特許第6921068号(P6921068)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6921068取り付け構造用メタライズポリマー、セラミックス、及び複合物
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  • 特許6921068-取り付け構造用メタライズポリマー、セラミックス、及び複合物 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6921068
(24)【登録日】2021年7月29日
(45)【発行日】2021年8月18日
(54)【発明の名称】取り付け構造用メタライズポリマー、セラミックス、及び複合物
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/10 20060101AFI20210805BHJP
   B23K 1/20 20060101ALI20210805BHJP
【FI】
   B23K20/10
   B23K1/20 E
   B23K1/20 Z
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-521992(P2018-521992)
(86)(22)【出願日】2016年10月26日
(65)【公表番号】特表2018-538141(P2018-538141A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(86)【国際出願番号】US2016058902
(87)【国際公開番号】WO2017075076
(87)【国際公開日】20170504
【審査請求日】2019年10月21日
(31)【優先権主張番号】62/246,909
(32)【優先日】2015年10月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/312,012
(32)【優先日】2016年3月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/334,986
(32)【優先日】2016年10月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508130890
【氏名又は名称】ハッチンソン テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HUTCHINSON TECHNOLOGY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】デイビス,マイケル ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】リーマー,ダグラス ピー.
(72)【発明者】
【氏名】オルセン,クラーク ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ラガーグレン,スティーブン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ペサベント,ポール ヴィー.
【審査官】 正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−014092(JP,A)
【文献】 特開2009−172637(JP,A)
【文献】 特開平03−247780(JP,A)
【文献】 特開2006−269970(JP,A)
【文献】 特開2014−229797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 20/10
B23K 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンポーネントと第2コンポーネントとを接合し、支持するように構成された非金属性スペーサコンポーネントの第1表面に、第1金属化連携層を形成すること、
前記非金属性スペーサコンポーネントの第2表面に、前記第1金属化連携層とは分離した第2金属化連携層を形成すること、
前記第1コンポーネントの金属性表面と前記非金属性スペーサコンポーネントの前記第2表面とが対になるように、該第2表面を位置決めし、該第2表面に形成された前記第2金属化連携層と、該第2表面と対になった該第1コンポーネントの金属性表面とを接合すること、及び
前記第2コンポーネントの金属性表面と前記非金属性スペーサコンポーネントの前記第1表面とが対になるように、該第1表面を位置決めし、該第1表面に形成された前記第1金属化連携層と、該第1表面と対になった該第2コンポーネントの金属性表面とを接合すること
を含み、
前記第1コンポーネントの金属性表面が、該第1コンポーネントと異なる材料からなり、
前記第2コンポーネントの金属性表面が、該第2コンポーネントと異なる材料からなる、製造方法。
【請求項2】
前記非金属性スペーサコンポーネントが、
ポリマー性コンポーネント、
セラミック性コンポーネント、
セラミックポリマー複合コンポーネント、及び
樹脂プラスチック射出成型コンポーネント
からなる群の1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記非金属性スペーサコンポーネントの第2表面に形成された前記第2金属化連携層と、該第2表面と対になった前記第1コンポーネントの金属性表面との接合、及び、該非金属性スペーサコンポーネントの第1表面に形成された前記第1金属化連携層と、該第1表面と対になった前記第2コンポーネントの金属性表面との接合を、圧縮溶解溶接で行う、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1金属化連携層及び前記第2金属化連携層の形成
電気メッキ、
無電解メッキ、
真空蒸着、
Ti、Cr、Ta、Ru、ニクロム、及びNiVの1つ又はそれ以上を含む金属のスパッタリング、並びに
気相蒸着
の少なくとも1つを含む技術で行う、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記非金属性スペーサコンポーネントの第1表面に前記第1金属化連携層を形成する前及び該非金属性スペーサコンポーネントの第2表面に前記第2金属化連携層を形成する前に、該第1表面及び第2表面を、
酸素、アルゴン、又はその双方を含有するイオン源、及び
酸素、アルゴン、又はその双方を含有するプラズマ源
の少なくとも1つによって修飾することを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記非金属性スペーサコンポーネントの第1表面及び第2表面が、三次元表面である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
さらに、前記非金属性スペーサコンポーネントの第1表面に形成された前記第1金属化連携層と、該第1表面と対になった前記第2コンポーネントの金属性表面とを接合する前に、該第1金属化連携層上に、金層を結合させること又は接着させることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記非金属性スペーサコンポーネントが、樹脂プラスチック射出成型コンポーネントである、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記非金属性スペーサコンポーネントの第2表面に形成された前記第2金属化連携層と、該第2表面と対になった前記第1コンポーネントの金属性表面との接合、及び、該非金属性スペーサコンポーネントの第1表面に形成された前記第1金属化連携層と、該第1表面と対になった前記第2コンポーネントの金属性表面との接合を
前記第1コンポーネントの金属性表面及び前記第2コンポーネントの金属性表面に取り付けられるはんだのリフロー、並びに、
前記第2金属化連携層及び前記第1金属化連携層に取り付けられるはんだのリフロー
の少なくとも1つを含む技術にて行う、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記はんだが、Cu、Au、Ag、Ni、Ru、Cd、Sn、Rd、真ちゅう、及びPbの1つ又はそれ以上を含むはんだ付け可能な金属で、前記非金属性スペーサコンポーネントに結合している、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記はんだ付け可能な金属が、前記第2金属化連携層及び前記第1金属化連携層によって、前記非金属性スペーサコンポーネントに密着して結合している、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記はんだ付け可能な金属が、前記はんだへと充分に溶解することなく、金属間化合物を形成している、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2コンポーネントが、金属コンポーネントである、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記第2コンポーネントが、第2非金属性コンポーネントであり、前記非金属性スペーサコンポーネントの第1表面と対になった該第2コンポーネントの金属性表面が、第金属化連携層を含む、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記第2非金属性コンポーネントが、
ポリマー性コンポーネント、
セラミック性コンポーネント、
セラミックポリマー複合コンポーネント、及び
樹脂プラスチック射出成型コンポーネント
からなる群の1つである、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]
本出願は、米国仮出願第62/246909号(2015年10月27日出願)及び米国仮出願第62/312012号(2016年3月23日出願)の優先権を主張する米国出願第15/334986号(発明の名称「取り付け構造用メタライズポリマー、セラミックス、及び複合物」、2016年10月26日出願)の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は一般に、ポリマー性コンポーネント、セラミック性コンポーネント、又はセラミックポリマー複合コンポーネントを別のコンポーネントに接合させる技術に関する。
【背景技術】
【0003】
アセンブリ内にてポリマー性コンポーネント、セラミック性コンポーネント、又はセラミックポリマー複合コンポーネントと基礎をなすコンポーネントとの間の構造的取り付けを創造するためのオーバーモールドにおいて、充分な結合を得ることは困難である。オーバーモールドにはアセンブリの容積への追加が必要であるので、アセンブリ全体のサイズが可能な限り小さいことが好ましいとき、この困難は増大する。オーバーモールドされたコンポーネントの表面は、基礎をなすコンポーネントの表面に対して、接着が制限されるか、又は接着しない。オーバーモールドされたコンポーネントを含むアセンブリの接合表面間の接着性の欠如により、アセンブリ内のコンポーネントの隣接する表面が互いに接着している代替物と比較して、アセンブリの強度は制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の課題は、ポリマー性コンポーネント、セラミック性コンポーネント、セラミックポリマー複合コンポーネント等を別のコンポーネントに充分に接合させる方法を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、
非金属性コンポーネントの表面に金属化連携層を形成すること、
第2コンポーネントの金属性表面と対になるように、前記非金属性コンポーネントの表面を位置決めすること、及び
金属間接合技術を用いて、前記金属化連携層と、前記第2コンポーネントの対になった金属性表面とを接合すること
からなる製造方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A図1Aは、アセンブリのコンポーネントの分解立体図である。
図1B図1Bは、アセンブリの取り付けられたコンポーネントの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ここに開示されている製造技術により、非金属性コンポーネントを金属性コンポーネント又は別の非金属性コンポーネントに取り付けるための、ポリマー性(例えば、プラスチック性)コンポーネント、セラミック性コンポーネント、又はセラミックポリマー複合コンポーネント等の非金属性コンポーネントでの表面取り付けが容易になる。一例として、接合されるべき表面が金属化されて「連携(tie)」層となり、替わりの結合方法が使用され得る。ポリマー性及びセラミック性コンポーネントについては、クロム及び/又は銅でのスパッタリング等のスパッタリングで金属化層が創造され得る。金属コンポーネントについては、接合に好適な金属化「連携」層を創造するために、もし必要であれば、スパッタリング、又はニッケルメッキ等のメッキが使用され得る。金属化「連携」層は、例えば、はんだ、ろう付け、接着結合(金属間結合のために設計された接着材の使用)、金溶解結合等の金属溶解結合、及び他の金属間接合技術を含む、種々の方法で接合され得る。医療アプリケーション等の苛酷環境に曝される製品のための、プラスチック性コンポーネントとプラスチック性コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントとセラミック性コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントと金属コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントとプラスチック性コンポーネントとを、及び/又は、プラスチック性コンポーネントと金属コンポーネントとを接合する際に、ここに開示されている技術は特に有用である。
【0008】
図1Bに示すアセンブリ44の非金属性スペーサ34のように、少なくとも1つのポリマー性又はセラミック性表面とコンポーネントの表面とを接合する際に、ポリマー性又はセラミック性表面に直接結合させると、接着性に劣る結果となる。ここに開示されているように、まず、金属化連携層をポリマー性又はセラミック性表面に適用し、結合するための接着材にとって異なる機能性表面を得る。2つのポリマー性又はセラミック性コンポーネントが共に結合する場合、両方のコンポーネントが金属化連携層で選択的にスパッタリングされ、金属間接着によって表面同士の接合が齎される。このような金属間接着により、金属化連携層への良好な結合が得られ、ポリマーとポリマーとの結合、セラミックスとセラミックスとの結合、セラミックスとプラスチックとの結合、セラミックスと金属との結合、及び/又は、プラスチックと金属との結合にとっての従来の技術と比較して、接着性が向上する。
【0009】
これらの技術はまた、2つの非金属性コンポーネントを結合させる際に用いることができたものであるが、これらの技術により、形成された(プレーナ又はノンプレーナ)金属コンポーネントの、サポート構造、スペーサ、又は支持棒等の非金属性コンポーネントへの取り付けが容易になる。非金属性コンポーネントは、あるいは、例えば、型打、レーザー切削、機械加工、及び押出といった他の既知の方法を用いて形成され得る。
【0010】
2つの非金属性コンポーネントの例において、説明した表面調製技術は、取り付けられて結合すべき両方の非金属性表面に適用されてよい。プラスチック性表面とプラスチック性表面との、セラミック性表面とセラミック性表面との、又は、セラミック性表面とプラスチック性表面との接合について、金属化表面は、両方の非金属性コンポーネント上に形成され、結合が発生し得る異なる表面として振舞う。結合は、はんだ、ろう付け、Auボンディング、接着、又は他の金属間結合技術によって発生する。
【0011】
ある特定のセラミックス、セラミックポリマー複合物、並びに、Zytel、Akromid、Amodel、及び類似物等のポリアミドファミリーに属するプラスチック樹脂は、接着材との結合を含む金属への結合が困難である。表面が、ノンプレーナであるか、又は対になる立体曲面を有するとき、このような結合における困難が発生する。ここに開示されている技術は、このようなセラミックス、セラミックポリマー複合物、及びプラスチック樹脂を、金属コンポーネント、セラミック性コンポーネント、又はポリマー性コンポーネントへ結合させる際に特に有用である。
【0012】
図1A及び図1Bは、アセンブリ44のコンポーネントを示している。図1A及び図1Bは、連携層間の取り付け方法としてハンダを利用するアセンブリ技術を示している。特に、図1Aは、アセンブリ44のコンポーネントの分解立体図を示しており、図1Bは、アセンブリ44の取り付けられたコンポーネントの断面図を示している。
【0013】
アセンブリ44は、金属コンポーネント30、非金属性スペーサ34、及びステンレス鋼コンポーネント38を含んでいる。図1Bに示すように、金属コンポーネント30及びステンレス鋼コンポーネント38は、非金属性スペーサ34と接合されるべき表面に、任意のニッケルメッキ層を含んでいる。同様に、非金属性スペーサ34は、金属コンポーネント30及びステンレス鋼コンポーネント38と接合されるべき表面に、プレスズメッキされるか又は他の既知の方法を用いて適用され得るはんだ層だけでなく、クロム層、銅層、及び/又はニッケル層等の金属化連携層を含んでいる。このようなはんだは、Indalloy 121(又は類似物)等の、医療デバイスへの使用に適したはんだであってよい。はんだの代わりに、金属化表面に接合している接着材が選択されている別の実施例においては、はんだ層は必要ない。ステンレス鋼コンポーネント38は、ニッケルメッキ層等のメッキ層を含有していてよい。
【0014】
金属コンポーネント30、非金属性スペーサ34、及びステンレス鋼コンポーネント38を共に結合させるための金属間結合技術に先立って、これらのコンポーネントは、最終的なアセンブリに対する要望のとおりに、適切に整列されるべきである。はんだ取り付け結合については、これらのコンポーネントが、積層され、整列され、焼固されることにより、プレスズメッキされた低温はんだがリフローし、対になっている断片の金属化部分を濡らすとよい。一般に、はんだは金属化領域のみを濡らすべきである。
【0015】
にかわ取り付け結合において、(金属化間の)接着は、コンポーネントの積層及び整列の前に適用されてよい。金属化面により、非金属性スペーサ34への直接的な結合の代わりが得られ、非金属性スペーサ34への接着を直接的に適用している、より強固な接着が得られる。
【0016】
図1Bに示すように、金属コンポーネント30、非金属性スペーサ34、及びステンレス鋼コンポーネント38は、はんだ又は他の技術等の金属間結合技術によって接合されてよい。この手法において、オーバーモールド層は不要である。非金属性スペーサ34上の金属化連携層によって得られた強固な機械的取り付けについての接合面により、非金属性スペーサ34が、金属接合技術を用いて、金属コンポーネント30及びステンレス鋼コンポーネント38等の他のコンポーネントに接合され得る。これらの技術により、オーバーモールドの必要性が取り除かれる。
【0017】
アセンブリ44では、金属コンポーネント30と、非金属性スペーサ34と、ステンレス鋼コンポーネント38との間が封止される。このような理由により、アセンブリ44に適用される曲げ型充填において、3つの層、すなわち金属コンポーネント30、非金属性スペーサ34、及びステンレス鋼コンポーネント38は、互いに増強し、従来のオーバーモールドで達成される場合と比較して、さらなる曲げ強度が得られる。
【0018】
いくつかの特別な実施例においては、アセンブリ44は、医療機器内のコンポーネントを表す。このような実施例においては、ステンレス鋼コンポーネント38を、金属コンポーネント30から電気的及び/又は熱的に隔離することが重要である。いくつかのこのような実施例においては、ステンレス鋼コンポーネント38の厚さは、約0.010インチであってよい。同一又は異なる実施例においては、金属コンポーネント30の厚さは、約0.025インチであってよい。金属コンポーネント30及びステンレス鋼コンポーネント38の取り付け表面に、任意に、ニッケルメッキ、クロムメッキ、又は他の材料でのメッキを施し、適切な連携層境界面を得てもよい。さらに、金属間接合技術を用いて、非金属性スペーサ34の隣接する表面は、連携層で金属化され、金属コンポーネント30及びステンレス鋼コンポーネント38への結合が促進されていてよい。このように金属化された連携層は、任意にパターン化される。いくつかの実施例においては、非金属性スペーサ34は、ガラス繊維コンポーネント又はカーボン繊維コンポーネント等の射出成型繊維充填コンポーネントといったポリマー性コンポーネント、セラミック性コンポーネント、もしくは、複合物コンポーネントを形成するポリマー性材料とセラミック性材料とのブレンドであってよい。
【0019】
アセンブリ44の変形において、アセンブリに構造的強度を付与するために、金属コンポーネント30の代わりに、又は金属コンポーネント30に加えて、高強度非金属性コンポーネントが用いられてよい。別の変形において、金属コンポーネント30及び非金属性スペーサ34の機能は、単一の高強度非金属性コンポーネント層によって置換されていてよい。
【0020】
アセンブリ44のさらなる変形において、ステンレス鋼コンポーネント38は、非金属性スペーサ34上の、又は直接的に高強度非金属性コンポーネント層上の、電気メッキコンポーネントで置換されていてよい。このような電気メッキ及び/又は電鋳は、非金属性コンポーネントの金属化連携層上で行えばよい。
【0021】
非金属性コンポーネント上への金属化連携層の形成に次いで、非金属性コンポーネントの表面は、第2コンポーネントの金属性表面と対になるように位置決めされるとよい。その後、非金属性コンポーネント上の金属化連携層は、金属間接合技術を用いて、第2コンポーネントの対になった金属性表面と接合されるとよい。
【0022】
第2コンポーネントは、金属コンポーネントであるか、又は、該第2コンポーネント上に第2金属化連携層を有する非金属性コンポーネントであってよい。異なる実施例においては、医療アプリケーション等の苛酷環境に曝される製品のために、プラスチック性コンポーネントとプラスチック性コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントとセラミック性コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントと金属コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントとプラスチック性コンポーネントとを、及び/又は、プラスチック性コンポーネントと金属コンポーネントとを接合する際に、金属化連携層が用いられてよい。
【0023】
ここに開示されている技術にしたがって、1つ又はそれ以上の非金属性コンポーネントの金属間取り付けの可能な方法には、金属の溶解(溶接)、ろう付け、はんだ、接着結合、メッキ金属の溶解(例えば、超音波又は抵抗によって)、もしくは後にさらに詳細に言及するような他の金属間結合技術が含まれる。
【0024】
金属性コンポーネント等のある特定の基礎となる材料の特性として、特別な結合技術に必要とされる温度では、基礎となる材料とは逆に金属間結合技術では前記温度を必要としないが、金属性コンポーネントは影響を受ける。概して、結合技術は、材料的な互換性(湿潤性があり、湿潤及び冷却/固化の後に強固な結合を形成する力を有すること)、予備調製された基材、並びに融解金属結合材料に直ちに接着/結合し得る結合部分表面に依存している。
【0025】
前記例示した技術に加えて、いくつかの実施例においては、プラスチック性コンポーネントとプラスチック性コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントとセラミック性コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントと金属コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントとプラスチック性コンポーネントとを、及び/又は、プラスチック性コンポーネントと金属コンポーネントとを接合する際に、低温融解ナノ粒子材料結合技術が有用である。低温融解ナノ粒子材料結合で、「ナノ粒子」はんだは、小さいサイズの粒子を用いることにより、より低いプロセス温度を達成し、コンポーネントの基礎となる材料を取り扱うことができる温度で、はんだは充分に融解される。
【0026】
別の例として、いくつかの実施例においては、プラスチック性コンポーネントとプラスチック性コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントとセラミック性コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントと金属コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントとプラスチック性コンポーネントとを、及び/又は、プラスチック性コンポーネントと金属コンポーネントとを接合する際に、低温加圧焼結結合技術が有用である。低温加圧焼結結合で、焼結は主に、結合材料を部分融解させること(焼結されるべき粒子の表面を軟化/融解させること等)及び、次いで圧力をかけてコンポーネント同士で高表面領域強固結合を形成させることに依存している。このような技術には、低温「ナノ粒子」はんだ又は他の焼結材料が用いられてよい。
【0027】
他の例として、いくつかの実施例においては、プラスチック性コンポーネントとプラスチック性コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントとセラミック性コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントと金属コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントとプラスチック性コンポーネントとを、及び/又は、プラスチック性コンポーネントと金属コンポーネントとを接合する際に、融解又は反応性光硬化又は焼結結合が有用である。融解又は反応性光硬化又は焼結結合で、「フラッシュランプ融解」材料により、結合材料の超高速加熱及び融解の間の低温が維持される。結合材料は、フラッシュランプエネルギーを吸収し、単に融解する。又は、結合材料は、フィルムを通じていたるところで伝搬する表面での発熱性の自立反応を開始する。その結果、フィルムは、それ自身が融解して湿潤し、コンポーネントの表面を加熱して結合を形成する。
【0028】
他の例として、いくつかの実施例においては、プラスチック性コンポーネントとプラスチック性コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントとセラミック性コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントと金属コンポーネントとを、セラミック性コンポーネントとプラスチック性コンポーネントとを、及び/又は、プラスチック性コンポーネントと金属コンポーネントとを接合する際に、低温及び加圧反応性はんだ/ろう付け材料結合が有用である。低温及び加圧反応性はんだ/ろう付け材料結合で、融解化合物、典型的には共晶化合物の形成は、金属結合材料と基材とコンポーネントとの間に示される。このような技術は、次いでコンポーネントを濡らす結合材料のみの融解に依存している技術とは、はっきりと異なる。低温及び加圧反応性はんだ/ろう付け材料結合のための融解材料は、加熱及び加圧の適用によって形成が可能であり、相互拡散が得られ、共晶化合物の形成が開始され、その後現在温度で融解する。代わりに又は加えて、低温及び加圧反応性はんだ/ろう付け材料結合のための融解材料は、マルチコンポーネント(粒子の混合物又は多層フィルム)結合材料を用いることによって形成が可能である。これらは、発火現象(1つの小さな点での電気アーク又はレーザー加熱等)によって融解及び混合し、その後、混合及び自己伝搬反応の高エネルギーにより、結合材料全体が融解し、大量の熱を発する。これにより、低い平均/平衡温度が維持され、基材上への熱による影響が最小化されながら、基材と結合部位との強固な結合が形成される。
【0029】
非導電性スペーサコンセプトの代替物には、以下が含まれる。
・非導電性スペーサとしての高性能ボードの使用(限定はされないが、Rogers Corporation of Rogers(米国コネチカット州)製のRogers LoPro RO4000シリーズ 高周波ラミネート等)。これは、ラミネート(IE−導電性層で予備包囲)として利用され得るか、及び/又は、前述の技術によって引き続き金属化される、包囲されていないコアとなり得る。
・非導電性スペーサとしてのパウダーコーティングの使用。
【実施例】
【0030】
図1Bに示すような、非金属性表面をノンプレーナ(三次元)金属表面に接合するため等の、非金属性表面を金属表面に接合するための任意の種々のプロセスを、以下に説明する。これらの例は、ここに開示された技術の単なる例示であり、他の技術が本開示の範囲内で用いられてよい。
【0031】
<実施例A>
プラスチック性コンポーネント、セラミック性コンポーネント、又はプラスチックセラミックス複合物三次元コンポーネント等の非金属性コンポーネントを、酸素含有プラズマで修飾する。次いで、非金属性コンポーネントの表面をCrでスパッタリングし、後続のはんだ付け可能な金属に連携層を形成する。連携層は、50Å〜500Åの厚さである。連携層は、好ましくは75Å〜150Åの厚さである。スパッタリングされた後続のはんだ付け可能な金属は、Cu、Ni、Au、Pt、Pdや、Ni、Pt、Pd等から選択される。はんだ付け可能な金属の厚さは、500Åよりも大きく、50000Åよりも小さければよく、例えば、1000Åよりも大きく、5000Åよりも小さい。
【0032】
<実施例B>
本実施例では、結合材料として金を用い、連携層としてクロムを用いる圧着を追加して、実施例Aの技術を繰り返す。
【0033】
<実施例C>
本実施例では、一方の表面にニッケル、もう一方にPd、又は、一方にAu、他方にニッケル等の不適合な金属の組み合わせで、実施例Aの技術を繰り返す。
【0034】
<実施例D>
本実施例では、ポリアミド、ポリテトラフルオライド、ポリジフルオライド等の接着材による結合が困難な非金属性コンポーネントで、実施例Aの技術を繰り返す。
【0035】
<実施例E>
本実施例では、結合している2つの非金属性コンポーネントが共に結合される。両コンポーネントの対になる表面は、金属化連携層で選択的にスパッタリングされ、金属間接着等の金属間接合技術が適用されて、両表面が接合される。このような金属間接着により、金属化連携層への良好な結合が得られ、プラスチックとプラスチックとの結合、セラミックスとセラミックスとの結合、又はセラミックスとプラスチックとの結合についての従来の技術と比較して、接着性が向上する。
【0036】
実施例1では、製造方法は、非金属性コンポーネントの表面に金属化連携層を形成すること、第2コンポーネントの金属性表面と対になるように、前記非金属性コンポーネントの表面を位置決めすること、及び、金属間接合技術を用いて、前記金属化連携層と、前記第2コンポーネントの対になった金属性表面とを接合することからなる。
【0037】
実施例2では、実施例1の方法において、前記非金属性コンポーネントが、ポリマー性コンポーネント、セラミック性コンポーネント、セラミックポリマー複合コンポーネント、及び樹脂プラスチック射出成型コンポーネントからなる群の1つである。
【0038】
実施例3では、実施例1の方法において、前記金属間接合技術が、圧縮溶解溶接を含む。
【0039】
実施例4では、実施例3の方法において、前記非金属性コンポーネントの表面及び前記第2コンポーネントの金属性表面が金メッキされ、前記圧縮溶解溶接が、2つの金メッキされた表面を接触させ、エネルギー源を適用することによってなされる。
【0040】
実施例5では、実施例4の方法において、前記エネルギー源が、本質的にウルトラソニック又はメガソニックである。
【0041】
実施例6では、実施例4の方法において、前記金属化連携層を形成する別の金属によって、前記金が、前記非金属性コンポーネントの表面に保持される。
【0042】
実施例7では、実施例1の方法において、金属化連携層を形成することが、電気メッキを含む。
【0043】
実施例8では、実施例1の方法において、金属化連携層を形成することが、無電解メッキを含む。
【0044】
実施例9では、実施例1の方法において、金属化連携層を形成することが、真空蒸着を含む。
【0045】
実施例10では、実施例1の方法において、金属化連携層を形成することが、金属のスパッタリングを含む。
【0046】
実施例11では、実施例10の方法において、前記スパッタリングされた金属が、Ti、Cr、Ta、Ru、ニクロム、及びNiVの1つ又はそれ以上を含む。
【0047】
実施例12では、実施例10の方法において、前記スパッタリングされた金属が、シャドーマスクを利用して選択的に蒸着される。
【0048】
実施例13では、実施例1の方法において、金属化連携層を形成することが、気相蒸着を含む。
【0049】
実施例14では、実施例1の方法が、さらに、前記非金属性コンポーネントの表面に前記金属化連携層を形成する前に、該非金属性コンポーネントの表面を、酸素、アルゴン、又はその双方を含有するイオン源によって修飾することからなる。
【0050】
実施例15では、実施例1の方法が、さらに、前記非金属性コンポーネントの表面に前記金属化連携層を形成する前に、該非金属性コンポーネントの表面を、酸素、アルゴン、又はその双方を含有するプラズマ源によって修飾することからなる。
【0051】
実施例16では、実施例1〜15のいずれかの方法において、前記非金属性コンポーネントの表面が、三次元表面である。
【0052】
実施例17では、実施例16の方法が、さらに、金属間接合技術を用いて、前記金属化連携層と、前記第2コンポーネントの対になった金属性表面とを接合する前に、該金属化連携層上に、金層を結合させること又は接着させることからなる。
【0053】
実施例18では、実施例1の方法において、前記金属間接合技術が、両表面へ取り付けられるスズ系はんだのリフローを含む。
【0054】
実施例19では、実施例1の方法において、前記非金属性コンポーネントが、樹脂プラスチック射出成型コンポーネントであり、前記第2コンポーネントの表面が、金属性立体曲面である。
【0055】
実施例20では、実施例1の方法において、前記非金属性コンポーネントが、立体曲面を有し、前記第2コンポーネントの表面が、金属性立体曲面である。
【0056】
実施例21では、実施例1の方法において、前記金属間接合技術が、前記金属化連携層に取り付けられるスズ系はんだのリフローを含む。
【0057】
実施例22では、実施例21の方法において、前記はんだが、はんだ付け可能な金属で前記非金属性コンポーネントに結合している。
【0058】
実施例23では、実施例22の方法において、前記はんだ付け可能な金属が、Cu、Au、Ag、Ni、Ru、Cd、Sn、Rd、真ちゅう、及びPbの1つ又はそれ以上を含む。
【0059】
実施例24では、実施例22の方法において、前記はんだ付け可能な金属が、前記金属化連携層によって、前記非金属性コンポーネントに密着して結合している。
【0060】
実施例25では、実施例22の方法において、前記はんだ付け可能な金属が、前記はんだへと充分に溶解することなく、金属間化合物を形成する1つから選択される。
【0061】
実施例26では、実施例22の方法において、前記はんだ付け可能な金属が、前記第2コンポーネントの前記金属性表面へと電気メッキされ得る1つから選択される。
【0062】
実施例27では、実施例1の方法において、前記第2コンポーネントが、金属コンポーネントである。
【0063】
実施例28では、実施例1の方法において、前記第2コンポーネントが、第2非金属性コンポーネントであり、該第2コンポーネントの対になった金属性表面が、第2金属化連携層を含む。
【0064】
実施例29では、実施例28の方法において、前記第2非金属性コンポーネントが、ポリマー性コンポーネント、セラミック性コンポーネント、セラミックポリマー複合物、及び樹脂プラスチック射出成型コンポーネントからなる群の1つである。
【0065】
開示された技術は、種々の実施例を参照して説明されているが、本開示の主旨及び範囲を逸脱しない限り、形式上及び詳細において変更が可能であることが、当業者によって認められるであろう。
図1A
図1B