(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
T細胞反応を阻害するかまたは癌細胞の移動を阻止する必要がある被験体において、前記T細胞反応を阻害するかまたは前記癌細胞の移動を阻止する際の使用のための、シンデカン−2のモジュレーターを含む組成物であって、前記シンデカン−2のモジュレーターは、SEQ ID NO:4−13の配列を含むアミノ酸配列を有する、シンデカン−2の細胞外ドメインの少なくとも一部を含む第1の部分と、Fc部分を含む二量体化ドメインを含む第2の部分とを含むTh17阻害剤を含み、前記シンデカン−2のモジュレーターが細胞表面のシンデカン−2と結合し、前記シンデカン−2のモジュレーターが細胞表面のシンデカン−2と架橋する、組成物。
非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、イブプロフェン、ナプロキセン、メロキシカム、エトドラク、ナブメトン、スリンダク、トレメンチン、サリチル酸コリンマグネシウム、ジクロフェナク、ジフルシナル、インドメタシン、ケトプロフェン、メロキシカム、オキサプロジン、ピロキシカム、セレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、コルチコステロイド、メトトレキサート、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、レフルノミド、TNFa阻害剤、エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、アバタセプト、リツキシマブ、トシリズマブ、アナキンラ、シクロスポリン、抗胸腺細胞グロブリン、ミコフェノール酸モフェチル、およびシクロホスファミドからなるリストから選択された少なくとも1つのアジュバントと組み合わせて自己免疫疾患を処置するために使用される、請求項1−4のいずれか1項に記載の組成物。
腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、幹中央記憶T細胞、CAR−T細胞、TCR−T細胞、およびナチュラルキラー(NK)細胞からなるリストから選択される少なくとも1つの抗癌細胞と組み合わせて癌を処置するために使用される、請求項1−5のいずれか1項に記載の組成物。
メトトレキサート(RHEUMATREX(登録商標)、アメトプテリン)、シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))、サリドマイド(THALIDOMID(登録商標))、アクリジンカルボキサミド、アクチミド(actimid)(登録商標)、アクチノマイシン、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン、アミノプテリン、アムサクリン、アントラサイクリン、抗悪性腫瘍薬、アンチネオプラストン、5−アザシチジン、アザチオプリン、BL22、ベンダムスチン、ビリコダル、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン、ブスルファン、カリクリン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、ダカルバジン、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、ジクロロ酢酸、ディスコデルモリド、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エリブリン、エストラムスチン、エトポシド、エキサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ホスフェストロール、ホテムスチン、ガンシクロビル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、IT−101、イダルビシン、イホスファミド、イミキモド、イリノテカン、イロフルベン、イクサベピロン、ラニクイダル、ラパチニブ、レナリドミド、ロムスチン、ラルトテカン、マホスファミド、マソプロコール、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネララビン、ニロチニブ、オブリメルセン、オキサリプラチン、PAC−1、パクリタキセル、ペメトレキセド、ペントスタチン、ピポブロマン、ピクサントロン、プリカマイシン、プロカルバジン、プロテアソーム阻害剤、ボルテゾミブ、ラルチトレキセド、レベッカマイシン、レブラミド(revlimid)(登録商標)、ルビテカン、SN−38、サリノスポラミドA、サトラプラチン、ストレプトゾトシン、スウェインソニン、タリクイダル、タキサン、テガフール−ウラシル、テモゾロミド、テストラクトン、チオTEPA、チオグアニン、トポテカン、トラベクテジン、トレチノイン、四硝酸トリプラチン、トリス(2−クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、およびゾスキダルからなる群から選択される少なくとも1つの抗癌剤と組み合わせて癌を処置するために使用される、請求項1−6のいずれか1項に記載の組成物。
ニンテダニブ、ピルフェニドン、コルチコステロイド、アルブテロール、レバブテロール、サルメテロール、ホルモテロール、フロベント、およびパルミコートからなる群から選択された少なくとも1つの線維症用治療を施すことを含む線維性疾患の処置に使用される、請求項1−7のいずれか1項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0045】
自己免疫疾患、線維症、および癌のための代替的な薬剤と治療が本開示で提供される。シンデカン−2のモジュレーターを含む薬剤と治療が本明細書で企図される。本明細書では、シンデカン−2(SDC2)発現および/または活性の修飾が自己免疫疾患、線維症、および癌の重要な要素を減少させるまたは覆す効果を有している。
【0046】
シンデカン−2のモジュレーターと阻害剤が本明細書で提供される。いくつかのそのようなモジュレーターとしては、限定されないが、シンデカン−2の少なくとも1つのエピトープと、シンデカン−2のモジュレーターまたは阻害剤として作用するシンデカン−2のフラグメントとに結合する抗体が挙げられる。シンデカン−2のモジュレーターは、限定されないが、自己免疫疾患、線維症、癌、および異常なTh17細胞活性が疑われる他の疾患を含む疾患の処置に役立つ。
【0047】
<シンデカン−2のモジュレーター>
詳細に下に記載される特定の例において、シンデカン−2のモジュレーターが開示される。場合によっては、モジュレーターは、細胞の表面上でシンデカン−2に結合するように、シンデカン−2結合ドメインを含む。場合によっては、モジュレーターは、シンデカン−2に対する抗体のすべてまたは一部を含む。シンデカン−2のモジュレーターは、場合によっては、シンデカン−2に結合する第1の部分と、それ自体でホモ二量体を形成する第2の部分とを含む。使用時、モジュレーターは細胞表面のシンデカン−2に結合して、第2の部分を露出させ、近くの細胞表面のシンデカン−2に結合する別のモジュレーターに結合することが可能である。ホモ二量体形成は、場合によっては、細胞の表面上でのシンデカン−2タンパク質の「架橋結合」をもたらす。代替的な実施形態は、ホモ二量体化ドメインのない状態でシンデカン−2と結合する。
【0048】
第1の部分は、シンデカン−2のフラグメント、シンデカン−2の細胞外のドメインのフラグメントを適切に含む。こうしたフラグメントの例としては、C末端欠失フラグメント、内部フラグメント、およびN末端基欠失フラグメントが挙げられ、特定の例としては、ヒトSDC−2のアミノ酸1−79;1−87;1−100;1−144;1−169;1−201;9−79;19−87;19−100;19−144;19−169;および19−201に対応するペプチドが挙げられる。第2の部分は、モジュレーターに含まれている場合、モジュレーター二量体の形成を促すために、抗体のそのフラグメントのFc部分のような二量体化ドメインを含む。代替的なモジュレーターは第1と第2の部分を含み、これらは両方ともシンデカン−2に結合する。こうした構造の結果として、場合によっては、モジュレーターは、個々にまたは全体として、シンデカン−2の表面のタンパク質部分へ結合し、および随意に単一細胞表面上で、または複数の細胞でそのような部分を互いに「架橋」するためにそのような部分を互いに結合する。
【0049】
SDC2ポリペプチドの使用の例からのデータは、天然のSDC2の活性の優性ネガティブ阻害剤としての、シンデカン−2ポリペプチドのフラグメントのようなSDC2の役割を実証する。従って、本発明はとりわけ、本明細書に記載されているような使用のためのSDC2ポリペプチドまたはSDC2に対する抗体の少なくとも一部のようなSDC2アンタゴニストを提供する。
【0050】
他の実施形態では、シンデカン−2のモジュレーターは、RNAi、siRNA、miRNA、またはshRNAポリヌクレオチドのようなシンデカン−2の阻害ポリヌクレオチドである。シンデカン−2のポリヌクレオチドモジュレーターのそのような例は、場合によっては、シンデカン−2のmRNA転写レベルまたはその翻訳の速度を減少させ、それによりシンデカン−2を阻害する。
【0051】
<抗−シンデカン−2抗体>
本明細書では、本明細書に記載されるような使用のためのシンデカン−2(SDC2)の抗体、SDC2の抗体を使用する治療方法、SDC2の抗体の使用、および、免疫病または線維症の処置において本明細書で記載されるような使用のためのSDC2の抗体を含む医薬組成物が本明細書で提供される。シンデカン−2抗体は細胞表面上のシンデカン−2タンパク質の少なくとも1つのエピトープに結合するように本明細書で企図される。特定の抗−シンデカン−2抗体は、抗−シンデカン−2抗体、Biorbyt Ltd(12 Pembroke Avenue, Denny Industrial Centre, Waterbeach, Cambridge, CB25 9QR, UK)から入手可能な、少なくともヒト、マウス、およびラットと反応するorb13481、および、ヒト、マウス、ラット、ウマ、ウサギ、およびブタと反応する、R&D Systems,Incから入手可能なSDC2抗体、カタログ番号:MAB29651(クローン305507)を含んでいる。
【0052】
本明細書に記載される使用と治療法のために、可変ドメインなどのシンデカン−2抗体のフラグメントや、orb13481またはMAB29651のVHドメインまたはVLドメインのような、orb13481とMAB29651のそのシンデカン−2結合部分が本明細書で企図される。代替的に、抗−シンデカン−2抗体は、orb13481またはMAB29651のCDRドメイン、例えば、orb13481またはMAB29651のVH−CDR1、VH−CDR2、VH−CDR3、VL−CDR1、VL−CDR2、またはVL−CDR3ドメインを含む。さらに、既知の抗−シンデカン−2抗体結合ドメインまたは結合活性部分を保持するキメラ抗体とヒト化抗体が本明細書で企図され、ここで、これらは、抗体抗原性を減少させるか、最小限に抑えるために、ヒトまたは他のレシピエント種の抗体の足場に挿入されるか、他の方法で導入される。SDC2に結合し、SDC2に拮抗する本質的な機能を保持する本明細書で開示されるようなSDC2の抗体とそのフラグメントも、抗SDC2抗体という用語に包含される。
【0053】
さらに、第1の部分と第2の部分を含む融合タンパク質も本明細書で企図され、第1の部分は抗−シンデカン−2抗体のシンデカン−2結合フラグメントを含み、第2の部分は二量体化ドメインを含む。シンデカン−2結合フラグメントを含む第1の部分は、抗−シンデカン−2抗体のVHドメインまたはVLドメインの少なくとも一部、例えば、VH−CDR1、VH−CDR2、VH−CDR3、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3ドメイン、またはその組み合わせを含むことが本明細書で企図される。さらに、第2の部分は、Fcドメイン、ロイシンジッパードメイン、または当該技術分野で知られている他の二量化のような二量体化ドメインを含むことが本明細書で企図される。シンデカン−2抗体のシンデカン−2結合フラグメントを含む融合タンパク質はさらに、第1の部分と第2の部分を含み、シンデカン−2結合フラグメントを含む第1の部分と第2の部分は、抗−シンデカン−2抗体のVHドメインまたはVLドメインの少なくとも一部、例えば、VH−CDR1、VH−CDR2、VH−CDR3、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3ドメイン、またはその組み合わせを含む。
【0054】
本明細書で使用されるような用語「抗体」は、結合特異性を保持し、好ましくは、例えば、少なくとも2つの細胞表面のシンデカン−2タンパク質を架橋することによってシンデカン−2を調節または阻害する能力を保持する、誘導体またはその機能性フラグメントを含む。抗体の産生のための技術は当該技術分野で知られており、例えば、Harlow and Lane “Antibodies, A Laboratory Manual”, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988 and Harlow and Lane “Using Antibodies: A Laboratory Manual” Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999に記載されている。用語「抗体」はさらに、様々なクラス(つまり、IgA、IgG、IgM、IgD、およびIgE)とサブクラス(IgG1、IgG2などの)の免疫グロブリン(Ig)を含む。
【0055】
用語「抗体」はさらに、抗体フラグメント、とりわけ、FAbフラグメントと同様に、キメラの単鎖およびヒト化抗体のような実施形態を含んでいる。抗体フラグメントまたは誘導体はさらに、VHまたはVLであり得る1つの可変ドメインのみを含む、F(ab’)2、Fv、scFvフラグメントまたは単一ドメイン抗体、他のV領域またはドメインとは無関係に抗原またはエピトープに特異的に結合する、単一可変ドメイン抗体または免疫グロブリン単一可変ドメインを含んでいる。こうした免疫グロブリン単一可変ドメインは、単離された抗体の単一可変ドメインポリペプチドだけでなく、抗体の単一可変ドメインポリペプチド配列の1つ以上のモノマーを含むより大きなポリペプチドも包含する。シンデカン−2に結合する抗体を保持し、シンデカン−2の架橋結合をもたらす二量体を形成する分子は、本発明の抗体の定義に含まれている。
【0056】
<シンデカン−2フラグメントポリペプチド>
シンデカン−2活性を調節または阻害するシンデカン−2フラグメントポリペプチドが本明細書で企図される。調節または阻害は、例えば、細胞表面のシンデカン−2に結合することにより達成される。シンデカン−2フラグメントポリペプチドは、場合によっては、細胞の表面でのシンデカン−2タンパク質の架橋結合によって、随意に、同じ細胞または異なる細胞の表面上の1つ以上のシンデカン−2タンパク質に対して、従ってTh17と所望の治療効果の阻害に対して作用する。場合によっては、シンデカン−2フラグメントポリペプチドは細胞表面のシンデカン−2に結合して、受容体またはリガンドと相互作用するその能力を妨げる。代替的に、または、組み合わせて、シンデカン−2フラグメントポリペプチドは、シンデカン受容体またはリガンドに結合することによって作用し、受容体またはリガンドが発現される完全長のシンデカン−2と相互作用して、細胞表面上で少なくとも部分的に露出されることを防ぐ。
【0057】
シンデカン−2のフラグメント、例えば、細胞外ドメインの少なくとも一部を含むシンデカン−2のフラグメントが本明細書で提供される。シンデカン−2のフラグメントは、以下に提示されるようなシンデカン−2ポリペプチド配列の一部といったシンデカン−2ポリペプチド配列の一部を含む少なくとも連続した一連のアミノ酸残基を含む:
【0058】
【化1】

シンデカン−2のフラグメント阻害剤は、完全長のポリペプチド中の残基の少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%を含むシンデカン−2ポリペプチドの一部を有するポリペプチドを含む。場合によっては、残基は連続しているか、または完全長のポリペプチドの残基と同一線上にある。代替的に、場合によっては、領域は完全長のポリペプチド中の互いの位置に対して再配置される。シンデカン−2のフラグメントは、限定されないが様々な位置のアミノ酸を含み、または、1−200、1−199、1−198、1−197、1−196、1−195、1−194、1−193、1−192、1−191、1−190、1−189、1−188、1−187、1−186、1−185、1−184、1−183、1−182、1−181、1−180、1−179、1−178、1−177、1−176、1−175、1−174、1−173、1−172、1−171、1−170、1−169、1−168、1−167、1−166、1−165、1−164、1−163、1−162、1−161、1−160、1−159、1−158、1−157、1−156、1−155、1−154、1−153、1−152、1−151、1−150、1−149、1−148、1−147、1−146、1−145、1−144、1−143、1−142、1−141、1−140、1−139、1−138、1−137、1−136、1−135、1−134、1−133、1−132、1−131、1−130、1−129、1−128、1−127、1−126、1−125、1−124、1−123、1−122、1−121、1−120、1−119、1−118、1−117、1−116、1−115、1−114、1−113、1−112、1−111、1−110、1−109、1−108、1−107、1−106、1−105、1−104、1−103、1−102、1−101、1−100、1−99、1−98、1−97、1−96、1−95、1−94、1−93、1−92、1−91、1−90、1−89、1−88、1−87、1−86、1−85、1−84、1−83、1−82、1−81、1−80、1−79、1−78、1−77、1−76、1−75、1−74、1−73、1−72、1−71、1−70、1−69、1−68、1−67、1−66、1−65、1−64、1−63、1−62、1−61、1−60、1−59、1−58、1−57、1−56、1−55、1−54、1−53、1−52、1−51、1−50、1−49、1−48、1−47、1−46、1−45、1−44、1−43、1−42、1−41、1−40、1−39、1−38、1−37、1−36、1−35、1−34、1−33、1−32、1−31、1−30、1−29、1−28、1−27、1−26、1−25、1−24、1−23、1−22、1−21、1−20、1−19、1−18、1−17、1−16、1−15、1−14、1−13、1−12、1−11、1−10、1−9、1−8、1−7、1−6、1−5、1−201のフラグメントのカルボキシ末端に対応するカルボキシ末端のシンデカン−2残基配列を有し、あるいは、ヒトのシンデカン−2の、または別の哺乳動物のシンデカン−2ファミリーメンバーの2−201、3−201、4−201、5−201、6−201、7−201、8−201、9−201、10−201、11−201、12−201、13−201、14−201、15−201、16−201、17−201、18−201、19−201、20−201、21−201、22−201、23−201、24−201、25−201、26−201、27−201、28−201、29−201、30−201、31−201、32−201、33−201、34−201、35−201、36−201、37−201、38−201、39−201、40−201、41−201、42−201、43−201、44−201、45−201、46−201、47−201、48−201、49−201、50−201、51−201、52−201、53−201、54−201、55−201、56−201、57−201、58−201、59−201、60−201、61−201、62−201、63−201、64−201、65−201、66−201、67−201、68−201、69−201、70−201、71−201、72−201、73−201、74−201、75−201、76−201、77−201、78−201、79−201、80−201、81−201、82−201、83−201、84−201、85−201、86−201、87−201、88−201、89−201、90−201、91−201、92−201、93−201、94−201、95−201、96−201、97−201、98−201、99−201、100−201、101−201、102−201、103−201、104−201、105−201、106−201、107−201、108−201、109−201、110−201、111−201、112−201、113−201、114−201、115−201、116−201、117−201、118−201、119−201、120−201、121−201、122−201、123−201、124−201、125−201、126−201、127−201、128−201、129−201、130−201、131−201、132−201、133−201、134−201、135−201、136−201、137−201、138−201、139−201、140−201、141−201、142−201、143−201、144−201、145−201、146−201、147−201、148−201、149−201、150−201、151−201、152−201、153−201、154−201、155−201、156−201、157−201、158−201、159−201、160−201、161−201、162−201、163−201、164−201、165−201、166−201、167−201、168−201、169−201、170−201、171−201、172−201、173−201、174−201、175−201、176−201、177−201、178−201、179−201、180−201、181−201、182−201、183−201、184−201、185−201、186−201、187−201、188−201、189−201、190−201、191−201、192−201、193−201、194−201、195−201、および、196−201のシンデカン−2フラグメントのアミノ末端に対応するアミノ末端シンデカン−2フラグメントに対応し、またはこれを有する、シンデカン−2ポリペプチドの任意の部分を含む。さらに、シンデカン−2フラグメントポリペプチドは、完全長のシンデカン−2ポリペプチドの少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または190を超えるアミノ酸を有する、例えば、上記のような、または本明細書のいずれかで記載されるようなアミノ末端とカルボキシ末端を有する、少なくとも一部の野生型のシンデカン−2の少なくとも一部を含むことも企図される。さらに、シンデカン−2フラグメントポリペプチドは、完全長のシンデカン−2ポリペプチドの少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または190を超えるアミノ酸を有する野性型のシンデカン−2の一部を含むことが企図される。さらに、シンデカン−2フラグメントポリペプチドは、完全長のシンデカン−2ポリペプチドのせいぜい10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または190を超えるアミノ酸を有する野性型のシンデカン−2の一部を含むことが企図される。シンデカン−2フラグメントは、場合によっては、シンデカン−2分子、または、ヒトまたは他の哺乳動物のシンデカン−2タンパク質のようなシンデカン−2ファミリー分子に一意的にマッピングされるフラグメントのみを指す。代替的に、シンデカン−2フラグメントは、場合によっては、ヒトのシンデカン−2のような単一種にマッピングされるフラグメントのみを指す。代替的に、シンデカン−2フラグメントは、場合によっては、フラグメントが非シンデカン−2ポリペプチドにもマッピングされるかどうかに関係なく、任意のシンデカン−2を指す。シンデカン−2フラグメントは、場合によっては、ヒトまたは他の哺乳動物のシンデカン−2タンパク質の4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14,15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、1、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、または200の連続した残基を含む。シンデカン−2フラグメントポリペプチドは、完全長の野性型シンデカン−2の残基19−144を含むシンデカン−2ポリペプチド、例えば、以下の配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインを含むように随意に企図される:
【0059】
【化2】
随意に、本明細書で開示されるシンデカン−2のフラグメントは、本明細書で列挙される特定のフラグメントに限定されない。ヒト以外の哺乳動物のシンデカン−2のオルソログも、すべて、および、ヒトのシンデカン−2について上のように本明細書に記載されるフラグメントとして、同様に熟考される。
【0060】
完全長のシンデカン−2とシンデカン−2のフラグメントは、シンデカン−2の変異体を含むように本明細書では理解される。本明細書に記載の変異体とは、限定されないが、当業者によって知られているシンデカン−2フラグメントの溶解性、安定性、効能、および他の望ましい形質を改善するために一連の結果として生じた分子を変えることもあることが分かっている、シンデカン−2のアミノ酸配列の変化を含む。シンデカン−2のフラグメントの変異体は、(i)少なくとも1つのアミノ酸残基が遺伝子コードによってコードされるものではないアミノ酸残基で置換され、(ii)成熟なポリペプチドが当該技術分野で知られているポリエチレングリコールまたは他のポリペプチド残基修飾のような別の化合物と融合され、あるいは(iii)追加のアミノ酸がリーダーまたは分泌配列、あるいはポリペプチドの精製のための配列などのシンデカン−2フラグメントに融合された、誘導体またはアナログを包含する。
【0061】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリペプチドは、シンデカン−2フラグメントポリペプチドの高親和性ホモログまたは変異体を組み込む。これに応じて、本明細書で提示される実施形態は、同一ではないが、野性型シンデカン−2フラグメントポリペプチドのアミノ酸配列に類似した配列を有するシンデカン−2フラグメントポリペプチドを包含する。したがって、さらに、実施形態の範囲内で企図される、提供された、例えば、NCBIウェブページで提供されるデフォルトパラメータ値のNCBI BLASTを用いて、野性型シンデカン−2と直線的に位置合わせされたシンデカン−2フラグメントの長さにわたって配列同一性を有するシンデカン−2フラグメントポリペプチドは、野性型シンデカン−2フラグメントポリペプチドの一部の配列と比較して、例えば、パーセント同一性を実証する、わずか、または、まさに、およそまたはちょうど99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、または80%しか/もの%同一性を実証する。いくつかのシンデカン−2フラグメントポリペプチドは、配列を有するポリペプチドを含めるように企図され、少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14,15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、1、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、または200、もしくはそれ以上の連続した残基は、野性型シンデカン−2の一部に対して、100%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、または80%の同一性を有する。複数のシンデカン−2フラグメントポリペプチドは、以下の配列を有するポリペプチドを含めるように企図され、わずかに4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14,15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、1、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、または200、もしくはそれ以上に過ぎない連続した残基は、野性型シンデカン−2の一部に対して、100%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、または80%の同一性を有する。変異体のシンデカン−2フラグメントポリペプチドは、野性型シンデカン−2フラグメントポリペプチドと同じかよりよい効能を備えたシンデカン−2活性を阻害する変異体のシンデカン−2フラグメントポリペプチドを含めるように企図される。
【0062】
完全長ポリペプチドまでを含むシンデカン−2フラグメントの典型的な修飾は、限定されないが、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチド又はヌクレオチド誘発体の共有結合、脂質又は脂質誘発体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合の架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタミン酸塩の形成、ホルミル化、ガンマカルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解性プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化(selenoylation)、硫酸化、アルギニル化(arginylation)などのアミノ酸のタンパク質への転移RNA媒介性の添加、及びユビキチン化を含む。
【0063】
修飾は、ペプチドバックボーン、側鎖、及びアミノ末端或いはカルボキシル末端を含む、シンデカン−2フラグメントのポリペプチド中の多くの領域に行われる。シンデカン−2フラグメントのポリペプチドの修飾に有用な特定の一般的なペプチド修飾は、グリコシル化、脂質付着、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ−カルボキシル化、ヒドロキシル化、共有結合性修飾によるポリペプチド中のアミノ基又はカルボキシル基、或いはその両方の遮断、及びADP−リボシル化を含む。随意に、シンデカン−2フラグメントのポリペプチド、例えばO結合ヘパリン硫酸は残基41、55、及び/又は57にて、及び/又はO結合アセチルガラクトサミンは残基101にてグリコシル化され;例えば残基115及び/又は187ではリン酸化される。
【0064】
更に、コア配列の1以上のアミノ酸は、必要な結合が維持又は増大されるような保存的な方法で、変更される。典型的な置換は、以下の群のアミノ酸の中で行われる:(a)G、A、V、L、及びI;(b)GとP;(c)S、C、T、M;(d)F、Y、及びW;(e)H、K、及びR;及び(f)D、E、N、及びQ。他の置換は以下の群を含む:(i)SとT;(ii)PとG;及び(iii)A、V、L、及びI。
【0065】
ポリペプチドが、通常関連していない別のポリペプチドに結合される(例えば、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)−融合タンパク質、ベータ−ガラクトシダーゼ融合、酵母ツーハイブリッドGAL融合、ポリ−His融合、Ig融合など)、シンデカン−2ポリペプチドの修飾も、本明細書に提供される実施形態の範囲内で考慮される。故に、シンデカン−2−2フラグメントのポリペプチドは随意に、そのN末端又はC末端の何れかにて、シンデカン−2フラグメントのポリペプチドに実質的に相同しないアミノ酸配列を持つ異種のポリペプチドへと、効果的に結合される。「効果的に結合される」は、シンデカン−2フラグメントのポリペプチド及び異種のポリペプチドが共にインフレームであることを示す。そのような融合タンパク質は、シンデカン−2活性を調節するために、シンデカン−2フラグメントのポリペプチドの能力、又はその機能的な変異体を変更する(例えば、増強する、衰えさせる)。そのような融合タンパク質は代替的に、ヒト患者又は実験動物におけるシンデカン−2フラグメントのポリペプチドの薬物動態学的な半減期を変更する(増強する、衰えさせる)。融合タンパク質は場合によっては、シンデカン−2フラグメントのポリペプチドが、食作用とADCCを含む骨髄細胞活性に与える活性を変更する。
【0066】
典型的なシンデカン−2フラグメントのポリペプチド融合タンパク質モジュレーター及び阻害剤は、例えば、シンデカン−2フラグメントのポリペプチドを含む第1の部分と、ホモ二量体化の第2の部分とを含む、融合タンパク質を含んでいる。場合によっては、第1の部分は細胞表面シンデカン−2に結合し、第2の部分を晒したままにして、付近で細胞表面シンデカン−2に結合する別のモジュレーターへの結合を可能にする。ホモ二量体化による結果として、細胞表面上のシンデカン−2、又は2以上の細胞上のシンデカン−2の架橋結合が再びもたらされる。
【0067】
随意に、第1の部分は、シンデカン−2のフラグメント、適切なものとしてはその細胞外ドメイン(例えばアミノ酸19−144)のフラグメントを含む。そのようなフラグメントの例は、C末端欠失フラグメント、内部フラグメント、及びN末端欠失フラグメントを含み、具体例は例えば、ヒトSDC−2のアミノ酸1−79;1−87;1−100;1−144;1−169;1−201;9−79;19−87;19−100;19−144;19−169;19−201に対応するペプチドである。
【0068】
随意に、第2の部分は二量体化ドメインを含む。二量体化ドメインの例は、抗体のFc部分又はそのフラグメント、ロイシンジッパー二量体化ドメイン、又はホモ二量体化或いはヘテロ二量体化に十分な他のドメインを含む。
【0069】
代替的なモジュレーターは、第1の部分と第2の部分を含み、その両方はシンデカン−2のフラグメントであり、場合によってはシンデカン−2に結合し、単一のモジュレーターは細胞上でSDC−2表面タンパク質に架橋するか、又は2以上の隣接する細胞を結合する。
【0070】
<シンデカン−2阻害ポリヌクレオチド>
本明細書には、シンデカン−2阻害ポリヌクレオチドを含むシンデカン−2のモジュレーターが提供される。本明細書中の阻害ポリヌクレオチドは、限定されないがRNAi、siRNA、shRNA、miRNAなどを含む。そのような阻害ポリヌクレオチドは、シンデカン−2 mRNAなどの標的遺伝子のmRNAのレベルを減少させ、それによりシンデカン−2などの標的遺伝子を阻害すると、当該技術分野で知られている。阻害ポリヌクレオチドは、シンデカン−2 mRNA配列に少なくとも部分的に逆相補性を含む配列を含んでいる。逆転写されたシンデカン−2 mRNAに対応するcDNAは以下のように提示される:
【0072】
阻害ポリヌクレオチドは、二本鎖RNA(siRNA、miRNA)、又はヘアピン構造(shRNA)を形成するRNAを発現するベクターとして提供される。阻害ポリヌクレオチドは通常、標的細胞又は組織への阻害ポリヌクレオチドの送達を可能にし、血清半減期と安定性を増大させる、リポソームナノ粒子製剤及び他の製剤において処方される。同様に、阻害ポリヌクレオチドは、上述のヒトSDC2転写物の、又は代替的に哺乳動物シンデカン−2オルソログのシンデカン−2転写物の、少なくとも、最大、約、又は正確に、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、又は1%に及ぶ連続する塩基の範囲を含むと考慮される。場合によっては、連続する塩基の範囲は、一意的にヒトのシンデカン−2にマッピングされる。場合によっては、連続する塩基の範囲は、一意的に非ヒト哺乳動物のシンデカン−2オルソログにマッピングされる。場合によっては、連続する塩基の範囲はまた、一意的に哺乳動物のシンデカン−2ファミリーにマッピングされる。場合によっては、連続する塩基の範囲はまた、一意的に非シンデカン−2配列にマッピングされる。
【0073】
<シンデカン−2モジュレーター組成物>
本明細書には、被験体への投与に適切な、本明細書に記載されるシンデカン−2モジュレーター又はアンタゴニストと、薬学的に許容可能な担体などの1以上の薬学的に許容可能な成分とを含む、シンデカン−2モジュレーター及びアンタゴニストの組成物が考慮される。バッファー、塩、及び賦形剤などの薬学的に許容可能な担体は、生理学的に適合可能である、任意の及び全ての溶媒、分散液媒体、コーティング、抗菌性且つ抗真菌性の薬剤、等張化剤(tonicifiers)、及び吸収遅延剤を含む。薬学的に許容可能な担体の例は、水、食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどの1以上、同様にそれらの組み合わせを含む。薬学的に許容可能な担体は随意に、シンデカン−2モジュレーター及びアンタゴニストの自己生命又は有効性を増強する、湿潤剤又は乳化剤、防腐剤、又はバッファーなどの物質を含む。薬学的に許容可能なバッファーは、マレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、酢酸、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、ヒスチジン(histadine)、グリシン、及びそれらの組み合わせを含むと考慮される。薬学的に許容可能な塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、及びそれらの組み合わせを含むと考慮される。薬学的に許容可能な賦形剤は、水、デキストロース、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、モノエチルエーテル、界面活性剤ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレアート、及びそれらの組み合わせを含むと考慮される。大抵、投与は静脈内投与であり;従って、好ましい担体は、静脈内投与と一致する薬学的に許容可能な担体である。
【0074】
シンデカン−2モジュレーター及びアンタゴニストの組成物は、治療上有効な量のシンデカン−2モジュレーター又はアンタゴニストを随意に含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、0.01mg〜20mgの投与量、例えば、0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5mg、5.1mg、5.2mg、5.3mg、5.4mg、5.5mg、5.6mg、5.7mg、5.8mg、5.9mg、6mg、6.1mg、6.2mg、6.3mg、6.4mg、6.5mg、6.6mg、6.7mg、6.8mg、6.9mg、7mg、7.1mg、7.2mg、7.3mg、7.4mg、7.5mg、7.6mg、7.7mg、7.8mg、7.9mg、8mg、8.1mg、8.2mg、8.3mg、8.4mg、8.5mg、8.6mg、8.7mg、8.8mg、8.9mg、9mg、9.1mg、9.2mg、9.3mg、9.4mg、9.5mg、9.6mg、9.7mg、9.8mg、9.9mg、10mg、10.1mg、10.2mg、10.3mg、10.4mg、10.5mg、10.6mg、10.7mg、10.8mg、10.9mg、11mg、11.1mg、11.2mg、11.3mg、11.4mg、11.5mg、11.6mg、11.7mg、11.8mg、11.9mg、12mg、12.1mg、12.2mg、12.3mg、12.4mg、12.5mg、12.6mg、12.7mg、12.8mg、12.9mg、13mg、13.1mg、13.2mg、13.3mg、13.4mg、13.5mg、13.6mg、13.7mg、13.8mg、13.9mg、14mg、14.1mg、14.2mg、14.3mg、14.4mg、14.5mg、14.6mg、14.7mg、14.8mg、14.9mg、15mg、15.1mg、15.2mg、15.3mg、15.4mg、15.5mg、15.6mg、15.7mg、15.8mg、15.9mg、16mg、16.1mg、16.2mg、16.3mg、16.4mg、16.5mg、16.6mg、16.7mg、16.8mg、16.9mg、17mg、17.1mg、17.2mg、17.3mg、17.4mg、17.5mg、17.6mg、17.7mg、17.8mg、17.9mg、18mg、18.1mg、18.2mg、18.3mg、18.4mg、18.5mg、18.6mg、18.7mg、18.8mg、18.9mg、19mg、19.1mg、19.2mg、19.3mg、19.4mg、19.5mg、19.6mg、19.7mg、19.8mg、19.9mg、又は20mgを含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、場合によっては、0.1mg〜2.0mgの投与量を含むと考慮される。
【0075】
シンデカン−2モジュレーター及びアンタゴニストの組成物は、治療上有効な量のシンデカン−2モジュレーター又はアンタゴニストを随意に含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、約0.01mg〜約20mgの投与量、例えば、約0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5mg、5.1mg、5.2mg、5.3mg、5.4mg、5.5mg、5.6mg、5.7mg、5.8mg、5.9mg、6mg、6.1mg、6.2mg、6.3mg、6.4mg、6.5mg、6.6mg、6.7mg、6.8mg、6.9mg、7mg、7.1mg、7.2mg、7.3mg、7.4mg、7.5mg、7.6mg、7.7mg、7.8mg、7.9mg、8mg、8.1mg、8.2mg、8.3mg、8.4mg、8.5mg、8.6mg、8.7mg、8.8mg、8.9mg、9mg、9.1mg、9.2mg、9.3mg、9.4mg、9.5mg、9.6mg、9.7mg、9.8mg、9.9mg、10mg、10.1mg、10.2mg、10.3mg、10.4mg、10.5mg、10.6mg、10.7mg、10.8mg、10.9mg、11mg、11.1mg、11.2mg、11.3mg、11.4mg、11.5mg、11.6mg、11.7mg、11.8mg、11.9mg、12mg、12.1mg、12.2mg、12.3mg、12.4mg、12.5mg、12.6mg、12.7mg、12.8mg、12.9mg、13mg、13.1mg、13.2mg、13.3mg、13.4mg、13.5mg、13.6mg、13.7mg、13.8mg、13.9mg、14mg、14.1mg、14.2mg、14.3mg、14.4mg、14.5mg、14.6mg、14.7mg、14.8mg、14.9mg、15mg、15.1mg、15.2mg、15.3mg、15.4mg、15.5mg、15.6mg、15.7mg、15.8mg、15.9mg、16mg、16.1mg、16.2mg、16.3mg、16.4mg、16.5mg、16.6mg、16.7mg、16.8mg、16.9mg、17mg、17.1mg、17.2mg、17.3mg、17.4mg、17.5mg、17.6mg、17.7mg、17.8mg、17.9mg、18mg、18.1mg、18.2mg、18.3mg、18.4mg、18.5mg、18.6mg、18.7mg、18.8mg、18.9mg、19mg、19.1mg、19.2mg、19.3mg、19.4mg、19.5mg、19.6mg、19.7mg、19.8mg、19.9mg、又は20mgを含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、場合によっては、約0.1mg〜約2.0mgの投与量を含むと考慮される。本明細書で使用されるように、「約」は、表示値のプラス又はマイナス10%の値を含むと理解される。
【0076】
シンデカン−2モジュレーター及びアンタゴニストの組成物はまた、自己免疫疾患の処置に有用な少なくとも1つの付加的な治療剤を随意に含むと考慮される。自己免疫疾患の処置に有用な治療剤は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、イブプロフェン、ナプロキセン、メロキシカム、エトドラク、ナブメトン、スリンダク、トレメンチン(tolementin)、サリチル酸コリンマグネシウム、ジクロフェナク、ジフルシナル、インドメタシン(indomethescin)、ケトプロフェン、メロキシカム、オキサプロジン、ピロキシカム、セレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、コルチコステロイド、メトトレキサート、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、レフルノミド、TNFa阻害剤、エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、アバタセプト、リツキシマブ、トシリズマブ(tociluzumab)、アナキンラ、シクロスポリン、抗胸腺細胞グロブリン、ミコフェノール酸モフェチル、及びシクロホスファミドを含むが、これらに限定されない。
【0077】
シンデカン−2モジュレーター及びアンタゴニストの組成物はまた、線維症の処置に有用な少なくとも1つの付加的な治療剤を随意に含むと考慮される。線維症を処置するのに有用な治療剤は、ニンテダニブ、ピルフェニドン、コルチコステロイド、アルブテロール、レバブテロール、サルメテロール、ホルモテロール、フロベント、及びパルミコートを含むが、これらに限定されない。
【0078】
シンデカン−2モジュレーター及びアンタゴニストの組成物はまた、癌の処置に有用な少なくとも1つの付加的な治療剤を随意に含むと考慮される。癌を処置するのに有用な治療剤は、メトトレキサート(RHEUMATREX(登録商標)、アメトプテリン)、シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))、サリドマイド(THALIDOMID(登録商標))、アクリジンカルボキサミド、actimid(登録商標)、アクチノマイシン、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン、アミノプテリン、アムサクリン、アントラサイクリン、抗悪性腫瘍薬、アンチネオプラストン、5−アザシチジン、アザチオプリン、BL22、ベンダムスチン、ビリコダル、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン、ブスルファン、カリクリン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、ダカルバジン、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、ジクロロ酢酸、ディスコデルモリド、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エリブリン、エストラムスチン、エトポシド、エキサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ホスフェストロール、ホテムスチン、ガンシクロビル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、IT−101、イダルビシン、イホスファミド、イミキモド、イリノテカン、イロフルベン、イクサベピロン、ラニクイダル、ラパチニブ、レナリドミド、ロムスチン、ラルトテカン、マホスファミド、マソプロコール、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネララビン、ニロチニブ、オブリメルセン、オキサリプラチン、PAC−1、パクリタキセル、ペメトレキセド、ペントスタチン、ピポブロマン、ピクサントロン、プリカマイシン、プロカルバジン、プロテアソーム阻害剤(例えばボルテゾミブ)、ラルチトレキセド、レベッカマイシン、revlimid(登録商標)、ルビテカン、SN−38、サリノスポラミドA、サトラプラチン、ストレプトゾトシン、スウェインソニン、タリクイダル、タキサン、テガフール−ウラシル、テモゾロミド、テストラクトン、チオTEPA、チオグアニン、トポテカン、トラベクテジン、トレチノイン、四硝酸トリプラチン(triplatin tetranitrate)、トリス(2−クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、及びゾスキダルを含むが、これらに限定されない。随意に、シンデカン−2モジュレーター及びアンタゴニストの組成物は、抗癌治療の少なくとも1つの副作用を軽減するのに有用な治療剤を含むか、又はそれと共に放送され、そのような治療剤の幾つかは、ヒドロモルホン、レボルファノール、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、ヒドロコドン、オキシモルホン、フェンタニル、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、パロノセトロン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、ドロペリドール、ハロペリドール、メトクロプラミド、プロクロルペラジン、プロメタジン、ロラゼパム、アルプラゾラム、ドロナビノール、ナビロン、アプレピタント、ロラピタント、エポエチン、ダーベポエチン、フィルグラスチム、ペグフィルグラスチム、及びサルグラモスチムを含む。
【0079】
本発明のモジュレーター及びアンタゴニストは随意に、各種疾患の細胞治療と組み合わせても使用される。従って、本発明は更に、少なくとも30%がシンデカン−2に陽性である哺乳動物細胞の集団と組み合わせて、自己免疫疾患又は線維症の処置において本発明の初期の態様に従った使用のために組み合わされる、シンデカン−2のモジュレーター又はアンタゴニストを含む組成物を提供する。同様に、場合によっては、本明細書における組成物は例えば、特に自己免疫性の指標のための治療として、CD4+、CD25+、Foxp3+制御性細胞などの制御性T細胞を含む。同様に、場合によっては、本明細書における組成物は例えば、特に腫瘍学指標のための治療として、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)細胞を含む。同様に、場合によっては、本明細書における組成物は例えば、特に腫瘍学指標のための治療として、設計された幹中央記憶T(CCR7+、CD62+)細胞を含む。同様に、場合によっては、本明細書における組成物は例えば、特に腫瘍学指標のための治療として、例えば幹中央記憶T(CCR7+、CD62L+)細胞などに由来する、設計されたCD8+T細胞クローンを含む。同様に、場合によっては、本明細書における組成物は例えば、特に腫瘍学指標のための治療として、設計されたCAR−T細胞治療細胞を含む。同様に、場合によっては、本明細書における組成物は例えば、特に腫瘍学指標のための治療として、設計されたTCR−T細胞治療細胞を含む。同様に、場合によっては、本明細書における組成物は例えば、特に腫瘍学指標のための治療として、設計されたナチュラルキラー(NK)細胞治療細胞を含む。代替的に、組成物は、別々にではあるが、処置レジメンの一部として上述のような細胞と組み合わせて投与される。
【0080】
治療に使用される細胞は通常、マウス、ラット、ウマ、又はヒトの細胞、好ましくはヒト細胞である。そのような治療の実施形態において、哺乳動物細胞集団の40%以上、50%以上、又は75%以上は、シンデカン−2に陽性である。本明細書におけるモジュレーター/アンタゴニスト治療と組み合わせて使用される、適切な細胞治療の更なる要素は、全体において引用により本明細書に組み込まれるWO2013/117761、及び全体において引用により本明細書に組み込まれる2014年12月4日公開のUS2014/0356398に記載される。そのような治療の幾つかの実施形態において、治療細胞は例えば、CD4+、CD25+、Foxp3+制御性T細胞などの制御性T細胞、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)細胞、CCR7+、CD62L+細胞などの幹中央記憶T細胞、中央記憶細胞由来のcd8+t細胞クローン、CAR−T細胞、TCR−T細胞、又はナチュラルキラー(NK)細胞を含む。
【0081】
組成物は場合によっては細胞を含み、或いは場合によっては、本明細書に開示されるような細胞と共に同時投与される。組成物は様々に、少なくとも100の細胞、1,000の細胞、10,000の細胞、100,000の細胞、1,000,000の細胞、10,000,000の細胞、100,000,000の細胞、1,000,000,000の細胞、又は10億を超える細胞を含む。同時投与は様々に、少なくとも100の細胞、1,000の細胞、10,000の細胞、100,000の細胞、1,000,000の細胞、10,000,000の細胞、100,000,000の細胞、1,000,000,000の細胞、又は10億を超える細胞の投与を含む。
【0082】
<自己免疫性疾患及び炎症性疾患の処置における方法と組成物>
本明細書には、自己免疫性疾患及び炎症性疾患などの疾患の処置を必要とすると特定された患者における、そのような疾患の処置に使用されるシンデカン−2モジュレーターが提供される。シンデカン−2のそのようなモジュレーターは、自己免疫性疾患又は炎症性疾患の少なくとも1つの症状を緩和、縮小、又は排除する。シンデカン−2のモジュレーターは、Th17細胞活性の阻害により少なくとも部分的に作用する。
【0083】
細胞表面シンデカン−2への結合により作用する、モジュレーター化合物、分子、又は組成物を使用して、処置は本明細書における実施形態で達成される。このことは、本明細書における幾つかの例において、細胞表面シンデカン−2の架橋結合、従ってTh17の阻害及び所望の治療効果に通じることが、観察された。場合によっては、モジュレーター化合物は、細胞表面シンデカン−2に結合し、受容体又はリガンドと相互に作用する能力に干渉する。場合によっては、モジュレーター化合物は、少なくとも1つのシンデカン−2結合タンパク質又は受容体に結合し、シンデカン−2と相互に作用する能力に干渉する。
【0084】
モジュレーターは場合によっては、シンデカン−2に対する抗体であることが、以下でより詳細に記載される。代替的に、モジュレーターは、ヒトのシンデカン−2、又は哺乳動物のシンデカン−2オルソログに特異的に結合する、可変ドメイン又は可変ドメイン領域を含む。また本明細書には、シンデカン−2のフラグメント、例えば、完全長の野生型シンデカン−2のアミノ酸19−144を含む細胞外ドメインの少なくとも一部を含んでいる、シンデカン−2のフラグメントを含む、シンデカン−2のモジュレーターが考慮される。シンデカン−2のフラグメントの例は、C末端欠失フラグメント、内部フラグメント、及びN末端欠失フラグメントを含み、具体例は例えば、ヒトSDC−2のアミノ酸1−79;1−87;1−100;1−144;1−169;1−201;9−79;19−87;19−100;19−144;19−169;19−201に対応するペプチドである。
【0085】
阻害を行う他の組成物も本明細書に開示され、例えば、シンデカン−2のフラグメントを含む融合タンパク質である。シンデカン−2のモジュレーターは、シンデカン−2に結合する第1の部分、及びヘテロ二量体化第2の部分を含む。使用時に、第1の部分は細胞表面シンデカン−2に結合し、第2の部分を晒したままにして、付近で細胞表面シンデカン−2に結合する別のモジュレーターへの結合を可能にする。ホモ二量体化の結果、細胞表面上にシンデカン−2の架橋結合が再びもたらされる。
【0086】
随意に、第1の部分は、シンデカン−2のフラグメント、適切なものとしてはその細胞外ドメイン(例えばアミノ酸19−144)のフラグメントを含む。そのようなフラグメントの例は、C末端欠失フラグメント、内部フラグメント、及びN末端欠失フラグメントを含み、具体例は例えば、ヒトSDC−2のアミノ酸1−79;1−87;1−100;1−144;1−169;1−201;9−79;19−87;19−100;19−144;19−169;19−201に対応するペプチドである。
【0087】
随意に、第2の部分は二量体化ドメインを含む。二量体化ドメインの例は、ホモ二量体化に十分な抗体のFc部分又はそのフラグメントを含む。
【0088】
代替的なモジュレーターは、第1の部分と第2の部分を含み、その両方はシンデカン−2に結合し、それにより、単一のモジュレーターは、細胞上で2つのSDC−2表面タンパク質と架橋し、又はそれらの表面でSDC2又はシンデカン−2タンパク質を持つ2以上の隣接細胞に結合する。
【0089】
本明細書に提供される実施形態において、モジュレーターの効果はシンデカン−2の活性に逆らうことである。従って、本明細書には、シンデカン−2活性の阻害剤などの、シンデカン−2のアンタゴニストが提供される。シンデカン−2のそのようなアンタゴニストは、Th17細胞活性の阻害を介して処置或いは緩和されるものなどの自己免疫疾患の症状の処置又は緩和において有益である。アンタゴニスト活性は、場合によっては、細胞表面シンデカン−2タンパク質への結合を介して、及び場合によっては、細胞表面シンデカン−2の間に二重結合された又は二量体化された「架橋」の作成を介して達成されると考慮される。
【0090】
本明細書で提供されるモジュレーターは、自己免疫疾患、例えば、Th17リンパ球及びIL−17タンパク質のレベルの上昇を特徴とする自己免疫性疾患及び炎症性疾患の症状を処置又は緩和する。より具体的には、処置される自己免疫疾患は、乾癬、関節リウマチ、若年性慢性関節リウマチ、変形性関節炎、乾癬性関節炎、全身性エリトマトーデス、潰瘍性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患、喘息、急性呼吸窮迫症候群、及び多発性硬化症の少なくとも1つから選択される。本明細書で提供されるモジュレーターは代替的に自己免疫疾患を処置するためにも使用され、自己免疫疾患は、強直性脊椎炎、1型糖尿病、橋本甲状腺炎、リウマチ性多発筋痛、反応性関節炎(ライター症候群)、サルコイドーシス、強皮症、シェーグレン症候群、化膿性汗腺炎、脳脊髄炎、重症筋無力症、自己免疫性甲状腺炎、アトピー性皮膚炎、湿疹性皮膚炎、アフタ性潰瘍、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、皮膚紅斑性狼瘡、強皮症、膣炎、直腸炎、癩性結節性紅斑、自己免疫性ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、急性壊死出血性脳障害、再性不良性貧血、真正赤血球性貧血、特発性血小板減少症、多発性軟骨炎、ヴェゲナー肉芽腫症、慢性活動性肝炎、スティーブンス・ジョンソン症候群、特発性スプルー、扁平苔癬、グレーブス病、サルコイドーシス、後部ブドウ膜炎、自己免疫性多発内分泌腺症候群、自己免疫性アジソン病、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、疱疹状皮膚炎、自己免疫性脱毛症、尋常性白斑、自己免疫溶血性貧血、自己免疫性血小板減少性紫斑病、悪性貧血、ギラン−バレー症候群、スティッフマン症候群、急性リウマチ熱、交感性眼炎、グッドパスチャー症候群、全身性壊死性血管炎、抗リン脂質症候群、及びベーチェット病を含むが、これらに限定されない。
【0091】
本明細書で提供される幾つかの処置は、自己免疫疾患の少なくとも1つの症状を和らげる又は緩和する。自己免疫疾患の症状は、自己免疫疾患のタイプに依存して変動する。幾つかのそのような症状は当該技術分野で既知であり、限定されないが疼痛、腫れ、発熱、発疹、疲労、倦怠感、下痢症、腹部膨満、気体、低血球数、骨粗鬆症、口内乾燥、眼乾燥、視力喪失、協調運動障害、脊椎柔軟性の低下、血糖増加、口渇感増強、頻尿、空腹、霧視、脱毛症、体重減少、筋肉痛、関節痛、頭痛、呼吸困難、及び顎痛の少なくとも1つを含む。
【0092】
本明細書に開示されるモジュレーターを含む組成物が考慮される。これら組成物は、開示された処置、明確に列挙された自己免疫疾患において使用される。
【0093】
また本明細書には、Th17細胞活性を阻害するのに有効な量のシンデカン−2モジュレーター又はシンデカン−2アンタゴニストを、必要としている患者に投与する工程を含む、自己免疫疾患の処置方法が提供される。特異的な自己免疫疾患は他の場所に列挙されるようなものである。モジュレーターとアンタゴニストは同様に、他の場所に列挙されるようなものであり;従って、例えばモジュレーター又はアンタゴニストは、細胞表面シンデカン−2に結合し、シンデカン−2の架橋結合を結果としてもたらす。幾つかの方法は、シンデカン−2に抗体を投与する工程を含む。大抵、投与は静脈内投与である。
【0094】
自己免疫疾患又は障害の処置方法は、症状の緩和を必要とする患者への本明細書における組成物の投与を含む。大抵、被験体は、自己免疫障害の主症状であると確認され、本明細書に開示されるような組成物を含む処置を受けるために選択される。本明細書に列挙された組成物が、被験体に投与される。多くの好ましい実施形態において投与は静脈内であるが、表面投与、又はその他の標的組織への直接接触などの代替的な投与経路も、考慮される。静脈内投与の代わりに、場合によっては組成物は、局所又は全身で、軟膏、ローション、又はエマルジョンとして投与されるか、注入されるか、外科的に導入されるか、摂取されるか、局所、経口、頬側(bucaly)、経鼻で投与されるか、又は被験体の腔へと導入される。組成物は、単独で、又は時間的経過にわたって(例えば、毎日、週に複数回、毎週、隔週、毎月、又は低頻度)投与される。組成物は、単独で、又は、栄養の補給又は調節、運動、又は他の処置などの、場合によっては障害の処置に関連付けられる付加的な手段と合わせて投与される。投与は食事中、又は食間に行われ、毎日の投与のタイミング(例えば、朝の投与、夜の投与、又は睡眠、食事、或いは運動に対する複数回の投与)には依存しないか、又は代替的に依存している。
【0095】
場合によっては、処置を必要とする被験体は、本明細書に提示されるような組成物の投与前にモニタリングされる。症状が確認され、その重症度が評価される。本明細書に記載されるような組成物は、単独で、又は、付加的な手段と組み合わせて、単回、或いは、本明細書に議論され又は当業者に知られるように経時的に複数回、投与される。被験体は随意に、処置レジメンの効果が判定されるようにモニタリングされる。随意に、処置レジメンは、前処置の結果に応じて修正され、それにより、処置の用量又は頻度、或いは用量及び頻度が、症状緩和、副作用減少、又は症状緩和と副作用減少の組み合わせの観点から所望のレベルの被験体応答を達成するように変更される。場合によっては、処置レジメンの前、間、後の何れか、或いは処置レジメンの前、間、及び後にレポートが製作され、医師、医療関係者、保険業者、及び/又は被験体或いは被験体の代理人に提供される。
【0096】
本明細書に開示されるモジュレーター及びアンタゴニストは随意に、各種疾患の細胞治療と組み合わせても使用される。従って、少なくとも30%がシンデカン−2に陽性である哺乳動物細胞の集団と組み合わせて、シンデカン−2のモジュレーター又はアンタゴニストを含む組成物が、更に提供される。また本明細書には、CD4+、CD25+、Foxp3+制御性T細胞などの、治療細胞の集団と組み合わされるシンデカン−2のモジュレーター又はアンタゴニストが提供される。場合によっては、細胞は、本明細書に開示されるモジュレーター又はアンタゴニストと組み合わせて単一の組成物として投与される。代替的に又は組み合わせで、場合によっては細胞は、別々に、又は、本明細書に開示されるモジュレーター又はアンタゴニストに関する別個の投与経路を介して投与される。
【0097】
治療に使用される細胞は通常、マウス、ラット、ウマ、又はヒトの細胞、好ましくはヒト細胞である。そのような治療の実施形態において、哺乳動物細胞集団の40%以上、50%以上、又は75%以上は、シンデカン−2に陽性である。本明細書におけるモジュレーター/アンタゴニスト治療と組み合わせて使用される、適切な細胞治療の更なる要素は、全体において引用により本明細書に組み込まれるWO2013/117761に記載される。
【0098】
シンデカン−2モジュレーター及びアンタゴニストの組成物は、治療上有効な量のシンデカン−2モジュレーター又はアンタゴニストを随意に含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、0.01mg〜20mgの投与量、例えば、0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5mg、5.1mg、5.2mg、5.3mg、5.4mg、5.5mg、5.6mg、5.7mg、5.8mg、5.9mg、6mg、6.1mg、6.2mg、6.3mg、6.4mg、6.5mg、6.6mg、6.7mg、6.8mg、6.9mg、7mg、7.1mg、7.2mg、7.3mg、7.4mg、7.5mg、7.6mg、7.7mg、7.8mg、7.9mg、8mg、8.1mg、8.2mg、8.3mg、8.4mg、8.5mg、8.6mg、8.7mg、8.8mg、8.9mg、9mg、9.1mg、9.2mg、9.3mg、9.4mg、9.5mg、9.6mg、9.7mg、9.8mg、9.9mg、10mg、10.1mg、10.2mg、10.3mg、10.4mg、10.5mg、10.6mg、10.7mg、10.8mg、10.9mg、11mg、11.1mg、11.2mg、11.3mg、11.4mg、11.5mg、11.6mg、11.7mg、11.8mg、11.9mg、12mg、12.1mg、12.2mg、12.3mg、12.4mg、12.5mg、12.6mg、12.7mg、12.8mg、12.9mg、13mg、13.1mg、13.2mg、13.3mg、13.4mg、13.5mg、13.6mg、13.7mg、13.8mg、13.9mg、14mg、14.1mg、14.2mg、14.3mg、14.4mg、14.5mg、14.6mg、14.7mg、14.8mg、14.9mg、15mg、15.1mg、15.2mg、15.3mg、15.4mg、15.5mg、15.6mg、15.7mg、15.8mg、15.9mg、16mg、16.1mg、16.2mg、16.3mg、16.4mg、16.5mg、16.6mg、16.7mg、16.8mg、16.9mg、17mg、17.1mg、17.2mg、17.3mg、17.4mg、17.5mg、17.6mg、17.7mg、17.8mg、17.9mg、18mg、18.1mg、18.2mg、18.3mg、18.4mg、18.5mg、18.6mg、18.7mg、18.8mg、18.9mg、19mg、19.1mg、19.2mg、19.3mg、19.4mg、19.5mg、19.6mg、19.7mg、19.8mg、19.9mg、又は20mgを含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、場合によっては、0.1mg〜2.0mgの投与量を含むと考慮される。
【0099】
シンデカン−2モジュレーター及びアンタゴニストの組成物は、治療上有効な量のシンデカン−2モジュレーター又はアンタゴニストを随意に含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、約0.01mg〜約20mgの投与量、例えば、約0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5mg、5.1mg、5.2mg、5.3mg、5.4mg、5.5mg、5.6mg、5.7mg、5.8mg、5.9mg、6mg、6.1mg、6.2mg、6.3mg、6.4mg、6.5mg、6.6mg、6.7mg、6.8mg、6.9mg、7mg、7.1mg、7.2mg、7.3mg、7.4mg、7.5mg、7.6mg、7.7mg、7.8mg、7.9mg、8mg、8.1mg、8.2mg、8.3mg、8.4mg、8.5mg、8.6mg、8.7mg、8.8mg、8.9mg、9mg、9.1mg、9.2mg、9.3mg、9.4mg、9.5mg、9.6mg、9.7mg、9.8mg、9.9mg、10mg、10.1mg、10.2mg、10.3mg、10.4mg、10.5mg、10.6mg、10.7mg、10.8mg、10.9mg、11mg、11.1mg、11.2mg、11.3mg、11.4mg、11.5mg、11.6mg、11.7mg、11.8mg、11.9mg、12mg、12.1mg、12.2mg、12.3mg、12.4mg、12.5mg、12.6mg、12.7mg、12.8mg、12.9mg、13mg、13.1mg、13.2mg、13.3mg、13.4mg、13.5mg、13.6mg、13.7mg、13.8mg、13.9mg、14mg、14.1mg、14.2mg、14.3mg、14.4mg、14.5mg、14.6mg、14.7mg、14.8mg、14.9mg、15mg、15.1mg、15.2mg、15.3mg、15.4mg、15.5mg、15.6mg、15.7mg、15.8mg、15.9mg、16mg、16.1mg、16.2mg、16.3mg、16.4mg、16.5mg、16.6mg、16.7mg、16.8mg、16.9mg、17mg、17.1mg、17.2mg、17.3mg、17.4mg、17.5mg、17.6mg、17.7mg、17.8mg、17.9mg、18mg、18.1mg、18.2mg、18.3mg、18.4mg、18.5mg、18.6mg、18.7mg、18.8mg、18.9mg、19mg、19.1mg、19.2mg、19.3mg、19.4mg、19.5mg、19.6mg、19.7mg、19.8mg、19.9mg、又は20mgを含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、場合によっては、約0.1mg〜約2.0mgの投与量を含むと考慮される。本明細書で使用されるように、「約」は、表示値のプラス又はマイナス10%の値を含むと理解される。
【0100】
<線維症の処置における方法と組成物>
本明細書で提供されるものなどのシンデカン−2モジュレーターは、疾患に関連するものなどの線維症に対する治療のために考慮される。従って、本明細書には、線維症の処置に使用されるシンデカン−2のモジュレーターが提供される。例において、モジュレーターはTh17活性の阻害により疾患の線維症を処置する際に作用することが、以下により詳細に説明される。
【0101】
具体的に、処置は、細胞表面シンデカン−2などのシンデカン−2への結合により作用する、少なくとも1つのモジュレーターの化合物、分子、又は組成物を使用して、本明細書における幾つかの実施形態において達成される。このことは、例えば、細胞表面シンデカン−2の架橋結合、従ってTh17の阻害及び所望の治療上の抗線維症効果に通じることが、観察された。
【0102】
本明細書では、モジュレーターの効果はシンデカン−2の活性に逆らうことであると考慮されている。従って、Th17細胞活性の阻害による線維症の処置に使用される、シンデカン−2のアンタゴニストが提供される。アンタゴニスト活性は典型的に、細胞表面シンデカン−2への結合、及び細胞表面シンデカン−2の間の架橋結合を介して達成される。本明細書に別記されるように、抗体はアンタゴニストとして使用される。また本明細書では、本開示に記載されるように、モジュレーター及びアンタゴニストとして随意に使用されるシンデカン−2のフラグメントが、考慮される。
【0103】
本明細書で提供されるように使用するためのシンデカン−2のモジュレーター又はアンタゴニストは、肺の線維症疾患、肝臓の線維症疾患、及び心臓の線維症疾患の1以上などの、一般的な線維症の処置のためのものである。
【0104】
肺の線維症の例は、肺線維症、特発性肺線維症、及び膵嚢胞性線維症を含む。肝臓線維症の例は肝硬変である。心臓線維症の例は、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、及び心房性線維症を含む。本発明により処置可能な線維症を含む他の疾患は、縦隔洞線維症、骨髄線維症(骨髄)、後腹膜線維症(後腹膜の軟組織)、進行性塊状線維症(肺の中、石炭労働者じん肺症の複雑化)、腎原性全身性線維症(皮膚に影響を及ぼす)、クローン病(腸に影響を及ぼす)、皮膚のケロイド疾患、強皮症/全身性硬化症(皮膚と肺に影響を及ぼす)、関節線維性癒着(膝、肩、他の関節)、ペイロニー病(陰茎)、デュピュイトラン拘縮(手、指)、及び癒着性関節嚢炎の幾つかの形態(肩)を含む。
【0105】
本明細書で提供される幾つかの処置は、線維症の少なくとも1つの症状を和らげる又は低減する。線維症の症状は、線維症のタイプに依存して変動する。幾つかのそのような症状は当該技術分野で既知であり、限定されないが、息切れ、頻発性の空咳、浅呼吸、体重減少、疲労、関節痛、筋肉痛、指及び/又はつま先の撥指形成、肝機能障害、心臓機能不全、及び線維症による他の臓器不全を含む。
【0106】
モジュレーターを含む組成物が本発明により更に提供される。これらは、開示された線維症の処置、具体的には列挙された線維症の疾患の処置に使用するものである。
【0107】
本発明はまた、Th17細胞活性を阻害するのに有効な量のシンデカン−2モジュレーター又はシンデカン−2アンタゴニストを、必要としている患者に投与する工程を含む、線維症の処置方法を提供する。大抵、投与は静脈内投与である。特異的な線維症疾患は他の場所に列挙されるようなものである。モジュレーターとアンタゴニストは同様に、他の場所に列挙されるようなものであり;従って、例えばモジュレーター又はアンタゴニストは、細胞表面シンデカン−2に結合し、シンデカン−2の架橋結合を結果としてもたらす。1つの方法は、シンデカン−2に抗体を投与する工程を含む。
【0108】
線維症疾患又は障害の処置方法は、症状の緩和を必要とする患者への本明細書における組成物の投与を含む。大抵、被験体は、線維症疾患又は障害の主症状であると確認され、本明細書に開示されるような組成物を含む処置を受けるために選択される。本明細書に列挙された組成物が、被験体に投与される。多くの好ましい実施形態において投与は静脈内であるが、表面投与、又はその他の標的組織への直接接触などの代替的な投与経路も、考慮される。組成物は、局所又は全身で、軟膏、ローション、又はエマルジョンとしてされるか、注入されるか、外科的に導入されるか、摂取されるか、局所、経口、頬側、経鼻で投与されるか、又は被験体の腔へと導入される。組成物は、単独で、又は時間的経過にわたって(例えば、毎日、週に複数回、毎週、隔週、毎月、又は低頻度)投与される。組成物は、単独で、又は、栄養の補給又は調節、運動、又は他の処置などの、場合によっては障害の処置に関連付けられる付加的な手段と合わせて投与される。投与は食事中、又は食間に行われ、毎日の投与のタイミング(例えば、朝の投与、夜の投与、又は睡眠、食事、或いは運動に対する複数回の投与)には依存しないか、又は代替的に依存している。
【0109】
場合によっては、処置を必要とする被験体は、本明細書に提示されるような組成物の投与前にモニタリングされる。症状が確認され、その重症度が評価される。本明細書に記載されるような組成物は、単独で、又は、付加的な手段と組み合わせて、単回、或いは、本明細書に議論され又は当業者に知られるように経時的に複数回、投与される。被験体は随意に、処置レジメンの効果が判定されるようにモニタリングされる。随意に、処置レジメンは、前処置の結果に応じて修正され、それにより、処置の用量又は頻度、或いは用量及び頻度が、症状緩和、副作用減少、又は症状緩和と副作用減少の組み合わせの観点から所望のレベルの被験体応答を達成するように変更される。場合によっては、処置レジメンの前、間、後の何れか、或いは処置レジメンの前、間、及び後にレポートが製作され、医師、医療関係者、保険業者、及び/又は被験体或いは被験体の代理人に提供される。
【0110】
本明細書に開示されるモジュレーター及びアンタゴニストは随意に、各種疾患の細胞治療と組み合わせても使用される。従って、少なくとも30%がシンデカン−2に陽性である哺乳動物細胞の集団と組み合わせて、線維症の処置において本明細書における初期の態様に従った使用のために組み合わされる、シンデカン−2のモジュレーター又はアンタゴニストを含む組成物が更に提供される。また本明細書には、CD4+、CD25+、Foxp3+制御性T細胞の集団と組み合わされるシンデカン−2のモジュレーター又はアンタゴニストを含む組成物が提供される。場合によっては、細胞は、本明細書に開示されるモジュレーター又はアンタゴニストと組み合わせて単一の組成物として投与される。代替的に又は組み合わせで、場合によっては細胞は、別々に、又は、本明細書に開示されるモジュレーター又はアンタゴニストに関する別個の投与経路を介して投与される。
【0111】
治療に使用される細胞は通常、マウス、ラット、ウマ、又はヒトの細胞、好ましくはヒト細胞である。そのような治療の実施形態において、哺乳動物細胞集団の40%以上、50%以上、又は75%以上は、シンデカン−2に陽性である。本明細書におけるモジュレーター/アンタゴニスト治療と組み合わせて使用される、適切な細胞治療の更なる要素は、全体において引用により本明細書に組み込まれるWO2013/117761に記載される。
【0112】
シンデカン−2モジュレーター及びアンタゴニストの組成物は、治療上有効な量のシンデカン−2モジュレーター又はアンタゴニストを随意に含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、0.01mg〜20mgの投与量、例えば、0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5mg、5.1mg、5.2mg、5.3mg、5.4mg、5.5mg、5.6mg、5.7mg、5.8mg、5.9mg、6mg、6.1mg、6.2mg、6.3mg、6.4mg、6.5mg、6.6mg、6.7mg、6.8mg、6.9mg、7mg、7.1mg、7.2mg、7.3mg、7.4mg、7.5mg、7.6mg、7.7mg、7.8mg、7.9mg、8mg、8.1mg、8.2mg、8.3mg、8.4mg、8.5mg、8.6mg、8.7mg、8.8mg、8.9mg、9mg、9.1mg、9.2mg、9.3mg、9.4mg、9.5mg、9.6mg、9.7mg、9.8mg、9.9mg、10mg、10.1mg、10.2mg、10.3mg、10.4mg、10.5mg、10.6mg、10.7mg、10.8mg、10.9mg、11mg、11.1mg、11.2mg、11.3mg、11.4mg、11.5mg、11.6mg、11.7mg、11.8mg、11.9mg、12mg、12.1mg、12.2mg、12.3mg、12.4mg、12.5mg、12.6mg、12.7mg、12.8mg、12.9mg、13mg、13.1mg、13.2mg、13.3mg、13.4mg、13.5mg、13.6mg、13.7mg、13.8mg、13.9mg、14mg、14.1mg、14.2mg、14.3mg、14.4mg、14.5mg、14.6mg、14.7mg、14.8mg、14.9mg、15mg、15.1mg、15.2mg、15.3mg、15.4mg、15.5mg、15.6mg、15.7mg、15.8mg、15.9mg、16mg、16.1mg、16.2mg、16.3mg、16.4mg、16.5mg、16.6mg、16.7mg、16.8mg、16.9mg、17mg、17.1mg、17.2mg、17.3mg、17.4mg、17.5mg、17.6mg、17.7mg、17.8mg、17.9mg、18mg、18.1mg、18.2mg、18.3mg、18.4mg、18.5mg、18.6mg、18.7mg、18.8mg、18.9mg、19mg、19.1mg、19.2mg、19.3mg、19.4mg、19.5mg、19.6mg、19.7mg、19.8mg、19.9mg、又は20mgを含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、場合によっては、0.1mg〜2.0mgの投与量を含むと考慮される。
【0113】
シンデカン−2モジュレーター及びアンタゴニストの組成物は、治療上有効な量のシンデカン−2モジュレーター又はアンタゴニストを随意に含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、約0.01mg〜約20mgの投与量、例えば、約0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5mg、5.1mg、5.2mg、5.3mg、5.4mg、5.5mg、5.6mg、5.7mg、5.8mg、5.9mg、6mg、6.1mg、6.2mg、6.3mg、6.4mg、6.5mg、6.6mg、6.7mg、6.8mg、6.9mg、7mg、7.1mg、7.2mg、7.3mg、7.4mg、7.5mg、7.6mg、7.7mg、7.8mg、7.9mg、8mg、8.1mg、8.2mg、8.3mg、8.4mg、8.5mg、8.6mg、8.7mg、8.8mg、8.9mg、9mg、9.1mg、9.2mg、9.3mg、9.4mg、9.5mg、9.6mg、9.7mg、9.8mg、9.9mg、10mg、10.1mg、10.2mg、10.3mg、10.4mg、10.5mg、10.6mg、10.7mg、10.8mg、10.9mg、11mg、11.1mg、11.2mg、11.3mg、11.4mg、11.5mg、11.6mg、11.7mg、11.8mg、11.9mg、12mg、12.1mg、12.2mg、12.3mg、12.4mg、12.5mg、12.6mg、12.7mg、12.8mg、12.9mg、13mg、13.1mg、13.2mg、13.3mg、13.4mg、13.5mg、13.6mg、13.7mg、13.8mg、13.9mg、14mg、14.1mg、14.2mg、14.3mg、14.4mg、14.5mg、14.6mg、14.7mg、14.8mg、14.9mg、15mg、15.1mg、15.2mg、15.3mg、15.4mg、15.5mg、15.6mg、15.7mg、15.8mg、15.9mg、16mg、16.1mg、16.2mg、16.3mg、16.4mg、16.5mg、16.6mg、16.7mg、16.8mg、16.9mg、17mg、17.1mg、17.2mg、17.3mg、17.4mg、17.5mg、17.6mg、17.7mg、17.8mg、17.9mg、18mg、18.1mg、18.2mg、18.3mg、18.4mg、18.5mg、18.6mg、18.7mg、18.8mg、18.9mg、19mg、19.1mg、19.2mg、19.3mg、19.4mg、19.5mg、19.6mg、19.7mg、19.8mg、19.9mg、又は20mgを含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、場合によっては、約0.1mg〜約2.0mgの投与量を含むと考慮される。本明細書で使用されるように、「約」は、表示値のプラス又はマイナス10%の値を含むと理解される。
【0114】
<癌の処置における方法と組成物>
本明細書で提供されるシンデカン−2のモジュレーターは、癌に対する治療のために熟考される。それ故、本明細書には、癌の処置に使用されるシンデカン−2のモジュレーターが提供される。例において、モジュレーターは、炎症及び癌細胞の移動の減少によりの癌を処置する際に作用することが、以下により詳細に説明される。
【0115】
具体的には、処置は、細胞表面シンデカン−2などのシンデカン−2に結合し、それにより炎症及び癌細胞の移動を阻害することにより作用する、モジュレーターの化合物、分子、又は組成物を使用する、本明細書における実施形態において達成される。
【0116】
本明細書では、モジュレーターの効果はシンデカン−2の活性に逆らうことであると考慮されている。故に、炎症及び癌細胞の移動の阻害による癌の処置に使用される、シンデカン−2のアンタゴニストが提供される。アンタゴニスト活性は典型的に、細胞表面シンデカン−2への結合を介して達成される。
【0117】
本明細書で提供されるシンデカン−2のモジュレーターは、一般的な癌及び複数のタイプの癌の処置のために熟考される。シンデカン−2−2のモジュレーターにより処置可能な癌は、限定されないが、急性リンパ芽球性白血病(ALL);急性骨髄性白血病;副腎皮質癌;AIDS関連癌;エイズ関連リンパ腫;肛門癌;虫垂癌;星細胞腫;小児期小脳又は大脳癌(childhood cerebellar or cerebral);基底細胞癌;胆管癌;肝外(肝内胆管癌を参照);膀胱癌;骨腫瘍;骨肉腫/悪性線維性組織球腫;脳幹神経膠腫;脳癌;脳腫瘍;小脳星細胞腫;脳腫瘍;大脳星細胞腫/悪性神経膠腫;脳腫瘍;上衣腫;脳腫瘍;髄芽細胞腫;脳腫瘍;テント上原始神経外胚葉性腫瘍;脳腫瘍;視覚路及びと視床下部膠腫;乳癌;気管支腺腫/カルチノイド;バーキットリンパ腫;カルチノイド腫瘍、小児期;カルチノイド腫瘍、胃腸管系;原発巣不明の癌;中枢神経系リンパ腫、原発性;小脳星細胞腫、小児期;大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、小児期;子宮頚癌;小児期癌;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病;慢性骨髄増殖症候群;結腸癌;皮膚T細胞リンパ腫;線維形成性小円形細胞腫瘍;子宮内膜癌;上衣腫;食道癌;腫瘍のユーイングファミリーにおけるユーイング肉腫;頭蓋外の胚細胞腫瘍、小児期;性腺外の胚細胞腫瘍;肝臓外胆管癌;眼癌;眼球内黒色腫;眼癌、網膜芽細胞腫;胆嚢癌;胃(腹部)癌;消化管カルチノイド腫瘍間質性腫瘍;消化管間質腫瘍(GIST);胚細胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、又は卵巣;栄養膜腫瘍;脳幹の神経膠腫;神経膠腫、小児期大脳星細胞腫;神経膠腫、小児期視覚路及び視床下部;胃カルチノイド;有毛細胞白血病;頭頚部癌;心臓癌;肝細胞(肝臓)癌;ホジキンリンパ腫;下咽頭癌;視床下部及び視神経膠腫、小児期;眼球内黒色腫;島細胞癌(内分泌膵臓);カポジ肉腫;腎臓癌(腎細胞癌);喉頭癌;白血病;白血病、急性リンパ芽球性(急性リンパ性白血病とも呼ばれる);白血病、急性脊髄性(急性骨髄性白血病とも呼ばれる);白血病、慢性リンパ球性(慢性リンパ性白血病とも呼ばれる);白血病、慢性骨髄性(慢性骨髄白血病とも呼ばれる);白血病、毛様細胞;口唇癌及び口腔癌;脂肪肉腫;肝臓癌(原発性);肺癌、非小細胞;肺癌、小細胞;リンパ腫;リンパ腫、AIDS関連;リンパ腫、バーキット;リンパ腫、皮膚T細胞;リンパ腫、ホジキン;リンパ腫、非ホジキン(ホジキン以外の全てのリンパ腫の古い分類);リンパ腫、原発性中枢神経系;マクログロブリン血症、ワルデンストレーム;骨/骨肉腫の悪性線維性組織球腫;髄芽細胞腫、小児期;黒色腫;黒色腫、眼内(目);メルケル細胞癌;中皮腫、成人悪性;髄芽細胞腫、小児期;潜在性原発性を伴う転移性鱗状頚部癌;口腔癌(Mouth Cancer);多発性内分泌腺腹、小児期;多発性骨髄腫/形質細胞腫;菌状息肉腫;骨髄異形成症候群;骨髄異形成性/骨髄増殖性疾患;骨肉腫性白血病、慢性;骨髄性白血病、成人急性;骨髄性白血病、小児期急性;骨髄腫、多発性(骨髄の癌);骨髄増殖性障害、慢性;鼻腔癌及び副鼻腔癌;上咽頭癌;神経芽腫;非ホジキンリンパ腫;非小細胞肺癌;口腔癌(Oral Cancer);口腔咽頭癌;骨の骨肉腫/悪性線維性組織球腫;卵巣癌;卵巣上皮癌(表皮−間質腫瘍);卵巣胚細胞腫瘍;低悪性度卵巣腫瘍;膵臓癌;膵臓癌、島細胞;副鼻腔癌及び鼻腔癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;褐色細胞腫;松果体星細胞腫;松果体胚腫;松果体芽腫及びテント上未分化神経外胚葉性腫瘍、小児期;下垂体腺腫;形質細胞新生物/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;原発性中枢神経系リンパ腫;前立腺癌;直腸癌;腎細胞癌(腎臓癌);尿管、移行細胞癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児期;唾液腺癌;肉腫、腫瘍のユーイングファミリー);肉腫、カポジ;肉腫、軟部組織;肉腫、子宮;セザリー症候群;皮膚癌(非黒色腫);皮膚癌(黒色腫);皮膚癌、メルケル細胞;肺小細胞癌;小腸癌;軟部組織肉腫;扁平上皮癌;鱗状頚部癌、転移性;胃癌;テント上未分化神経外胚葉性腫瘍、小児期;T細胞リンパ腫、皮膚;精巣癌;咽喉癌;胸腺腫、小児期;胸腺腫及び胸腺癌;甲状腺癌;甲状腺癌、小児期;腎盂及び尿管の移行上皮癌;絨毛性腫瘍、妊娠性;成人の未知の原発性部位の癌腫;小児期の未知の原発性部位の癌;腎盂及び腎盤、移行細胞癌;尿道癌;子宮癌、子宮内膜;子宮肉腫;膣癌;視覚路及びと視床下部膠腫、小児期;外陰癌;ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、及びウィルムス腫瘍(腎臓癌)、小児期を含む癌を含む。
【0118】
本明細書で提供される幾つかの処置は、癌の少なくとも1つの症状を和らげる又は低減する。癌の症状は、癌のタイプに依存して変動する。幾つかのそのような症状は当該技術分野で既知であり、疲労、体重減少、発熱、疼痛、便秘、下痢症、稀な出血、及び早期死亡を含む癌の他の兆候及び症状を含むが、これらに限定されない。
【0119】
本明細書に記載される処置方法は、局所的に進行した、転移性、及び/又は再発性であるステージを含む、癌の様々なステージを処置する。癌のステージにおいて、局所的な進行は通常、局部から近くの組織及び/又はリンパ節にまで広がった癌として定められる。ローマ数字によるステージ分けシステムにおいて、局所的な進行は通常、ステージII又はIIIに分類される。転移性の癌は、癌が身体全体にわたって遠くの組織及び器官に広がるステージである(ステージIV)。再発性ものとして通常指定された癌は、癌の再発時、通常は一定期間の経過後、寛解の後、又は目に見えるほど腫瘍が除かれた後に、定められる。再発は、局所性(即ち、本来のものと同じ位置に現われる)、又は遠位性(即ち、身体の異なる部分に現われる)のどちらかである。特定の例において、本明細書に記載される併用療法により処置可能な癌は、切除不能であるか、又は外科手術により除去することができない。
【0120】
そのような実施形態の幾つかにおいて、本明細書に記載される処置方法は、個体のために処方された他の癌治療に補助療法を提供する。従って、幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるデコイポリペプチドは、他の抗癌剤による処置と組み合わせて投与され、前記他の抗癌剤は、限定されないが、メトトレキサート(RHEUMATREX(登録商標)、アメトプテリン)、シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))、サリドマイド(THALIDOMID(登録商標))、アクリジンカルボキサミド、actimid(登録商標)、アクチノマイシン、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン、アミノプテリン、アムサクリン、アントラサイクリン、抗悪性腫瘍薬、アンチネオプラストン、5−アザシチジン、アザチオプリン、BL22、ベンダムスチン、ビリコダル、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン、ブスルファン、カリクリン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、ダカルバジン、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、ジクロロ酢酸、ディスコデルモリド、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エリブリン、エストラムスチン、エトポシド、エキサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ホスフェストロール、ホテムスチン、ガンシクロビル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、IT−101、イダルビシン、イホスファミド、イミキモド、イリノテカン、イロフルベン、イクサベピロン、ラニクイダル、ラパチニブ、レナリドミド、ロムスチン、ラルトテカン、マホスファミド、マソプロコール、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネララビン、ニロチニブ、オブリメルセン、オキサリプラチン、PAC−1、パクリタキセル、ペメトレキセド、ペントスタチン、ピポブロマン、ピクサントロン、プリカマイシン、プロカルバジン、プロテアソーム阻害剤(例えばボルテゾミブ)、ラルチトレキセド、レベッカマイシン、revlimid(登録商標)、ルビテカン、SN−38、サリノスポラミドA、サトラプラチン、ストレプトゾトシン、スウェインソニン、タリクイダル、タキサン、テガフール−ウラシル、テモゾロミド、テストラクトン、チオTEPA、チオグアニン、トポテカン、トラベクテジン、トレチノイン、四硝酸トリプラチン、トリス(2−クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、及びゾスキダルなどを含む。
【0121】
追加の実施形態において、本明細書に記載される処置方法、即ち本明細書に記載されるシンデカン−2のモジュレーターは、下痢止め剤、抗催吐薬、鎮痛薬、オピオイド、及び/又は非ステロイド性抗炎症剤と組み合わせて投与される。
【0122】
本明細書に開示されるモジュレーター及びアンタゴニストは随意に、各種疾患の細胞治療と組み合わせても使用される。従って、少なくとも30%がシンデカン−2に陽性である哺乳動物細胞の集団と組み合わせて、癌の処置において本明細書における初期の態様に従った使用のために組み合わされる、シンデカン−2のモジュレーター又はアンタゴニストを含む組成物が更に提供される。また本明細書には、CAR−T細胞の集団と組み合わされるシンデカン−2のモジュレーター又はアンタゴニストを含む組成物が提供される。本明細書には更に、分離された腫瘍浸潤リンパ球の集団と組み合わされるシンデカン−2のモジュレーター又はアンタゴニストを含む組成物が考慮される。代替的に、本明細書には、CCR7+、CD62L+中央記憶T細胞の集団と組み合わされるシンデカン−2のモジュレーター又はアンタゴニストを含む組成物が提供される。加えて、ナチュラルキラー細胞の集団と組み合わされるシンデカン−2のモジュレーター又はアンタゴニストを含む組成物が提供される。場合によっては、細胞は、本明細書に開示されるモジュレーター又はアンタゴニストと組み合わせて単一の組成物として投与される。代替的に又は組み合わせで、場合によっては細胞は、別々に、又は、本明細書に開示されるモジュレーター又はアンタゴニストに関する別個の投与経路を介して投与される。
【0123】
治療に使用される細胞は通常、マウス、ラット、ウマ、又はヒトの細胞、好ましくはヒト細胞である。そのような治療の実施形態において、哺乳動物細胞集団の40%以上、50%以上、又は75%以上は、シンデカン−2に陽性である。本明細書におけるモジュレーター/アンタゴニスト治療と組み合わせて使用される、適切な細胞治療の更なる要素は、全体において引用により本明細書に組み込まれるWO2013/117761に記載される。
【0124】
上記実施形態の幾つかにおいて、本明細書に記載されるデコイポリペプチド(例えば、シンデカン−2のモジュレーターを含む組成物)による処置は、癌に悩む個体の寿命を延ばし、及び/又は生存率を増大させる。上記実施形態の幾つかにおいて、本明細書に記載されるシンデカン−2のモジュレーター(例えば、抗−シンデカン−2抗体又はシンデカン−2フラグメントのポリペプチドを含む組成物)による処置は、癌に悩む個体(例えば、本明細書に記載のデコイポリペプチドにより個体が処置される場合に、副作用を引き起こす、より低用量の抗癌剤を必要とする個体)のクオリティオブライフを改善する。
【0125】
本開示は更に、Th17活性により引き起こされるか、又はTh17活性の関連的な増加をもたらすと知られる疾患の治療を提供するが、これは自己免疫疾患でも線維症疾患でもない。従って、本発明は、バレット食道、鬱病、線維筋痛(FM)、胃食道逆流性疾患(GERD)、高血圧症、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能不全、過敏性腸症候群(IBS)、間質性膀胱炎(IC)、腎結石、多種化学物質過敏症(MCS)、片頭痛、Morgellon症候群、レイノー症候群/現象、下肢不安症候群反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)、副鼻腔炎、季節性感情障害(SAD)、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、回転性目まい、慢性疲労症候群(CFS/CFIDS/ME)、慢性ライム病(ボレリア症)、ロフグレン症候群、及び前立腺炎から選択される疾患の処置に使用される、本明細書の他の場所に記載されるようなモジュレーター又はアンタゴニストを提供する。
【0126】
本明細書における例におけるデータにより新しく実証されるように、シンデカン−2はTh17細胞に対する調節効果を持つため、本発明の方法及び組成物は、シンデカン−2を標的とするモジュレーターにより自己免疫疾患を処置する。処置は、Th17細胞が疾患の自己免疫性の態様に関係することを教示する分野に一貫している。関節リウマチ、ブドウ膜炎、及び乾癬を含むヒト炎症性疾患の処置としての抗−IL−17抗体による臨床試験は、成功を示した。また、喘息、COPD、及び一部の癌(特に結腸癌)を伴うTh17細胞の機能的な連結が知られている。
【0127】
Th17細胞の標的化は、関節リウマチ、全身性エリトマトーデス、多発性硬化症、乾癬、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎)、アレルギー、及び喘息を含む自己免疫性疾病を処置すると提唱された。本明細書における組成物と方法は、Th17細胞の標的化及び阻害を実証する。
【0128】
Th17細胞は線維症疾患に関係する。それ故、シンデカン−2はTh17に対する調節効果をもつため、シンデカン−2を標的とするアンタゴニストによりこれらの疾患を処置することは妥当である。例えば、Th17サイトカインは、ヒト好酸球からの線維症促進性(pro−fibrotic)サイトカインの放出を誘発することが知られている。Th17サイトカインの効果を遮断することにより線維症促進性サイトカインの放出を防ぐことは、現在、本発明の化合物及び組成物の標的とされた抗−Th17活性が原因で、本明細書における組成物と方法によって可能である。
【0129】
癌、又は細胞周期、細胞増殖、或いは細胞死に関連する疾患又は障害の処置方法は、症状の緩和を必要とする患者への本明細書における組成物の投与を含む。大抵、被験体は、癌、又は細胞周期、細胞増殖、或いは細胞死に関連する疾患又は障害の主症状であると確認され、本明細書に開示されるような組成物を含む処置を受けるために選択される。本明細書に列挙された組成物が、被験体に投与される。多くの好ましい実施形態において投与は静脈内であるが、表面投与、又はその他の標的組織への直接接触などの代替的な投与経路も、考慮される。組成物は、局所又は全身で、軟膏、ローション、又はエマルジョンとしてされるか、注入されるか、外科的に導入されるか、摂取されるか、局所、経口、頬側、経鼻で投与されるか、又は被験体の腔へと導入される。組成物は、単独で、又は時間的経過にわたって(例えば、毎日、週に複数回、毎週、隔週、毎月、又は低頻度)投与される。組成物は、単独で、又は、栄養の補給又は調節、運動、又は他の処置などの、場合によっては障害の処置に関連付けられる付加的な手段と合わせて投与される。投与は食事中、又は食間に行われ、毎日の投与のタイミング(例えば、朝の投与、夜の投与、又は睡眠、食事、或いは運動に対する複数回の投与)には依存しないか、又は代替的に依存している。
【0130】
場合によっては、処置を必要とする被験体は、本明細書に提示されるような組成物の投与前にモニタリングされる。症状が確認され、その重症度が評価される。本明細書に記載されるような組成物は、単独で、又は、付加的な手段と組み合わせて、単回、或いは、本明細書に議論され又は当業者に知られるように経時的に複数回、投与される。被験体は随意に、処置レジメンの効果が判定されるようにモニタリングされる。随意に、処置レジメンは、前処置の結果に応じて修正され、それにより、処置の用量又は頻度、或いは用量及び頻度が、症状緩和、副作用減少、又は症状緩和と副作用減少の組み合わせの観点から所望のレベルの被験体応答を達成するように変更される。場合によっては、処置レジメンの前、間、後の何れか、或いは処置レジメンの前、間、及び後にレポートが製作され、医師、医療関係者、保険業者、及び/又は被験体或いは被験体の代理人に提供される。
【0131】
シンデカン−2モジュレーター及びアンタゴニストの組成物は、治療上有効な量のシンデカン−2モジュレーター又はアンタゴニストを随意に含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、0.01mg〜20mgの投与量、例えば、0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5mg、5.1mg、5.2mg、5.3mg、5.4mg、5.5mg、5.6mg、5.7mg、5.8mg、5.9mg、6mg、6.1mg、6.2mg、6.3mg、6.4mg、6.5mg、6.6mg、6.7mg、6.8mg、6.9mg、7mg、7.1mg、7.2mg、7.3mg、7.4mg、7.5mg、7.6mg、7.7mg、7.8mg、7.9mg、8mg、8.1mg、8.2mg、8.3mg、8.4mg、8.5mg、8.6mg、8.7mg、8.8mg、8.9mg、9mg、9.1mg、9.2mg、9.3mg、9.4mg、9.5mg、9.6mg、9.7mg、9.8mg、9.9mg、10mg、10.1mg、10.2mg、10.3mg、10.4mg、10.5mg、10.6mg、10.7mg、10.8mg、10.9mg、11mg、11.1mg、11.2mg、11.3mg、11.4mg、11.5mg、11.6mg、11.7mg、11.8mg、11.9mg、12mg、12.1mg、12.2mg、12.3mg、12.4mg、12.5mg、12.6mg、12.7mg、12.8mg、12.9mg、13mg、13.1mg、13.2mg、13.3mg、13.4mg、13.5mg、13.6mg、13.7mg、13.8mg、13.9mg、14mg、14.1mg、14.2mg、14.3mg、14.4mg、14.5mg、14.6mg、14.7mg、14.8mg、14.9mg、15mg、15.1mg、15.2mg、15.3mg、15.4mg、15.5mg、15.6mg、15.7mg、15.8mg、15.9mg、16mg、16.1mg、16.2mg、16.3mg、16.4mg、16.5mg、16.6mg、16.7mg、16.8mg、16.9mg、17mg、17.1mg、17.2mg、17.3mg、17.4mg、17.5mg、17.6mg、17.7mg、17.8mg、17.9mg、18mg、18.1mg、18.2mg、18.3mg、18.4mg、18.5mg、18.6mg、18.7mg、18.8mg、18.9mg、19mg、19.1mg、19.2mg、19.3mg、19.4mg、19.5mg、19.6mg、19.7mg、19.8mg、19.9mg、又は20mgを含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、場合によっては、0.1mg〜2.0mgの投与量を含むと考慮される。
【0132】
シンデカン−2モジュレーター及びアンタゴニストの組成物は、治療上有効な量のシンデカン−2モジュレーター又はアンタゴニストを随意に含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、約0.01mg〜約20mgの投与量、例えば、約0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5mg、5.1mg、5.2mg、5.3mg、5.4mg、5.5mg、5.6mg、5.7mg、5.8mg、5.9mg、6mg、6.1mg、6.2mg、6.3mg、6.4mg、6.5mg、6.6mg、6.7mg、6.8mg、6.9mg、7mg、7.1mg、7.2mg、7.3mg、7.4mg、7.5mg、7.6mg、7.7mg、7.8mg、7.9mg、8mg、8.1mg、8.2mg、8.3mg、8.4mg、8.5mg、8.6mg、8.7mg、8.8mg、8.9mg、9mg、9.1mg、9.2mg、9.3mg、9.4mg、9.5mg、9.6mg、9.7mg、9.8mg、9.9mg、10mg、10.1mg、10.2mg、10.3mg、10.4mg、10.5mg、10.6mg、10.7mg、10.8mg、10.9mg、11mg、11.1mg、11.2mg、11.3mg、11.4mg、11.5mg、11.6mg、11.7mg、11.8mg、11.9mg、12mg、12.1mg、12.2mg、12.3mg、12.4mg、12.5mg、12.6mg、12.7mg、12.8mg、12.9mg、13mg、13.1mg、13.2mg、13.3mg、13.4mg、13.5mg、13.6mg、13.7mg、13.8mg、13.9mg、14mg、14.1mg、14.2mg、14.3mg、14.4mg、14.5mg、14.6mg、14.7mg、14.8mg、14.9mg、15mg、15.1mg、15.2mg、15.3mg、15.4mg、15.5mg、15.6mg、15.7mg、15.8mg、15.9mg、16mg、16.1mg、16.2mg、16.3mg、16.4mg、16.5mg、16.6mg、16.7mg、16.8mg、16.9mg、17mg、17.1mg、17.2mg、17.3mg、17.4mg、17.5mg、17.6mg、17.7mg、17.8mg、17.9mg、18mg、18.1mg、18.2mg、18.3mg、18.4mg、18.5mg、18.6mg、18.7mg、18.8mg、18.9mg、19mg、19.1mg、19.2mg、19.3mg、19.4mg、19.5mg、19.6mg、19.7mg、19.8mg、19.9mg、又は20mgを含むと考慮される。治療上有効な量又は投与量は、場合によっては、約0.1mg〜約2.0mgの投与量を含むと考慮される。本明細書で使用されるように、「約」は、表示値のプラス又はマイナス10%の値を含むと理解される。
【0133】
図面に戻り、以下を参照する。
図1は、3回より多く分割される細胞のパーセンテージとして表される増殖を伴う、Th1細胞、Th17細胞、及びTreg細胞のドナー1培養物に見られる、増殖の概略図を示す。CFSEレベルにおける、左のパネルに示されるような有意差のヒストグラムは、増殖があまりないことを示すより大きなレベル(
*p<0.05、
**p<0.01、
***p<0.001、
****p<0.0001)を持つ、アイソタイプ対照及びα−シンデカン−2抗体により刺激されるTh17培養物中のFITC蛍光色素上に表示される。
【0134】
図1は、アイソタイプ対照抗体又はα−シンデカン−2抗体の何れかの存在下で抗−CD3がTh1、Th17、及びTregの細胞を刺激した時の、前記細胞の増殖を比較する。α−シンデカン−2抗体による細胞の処置の結果、Th17細胞の増殖に有意な減少がもたらされた。この有意差は、示されるヒストグラムにおいてFITC蛍光色素上でのCFSE希釈により表わされる(右)。
【0135】
図2は、A)生存可能なT細胞の頻度として表わされるTh1、Th17、及びTregの細胞のドナー1培養物に見られる、成熟マーカー、CD25発現の概略図を示す(左)。アイソタイプ対照及びα−シンデカン−2抗体により刺激されるTh17培養物中のCD25における、左のパネルに示されるような、有意差のヒストグラム。B)ドナー2細胞から生成されるデータ(
*p<0.05、
**p<0.01、
***p<0.001、
****p<0.0001)。
【0136】
図2は、アイソタイプ対照抗体又はα−シンデカン−2抗体の何れかの存在下で抗−CD3がTh1、Th17、及びTregの細胞を刺激した時の、前記細胞上での突然変異マーカーmCD25の発現を比較する。各ドナーにおいて、α−シンデカン−2抗体による処置の結果、Th17細胞上でのCD25の発現の有意な減少がもたらされることを、確認できる。しかし、最も有意な結果はドナー1の場合に見られる。この有意差は、示されるヒストグラム(右)においてAPC蛍光色素上で表わされる。
【0137】
図3は、A)生存可能なT細胞の頻度として表わされるTh1、Th17、及びTregの細胞のドナー1培養物に見られる、成熟マーカー、CD80発現の概略図を示す(左)。アイソタイプ対照及びα−シンデカン−2抗体により刺激されるTh17培養物中のPECy7上で表示されるCD25における、左のパネルに示されるような、有意差のヒストグラム。B)ドナー2細胞から生成されるデータ(
*p<0.05、
**p<0.01、
***p<0.001、
****p<0.0001)。
【0138】
図3は、生存可能なT細胞の頻度として提示されるデータを伴う、アイソタイプ対照抗体又はα−シンデカン−2抗体の何れかにより刺激された時の、Th1、Th17、及びTregの細胞上での成熟マーカー、CD80の発現を比較する。ドナー1において、α−シンデカン−2抗体による処置の結果、Th17細胞上でのCD80の発現の有意な減少がもたらされることを、確認できる。この有意差は、Th17細胞についてPECy7蛍光色素上で表わされる。
【0139】
図4は、A)アイソタイプ対照又はα−シンデカン−2抗体による処置の後、ドナー1のTh1培養物の4日間のインキュベーションの後に除去される上清中のINF−γの濃度の概略図、B)アイソタイプ対照又はα−シンデカン−2抗体による処置の後、ドナー2のTh1培養物の4日間のインキュベーションの後に除去される上清中のINF−γの濃度の概略図を示す。
【0140】
図4は、対照のアイソタイプ抗体又はα−シンデカン−2抗体の何れかによる処置後のTh1培養物のIFN−γ濃度を比較する。ドナーにおけるα−シンデカン−2抗体の処置後のIFN−γの濃度の何れにおいても、著しい変化は観察されなかった。
【0141】
図5は、A)アイソタイプ対照又はα−シンデカン−2抗体により処置の後、ドナー1のTh17培養物の4日間のインキュベーションの後に除去される上清中のIL−17の濃度の概略図、B)ドナー2細胞から生成されたデータを示す。
【0142】
図5は、対照のアイソタイプ抗体又はα−シンデカン−2抗体の何れかによる処置後のTh17培養物のIL−17濃度を比較する。α−シンデカン−2抗体による処置後、IL−17濃度は両方のドナーにおいて著しく減少したことが観察できる。しかし、最も有意な結果はドナー1の場合に観察される。
【0143】
SDC2は、マウス組織及びヒト組織の間質細胞(SC)の同定のための新しいマーカーである。
図6の左には、ヒト及びマウスの骨髄からのSdc2
+CD271
+CD45−及びSdc2
+Sca1
+CD45
−単核細胞それぞれのフローサイトメトリー分析が示される。フローサイトメトリー分析により、マウスのリンパ節及び胸腺におけるSdc2+gp38+CD45−間質細胞を同定する(
図6の中央)。最終的に、フローサイトメトリー解析により、マウスの脂肪組織及び筋組織におけるSdc2
+Sca1
+CD45
−間質細胞を同定する(
図6の右)。これは、Sdc2が標準組織及び腫瘍組織から間質細胞を分離するために使用され得る新しいマーカーであることを示している。
【0144】
Sdc2は、乳癌の間質、上皮、及び血清に存在する。これは、PyMT−ChOVAマウスから解剖された乳房腫瘍のフローサイトメトリーにより示され(
図7A)、Sdc2+上皮(mCherry
+ve、CD45−ve)、及びSdc2
+SC(mCherry−ve、CD45−ve、GP38
+ve)を明らかにする。免疫組織化学(
図7B)は、ヒト乳房腫瘍におけるSdc2タンパク質のレベルの増加を明らかにした。ELISAは、基底様乳癌の患者の血清における高レベルのSdc2タンパク質を実証した(
図7C)。
【0145】
Sdc2は乳癌細胞移動を増強し、T細胞の増殖を阻害する。ELISAは、間質細胞調整培地(SC−CM)における高レベルのSdc2を実証した(
図8A)。SC−CMは、MDA−MB−231乳癌細胞(BCC)の移動を増強し、組み換えSdc2によるBCCのプレインキュベーションは、SC−CMへの移動を増強する(
図8B)。この場合における、Sdc2のノックダウンによるSdc2活性の阻害は、BCCが血清含有培地の方へと移動する能力を阻害した(
図8C)。CFSEで標識されたCD4
+T細胞のフローサイトメトリーは、CD3/CD28媒介性の増殖刺激が、Sdc2を過剰発現するSCにより阻害されることを明らかにした(
図8D)。故に、例えばシンデカン−2細胞外ドメイン、又はシンデカン−2結合ドメインを持つポリペプチドを使用する、Sdc2の阻害は、BCC移動を阻害し、故に癌を処置する方法である。
【0146】
Sdc2は、TGF−βにより誘発された上皮間葉転換(EMT)に必要とされる。AdshSdc2により形質導入されたMDA−MB−231細胞は、空のベクター(EV)を発現する対照細胞と比較して、SMAD7、PAI−1、及びCTFG RNAの、TGFβにより誘発された増加が弱まったことを示した。RT−qPCRは、Sdc2の効果的なノックダウンを実証した(
図9A)。RT−qPCR及びウエスタンブロット解析は、Sdc2ノックダウンが、EMTマーカー、SNAIL−1、及びフィブロネクチンそれぞれのTGFβ媒介性の誘発を弱めることを実証した(
図9B)。
【0147】
Sdc2ペプチドは、インビトロで抗遊走性及び抗炎症特性を持つ。Sdc2の様々な機能ドメインを含有する欠失変異体の生成。フラグメント1−6はシグナルペプチドを含有する一方、フラグメント7−8は含有していない(
図10A)。様々なSdc2機能性フラグメントは、シスにおいてSC−CMの方へのMDA−MB−231の移動を阻害した(
図10B)。様々なSdc2機能性フラグメントは、トランスにおいてSC−CMの方へのMDA−MB−231の移動を阻害した(
図10C)(両側スチューデントt検定
*p<0.05)。様々なSdc2フラグメントが、TNF−α/IL−1βにより誘発されたNF−κB活性化を著しく阻害した(
図10D)。
【0148】
Sdc2ペプチドは、TGF−β調節遺伝子のアップレギュレーションを弱めた。RT−qPCR分析は、Sdc2−フラグメント1及びSdc2−フラグメント2が、TGFβ−媒介性のSMAD7、Serpine−1、及びCTGFの誘発の減少を引き起こしたことを実証した(
図11)。
【0149】
Sdc2 fl/flマウスは、当業者に既知の標準技術を用いて作られた。Sdc2 fl/flマウスの耳パンチからのDNAの遺伝子型決定の結果は、
図12に示される。
【0150】
間葉系幹細胞(MSC)は、Sdc2fl/flマウスから分離され、creリコンビナーゼを過剰発現するアデノウイルスで処置される。処置された細胞の幾つかにおいて、ランタンがトランスフェクションに加えられた。シンデカン−2発現は、処置された細胞において測定された(
図13)。シンデカン−2は、creリコンビナーゼで処置されたMSCにおける発現の減少を示し、ランタンはこの効果を更に増大した。
【0151】
図14は、乳癌のマウスモデルにおけるSdc2ノックダウンのインビボ試験の概略図を示す。
【0152】
<特定の定義>
本明細書で使用されるように、「処置(treatment)」、「処置すること(treating)」、又は「処置される(treated)」は治療上の処置を指し、ここで、目的は、望まれない生理学的な疾病、障害、又は疾患の進行を遅くすること(減じること)、それらの進行を止めること、それらの進行を逆転すること、又はそれらを和らげる或いは緩和すること、それらの少なくとも1つの症状を緩和することであり、更には望まれない生理学的疾病を解決又は「治癒」すること、或いは、有益な又は所望の臨床結果を得ることである。本明細書に記載される目的のために、有益な又は所望の臨床結果は、限定されないが、検知可能又は不能であろうと、症状の緩和;疾病、障害、又は疾患の範囲の減少;疾病、障害、又は疾患の状態の安定化;疾病、障害、又は疾患の発症又は進行の遅延;疾病、障害、又は病状の改善;及び、寛解(部分的又は総合的の何れか)を含み、又は疾病、障害、又は疾患の向上或いは改善を含む。処置は、過剰なレベルの副作用がない、臨床的に著しい反応を誘発することを含む。処置はまた、処置を受けない場合に予期される生存と比較して生存を延ばすことを含む。「処置」、「処置すること」、又は「処置される」は随意に予防対策を指し、ここで、目的は、例えば疾患に罹患した人(例えば、乳癌など疾患の遺遺伝子マーカーを持つ個体)の望まれない生理学的な疾病、障害、又は疾患の発症を遅延すること、又はその重症度を減らすことである。
【0153】
用語「レシピエント」、「個体」、「被験体」、「宿主」、及び「患者」は、本明細書で互換的に使用されるものであり、診断、処置、又は治療が望ましい任意の哺乳動物、特にヒトを指す。処置の目的のための「哺乳動物」は、ヒト、飼育動物及び家畜、並びに、研究所、動物園、スポーツ、又はペット動物を含む哺乳動物として分類される動物を指し、イヌ、ウマ、ネコ、カウ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サルなどを含む。幾つかの実施形態において、哺乳動物はヒトである。
【0154】
「〜と組み合わせて」、「併用療法」、及び「組み合せの生成物」は、特定の実施形態において、第1の治療薬及び本明細書で使用されるような化合物の患者への同時発生投与を指す。組み合わせで投与されると、各成分は代替的に、同時に、又は、異なる時点で任意の順番で連続して投与される。ゆえに、各成分は場合によっては、所望の治療効果をもたらすために、別々にではあるが、十分に近い時間で投与される。
【0155】
「薬学的に許容可能な賦形剤」は医薬組成物の調製に有用な賦形剤を意味し、これは通常、安全で、無毒で、且つ望ましいものであり、獣医学的用途と同様にヒトへの医療用途にも許容可能な賦形剤も含む。このような賦形剤は代替的に、固形、液体、半固形、又はエアロゾル組成物の場合には気体である。
【0156】
用語「薬学的に許容可能な」、「生理学的に許容可能な」、及びこれらの文法上の変形は、それらが組成物、担体、賦形剤、及び試薬を指す際に、互換的に使用されるものであり、組成物の投与を禁止する程度に望ましくない生理学的効果を生じさせることなく材料をヒトに(to or onto)投与することが可能であることを表す。
【0157】
「治療上有効な量」は、疾患を処置するために被験体に投与された時に、疾患の処置を達成するのに十分な量を意味する。
【0158】
用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、具体的には、モノクローナル抗体(完全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、ペプチボディ(peptibodies)、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラクダ抗体(ラクダ単一ドメイン抗体を含む)、代替的なスキャフォールド抗体(例えば、アフィボディ(affibodies)、avimer、Fn3ドメイン、DARPins、Kunitzドメイン、SMIP、ドメイン抗体、BiTE、Adnectins、Nanobodies、Stable scFvs、Anticalins)、及び、これらが所望の生物活性を示すのと同程度の長さの抗体フラグメントを含む。「抗体」(Ab)及び「免疫グロブリン」(Ig)は、同じ構造特性を有する糖タンパク質である。抗体は特異性抗原に結合特異性を示す一方で、免疫グロブリンは、抗原特異性を欠く抗体及び他の抗体様の分子の両方を含む。
【0159】
本明細書で使用されるように、用語「約」の付く量は、その量のプラス又はマイナス10%の量を指す。
【0160】
本開示は、下に示されるような番号が付けられた実施形態の部分的なリストを参照してさらに明確にされる。
1.自己免疫疾患の処置に使用するためのシンデカン−2のモジュレーター。
2.Th17細胞活性の阻害による自己免疫疾患の処置における実施形態1に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
3.細胞表面シンデカン−2への結合による、実施形態1または2に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
4.細胞表面シンデカン−2に架橋する、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
5.NFκBを阻害する、実施形態1〜4のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
6.シンデカン−2に対する抗体である、実施形態1〜5のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
7.シンデカン−2に結合する第1の部分およびホモ二量体化ドメインを含む第2の部分を含む、実施形態1〜5のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
8.第1の部分がシンデカン−2のフラグメントを含む、実施形態7に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
9.フラグメントがシンデカン−2の細胞外領域のフラグメントである、実施形態8に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
10.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13から選択されるアミノ酸配列を有する、実施形態8に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
11.第2の部分が、そのフラグメントのFc部分を含む、実施形態7〜10のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
12.第1および第2部分を含み、その両方がシンデカン−2に結合する、実施形態1〜4のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
13.シンデカン−2のフラグメントである、実施形態1〜4のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
14.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13から成るリストから選択されるアミノ酸配列を有する、実施形態13に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
15.自己免疫疾患の処置に使用するためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
16.Th17細胞活性の阻害による自己免疫疾患の処置に使用するための実施形態15のシンデカン−2のアンタゴニスト。
17.細胞表面シンデカン−2への結合による、実施形態15または16に記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
18.細胞表面シンデカン−に架橋する、実施形態15〜17のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
19.NFκBを阻害する、実施形態15〜18のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
20.シンデカン−2に対する抗体である、実施形態15〜19のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
21.シンデカン−2のフラグメントである、実施形態15〜19のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
22.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態21に記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
23.自己免疫疾患の処置に使用するためのシンデカン−2のフラグメント。
24.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態23に記載の使用のためのシンデカン−2のフラグメント。
25.Th17細胞活性の阻害による、実施形態23または24に記載の使用のためのシンデカン−2のフラグメント。
26.細胞表面シンデカン−2への結合による、実施形態23〜25のいずれか1つに記載の使用のためのシンデカン−2のフラグメント。
27.細胞表面シンデカン−2に架橋する、実施形態23〜26のいずれか1つに記載の使用のためのシンデカン−2のフラグメント。
28.NFκB活性を阻害する、実施形態23〜26のいずれか1つに記載の使用のためのシンデカン−2のフラグメント。
29.自己免疫疾患が、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、急性呼吸窮迫症候群および多発性硬化症から選択される、実施形態1〜28のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーターまたはアンタゴニスト。
30.自己免疫疾患の処置のための、実施形態1〜28のいずれかに記載の使用のためのモジュレーター、アンタゴニスト、またはフラグメントを含む組成物。
31.Th17細胞活性の阻害による自己免疫疾患の処置のための、実施形態1〜28のいずれかに記載の使用のためのモジュレーター、アンタゴニスト、またはフラグメントを含む組成物。
32.自己免疫疾患の少なくとも1つの症状を緩和する方法であって、有効な量のシンデカン−2のモジュレーターまたはシンデカン−2のアンタゴニストをそれを必要とする個体に投与する工程を含む、方法。
33.自己免疫疾患の少なくとも1つの症状を緩和する方法であって、Th17細胞活性を阻害するために、有効な量のシンデカン−2のモジュレーターまたはシンデカン−2のアンタゴニストをそれを必要とする個体に投与する工程を含む、方法。
34.モジュレーターまたはアンタゴニストが、細胞表面シンデカン−2に結合する、実施形態32または33に記載の方法。
35.モジュレーターまたはアンタゴニストが、シンデカン−2に架橋する、実施形態32〜34のいずれかに記載の方法。
36.モジュレーターまたはアンタゴニストが、NFκB活性を阻害する、実施形態32〜35のいずれかに記載の方法。
37.シンデカン−2に対する抗体を投与する工程を含む、実施形態32〜35のいずれかに記載の方法。
38.シンデカン−2のフラグメントを投与する工程を含む、実施形態32〜35のいずれかに記載の方法。
39.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態38に記載の方法。
40.自己免疫疾患が、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、急性呼吸窮迫症候群および多発性硬化症から選択される、実施形態32〜39のいずれかに記載の方法。
41.線維症の処置に使用するためのシンデカン−2のモジュレーター。
42.Th17活性の阻害による線維症の処置のための、実施形態41に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
43.細胞表面シンデカン−2への結合による線維症の処置のための、実施形態41または42に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
44.細胞表面シンデカン−2に架橋する、実施形態41〜43のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
45.NFκB活性を阻害する、実施形態41〜44のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
46.シンデカン−2に対する抗体である、実施形態41〜44のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
47.シンデカン−2のフラグメントである、実施形態41〜44のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
48.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態47に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
49.シンデカン−2に結合する第1の部分およびホモ二量体をそれ自体で形成する第2の部分を含む、実施形態41〜48のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
50.第1の部分が、シンデカン−2のフラグメントを含む、実施形態49に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
51.フラグメントが、シンデカン−2の細胞外領域のフラグメントである、実施形態50に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
52.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態50または51に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
53.第2の部分が、そのフラグメントのFc部分を含む、実施形態49〜52のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
54.第1および第2の部分を含み、その両方がシンデカン−2に結合する、実施形態41〜49のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
55.線維症の処置に使用するためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
56.Th17細胞活性の阻害による実施形態55に記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
57.細胞表面シンデカン−2への結合による線維症の処置のための、実施形態55または56による使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
58.細胞表面シンデカン−2に架橋する、実施形態55〜57のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
59.NFκB活性を阻害する、実施形態55〜58のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
60.シンデカン−2に対する抗体である、実施形態55〜58のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
61.シンデカン−2のフラグメントである、実施形態55〜58のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
62.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態62に記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
63.線維症の処置に使用するためのシンデカン−2のフラグメント。
64.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態63に記載の使用のためのシンデカン−2のフラグメント。
65.Th17細胞活性の阻害による、実施形態63または64に記載の使用のためのシンデカン−2のフラグメント。
66.細胞表面シンデカン−2への結合による、実施形態63〜65のいずれか1つに記載の使用のためのシンデカン−2のフラグメント。
67.細胞表面シンデカン−2に架橋する、実施形態63〜66のいずれか1つに記載の使用のためのシンデカン−2のフラグメント。
68.NFκB活性を阻害する、実施形態63〜67のいずれか1つに記載の使用のためのシンデカン−2のフラグメント。
69.線維症が、肺の線維性疾患、肝臓の線維性疾患および心臓の線維性疾患から選択される、実施形態41〜67のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター、アンタゴニスト、またはフラグメント。
70.線維症の処置のための、実施形態41〜67のいずれかに記載の使用のためのモジュレーター、アンタゴニスト、またはフラグメントを含む組成物。
71.Th17細胞活性の阻害による線維症の処置のための実施形態70に記載の使用のためのモジュレーター、アンタゴニスト、またはフラグメントを含む組成物。
72.線維症の少なくとも1つの症状を緩和する方法であって、有効な量のシンデカン−2のモジュレーター、シンデカン−2のアンタゴニスト、またはシンデカン−2のフラグメントをそれを必要とする個体に投与する工程を含む、方法。
73.Th17細胞活性を阻害するために、シンデカン−2のモジュレーターまたはシンデカン−2のアンタゴニストを投与する工程を含む、実施形態72に記載の線維症の少なくとも1つの症状を緩和する方法。
74.モジュレーター、アンタゴニスト、またはフラグメントが、細胞表面シンデカン−2に結合する、実施形態72または73に記載の方法。
75.モジュレーター、アンタゴニスト、またはフラグメントが、シンデカン−2に架橋する、実施形態72〜74のいずれかに記載の方法。
76.モジュレーター、アンタゴニスト、またはフラグメントが、NFκB活性を阻害する、実施形態72〜74のいずれかに記載の方法。
77.シンデカン−2に対する抗体を投与する工程を含む、実施形態72〜75のいずれかに記載の方法。
78.シンデカン−2のフラグメントを投与する工程を含む、実施形態72〜75のいずれかに記載の方法。
79.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態78に記載の方法。
80.癌の処置に使用するためのシンデカン−2のモジュレーター。
81.Th17細胞活性の阻害による癌の処置に使用するための実施形態80のシンデカン−2のモジュレーター。
82.細胞表面シンデカン−2への結合による、実施形態80または81に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
83.細胞表面シンデカン−2に架橋する、実施形態80〜82のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
84.NFκB活性の阻害による、実施形態80〜83のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
85.シンデカン−2に対する抗体である、実施形態80〜83のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
86.シンデカン−2に結合する第1の部分およびホモ二量体をそれ自体で形成する第2の部分を含む、実施形態80〜83のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
87.第1の部分が、シンデカン−2のフラグメントを含む、実施形態86に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
88.フラグメントが、シンデカン−2の細胞外領域のフラグメントである、実施形態87に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
89.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態87または88に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
90.第2の部分が、そのフラグメントのFc部分を含む、実施形態86〜89のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
91.第1および第2の部分を含み、その両方がシンデカン−2に結合する、実施形態80〜83のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
92.シンデカン−2のフラグメントである、実施形態80〜83のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
93.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態92に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーター。
94.癌の処置に使用するためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
95.Th17細胞活性の阻害による癌の処置に使用するための、実施形態94のシンデカン−2のアンタゴニスト。
96.細胞表面シンデカン−2への結合による、実施形態94または95に記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
97.細胞表面シンデカン−2に架橋する、実施形態94〜96のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
98.NFκB活性の阻害による実施形態94〜97のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
99.シンデカン−2に対する抗体である、実施形態94〜97のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
100.シンデカン−2のフラグメントである、実施形態94〜97のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
101.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態100に記載の使用のためのシンデカン−2のアンタゴニスト。
102.癌の処置に使用するためのシンデカン−2のフラグメント。
103.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態102に記載の使用のためのシンデカン−2のフラグメント。
104.Th17細胞活性の阻害による、実施形態102または103に記載の使用のためのシンデカン−2のフラグメント。
105.細胞表面シンデカン−2への結合による、実施形態102〜104のいずれか1つに記載の使用のためのシンデカン−2のフラグメント。
106.細胞表面シンデカン−2に架橋する、実施形態102〜105のいずれか1つに記載の使用のためのシンデカン−2のフラグメント。
107.NFκB活性の阻害による、実施形態102〜106のいずれか1つに記載の使用のためのシンデカン−2のフラグメント。
108.癌が、乳癌、結腸癌、直腸癌、肺癌、非ホジキンリンパ腫、白血病、リンパ腫、卵巣癌、前立腺癌、皮膚癌、脳癌、膀胱癌、子宮内膜癌、腎臓癌、膵臓癌、甲状腺癌、および黒色腫から選択される、実施形態1〜107に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーターまたはアンタゴニスト。
109.癌の処置のための、実施形態80〜107のいずれかに記載の使用のためのモジュレーター、アンタゴニスト、またはフラグメントを含む組成物。
110.Th17細胞活性の阻害による自己免疫疾患の処置のための、実施形態80〜107のいずれかに記載の使用のためのモジュレーター、アンタゴニスト、またはフラグメントを含む組成物。
111.癌の少なくとも1つの症状を緩和する方法であって、有効な量のシンデカン−2のモジュレーターまたはシンデカン−2のアンタゴニストをそれを必要とする個体に投与する工程を含む、方法。
112.癌の少なくとも1つの症状を緩和する方法であって、Th17細胞活性を阻害するために、有効な量のシンデカン−2のモジュレーターまたはシンデカン−2のアンタゴニストをそれを必要とする個体投与する工程を含む、方法。
113.モジュレーターまたはアンタゴニストが、細胞表面シンデカン−2に結合する、実施形態111または112に記載の方法。
114.モジュレーターまたはアンタゴニストが、シンデカン−2に架橋する、実施形態111〜113のいずれかに記載の方法。
115.シンデカン−2に対する抗体を投与する工程を含む、実施形態111〜114のいずれかに記載の方法。
116.シンデカン−2のフラグメントを投与する工程を含む、実施形態111〜114のいずれかに記載の方法。
117.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態116に記載の方法。
118.癌が、乳癌、結腸癌、直腸癌、肺癌、非ホジキンリンパ腫、白血病、リンパ腫、卵巣癌、前立腺癌、皮膚癌、脳癌、膀胱癌、子宮内膜癌、腎臓癌、膵臓癌、甲状腺癌、および黒色腫から選択される、実施形態111〜117のいずれかに記載の方法。
119.少なくとも30%がシンデカン−2に対して陽性である哺乳動物細胞の集団と組み合わせた、自己免疫疾患の処置における実施形態1〜40のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーターまたはアンタゴニスト。
120.CD4
+CD25+Foxp3+制御性T細胞を含む哺乳動物細胞の集団と組み合わせた、自己免疫疾患の処置における実施形態1〜40のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーターまたはアンタゴニスト。
121.少なくとも30%がシンデカン−2に対して陽性である哺乳動物細胞の集団と組み合わせた、線維症の処置における実施形態41〜71のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーターまたはアンタゴニスト。
122.CD4
+CD25+Foxp3+制御性T細胞を含む哺乳動物細胞の集団と組み合わせた、線維症の処置における実施形態41〜71のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーターまたはアンタゴニスト。
123.少なくとも30%がシンデカン−2に対して陽性である哺乳動物細胞の集団と組み合わせた、癌の処置における実施形態80〜110に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーターまたはアンタゴニスト。
124.CAR T細胞を含む哺乳動物細胞の集団と組み合わせた,癌の処置における実施形態80〜110に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーターまたはアンタゴニスト。
125.単離された腫瘍浸潤リンパ球を含む哺乳動物細胞の集団と組み合わせた,癌の処置における実施形態80〜110に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーターまたはアンタゴニスト。
126.CCR7+、CD62L+中央記憶T細胞を含む哺乳動物細胞の集団と組み合わせた、癌の処置における実施形態80〜110に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーターまたはアンタゴニスト。
127.ナチュラルキラー細胞を含む哺乳動物細胞の集団と組み合わせた、癌の処置における実施形態80〜110に記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーターまたはアンタゴニスト。
128.哺乳動物細胞の50%以上が、シンデカン−2に対して陽性である、実施形態1〜40、41〜71、または80〜110のいずれかに記載の使用のためのシンデカン−2のモジュレーターまたはアンタゴニスト。
129.シンデカン−2のフラグメントであって、配列MRRAWILLTLGLVACVSAESRAELTSDKDMYLDNSSIEEASGVYPIDDDDYASASGSGADEDVESPELTTSRPLPKILLTSAAPKVETTTLNIQNKIPAQTKSPEETDKEKVHLSDSERKMDPAEEDTNVYTEKHSDSLFKRTEVLAAVIAGGVIGFLFAIFLILLLVYRMRKKDEGSYDLGERKPSSAAYQKAPTKEFYA(SEQ ID NO:1)を有するポリペプチドの少なくとも一部を含むアミノ酸配列を有する、シンデカン−2のフラグメント。
130.SEQ ID NO:1に残基の少なくとも70%を含む連続する残基を含む、実施形態129のフラグメント。
131.フラグメントが、SEQ ID NO:1の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、または160のアミノ酸を有する野生型シンデカン−2の少なくとも一部を含む、実施形態129〜130のいずれか1つのフラグメント。
132.フラグメントが、SEQ ID NO:1の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、または160のアミノ酸を有する野生型シンデカン−2の一部から成る、実施形態129〜130のいずれか1つのフラグメント。
133.フラグメントが、シンデカン−2ポリペプチドESRAELTSDKDMYLDNSSIEEASGVYPIDDDDYASASGSGADEDVESPELTTSRPLPKILLTSAAPKVETTTLNIQNKIPAQTKSPEETDKEKVHLSDSERKMDPAEEDTNVYTEKHSDSLFKRTE(SEQ ID NO:2)の細胞外ドメインの少なくとも一部を含む、実施形態129のフラグメント。
134.フラグメントが、SEQ ID NO:4−13から選択される配列を有するポリペプチドを含む、実施形態129のフラグメント。
135.フラグメントが、シンデカン−2活性を阻害する、実施形態129〜134のいずれか1つのフラグメント。
136.フラグメントが、NFκB活性を阻害する、実施形態129〜135のいずれか1つのフラグメント。
137.第1の部分および第2の部分を含む融合ポリペプチドであって、第1の部分が、シンデカン−2タンパク質に結合する、融合ポリペプチド。
138.第1の部分が、実施形態129〜135のいずれか1つのフラグメントを含む、実施形態136の融合ポリペプチド。
139.第1の部分が、抗シンデカン−2抗体またはそのフラグメントを含む、実施形態136の融合ポリペプチド。
140.第1の部分が、VHドメイン、VLドメイン、VH−CDR1、VH−CDR2、VH−CDR3、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3のドメイン、またはそれらの組み合わせの少なくとも一部を含む、実施形態136または139の融合タンパク質。
141.第1の部分が、シンデカン−2への単一ドメイン抗体の結合を含む、実施形態136、139または140のいずれか1つの融合タンパク質。
142.第2の部分が、二量体化ドメインを含む、実施形態136〜141のいずれか1つの融合ポリペプチド。
143.第2の部分が、Fcポリペプチドおよびロイシンジッパーポリペプチドから成る群から選択される、実施形態136〜142のいずれか1つの融合ポリペプチド。
144.実施形態129〜135のいずれか1つのフラグメントまたは実施形態136〜143のいずれか1つの融合ポリペプチドを含む、修飾ポリペプチドであって、修飾が、グリコシル化およびリン酸化から成る群から選択される、修飾ポリペプチド。
145.実施形態129〜135のいずれか1つのフラグメント、実施形態136〜143のいずれか1つの融合ポリペプチド、または実施形態144の修飾ポリペプチド、および薬学的に許容可能なバッファーまたは賦形剤を含む医薬組成物。
146.薬学的に許容可能なバッファーまたは賦形剤が、マレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、酢酸、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、ヒスチジン、グリシン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、水、デキストロース、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、および界面活性剤ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレエートから成る群の少なくとも1つを含む、実施形態145の医薬組成物。
147.自己免疫疾患、線維症、または癌を処置するための追加の治療薬を含む、実施形態146の医薬組成物。
148.自己免疫疾患を処置するための追加の治療薬が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、イブプロフェン、ナプロキセン、メロキシカム、エトドラク、ナブメトン、スリンダク、トレメンチン、サリチル酸コリンマグネシウム、ジクロフェナク、ジフルシナル、インドメタシン、ケトプロフェン、メロキシカム、オキサプロジン、ピロキシカム、セレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、コルチコステロイド、メトトレキサート、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、レフルノミド、TNFα阻害剤、エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、アバタセプト、リツキシマブ、トシリズマブ、アナキンラ、シクロスポリン、抗胸腺細胞グロブリン、ミコフェノール酸モフェチル、およびシクロホスファミドから成る群の少なくとも1つを含む、実施形態147の医薬組成物。
149.線維症を処置するための追加の治療薬が、ニンテダニブ、ピルフェニドン、コルチコステロイド、アルブテロール、レバブテロール、サルメテロール、ホルモテロール、フロベント、およびパルミコートから成る群の少なくとも1つを含む、実施形態147の医薬組成物。
150.癌を処置するための追加の治療薬が、メトトレキサート(RHEUMATREX(登録商標)、アメトプテリン)シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))、サリドマイド(THALIDOMID(登録商標))、アクリジンカルボキサミド、actimid(登録商標)、アクチノマイシン、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン、アミノプテリン、アムサクリン、アントラサイクリン、抗悪性腫瘍薬、アンチネオプラストン、5−アザシチジン、アザチオプリン、BL22、ベンダムスチン、ビリコダル、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン、ブスルファン、カリクリン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、クロラムブチル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、ダカルバジン、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、ジクロロ酢酸、ディスコデルモリド、ドセタセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エリブリン、エストラムスチン、エトポシド、エキサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ホスフェストロール、ホテムスチン、ガンシクロビル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、IT−101、イダルビシン、イホスファミド、イミキモド、イリノテカン、イロフルベン、イクサベピロン、ラニクイダル、ラパチニブ、レナリドミド、ロムスチン、ラルトテカン、マホスファミド、マソプロコール、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネララビン、ニロチニブ、オブリメルセン、オキサリプラチン、PAC−1、パクリタキセル、ペメトレキセド、ペントスタチン、ピポブロマン、ピクサントロン、プリカマイシン、プロカルバジン、プロテアソーム阻害剤(例えばボルテゾミブ)、ラルチトレキセド、レベッカマイシン、レブリミド(登録商標)、ルビテカン、SN−38、サリノスポラミドA、サトラプラチン、ストレプトゾトシン、スウェインソニン、タリキダル、タキサン、テガフール−ウラシル、テモゾロミド、テストラクトン、チオTEPA、チオグアニン、トポテカン、トラベクテジン、トレチノイン、四硝酸トリプラチン、トリス(2−クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、およびゾスキダルから成る群の少なくとも1つを含む、実施形態147の医薬組成物。
151.癌を処置するための追加の治療薬が、ヒドロモルフォン、レボルファノール、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、ヒドロコドン、オキシモルホン、フェンタニル、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、パロノセトロン、デキサメサゾン、メチルプレドニゾロン、ドロペリドール、ハロペリドール、メトクロプラミド、プロクロルペラジン、プロメタジン、ロラゼパム、アルプラゾラム、ドロナビノール、ナビロン、アプレピタント、ロラピタント、エポエチン、ダーベポエチン、フィルグラスチム、ペグフィルグラスチム、およびサルグラモスチムから成る群の少なくとも1つを含む、実施形態147または150の医薬組成物。
152.少なくとも30%がシンデカン−2に対して陽性である哺乳動物細胞の集団を含む、実施形態145〜151のいずれか1つの医薬組成物。
153.CAR T細胞の集団を含む、実施形態145〜151のいずれか1つの医薬組成物。
154.単離された腫瘍浸潤リンパ球の集団を含む、実施形態145〜151のいずれか1つの医薬組成物。
155.CCR7+、CD62L+中央記憶T細胞の集団を含む、実施形態145〜151のいずれか1つの医薬組成物。
156.ナチュラルキラー細胞の集団を含む、実施形態145〜151のいずれか1つの医薬組成物。
157.CD4
+CD25+Foxp3+制御性T細胞の集団を含む、実施形態145〜151のいずれか1つの医薬組成物。
158.自己免疫疾患の被験体において少なくとも1つの症状を軽減する方法であって、自己免疫疾患を有する被験体を特定する工程、および自己免疫疾患の少なくとも1つの症状を低減するのに十分な有効な量のシンデカン−2のモジュレーターを投与する工程を含む、方法。
159.自己免疫疾患の少なくとも1つの症状の改善のために被験体をモニタリングする工程を含む、実施形態152の方法。
160.症状が、高まったTh17細胞数、Th17細胞活性、Th17サイトカインレベル、およびIL−17レベルから成る群から選択される症状を含む、実施形態152または159の方法。
161.シンデカン−2のモジュレーターが、Th17細胞活性の阻害剤を含む、実施形態152〜160のいずれか1つの方法。
162.モジュレーターが、細胞表面シンデカン−2に結合するポリペプチドを含む、実施形態152〜161のいずれか1つの方法。
163.モジュレーターが、細胞表面シンデカン−2に架橋するポリペプチドを含む、実施形態152〜162のいずれか1つの方法。
164.モジュレーターが、シンデカン−2に対する抗体、またはそのフラグメントを含む、実施形態152〜163のいずれか1つの方法。
165.モジュレーターが、シンデカン−2に結合するポリペプチドを含む第1の部分、および二量体化ドメインを含む第2の部分を含む、融合タンパク質を含む、実施形態152〜164のいずれか1つの方法。
166.第1の部分が、シンデカン−2のフラグメントを含む、実施形態165の方法。
167.シンデカン−2のフラグメントが、配列ESRAELTSDKDMYLDNSSIEEASGVYPIDDDDYASASGSGADEDVESPELTTSRPLPKILLTSAAPKVETTTLNIQNKIPAQTKSPEETDKEKVHLSDSERKMDPAEEDTNVYTEKHSDSLFKRTE(SEQ ID NO:2)の少なくとも一部を含むシンデカン−2の細胞外領域のフラグメントである、実施形態166の方法。
168.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態166また167の方法。
169.第2の部分が、そのフラグメントのFc部分を含む、実施形態165〜168のいずれか1つの方法。
170.モジュレーターが、第1の部分および第2の部分を含む融合タンパク質を含み、第1の部分および第2の部分が各々、シンデカン−2に結合するポリペプチドを含む、実施形態152〜164のいずれか1つの方法。
171.モジュレーターが、配列MRRAWILLTLGLVACVSAESRAELTSDKDMYLDNSSIEEASGVYPIDDDDYASASGSGADEDVESPELTTSRPLPKILLTSAAPKVETTTLNIQNKIPAQTKSPEETDKEKVHLSDSERKMDPAEEDTNVYTEKHSDSLFKRTEVLAAVIAGGVIGFLFAIFLILLLVYRMRKKDEGSYDLGERKPSSAAYQKAPTKEFYA(SEQ ID NO:1)の少なくとも一部を含むシンデカン−2のフラグメントを含む、実施形態152〜164のいずれか1つの方法。
172.フラグメントが、SEQ ID NO:1に残基の少なくとも70%を含む連続する残基を含む、実施形態171の方法。
173.フラグメントが、SEQ ID NO:1の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、または160のアミノ酸を有する野生型シンデカン−2の少なくとも一部を含む、実施形態171または172の方法。
174.フラグメントが、SEQ ID NO:1の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、または160のアミノ酸を有する野生型シンデカン−2の一部から成る、実施形態171または172の方法。
175.フラグメントが、シンデカン−2ポリペプチドESRAELTSDKDMYLDNSSIEEASGVYPIDDDDYASASGSGADEDVESPELTTSRPLPKILLTSAAPKVETTTLNIQNKIPAQTKSPEETDKEKVHLSDSERKMDPAEEDTNVYTEKHSDSLFKRTE(SEQ ID NO:2)の細胞外ドメインの少なくとも一部を含む、実施形態171の方法。
176.フラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態171の方法。
177.モジュレーターが、シンデカン−2のアンタゴニストを含む、実施形態152〜176のいずれか1つの方法。
178.自己免疫疾患が、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、急性呼吸窮迫症候群、および多発性硬化症から成る群から選択される、実施形態152〜177のいずれか1つの方法。
179.モジュレーターが、モジュレーター、および少なくとも1つの薬学的に許容可能なバッファー、担体または賦形剤を含む医薬組成物として被験体に投与される、実施形態152〜178のいずれか1つの方法。
180.少なくとも30%がシンデカン−2に対して陽性である哺乳動物細胞の集団を含む、実施形態179の医薬組成物。
181.CD4
+CD25+Foxp3+制御性T細胞の集団を含む、実施形態179の医薬組成物。
182.線維症の被験体において少なくとも1つの症状を低減する方法であって、線維症を有する被験体を特定する工程、および線維症の少なくとも1つの症状を低減するのに十分な有効な量のシンデカン−2のモジュレーターを投与する工程を含む、方法。
183.線維症の少なくとも1つの症状の改善のために被験体をモニタリングする工程を含む、実施形態180の方法。
184.症状が、高まったTh17細胞数、Th17細胞活性、Th17サイトカインレベル、およびIL−17レベルから成る群から選択される症状を含む、実施形態180または183の方法。
185.シンデカン−2のモジュレーターが、Th17細胞活性の阻害剤を含む、実施形態180〜184のいずれか1つの方法。
186.モジュレーターが、細胞表面シンデカン−2に結合するポリペプチドを含む、実施形態180〜185のいずれか1つの方法。
187.モジュレーターが、細胞表面シンデカン−2に架橋するポリペプチドを含む、実施形態180〜186のいずれか1つの方法。
188.モジュレーターが、シンデカン−2に対する抗体、またはそのフラグメントを含む、実施形態180〜187のいずれか1つの方法。
189.モジュレーターが、シンデカン−2に結合するポリペプチドを含む第1の部分および二量体化ドメインを含む第2の部分を含む、融合タンパク質を含む、実施形態180〜187のいずれか1つの方法。
190.第1の部分が、シンデカン−2のフラグメントを含む、実施形態189の方法。
191.シンデカン−2のフラグメントが、配列ESRAELTSDKDMYLDNSSIEEASGVYPIDDDDYASASGSGADEDVESPELTTSRPLPKILLTSAAPKVETTTLNIQNKIPAQTKSPEETDKEKVHLSDSERKMDPAEEDTNVYTEKHSDSLFKRTE(SEQ ID NO:2)の少なくとも一部分を含むシンデカン−2の細胞外領域のフラグメントである、実施形態190の方法。
192.シンデカン−2のフラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態190または191の方法。
193.第2の部分が、そのフラグメントのFc部分を含む、実施形態189〜192のいずれか1つの方法。
194.モジュレーターが、第1の部分および第2の部分を含む融合タンパク質を含み、第1の部分および第2の部分が各々、シンデカン−2に結合するポリペプチドを含む、実施形態180〜187のいずれか1つの方法。
195.モジュレーターが、配列MRRAWILLTLGLVACVSAESRAELTSDKDMYLDNSSIEEASGVYPIDDDDYASASGSGADEDVESPELTTSRPLPKILLTSAAPKVETTTLNIQNKIPAQTKSPEETDKEKVHLSDSERKMDPAEEDTNVYTEKHSDSLFKRTEVLAAVIAGGVIGFLFAIFLILLLVYRMRKKDEGSYDLGERKPSSAAYQKAPTKEFYA(SEQ ID NO:1)の少なくとも一部を含むシンデカン−2のフラグメントを含む、実施形態180〜187のいずれか1つの方法。
196.フラグメントが、SEQ ID NO:1に残基の少なくとも70%を含む連続する残基を含む、実施形態195の方法。
197.フラグメントが、SEQ ID NO:1の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、または160のアミノ酸を有する野生型シンデカン−2の少なくとも一部を含む、実施形態195または196の方法。
198.フラグメントが、SEQ ID NO:1の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、または160のアミノ酸を有する野生型シンデカン−2の一部から成る、実施形態195または196の方法。
199.フラグメントが、シンデカン−2ポリペプチドESRAELTSDKDMYLDNSSIEEASGVYPIDDDDYASASGSGADEDVESPELTTSRPLPKILLTSAAPKVETTTLNIQNKIPAQTKSPEETDKEKVHLSDSERKMDPAEEDTNVYTEKHSDSLFKRTE(SEQ ID NO:2)の細胞外ドメインの少なくとも10の連続する残基を含む、実施形態195の方法。
200.フラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態195の方法。
201.モジュレーターが、シンデカン−2のアンタゴニストを含む、実施形態195〜200のいずれか1つの方法。
202.線維症が、肺の線維性疾患、肝臓の線維性疾患、および心臓の線維性疾患から成る群から選択される、実施形態180〜201のいずれか1つの方法。
203.モジュレーターが、モジュレーター、および少なくとも1つの薬学的に許容可能なバッファー、担体または賦形剤を含む医薬組成物として被験体に投与される、実施形態180〜202のいずれか1つの方法。
204.少なくとも30%がシンデカン−2に対して陽性である哺乳動物細胞の集団を含む、実施形態203の医薬組成物。
205.CD4
+CD25+Foxp3+制御性T細胞の集団を含む、実施形態203の医薬組成物。
206.癌の被験体において少なくとも1つの症状を低減する方法であって、癌を有する被験体を特定する工程、および癌の少なくとも1つの症状を低減するのに十分な有効な量のシンデカン−2のモジュレーターを投与する工程を含む、方法。
207.癌の少なくとも1つの症状の改善のために被験体をモニタリングする工程を含む、実施形態204の方法。
208.症状が、高まったTh17細胞数、Th17細胞活性、Th17サイトカインレベル、およびIL−17レベルから成る群から選択される症状を含む、実施形態204または207の方法。
209.シンデカン−2のモジュレーターが、Th17細胞活性の阻害剤を含む、実施形態204〜208のいずれか1つの方法。
210.モジュレーターが、細胞表面シンデカン−2に結合するポリペプチドを含む、実施形態204〜209のいずれか1つの方法。
211.モジュレーターが、細胞表面シンデカン−2に架橋するポリペプチドを含む、実施形態204〜210のいずれか1つの方法。
212.モジュレーターが、シンデカン−2に対する抗体、またはそのフラグメントを含む、実施形態204〜211のいずれか1つの方法。
213.モジュレーターが、シンデカン−2に結合するポリペプチドを含む第1の部分および二量体化ドメインを含む第2の部分を含む、融合タンパク質を含む、実施形態204〜211のいずれか1つの方法。
214.第1の部分が、シンデカン−2のフラグメントを含む、実施形態213の方法。
215.シンデカン−2のフラグメントが、配列ESRAELTSDKDMYLDNSSIEEASGVYPIDDDDYASASGSGADEDVESPELTTSRPLPKILLTSAAPKVETTTLNIQNKIPAQTKSPEETDKEKVHLSDSERKMDPAEEDTNVYTEKHSDSLFKRTE(SEQ ID NO:2)の少なくとも一部を含むシンデカン−2の細胞外領域のフラグメントである、実施形態214の方法。
216.第2の部分が、そのフラグメントのFc部分を含む、実施形態213〜191のいずれか1つの方法。
217.モジュレーターが、第1の部分および第2の部分を含む融合タンパク質を含み、第1の部分および第2の部分が各々、シンデカン−2に結合するポリペプチドを含む、実施形態204〜211のいずれか1つの方法。
218.モジュレーターが、ポリペプチド配列MRRAWILLTLGLVACVSAESRAELTSDKDMYLDNSSIEEASGVYPIDDDDYASASGSGADEDVESPELTTSRPLPKILLTSAAPKVETTTLNIQNKIPAQTKSPEETDKEKVHLSDSERKMDPAEEDTNVYTEKHSDSLFKRTEVLAAVIAGGVIGFLFAIFLILLLVYRMRKKDEGSYDLGERKPSSAAYQKAPTKEFYA(SEQ ID NO:1)の少なくとも10の連続する残基の配列を含むシンデカン−2のフラグメントを含む、実施形態204〜211のいずれか1つの方法。
219.フラグメントが、SEQ ID NO:1に残基の少なくとも70%を含む連続する残基を含む、実施形態218の方法。
220.フラグメントが、SEQ ID NO:1の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、または160のアミノ酸を有する野生型シンデカン−2の少なくとも一部を含む、実施形態218または219の方法。
221.フラグメントが、SEQ ID NO:1の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、または160のアミノ酸を有する野生型シンデカン−2の一部から成る、実施形態218または219の方法。
222.フラグメントが、シンデカン−2ポリペプチドESRAELTSDKDMYLDNSSIEEASGVYPIDDDDYASASGSGADEDVESPELTTSRPLPKILLTSAAPKVETTTLNIQNKIPAQTKSPEETDKEKVHLSDSERKMDPAEEDTNVYTEKHSDSLFKRTE(SEQ ID NO:2)の細胞外ドメインの少なくとも一部を含む、実施形態218の方法。
223.フラグメントが、SEQ ID NO:4−13のアミノ酸配列を有する、実施形態218の方法。
224.モジュレーターが、シンデカン−2のアンタゴニストを含む、実施形態204〜223のいずれか1つの方法。
225.癌が、乳癌、結腸癌、直腸癌、肺癌、非ホジキンリンパ腫、白血病、リンパ腫、卵巣癌、前立腺癌、皮膚癌、脳癌、膀胱癌、子宮内膜癌、腎臓癌、膵臓癌、甲状腺癌、および黒色腫から成る群から選択される、実施形態204〜224のいずれか1つの方法。
226.モジュレーターが、モジュレーター、および少なくとも1つの薬学的に許容可能なバッファー、担体または賦形剤を含む医薬組成物として被験体に投与される、実施形態204〜225のいずれか1つの方法。
227.少なくとも30%がシンデカン−2に対して陽性である哺乳動物細胞の集団を含む、実施形態226の医薬組成物。
228.CAR T細胞の集団を含む、実施形態226の医薬組成物。
229.単離された腫瘍浸潤リンパ球の集団を含む、実施形態226の医薬組成物。
230.CCR7+、CD62L+中央記憶T細胞の集団を含む、実施形態226の医薬組成物。
231.ナチュラルキラー細胞の集団を含む、実施形態226の医薬組成物。
232.シンデカン−2結合ドメインおよび生理学的に許容可能なバッファーを含むポリペプチドを含む、組成物。
233.シンデカン−2結合ドメインが、少なくとも1つの哺乳動物のシンデカン−2タンパク質を結合する抗体可変ドメインを含む、実施形態232の組成物。
234.抗体可変ドメインが、ヒトのシンデカン−2を結合する、実施形態233の組成物。
235.抗体可変ドメインが、ヒト以外の哺乳動物のシンデカン−2を結合する、実施形態234の組成物。
236.抗体可変ドメインが、ヒトのシンデカン−2を特異的に結合する、実施形態234の組成物。
237.抗体可変ドメインが、キメラである、実施形態233〜236のいずれか1つの組成物。
238.抗体可変ドメインが、ヒト化される、実施形態233〜236のいずれか1つの組成物。
239.ポリペプチドが、二量体化ドメインを含む、実施形態232〜238のいずれか1つの組成物。
240.二量体化ドメインが、ホモ二量体化ドメインである、実施形態239の組成物。
241.二量体化ドメインが、Fcドメインを含む、実施形態239または240の組成物。
242.生理学的に許容可能なバッファーが、マレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、酢酸、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、ヒスチジン、グリシン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、水、デキストロース、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、および界面活性剤ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレエートから成る群から選択される、少なくとも1つの化合物を含む、実施形態232−241のいずれか1つの組成物。
243.生理学的に許容可能なバッファーが、静脈内投与に適している、実施形態227〜242のいずれか1つの組成物。
244.追加の治療薬を含む、実施形態227〜243のいずれか1つの組成物。
245.追加の治療薬が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、イブプロフェン、ナプロキセン、メロキシカム、エトドラク、ナブメトン、スリンダク、トレメンチン、サリチル酸コリンマグネシウム、ジクロフェナク、ジフルシナル、インドメタシン、ケトプロフェン、メロキシカム、オキサプロジン、ピロキシカム、セレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、コルチコステロイド、メトトレキサート、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、レフルノミド、TNFα阻害剤、エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、アバタセプト、リツキシマブ、トシリズマブ、アナキンラ、シクロスポリン、抗胸腺細胞グロブリン、ミコフェノール酸モフェチル、およびシクロホスファミドから成る群から選択される、少なくとも1つの自己免疫疾患用の薬剤を含む、実施形態244の組成物。
246.追加の治療薬が、ニンテダニブ、ピルフェニドン、コルチコステロイド、アルブテロール、レバブテロール、サルメテロール、ホルモテロール、フロベント、およびパルミコートから成る群から選択される、少なくとも1つの線維性疾患用の薬剤を含む、実施形態244の組成物。
247.追加の治療薬が、メトトレキサート(RHEUMATREX(登録商標)、アメトプテリン)シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))、サリドマイド(THALIDOMID(登録商標))、アクリジンカルボキサミド、actimid(登録商標)、アクチノマイシン、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン、アミノプテリン、アムサクリン、アントラサイクリン、抗悪性腫瘍薬、アンチネオプラストン、5−アザシチジン、アザチオプリン、BL22、ベンダムスチン、ビリコダル、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン、ブスルファン、カリクリン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、クロラムブチル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、ダカルバジン、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、ジクロロ酢酸、ディスコデルモリド、ドセタセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エリブリン、エストラムスチン、エトポシド、エキサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ホスフェストロール、ホテムスチン、ガンシクロビル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、IT−101、イダルビシン、イホスファミド、イミキモド、イリノテカン、イロフルベン、イクサベピロン、ラニクイダル、ラパチニブ、レナリドミド、ロムスチン、ラルトテカン、マホスファミド、マソプロコール、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネララビン、ニロチニブ、オブリメルセン、オキサリプラチン、PAC−1、パクリタキセル、ペメトレキセド、ペントスタチン、ピポブロマン、ピクサントロン、プリカマイシン、プロカルバジン、プロテアソーム阻害剤(例えばボルテゾミブ)、ラルチトレキセド、レベッカマイシン、レブリミド(登録商標)、ルビテカン、SN−38、サリノスポラミド A、サトラプラチン、ストレプトゾトシン、スウェインソニン、タリキダル、タキサン、テガフール・ウラシル、テモゾロミド、テストラクトン、チオTEPA、チオグアニン、トポテカン、トラベクテジン、トレチノイン、四硝酸トリプラチン、トリス(2−クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、およびゾスキダルから成る群から選択される、少なくとも1つの癌用の薬剤を含む、実施形態244の組成物。
248.追加の治療薬が、ヒドロモルフォン、レボルファノール、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、ヒドロコドン、オキシモルホン、フェンタニル、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、パロノセトロン、デキサメサゾン、メチルプレドニゾロン、ドロペリドール、ハロペリドール、メトクロプラミド、プロクロルペラジン、プロメタジン、ロラゼパム、アルプラゾラム、ドロナビノール、ナビロン、アプレピタント、ロラピタント、エポエチン、ダーベポエチン、フィルグラスチム、ペグフィルグラスチムおよびサルグラモスチムから成る群から選択される、少なくとも1つの癌用の薬剤を含む、実施形態244の組成物。
249.少なくとも30%がシンデカン−2に対して陽性である哺乳動物細胞の集団を含む、実施形態244〜248のいずれか1つの組成物。
250.CAR T細胞の集団を含む、実施形態244〜248のいずれか1つの組成物。
251.単離された腫瘍浸潤リンパ球の集団を含む、実施形態244〜248のいずれか1つの組成物。
252.CCR7+、CD62L+中央記憶T細胞の集団を含む、実施形態244〜248のいずれか1つの組成物。
253.ナチュラルキラー細胞の集団を含む、実施形態244〜248のいずれか1つの組成物。
254.CD4
+CD25+Foxp3+制御性T細胞の集団を含む、実施形態244〜248のいずれか1つの組成物。
255.第1のシンデカン−2結合ドメインおよび第2のシンデカン−2結合ドメインを含むポリペプチドを含む、組成物。
256.第1のシンデカン−2結合ドメインが、少なくとも1つの哺乳動物のシンデカン−2タンパク質を結合する抗体可変ドメインを含む、実施形態249の組成物。
257.抗体可変ドメインが、ヒトのシンデカン−2を結合する、実施形態256の組成物。
258.抗体可変ドメインが、ヒト以外の哺乳動物のシンデカン−2を結合する、実施形態257の組成物。
259.抗体可変ドメインが、ヒトのシンデカン−2を特異的に結合する、実施形態257の組成物。
260.抗体可変ドメインが、キメラである、実施形態256〜259のいずれか1つの組成物。
261.抗体可変ドメインが、ヒト化される、実施形態256〜259のいずれか1つの組成物。
262.第2のシンデカン−2結合ドメインが、第1のシンデカン−2結合ドメインと同一である、実施形態249の組成物。
263.第2のシンデカン−2結合ドメインが、第1のシンデカン−2結合ドメインのアミノ酸残基配列と同一であるアミノ酸残基配列を含む、実施形態249の組成物。
264.第2のシンデカン−2結合ドメインが、第1のシンデカン−2結合ドメインとは異なる、実施形態249の組成物。
265.第2のシンデカン−2結合ドメインが、第1のシンデカン−2結合ドメインのアミノ酸残基配列とは異なるアミノ酸残基配列を含む、実施形態249の組成物。
266.生理学的に許容可能なバッファーを含む、実施形態249−265のいずれか1つの組成物。
267.生理学的に許容可能なバッファーが、マレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、酢酸、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、ヒスチジン、グリシン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、水、デキストロース、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、および界面活性剤ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレエートから成る群から選択される、少なくとも1つの化合物を含む、実施形態266の組成物。
268.生理学的に許容可能なバッファーが、静脈内投与に適している、実施形態266または267の組成物。
269.追加の治療薬を含む、実施形態249〜268のいずれか1つの組成物。
270.追加の治療薬が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、イブプロフェン、ナプロキセン、メロキシカム、エトドラク、ナブメトン、スリンダク、トレメンチン、サリチル酸コリンマグネシウム、ジクロフェナク、ジフルシナル、インドメタシン、ケトプロフェン、メロキシカム、オキサプロジン、ピロキシカム、セレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、コルチコステロイド、メトトレキサート、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、レフルノミド、TNFα阻害剤、エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、アバタセプト、リツキシマブ、トシリズマブ、アナキンラ、シクロスポリン、抗胸腺細胞グロブリン、ミコフェノール酸モフェチルおよびシクロホスファミドから成る群から選択される、少なくとも1つの自己免疫疾患用の薬剤を含む、実施形態269の組成物。
271.追加の治療薬が、ニンテダニブ、ピルフェニドン、コルチコステロイド、アルブテロール、レバブテロール、サルメテロール、ホルモテロール、フロベント、およびパルミコートから成る群から選択される、少なくとも1つの線維性疾患用の薬剤を含む、実施形態269の組成物。
272.追加の治療薬が、メトトレキサート(RHEUMATREX(登録商標)、アメトプテリン)シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))、サリドマイド(THALIDOMID(登録商標))、アクリジンカルボキサミド、actimid(登録商標)、アクチノマイシン、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン、アミノプテリン、アムサクリン、アントラサイクリン、抗悪性腫瘍薬、アンチネオプラストン、5−アザシチジン、アザチオプリン、BL22、ベンダムスチン、ビリコダル、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン、ブスルファン、カリクリン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、クロラムブチル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、ダカルバジン、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、ジクロロ酢酸、ディスコデルモリド、ドセタセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エリブリン、エストラムスチン、エトポシド、エキサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ホスフェストロール、ホテムスチン、ガンシクロビル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、IT−101、イダルビシン、イホスファミド、イミキモド、イリノテカン、イロフルベン、イクサベピロン、ラニクイダル、ラパチニブ、レナリドミド、ロムスチン、ラルトテカン、マホスファミド、マソプロコール、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネララビン、ニロチニブ、オブリメルセン、オキサリプラチン、PAC−1、パクリタキセル、ペメトレキセド、ペントスタチン、ピポブロマン、ピクサントロン、プリカマイシン、プロカルバジン、プロテアソーム阻害剤(例えばボルテゾミブ)、ラルチトレキセド、レベッカマイシン、レブリミド(登録商標)、ルビテカン、SN−38、サリノスポラミド A、サトラプラチン、ストレプトゾトシン、スウェインソニン、タリキダル、タキサン、テガフール・ウラシル、テモゾロミド、テストラクトン、チオTEPA、チオグアニン、トポテカン、トラベクテジン、トレチノイン、四硝酸トリプラチン、トリス(2−クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、およびゾスキダルから成る群から選択される、少なくとも1つの癌用の薬剤を含む、実施形態269の組成物。
273.追加の治療薬が、ヒドロモルフォン、レボルファノール、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、ヒドロコドン、オキシモルホン、フェンタニル、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、パロノセトロン、デキサメサゾン、メチルプレドニゾロン、ドロペリドール、ハロペリドール、メトクロプラミド、プロクロルペラジン、プロメタジン、ロラゼパム、アルプラゾラム、ドロナビノール、ナビロン、アプレピタント、ロラピタント、エポエチン、ダーベポエチン、フィルグラスチム、ペグフィルグラスチム、およびサルグラモスチムから成る群から選択される、少なくとも1つの癌用の薬剤を含む、実施形態269の組成物。
274.少なくとも30%がシンデカン−2に対して陽性である哺乳動物細胞の集団を含む、実施形態269〜273のいずれか1つの組成物。
275.CAR T細胞の集団を含む、実施形態269〜273のいずれか1つの組成物。
276.単離された腫瘍浸潤リンパ球の集団を含む、実施形態269〜273のいずれか1つの組成物。
277.CCR7+、CD62L+中央記憶T細胞の集団を含む、実施形態269〜273のいずれか1つの組成物。
278.ナチュラルキラー細胞の集団を含む、実施形態269〜273のいずれか1つの組成物。
279.CD4
+CD25+Foxp3+制御性T細胞の集団を含む、実施形態269〜273のいずれか1つの組成物。
280.哺乳動物のシンデカン−2タンパク質ポリペプチドに対して少なくとも80%の同一性を有している少なくとも20の連続する残基を含むポリペプチド、および薬学的に許容可能なバッファーを含む、組成物。
281.ポリペプチドが、哺乳動物のシンデカン−2細胞外ドメインに対して少なくとも80%の同一性を有している少なくとも50の連続する残基を含む、実施形態274の組成物。
282.ポリペプチドが、哺乳動物のシンデカン−2細胞外ドメインに対して少なくとも80%の同一性を有しているポリペプチドを含む、実施形態281の組成物。
283.ポリペプチドが、哺乳動物のシンデカン−2細胞外ドメインに対して少なくとも90%の同一性を有しているポリペプチドを含む、実施形態281の組成物。
284.ポリペプチドが、哺乳動物のシンデカン−2細胞外ドメインに対して少なくとも95%の同一性を有しているポリペプチドを含む、実施形態281の組成物。
285.ポリペプチドが、ヒトのシンデカン−2細胞外ドメインに対して少なくとも95%の同一性を有しているポリペプチドを含む、実施形態281の組成物。
286.ポリペプチドが、ヒトのシンデカン−2細胞外ドメインを有するポリペプチドを含む、実施形態281の組成物。
287.生理学的に許容可能なバッファーが、マレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、酢酸、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、ヒスチジン、グリシン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、水、デキストロース、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、および界面活性剤ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレエートから成る群から選択される、少なくとも1つの化合物を含む、実施形態274〜286の組成物。
288.生理学的に許容可能なバッファーが、静脈内投与に適している、実施形態274〜287のいずれか1つの組成物。
289.ポリペプチドが、完全長の哺乳動物のシンデカン−2タンパク質を含まない、実施形態274〜288のいずれか1つの組成物。
290.ポリペプチドが、全長の哺乳動物のシンデカン−2タンパク質を含む、実施形態274〜288のいずれか1つの組成物。
291.二量体化ドメインを含む、実施形態274〜290のいずれか1つの組成物。
292.二量体化ドメインが、Fcドメインを含む、実施形態291の組成物。
293.追加の治療薬を含む、実施形態274〜292のいずれか1つの組成物。
294.追加の治療薬が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、イブプロフェン、ナプロキセン、メロキシカム、エトドラク、ナブメトン、スリンダク、トレメンチン、サリチル酸コリンマグネシウム、ジクロフェナク、ジフルシナル、インドメタシン、ケトプロフェン、メロキシカム、オキサプロジン、ピロキシカム、セレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、コルチコステロイド、メトトレキサート、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、レフルノミド、TNFα阻害剤、エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、アバタセプト、リツキシマブ、トシリズマブ、アナキンラ、シクロスポリン、抗胸腺細胞グロブリン、ミコフェノール酸モフェチル、およびシクロホスファミドから成る群から選択される、少なくとも1つの自己免疫疾患用の薬剤を含む、実施形態293の組成物。
295.追加の治療薬が、ニンテダニブ、ピルフェニドン、コルチコステロイド、アルブテロール、レバブテロール、サルメテロール、ホルモテロール、フロベント、およびパルミコートから成る群から選択される、少なくとも1つの線維性疾患用の薬剤を含む、実施形態293の組成物。
296.追加の治療薬が、メトトレキサート(RHEUMATREX(登録商標)、アメトプテリン)シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))、サリドマイド(THALIDOMID(登録商標))、アクリジンカルボキサミド、actimid(登録商標)、アクチノマイシン、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン、アミノプテリン、アムサクリン、アントラサイクリン、抗悪性腫瘍薬、アンチネオプラストン、5−アザシチジン、アザチオプリン、BL22、ベンダムスチン、ビリコダル、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン、ブスルファン、カリクリン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、クロラムブチル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、ダカルバジン、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、ジクロロ酢酸、ディスコデルモリド、ドセタセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エリブリン、エストラムスチン、エトポシド、エキサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ホスフェストロール、ホテムスチン、ガンシクロビル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、IT−101、イダルビシン、イホスファミド、イミキモド、イリノテカン、イロフルベン、イクサベピロン、ラニクイダル、ラパチニブ、レナリドミド、ロムスチン、ラルトテカン、マホスファミド、マソプロコール、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネララビン、ニロチニブ、オブリメルセン、オキサリプラチン、PAC−1、パクリタキセル、ペメトレキセド、ペントスタチン、ピポブロマン、ピクサントロン、プリカマイシン、プロカルバジン、プロテアソーム阻害剤(例えばボルテゾミブ)、ラルチトレキセド、レベッカマイシン、レブリミド(登録商標)、ルビテカン、SN−38、サリノスポラミド A、サトラプラチン、ストレプトゾトシン、スウェインソニン、タリキダル、タキサン、テガフール・ウラシル、テモゾロミド、テストラクトン、チオTEPA、チオグアニン、トポテカン、トラベクテジン、トレチノイン、四硝酸トリプラチン、トリス(2−クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、およびゾスキダルから成る群から選択される、少なくとも1つの癌用の薬剤を含む、実施形態293の組成物。
297.追加の治療薬が、ヒドロモルフォン、レボルファノール、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、ヒドロコドン、オキシモルホン、フェンタニル、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、パロノセトロン、デキサメサゾン、メチルプレドニゾロン、ドロペリドール、ハロペリドール、メトクロプラミド、プロクロルペラジン、プロメタジン、ロラゼパム、アルプラゾラム、ドロナビノール、ナビロン、アプレピタント、ロラピタント、エポエチン、ダーベポエチン、フィルグラスチム、ペグフィルグラスチム、およびサルグラモスチムから成る群から選択される、少なくとも1つの癌用の薬剤を含む、実施形態293の組成物。
298.少なくとも30%がシンデカン−2に対して陽性である哺乳動物細胞の集団を含む、実施形態293〜297のいずれか1つの組成物。
299.CAR T細胞の集団を含む、実施形態293〜297のいずれか1つの組成物。
300.単離された腫瘍浸潤リンパ球の集団を含む、実施形態293〜297のいずれか1つの組成物。
301.CCR7+、CD62L+中央記憶T細胞の集団を含む、実施形態293〜297のいずれか1つの組成物。
302.ナチュラルキラー細胞の集団を含む、実施形態293〜297のいずれか1つの組成物。
303.CD4
+CD25+Foxp3+制御性T細胞の集団を含む、実施形態293〜297のいずれか1つの組成物。
304.Th17誤制御を含む障害の処置に使用するための、実施形態232−303のいずれか1つの組成物。
305.自己免疫疾患および癌から成るリストから選択される少なくとも1つの障害の処置に使用するための、実施形態232−303のいずれか1つの組成物。
306.自己免疫疾患、線維症および癌から成るリストから選択される少なくとも1つの障害を処置する方法であって、自己免疫疾患、線維性障害および癌から成るリストから選択される少なくとも1つの障害に対する処置を必要としている被験体を特定する工程、およびTh17阻害剤の投与レジメンを被験体に行う工程を含む、方法。
307.行う工程が、投与レジメンを静脈内に行う工程を含む、実施形態306の方法。
308.Th17阻害剤が、実施形態227−248のいずれか1つのシンデカン結合組成物を含む、実施形態306の方法。
309.Th17阻害剤が、実施形態249−273のいずれか1つのシンデカン結合組成物を含む、実施形態306の方法。
310.Th17阻害剤が、実施形態274−305のいずれか1つのシンデカン−2ポリペプチド組成物を含む、実施形態306の方法。
311.前記障害をモニタリングする工程、および前記被験体からの反応に従って投与レジメンを調節する工程を含む、実施形態306の方法。
312.Th17阻害剤が、NFκB活性を阻害する、実施形態306の方法。
313.Th17阻害剤が、追加の治療薬を含む、実施形態306の方法。
314.追加の治療薬が、少なくとも30%がシンデカン−2に対して陽性である哺乳動物細胞の集団を含む、実施形態313の方法。
315.追加の治療薬が、CAR T細胞の集団を含む、実施形態313の方法。
316.追加の治療薬が、単離された腫瘍浸潤リンパ球の集団を含む、実施形態313の方法。
317.追加の治療薬が、CCR7+、CD62L+中央記憶T細胞の集団を含む、実施形態313の方法。
318.追加の治療薬が、ナチュラルキラー細胞の集団を含む、実施形態313の方法。
319.追加の治療薬が、CD4
+CD25+Foxp3+制御性T細胞の集団を含む、実施形態313の方法。
【実施例】
【0161】
実施例1:シンデカン−2に対するアンタゴニストはT細胞分化を抑制する
<導入>
1.1 以下の実施例を、シンデカン−2に対するアンタゴニスト、抗シンデカン−2抗体とのシンデカン−2の特異的な架橋、抑制されたT細胞分化について例証するために実行した。
【0162】
<材料および方法>
<使用されるドナー>
3人のドナーを本試験の目的に使用した。血液を3人の個体の各々から分離し、実験の各セットを、各ドナーから採取したCD4
+細胞上で3回実行した。ドナー1は20代の男性の喫煙者、ドナー2は20代の女性の喫煙者であり、一方で被験体3は40代の男性の喫煙者であった。
【0163】
<CD4
+T細胞単離>
使用する各ドナーに対して、血液を、BD Vacutainer EDTAのチューブに収集し、処理の準備ができるまで室温のままにした。
【0164】
各ケースにおいて、血液をリン酸緩衝食塩水(PBS)で1:1に希釈し、2.5mlのFicoll−Hypaque(商標)の試薬を、使用する各ファルコンチューブに加えた。これに続いて、8mlの血液を、この密な試薬上でそっと層状にした。その後、各チューブを、チューブの底で赤血球の大きなペレット(pellet)を妨害しないようにブレーキ(brake)がない状態で、室温で25分間、700rcf(相対遠心力)で遠心分離にかけた。遠心分離後、PBMCを含有しているバフィーコートが形成された。このバフィーコートを、ピペットを使用してそっと除去し、できるだけ少ないFicoll−Hypaque(商標)の試薬をPBMCとともに吸収することを確かなものとした。その後、細胞を、PBS中に洗浄し、5分間400rcfで再び遠心分離にかけた。遠心分離後、不用なPBSを処分し、PBMCペレットを1mlのPBS中に再懸濁した。1mlの総細胞容積から、10μlの細胞を、980μlのPBSおよび10μlのトリパンブルー染料に加え、細胞の1/100希釈を行った。この10μlの溶液を、血球計算器へとピペットで移し、顕微鏡上で10x倍率で調べた。細胞を数えるために以下の方程式を使用した:
【0165】
【数1】
【0166】
式中、S=数えたスクエアチャンバーの数、N=希釈係数、およびn=目に見える生細胞の数。この細胞カウント後に、細胞を、PBS中に再び洗浄し、10分間300rcfで遠心分離にかけた。
【0167】
遠心分離中に形成されたペレットを、10
7または1000万の細胞当たり40μlのMACSバッファー中に再懸濁した。これに続いて、10
7の細胞当たり10μlのCD4
+T細胞ビオチン抗体カクテル(Biotin−Antibody Cocktail)(Miltenyi Biotec)を加え、混合物を4℃で冷蔵庫中に5分間インキュベートした。インキュベーション後、10
7の細胞当たり20μlのCD4
+マイクロビーズカクテル(Microbead Cocktail)(Miltenyi Biotec)とともに、10
7の細胞当たり30μlのMACSバッファーを加え、4℃で冷蔵庫中に10分間インキュベートした。このインキュベーション時間の間に、スチールウールメッシュ(iron wool mesh)を含有しているLSカラムを、磁場に入れ、3mlのMACSバッファーで洗浄した。インキュベーションに続いて、細胞懸濁液を、追加の3mlのMACバッファーとともにカラムに適用し、素通り画分を収集した。素通り画分を、PBS中で洗浄し、5分間400rcfで遠心分離にかけた。遠心分離中に形成されたペレットを、1mlのPBS中に再懸濁した。PBS中に懸濁されたこの1mlの細胞10μlを、480μlのPBSおよび10μlのトリパンブルー色素に加え、細胞の1/50希釈を行った。この10μlの溶液を、血球計算器へとピペットで移し、上に概説された方程式を使用して再びカウントした。すべての実験において、3ウェルの無染色対照を含み、それ故、この時点で、300,000の細胞を、CFSE染色前に細胞のチューブから除去して、各ウェルが100,000の細胞を含有することを可能にした。
【0168】
これに続いて、細胞を、広く使用される蛍光細胞染色用の色素である、CFSE(カルボキシフルオレスセインスクシンイミジルエステル)で染色した(Parish, 1999)。この染色によって、細胞の細胞増殖を分析することが可能となり、色素の量が、すべての分裂後に各娘細胞中の累進的に半分にされ、それ故、細胞の増殖事象の数を、フローサイトメトリーを使用して記録することができる(切片iv)(Lyons and Parish, 1994)。
【0169】
MACSによって単離されたCD4
+T細胞を、その後、各々の5×10
7細胞に対して1mlの溶液を使用して、0.1%のBSAを補足した予め暖めたPBS中に再懸濁した。CFSEの各バイアルに、8μlのDMSO(ジメチルスルホキシド)を補足し、30秒間ボルテックスした。このバイアルから、2μl/mlを、細胞を含有しているチューブに加えた。その後、このチューブを、6分間水浴中で37℃でインキュベートした。このインキュベーションに続いて、BSA/PBS溶液と同じ量の氷冷の10%の完全培地を加えた。その後、細胞のチューブを、5分間400rcfで遠心分離にかけ、10mlのT細胞培地(TCM)中に再懸濁した。この素通り画分を、TCM中で再び洗浄し、5分間400rcfで遠心分離にかけた。遠心分離中に形成されたペレットを、1mlのPBS中に再懸濁した。この溶液から、10μlを、480μlのPBSおよび10μlのトリパンブルー色素に加え、細胞の1/50希釈を行った。この10μlの溶液を、血球計算器へとピペットで移し、上に概説された方程式を使用して再びカウントした。
【0170】
各ケースにおいて、これらのCD4
+T細胞を、その後、一晩コーティングされていた、抗体をコーティングしたプレートへの追加のために調製した。過剰な抗体を処分し、ウェルを細胞の追加前にPBS中で洗浄した。1ウェル当たり100,000の細胞または1x10
6の細胞/mlを達成するために、T細胞培地を細胞に加えた。
【0171】
<プロジェクトの最適化段階>
4つのTヘルパー細胞のサブセット、つまり、Th1、Th2、Th17およびTregに分化するためのナイーブCD4
+T細胞の活性化および刺激には、抗体(α−CD3およびα−CD28)およびサイトカインの追加を必要とする。しかしながら、Tヘルパー細胞のサブセットはそれぞれ、最適な分化、生存および増殖を得るために、抗体の特有の濃度と組み合わせたサイトカインの特有の組み合わせを必要とする。それ故、この実験を最適化する際に、Tヘルパーのサブセットの各々に対する最適な結果を得るために、サイトカインの広い範囲および組み合わせを使用した。この実験の最適化段階の結果によって、実験の実験段階に移るための抗体およびサイトカインの最良の濃度および組み合わせが判定された。
【0172】
<プロジェクトの実験段階>
3人のドナーを、実験の実験段階に使用した。1人のドナーの血液を、一度に使用した、つまり、次のドナーに移る前に、血液を抽出し、細胞を単離し、刺激し、その後、分析した。各ドナーに対して、Tヘルパー細胞のサブセットの各々に対するプレートを、抗体でコーティングした。プレートの幾つかのウェルを抗CD3(α−CD3)単独でコーティングし、一方で他のウェルをアイソタイプ対照抗体またはα−シンデカン−2抗体のいずれかとともにα−CD3でコーティングした。この目的は、結合した(engaged)シンデカン−2と結合していない(un−engaged)シンデカン−2との比較によるTヘルパー細胞サブセットへのナイーブCD4
+T細胞の分化に対するシンデカン−2の効果を観察することであった。「PCRに対する24、48、72および96時間のサンプル」と標識されたウェルへの抗体の追加の際に、0.5μg/mlの濃度のα−CD3を、PBSとともに1ウェルにつき加え、1ウェル当たり100μlの最終容量を構成した。0.5μg/mlの濃度のα−CD3を、PBSとともに「無染色対照」に加え、CFSE染色前に除去された細胞を含有している100μlを構成した。0.5μg/mlの濃度のα−CD3とともに5μg/mlのアイソタイプ対照抗体を、アイソタイプに割り当てられたウェルに加えた。0.5μg/mlの濃度のα−CD3とともに5μg/mlのアイソタイプ対照抗体を、アイソタイプに割り当てられたウェルに加えた。プレートを冷蔵庫に4℃で一晩静置させ、抗体がプレートに付着することを可能にした。
【0173】
一晩のインキュベーションに続いて、CD4
+T細胞を、Ficoll−Hypaque(商標)およびMACSを使用して、ドナーから単離した。CD4
+T細胞の1ウェル当たり100,000の細胞を含有している100μlを、割り当てられたウェルに加えた。その後、1ウェル当たり100μlの培地を加えた。加えた培地を、各々のT細胞のサブセットに特異的なサイトカインで構成し、それ故、各ドナーのケースにおいてこれらのサブセットの各々に対するプレートが存在したため、各プレートに対して構成された特異的な培地が存在した。抗IL−17、抗IL−10、抗IL−4および抗IFN−γを加える目的は、Tヘルパー細胞のサブタイプの刺激に対する特定のサイトカインのあらゆる阻害作用を予防することにあった。各ウェルの全容積は200μlであった。その後、これらのプレートを、4日間37℃でインキュベーターに入れた。インキュベーター中のプレートを入れたこの時点から24、48、72および96時間後に、サンプルを取り除いた。これらのサンプルを、5分間400rcfで遠心分離にかけて、細胞のペレットの形成および細胞からの培地の分離を可能にした。各時間点およびTヘルパー細胞のサブセットに関して、培地を、ELISAを使用して培地に存在するサイトカインの分析のために保存し、一方で細胞を、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)によるシンデカン−2動態(kinetics)の分析のために100μlのRNA later(登録商標)中に保存した。必要とされるまで、培地および細胞を、−80℃の冷凍装置中で保存した。
【0174】
<CD4
+T細胞の活性化、増殖および分化の分析>
この試験では、MACSはCD4
+T細胞の単離を促進し、この試験での分析目的にフローサイトメトリーを使用した。96時間37℃でインキュベートしたプレートを、インキュベーターから取り除いた。それらの含有量をカウントし、500,000の細胞/mlで再懸濁した。それ故、200μlそれぞれが、100,000の細胞を含有していた。これに続いて、成熟マーカー、表面のシンデカン−2および細胞内のシンデカン−2の分析および染色を行った。
【0175】
<(a)表面のシンデカン−2分析>
表面のシンデカン−2分析に備える際に、細胞を5時間再度刺激した。この目的は、フローサイトメトリーによる分析前に細胞を再度刺激することにあった。これの基礎となる理由は、サイトカインのプロファイルが、これらのケースで分析されていたということである。サイトカイン分析前の再刺激によって、Tヘルパー細胞のサブセットは、96時間のインキュベーション時間にわたって減少したかもしれないサイトカイン産生の割合を増大させる。表面のシンデカン−2レベルを分析するために使用されている細胞を、5μg/mlのμ−CD3抗体を用いて冷蔵庫において4℃で一晩コーティングされたプレートに結合したα−CD3で5時間再度刺激した。細胞を、100,000の細胞/ウェルで再刺激のために加えた。再刺激に続いて、細胞を、V底プレート(vee−bottomed plate)に移し、PBS中で洗浄し、5分間400rcfで遠心分離にかけ、90μlのPBS中に再懸濁した。その後、以下の試薬の10μlの溶液をV底プレートの各ウェルに加えることによって、表面のシンデカン−2染色を実行した。
【0176】
【表1】
【0177】
プレートを30分間4℃で冷蔵庫に入れた。冷蔵に続いて、1ウェル当たり100μlのFACSバッファーを加えた。プレートを5分間400rcfで遠心分離にかけた。培地を処分して、プレートに細胞のペレットを残し、1ウェル当たり100μlのきれいなFACSバッファーを加えた。FACSチューブを、プレートに含有された各ウェルに従って標識した。フローサイトメトリーによる分析のために、1本のチューブ当たり1ウェルの内容物とともに、FACSチューブ当たり100μlのFACSバッファーを加えた。
【0178】
<(b)成熟マーカー発現の分析>
成熟マーカーの発現の分析を行なう際に、成熟マーカーCD25およびCD80の発現に対するシンデカン−2の効果を分析するために、シンデカン−2を抗シンデカン−2抗体に架橋した。細胞を、100,000細胞/ウェルで96時間の培養物からV底プレートに加え、PBS中で洗浄し、5分間400rcfで遠心分離にかけ、90μlのPBS中に再懸濁した。その後、以下の試薬の10μlの溶液をV底プレートの各ウェルに加えることによって、成熟マーカー染色を実行した。
【0179】
【表2】
【0180】
プレートを30分間4℃で冷蔵庫に入れた。冷蔵に続いて、1ウェル当たり100μlのFACSバッファーを加えた。プレートは5分間400 rcfで遠心分離機にかけられた。培地を処分して、プレートに細胞のペレットを残し、1ウェル当たり100μlのきれいなFACSバッファーを加えた。FACSチューブを、プレートに含有された各ウェルに従って標識した。フローサイトメトリーによる分析のために、1本のチューブ当たり1ウェルの内容物とともに、FACSチューブ当たり100μlのFACSバッファーを加えた。
【0181】
<(c)細胞内のシンデカン−2の分析>
細胞内のシンデカン−2の分析に備える際に、細胞を5時間再度刺激した。細胞内のシンデカン−2レベルを分析するために使用されている細胞を、100,000の細胞/ウェルで、5μg/mlのα−CD3抗体を用いて冷蔵庫において4℃で一晩コーティングされたプレートに結合したμ−CD3で再度刺激した。細胞内のシンデカン−2およびサイトカインの分析に割り当てられたウェルは、追加の工程−GolgiPlug(商標)の追加を必要とした。ブレフェルジンAを含有しているタンパク質輸送阻害剤である、BD GolgiPlug(商標)の、インビトロまたはインビボで刺激されたリンパ球系細胞への追加によって、それらの細胞内タンパク質の輸送過程をブロックする。これは、結果としてゴルジ複合体におけるサイトカインの堆積をもたらし、これは、フローサイトメトリーによる免疫蛍光染色および分析でのサイトカインを産生する細胞の検出力を増強する。培地の1ml当たり1μlのGolgiPlug(商標)を、α−CD3コーティングしたプレートへと加え、5.5時間再度刺激したままにした。その後、細胞を、V底プレートに移し、PBS中に洗浄し、5分間400rcfで遠心分離にかけ、90μlのPBS中に再懸濁した。その後、以下の試薬の10μlの溶液をV底プレートの各ウェルに加えることによって、細胞内のシンデカン−2染色を実行した。これらのウェルは、100μlのBD Fix/Perm(商標)を受け、シンデカン−2またはサイトカインの細胞内染色のための抗体の進入を促進するべく、細胞を固定させて透過性にするために、これを、20分間4℃で冷蔵庫に入れた。BD Perm/Wash(商標)を使用して、冷凍後に細胞を洗浄した。
【0182】
【表3】
【0183】
これに続いて、50μlのBD Perm/Wash(商標)を、1ウェル当たりの上記の試薬を含有しているPBSの7μlの溶液を含有している10μlのFACSとともに加えた(表2.7)。プレートを30分間4℃で冷蔵庫に入れて、細胞への抗体の進入を可能にした。これに続いて、細胞を、再びBD Perm/Wash(商標)を使用して洗浄した。最終的に、これらの最終的なウェルの内容物を、FACSチューブに移し、FACSを使用して分析した。BD−FACS Canto(登録商標)マシンと互換性のあるソフトウェア、FlowJo(登録商標)を使用して、結果をコンパイルした。
【0184】
分化されたT細胞の存在を、それらが生成するサイトカインに関して試験することによって判定するために、何回かのELISAを実行した。IFN−γはTh1細胞の存在の指標であり、IL−4はTh2細胞の存在を示し、IL−17はTh17細胞の存在を示し、IL−10はTreg細胞の存在の指標である。この試験においてELISAを実行するのに使用したキットは、試験されている各サイトカインに特有な、R+D SystemsによるDuoSet(登録商標)ELISAの開発システムであった。実行される各ELISAにおいて、試験されているサイトカインの各々に対して、別々のプレートを使用した。
【0185】
96ウェルのNunc Maxisorpのプレートを、室温でPBS中に一晩希釈した捕捉抗体で一晩コーティングした。各ケースにおいて、4μg/mlの濃度の抗体を構成した。各ウェルに100μlを加え、一晩静置した。プレートの一晩のコーティングに続いて、各ウェルを、200μlの洗浄バッファー(PBS中に0.05%のTween)で3回洗浄した。洗浄に続いて、各プレートから、すべての過剰液を紙で吸い取り、除去した。これに続いて、プレートを、室温で1時間200μlの試薬希釈剤(製造業者のガイドラインに従って構成された濃度を有するPBS中のBovinの血清アルブミン(Bovin Serum Albumin)(BSA))でブロックした。このブロッキング(blocking)に続いて、プレートを、毎回200μlの洗浄バッファーを使用して、再び3回洗浄した。
【0186】
この時点で、標準物質(standards)およびサンプルを、室温で2時間加えた。連続希釈によって標準物質を構成し、100μlの標準物質またはサンプルを各ウェルに加えた。PBS中の1%のBSAを含有している試薬希釈剤を、hIFN−γおよびIL−4のELISAに使用し、PBS中の0.1%のBSAを、hIL−17およびhIL−10のELISAに使用した。
【0187】
2時間のサンプルおよび標準物質の追加に続いて、プレートを、毎回200μlの洗浄バッファーで再び3回洗浄した。これに続いて、100μlの検出抗体を、室温で2時間加えた。各サイトカインに特有の166μlの検出抗を、10mlの試薬希釈剤に加え、各96ウェルのプレートの各ウェルに100μlを加えた(hIFN−γRDを、2%の熱失活した正常なヤギ血清とともに補足した)。この2時間のインキュベーション時間後に、プレートを再び洗浄した。この時点で、試薬希釈剤中に希釈した100μlのストレプトアビジン(streptavadin)−HRPを、室温で20分間加えた(1:200の希釈を行うための50μlのSav−HRP+9950μl RD)。これに続いて、プレートを再び洗浄した。100μlの基質試薬を、室温で20分間加え、光から保護した。この後、50μlの停止液(1Mの硫酸)を加えた。プレートを450nmおよび550nmで読み取って、サイトカイン濃度を分析し、各サイトカインに対して標準曲線を構築し、そこから上清からのサイトカインの未知の濃度を測定することができた。
【0188】
<結果>
<最適化段階>
<最適な抗体濃度の判定>
最適な抗体の組み合わせおよび濃度を判定する際に、各抗体、α−CD3およびα−CD28の様々な濃度を、この実験において試験した。
【0189】
0.5μg/mlのα−CD3は、CD4
+T細胞の最適な増殖を刺激した。0μg/mlのα−CD3を受ける細胞の生存率と0.5μg/mlのα−CD3を受ける細胞の生存率との統計的な差はなく、それ故、この濃度での処理は、細胞の生存率には影響しなかった。それ故、0.5μg/mlのα−CD3および0μg/mlα−CD28を、CD4
+T細胞の増殖を引き起こし、細胞の生存率に対する副作用がなかった、抗体の濃度として選択しる。
【0190】
<サイトカインの最適な組み合わせおよび濃度の判定>
サイトカインの多くの濃度および組み合わせを、結果としてTヘルパーの分化中に最も高い増殖および生存率をもたらすサイトカインの最適の組み合わせおよび濃度の判定に使用した。増殖をCFSE色素を使用して測定し、一方で生存率をFVDを使用して測定し、その後、分析をフローサイトメトリーを使用して行った。Tヘルパーのサブセット上でELISAを実行して、各サブセットによって産生されたエフェクターサイトカインを測定した;Th1細胞はIFN−γを産生し、Th2細胞はIL−4を産生し、Th17細胞はIL−17を産生し、およびTreg細胞はIL−10を産生する。条件間のサイトカイン濃度の差の有意性の判定にTukeyの多重比較法を使用した。
【0191】
【表4】
【0192】
【表5】
【0193】
【表6】
【0194】
【表7】
【0195】
Th
1培養物:IL−2の最大濃度は、最も有意なサイトカイン産生をもたらし、一方で組み換えのIL−12およびIFN−γの最大濃度は、それらのより少ない濃度と比べてサイトカイン産生に対する効果がない。それ故、C9の増殖が他の条件より著しく低かったため、C10をプロジェクトの実験段階に最適なサイトカイン濃度として選択した。
【0196】
Th
2培養物:条件はすべて、条件間で見られる有意差のない類似した生存率を有している。したがって、Th2細胞が更なる最適化を必要とすることは明らかである。
【0197】
Th
17培養物:25ng/mlの組み換えのIL−6およびIL−23の追加後にIL−17の最も有意なレベルがもたらされたため、C22を、Th17細胞の分化を刺激するためのサイトカインの最適な濃度として選択した。
【0198】
T
reg培養物:C27およびC28のケースにおいて、これらの条件間の有意差なしで、最適な結果が見られたため、C27をプロジェクトの実験段階に最適なサイトカイン濃度として選択した。
【0199】
<T細胞分化中のシンデカン−2の動態>
細胞内および表面のシンデカン−2を、フローサイトメトリーを使用して分析した。シンデカン−2の動態を分析する際に、様々なゲートを使用しなければならなかった。ゲートの追加によって、他の細胞から特定の細胞を選択することが可能となった。細胞に適用した第1のゲートによって、APC Cy7蛍光色素上に置かれた生存率用色素を使用して、他の細胞から生細胞を選択することが可能となった。前方散乱面積に対する前方散乱高さ上にデータをプロットすることによって、第2のゲートは、生細胞から単細胞を選択した。このゲートを、高さと面積との間の直線関係の原則に基づいて利用し、それ故、この線の外のあらゆる細胞を、二重線(dublets)または互いに付着した細胞として分類することができる。第3のゲートは、単一の生細胞のそのそれぞれの世代(generation)への分離を促進し、その世代を、FITC蛍光色素上に置いたCFSEによって分析した。このことから、細胞内および表面のシンデカン−2の平均蛍光強度を測定および分析し、ここでシンデカン−2をAPC蛍光色素上に置いた。
【0200】
5時間再度刺激したTh1培養物中の細胞内のシンデカン−2レベルと表面のシンデカン−2レベルとを比較した。各ドナーにおける細胞の各世代において、著しくより高いレベルの細胞内のシンデカン−2が見られた(
****p<0.0001)。
【0201】
5時間再度刺激したTh17培養物中の細胞内のシンデカン−2レベルと表面のシンデカン−2レベルとを比較した。各ドナーにおける細胞の各世代において、著しくより高いレベルの細胞内のシンデカン−2が見られた。
【0202】
5時間再度刺激したTreg培養物中の細胞内のシンデカン−2レベルと表面のシンデカン−2レベルとを比較した。ドナー1におけるTreg細胞の各世代において、著しくより高いレベルの細胞内のシンデカン−2が見られ、一方でG1とは別のドナー2のすべての世代において、著しくより高いレベルの細胞内のシンデカン−2が見られた。
【0203】
各培養物の世代にわたって著しくより高いレベルの細胞内のシンデカン−2が観察されることが分かった。しかしながら、シンデカン−2の動態の分析において、別の傾向も観察された。T細胞が分化し、エフェクターT細胞のサブセットへと増殖すると、シンデカン−2は、その発現が増加した。
【0204】
シンデカン−2のmRNAレベルを、qPCRによって測定した。いずれのドナーにおいても有意差は見られなかった。しかしながら、データにおいて幾らかの傾向が見られた。各ドナー、特にドナー2において、培養物にわたる24時間の時間点で増加が見られた。特に48時間の時間点で、各ドナーにおけるTh17細胞中のmRNAレベルの増加に対する別の傾向も見られた。
【0205】
<シンデカン−2の架橋の分析>
<CD4
+T細胞の増殖>
図1は以下を例証する:3回を超えて分離した胞のパーセンテージとして表わされた増殖とともに、Th1、Th17およびTregの細胞のドナー1の培養物にわたって見られた増殖の概略(左)。より少ない増殖を示す、より高いレベルを有してアイソタイプ対照およびα−シンデカン−2抗体によって刺激されたTh17培養物において、FITC蛍光色素上で表わされたCFSEレベルの(左パネルに示された)有意差のヒストグラム(
*p<0.05、
**p<0.01、
***p<0.001、
****p<0.0001)。
【0206】
図1は、抗CD3が、アイソタイプ対照抗体またはα−シンデカン−2抗体のいずれかの存在下でTh1、Th17およびTregの細胞を刺激したときのそれらの増殖を比較している。α−シンデカン−2抗体での細胞の処置は、結果としてTh17細胞の増殖の著しい減少をもたらした。この有意差は、示されたヒストグラムにおけるFITC蛍光色素上のCFSE希釈によって表わされる(右)。
【0207】
<成熟マーカーの分析 − CD25>
図2は、A)生存可能なT細胞の出現頻度(frequency)として表わされるTh1、Th17およびTregの細胞のドナー1の培養物にわったて見られた、成熟マーカー、CD25発現の概略を例証する(左)。アイソタイプ対照およびα−シンデカン−2抗体によって刺激されたTh17培養物中のCD25の(左パネルに示された)有意差のヒストグラム。
図2はまた、B)ドナー2の細胞から作成されたデータを例証する(
*p<0.05、
**p<0.01、
***p<0.001、
****p<0.0001)。
【0208】
図2は、抗CD3が、アイソタイプ対照抗体またはα−シンデカン−2抗体のいずれかの存在下でTh1、Th17およびTregの細胞を刺激したときのそれらの上の成熟マーカー、CD25の発現を比較している。各ドナーにおいて、α−シンデカン−2抗体での処置が、結果としてTh17細胞上のCD25の発現の著しい減少をもたらしたことが分かった。しかしながら、最も有意な結果は、ドナー1のケースで見られた。この有意差は、示されたヒストグラムにおいてAPC蛍光色素上で表わされる(右)。
【0209】
<成熟マーカーの分析 − CD80>
図3は、A)生存可能なT細胞の出現頻度として表わされるTh1、Th17およびTregの細胞のドナー1の培養物にわったて見られた、成熟マーカー、CD80発現の概略を例証する(左)。アイソタイプ対照およびα−シンデカン−2抗体によって刺激されたTh17培養物中のCD80の(左パネルに示された)有意差のヒストグラム。
図3はまた、B)ドナー2の細胞から作成されたデータを例証する(
*p<0.05、
**p<0.01、
***p<0.001、
****p<0.0001)。
【0210】
図3は、生存可能なT細胞の出現頻度として表わされるデータとともに、アイソタイプ対照抗体またはα−シンデカン−2抗体のいずれかによって刺激されたときの、Th1、Th17およびTregの細胞上の成熟マーカー、CD80の発現を比較している。ドナー1において、α−シンデカン−2抗体での処置が、結果としてTh17細胞上のCD80の発現の著しい減少をもたらしたことが分かった。この有意差は、PECy7蛍光色素上で表わされる。
【0211】
<ELISAによるサイトカイン産生の分析>
<Th1培養物>
図4は、A)アイソタイプ対照またはα−シンデカン−2抗体での処置後のドナー1のTh1培養物の4日間のインキュベーションに続いて除去された上清中のIFN−γの濃度の概略、およびB)アイソタイプ対照またはα−シンデカン−2抗体での処置後のドナー2のTh1培養物の4日間のインキュベーションに続いて除去された上清中のIFN−γの濃度の概略を示す。
【0212】
図4は、アイソタイプ対照抗体またはα−シンデカン−2抗体いずれかでの処置後のTh1培養物中のIFN−γの濃度を比較している。いずれのドナーにおいてもα−シンデカン−2抗体での処置後にIFN−γの濃度の有意な変化は観察されなかった。
【0213】
<サイトカインレベルの分析>
<Th17培養物>
図5は、A)アイソタイプ対照またはα−シンデカン−2抗体での処置後のドナー1のTh1培養物の4日間のインキュベーションに続いて除去された上清中のIL−17の濃度の概略、およびB)ドナー2の細胞から作成されたデータを例証する。
【0214】
図5は、アイソタイプ対照抗体またはα−シンデカン−2抗体いずれかでの処置後のTh17培養物中のIL−17の濃度を比較している。α−シンデカン−2抗体での処置後に、両方のドナーにおいてIL−17の濃度が著しく低下したことが観察された。しかしながら、最も有意な結果は、供血者1のケースで観察された。
【0215】
<結論>
<最適化段階>
最適化段階の結果は、プレートに結合されたα−CD28抗体がT細胞活性化に必要とされないことを示したが、多くの刊行物で、ナイーブCD4
+T細胞を活性化する際に、可溶性のα−CD28抗体とα−CD3抗体との組み合わせが使用されている(Khan et al., 2011, Nish et al., 2014)。それ故、細胞の増殖に対するプレートに結合されたα−CD3刺激単独の相加効果を有していないα−CD28抗体の追加が要因で、それはプロジェクトから省かれた。
【0216】
Tヘルパーのサブセットにおけるサイトカインの最適な濃度および組み合わせの判定において、Th2細胞の最適化は失敗した。それ故、Th2細胞を試験から除外した。
【0217】
<T細胞分化中のシンデカン−2の動態>
シンデカン−2は、細胞内およびTヘルパーのサブセットの細胞表面上の両方で発現される。しかしながら、細胞内のシンデカン−2のMFIは、表面のシンデカン−2と比較したときに、各ドナーからの細胞のほとんどの世代において著しくより高い。シンデカン−2の細胞内の存在は、Lambaerts et alによって示唆されるようなシンデカンのエンドサイトーシス経路の機構が要因であり得る(Lambaerts et al., 2009)。活性化およびクラスター化に続いて、シンデカンは、クラスリンおよびカベオリン非依存性の機構によって内部移行されるように見えることが報告されている。シンデカンの内部移行におけるマクロピノサイトーシスの発生が示唆された。しかしながら、シンデカン−1および−2は、ポストエンドサイトーシス遺伝子送達に対する対抗する効果を媒介すると示された。ポリエチレンイミン(PEI)は、遺伝子移入のための非ウイルスベクターであり、シンデカンなどのHSプロテオグリカンは、PEI−DNA複合体(ポリプレックス)のための受容体であると示唆された。Paris et alは、シンデカン−1および−2がポリプレックス結合に直接関与すること、およびシンデカン−2が、ポリプレックスのエンドサイトーシスを強く遅らせ、PEI媒介性の遺伝子発現に対する阻害作用を有していることを示した(Paris et al., 2008)。しかしながら、内部移行に続く運命(fate)シンデカンは、完全には理解されていない。
【0218】
qPCRは、シンデカン−2のmRNAレベルを測定することに関与していた。それ故、これは、シンデカン−2のmRNAの一般的措置であり、細胞内または表面のmRNAのいずれにも特化していなかった。データにおいて幾らかの傾向が見られた。増加は各供血者中の培養物にわたって24時間の時間点で特に供血者2で見られた。Th17細胞で見られた傾向は、特に48時間の時間点での、シンデカン−2のmRNAのレベルの増加を示す。シンデカン−2の増加に対するこの傾向は、Th17細胞に対するシンデカン−2の阻害効果に対応し得る。Th17細胞に対するこれらの効果は、シンデカン−2が48時間の時間点でその最高レベルにあるときに生じ得る。
【0219】
<抗シンデカン−2抗体とのシンデカン−2の架橋の効果>
アイソタイプ対照抗体と比較した、α−シンデカン−2抗体とのシンデカンの架橋は、Th17細胞の増殖の著しい減少につながる。CD25発現もまた、α−シンデカン−2との架橋の結果としてTh17細胞において著しく減少した。別の成熟マーカー、CD80もまた、ドナー1のTh17細胞において著しく減少した。CD25およびCD80は成熟マーカーであり、それ故、これらのマーカーにおける著しい減少は、α−シンデカン−2がTh17細胞の成長および成熟を阻害することを示唆するだろう。さらに、ELISAの結果は、α−シンデカン−2抗体との架橋の結果として両方のドナーにおいてTh17細胞中のIL−17の濃度が著しく低下したことを示す。それ故、α−シンデカン−2での抗体処置もまた、Th17エフェクター細胞の分化を阻害した。
【0220】
Treg培養物中のα−シンデカン−2抗体とのシンデカンの架橋は、増殖またはCD25発現に対する有意な効果を有していない。α−シンデカン−2抗体とのTreg培養物の架橋の効果は、Th17培養物中で見られた効果に対抗するCD80に対する効果を有し得る。
【0221】
Th1培養物中のα−シンデカン−2抗体とのシンデカンの架橋は、増殖、CD25発現、CD80発現、またはIFN−γ産生に対する有意な効果を有していなかった。これは、シンデカン−2がTh1極性化において役割を果たさず、したがって、Th17およびTregの細胞に対する効果が特有なものであり得ることを示唆している。これは、TGF−βが、Th1ではなくTh17とTregの両方の細胞を分化するために使用されたために、Th17およびTregの細胞の極性化におけるTGF−βの役割に関連し得る。シンデカン−2は、TGF−βシグナル伝達において阻害の役割を果たすと示されており、それ故、Th17増殖、成熟マーカーおよびサイトカイン産生に対するα−シンデカン−2での処置の阻害効果において役割を果たし得る(Shi et al., 2013, Mytilinaiou et al., 2013)。シンデカン−2の治療薬の投与は、TGF−βシグナル伝達を阻害ことによってマウス中のTGF−β依存性の肺線維症を抑止すると示された(Shi et al., 2013)。
【0222】
<ドナー間の個体間変動>
TCR刺激に対する個々のT細胞の反応は様々であり得る。すべてのケースにおいて、ドナー1のTh17培養物は、α−シンデカン−2抗体の刺激に特に敏感であるようである。結果は、ドナー2の結果と比較したときに、増殖、CD25発現、CD80発現、およびIL−17産生でも見られた低下の点から、ドナー1のTh17細胞のケースではより統計的に有意である。
【0223】
元来、この試験の実験計画には、3人の献血者の参加を含んだ。細胞を、ドナー1−3の血液から単離し、まさに同じ方法で刺激した。しかしながら、ドナー3の細胞の大部分は、フローサイトメトリーによる分析後に活性化または増殖しなかった。しかしながら、IL−2で処置された培養物(Th1およびTregの培養物)において観察された増殖の割合は、非常に少なかった。それ故、このドナーからのCD4
+T細胞は、この刺激に特に敏感であり得、これらの細胞におけるシンデカン−2の特性の分析のための十分な増殖に対するIL−2のはるかに高い濃度を必要とし得る。別の可能性として、ドナー3の細胞は、α−CD28抗体による刺激を必要とし得る。しかしながら、成長および増殖を促進するために刺激を変更してドナー3の実験を繰り返すことには、実験計画を変更することも伴い、それ故、結果をドナー1および2と比較することができないかもしれない。それ故、ドナー3を試験から除外した。
【0224】
<結論>
シンデカン−2が実際にT細胞の分化において役割を果たすことが結論付けられる。シンデカン−2は、Tヘルパー細胞のサブタイプが分化し、増殖すると、細胞内および細胞表面上で発現された。抗シンデカン−2抗体との架橋は、Th17増殖、成熟およびサイトカイン産生を抑制した。
【0225】
したがって、本発明は、本明細書に開示および記載されたようなシンデカン−2およびシンデカン−2のアンタゴニストに対する抗体の治療上および診断上の使用を提供する。
【0226】
実施例2:シンデカン−2は癌において炎症を促進する
SDC2は、ネズミおよびヒトの組織からの間質細胞(SC)の特定のための新規のマーカーである。ヒトおよびマウスの骨髄からの、それぞれ、Sdc2
+CD271
+CD45−単核細胞およびSdc2
+Sca1
+CD45
−単核細胞の(
図6の左に示される)フローサイトメトリー分析。フローサイトメトリー分析によるマウスのリンパ節および胸腺におけるSdc2+gp38+CD45−間質細胞(
図6の中央)の特定。最後に、フローサイトメトリー解析によるマウスの脂肪および筋組織におけるSdc2
+Sca1
+CD45
−間質細胞(
図6の右)の特定。これは、Sdc2が、間質細胞を正常な腫瘍組織から単離するために使用され得る新規のマーカーであることを例証している。
【0227】
Sdc2は、乳癌の間質、上皮および血清に存在する。これは、PyMT−ChOVAマウスから切開された乳房腫瘍(
図7A)のフローサイトメトリーによって示され、Sdc2
+上皮(mCherry
+ve、CD45−ve)、およびSdc2
+SC(mCherry−ve、CD45−ve、GP38
+ve)を明らかにする。免疫組織化学的検査(
図7B)は、ヒトの乳房腫瘍中のSdc2タンパク質のレベルの増加を明らかにした。ELISAは、基底様乳癌の患者の血清における高レベルのSdc2タンパク質を実証した(
図7C)。
【0228】
Sdc2は、乳癌細胞の移動を増強し、T細胞増殖を阻害する。ELISAは、間質細胞調整培地(SC−CM)における高レベルのSdc2を実証した(
図8A)。SC−CMは、MDA−MB−231乳癌細胞(BCC)の移動を増強し、組み換えSdc2でのBCCのプレインキュベーションは、SC−CMへの移動を増強する(
図8B)。Sdc2のノックダウンは、血清含有培地へと移動するBCCの能力を阻害した(
図8C)。CFSE標識したCD4
+T細胞のフローサイトメトリーは、増殖のCD3/CD28媒介性の刺激が、Sdc2を過剰発現するSCによって阻害されることを明らかにした(
図8D)。
【0229】
Sdc2は、TGF−β誘発性の上皮間葉転換(EMT)に必要とされる。AdshSdc2で形質導入されたMDA−MB−231細胞は、空のベクター(EV)を発現する対照細胞と比較したときの、SMAD7、PAI−1およびCTFG RNAにおけるTGFβ誘発性の増加が弱まることを示した。RT−qPCRは、Sdc2の効果的なノックダウンを実証した(
図9A)。RT−qPCRおよびウエスタンブロット解析は、それぞれ、Sdc2ノックダウンが、EMTマーカー、SNAIL−1およびフィブロネクチンのTGFβ媒介性の誘発を弱めることを実証した(
図9B)。
【0230】
Sdc2ペプチドは、インビトロで抗遊走性および抗炎症性の特性を有する。Sdc2の異なる機能ドメインを含有している欠失変異体の生成。フラグメント1−6はシグナルペプチドを含有しているが、フラグメント7−8は含有していない(
図10A)。様々なSdc2機能性フラグメントは、シスにおいてSC−CMへのMDA−MB−231の移動を阻害した(
図10B)。様々なSdc2機能性フラグメントは、トランスにおいてSC−CMへのMDA−MB−231の移動を阻害した(
図10C)。(両側ステューデントt検定
*p<0.05)様々なSdc2フラグメントは、TNF−α/IL−1β誘発性のNF−κB活性化を著しく阻害した(
図10D)。
【0231】
Sdc2ペプチドは、TGF−β調節遺伝子のアップレギュレーションを弱めた。RT−qPCR分析は、Sdc2−フラグメント1およびSdc2−フラグメント2が、TGFβ媒介性のSMAD7、Serpine−1およびCTGFの誘発の減少を引き起こしたことを実証した(
図11)。
【0232】
当業者に既知の標準技術を使用して、Sdc2 fl/flマウスを作製した。Sdc2 fl/flマウスの耳パンチからのDNAの遺伝子型決定の結果を、
図12に示す。
【0233】
間葉系幹細胞(MSC)を、Sdc2fl/flマウスから単離し、creリコンビナーゼを過剰発現するアデノウイルスで処置した。処置した細胞の幾つかにおいて、ランタンをトランスフェクションに加えた。シンデカン−2発現を、処置した細胞において測定した(
図13)。シンデカン−2は、creリコンビナーゼで処置したMSC中の発現の減少を示し、ランタンはこの効果をさらに増大させた。
【0234】
図14は、乳癌のマウスモデルにおけるSdc2ノックダウンのインビボ試験の概略を例証する。
【0235】
実施例3:Sdc2フラグメントの治療薬
Sdc2のフラグメントが、インビトロでシンデカン−2活性を阻害するそれらの能力によって選択される。幾つかのそのようなフラグメントは、本明細書に示されるような配列を有するペプチドを含む。Sdc2フラグメントは、シンデカン−2活性の阻害剤での処置を必要としている被験体への投与のための製剤として提供される。
【0236】
インビトロでの効果を例証するために、Sdc2フラグメントは、腫瘍移動アッセイにおいてインキュベーションの試験を受ける。
【0237】
治療効果を例証するために、コラーゲン誘発性の関節炎などの関節炎のマウスモデルにSdc2フラグメントが投与される。
【0238】
実施例4:抗Sdc2抗体の治療薬
シンデカン−2活性を阻害する能力を有している抗Sdc2抗体は、シンデカン−2活性の阻害剤での処置を必要としている被験体への投与のための治療に有用である。
【0239】
インビトロでの効果を例証するために、抗Sdc2抗体は、腫瘍移動アッセイにおいてインキュベーションの試験を受ける。
【0240】
治療効果を例証するために、コラーゲン誘発性の関節炎などの関節炎のマウスモデルに抗Sdc2抗体が投与される。
【0241】
実施例5:異種移植片腫瘍モデルの処置
実施例3のSdc2フラグメントが、異種移植片モデルにおいて評価される。
【0242】
雌の免疫不全NOD/scidマウスを、致死量以下で照射し(2 Gy)、4×10
6のRamos RA1細胞を右背側側腹部へと皮下に接種させる。腫瘍が100〜200mm
3に達すると、動物を3つの処置群へと割り当てる。群2および3(各々8匹の動物)に、1.5×10
7の活性化したヒトT細胞を腹腔内に注入する。3日後、群3からの動物を、実施例3の合計9回の静脈内投与量の50μgのSdc2フラグメントで処置する(qdx9d)。群1および2をビヒクルのみで処置する。体重および腫瘍容積を30日間測定する。
【0243】
実施例3のSdc2フラグメントで処置した動物は、それぞれのビヒクル処置した対照群と比較して、腫瘍成長の統計的に有意な遅れを有している。
【0244】
実施例6:癌の処置(第I/II相)
これは、結腸癌に対する処置としての実施例3のSdc2フラグメントを試験するための第I/II相臨床試験である。
試験転帰:
一次:実施例3のSdc2フラグメントの最大耐用量
二次:実施例3のSdc2フラグメントのインビトロでの反応が臨床反応に関連付けられるかどうかを判定する。
【0245】
第I相
最大耐用量(MTD)は、試験の第I相のセクションで判定される。
1.1 最大耐用量(MTD)は、試験の第I相のセクションで判定される。
1.2 適格基準を満たす患者は、実施例3のSdc2フラグメントに対する試験に参加する。
1.3 目標は、参加者の重度の又は対処不可能な副作用なしで安全に投与することができる実施例3のSdc2フラグメントの最大用量を特定することである。与えられる投与量は、先の試験に登録された参加者の数および投与量に対してどれほど耐性があるかに依存する。すべての参加者が同じ投与量を受けるとは限らない。
第II相
2.1 続く第II相のセクションでは、実施例3のSdc2フラグメントの治療の結果が少なくとも20%の反応率となるかどうかを判定することを目標としてMTDで処置が行われる。
【0246】
第II相に対する一次転帰 −−− 実施例3のSdc2フラグメントの治療の結果、患者の少なくとも20%が、臨床反応(爆発的な反応、わずかな反応、部分的な反応、または完全な反応)を達成するかどうかを判定する
適格性:
2001年〜2007年までの、現行のWorld Health Organisation Classificationによって組織学的に確認された新しく診断された侵襲性の結腸癌。
疾患のあらゆる段階。
R−CHOPまたはR−CHOP様のレジメンによる処置(+/−移植)。
年齢≧18歳
カルノフスキー・パフォーマンス・ステータス≧50%またはECOGパフォーマンス・ステータス0−2
平均余命≧6週間
【0247】
実施例7:自己免疫疾患の処置
これは、関節リウマチに対する処置としての実施例3のSdc2フラグメントを試験するための第I/II相臨床試験である。
試験転帰:
一次:実施例3のSdc2フラグメントの最大耐用量
二次:実施例3のSdc2フラグメントのインビトロでの反応が臨床反応に関連付けられるかどうかを判定する。
【0248】
第I相
最大耐用量(MTD)は、試験の第I相のセクションで判定される。
1.1 最大耐用量(MTD)は、試験の第I相のセクションで判定される。
1.2 適格基準を満たす患者は、実施例3のSdc2フラグメントに対する試験に参加する。
1.3 目標は、参加者の重度の又は対処不可能な副作用なしで安全に投与することができる実施例3のSdc2フラグメントの最大用量を特定することである。与えられる投与量は、先の試験に登録された参加者の数および投与量に対してどれほど耐性があるかに依存する。すべての参加者が同じ投与量を受けるとは限らない。
【0249】
第II相
2.1 続く第II相のセクションでは、実施例3のSdc2フラグメントの治療の結果が少なくとも20%の反応率となるかどうかを判定することを目標としてMTDで処置が行われる。
【0250】
第II相に対する一次転帰 −−− 実施例3のSdc2フラグメントの治療の結果、患者の少なくとも20%が、臨床反応(爆発的な反応、わずかな反応、部分的な反応、または完全な反応)を達成するかどうかを判定する
適格性:
2年未満関節リウマチを患う及び4回以上関節が罹患した18歳以上の患者は、この1年の試験に適格であり得る。患者は、完全な成功なしで過去にメトトレキサート処置を受けていなければならず、抗胸腺細胞治療で以前に処置されていてはならない。
【0251】
実施例8:線維症の処置
これは、特発性肺線維症に対する処置としての実施例3のSdc2フラグメントを試験するための第I/II相臨床試験である。
試験転帰:
一次:実施例3のSdc2フラグメントの最大耐用量
二次:実施例3のSdc2フラグメントのインビトロでの反応が臨床反応に関連付けられるかどうかを判定する。
第I相
最大耐用量(MTD)は、試験の第I相のセクションで判定される。
1.1 最大耐用量(MTD)は、試験の第I相のセクションで判定される。
1.2 適格基準を満たす患者は、実施例3のSdc2フラグメントに対する試験に参加する。
1.3 目標は、参加者の重度の又は対処不可能な副作用なしで安全に投与することができる実施例3のSdc2フラグメントの最大用量を特定することである。与えられる投与量は、先の試験に登録された参加者の数および投与量に対してどれほど耐性があるかに依存する。すべての参加者が同じ投与量を受けるとは限らない。
【0252】
第II相
2.1 続く第II相のセクションでは、実施例3のSdc2フラグメントの治療の結果が少なくとも20%の反応率となるかどうかを判定することを目標としてMTDで処置が行われる。
【0253】
第II相に対する一次転帰 −−− 実施例3のSdc2フラグメントの治療の結果、患者の少なくとも20%が、臨床反応(爆発的な反応、わずかな反応、部分的な反応、または完全な反応)を達成するかどうかを判定する
適格性:
包含基準:
試験への参加前のICH−GCPおよび地域の法律と矛盾しないインフォームドコンセントへの署名;
訪問1で≧40歳の男性または女性の患者;
訪問1の5年以内の、American Thoracic Society (ATS)/European Respiratory Society (ERS) /Japanese Respiratory Society (JRS)/Latin American Thoracic Society (ALAT) IPF 2011のガイドラインに基づいたIPF診断;
酸化炭素拡散能(DLCO)(ヘモグロビン(Hb)に関して補正された):訪問1での、臨床現場の制度上の基準による30%−79%の正常予測;
努力肺活量(FVC)≧訪問1での、臨床現場の制度上の基準による50%の正常予測。
【0254】
実施例9:癌の処置(第III相)
この無作為化した第III相試験は、手術後の残存する(残留している)基底様の三種陰性乳癌の患者の処置の観察と比較して、実施例3のSdc2フラグメントがどれほど作用するかを試験する。実施例3のSdc2フラグメントが、手術後の残存する(残留している)基底様の三種陰性乳癌(TNBC)の患者の処置の観察よりも有効であるかどうかは、まだ知られていない。最も有効な投与量を判定するために、患者に0.1mgから2mgの範囲の静脈内投与量を与える。
【0255】
一次評価項目:
基底様のTNBCを患う患者の侵襲性の無病生存(IDFS)(時間枠:無作為化から、試験開始後86か月までで評価された、文書化された、疾患再発(局在、局所及び/又は遠位)、侵襲性の対側乳癌、侵襲性の他の二次発癌、または死の最も早い発生時まで)
【0256】
IDFSの分布は、カプラン・マイヤー法を使用して推測され、Greenwoodの式を使用して95%の信頼区間(CI)が計算される。2つの処置群(arms)間のIDFS比較の一次分析を、無作為化層別因子上で層別化する、層別化されたログランク検定を使用して実行する。支持的分析としてのIDFSのための処置効果に対するハザード比率を推測するために、層別化したコックス比例ハザードモデルも構築する。
【0257】
副次的評価項目:
National Cancer Institute CTCAE v. 4.0を使用して類別された毒性の発生率(時間枠:試験開始後86か月まで)
【0258】
実験室的測定に基づいた処置で発生した及びベースラインの有害事象および血液/生化学的毒性はすべて、実施例3のSdc2フラグメントで処置された患者のために要約される。死および処置で発生した重篤有害事象の発生率は、二項分布に基づいてちょうど95%のCIとともに計算される。また、化学療法の中止及び/又は試験からの撤退につながる有害事象の発生率も、同様に要約され、リストされる。
【0259】
ネオアジュバント化学療法後に残存病変を有する基底様TNBCを患う患者の全生存(OS)(時間枠:無作為化から、試験開始後116か月までで評価された、あらゆる原因からの死亡までの期間)
【0260】
OSの分布は、カプラン・マイヤー法を使用して推測され、Greenwoodの式を使用して95%のCIが計算される。2つの処置群間のOS比較の一次分析を、無作為化層別因子上で層別化する、層別化されたログランク検定を使用して実行する。
【0261】
デジタルmRNA定量化によるPAM50分析を使用する、基底様遺伝子発現の比率(時間枠:ベースライン)。
【0262】
すべてのスクリーニングされたTNBC患者における基底様TNBCの割合は、二項分布に基づいてちょうど95%のCIで計算される。
【0263】
無病生存(DFS)(時間枠:試験開始後86か月まで)
【0264】
DFSの分布は、カプラン・マイヤー法を使用して推測され、Greenwoodの式を使用して95%のCIが計算される。2つの処置群間のDFS比較の一次分析を、無作為化層別因子上で層別化する、層別化されたログランク検定を使用して実行する。