(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
2本の第1の導線の端部を保持するインタロックコネクタと、2本の第2の導線各々の端部に固定された一対のターミナルと、該インタロックコネクタおよび該一対のターミナルを収容するハウジングとを備えた相手コネクタに着脱自在に嵌合するコネクタであって、
前記インタロックコネクタに挿し込まれて前記2本の第1の導線を短絡させるインタロックバスバと、
前記一対のターミナルを挟んで短絡させるクリップバスバと、
前記インタロックバスバおよび前記クリップバスバを収容するハウジングと、
回動操作されて前記相手コネクタとの嵌合および離脱を担うレバーと、
前記ハウジングに支持されて離脱位置と嵌合位置との間でスライド操作されるスライダとを備え、
前記レバーが、
前記相手コネクタとの嵌合状態における該レバーの、離脱の向きへの前半部の回動操作により、前記一対のターミナルを前記クリップバスバに挟んで短絡させた状態のまま、前記インタロックバスバを前記インタロックコネクタから抜き取って前記2本の第1の導線の短絡を解除させ、
前記スライダが、前記嵌合位置にあって、前記レバーの前記前半部の回動操作終了の時点で該レバーに干渉することにより、該レバーの、該前半部よりも後の後半部の回動操作を阻止し、該スライダが前記離脱位置へスライド操作された後に、該レバーの、該後半部の回動操作を許容することを特徴とするコネクタ。
前記スライダが、前記離脱位置にあって当該コネクタが前記相手コネクタから離脱した離脱状態にあるときに前記ハウジングとの干渉により前記嵌合位置へのスライドが阻止され、該相手コネクタとの嵌合により該相手コネクタに押されて該スライダの該嵌合位置へのスライド阻止が解除されるスライドロック突起を備えたことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
前記スライダは、当該コネクタが前記相手コネクタに嵌合した嵌合状態にあって該スライダが前記嵌合位置にあるときに、前記スライドロック突起と前記ハウジングとの干渉により前記離脱位置へのスライドが阻止されるとともに該スライダと前記レバーとの干渉により該スライドロック突起の該ハウジングとの干渉の解除操作が阻止され、該レバーの前記前半部の回動操作により該解除操作が許容されることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【背景技術】
【0002】
例えば、電気自動車やハイブリッドカーに搭載されているバッテリには、バッテリ内の電力供給部と車内の電気系統からなる負荷部との間の通電を遮断するサービスプラグが搭載されている。このサービスプラグは、車内の電気系統のメンテナンス等における作業安全性を確保するためのコネクタである。
【0003】
このサービスプラグは、電力供給部側に接続されているキャップコネクタと、そのキャップコネクタに対し離脱自在に嵌合するプラグコネクタとからなる。車のメンテナンス作業にあたっては、キャップコネクタに嵌合しているプラグコネクタが、そのキャップコネクタから取り外される。これにより、車内の電気系統への給電が遮断され、作業者の安全が確保される。
【0004】
具体的には、このサービスプラグを構成するキャップコネクタには、一対のターミナルと、インタロックコネクタとを備えている。一対のターミナルの各々は大電流が流れる2本の導線の各々の端部に固定されている。この一対のターミナルは互いに短絡され、それら2本の導線を通って、例えば100Aもの大電流が流れる。また、インタロックコネクタは、2本の信号線の一端を保持している。このインタロックコネクタは、ターミナルを通って流れる大電流のオン/オフの制御を担っている。すなわち、このインタロックコネクタに保持されている2本の信号線を短絡させるとターミナルを通って大電流が流れる。一方、2本の信号線の短絡を解除するとターミナルを通って流れる大電流が遮断される。
【0005】
そのキャップコネクタと嵌合するプラグコネクタは、キャップコネクタとの嵌合により、そのキャップコネクタに備えられている一対のターミナルを短絡させるとともに、2本の信号線を短絡させる。
【0006】
特許文献1には、このサービスプラグの一例が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のサービスプラグを構成するプラグコネクタは、キャップコネクタとの嵌合解除にあたっては、先ずは2本の信号線の短絡を解除してターミナルを通って流れる電流を確実に遮断させてから、ターミナルの短絡を解除する必要がある。ここで、信号線の短絡を解除してからターミナルを通って流れる電流が確実に遮断されるまでには、ある一定時間以上の時間を必要とする。したがって、プラグコネクタには、キャップコネクタから取り外すにあたり、信号線の短絡を解除した後、ターミナルの短絡を解除するよりも前に、上記の一定時間以上の時間が確実に確保される構造が求められる。
【0009】
ここで、上掲の特許文献1に開示されたサービスプラグの場合、レバーの持ち上げ操作とスライド操作とにより、上記の一定時間以上の時間を確保しようとしている。しかしながら、この特許文献1のサービスプラグの場合、レバーの持ち上げ操作とスライド操作を連続的に行うことができるため、上記の一定時間以上の時間が確実に確保されるとは言い難い。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、ターミナルへの通電が確実に遮断された後にターミナルの短絡が解除されるコネクタおよびコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明のコネクタは、
2本の第1の導線の端部を保持するインタロックコネクタと、2本の第2の導線各々の端部に固定された一対のターミナルと、インタロックコネクタおよび一対のターミナルを収容するハウジングとを備えた相手コネクタに着脱自在に嵌合するコネクタであって、
インタロックコネクタに挿し込まれて上記2本の第1の導線を短絡させるインタロックバスバと、
上記一対のターミナルを挟んで短絡させるクリップバスバと、
インタロックバスバおよびクリップバスバを収容するハウジングと、
回動操作されて相手コネクタとの嵌合および離脱を担うレバーと、
ハウジングに支持されて離脱位置と嵌合位置との間でスライド操作されるスライダとを備え、
上記レバーが、
相手コネクタとの嵌合状態におけるレバーの、離脱の向きへの前半部の回動操作により、上記一対のターミナルをクリップバスバに挟んで短絡させた状態のまま、インタロックバスバをインタロックコネクタから抜き取って上記2本の第1の導線の短絡を解除させ、
上記スライダが、嵌合位置にあって、レバーの前半部の回動操作終了の時点でレバーに干渉することにより、レバーの、上記前半部よりも後の後半部の回動操作を阻止し、スライダが離脱位置へスライド操作された後に、レバーの、上記後半部の回動操作を許容することを特徴とする。
【0012】
本発明のコネクタの場合、インタロックバスバがインタロックコネクタから抜き取られた後、レバーの回動操作を一旦停止してスライダを離脱位置へスライドさせる必要がある。このスライド操作の間、時間が空き、ターミナルの通電が確実に遮断されてからターミナルの短絡が解除される。
【0013】
ここで、本発明のコネクタにおいて、上記スライダが、離脱位置にあってこのコネクタが相手コネクタから離脱した離脱状態にあるときに、ハウジングとの干渉により嵌合位置へのスライドが阻止され、相手コネクタとの嵌合により相手コネクタに押されてスライダの嵌合位置へのスライド阻止が解除されるスライドロック突起を備えることが好ましい。
【0014】
このスライドロック突起を備えると、離脱位置から嵌合位置への不用意なスライドが阻止される。
【0015】
また、上記のスライドロック突起を備えた構成において、上記スライダは、このコネクタが相手コネクタに嵌合した嵌合状態にあってスライダが嵌合位置にあるときに、スライドロック突起とハウジングとの干渉により離脱位置へのスライドが阻止されるとともにスライダとレバーとの干渉によりスライドロック突起のハウジングとの干渉の解除操作が阻止され、レバーの前半部の回動操作によりその解除操作が許容されることが好ましい。
【0016】
この構成により、嵌合状態における、スライダの嵌合位置から離脱位置へのスライドが確実に阻止され、ターミナルの通電が確実に遮断されてからターミナルの短絡が解除されるという安全性についての信頼性が一層向上する。
【0017】
また、上記目的を達成するための本発明のコネクタ組立体は、
2本の第1の導線の端部を保持するインタロックコネクタと、
2本の第2の導線各々の端部に固定された一対のターミナルと、
インタロックコネクタおよび一対のターミナルを収容する第1ハウジングとを備えた第1コネクタ、および
インタロックコネクタに挿し込まれて上記2本の第1の導線を短絡させるインタロックバスバと、
上記一対のターミナルを挟んで短絡させるクリップバスバと、
インタロックバスバおよびクリップバスバを収容する第2ハウジングと、
回動操作されて第1コネクタとの嵌合および離脱を担うレバーと、
第2ハウジングに支持されて離脱位置と嵌合位置との間でスライド操作されるスライダとを備え、
上記レバーが、
第1コネクタとの嵌合状態におけるレバーの、離脱の向きへの前半部の回動操作により、上記一対のターミナルをクリップバスバに挟んで短絡させた状態のまま、インタロックバスバをインタロックコネクタから抜き取って上記2本の第1の導線の短絡を解除させ、
上記スライダが、嵌合位置にあって、レバーの前半部の回動操作終了の時点でレバーに干渉することにより、レバーの、上記前半部よりも後の後半部の回動操作を阻止し、スライダが離脱位置へスライド操作された後に、レバーの、上記後半部の回動操作を許容する第2コネクタを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
以上の本発明によれば、ターミナルへの通電が確実に遮断された後にターミナルの短絡が解除されるコネクタおよびコネクタ組立体が実現する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、キャップコネクタの分解斜視図である。このキャップコネクタ10は、本発明にいう相手コネクタの一例および本発明の第1コネクタの一例に相当する。
【0022】
このキャップコネクタ10は、ハウジング11と、一対のターミナル12と、インタロックコネクタ13とを備えている。一対のターミナル12は、電力伝送用の2本の導線121の各々の端部に固定されている。これら2本の導線121は、本発明にいう第2の導線の一例に相当する。また、インタロックコネクタ13は、信号伝送用の2本の導線131の端部を保持している。これら2本の導線131は、本発明にいう第1の導線の一例に相当する。これら一対のターミナル12およびインタロックコネクタ13は、ハウジング11内に収容される。
【0023】
さらに、ハウジング11には、その両側の外壁面からそれぞれ突き出た一対のボス111が設けられている。また、ハウジングに11には、中空形状のカラー14が圧入されている。このカラー14は、キャップコネクタ10の取付用のネジ穴である。
【0024】
ここで、このキャップコネクタ10は、電気自動車やハイブリッドカーのバッテリ(電力供給部)側に取り付けられるコネクタである。このキャップコネクタ10は、後述するプラグコネクタ20(例えば
図2参照)と嵌合されるコネクタである。そのプラグコネクタ20は、嵌合の際には、先ずは一対のターミナル12を短絡させ、その後、インタロックコネクタ13の2本の導線131を短絡させる。また、そのプラグコネクタ20は、キャップコネクタ10からの離脱の際は、先ずはインタロックコネクタ13の2本の導線131の短絡を解除する。そして、その後所定時間以上の時間をおいて、一対のターミナル11の短絡を解除する。プラグコネクタ20をこのキャップコネクタ10から離脱させることにより、バッテリ(電力供給部)から車の電気系統(負荷部)への電力の供給が遮断される。
【0025】
図2は、プラグコネクタの分解斜視図である。このプラグコネクタ20は、本発明のコネクタの一例および本発明にいう第2コネクタの一例に相当する。
【0026】
このプラグハウジング20は、アウタハウジング21と、インナハウジング22と、スライダ23と、レバー24とを備えている。さらに、このプラグハウジング20は、クリップバスバ25と、インタロックバスバ26とを備えている。
【0027】
クリップバスバ25は、
図1に示すキャップコネクタ10に備えられている一対のターミナル12を挟持して、それらを短絡させる役割りを担っている。
【0028】
また、インタロックバスバ26は、嵌合の際に、その2本の雄コンタクト部261が
図1に示すインタロックコネクタ13に挿し込まれて、2本の導線131を短絡させる役割りを担っている。
【0029】
また、インナハウジング22は、クリップバスバ25を保持する役割りを担っている。このインナハウジング22は、クリップバスバ25を保持した状態のまま、アウタハウジング21に収容される。また、このアウタハウジング21には、インタロックバスバ26も収容される。このアウタハウジングは、本発明にいうハウジングおよび第1ハウジングの各一例に相当する。
【0030】
このアウタハウジング21には、その外壁面両側からそれぞれ突き出た一対のボス211が設けられている。さらに、このアウタハウジング21の両側面上部には、長孔212が設けられている。
【0031】
また、スライダ23には、スライドリブ231が設けられている。このスライダ23は、そのスライドリブ231がアウタハウジング21の長孔212に挿し込まれることにより、アウタハウジング21に支持される。そして、このスライダ23は、スライド操作により、後述する離脱位置と嵌合位置との間をアウタハウジング21の長孔212に沿って移動する。このスライダ23の詳細は後述する。
【0032】
また、レバー24は、アウタハウジング21の両側面のそれぞれに沿うように配置される、互いに鏡面対称の一対のカム板24Aと、それらのカム板24Aを繋ぐ梁部24Bとを有する。このレバー24は、回動操作されて、このプラグコネクタ20の、キャップコネクタ10との嵌合および離脱を担う部材である。このレバー24の詳細についても後述する。
【0033】
図3は、様々な角度から眺めたときの形状を示したスライダの斜視図である。
【0034】
このスライダ23は、ロック部23Aと、そのロック部23Aから延びた2本の足部23Bとを有する。
【0035】
ロック部23Aは、このスライダ23のスライドのロックおよびレバー24の回動のロックを担っている。このロック部23Aには、係止穴232、スライドロック突起233、および指掛部234が設けられている。それらの各要素の作用については後述する。
【0036】
また、2本の足部23Bには、上述のスライドリブ231が設けられている。これら2本の足部23Bは、スライドリブ231がアウタハウジング21の長孔212に挿し込まれることによる、アウタハウジング21への支持を担っている。また、これら2本の足部23Bは、ロック部23Aによるロックを解除する際に弾性的に撓む構造となっている。
【0037】
このスライダ23の動作説明は後に譲る。
【0039】
このレバー24は、上記の通り、一対のカム板24Aと、それらのカム板24Aを繋ぐ梁部24Bとを有する。そして、一対のカム板24Aの各々には、カム溝241と、ボス回転穴242とが形成されている。カム溝241は、
図1示すキャップコネクタ10のハウジング11に設けられているボス111が入り込む。また、ボス回転穴242には、
図2に示すプラグコネクタ20のアウタハウジング21に設けられれているボス211が入り込む。このレバー24を嵌合の向きに回動させると、カム板23Aのカムの作用によりキャップコネクタ10にプラグコネクタ20が嵌合し、また、逆向きに回動させることにより、プラグコネクタ20がキャップコネクタ10から離脱する。
【0040】
また、このレバー24には、左右から内向きに延びて折れ曲がった形状の一対の鉤部243が設けられている。これらの鉤部243は、レバー24が
図4に示す横に傾いた姿勢にあるときに、スライダ23の係止穴232に入り込んで、スライダ24をロックする。
【0041】
さらに、このレバー24の梁部24Bには、係止部244が設けられている。この係止部244は、嵌合の姿勢にあるレバー24が解除の向きに回動されたときにスライダに突き当たり、レバー24のそれ以上の回動を一旦阻止する役割を担っている。
【0042】
図5は、キャップコネクタとプラグコネクタの斜視図である。ここには、嵌合前のキャップコネクタ10とプラグコネクタ20が、嵌合の向きに示されている。
【0043】
キャップコネクタ10のハウジング11には、信号伝送用の2本の導線131の端部を保持したインタロックコネクタ13(
図1参照)と、電力伝送用の2本の導線121各々の先端に固定された一対のターミナル12(
図1参照)が保持されている。
【0044】
また、プラグコネクタ20のアウタハウジング21には、クリップバスバ25を保持するインナハウジング22とインタロックバスバ26(
図2参照)が収容されている。また、アウタハウジング21の上部には、スライダ23が置かれている。このスライダ23は、嵌合前の状態においては、この
図5に示す離脱位置にある。さらに、カム板23Aがアウタハウジング21の側壁に沿うようにして、レバー24が配置されている。そして、このレバー24のボス回転穴242にはアウタハウジング21のボス211が入り込んでいる。ただし、この
図5に示す嵌合前の状態では、レバー24のカム溝241には、キャップコネクタ10のハウジング11のボス111は未だ入り込んでおらず、カム溝241は空のままである。
【0045】
プラグコネクタ20は、この
図5に示すようにレバー24を垂直に立てた状態で、キャップコネクタ10との嵌合が開始される。
【0046】
このレバー24を嵌合の向きに回動操作する。すると、先ずは、一対のターミナル12がクリップバスバ25で挟持される。この挟持により、一対のターミナル12が短絡する。そして、この挟持の後の更なる回動操作により、インタロックバスバ26の雄コンタクト部261がインタロックコネクタ13に挿し込まれて、2本の導線131が短絡する。
【0047】
また、嵌合状態にあるときにレバー24を離脱の向きに回動操作する。すると、先ずは、インタロックバスバ26がインタロックコネクタ13から引き抜かれて2本の導線131の短絡が解除される。その後、クリップバスバ25による一対のターミナル12の挟持が解除される。
【0048】
図6は、嵌合時の操作を順を追って示した図である。
【0049】
ここで、
図6(A−1),(B−1),(C−1)は、それぞれ、嵌合開始時、嵌合後、およびロック後の状態を示した斜視図である。また、
図6(A−2),(B−2),(C−2)は、それぞれ、
図6(A−1),(B−1),(C−1)に対応する平面図である。
【0050】
嵌合にあたり、プラグコネクタ20は、レバー24を、
図5に示すように垂直に立てた姿勢でキャップコネクタ10の上に置かれ、嵌合の向き(
図6(A−1)に示す矢印Dの向き)に移動される。
【0051】
すると、
図6(A−1)に示すように、キャップコネクタ10のハウジング11のボス111がカム溝241に入り込む。
【0052】
その状態で、レバー24を、
図6(B−1)に示すように、矢印R1の向きに90°回動させる。このレバー23を90°回動させる途中で、先ずは2本のターミナル12がクリップバスバ25により挟持され、さらに、インタロックバスバ26がインタロックコネクタ13に挿し込まれる。
【0053】
そして、さらに、スライダ23の、
図6(C−1)に示す矢印S1の向きへのスライドにより、スライダ23を、
図6(A−1),(B−1)に示す離脱位置から、
図6(C−1)に示す嵌合位置に移動させる。スライダ23をこの嵌合位置に移動させることにより、プラグコネクタ20がキャップコネクタ10に嵌合した状態にロックされる。
【0054】
図7は、嵌合開始時の
図6(A−2)に示す矢印X−Xに沿う断面図である。
【0055】
この
図7には、離間位置に置かれたスライダ23が示されている。このスライダ23は、矢印S1の向きにスライドすることにより嵌合位置に移動する。ここで、スライダ23を矢印S1の向きにスライドさせようとする。すると、スライダ23に設けられているスライドロック突起233が、アウタハウジング21に設けられている突当壁213に突き当たり、スライド23をスライドさせることができない。
【0056】
図8は、嵌合後の
図6(B−2)に示す矢印Y−Yに沿う断面図である。
【0057】
この
図8にも、離間位置にあるスライダ23が示されている。ただし、この
図8では、スライダ23のスライドロック突起233が、キャップコネクタ10のハウジング11の上部と重なった位置に示されている。これは、撓みのない状態のスライダ23を図示しているためである。実際には、スライドロック突起233がキャップコネクタ10のハウジング11と干渉して上方に押される。すると、スライダ23の足部23B(
図3参照)の、アウタハウジング21の長孔212に挿し込まれているスライドリブ231よりもロック部23A側の部分が上方に撓む。そして、この撓みにより、スライダロック突起233とアウタハウジング21の突当壁213との干渉が解除される。これにより、スライダ23は、矢印S1の向きへのスライドが可能な状態となる。スライダ23は、この状態で、ユーザにより、矢印S1の向きにスライド操作される。
【0058】
図9,
図10は、ロック後の
図6(C−2)に示す矢印Z−Zに沿う、それぞれ断面図および断面斜視図である。
【0059】
図9,
図10には、矢印S1の向きに嵌合位置までスライドした状態のスライダ23が示されている。スライダ23が
図9,
図10に示す嵌合位置にスライドすると、そのスライダ23のスライドロック突起233が、キャップコネクタ10のハウジング11の、一段低く形成されている低背部113の上に位置する。これにより、スライダ23の、突き当て部213の上を通過したときの撓みが解除される。この低背部113は、突き当て部213よりも一段低く形成されている。このため、先ず1つにはこの段差により、スライダ23が離間位置に向かって矢印S2の向きにスライドしようとするとスライドロック突起233が突き当て部213に突き当たり、そのスライドが阻止される。
【0060】
また、スライダ23が矢印S1の向きに嵌合位置までスライドすると、レバー24の設けられている鉤部243がスライダ23の係止穴232に入り込む。スライダ23は、鉤部243が係止穴232に入り込むことによっても、離間位置に向けての矢印S2の向きのスライドが阻止される。
【0061】
このように、スライダ23を嵌合位置にスライドさせることによって、キャップハウジング10とプラグハウジング20が嵌合状態にロックされる。
【0062】
図11は、離脱時の動作を順を追って示した図である。
【0063】
ここで、
図11(A−1)は、
図6(C−1)に示す嵌合状態でロックされた状態から、レバー24を、矢印R2の向きに、前半部の回動操作を行った後の状態を示した斜視図である。また、
図11(A−2)は、
図11(A−1)と同様、レバー24の前半部の回動操作を行った後の状態の平面図である。また、
図11(B)は、
図11(A−1)に示した前半部の回動操作終了後において、さらにスライダ23を矢印S2に示す向きに離間位置まで移動させた状態を示した斜視図である。また、
図11(C)は、スライダ23を離間位置に移動させ、さらにレバー24を矢印R2の向きに後半部の回動操作を行ってレバー24を垂直に立てた状態を示した斜視図である。この
図11(C)には、嵌合開始時の
図6(A−1)と同じ状態が示されている。
【0064】
この
図11に示すように、離間操作においては、レバー24について前半部の回動操作が行われ、スライダ23が離間位置にスライド操作され、さらに、レバー24について後半部の回動操作が行われる。
【0065】
図12は、前半部の回動操作終了後の
図11(A−2)に示す矢印XX−XXに沿う断面図である。
【0066】
離間操作を開始してレバー24の矢印R2の向きへの回動操作を行うと、前半部の回動操作終了時点でレバー24の係止部244がスライダ23に突き当たる。これにより、レバー24がそれ以上回動できない状態となる。
【0067】
図13は、前半部の回動操作終了後の
図11(A−2)に示す矢印YY−YYに沿う断面図である。
【0068】
レバー24の前半部の回動操作終了時点では、インタロックバスバ26の雄コンタクト部261は、インタロックコネクタ13から抜かれている。これにより、2本の導線131の短絡が解除される。
【0069】
図14は、前半部の回動操作終了後の
図11(A−2)に示す矢印ZZ−ZZに沿う断面図である。
【0070】
レバー24の前半部の回動操作が終了すると、次に、スライダ23の、離間位置に向けてのスライド操作が行われる。ただし、
図14に示すように、スライダ23を矢印S2の向きに単純にスライドさせようとしても、スライドロック突起233が突当壁213に突き当たり、スライドさせることができない。そこで、ここでは、スライダ23の指掛部234に指を掛けてスライダ23のロック部23Aを矢印Uに示す向きに持ち上げる。このスライダ23を持ち上げる操作は、本発明にいう解除操作の一例に相当する。レバー24の前半部の回動操作により、レバー24の鉤部243は、スライダ23の係止穴232(
図3参照)から抜け出てスライダ23から離れている。このため、スライダ23の指掛部234を持ち上げると、スライダ23の足部23Bが撓み、スライドロック突起233が突当壁213を乗り越えることができる高さにまでロック部23Aが持ち上げられる。スライダ23は、その持ち上げられた状態のまま、矢印S2の向きにスライド操作される。
【0071】
ちなみに、レバー24の回動操作を行わずに、すなわち、
図6(C−1)に示した状態のまま、スライダ23を持ち上げようとしたとする。この場合は、
図10に示すように、スライダ23の係止穴232に入り込んでいるレバー24の鉤部243が邪魔となってスライダ23を持ち上げることはできない。
【0072】
図15は、スライダを離間位置までスライドさせた状態における、
図11(A−2)の矢印ZZ−ZZに沿う断面図である。
【0073】
図14を参照して説明したようにして、スライダ23のロック部23Aを持ち上げてスライダ23を矢印S2の向きにスライドさせる。スライダ23は、この操作により、この
図15に示す離間位置に移動する。すると、レバー24は、矢印R2の向きに再び回動操作可能な状態となり、後半部の回動操作により、レバー24が、
図11(C)に示す垂直に立てられた状態となる。レバー24の、この後半部の回動操作により、クリップバスバ25に挟持されていた一対のターミナル12が、その挟持から解放され、2本の導線12の短絡が解放される。
【0074】
このように、本実施形態の場合、離脱操作において、レバー24の前半部の回動操作と後半部の回動操作とを分離し、それら前半部の回動操作と後半部の回動操作との間にスライダ23のスライド操作を挟んでいる。このため、信号伝送用の2本の導線131の短絡が解除され、さらにターミナル12への通電が遮断されるまでの時間以上の時間が確実に経過した後に、ターミナル12の短絡が解除される。