【実施例】
【0069】
本発明者は、実際の商業的畜産条件下で、3つの異なる種類の環境および3つの異なる地域で成長するブタに対して本発明者の製剤を試験し、ブタの2つの異なる年齢群−離乳前(離乳していない)および離乳直後を評価した。
【0070】
・試験1(スペイン)−本発明者の製剤は、子ブタでの離乳後の下痢の発生率、重症度および持続期間を低減させた。本発明者の製剤はまた、抗生物質の必要性を低減させ、飼料転換率(FCR)を改善した。
【0071】
・試験2(フランス)−本発明者の製剤は、1日当たりの平均体重増加を改善し、飼料中の抗生物質と比較した場合に食物転換率を改善した。
【0072】
・試験3(フィリピン)−本発明者の製剤は、抗生物質と比較して離乳前の子ブタにおける子ブタの死亡を低減させた。
【0073】
・試験4(オーストラリア)−本発明者の製剤は、抗生物質と比較して離乳前の子ブタにおける子ブタの死亡を低減させた。
【0074】
実施例1−スペイン(離乳直後の子ブタ)
目的:この研究の目的は、離乳時での本発明者の製剤の単回経口投与(4ml)により、大腸菌(E.coli)の病歴がある商業的養豚場での下痢を低減することができるかどうかを比較することであった。
【0075】
研究の概要:この研究は、子ブタの2つの並行群を比較する盲検無作為化野外試験であった。本発明者は、下記の2つの試験群(1つの試験群当たりn=72)を使用した:1.本発明者の製剤および2.処置なし。離乳日(0日目)に、各同腹子中の子ブタを無作為に2つの異なる処置群に割り当て、秤量し、次いで固有の識別(ID)番号を付与した。次いで、一方の群の子ブタに本発明者の製剤の単回用量を投与し、次いで離乳用の檻に運んだ。別の群の子ブタは未処置のままであったが同様に取り扱った。
【0076】
臨床パラメータ:子ブタを、下痢およびあらゆるその他の疾患の兆候に関して毎日モニタリングした。子ブタが下痢の兆候を示すと、この子ブタのID番号、糞便の硬度および子ブタの全身状態を、採点システム(表2)を使用して記録した。
【0077】
【表2】
【0078】
動物の健康、具合が悪いまたは瀕死への分類は、総臨床スコアに基づいていた(表3)。総臨床スコアは、各ブタに関する糞便の硬度のスコアと全身状態のスコアとの合計である。このスコアは、子ブタの健康に関する全般的な指標を付与する。数匹の子ブタは下痢の可能性があるが依然として健康に見え、その他の子ブタは、軽症の下痢の可能性があるが瀕死である。本発明者の製剤は子ブタの臨床スコアを有意に低下させ、従って、未処置のブタと比較して全般的な健康を改善した。
【0079】
【表3】
【0080】
抗生物質処置:この研究中に投与した全ての抗生物質処置を記録した(動物ID、日付、製品、用量および投与経路)。
【0081】
子ブタの体重:0日目(離乳時)、7日目および14日目に、子ブタを個々に秤量した。1日当たりの平均体重増加(ADG)を算出した。
【0082】
飼料摂取量:1つの檻当たりの飼料摂取量も評価して飼料転換率(FCR)を決定した。FCRは、飼料摂取量をブタの体重で除算したものと等しい。
【0083】
データ分析:下痢の発生率、臨床スコアまたは罹患率(全身状態+糞便の硬度)、処置率および死亡率を評価するために、使用した統計学的手法は、ポアソンおよび2項誤差を有する線形混合モデルであった。部屋/性別は変量効果であり、処置は固定効果であった。GenStat for Windows.(2007).10th Edn.VSN International Ltd.,Hemel Hempstead,UKで分析を行なった。体重および1日当たりの平均体重増加の場合、使用した統計学手法は、標準誤差を有する線形混合モデルであった。第一種過誤(Type 1 error)は≦0.05であった。
【0084】
結果
臨床パラメータ:
・離乳時に投与した本発明者の製剤の単回用量により、未処置のブタと比較した場合に、(0日目から離乳後19日目まで)下痢の発生率を有意に40%低下させた(
図3)(p<0.05)。この単回用量により子ブタが19日にわたり保護され、このことは効果の長期間の持続を示した。この飼養場での下痢の原因は大腸菌(E.coli)であった。
【0085】
・この研究の継続期間の間中、本発明者の製剤で処置した子ブタの群の総下痢スコア(全ての下痢スコアの合計)は、未処置の群での253と比較して98であった。
【0086】
・本発明者の製剤は、子ブタの全般的な健康を有意に改善し、または臨床スコアを低下させ、従って、未処置の子ブタと比較した場合に重症疾患は少なかった(
図4)(p<0.05)。
【0087】
・本発明者の製剤は、未処置のブタ(n=38)と比較した場合に病気のブタの数(n=16)を有意に58%減少させた(p<0.05)。
【0088】
・本発明者の製剤は、対照(33例の処置)に対して抗生物質による処置が必要な数を55%(15例の処置)減少させた。
【0089】
・本発明者の製剤で処置した群(4例)および未処置の群(3例)における死亡(全ての原因)は同数であった。
【0090】
ブタの成績
・離乳後2週間における本発明者の製剤で処置した子ブタの1日当たりの平均体重増加は、未処置の子ブタと比べて22%高かった(それぞれ50±7.1g対39±7.0g)。離乳後42日で、本発明者の製剤で処置した子ブタは対照の子ブタと比べて0.2kg(1.6%)重かったが、この増加は有意ではなかった。
【0091】
・離乳後の最初の2週間において、本発明者の製剤で処置した子ブタは、未処置のブタと比べて8.4%の有意に良好な飼料転換率を有した(それぞれ2.84±1.22対3.1±1.20)。全体として(0日目〜42日目)、本発明者の製剤は、飼料転換率を2.7%改善した(1.46±0.06対1.50±0.06)。
【0092】
未処置の群と比較した本発明者の製剤の全体的なFCRの改善はあまり大きくない(0.04または2.7%)が、FCRの0.01の改善毎に1匹のブタ当たりの飼料コストを$0.28〜$0.30削減することができることに留意すべきである(2008年の価格をベースとする−飼料のコストは大きく上昇しており、そのため現在の利益はより大きいだろう)。また、育成飼料のFCRの0.1%の改善により、200匹の雌ブタ単位の採算性を毎年約$6,000改善することができるとも算出されている。FCRの5%改善は、オーストラリアの養豚業に対して$28,000,000の潜在的価値を有する(http://www.australianpork.com.au)。
【0093】
FCRの成績の改善は重要である。なぜならば、豚肉製造では飼料のコストが主要なコストであり、通常は全ての製造経費の60〜80パーセントを占めるからである。FCRのあらゆる改善により、飼料コストを削減することができ、採算性を改善することができる。
【0094】
結論:
離乳時に投与される本発明者の製剤の単回用量により、下痢の発生率、持続期間および重症度が低減される。本発明者の製剤はまた、抗生物質による処置の必要性も低減し、子ブタの成長も改善する。従って、本発明者の製剤は子ブタの健康および成績を改善し、従って飼養場の生産性を改善する。
【0095】
実施例2−フランス(離乳した子ブタ)
背景:成長を促進するための飼料添加剤としての抗生物質は現在、欧州では禁止されているが、獣医の監督下での処方抗生物質の飼料への添加が下痢等の急性症状の予防および処置に認められている。
【0096】
目的:この研究の目的は、本発明者の製剤の単回用量を投与した子ブタの飼料転換率を、抗生物質である飼料コリスチンと比較することであった。
【0097】
研究の概要:この研究は、子ブタの下記の3つの並行群(1つの群当たりn=89)を比較する盲検対照無作為化野外試験(blinded,controlled,randomised field trial)であった:1.コリスチン、2.本発明者の製剤および3.処置なし。この研究では、全ての同腹子を無作為に選んで異なる処置を受けさせ、従って、同腹子を全同腹子単位で処置する。
【0098】
この飼養場での離乳は2段階で行なわれる。第1段階では、子ブタを雌ブタから引き離すことにより離乳させる(−5日目)。次いで、0日目に、子ブタをその離乳用の檻に移す。
【0099】
−5日目に、群1の子ブタに、14日(−5日目〜9日目)にわたりプレスターター飼料中のコリスチン(飼料1トン当たり9kgの抗生物質プレミックス)を投与した。その他の2つの群には、プレスターター飼料のみを投与した。0日目(離乳後5日目)に、子ブタをその離乳直後の檻に移す際に、群2の子ブタに本発明者の製剤の単回用量を投与した。群3の子ブタは未処置であった。
【0100】
分析:研究1の通り。
【0101】
結果:
ブタの成績
・本発明者の製剤で処置した子ブタは、この研究の全ての段階において、コリスチンを投与した子ブタと比較して1日当たりの平均体重増加が有意に高かった(P<0.05、表4)。飼料中のコリスチンで処置した子ブタは、未処置のブタと比べて体重増加が低い等、全ての群の中で体重増加が最低であった(P<0.05)。
【0102】
【表4】
【0103】
・全体として(150日齢で)、本発明者の製剤を投与した子ブタの全平均体重増加は、対照のブタと比べて2%(または1.71kg)高く、飼料中のコリスチンを投与した子ブタと比べて3.9%(または3.25kg)高かった(P<0.05)。
【0104】
・飼料摂取量をプレスターター段階(−5日目〜9日目)のみで測定した。本発明者の製剤で処置した子ブタは、飼料中のコリスチンを投与した子ブタと比較して、離乳期中での飼料摂取量が高かった(表5)。
【0105】
【表5】
【0106】
・飼料転換率(FCR)をプレスターター段階(−5日目〜9日目)のみで測定した。本発明者の製剤のみで処置した子ブタは、その他の全ての群と比べて最高のFCR(1.82)(P<0.009)を有した(表5)。本発明者の製剤で処置した子ブタは、コリスチンで処置した子ブタ(2.71)と比較して33%改善された。本発明者の製剤で処置した子ブタは未処置のブタと比べて飼料摂取量が低いにもかかわらず(表5)、この子ブタは未処置のブタ(1.96)と比較してFCRが7%改善された(表6)。これらの成績の結果は、本発明者の製剤が飼料中のコリスチンと比較して大きな利点を有することを示す。
【0107】
【表6】
【0108】
コリスチンのFCRへの悪影響は、腸内菌叢へのコリスチンの副作用、そしてその結果としてのブタの腸の健康および栄養摂取への悪影響による可能性がある。
【0109】
結論:本発明者の製剤は、子ブタの体重増加を改善し、飼料転換率を改善した。
【0110】
実施例3−フィリピン(離乳していない子ブタまたは離乳前の子ブタ)
背景:フィリピンのこの飼養場では、下痢が原因の死亡率が高い。
【0111】
目的:この研究の目的は、離乳していない子ブタにおいて本発明者の製剤の有効性を抗生物質と比較することであった。
【0112】
研究の概要:この研究は、子ブタの2つの群を比較する無作為化野外試験であった。この飼養場での死亡率は非常に高いことから、陰性対照(非投薬群)は存在しない。試験群(1つの群当たりn=38)は、1.本発明者の製剤(2用量)および2.抗生物質(3日毎に経口投与した)であった。子ブタに本発明者の製剤を3日齢で投与した。6日齢で後続用量(follow up dose)を投与した。
【0113】
結果:
臨床パラメータ
この研究では、下痢が原因で少数が死亡した。しかし、本発明者の製剤で処置した群では、(全ての原因による)死亡が有意に5%低かった。抗生物質を投与した子ブタでは死亡率は21%であった(P<0.05)。
【0114】
成績パラメータ
・離乳時に、本発明者の製剤を投与した子ブタは、抗生物質で処置した子ブタと比べて0.1kg重かった。この研究では陰性対照が存在しなかったことから、その他の野外試験で観測されたように、本発明者の製剤により未処置のブタと比較して体重が増加したかどうかは不明である。
【0115】
実施例4−オーストラリア(離乳していない子ブタまたは離乳前の子ブタ)
目的:この研究の目的は、離乳前(pre−weaning)(離乳前(sucker))の下痢の病歴を有するオーストラリアの飼養場での子ブタの死亡率および罹患率の低下における本発明者の製剤(2mL)の有効性を調べることであった。
【0116】
研究の概要:この研究を、オーストラリア、Northern Victoriaに位置する商業養豚場で行なった。この飼養場は、出産後3〜4日で離乳前の下痢が普通に起こるという問題の歴史がある。この研究の前月に飼養場から得た糞便サンプルは、下痢が大腸菌(E.coli)(K99、STa毒素遺伝子)およびロタウイルスの複合感染に起因することを示した。ワクチンおよび抗生物質等の現在のアプローチは、この問題を適切に制御するのに失敗していた。
【0117】
この研究は、子ブタの2つの並行群を比較する盲検プラセボ対照無作為化野外試験(blinded,placebo controlled,randomised field trial)であった。飼養場および飼養場労働者を処置に対して盲検化した。
【0118】
21の同腹子(233匹の子ブタ)に本発明者の製剤(2mL)を2日齢で投与し(群1)、23の同腹子(229匹の子ブタ)にプラセボを投与した(群2)。
【0119】
各群には、同数の未経産の雌ブタの同腹子(または初めての母親)が含まれていた。
【0120】
飼養場の通常の管理ルーチンを継続させ、この管理ルーチンとして、雌ブタのワクチン接種、抗生物質および抗コクシジウム剤等の通常の薬物療法、ならびに小さい子ブタまたは健康障害の子ブタが別の雌ブタへと移動し得る子ブタの乳子交換が挙げられる。
【0121】
この試験を、Pig Specialist Centre,Victorian Department of Economic Development,Jobs,Transport and Resourcesからの独立した獣医および研究者により行なった。適切な統計学的分析を決定し、独立した生物測定学者により適用した。
【0122】
この試験では、2〜21日齢での死亡および下痢の発生率、罹患率(または子ブタの臨床状態)ならびに体重増加および1日あたりの平均体重増加(ADG)を調べた。子ブタを、下痢およびあらゆるその他の疾患の兆候に関して毎日モニタリングした。子ブタが下痢の兆候を示すと、この子ブタのID番号、糞便の硬度および子ブタの全身状態を、表2に記載の採点システムを使用して記録した。
【0123】
ひどく元気がないことを確認した全ての子ブタを人道的な理由で安楽死させた。試験中に安楽死させたまたは死亡を確認した子ブタを、死亡から12時間以内に剖検した。
【0124】
データ分析:
2種の処置を、小屋の中で無作為に21〜23回繰り返した。
【0125】
1つの檻の中の子ブタの同腹子が実験単位である。
【0126】
適切な統計学的分析を決定し、独立した生物測定学者により適用した。
【0127】
1つの檻当たりの平均最大下痢スコアおよび罹患率スコアを、分散を安定化させるためにlog
e+0.05変換した後の一元配置分散分析(ANOVA)で分析した。全ての子ブタに関するADGはANOVAに不適切であった。なぜならば、残差は、フィットさせた値の範囲全体で正規分布でも均一でもなかったからである。そのため、発明者らは、ノンパラメトリック(分布によらない)Kruskal−Wallis検定を使用した。
【0128】
死亡率および下痢の発生率および罹患率を、小さいセルサイズ(small cell size)に適したExact Binary Regressionを使用して分析した。有意性に関して両側検定を使用した。
【0129】
ANOVAおよびKruskal Wallis検定を、R version 2.7.2(2008).The R Foundation for Statistical Computingを使用して実施した。Exact Binary Regressionを、StatExact(Cytel Statistical Software,Cytel Software Corporation,MA,USA)により実施した。
【0130】
結果:
臨床パラメータ
この研究を、下痢の予期される発症前に本発明者の製剤を子ブタに投与する予防的研究として設計した。しかしながら、製品の投与前に、462匹の子ブタの内の59匹(12.8%)で下痢が明らかであった。下痢の予期される発症と比べて早かったにもかかわらず、全ての子ブタをこの研究に含めており、除外しなかった。
【0131】
表7は、全ての原因に起因する両方の群における離乳前の死亡数を示す。本発明者の製剤は、子ブタの死亡率を有意に47.8%低下させた(p<0.02)。対照群では229匹中36匹(15.7%)の子ブタが死亡したのに対して、本発明者の製剤で処置した子ブタでは233匹中19匹(8.2%)の子ブタが死亡した。
【0132】
【表7】
【0133】
この研究における子ブタの主要な死因(81.8%)は、死後の所見に基づいて下痢および病的な成長(ill thrift)と診断した。
【0134】
病因
7日齢未満である24匹の子ブタからサンプルを採取した。この研究では、優勢な病原体を同定しなかった。23例の糞便サンプルを(好気性および嫌気性)培養し、下痢の原因として可能性のある細菌(大腸菌(E.coli)およびクロストリジウム(Clostridia))を単離した。本発明者の製剤で処置した1匹の子ブタは、非溶血性大腸菌(E.coli)に対して陽性(STa陽性)の結果であり、対称群からの2匹の子ブタから2種の溶血性大腸菌(E.coli)単離株(K88)を得た。これらの対照の子ブタの内の1匹は、非溶血性大腸菌(E.coli)(K88)に共感染していた。クロストリジウム種(Clostridia spp)を単離しなかった。Rotavirus ELISA(IDEXX Rota−Corona−K99、IDEXX Montpellier SAS、France)により、21例の糞便サンプルの内の9例(42.8%)は陽性または弱陽性の結果であった。しかしながら、7例のサンプルはいずれもロタウイルスRTPCRに対して陽性ではなく、ロタウイルス感染を示す腸病変はなかった。
【0135】
解剖した子ブタの高い割合26/53(49%)が空腹であり、このことは、この飼養場に存在する下痢/病的な成長は、子ブタの最適以下の栄養摂取および乏しい乳汁保護(lactogenic protection)となる不十分な初乳および子ブタの乳の摂取に起因している可能性があることを示唆している。
【0136】
罹患率
本発明者の製剤はまた、重度の罹患率または生命を脅かす疾患も低減させた(スコア4)。生命を脅かす疾患を有する子ブタの内、または瀕死と見なした子ブタの内、本発明者の製剤で処置した群における瀕死の28匹の子ブタの内の19匹と比較して、対照の子ブタでは38匹中36匹が死亡した。
【0137】
成績パラメータ
表8は、両方の群に関する(処置日からである2日目から21日目までの)体重増加の平均および範囲ならびに1日当たりの平均体重増加(ADG)を示す。
【0138】
【表8】
【0139】
本発明者の製剤は、体重増加および1日当たりの平均体重増加を5.7%(または1匹の子ブタあたり224g)および5.6%増加させた。しかし、これらの増加は同腹子レベルでは統計的に有意ではなかった(p=0.49)(しかし、個々の子ブタレベルでは有意であった、p<0.04)。
【0140】
考察および結論:
この研究の結果は、本発明者の製剤を使用して、非特異的病因の下痢/病的な成長による問題を有する飼養場での離乳前の死亡率を低下させることができることを示唆する。
【0141】
生後1週以内の子ブタの中での主要な死因は、病的な成長および良好な生育の失敗である。生後24時間以内に初乳を摂取できない子ブタは、不十分なエネルギー摂取に起因して、雌ブタまたは接触による押しつぶしの結果としての早期死亡のリスクがある。ヒトの乳児とは異なり、抗体は、雌ブタから胎盤を介して子ブタに運ばれない。そのため移行抗体がなく、子ブタは非常に感染しやすい。たとえ子ブタが最初の数日を生き延びても、乳の摂取が不十分であり続ければ、子ブタは、この子ブタのより頑強な同腹子と比較して、(雌ブタの乳中の乳抗体および免疫性因子からの)低い乳汁免疫(lactogenic immunity)に起因して感染性疾患に屈する可能性が高い。雌ブタによる乳産生の不足または子ブタによる低い消費のいずれかにより適切な乳摂取を維持することができない子ブタは、同腹子との競争でのまたは後年の感染性疾患に対する無力に起因して、早期死亡に再び屈する可能性が高い。
【0142】
この研究では、本発明者の製剤は、商業的飼養場での離乳前の子ブタの間での離乳前の死亡率を半減させた。その作用様式は、生後1週間以内の瀕死の子ブタの生命力の改善、従って生存性の改善によると考えられる。このことは、死亡するまたは安楽死させなければならない臨床的瀕死と分類した、本発明者の製剤で処置した子ブタの割合が、同じ臨床カテゴリでの対照群の76.6%と比較して低い(45.2%)ことにより実証される。
【0143】
本発明者の製剤で処置した子ブタは、対照群の子ブタと比べて5.7%速く成長した。この体重増加の差異は有意ではなかったが、この差異は離乳時の生体重での約225gの差異と等しい。離乳時体重は、子ブタのその後の成長および生存と正の関連を示す。
【0144】
まとめ
ここで、本発明者の開示を前提として、ある特定の変形および代替を容易に行なうことができる。例えば、表1の製剤は、下痢を予防するための哺乳子ブタの予防的処置に適した投薬量を提供する。下痢を(予防よりはむしろ)処置するための使用に必要な用量は異なる場合があり、当業者は適切な用量を容易に導き出すことができるだろう。同様に、成熟した大人のブタまたはヒトを処置するための使用に必要な用量はより大きい場合があり、当業者は、適切な用量を容易に導き出すことができるだろう。
【0145】
本発明者の製剤を経口ドレンチとして提供することができ、例えば、水による再構成を必要とする粒状粉末として提供することができる。離乳後の下痢を予防するために、本発明者の製剤を、離乳日(下痢の予期される発症の1〜2日前)に単回のみの経口用量4ml(0.24g)として投与することができる。離乳前の下痢を予防するために、特定の飼養場の問題の期間に応じて、2ml(0.12g)の単回経口用量を2〜5日齢で投与することができる。3〜7日後に反復投与が必要な場合がある。処置として、疾患の症状が現れると本発明者の製剤をすぐに投与することができる(2mlまたは4mlのいずれか)。
【0146】
本発明者の製剤を飼料添加剤として提供することができ、例えば、ブタ飼料に添加され得る粒状粉末として調製される飼料添加剤として提供することができる。製品の完全な分散を確実にするために、最終混合物への組み込み前に、この製品を適切な量の飼料成分と最初に混合すべきである。本発明者の製剤を、プレミックスのみとしてまたは最終混合物に組み込まれるプレミックスとして給餌することができる。推奨される用量レベルは、連続14日にわたる毎日の給餌で体重1kg当たり本発明者の製剤40mgである。
【0147】
また、飲料システムにより、水中の本発明者の製剤を搬送することもできる。あるいは、ブロメラインを使用して等価な経口ドレンチを作ることができ、この等価な経口ドレンチは添加剤と共に製剤化され、液体中での再構成を必要とする。離乳後の下痢を予防するために、この等価な経口ドレンチを、離乳日(下痢の予期される発症の1〜2日前)に単回のみの経口用量(125mg)として投与することができる。離乳前の下痢を予防するために、特定の飼養場の問題の期間に応じて、62.5mgの単回経口用量を2〜5日齢で投与することができる。3〜7日後に反復投与が必要な場合がある。処置として、疾患の症状が現れると、この等価な経口ドレンチをすぐに投与することができる(62.5mgまたは125mgのいずれか)。
【0148】
あるいは、ブロメラインを使用して等価の飼料添加剤を作ることができ、例えば、ブタ飼料に添加され得る粉末として等価の飼料添加物を作ることができる。製品の完全な分散を確実にするために、最終混合物への組み込み前に、この製品を適切な量の飼料成分と最初に混合すべきである。この等価の飼料添加剤を、プレミックスのみとしてまたは最終混合物に組み込まれるプレミックとして給餌することができる。推奨される用量レベルは、連続14日にわたる毎日の給餌で体重1kg当たりブロメライン20mgである。
【0149】
あるいは、本発明者の製剤を、錠剤およびカプセルならびにヒトに適したその他の剤形として提供することができる。
【0150】
当業者は、様々な適応症用に本発明者の製剤を調整することができる。例えば、本発明者の製剤を、生産動物(ウシ、ブタ等)での下痢(scour)およびヒトでの下痢(diarrhea)の予防および処置のために使用することができる。また、本発明者の製剤を使用して、炎症を軽減することにより腸の健康を改善することもできる。あるいは、本発明者の製剤を処方して、生産動物における飼料摂取の増加を促進し、結果として体重増加および飼料転換効率を促進することができる。本発明者の製剤を使用して、動物飼料中での抗生物質の必要性およびヒトへの急性投与の必要性を低下させることができる。また、本発明者の製剤を使用してヒトの炎症性腸疾患を寛解させることもできる。
【0151】
発明の態様
態様1
抗下痢に有効な量のブロメラインを含み、腸溶性ポリマーを実質的に含まない動物用経口製剤。
態様2
抗下痢に有効な量のブロメラインを含み、フタル酸塩(pthalate)を実質的に含まない動物用経口製剤。
態様3
前記フタル酸塩が酢酸フタル酸セルロースを含む、態様2に記載の動物用経口製剤。
態様4
抗下痢に有効な量のブロメラインとキレート剤とを含む動物用経口製剤。
態様5
前記キレート剤がEDTAを含む、態様4に記載の動物用経口製剤。
態様6
抗下痢に有効な量のブロメラインと、前記ブロメラインの水への溶解性を改善するのに有効な量の乳化剤とを含む動物用経口製剤。
態様7
前記乳化剤がレシチンを含む、態様6に記載の動物用経口製剤。
態様8
クエン酸を更に含む態様7に記載の動物用経口製剤。
態様9
カルボキシメチルセルロースを含む抗下痢経口剤形。
態様10
ブロメラインを更に含む態様9に記載の剤形。
態様11
前記経口剤形が飲料または経口ドレンチである、態様10に記載の剤形。
態様12
前記剤形が動物用剤形である、態様10に記載の剤形。
態様13
ヒト、動物または魚における抗微生物剤耐性の腸内病原性微生物の増殖を予防する方法であって、(a)腸内病原性微生物に感染しやすいヒト、動物または魚を同定すること、次いで、(b)前記ヒト、動物または魚が前記腸内病原性微生物により下痢になるのを予防するのに有効な量のブロメラインを前記ヒト、動物または魚に経口投与することであり、この経口投与により、前記ヒト、動物または魚は前記腸内病原性微生物にもはや感染しやすくなく、前記ヒト、動物または魚に、前記腸内病原性微生物による下痢を処置するためにまたは予防するために抗微生物に有効な量の抗微生物剤を投与しない、経口投与すること、を含む方法。
態様14
ヒト、動物または魚における腸内病原性微生物の増殖を予防する方法であって、(a)腸内病原性微生物に感染しやすいヒト、動物または魚を同定すること、次いで、(b)前記ヒト、動物または魚が前記腸内病原性微生物により病気になるのを予防するのに有効な量のブロメラインを前記ヒト、動物または魚に経口投与することであり、この経口投与により、前記ヒト、動物または魚は前記腸内病原性微生物にもはや感染しやすくなく、前記ヒト、動物または魚に、前記腸内病原性微生物による前記感染を処置するためにまたは予防するために抗微生物に有効な量の抗微生物剤を投与しない、経口投与すること、を含む方法。
態様15
前記剤形が動物飼料である、態様2に記載の剤形。
そのため、本発明者は、本発明の法律上の適用範囲が本明細書に列挙した具体例によって画定されず、法定の特許請求の範囲およびこの許容される等価物で画定されることを意図する。