(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、前記操作者からの操作指示で動作している手動運転モード、又は予め設定されたタスクプログラムに従って動作する自動運転モードで動作中の前記ロボットを前記操作者からの操作指示によりその動作を修正する修正自動運転モードで前記ロボットが動作中に、前記音声操作装置が前記第1音量以上の音声を検知すると、前記ロボットの動作を変更するように構成されている、請求項1又は2に記載のロボットシステム。
前記制御装置は、前記ロボットの動作中に、前記音声操作装置が前記第1音量以上の音声を検知すると、前記ロボットを予め設定されている第1速度未満の速度で動作させるように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
前記制御装置は、前記ロボットの動作中に、前記音声操作装置が前記第1音量以上の音声を検知すると、前記ロボットの動作を停止させるように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
前記制御装置は、前記ロボットの動作中に、前記音声操作装置が前記第1音量以上の音声を検知すると、前記音声操作装置が前記第1音量以上の音声を検知する前の動作方向に対して反対方向に前記ロボットを動作させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
前記(A)は、前記操作者からの操作指示で動作している手動運転モード、又は予め設定されたタスクプログラムに従って動作する自動運転モードで動作中の前記ロボットを前記操作者からの操作指示によりその動作を修正する修正自動運転モードで前記ロボットが動作中に実行される、請求項8又は9に記載のロボットシステムの運転方法。
前記(A)において、前記ロボットの動作中に、前記音声操作装置が前記第1音量以上の音声を検知すると、前記ロボットは、予め設定されている第1速度未満の速度で動作する、請求項8〜10のいずれか1項に記載のロボットシステムの運転方法。
前記(A)において、前記ロボットの動作中に、前記音声操作装置が前記第1音量以上の音声を検知すると、前記ロボットは、前記音声操作装置が前記第1音量以上の音声を検知する前の動作方向に対して反対方向に動作する、請求項8〜10のいずれか1項に記載のロボットシステムの運転方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本発明を説明するための構成要素を抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している場合がある。さらに、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0015】
(実施の形態1)
本実施の形態1に係るロボットシステムは、複数の関節を有するロボットと、操作者からの操作指示を音声で入力される音声操作装置と、ロボットの動作を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、ロボットの動作中に、音声操作装置が予め設定されている所定の第1音量以上の音量を検知すると、ロボットの動作を抑制するように構成されている。
【0016】
また、本実施の形態1に係るロボットシステムでは、制御装置が、ロボットの動作中に、音声操作装置が第1音量以上の音声を検知すると、ロボットを予め設定されている第1速度未満の速度で動作させるように構成されていてもよい。
【0017】
また、本実施の形態1に係るロボットシステムでは、制御装置が、ロボットの動作中に、音声操作装置が第1音量以上の音声を検知すると、ロボットの動作を停止させるように構成されていてもよい。
【0018】
以下、本実施の形態1に係るロボットシステムの一例について、
図1〜
図4を参照しながら説明する。
【0019】
[ロボットシステムの構成]
図1は、本実施の形態1に係るロボットシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2は、本実施の形態1に係るロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【0020】
図1及び
図2に示すように、本実施の形態1に係るロボットシステム100は、ロボット1、音声操作装置2、出力装置3、制御装置4、及び記憶装置5を備えていて、制御装置4は、ロボット1の動作中に、音声操作装置2が予め設定されている所定の第1音量以上の音量を検知すると、ロボット1の動作を抑制するように構成されている。
【0021】
ここで、本明細書においては、ロボット1が、予め設定されたタスクプログラムに従って動作する制御モードを「自動運転モード」と称する。自動運転モードでは、従来のティーチングプレイバックロボットと同様に、操作者による音声操作装置2、又はティーチングペンダント等の操作なしに、ロボット1が所定の作業を自動的に行う。
【0022】
また、本明細書では、ロボット1が、音声操作装置2、又はティーチングペンダント等が受け付けた操作者の操作に基づいて動作する制御モードを「手動運転モード」と称する。さらに、本明細書では、予め設定されたタスクプログラムに従って動作しているロボット1を音声操作装置2、又はティーチングペンダント等が受け付けた操作者の操作によって修正する制御モードを「修正自動運転モード」と称する。
【0023】
以下、本実施の形態1に係るロボットシステム100を構成する各機器について、詳細に説明する。
【0024】
ロボット1は、作業空間内に設置され、複数の工程からなる一連の作業を行うロボットである。なお、複数の工程からなる一連の作業としては、製品に対する部品の組付、塗装等の作業が例示できる。
【0025】
本実施の形態1に係るロボット1は、ライン生産方式又はセル生産方式で、電気・電子部品等を組み立てて製品を生産する生産工場で利用され、この生産工場に設けられた作業台に沿って配置され、作業台上のワークに対して、移送、パーツの組み付け又は配置換え、姿勢変換等の作業のうち少なくとも1つを行うことができる多関節ロボットである。但し、ロボット1の実施態様は上記に限定されず、水平多関節型・垂直多関節型を問わず多関節ロボットに広く適用することができる。
【0026】
ここで、
図3を参照しながら、ロボット1の具体的な構成について説明する。
【0027】
図3は、
図1及び
図2に示すロボットの概略構成を示す模式図である。
【0028】
図3に示すように、ロボット1は、複数のリンク部材(ここでは、第1リンク部材11a〜第6リンク部材11f)の連接体と、複数の関節(ここでは、第1関節JT1〜第6関節JT6)と、これらを支持する基台15と、を有する多関節ロボットロボットである。
【0029】
第1関節JT1では、基台15と、第1リンク部材11aの基端部とが、鉛直方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。第2関節JT2では、第1リンク部材11aの先端部と、第2リンク部材11bの基端部とが、水平方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。第3関節JT3では、第2リンク部材11bの先端部と、第3リンク部材11cの基端部とが、水平方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。
【0030】
また、第4関節JT4では、第3リンク部材11cの先端部と、第4リンク部材11dの基端部とが、第4リンク部材11dの長手方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。第5関節JT5では、第4リンク部材11dの先端部と、第5リンク部材11eの基端部とが、第4リンク部材11dの長手方向と直交する軸回りに回転可能に連結されている。第6関節JT6では、第5リンク部材11eの先端部と第6リンク部材11fの基端部とが、捻れ回転可能に連結されている。
【0031】
そして、第6リンク部材11fの先端部には、メカニカルインターフェースが設けられている。このメカニカルインターフェースには、作業内容に対応したエンドエフェクタ12が着脱可能に装着される。
【0032】
また、第1関節JT1〜第6関節JT6には、それぞれ、各関節が連結する2つの部材を相対的に回転させるアクチュエータの一例としての駆動モータ(図示せず)が設けられている。駆動モータは、例えば、制御装置4によってサーボ制御されるサーボモータであってもよい。また、第1関節JT1〜第6関節JT6には、それぞれ、駆動モータの回転位置を検出する回転センサ(図示せず)と、駆動モータの回転を制御する電流を検出する電流センサ(図示せず)と、が設けられている。回転センサは、例えば、エンコーダであってもよい。
【0033】
音声操作装置2は、操作者からの操作指示を音声で入力される装置である。具体的には、操作者は、ロボット1を手動運転モード又は修正自動運転モードで動作させるとき、あるいは、ロボット1にティーチングするときに、ロボット1の位置情報、姿勢情報、移動方向、又は移動速度等の動作指令値を音声操作装置2に音声で入力する。そして、音声操作装置2は、入力された動作指令値を制御装置4に出力する。音声操作装置2としては、例えば、ロボット1が設置されている作業空間に配置される集音マイクが挙げられる。また、音声操作装置2としては、
図2に示すように、操作者が頭に装着する、マイクとヘッドフォンを有するヘッドセットであってもよい。
【0034】
出力装置3は、例えば、モニタ等の表示装置、スピーカ等が挙げられる。例えば、出力装置3が表示装置で構成されている場合、制御装置4から送信された情報を文字、絵、画像、動画等の映像として、外部に表示(出力)する。また、出力装置3がスピーカで構成されている場合、制御装置4から送信された情報を音声情報として出力する。
【0035】
記憶装置5は、読み書き可能な記録媒体であり、タスクプログラム51とロボットシステム100の動作シーケンス情報52が記憶されている。なお、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、記憶装置5は、制御装置4と別体に設けられているが、制御装置4と一体として設けられていてもよい。
【0036】
タスクプログラム51は、例えば、操作者が音声操作装置2を用いて、ティーチングすることにより作成され、ロボット1の識別情報とタスクとに対応付けられて、記憶装置5に格納されている。なお、タスクプログラム51は、作業ごとの動作フローとして作成されてもよい。また、タスクプログラム51は、ティーチングペンダントを用いて、ティーチングにより、作成されてもよい。
【0037】
動作シーケンス情報52とは、作業空間内でロボット1によって実施される一連の作業工程を規定した動作シーケンスに関する情報である。動作シーケンス情報52では、作業工程の動作順と、ロボット1の制御モードと、が対応付けられている。また、動作シーケンス情報52では、各作業工程に対し、ロボット1にその作業を自動的に実行させるためのタスクプログラムが対応付けられている。なお、動作シーケンス情報52は、各作業工程に対し、ロボット1にその作業を自動的に実行させるためのプログラムを含んでいてもよい。
【0038】
制御装置4は、ロボット1の動作を制御するものであり、機能ブロックとして、受信部40、動作制御部41、及び出力制御部42を備えている。制御装置4は、例えば、マイクロコントローラ、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等からなる演算部(図示せず)と、ROM又はRAM等からなるメモリ部(図示せず)と、により構成することができる。また、制御装置4が備える各機能ブロックは、制御装置4の演算部が、メモリ部又は記憶装置5に格納されているプログラムを読み出し実行することにより実現できる。
【0039】
なお、制御装置4は、単独の制御装置で構成される形態だけでなく、複数の制御装置が協働して、ロボット1(ロボットシステム100)の制御を実行する制御装置群で構成される形態であっても構わない。
【0040】
受信部40は、制御装置4の外部から送信された入力信号を受信し、例えば、ロボット1等に制御装置4から出力信号を送信するものである。受信部40によって受信する入力信号としては、例えば、音声操作装置2から送信された信号、音声操作装置2以外の図示されない操作指示部から送信された信号、又はロボット1の回転センサから送信されたロボット1の位置信号(位置情報)等が挙げられる。
【0041】
動作制御部41は、受信部40が入力信号として音声操作装置2から操作指示を受け付けた場合、この操作指示をトリガとして一連の作業においてロボット1が実施する工程の運転モードを判定する。動作制御部41は、次にロボット1が実施する工程の運転モードの判定を記憶装置5に記憶された動作シーケンス情報52を参照して行うことができる。動作制御部41は、運転モードを判定すると、判定された運転モードでロボット1を動作させるように制御する。
【0042】
例えば、動作制御部41は、ロボット1を自動運転モードで動作させると判定した場合には、タスクプログラム51により規定される動作、又は動作シーケンス情報52を読み出し、動作シーケンス情報52に含まれるプログラムにより規定された動作を実施するようにロボット1を制御する。
【0043】
また、動作制御部41は、ロボット1を手動運転モードで動作させると判定した場合には、音声操作装置2から受信部40が受信した操作指示に基づいて動作するようにロボット1を制御する。
【0044】
さらに、動作制御部41は、ロボット1を修正自動運転モードで動作させると判定した場合には、タスクプログラム51により規定される動作を実施、又は動作シーケンス情報52を読み出し、動作シーケンス情報52に含まれるプログラムにより規定された動作を実施し、ロボット1を自動運転モードにより動作中に、音声操作装置2から入力信号として修正指示信号を受信部40が受信すると、ロボット1の自動運転による動作を音声操作装置2からの修正指示信号に従った動作に修正する。
【0045】
そして、動作制御部41は、音声操作装置2から修正指示信号の出力が停止され、受信部40が当該修正指示信号の受信を停止した場合、又は、音声操作装置2からロボット1の自動運転の再開を指示する信号を受信部40が受信した場合には、ロボット1の自動運転を再開する。
【0046】
出力制御部42は、出力装置3を制御し、操作者等に通知する情報を映像情報、画像情報、又は音声情報等として出力する。具体的には、例えば、出力制御部42は、動作制御部41から出力されたロボット1の動作が抑制されることを示す動作抑制情報を出力するように出力装置3を制御する。
【0047】
[ロボットシステムの動作及び作用効果]
次に、本実施の形態1に係るロボットシステム100の動作及び作用効果について、
図1〜
図4を参照しながら説明する。なお、操作者が音声操作装置2を操作して、ロボット1を動作させて、一連の作業を行う動作については、公知のロボットシステムと同様に実行されるため、その詳細な説明は省略する。また、以下の動作は、制御装置4の演算部が、制御装置4のメモリ部又は記憶装置5に格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
【0048】
図4は、本実施の形態1に係るロボットシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0049】
図4に示すように、制御装置4の動作制御部41は、ロボット1が動作しているか否かを判定する(ステップS100)。
【0050】
制御装置4の動作制御部41は、ロボット1が動作されていないと判定した場合(ステップS100でNo)には、本プログラムを終了する。なお、制御装置4は、本プログラムを終了した場合には、例えば、50msec後に再び、本プログラムを実行する。一方、制御装置4の動作制御部41は、ロボット1が動作していると判定した場合(ステップS100でYes)には、ステップS101に示す処理を実行する。
【0051】
ステップS101において、制御装置4の動作制御部41は、操作者が音声操作装置2に音声入力したか否かを判定する。具体的には、制御装置4の動作制御部41は、音声操作装置2から受信部40に音声情報が入力されたか否かを判定する。
【0052】
制御装置4の動作制御部41は、操作者が音声入力していないと判定した場合(ステップS101でNo)には、ステップS100の処理に戻り、操作者が音声入力するまで、ステップS100とステップS101の処理を繰り返す。一方、制御装置4の動作制御部41は、操作者が音声入力したと判定した場合(ステップS101でYes)には、ステップS102に示す処理を実行する。
【0053】
ステップS102において、制御装置4の動作制御部41は、ステップS101で音声操作装置2に入力された音声情報は、予め設定されている所定の第1音量以上であるか否かを判定する。
【0054】
ここで、第1音量は、予め実験等で設定することができ、音声操作装置2を装着している操作者がいる空間、又は音声操作装置2が設置されている作業空間内等の騒音により、適宜変更される。第1音量としては、例えば、65〜90dBとしてもよい。また、第1音量としては、音声操作装置2を装着している操作者がいる空間、又は音声操作装置2が設置されている作業空間内等の騒音の最大値に対して、+5dBとしてもよい。
【0055】
制御装置4の動作制御部41は、ステップS101で音声操作装置2に入力された音声情報が、第1音量以上であると判定した場合(ステップS102でYes)には、ロボット1の動作を変更する(ステップS103)。ついで、制御装置4の動作制御部41は、出力制御部42を介して、出力装置3に動作変更情報を出力させ(ステップS104)、本プログラムを終了する。動作変更情報の出力は、例えば、「ロボットの動作を変更しています」等の文字情報をモニタ等に出力(表示)させてもよく、また当該文字情報を音声情報として、スピーカ等から出力させてもよい。
【0056】
なお、ロボット1の動作の変更としては、例えば、ロボット1の動作を抑制してもよい。ロボット1の動作の抑制としては、例えば、ロボット1の動作速度を低下させてもよい。具体的には、例えば、ロボット1を第1速度未満の速度で動作させてもよい。
【0057】
ここで、第1速度としては、例えば、ロボット1の各関節における最高速度(°/秒)の25〜35%であってもよく、ロボット1がワークを移動させるときにおけるロボット1の移動速度(エンドエフェクタ12又はワークの移動速度)の最高速度(mm/秒)の25〜35%であってもよい。また、ロボット1がワークを直線上又は曲線上に移動させる場合、第1速度としては、例えば、ロボット1の移動速度(エンドエフェクタ12又はワークの移動速度)が、250〜350mm/秒であってもよい。
【0058】
また、ロボット1の動作の抑制としては、例えば、ロボット1を停止させてもよく、ロボット1の動作方向を反対方向にしてもよい。
【0059】
ここで、「ロボット1の動作方向を反対方向にする」とは、例えば、音声操作装置2に第1音量以上の音声情報が入力される前(直前)にロボット1が動作している方向に対して、反対方向に動作することをいい、ロボット1を構成する各関節に設けられている駆動モータの回転方向が反対となるように、動作させることをいう。具体的には、ロボット1(エンドエフェクタ12)が、当該ロボット1の前方に向かって動作しているときに、ロボット1の後方に向かうように動作させることをいう。
【0060】
また、ロボット1の動作の変更としては、例えば、制御装置4の動作制御部41が、ロボット1をフィードバック制御している場合に、ロボット1の駆動モータ(サーボモータ)のゲインを低減するように、ロボット1を制御してもよい。
【0061】
さらに、ロボット1の動作の変更は、音声操作装置2により、操作される(操作している)ロボット1のみが動作を変更されるように構成されていてもよく、作業空間内に設置されている全てのロボット1の動作が抑制されるように構成されていてもよい。
【0062】
一方、制御装置4の動作制御部41は、ステップS101で音声操作装置2に入力された音声情報が、第1音量未満である場合(ステップS102でNo)には、ステップS101において、音声操作装置2から入力された音声情報を基に、ロボット1の動作修正を実行して(ステップS105)、本プログラムを終了する。
【0063】
このように構成された、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、制御装置4が、ロボット1の動作中に、音声操作装置2が第1音量以上の音量を検知すると、ロボット1の動作を変更するように構成されている。
【0064】
これにより、ロボット1の動作不良等が生じて、操作者等の人間が叫び声等の大声をあげた場合、あるいは、ロボット1又は損他の機器等の衝突音等の大きな音が発生した場合に、その音声に反応して、ロボット1の動作を変更することができる。
【0065】
また、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、制御装置4が、ロボット1の動作中に、音声操作装置2が第1音量以上の音声を検知して、ロボット1の動作を変更させるとともに、出力装置3に動作変更情報を出力させるように構成されている。
【0066】
これにより、叫び声をあげた操作者以外の操作者等が、ロボット1の動作が変更されていることを報知することができる。
【0067】
(実施の形態2)
本実施の形態2に係るロボットシステムは、実施の形態1に係るロボットシステムにおいて、音声操作装置は、操作者からの音声での操作指示を有効/無効にする切替器を有していて、制御装置は、切替器により、音声操作装置への音声による操作指示が無効にされている場合であっても、ロボットの動作中に、音声操作装置が第1音量以上の音声を検知すると、ロボットの動作を変更するように構成されている。
【0068】
以下、本実施の形態2に係るロボットシステムの一例について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。
【0069】
[ロボットシステムの構成]
図5は、本実施の形態2に係るロボットシステムの概略構成を示すブロック図である。
【0070】
図5に示すように、本実施の形態2に係るロボットシステム100は、実施の形態1に係るロボットシステム100と基本的構成は同じであるが、音声操作装置2が、操作者からの音声入力を有効/無効にする切替器20を有している点が異なる。なお、出力装置3は、切替器20による音声入力の有効/無効の状態を示す情報を出力させていてもよい。
【0071】
[ロボットシステムの動作及び作用効果]
図6は、本実施の形態2に係るロボットシステムの動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の動作は、制御装置4の演算部が、制御装置4のメモリ部又は記憶装置5に格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
【0072】
図6に示すように、本実施の形態2に係るロボットシステム100の動作は、実施の形態1に係るロボットシステム100の動作と基本的な動作は同じであるが、ステップS105の処理を実行する前にステップS105Aの処理が実行される点が異なる。
【0073】
具体的には、制御装置4の動作制御部41は、ステップS101で音声操作装置2に入力された音声情報が、第1音量未満である場合(ステップS102でNo)には、切替器20により、音声操作装置2が操作者からの音声入力を有効にしている状態であるか否かを判定する(ステップS105A)。
【0074】
制御装置4の動作制御部41は、音声操作装置2が操作者からの音声入力を有効にしている状態であると判定した場合(ステップS105AでYes)には、ステップS101において、音声操作装置2から入力された音声情報を基に、ロボット1の動作修正を実行して(ステップS105)、本プログラムを終了する。
【0075】
一方、制御装置4の動作制御部41は、音声操作装置2が操作者からの音声入力を有効にしていない状態であると判定した場合(ステップS105AでNo)には、そのまま、本プログラムを終了する。
【0076】
このように構成された、本実施の形態2に係るロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
【0077】
特に、本実施の形態2に係るロボットシステム100では、ロボット1の動作中に、音声操作装置2が第1音量以上の音量を検知した場合には、音声操作装置2が操作者からの音声入力を有効/無効のいずれの状態であっても、制御装置4が、ロボット1の動作を変更するように構成されている。
【0078】
これにより、音声操作装置2が操作者からの音声入力を無効にされている状態であっても、操作者等の人間が叫び声等の大声をあげた場合、あるいは、ロボット1又は損他の機器等の衝突音等の大きな音が発生した場合に、その音声に反応して、ロボット1の動作を変更することができる。
【0079】
(実施の形態3)
本実施の形態3に係るロボットシステムは、実施の形態1又は2に係るロボットシステムにおいて、音声出力装置をさらに備え、制御装置は、音声出力装置から第1音量以上の音声を出力させて、音声操作装置が第1音量以上の音声を検知した場合には正常と判断し、音声操作装置が第1音量未満の音声を検知した場合には異常と判断する、音量検知試験を実行するように構成されている。
【0080】
以下、本実施の形態3に係るロボットシステムの一例について、
図7及び
図8を参照しながら説明する。
【0081】
[ロボットシステムの構成]
図7は、本実施の形態3に係るロボットシステムの概略構成を示すブロック図である。
【0082】
図7に示すように、本実施の形態3に係るロボットシステム100は、実施の形態1に係るロボットシステム100と基本的構成は同じであるが、出力装置3が音声出力装置30を有する点が異なる。音声出力装置30としては、例えば、スピーカが挙げられる。
【0083】
[ロボットシステムの動作及び作用効果]
図8は、本実施の形態3に係るロボットシステムの動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の動作は、制御装置4の演算部が、制御装置4のメモリ部又は記憶装置5に格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
【0084】
図8に示すように、制御装置4の動作制御部41は、出力制御部42を介して、音声出力装置30に第1音量以上の音声を出力させる(ステップS201)。具体的には、制御装置4の動作制御部41は、予め人間の叫び声等の音声情報を記憶装置5に記憶させておいて、記憶装置5から当該音声情報を読み出して、音声出力装置30に出力させる。
【0085】
なお、音声操作装置2と音声出力装置30の距離が大きい場合、又は音声操作装置2と音声出力装置30との間に障害物等が有する場合等には、第1音量よりも大きい音量を音声出力装置30から出力させて、音声操作装置2に第1音量以上の音量が入力されるように、適宜調整してもよい。
【0086】
次に、制御装置4の動作制御部41は、音声操作装置2に入力された音声情報を取得し(ステップS202)、ステップS202で取得した音声情報が、第1音量以上の音量であるか否かを判定する(ステップS203)。
【0087】
制御装置4の動作制御部41は、ステップS202で取得した音声情報が、第1音量以上の音量であると判定した場合(ステップS203でYes)には、音声操作装置2は正常であると判断し(ステップS204)、音声操作装置2が正常であるという情報を出力装置3に出力させ(ステップS205)、本プログラムを終了する。
【0088】
なお、音声操作装置2が正常であるという情報の出力は、例えば、「音声操作装置は正常です」等の文字情報をモニタ等に出力(表示)させてもよく、また当該文字情報を音声情報として、音声出力装置30等から出力させてもよい。
【0089】
一方、制御装置4の動作制御部41は、ステップS202で取得した音声情報が、第1音量未満の音量であると判定した場合(ステップS203でNo)には、音声操作装置2は異常であると判断し(ステップS206)、音声操作装置2が異常であるという情報を出力装置3に出力させ(ステップS207)、本プログラムを終了する。
【0090】
なお、音声操作装置2が異常であるという情報の出力は、例えば、「音声操作装置は故障しています」等の文字情報をモニタ等に出力(表示)させてもよく、また当該文字情報を音声情報として、音声出力装置30等から出力させてもよい。
【0091】
このように構成された、本実施の形態3に係るロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
【0092】
また、本実施の形態3に係るロボットシステム100では、制御装置4が、音声操作装置2の音量検知試験を実行するように構成されている。
【0093】
これにより、音声操作装置2が正常であるか否かを判断することができ、実際に操作者等の人間が叫び声等の大声をあげた場合、あるいは、ロボット1又は損他の機器等の衝突音等の大きな音が発生した場合に、その音声により的確に反応して、ロボット1の動作を変更することができる。
【0094】
また、当該音量検知試験を防災訓練として実行することにより、操作者等に防災意識の向上を図ることができる。
【0095】
(実施の形態4)
本実施の形態4に係るロボットシステムは、実施の形態1〜3のいずれか1つの実施の形態に係るロボットシステムにおいて、制御装置は、操作者からの操作指示で動作している手動運転モード、又は予め設定されたタスクプログラムに従って動作する自動運転モードで動作中のロボットを操作者からの操作指示によりその動作を修正する修正自動運転モードでロボットが動作中に、音声操作装置が第1音量以上の音声を検知すると、ロボットの動作を変更するように構成されている。
【0096】
以下、本実施の形態4に係るロボットシステムの一例について、
図9を参照しながら説明する。なお、本実施の形態4に係るロボットシステムの構成は、実施の形態1に係るロボットシステムと同様に構成されているため、その詳細な説明は省略する。
【0097】
[ロボットシステムの動作及び作用効果]
図9は、本実施の形態4に係るロボットシステムの動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の動作は、制御装置4の演算部が、制御装置4のメモリ部又は記憶装置5に格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
【0098】
図9に示すように、本実施の形態4に係るロボットシステム100の動作は、実施の形態1に係るロボットシステム100の動作と基本的な動作は同じであるが、ステップS100の処理に代えて、ステップS100Aの処理が実行される点が異なる。
【0099】
具体的には、制御装置4の動作制御部41は、ロボット1が手動運転モード又は修正自動運転モードで動作しているか否かを判定する(ステップS100A)。制御装置4の動作制御部41は、ロボット1が手動運転モード又は修正自動運転モードで動作していないと判定した場合、すなわち、ロボット1が自動運転モードで動作されていると判定した場合(ステップS100AでNo)には、本プログラムを終了する。なお、制御装置4は、本プログラムを終了した場合には、例えば、50msec後に再び、本プログラムを実行する。
【0100】
一方、制御装置4の動作制御部41は、ロボット1が手動運転モード又は修正自動運転モードで動作していると判定した場合(ステップS100AでYes)には、ステップS101に示す処理を実行する。以下、制御装置4の動作制御部41は、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の動作(処理)を実行する。
【0101】
このように構成された、本実施の形態4に係るロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
【0102】
特に、本実施の形態4に係るロボットシステム100では、制御装置4は、ロボット1を手動運転モード又は修正自動運転モードで動作しているときに、音声操作装置が第1音量以上の音声を検知すると、ロボットの動作を変更するように構成されている。
【0103】
これにより、操作者が、ロボット1の動作を音声入力中に、誤って、ロボット1の動作を音声入力し、思わぬ方向にロボット1が動作した場合に、操作者がとっさに発する声に反応して、ロボット1の動作を変更させることができる。このため、ロボット1が思わぬ方向に動作したときに、操作者が非常停止ボタン等を操作することにより、ロボット1の動作を変更させるよりも、早期に、かつ、的確に、ロボット1の動作を変更させることができる。
【0104】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良又は他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。