(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0019】
[第1実施形態]
図1〜
図7は、本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器の製造方法の一例を示している。この軟包材容器の製造方法は、
図1及び
図2に示すように、第1重合工程P1、封入部形成工程P2、第2重合工程P3、折りたたみ工程P4、収容部形成工程P5及び切断工程P6を備えており、軟包材容器A1を製造するための方法である。
【0020】
[第1重合工程P1]
第1重合工程P1は、
図1及び
図3に示すように、第1原反シート110と第2原反シート120とを重ね合わせる工程である。第1原反シート110は、軟包材容器A1を構成する後述の第1シート11よりも十分に大きなサイズの合成樹脂製のシートであり、図示された例においては、帯状の原反状態のシートが用いられている。第2原反シート120は、軟包材容器A1を構成する後述の第2シート12よりも十分に大きなサイズの合成樹脂製のシートであり、図示された例においては、帯状の原反状態のシートが用いられている。
【0021】
ここで、第1原反シート110及び第2原反シート120は、後述する工程を経ることにより、軟包材容器A1を形成可能なものであれば、その具体的な材料や層構成は特に限定されない。第1原反シート110及び第2原反シート120は、後述する内容物や充填材を密閉状態で適切に収容し、適度な強度及び柔軟性を有するものであればよい。また、第1原反シート110及び第2原反シート120は、軟包材容器A1を形成するために選択される接合手法を施すことが可能な材質等によって形成されればよい。
【0022】
本実施形態においては、第1原反シート110が外面111及び内面112を有しており、第2原反シート120が外面121及び内面122を有している。第1原反シート110と第2原反シート120とは、内面112と外面121とが対面するように重ね合わされる。この後の接合工程において、たとえばヒートシールが用いられる場合、第1原反シート110の内面112と第2原反シート120の外面121とは、ともにヒートシールが可能なヒートシール性を有するシーラントフィルム層によって構成される。
【0023】
また、第1原反シート110の外面111は、軟包材容器A1の最外表面となるものであるため、適度な強度や耐摩耗性及び耐熱性等を有する基材フィルム層によって構成されることが好ましい。第2原反シート120の内面122は、ヒートシール性の有無や、適度な強度や耐摩耗性及び耐熱性の有無は特に限定されないが、後述する収容部形成工程P5をより好適に実施するためには、外面121と同様のシーラントフィルム層によって構成されることが好ましい。なお、第2原反シート120の外面121を基材フィルム層によって構成する場合、第2原反シート120の適所に孔あけ加工等を施すことにより、第1原反シート110の内面112を適宜露出させることにより、後述の収容部形成工程P5を行うことが好ましい。
【0024】
以上より、図示された例においては、第1原反シート110の内面112、第2原反シート120の外面121及び内面122が、同種のシーラントフィルム層によって構成され、第1原反シート110の外面111が、基材フィルム層によって構成されている。また、第1原反シート110及び第2原反シート120に高いガスバリア性や遮光性が要求される場合には、第1原反シート110及び第2原反シート120は、中間層としてのバリアフィルム層を有することが好ましい。
【0025】
ここで、基材フィルム層、シーラントフィルム層及びバリアフィルム層の構成材料を例示する。なお、これら各層の積層は、慣用のラミネート法、例えば、共押出しラミネーション、接着剤によるドライラミネーション、熱接着性層を挟んで熱により接着させる熱ラミネーション等により行うことができる。
【0026】
基材フィルム層を構成するフィルムとしては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)等)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルスルフォン(PES)等から構成される一層又は二層以上の延伸又は未延伸フィルムが例示できる。
【0027】
シーラントフィルム層を構成するフィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ナイロン(ON)、エチレン−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等から構成される一層又は二層以上の延伸又は未延伸フィルムが例示できる。
【0028】
バリアフィルム層としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等の樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルム(例えば、基材フィルム層であってもよい)に、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物等を蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。
【0029】
第1原反シート110及び第2原反シート120には、内容物の商品名や原材料・使用上の注意事項等の商品説明、その他各種デザイン等を表示するための印刷層(図示せず)を設けることができる。例えば、印刷層は、グラビア印刷等の公知の方法により、基材フィルム層の内側の面に形成できる。なお、上述した第1原反シート110及び第2原反シート120の構成は、後述する胴部21及び底部22などに継承される。
【0030】
図中において想像線で示した充填材封入部予定領域500は、実際に第1原反シート110及び第2原反シート120に形成されているものではなく、以降の工程を想定して、図示された位置に後述する充填材封入部50が設けられることを示すものである。
【0031】
また、第1重合工程P1においては、第1原反シート110と第2原反シート120との間に未膨張充填材590を配置する。図示された例においては、未膨張充填材590は、本体591及び補助体592からなる。本体591及び補助体592は、接合部595によって第1原反シート110又は第2原反シート120に仮止めされる。接合部595の構成は特に限定されず、例えばホットメルト等の接着剤が用いられる。未膨張充填材590の量は、後述の充填材封入部50に充填材59としての二酸化炭素が十分に充填される程度の量として設定される。
【0032】
未膨張充填材590は、膨張現象が生じていない状態の部材であり、膨張現象によって後述の充填材59を生成するものである。未膨張充填材590の膨張原理は特に限定されず、化学反応を利用した現象が一般的であり、単独で或いは複数の剤を混合することで充填材59を発生させればよいが、安全性や品質安定性、生産性等の観点から複数の剤を混合して充填材59を発生させることが好ましく、例えば、未膨張充填材590が、本体591及び補助体592からなる場合が挙げられる。また、このような未膨張充填材590としては、気体の充填材59を生じるものが高い膨張率や取り扱いの便宜から好ましく、無機系発泡剤や有機系発泡剤が挙げられる。特に、発生する充填材59が二酸化炭素である未膨張充填材590が安全性の面から好ましい。なお、二酸化炭素を発生させるためには、炭酸水素塩又は炭酸塩と酸とを反応させればよい。そのため、このような未膨張充填材590としては、本体591として炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素塩又は炭酸カルシウム等の炭酸塩を含むものが好ましい。なお、具体的には、本体591として、炭酸水素塩又は炭酸塩を用い、補助体592として塩酸、硫酸、クエン酸、酢酸等の酸或いはその水溶液を用いて、これらを混合すれば二酸化炭素を発生させることができる。また、市販のベーキングパウダーのように、本体591として、炭酸水素ナトリウムを主剤とする本剤に酸性剤等の助剤や分散剤(遮断剤)が添加されたものを用いる場合は、補助体592として単に水を用いて、混合するだけでも二酸化炭素を発生させることができる。なお、充填材59として酸素を発生させる場合には、例えば、本体591として過酸化水素水を用い、補助体592として二酸化マンガンを触媒として用いればよく、充填材59として水素を発生させる場合には、例えば、本体591として水素よりイオン化傾向の大きい金属(鉄、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等)を用い、補助体592として上述の酸を用いて混合させればよい。以下においては、本体591に、炭酸水素ナトリウムを主剤とする本剤に酸性剤等の助剤や分散剤(遮断剤)が添加されたものを用い、補助体592に水を用いた場合を例に説明する。本体591は、取り扱いの便宜から錠剤や粉粒体等の形態に形成されたもの又はオブラート等の水溶性包材に包装されたものが好ましく、補助体592は、フィルム製の袋に収容された形態のものが用いられる。なお、水である補助体592を意図したタイミングで袋から吐出させるために、補助体592を収容する袋には、圧力等を加えることにより切断可能である切断容易部が設けられていることが好ましい。
【0033】
[封入部形成工程P2]
次いで、
図1、
図4及び
図5に示すように、封入部形成工程P2を行う。封入部形成工程P2は、第1原反シート110及び第2原反シート120に充填材封入部50を形成する工程である。充填材封入部50は、後述する充填材59が密閉状態で封入される部位である。充填材封入部50の形成は、第1原反シート110の内面112と第2シート12の外面121とを部分的に接合し非接合領域を残存させることによりおこなう。この第1原反シート110と第2原反シート120との非接合領域によって充填材封入部50が構成される。第1原反シート110と第2原反シート120との接合手法は特に限定されず、ヒートシール接合、接着剤による接着や圧着等が挙げられる。中でも好ましくは、製造工程の煩雑化を防止することができるヒートシール結合であり、本実施形態においては、ヒートシール接合によって行われている。なお、ヒートシール接合とは、加熱されたヒートシール金型(金型の形状は、棒形状、板形状、ロール形状等、通常公知の金型を用いることができる)による熱溶着に限定されず、超音波シール、高周波シール等、接合部を熱により溶着することができる全ての熱溶着を意味する。また、ヒートシール金型による熱溶着は、第1原反シート110或いは第2原反シート120のいずれか或いは双方に熱溶着を阻害する剥離剤等を印刷等により充填材封入部予定領域500に設けた後、全面をヒートシール金型で加熱することにより行ってもよいし、後述するように所定の熱溶着形状を加工形成したヒートシール金型を用いて行ってもよい。
【0034】
図示された例においては、封入部形成工程P2の第1段階において、ヒートシール金型81によって第1原反シート110及び第2原反シート120が挟まれる。ヒートシール金型81は、第1原反シート110の内面112と第2原反シート120の外面121とを適切にヒートシール接合可能な程度に第1原反シート110及び第2原反シート120を加熱するものである。ヒートシール金型81には、非加熱領域が設定されており、この非加熱領域の形状は、充填材封入部50の形状とされている。ヒートシール金型81の加熱によって互いにヒートシール接合された第1原反シート110及び第2原反シート120の部分は、副シール部40を構成する。次いで、冷却金型82によって、第1原反シート110及び第2原反シート120を冷却する。これにより、第1原反シート110及び第2原反シート120が部分的にヒートシール接合された部位である副シール部40が形成される。また、平面視において副シール部40に囲まれた第1原反シート110及び第2原反シート120の非接合領域によって充填材封入部50が構成される。
【0035】
図4及び
図5に示された例においては、副シール部40は、一対の胴部副シール部41、底側副シール部42及び天側副シール部43を有する。胴部副シール部41は、第1原反シート110の幅方向に互いに離れて設けられている。底側副シール部42は、一対の胴部副シール部41の間に設けられており、一対の胴部副シール部41を繋いでいる。天側副シール部43は、一方の胴部副シール部41に対して底側副シール部42とは反対側に繋がっている。
図5においては、副シール部40において互いに仮接合された第1原反シート110及び第2原反シート120の部分同士が密着して示されており、副シール部40以外の部分は若干の隙間を隔てて離れた態様で示されているが、これは理解の便宜であり、副シール部40以外の部分においても第1原反シート110と第2原反シート120とが接触し得る。この点は、以降の断面図においても同様である。
【0036】
副シール部40の各部の形状は特に限定されず、意図した形状の充填材封入部50を形成しうるものであればよい。
【0037】
充填材封入部50は、第1原反シート110と第2原反シート120との間に隙間が生じうる部位であり、副シール部40によって囲まれている。図示された例においては、充填材封入部50は、一対の胴部充填材封入部51及び底部充填材封入部52を有する。胴部充填材封入部51は、胴部副シール部41によって区画された部分である。底部充填材封入部52は、底側副シール部42によって区画された部分であり、一対の胴部充填材封入部51を繋いでいる。即ち、一対の胴部充填材封入部51と底部充填材封入部52は、その一部が連続して繋がっている一つの充填材封入部50となっている。
【0038】
[第2重合工程P3]
次いで、
図1及び
図3に示すように、第2重合工程P3を行う。第2重合工程P3は、第3原反シート130を第2原反シート120側に重ね合わせる工程である。第3原反シート130は、本実施形態の軟包材容器A1において後述する内容物69を収容するための収容部60を構成する第3シート13になる原反シートである。第3原反シート130の材質及び層構造は、内容物69を適切に収容することが可能であり、収容部60を有する軟包材容器A1形成するための接合手法等に適したものが好ましい。本実施形態においては、接合手法としてヒートシール接合を採用することから、第3原反シート130の外面131及び内面132は、上述したシーラントフィルム層によって構成される。また、第3原反シート130に所定のバリア性を付与することが好ましい場合、外面131を構成するシーラントフィルム層と内面132を構成するシーラントフィルム層との間に上述したバリアフィルム層を設けることが好ましい。また、第3原反シート130も上述した第1原反シート110及び第2原反シート120と同様に、内容物の商品名や原材料・使用上の注意事項等の商品説明、その他各種デザイン等を表示するための印刷層(図示せず)を設けることができる。なお、本実施形態とは異なり、第3原反シート130を用いることなく、第1原反シート110及び第2原反シート120を用いて軟包材容器を製造してもよい。この場合、後述する収容部60は、たとえば第2シート12によって構成される。
【0039】
なお、第2原反シート120側に第3原反シート130を重ねた状態で、複数の補助接合部(図示略)を形成してもよい。補助接合部は、第3原反シート130の位置ずれを防止するものであり、軟包材容器A1の製造を阻害しない範囲であれば、その位置、数、形状、大きさ等は特に限定されない。このような補助接合部は、たとえば第2原反シート120の内面122と第3原反シート130の外面131とをヒートシール接合することによって形成される。なお、補助接合部を形成するための他の接合手法としては、例えば接着剤による接着や圧着等が挙げられる。
【0040】
[折りたたみ工程P4]
次いで、
図2に示すように、折りたたみ工程P4を行う。折りたたみ工程P4は、第1原反シート110が外側となり第3原反シート130の内面132同士が対面するように、重ね合わされた第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を折りたたむ工程である。また、折りたたみ工程P4においては、充填材封入部50が、その内部が通じた状態で後述する折り位置を介した両側の所定の面に存在するように折りたたむ。
【0041】
図示された例においては、第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を二つ折りにする。第1原反シート110の幅方向中央寄りに位置する折り曲げ線151に沿って第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を折りたたむ。折りたたまれた後の第1原反シート110及び第2原反シート120においては、底部を挟んだ両側に分かれて一対の胴部充填材封入部51が存在している。一対の胴部充填材封入部51は、底部充填材封入部52によって連結されており、互いの内部が通じている。
【0042】
また、本実施形態においては、折りたたみ工程P4において、スパウト挿入工程を行う。具体的には、
図6に示すように、互いに対面する第3原反シート130の間に、スパウト70を挿入する。スパウト70は、軟包材容器A1において内容物69を摂取するための開口となる部位であり、また内容物69を充填するための充填口として用いられてもよい。図示された例においては、スパウト70は、外筒部71、フランジ部72及び内筒部73を有する。外筒部71及び内筒部73は、筒状部分であり、直列に繋がっている。フランジ部72は、外筒部71及び内筒部73の境界に設けられており、径方向に突出している。図示された例においては、第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130の図中上端にフランジ部72が当接する程度の位置にスパウト70が配置されている。スパウト70は、例えば第3原反シート130の内面132を構成するシーラントフィルム層とヒートシール接合が可能な樹脂材料等からなる。
【0043】
[収容部形成工程P5]
次いで、
図2及び
図7に示すように、収容部形成工程P5を行う。収容部形成工程P5は、第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130に主シール部30を形成する工程である。主シール部30の形成に用いられる接合手法としては、特に限定されないが、所望の部位を確実に接合しうることから、ヒートシール接合が好ましい。本実施形態においては、
図2に示すヒートシール金型83を用いて、ハッチングが新たに施された領域を加熱する。主シール部30を形成するための他の接合手法としては、例えば接着剤による接着や圧着等が挙げられる。
【0044】
収容部形成工程P5においては、互いに重なり合った第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130をヒートシール接合し、第3原反シート130の対面する一部同士をヒートシール接合する。すなわち、第1原反シート110の内面112及び第2原反シート120の外面121と第2原反シート120の内面122及び第3原反シート130の外面131とをヒートシール金型83によって加熱する。また、折りたたみ工程P4によって第3原反シート130の内面132同士が対面するように第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130が折りたたまれているため、ヒートシール金型83によって加熱される領域においては、対面する第3原反シート130の内面132同士が加熱される。また、本実施形態においては、収容部形成工程P5において、スパウト70を第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130に取り付けるスパウト取付工程を行う。具体的には、スパウト70の内筒部73と第3原反シート130の内面132とをヒートシール接合する。これにより、スパウト70と第3原反シート130とが接合され、スパウト70が第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130に取り付けられる。
【0045】
次いで、ヒートシール金型83によって加熱された領域を冷却金型84によって冷却することにより、主シール部30が形成される。なお、主シール部30はすでに形成された副シール部40の一部と重なる構成であってもよいが、充填材封入部50と重なるものでないことが好ましい。
【0046】
図7に示すように、主シール部30は、一対のサイド主シール部31、底側主シール部32及び天側主シール部33を有する。サイド主シール部31は、胴部副シール部41の外側に位置している。サイド主シール部31においては、重なり合う第3原反シート130の内面132同士がヒートシール接合されており、またこれらの第3原反シート130の外面131に両側から第2原反シート120の内面122がヒートシール接合されている。
【0047】
底側主シール部32は、副シール部40の底側副シール部42の外側に位置している。天側主シール部33は、天側副シール部43の外側に位置している。
【0048】
第3原反シート130が折りたたまれた後に主シール部30が形成されることにより、第3原反シート130が収容部60を構成している。収容部60は、第3原反シート130と主シール部30とによって気密性を有する空間とされており、内容物69を収容するためのものである。なお、本実施形態においては、スパウト70を通じて収容部60が外部に通じている。また、充填材封入部50は、第1原反シート110と第2原反シート120との非接合領域によって形成されているため、収容部60の外側に位置している。
【0049】
[切断工程P6]
次に、
図2に示すように、切断工程P6を行う。切断工程P6は、切断予定線17に沿って第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を切断する工程である。この工程により、第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130の不要部分が取り除かれ、同形状且つ同サイズである第1シート11、第2シート12及び第3シート13が形成され、
図8及び
図9に示す軟包材容器A1が得られる。
【0050】
[軟包材容器A1]
図8及び
図9は、本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器を示している。本実施形態の軟包材容器A1は、第1シート11、第2シート12、第3シート13、スパウト70及び未膨張充填材590を備えており、一対の胴部21、底部22、主シール部30、副シール部40、充填材封入部50及び収容部60が形成されている。
【0051】
第1シート11、第2シート12及び第3シート13は、外側からこの順で重ね合わされている。第1シート11、第2シート12及び第3シート13は、合成樹脂製のシートからなる。第1シート11は、外面111及び内面112を有し、第2シート12は、外面121及び内面122を有し、第3シート13は、外面131及び内面132を有する。本実施形態においては、第1シート11の内面112と第2シート12の外面121とが接合されることにより、副シール部40が形成されており、第1シート11と第2シート12との非接合領域によって充填材封入部50が形成されている。充填材封入部50は、第1シート11と第2シート12との間に空間を生じうる部位であり、副シール部40によって気密状態で封止されている。また、本実施形態においては、第3シート13の内面132によって収容部60が構成されている。
【0052】
一対の胴部21は、収容部60を挟むように前面及び背面をなす部位である。底部22は、一対の胴部21の下端同士を繋ぐ折返し部分である。
【0053】
本実施形態の副シール部40は、一対の胴部副シール部41、底側副シール部42及び天側副シール部43を含む。一対の胴部副シール部41は、胴部21に形成されている。底側副シール部42は、底部22に形成されている。天側副シール部43は、胴部21の上側に設けられている。
【0054】
このような構成の副シール部40によって囲まれた非接合領域が充填材封入部50とされている。充填材封入部50は、第1シート11及び第2シート12に挟まれた空間であり、副シール部40によって密閉状態で封止されている。すなわち、充填材封入部50は、外部には通じていない。本実施形態の充填材封入部50は、一対の胴部充填材封入部51及び底部充填材封入部52を含む。一対の胴部充填材封入部51は、一対の胴部21に形成されている。底部充填材封入部52は、底部22に形成されており、一対の胴部充填材封入部51の内部を繋いでいる。
【0055】
主シール部30は、一対のサイド主シール部31、底側主シール部32及び天側主シール部33を有する。一対のサイド主シール部31は、一対の胴部21の両側端部同士が接合された部位であり、第1シート11、第2シート12及び第3シート13が積層されて接合されている。底側主シール部32は、一対の胴部21の下端両側部分が接合された部位である。天側主シール部33は、一対の胴部21の上端部分同士が接合された部位と、一対の胴部21とスパウト70の内筒部73とが接合された部位と、を有する。収容部60は、主シール部30が形成されることによって第3シート13の内面によって規定された空間である。
【0056】
図示された例においては、充填材封入部50の胴部充填材封入部51に、本体591及び補助体592からなる未膨張充填材590が封入されている。
【0057】
図10は、軟包材容器A1に膨張現象を生じさせる膨張行程を示している。図示された例においては、使用者が水である補助体592が収容された袋を、胴部21とともに押しつぶすことにより、この袋に設けられた切断容易部を切断する。これにより、補助体592が袋から流出し、本体591と混合される。本体591と補助体592との混合により、本例においては、二酸化炭素が発生する。この二酸化炭素が本実施形態における充填材59を構成し、充填材封入部50内に封入される。この結果、充填材封入部50に充填材59が封入された状態となる。
【0058】
図11及び
図12は、膨張工程によって充填材59が充填材封入部50封入された状態の軟包材容器A1に内容物69が収容された軟包材容器包装体B1を示している。同図において、充填材59が封入された充填材封入部50には、理解の便宜として複数の離散点からなるハッチングを付している。内容物69の収容部60への充填は、例えばスパウト70を通じて行う。ここで、収容部60は、充填材封入部50とは区画された別の空間である。したがって、充填材封入部50における未膨張充填材590の膨張工程は、収容部60に内容物69を充填する前でもよいし(
図10の状態)、収容部60に内容物69を充填しキャップ74によってスパウト70を封鎖した後に行ってもよい。例えば、収容部60に内容物69を充填する際に一対の胴部21及び底部22等の剛性が高められていることが好ましい場合には、内容物69の充填に先立ち未膨張充填材590を膨張させ充填材59を生成することができる。一方、内容物69の充填に際し一対の胴部21及び底部22の高剛性化が不要である場合は、内容物69を充填した後の任意のタイミングで未膨張充填材590を膨張させればよい。
【0059】
次に、軟包材容器A1の作用について説明する。
【0060】
本実施形態によれば、充填材封入部50に未膨張充填材590が収容されている。未膨張充填材590は、膨張現象を生じることにより充填材59を生成する。充填材59が生成されると、充填材封入部50は、充填材59が封入された状態となり剛性が高められる。したがって、軟包材容器A1によれば、充填材封入部50に充填材59を充填するための充填口等を設ける必要がなく、このような充填口から充填材59を充填する作業が不要であり、充填材封入部50に充填材59をより容易に充填することができる。
【0061】
また、未膨張充填材590を膨張させる膨張工程は、収容部60に内容物69を充填する前でも後でもよい。例えば、充填材封入部50に未膨張充填材590が収容された状態で、使用者が軟包材容器包装体B1を購入し、この後に使用者が膨張工程を行ってもよい。この場合、軟包材容器包装体B1の製造完了から搬送を経て店頭等に陳列され購買されるに至る間において、充填材封入部50は、未膨張充填材590を収容するのみであり、充填材59によって内圧が負荷された状態ではない。したがって、充填材封入部50を構成する第1シート11及び第2シート12に長期間において張力が作用することを回避し、意図しない孔が生じること等を防止することができる。また、充填材59が生成されていない未膨張の状態の未膨張充填材590を含む軟包材容器A1は、運搬時の運搬効率を向上させるのに好ましい。
【0062】
炭酸塩又は炭酸水素塩を含む本体591が採用されていることにより、本体591と補助体592との混合のみによって常温下において未膨張充填材590に膨張現象を生じさせることが可能であり、加熱等の処理が不要である。したがって、例えば購入者が使用に際して未膨張充填材590を膨張させることが容易であるという利点がある。また、本体591として本剤である炭酸水素ナトリウムに酸性剤等の助剤や分散剤(遮断剤)が添加されたものを用いることにより、補助体592として水を採用することが可能である。
【0063】
また、本実施形態によれば、一対の胴部充填材封入部51及び底部充填材封入部52の内部が通じていることにより、未膨張充填材590を膨張させれば一対の胴部21及び底部22を一括して高剛性化することができる。
【0064】
図13〜
図22は、本発明の変形例及び他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0065】
[変形例]
図13は、本発明の軟包材容器A1及び軟包材容器包装体B1の変形例を示している。本変形例においては、底側副シール部42及び底部充填材封入部52が、上述した実施形態よりも大きな部位として形成されている。底側副シール部42は、図中左右に分かれた2つの帯状部分と中央部分とを有する。底部充填材封入部52は、互いに略平行となった2つの帯状部分を有する。
【0066】
一対の胴部21は、サイド主シール部31によって互いに接合されているが、底側副シール部42及び底部充填材封入部52が比較的大きい領域として形成されていることから、底部22が、全体として平坦な略矩形状部分として形成された構成となっている。充填材封入部50に充填材59が充填されていることにより、底部22は、底部充填材封入部52によって剛性が高められている。
【0067】
本変形例によっても、充填材封入部50に充填材59をより容易に充填することができる。また、このような変形例によれば、例えば店頭の陳列棚の上面に底部22を載置する姿勢で、軟包材容器包装体B1を自立させることが可能である。
【0068】
[第2実施形態]
図14は、本発明の第2実施形態に基づく軟包材容器を示している。軟包材容器A2は、一対の把持部25を有している。一対の把持部25は、一対の胴部21につながっており、第1シート11及び第2シート12からなる。把持部25には、貫通孔251が形成されている。また、副シール部40は、把持部副シール部45を含み、充填材封入部50は、把持部充填材封入部55を含んでいる。把持部副シール部45は、副シール部40のうち把持部25に形成された部分である。把持部充填材封入部55は、把持部副シール部45によって囲まれた第1シート11及び第2シート12のみ接合領域である。図示された例においては、把持部充填材封入部55は、胴部充填材封入部51に繋がっている。
【0069】
本変形例においても、未膨張充填材590は、胴部充填材封入部51に収容されているが、例えば把持部充填材封入部55に収容されていてもよい。本体591及び補助体592の量は、一対の胴部充填材封入部51、底部充填材封入部52及び把持部充填材封入部55に充填材59としての二酸化炭素が十分に充填される程度の量として設定される。
【0070】
図15は、軟包材容器A2を用いて製造された軟包材容器包装体B2を示している。図示された軟包材容器包装体B2は、未膨張充填材590に膨張現象を生じさせた後の状態であり、充填材封入部50に充填材59が封入されている。
【0071】
本実施形態によっても、充填材封入部50に充填材59をより容易に充填することができる。また、本実施形態によれば、胴部充填材封入部51、底部充填材封入部52及び把持部充填材封入部55に充填材59を封入することにより、一対の胴部21、底部22及び把持部25を一括して高剛性化することが可能である。これにより、軟包材容器A2(軟包材容器包装体B2)は、内容物69を収容する部分及び使用者が把持する部分のいずれもが剛性が高くより使用しやすいものとなる。なお、未膨張充填材590を膨張させる膨張工程は、内容物69の充填の前でも後でも良いが、把持部25の膨張による高剛性化は、使用者が内容物69としての飲料を飲む等のタイミングの直前が好ましい。このため、未膨張充填材590は、内容物69の充填後の使用時に膨張されるとよい。
【0072】
[第3実施形態]
図16〜
図21は、本発明の第3実施形態に基づく軟包材形成体の製造方法を示している。
【0073】
図16に示すように、本実施形態の製造方法においては、第1原反シート110及び第2原反シート120を用いる。これらの第1原反シート110及び第2原反シート120は、
図17に示す複数の軟包材形成体D3を製造するための複数の第1シート11及び第2シート12を形成可能である原反シートである。軟包材形成体D3は、例えば後述する軟包材容器包装体B3に取り付けられる部品を構成し、図示された例においては、把持部として使用される。ただし、軟包材形成体D3の製造方法はこれらの原反シートを用いる方法に限定されず、例えば1つの軟包材形成体D3を製造するための第1シート11及び第2シート12を用いる方法であってもよい。
【0074】
[重合工程]
まず、
図16に示すように、重合工程を行う。重合工程は、第1原反シート110と第2原反シート120とを重ね合わせる工程である。第1原反シート110は、後述の第1シート11よりも十分に大きなサイズの合成樹脂製のシートであり、図示された例においては、帯状の原反状態のシートが用いられている。第2原反シート120は、後述の第2シート12よりも十分に大きなサイズの合成樹脂製のシートであり、図示された例においては、帯状の原反状態のシートが用いられている。
【0075】
第1原反シート110及び第2原反シート120は、後述する工程を経ることにより、軟包材形成体D3を形成可能なものであれば、その具体的な材料や層構成は特に限定されない。第1原反シート110及び第2原反シート120は、充填材59を密閉状態で適切に収容し、適度な強度及び柔軟性を有するものであればよい。また、第1原反シート110及び第2原反シート120は、軟包材形成体D3を形成するために選択される接合手法を施すことが可能な材質等によって形成されればよい。
【0076】
本実施形態においては、第1原反シート110が外面111及び内面112を有しており、第2原反シート120が外面121及び内面122を有している。上述した実施形態において軟包材容器A1,A2における場合と異なり、本実施形態においては、第1原反シート110と第2原反シート120とは、内面112と内面122とが対面するように重ね合わされる。この後の接合工程において、例えばヒートシールが用いられる場合、第1原反シート110の内面112と第2原反シート120の内面122とは、ともにヒートシールが可能なヒートシール性を有する上述のシーラントフィルム層によって構成される。
【0077】
また、第1原反シート110の外面111は、軟包材形成体D3の最外表面となるものであるため、適度な強度や耐摩耗性及び耐熱性等を有する上述の基材フィルム層によって構成されることが好ましい。第2原反シート120の外面121は、ヒートシール性の有無や、適度な強度や耐摩耗性及び耐熱性の有無は特に限定されないが、後述する軟包材容器包装体B3と軟包材形成体D3との接合が接合部19によってなされる場合、外面111と同様の基材フィルム層によって構成されることが好ましい。
【0078】
以上より、図示された例においては、第1原反シート110の内面112及び第2原反シート120の内面122が、同種のシーラントフィルム層によって構成され、第1原反シート110の外面111及び第2原反シート120の外面121が、基材フィルム層によって構成されている。また、第1原反シート110及び第2原反シート120に高いガスバリア性や遮光性が要求される場合には、第1原反シート110及び第2原反シート120は、中間層としての上述のバリアフィルム層を有することが好ましい。このような構成の第1原反シート110及び第2原反シート120は、上述したシーラントフィルム層、バリアフィルム層及び基材フィルム層が積層された1枚の原反状態のシートを、2分割することによって形成してもよい。
【0079】
第1原反シート110及び第2原反シート120には、内容物の商品名や原材料・使用上の注意事項等の商品説明、その他各種デザイン等を表示するための印刷層(図示せず)を設けることができる。例えば、印刷層は、グラビア印刷等の公知の方法により、基材フィルム層の内側の面に形成できる。なお、上述した第1原反シート110及び第2原反シート120の構成は、後述する軟包材形成体D3に継承される。
【0080】
また、重合工程においては、第1原反シート110と第2原反シート120との間に未膨張充填材590を配置する。図示された例においては、本体591及び補助体592は、接合部595によって第1原反シート110又は第2原反シート120に仮止めされる。接合部595の構成は特に限定されず、例えばホットメルト等の接着剤が用いられる。
【0081】
また、図示された例においては、第2原反シート120の外面121の幅方向両側に一対の接合テープ190が貼り付けられる。接合テープ190は、後述の工程において軟包材形成体D3を軟包材容器包装体B3に取り付けるための部位を形成する部材である。接合テープ190の構成は、接合を実現しうるものであれば特に限定されず、本例においては例えば両面テープが用いられる。
【0082】
[封入部形成工程]
次いで、封入部形成工程を行う。封入部形成工程は、第1原反シート110及び第2原反シート120に充填材封入部50を形成する工程である。充填材封入部50は、後述する充填材59が密閉状態で封入されるための部位であり、本実施形態においては未膨張充填材590が収容される。充填材封入部50の形成は、第1原反シート110の内面112と第2原反シート120の内面122とを部分的に接合し被接合領域を残存させることにより行う。この第1原反シート110と第2原反シート120との被接合領域によって充填材封入部50が構成される。第1原反シート110と第2原反シート120との接合手法は特に限定されず、ヒートシール接合、接着剤による接着や圧着等が挙げられる。中でも好ましくは、製造工程の煩雑化を防止することができるヒートシール結合であり、本実施形態においては、ヒートシール接合によって行われている。なお、ヒートシール接合とは、加熱されたヒートシール金型(金型の形状は、棒形状、板形状、ロール形状等、通常公知の金型を用いることができる)による熱溶着に限定されず、超音波シール、高周波シール等、接合部を熱により溶着することができる全ての熱溶着を意味する。また、ヒートシール金型による熱溶着は、第1原反シート110或いは第2原反シート120のいずれか或いは双方に熱溶着を阻害する剥離剤等を印刷等により所定の形状に設けた後、全面をヒートシール金型で加熱することにより行ってもよいし、所定の熱溶着形状を加工形成したヒートシール金型を用いて行ってもよい。
【0083】
封入部形成工程の一例においては、第1段階において、図示しないヒートシール金型によって第1原反シート110及び第2原反シート120が挟まれる。当該ヒートシール金型は、第1原反シート110の内面112と第2原反シート120の内面122とを適切にヒートシール接合可能な程度に第1原反シート110及び第2原反シート120を加熱するものである。このヒートシール金型には、非加熱領域が設定されており、この非加熱領域の形状は、充填材封入部50の形状とされており、当該非加熱領域に未膨張充填材590が含まれるようにヒートシール金型を配置する。ヒートシール金型の加熱によって互いにヒートシール接合された第1原反シート110及び第2原反シート120の部分は、副シール部40を構成する。次いで、図示しない冷却金型によって、第1原反シート110及び第2原反シート120を冷却する。これにより、第1原反シート110及び第2原反シート120が部分的にヒートシール接合された部位である副シール部40が形成される。また、平面視において副シール部40に囲まれた第1原反シート110及び第2原反シート120の非接合領域によって充填材封入部50が構成される。
【0084】
[切断工程]
次いで、第1原反シート110及び第2原反シート120を切断することにより、第1原反シート110及び第2原反シート120のうち副シール部40及び充填材封入部50が形成された部分を個片化する。これにより、
図17及び
図18に示す軟包材形成体D3が得られる。軟包材形成体D3の形状や大きさは特に限定されず、図示された例においては、平面視長矩形状であって、四隅が延出した左右対称の形状となっている。
【0085】
左右中央の上下端には、一対の切欠部252が設けられている。副シール部40は、充填材封入部50を密閉しており、図示された例においては、外周部451及び中央部452を有する。外周部451は、軟包材形成体D3の外周に沿って設けられた部分である。中央部452は、平面視において外周部451に内包されており、充填材封入部50に囲まれている。中央部452の図中左右方向の位置は、一対の切欠部252と一致している。中央部452は、図中上下方向において一対の切欠部252の間に位置している。
【0086】
未膨張充填材590を構成する本体591及び補助体592のそれぞれは、接合部595に仮止めされた状態で、充填材封入部50に収容されている。また、切断工程において切断された接合テープ190の一部は、軟包材形成体D3の四隅に設けられた4つの接合部19を構成する。
【0087】
図19は、軟包材形成体D3を軟包材容器包装体B3の一対の胴部21に取り付ける工程を示している。図示された例においては、第3シート13及びスパウト70を有し、一対の胴部21、底部22、主シール部30及び収容部60が形成され、収容部60に内容物69が既に充填された軟包材容器包装体B3が用意されている。例えば、この軟包材容器包装体に軟包材形成体D3が付属品として添付された状態で販売される。
【0088】
第3シート13は、外面131及び内面132を有する合成樹脂製のシートである。外面131は、上述した基材フィルム層からなり、内面132は、上述したシーラントフィルム層からなる。また、第3シート13は、中間層として上述のバリアフィルム層を有してもよい。一対の胴部21は、前面及び背面をなす部位である。底部22は、一対の胴部21の下端同士を繋いでおり、図示された例においては、谷折りに折りたたまれた形状とされている。
【0089】
主シール部30は、一対のサイド主シール部31、底側主シール部32及び天側主シール部33を含む。一対のサイド主シール部31は、胴部21の両側部分同士が接合された部位である。底側主シール部32は、胴部21と底部22との両側部分及び下端部分同士が接合された部位である。天側主シール部33は、一対の胴部21の上端部分同士が接合された部位と、一対の胴部21及びスパウト70が接合された部位とを有する。主シール部30とスパウト70とによって密閉された内部空間が収容部60を構成している。スパウト70は、収容部60への内容物69の充填や収容部60からの内容物69の注出等に用いられるものである。
【0090】
図19に示すように、軟包材容器包装体B3及び軟包材形成体D3の購入者は使用に際し、軟包材形成体D3の左右方向における片側の2つの接合部19を一方の胴部21の側方端部分に接合する。次いで、一対の切欠部252において第2シート12が内側となり、第1シート11が外側となるように軟包材形成体D3を二つ折りに折りたたむ。そして、もう片側の2つの接合部19を他方の胴部21に接合する。これにより、
図20及び
図21に示すように軟包材容器包装体B3への軟包材形成体D3の取り付けが完成する。軟包材容器包装体B3に軟包材形成体D3が取り付けられた状態では、一対の胴部21から軟包材形成体D3が側方に延出している。図示された軟包材形成体D3は、充填材封入部50内の未膨張充填材590が未だ膨張していない状態である。
【0091】
[膨張工程]
軟包材形成体D3において、上述の実施形態と同様の膨張工程を行う。これにより、補助体592が袋から流出し、本体591と混合され、二酸化炭素が発生する。この結果、
図22に示すように、軟包材形成体D3は、充填材封入部50に充填材59が封入された状態となる。軟包材形成体D3は、把持部充填材封入部55が二酸化炭素によって満たされることにより、剛性が高められた状態となる。使用者は、剛性が高められた軟包材形成体D3を把持部として用いることにより、軟包材容器包装体B3から内容物69を注出する動作を行う。
【0092】
本実施形態によれば、軟包材形成体D3が、軟包材容器包装体B3とは別体として形成されていることにより、収容部60への内容物69の充填工程と、軟包材形成体D3の製造工程とを別々の場所やタイミングで行うことが可能である。これは、製造効率の向上等に有利である。また、軟包材形成体D3を添付することが望ましい商品と添付がそれほど必要ではない商品とで、軟包材形成体D3の有無を任意に選択できる。また、軟包材形成体D3が取付けられる対象物は、軟包材容器や軟包材容器包装体に限定されず、成形容器やカップ等、公知の種々の容器に接合して用いることができる。
【0093】
本発明に係る軟包材容器、軟包材容器包装体及び軟包材形成体は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る軟包材容器、軟包材容器包装体及び軟包材形成体の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。