18を出て、燃焼器コンポーネント20に入るとき、圧縮空気は、燃焼器内での燃焼のために燃料と混合される。例えば、燃焼器は、適切な燃焼比、排出規制、燃費、パワー出力などで燃料空気混合気を燃焼器に噴射するように構成されている1つまたは複数の燃料ノズルを備えることができる。燃料空気混合気が燃焼すると、高温加圧排ガスを生成し、次いでこれを利用してタービンコンポーネント22内の1つまたは複数のタービン段(それぞれは複数のタービンブレードを有する)を駆動することができる。
【0015】
動作時、タービンコンポーネント22に流れ込みこれを通じて流れる燃焼ガスは、タービンブレードに対して、タービンブレードの間で流れ、それによってタービンブレードを駆動し、したがってシャフト24を回転させる。タービンコンポーネント22において、燃焼ガスのエネルギーは仕事に変換され、その一部は回転シャフト24を介して圧縮機コンポーネント18を駆動するために使用され、残りのものは、限定するものではないが電気を作り出すための発電機28および/または別のタービンなどの負荷を駆動するための有用な仕事に利用可能である。ターボ機械システム10は、本発明の実施形態によるサイレンサパネルおよびシステムを用いることができる一応用を単に示すものであることを強調しておく。空気取入口システム16を通じて空気が流れるとき、騒音が生成され、本発明の実施形態によるサイレンサシステム100および圧縮機コンポーネント18が用いられて、騒音が減少される。
【0016】
図2は、作動流体流路を形成するフレームまたはサイレンサダクト102(例えば、取入口フレーム17(
図1))を備えたサイレンサシステム100の正面斜視図を示し、
図3は、フレーム102のエンドパネル106がサイレンサパネル104を見えるように開かれている、フレーム102内の所定の位置におけるサイレンサパネル104の上側斜視図を示す。フレーム102は、例えば、鉄鋼、亜鉛めっき鋼、または他の構造的金属で作製されると共に特定の圧縮機18(
図1)および/または産業機械の大きさに作製された任意の知られているまたは後に開発される取入口フレームを備えることができる。理解されるように、フレーム102は、多種多様なサイズになり得る。
【0017】
図2に示されるように、本発明の実施形態による複数のサイレンサパネル104は、フレーム102内に配置される。パネルは、フレームの幅にわたって均等な間隔で配置することができる。各サイレンサパネル104は、様々なやり方で、例えば、フレーム102のエンドパネル106(
図3)を通じてねじなどの固定具、嵌合チャンネル、さねはぎ嵌合要素等によって、フレーム102内に配置されるように構成することができる。各サイレンサパネル104は、用いられる特定のタイプの位置決め機構を収容するために適切な構造を備えることができる。
【0018】
図4は、エンドキャップを取り除いた、単一のサイレンサパネル104の上側斜視図を示し、
図5は、単一のサイレンサパネル104全体の正面斜視図を示す。
図3〜
図5をひとまとめに参照すると、各サイレンサパネル104は、音響吸収材料110(
図4のみ)と、音響吸収材料110を囲むエンクロージャ112とを備える。音響吸収材料110は、限定するものではないが、発泡体、ミネラルウール、ロックウール、および繊維ガラスのうちの少なくとも1つなどの任意の現在知られているまたは後に開発される音吸収材料を含み得る。発泡体は、網状にされてもよい、または連続気泡フォームと呼ばれる他のやり方であってもよい。従来のシステムとは対照的に、本開示の実施形態によるエンクロージャ112は、少なくとも1つのプラスチックの穴あき側壁114を備える。さらに、必ずしも全ての場合に必要ではないが、サイレンサパネル104の上側エンドキャップおよび下側エンドキャップ116、118(
図5)および側エンドキャップ119(
図4〜
図5)も、プラスチックで作製することができる。エンドキャップ116、118は、側パネル114に重なるおよび/または係合することによって音響吸収材料110を囲むように成形されたパネルを含み、側エンドキャップ119も、側パネル114に部分的に重なるおよび/または係合することによって音響吸収材料110を囲むように成形されたパネルを含む。選択肢として、エンクロージャ112は、プラスチックの丸みを帯びたノーズ部120も備えることができるが、これは必ずしも全ての場合に必要ではない。ノーズ部120も、ステンレス鋼などの他の材料で作製することもできる。
図3および
図5に最もよく示されるように、適宜、エンクロージャ112は、側壁114の隣接した部分間に配置された構造支持体122を備えることもでき、ここで側壁は、適宜分割される。各構造支持体122は、プラスチックで作製され、構造支持体を側壁114に設ける形状およびサイズを有する。エンドキャップ116、118、側壁114、ノーズ部120、および/または構造支持体122は、任意の現在知られているやり方または後に開発されるやり方で、例えば、ねじまたはナット/ボルト、相互ロック式スナップ係合要素、ねじ付き挿入物、溶接等などの固定具において共に結合することができる。各部品は、例えば、射出成型を用いて、別々に作製されてもよくまたは部品は共に形成されてもよい。結合機構は、設定に適切な場合には、プラスチックで作製することもできる。
【0019】
プラスチックは、例えば、特定のフレーム102(
図3)および/またはパネルを用いる産業機械の環境および動作特性に耐えることができるポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリプロピレン共重合体(PPC)、ポリプロピレンホモポリマー(PPH)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、または任意の他のプラスチックを含み得る。
図4および
図5に最もよく示されるように、各プラスチックの穴あき側壁114は、内部に穴134を有するプラスチックの平坦シート132を備えることができる。
図6に示されるように、各穴は、側壁104を通じて延びる孔140の形態をとることができる。代替として、
図7および
図8に示されるように、各穴は、異なる開口の幾何学的形状を備えることができる(
図7および
図8)。ダイヤ形、三角形、長方形等などの他の形状も可能であり得る。
【0020】
図9〜
図17を参照すると、セクションを備えたサイレンサパネル、および関連するサイレンサダクトが示されている。各実施形態は、プラスチックをサイレンサパネルに用いる前述の教示を用いることができる。
図9は、本開示の実施形態による(モジュール式)サイレンサパネル204(1つだけが示されている)を用いるサイレンサダクト202の斜視図である。本明細書により詳細に説明されるように、サイレンサダクト202は、
図2に関連して本明細書に記載されている、内部を通じて作動流体流路を形成するフレーム206を備えることができる。フレーム206は、上流端207および下流端208を備えることができる。フレーム206は、それが使用される産業機械の環境に耐えると共に複数の(モジュール式)サイレンサパネル204を保持するのに十分な強度を有する鉄鋼などの任意の現在知られているまたは後に開発される構造的材料で作製することができる。さらに詳細に説明されるように、複数のサイレンサパネル取付部250は、フレーム206内に配置することができ、各サイレンサパネル取付部は、サイレンサパネル104、204をスライド可能に受け入れるように構成されている。
【0021】
図10〜
図13を参照すると、本開示の実施形態によれば、サイレンサパネル104および従来の金属サイレンサパネルとは対照的に、各サイレンサパネル204は、単一のサイレンサパネル204を形成するように結合されるように構成された複数のセクション(モジュール式セクション)260A、B、C等を含むことができる。サイレンサパネル204は、使用されるセクションのサイズおよび個数に基づいてカスタムでサイズを作製することができる。図には、3つのセクション260A〜Cが、
図9、
図11および
図13に示されており、5つのセクション260A〜Eが、
図10および
図12に示されている。例えば、2個、4個、または5個より多くの任意の個数のセクション260を用いることができ、各セクションは、応用例に応じて同一または異なる寸法、すなわち、幅、長さ、高さを有することができることを強調しておく。いずれにしても、
図10〜
図12に最もよく示されるように、各セクション260は、エンクロージャ212内に音響吸収材料210を含み、エンクロージャ212が音響吸収材料210を囲む。音響吸収材料210には、材料110のため本明細書に挙げた任意の材料が含まれ得る。本開示の実施形態による第1のエンクロージャ212は、一対の対向する側壁214と、一対の対向する端壁216と、上側および下側エンドキャップ216、218とを備えることができる。少なくとも1つの側壁214は、壁114に関連して説明したように、穴あきプラスチックであり得る。各プラスチックの穴あき側壁214は、内部に穴234を有するプラスチックの平坦シート232を含むことができ、
図6〜
図8に関連して本明細書に説明したような任意の形態をとることができる。さらに、必ずしも全ての場合に必要ではないが、サイレンサパネル204の上側および下側エンドキャップ216、218(
図12)は、側壁114のために本明細書に挙げられた任意のプラスチックが含まれ得るプラスチックで作製することもできる。エンドキャップ216、218は、側壁214に部分的に重なるおよび/または係合することによって音響吸収材料210を囲むように成形されたパネルを備える。
【0022】
図10および
図13に最もよく示されるように、本明細書に記載したサイレンサパネル104とは対照的に、(
図3〜
図5において、支持構造体122がある場所に位置する)一対の対向する端壁262は、セクション260を形成する。各端壁262は、側壁214と同じプラスチックで作製することができ、構造支持体を側壁214に設ける形状およびサイズを有する。
図12に最もよく示されるように、少なくとも1つのエンクロージャは、隣接した端壁262間に配置された少なくとも1つの補強材264をさらに備えることができる。補強材264は、十分な支持を行うことができる任意の材料、例えば、金属またはプラスチックで作製することができる。
【0023】
図13を参照すると、選択肢として、作動流体の流れに対して最も後ろのセクションとして配置される一セクション(例えば、
図13中の260C)は、その一対の隣接した側壁214の端部にテーパ状の後部266を備えることができる。この設定において、側壁214は、特定のセクション262Cの前縁におけるよりも後縁において、互いにより近くなる。
図13にやはり示されている別の選択肢として、前縁セクション260Aの端壁262は、プラスチックの丸みを帯びたノーズ部220の形態をとることができる。すなわち、丸みを帯びたノーズ部220は、前縁セクション260Aのエンクロージャ212の一対の隣接した側壁214の端部に配置される。代替として、別個のノーズセクション220が、平坦な端壁262Aに追加されてもよい。いずれにしても、ノーズ部220は、壁214のようにプラスチック、またはステンレス鋼などの他の材料で作製することができる。エンドキャップ216、218、側壁214、ノーズ部220、端壁262、および/または補強材264は、任意の現在知られているまたは後に開発されるやり方で、例えば、ねじまたはナット/ボルト、相互ロック式スナップ係合要素、ねじ付き挿入物、溶接等などの固定具において共に結合することができる。各部品は、例えば、射出成型を用いて、別々に作製されてもよくまたは部品は一体に作製されてもよい。結合機構は、適切な場合、設定のためにプラスチックで作製することもできる。
【0024】
図14を参照すると、各セクション260A、260B等は、そのエンクロージャ212Aを隣接したサイレンサパネルセクション260B、260C等の第2のエンクロージャ212Bに結合するように構成された第1の結合器270(ファントムボックス(phantom box)に示された部品)を含む。
図14の例は、セクション260Cへ結合する準備ができたセクション260Bを示すが、教示は、セクションの全部に適用可能である。第1の結合器270は、セクション260を恒久的にまたは一時的に共にしっかり結合するための任意の現在知られているまたは後に開発される機構を備えることができ、それによって、セクション260は、セクション260が用いられる産業機械の動作環境に耐えることができる。図示の例では、第1の結合器270は、例えば、セクション260Bの第1のエンクロージャおよび第2のエンクロージャ212の一方にある雄形結合器272であって、例えば、セクション260Cにある第1のエンクロージャおよび第2のエンクロージャ212の他方にある雌形結合器274と嵌合するように構成された雄形結合器272を備える。歯付きタブ272および相補的開口274として示されたが、様々な雄雌形結合が用いられてもよい。いくつかのセクション260が連続的に配置できるように、
図13に最もよく示されるように、各サイレンサモジュールセクション260は、例えば、セクション260Bのエンクロージャを別の隣接したサイレンサパネルセクション、例えば260Aの第3のエンクロージャ212に結合するように構成された第1の結合器と同一である第2の結合器270を備えることもできる。対向する端壁262は、セクション260の連続接続を収容するように相補的結合器272、274を備えることができる。前縁および後縁セクション、例えば、
図13中の260A、260Cは、一端に結合器270だけを有することができる。結合器270は、エンクロージャ212に組み込まれてもよくまたは組み込まれなくてもよい多種多様な形態をとることができることを強調しておく。例えば、結合器270は、隣接したセクションの側壁214、エンドキャップ216および/またはエンドキャップ218の取り付けられたスナップ係合接続、面ファスナ、ボルト/ナット、さねはぎファスナ、接着剤、結合用ブラケットなどを含み得るが、これらに限定されない。
【0025】
図9に戻ると、
図15〜
図17に関連して、従来のシステムとは対照的に、各サイレンサパネル104、204は、サイレンサダクト202のサイレンサパネルフレーム206にスライド可能に配置されるように構成されている。支持を行うために、前述したように、サイレンサダクト202は、フレーム206内に配置された複数のサイレンサパネル取付部250を備えることができ、各サイレンサパネル取付部は、サイレンサパネル104、204をスライド可能に受け入れるように構成されている。この構造は、各サイレンサパネルがダクトに溶接されるカスタムフィットの金属である従来のシステムとはやはり対照的である。
【0026】
サイレンサパネル取付部250は、様々な形態をとることができる。
図9、
図15、および
図16に示された一実施形態では、各サイレンサパネル取付部250は、フレーム206上に対向関係にある一対の溝252、254を備える。溝252、254は。内部にサイレンサパネルのそれぞれの端部を位置的に係合する、すなわち内部にサイレンサパネルのそれぞれの端部の移動を防ぐようにそれぞれ構成されている。各溝は、サイレンサパネル104(
図3〜
図5)、サイレンサパネル204(
図10〜
図13)、またはさらに従来の金属クラッドパネルなどのサイレンサパネルを収容することができる。溝252、254は、いくつかのやり方で構造化することができる。
図16に最もよく示される一例では、各溝252、254は、フレーム206の内面209から延びる一対のプレート256を備えることができる。図示の例では、サイレンサパネル204は、垂直な構成で配置することができ、したがって、内面209は、フレーム206の上水平面および/または下水平面を備える。理想的ではないが、サイレンサパネルを水平なやり方で設けることも実現可能である。各溝252、254は、サイレンサパネル104、204を軸方向に配置するようにフレーム206の下流端に閉端258を備えることもできる。このやり方では、サイレンサパネル104、204は、対向する溝252、254の中にスライドし、フレーム206の上流端から作動流体の力によって所定の位置に保持することができる。代替として、
図9および
図16に示されるように、サイレンサパネル104、204がそれぞれの溝252、254から離脱するのを防ぐように構成されているロック259が設けられてもよい。ロック259は、恒久的または取り外し可能であり得る。ロック259は、面209の中へのねじ付きファスナ、セクション260Aの前縁に係合する可動ヒンジまたはスライド部材等などの様々な形態のいずれかをとることができるが、これらに限定されない。ロック259は、例えば、ノーズ部220として丸みを帯びた、前セクション(例えば、
図13中の260A)の前縁を収容するように適宜成型することができる。
【0027】
図17に移ると、代替の実施形態において、サイレンサパネル104、204のそれぞれのエンクロージャ112、212は、フレーム206に単一のサイレンサパネル104、204をスライド可能に配置するための取付部280を備えることができる。(モジュール式)サイレンサパネル204が用いられる場合、その各エンクロージャ212は、例えばそこに位置合わせされた取付部280を備えることができる。一実施形態では、サイレンサパネル取付部250および取付部280は、嵌合式雄雌型スライド結合器282を備えることができる。一実施形態では、嵌合式雄雌型スライド結合器は、レール、および相補型の溝の形態をとることができる。この例では、嵌合式雄雌型スライド結合器の第1の部分284、例えば、溝284としての取付部280は、第2の部分286、例えば、サイレンサパネルフレーム206にある嵌合式雄雌型スライド結合器のレールと嵌合するように構成されている。図示の例では、第1の部分284(取付部280)は、上側および/または下側エンドキャップ216、218(図示として216)に配置することができ、第2の部分286は、フレーム206の内面209に配置される。図示の例では、雄雌形部分は、エンドキャップ216においてI形梁286および相補的な形状の溝284の形態をとる。雄雌形部分は切り替えられてもよく、例えば、蟻継ぎ形、T形、L形等の様々な他の形状をとってもよいことを強調しておく。いずれにしても、部分284、286は、サイレンサパネル104、204をフレーム206に配置するために共に容易にスライドすることができる。パネルを軸方向に配置するような様々なロックおよび/または止め部が用いられてもよい。
【0028】
穴あきプラスチック側壁114、214で作製されたエンクロージャ112、212は、従来の鋼製パネルを上回るいくつかの利点を提供する。例えば、サイレンサパネル104、204は、重量が減じられており、取り扱いがより簡単であり、費用が下がっており、シートと支持部材の間の過度の溶接をなくしたので製造がより容易である。さらに、プラスチックは、わずかに強化された音響性能(例えば、例として、約2dB以上の全体的な減衰といった、より大きいデシベル(dB)減衰)を与えることができ、鋼製パネルに比較して穴面積の開いている割合の増加を可能にすることができる。さらに、サイレンサパネル204の実施形態は、サイレンサパネルのサイズを容易にカスタマイズすることを可能にして、多種多様な異なるサイズのフレームを収容する。本明細書に記載したように、サイレンサダクト202は、サイレンサパネル104、204および従来の金属パネルの配置を、それらを所定の位置に溶接する必要なく可能にし、時間および製造コストを節約する。
【0029】
本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、本開示の限定であることは意図されていない。本明細書に使用される場合、文脈上他のものを明確に示すものでない限り、単数形「a」、「an」、「the」は、複数形も含むことが意図されている。本明細書に使用されるとき、用語「備える、含む(comprises)」および/または「備えている、含んでいる(comprising)」は、述べた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、および/またはそれらの群の存在または追加を除外しないことをさらに理解されよう。
【0030】
添付の特許請求の範囲における全てのミーンズまたはステッププラスファンクション要素の対応する構造、材料、作用、および均等物は、具体的に特許請求されるような他の特許請求される要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または作用を含むことが意図される。本開示の記載は、例示および説明のために示されたものであり、網羅的であること、または本開示を開示された形態に限定されることは意図されていない。多くの修正および変更は、本開示の範囲および要旨から逸脱することなく当業者に明らかであろう。本実施形態は、本開示の原理および実際の適用を最もよく説明するために選ばれ説明されたものであり、当業者が、様々な実施形態について、予期される特定の用途に適している様々な修正と共に、本開示を理解することを可能にする。
【0031】
最後に、代表的な実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
音響吸収材料(110、210)と、
前記音響吸収材料(110、210)を囲む第1のエンクロージャ(112、212)と、
前記第1のエンクロージャ(112、212)を隣接したサイレンサパネル(104、204)セクションの第2のエンクロージャ(212B)に結合するように構成された第1の結合器(270)と
を備えるサイレンサパネル(104、204)セクション。
[実施態様2]
前記第1の結合器(270)は、前記第1のエンクロージャ(112、212)および前記第2のエンクロージャ(212B)の一方にある雄形結合器(272)であって、前記第1のエンクロージャ(112、212)および前記第2のエンクロージャ(212B)の他方にある雌形結合器(274)と嵌合するように構成された、前記第1のエンクロージャ(112、212)および前記第2のエンクロージャ(212B)の一方にある雄形結合器(272)を含む、実施態様1記載のサイレンサパネル(104、204)セクション。
[実施態様3]
前記第1のエンクロージャ(112、212)を別の隣接したサイレンサパネル(104、204)セクションの第3のエンクロージャ(112、212)に結合するように構成された第2の結合器をさらに備える、実施態様1記載のサイレンサパネル(104、204)セクション。
[実施態様4]
前記第1のエンクロージャ(112、212)は、一対の対向する側壁(214)、一対の対向する端壁(262)、ならびに上側エンドキャップおよび下側エンドキャップ(116、118、216、218)をさらに含む、実施態様1記載のサイレンサパネル(104、204)セクション。
[実施態様5]
前記上側エンドキャップおよび下側エンドキャップ(116、118、216、218)の少なくとも1つは、嵌合式雄雌型スライド結合器(282)の第1の部分であって、サイレンサパネル(104、204)フレーム(102、206)にある前記嵌合式雄雌型スライド結合器(282)の第2の部分と嵌合するように構成された、嵌合式雄雌型スライド結合器の第1の部分(282)を含む、実施態様4記載のサイレンサパネル(104、204)セクション。
[実施態様6]
前記第1のエンクロージャ(112、212)は、隣接した端壁間に配置された少なくとも1つの補強材(264)をさらに含む、実施態様4記載のサイレンサパネル(104、204)セクション。
[実施態様7]
前記第1のエンクロージャ(112、212)は、その一対の隣接した側壁の端部にテーパ状の後部(266)を含む、実施態様1記載のサイレンサパネル(104、204)セクション。
[実施態様8]
前記第1のエンクロージャ(112、212)は、その一対の隣接した側壁の端部に丸みを帯びたノーズ部(120、220)を含む、実施態様1記載のサイレンサパネル(104、204)セクション。
[実施態様9]
前記エンクロージャは、少なくとも1つのプラスチックの穴あき側壁を含む、実施態様1記載のサイレンサパネル(104、204)セクション。
[実施態様10]
前記少なくとも1つのプラスチックの穴あき側壁のプラスチックは、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリプロピレン共重合体(PPC)、ポリプロピレンホモポリマー(PPH)、ポリエチレン(PE)、および高密度ポリエチレン(HDPE)からなる群から選択される、実施態様9記載のサイレンサパネル(104、204)セクション。
[実施態様11]
単一のサイレンサパネル(104、204)を形成するように結合されるように構成された複数のセクションを備えたサイレンサパネル(104、204)であって、各セクションは、音響吸収材料(110、210)を囲むエンクロージャ内に前記音響吸収材料(110、210)を含む、サイレンサパネル(104、204)。
[実施態様12]
各セクションは、前記エンクロージャを、隣接したセクションの別のエンクロージャに結合するように構成された第1の結合器(270)をさらに含む、実施態様11記載のサイレンサパネル(104、204)。
[実施態様13]
前記エンクロージャをさらに別の隣接したセクションのエンクロージャに結合するように構成された第2の結合器をさらに備える、実施態様12記載のサイレンサパネル(104、204)。
[実施態様14]
前記第1の結合器(270)は、前記エンクロージャの一方にある雄形結合器(272)であって、前記エンクロージャの他方にある嵌合式雌形結合器(274)と嵌合するように構成された雄形結合器(272)を含む、実施態様12記載のサイレンサパネル(104、204)。
[実施態様15]
各エンクロージャは、一対の対向する側壁(214)と、一対の対向する端壁(262)と、上側エンドキャップおよび下側エンドキャップ(116、118、216、218)とをさらに含む、実施態様11記載のサイレンサパネル(104、204)。
[実施態様16]
前記上側エンドキャップおよび下側エンドキャップ(116、118、216、218)の少なくとも1つは、嵌合式雄雌型スライド結合器(282)の第1の部分であって、サイレンサパネル(104、204)フレーム(102、206)にある前記嵌合式雄雌型スライド結合器(282)の第2の部分と嵌合するように構成された、嵌合式雄雌型スライド結合器(282)の第1の部分を含む、実施態様15記載のサイレンサパネル(104、204)。
[実施態様17]
少なくとも1つのエンクロージャは、隣接した端壁間に配置された少なくとも1つの補強材(264)をさらに含む、実施態様15記載のサイレンサパネル(104、204)。
[実施態様18]
前記単一のサイレンサパネル(104、204)は、サイレンサパネル(104、204)フレーム(102、206)に前記単一のサイレンサパネル(104、204)をスライド可能に配置するための取付部を備える、実施態様11記載のサイレンサパネル(104、204)。
[実施態様19]
前記複数のセクションのうちの1つは、その前記エンクロージャの一対の隣接した側壁の端部にテーパ状の後部(266)を含む、実施態様11記載のサイレンサパネル(104、204)。
[実施態様20]
前記複数のセクションのうちの1つは、その前記エンクロージャの一対の隣接した側壁の端部に丸みを帯びたノーズ部(120、220)を含む、実施態様11記載のサイレンサパネル(104、204)。
[実施態様21]
各エンクロージャは、少なくとも1つのプラスチックの穴あき側壁を含む、実施態様11記載のサイレンサパネル(104、204)。
[実施態様22]
前記少なくとも1つのプラスチックの穴あき側壁のプラスチックは、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリプロピレン共重合体(PPC)、ポリプロピレンホモポリマー(PPH)、ポリエチレン(PE)、および高密度ポリエチレン(HDPE)からなる群から選択される、実施態様21記載のサイレンサパネル(104、204)。
[実施態様23]
作動流体流路を形成するフレームと、
前記フレーム内に配置された複数のサイレンサパネル(104、204)取付部であって、各サイレンサパネル(104、204)取付部は、サイレンサパネル(104、204)をスライド可能に受け入れるように構成されている、複数のサイレンサパネル(104、204)取付部と
を備えるサイレンサダクト(202)。
[実施態様24]
各サイレンサパネル(104、204)取付部は、前記フレーム上に対向関係にある一対の溝を含み、各溝は、前記各溝内の前記サイレンサパネル(104、204)の各端部に位置的に係合するように構成された、実施態様23記載のサイレンサダクト(202)。
[実施態様25]
各溝は、前記フレームの内面から延びる一対のプレートを含む、実施態様24記載のサイレンサダクト(202)。
[実施態様26]
各溝は、前記サイレンサパネル(104、204)を軸方向に配置するように前記フレームの下流端に閉端を含む、実施態様24記載のサイレンサダクト(202)。
[実施態様27]
サイレンサパネル(104、204)がそれぞれの溝から離脱するのを防ぐように構成されたロックをさらに備える、実施態様24記載のサイレンサダクト(202)。
[実施態様28]
前記サイレンサパネル(104、204)取付部は、嵌合式雄雌型スライド結合器(282)の第1の部分であって、前記サイレンサパネル(104、204)にある前記嵌合式雄雌型スライド結合器(282)の第2の部分と嵌合するように構成された、嵌合式雄雌型スライド結合器(282)の第1の部分を含む、実施態様23記載のサイレンサダクト(202)。
[実施態様29]
前記サイレンサパネル(104、204)は、
単一のパネルを形成するように結合されるように構成された複数のセクションであって、各セクションは、音響吸収材料(110、210)を囲むエンクロージャ内に前記音響吸収材料(110、210)を含む、複数のセクションを備え、
各エンクロージャは、前記嵌合式雄雌型スライド結合器(282)の前記第2の部分を含む、
実施態様28記載のサイレンサダクト(202)。
[実施態様30]
各エンクロージャは、一対の対向する側壁(214)と、一対の対向する端壁(262)と、上側エンドキャップおよび下側エンドキャップ(116、118、216、218)とを含み、前記上側エンドキャップおよび下側エンドキャップ(116、118、216、218)の少なくとも1つは、前記嵌合式雄雌型スライド結合器(282)の前記第2の部分を含む、実施態様29記載のサイレンサダクト(202)。