【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の側面において、本発明は、下記各工程を含む膜(a membrane)の製造方法を提供する:
a)膜形成ポリマー、水溶性ポリエーテルアミン、及び溶媒を一緒に混合する工程、該混合物は該ポリエーテルアミンと化学的に反応する成分を含まない;及び
b)該混合物をキャストして(casting)、該ポリマーを固体膜に形成する工程。
【0012】
第2の側面において、本発明は、下記各工程を含む膜の製造方法を提供する:
a)膜形成ポリマー、2,500までの分子量を有するポリエーテルアミン及び溶媒を一緒に混合する工程、該混合物は該ポリエーテルアミンと化学的に反応する成分を含まない;及び
b)該混合物をキャストして、該ポリマーを固体膜に形成する工程。
【0013】
本発明の方法により製造された膜は新規であると考えられ、従って本発明はこれらの膜それ自体をも提供する。
【0014】
本発明は、キャスティング溶液(casting solution)がポリエーテルアミンと反応性の成分を含有しない場合であっても、膜をキャストする(casting a membrane)際に、キャスティング溶液中に特定のポリエーテルアミンを含むことにより、結果的に改良された特性を有する膜が得られるという驚くべき知見に基づいている。この効果は、代替ポリエーテルアミンを使用する場合には、観察されない。
【0015】
ポリエーテルアミン
ポリエーテルアミンは、そのポリエーテル主鎖、一般にはそのポリマー鎖末端、に結合した少なくとも1つの第1級又は第2級アミン基を有するポリエーテルである。この文脈における「ポリマー」は、二量体、三量体及びオリゴマーを含むと理解されるべきである。ポリエーテルアミンには、モノ−、ジ−、トリ−又はマルチ−官能性の第1級及び第2級アミンが含まれる。そのポリエーテルは、典型的には、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドモノマー単位を含む。多くのものが市販されており、例えばハンツマン(Huntsman)社によってジェファーミン(JEFFAMINE、登録商標)の名称の下で製造されている製品、又はBASF社のD−T200〜5000(又はバクスドア(Baxxodur、登録商標))の製品である。
【0016】
いくつかのポリエーテルアミンは水溶性であり、これらは本発明の第1の側面において、好ましくは本発明の第2の側面において、使用される。好ましくは、ポリエーテルアミンの溶解度は、21℃で、少なくとも0.1%W/V、特に少なくとも0.2%W/Vである。最も好ましくは、ポリエーテルアミンは、21℃で、水と混和性である。
【0017】
水中でのポリエーテルアミンの溶解度は標準的な動的光散乱(Dynamic Light Scattering)法を用いて測定することができ、適切なプロトコルを以下に記載する。DLSは、ポリエーテルアミン及び水が混合された場合に存在するあらゆる粒子のサイズ及び数を検出し、監視する。ポリエーテルアミンは、水に溶解するのが遅くなることがあるが、その溶解した溶液は、一度溶液が形成された後に放置しても、時間の経過と共に相分離することはない。
【0018】
本発明における使用に適したポリエーテルアミンとしては、2つ以上のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドモノマー単位及び少なくとも1つ、例えば1、2又は3つの第1級又は第2級アミン単位−NHXを有するものを包含する。ここで、Xは、水素原子又はC
1−4アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル又はイソプロピル基である。ポリエーテルアミンの分子量は、勿論、存在するモノマー単位の数に依存して変化する。本発明の第2の側面において、好ましくは本発明の第1の側面において、その分子量は2,500まで、例えば2,000まで、又は1,500まで、又は1,000までである。それは、例えば130〜2,500、例えば130〜2,000、例えば150〜1,000、例えば150〜600の範囲内であり得る。一般に、ポリエーテルアミンの水溶性と分子量との間に相関性が存在する:分子量はポリエーテルアミンの親水性に影響を及ぼし、エチレンオキシドモノマー単位の含有量がより高い又はプロピレンオキシドモノマー単位の含有量がより低いポリエーテルアミンは、一般に、より親水性が高くなり、従って水溶性となるであろう。
【0019】
ポリエーテルアミンは、例えば、下記略式(schematic formula)を有するモノアミン又はジアミンであってもよい:
【化1】
又は下記略式を有するモノアミン、ジアミン又はトリアミンであってもよい:
【化2】
各式中、Y、Y'及びY”は、それぞれ独立して、その少なくとも1つが、第1級又は第2級アミン基を含む末端基を表し、PAOは、少なくとも2つのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドモノマー単位からなるポリアルキレンオキシド鎖を表す。適切なアミン含有末端基としては、(i)−NHX基(Xは、C
1−4アルキル基例えばメチル基、又は特に水素原子を表す)、及び(ii)C
1−4アルキル基(−NHX基によって置換されていても又は−NH−基によって割り込まれていてもよい)が包含される。末端基がアミノ基を含まない場合、それは、例えば、水素原子、C
1−4アルキル基、−OH基、又は−OC
1−4アルキル基であり得る。PAO鎖は、直鎖であってもよく、この場合、ポリエーテルアミンは、下記略式を有することができる:
【化3】
式中、aは存在するプロピレンオキシド(PO)モノマー単位の数を表し、bは存在するエチレンオキシド(EO)モノマー単位の数を表し、a又はbのいずれかがゼロであってよいこと、及びPOモノマー単位及びEOモノマー単位の双方が存在する場合、これらは、ランダム、交互又はブロックの順序で配列していてよいことが、理解されるであろう。あるいは、PAO鎖は分岐していてもよく、この場合、ポリエーテルアミンは、下記一般式を有することができる:
【化4】
式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R'は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、dは0又は1であり、c、e及びfは存在するPOモノマー単位及び/又はEOモノマー単位の数である。
【0020】
市販のポリエーテルアミンとしては、以下の各式の化合物を包含する:
【化5】
式中、RはH又はCH
3であり、x及びyはポリエーテル鎖中のEO/POモノマー単位の数である。ハンツマン(Huntsman)社のジェファーミン(JEFFAMINE、登録商標)Mシリーズのポリエーテルアミンはこのタイプのものである。
【化6】
式中、xはポリエーテル鎖中のPOモノマー単位の数である。ハンツマン社のジェファーミンDシリーズのポリエーテルアミンはこのタイプのものである。
【化7】
式中、x及びzはポリマー鎖中の2つのブロック中のPOモノマー単位の数であり、yはポリエーテル鎖中のEOモノマー単位の数である。ハンツマン社のジェファーミンEDシリーズのポリエーテルアミンはこのタイプのものである。
【化8】
式中、xは2又は3である。ハンツマン社のジェファーミンEDRシリーズのポリエーテルアミンはこのタイプのものである。
【化9】
式中、x、y及びzは、合わせて、分岐ポリマー鎖中に存在するPOモノマー単位の合計数を表し、nは0又は1であり、Rは水素、メチル又はエチルである。ハンツマン社のジェファーミンTシリーズのポリエーテルアミンはこのタイプのものである。
【0021】
上記各市販品において、1つ以上のNH
2末端基は、例えば、下記のような第2級アミン基に変換され得る:
【化10】
ハンツマン社のジェファーミンSD及びSTシリーズのポリエーテルアミンはこのタイプのものである。
【0022】
ジェファーミン(JEFFAMINE)の商標の下で、入手可能な上記の各タイプの特定の化合物は、以下のものを含む:
モノアミン:M−600(XTJ−505)、M−1000(XTJ−506)、M−2070。
ジアミン:D−230、HK−511、D−400、XTJ−582、D−2000、XTJ−578。
ジアミン(EOベース):ED−600(XTJ−500)、ED−900(XTJ−501)、ED−2003(XTJ−502)。
ジアミン(PTMEGベース):XTJ−542、XTJ−548、XTJ−559。
ジアミン(高反応性):EDR−148(XTJ−504)、EDR−176(XTJ−590)。
トリアミン:T−403。
第2級アミン:SD−231(XTJ−584)、SD−401(XTJ−585)、SD−2001(XTJ−576)、ST−404(XTJ−586)。
実験用アミン:XTJ−435、XTJ−436、XTJ−566、XTJ−568。
【0023】
1つの態様においては、上記式(IX)のポリエーテルアミンの使用が好ましい。このタイプの1つの好ましい化合物は、POのモル数が5〜6であって、およそ440の分子量を有する化合物である。この化合物は、ジェファーミン(JEFFAMINE、登録商標)T403として市販されている。別の態様においては、式(VI)のポリエーテルアミンの使用が好ましい。このタイプの1つの好ましい化合物は、式(VI)のxが平均6〜7であって、およそ430の分子量を有する化合物である。この化合物はジェファーミンD400として市販されている。本発明の方法において使用され得る他の特定のジェファーミンのポリエーテルアミンには、M600、M1000、ED600及びED2003が含まれる。
【0024】
ポリマー
膜を製造するために典型的に使用される任意のポリマーが、本発明において使用され得るが、但し、ポリエーテルアミンと反応性ではない。膜を製造するために一般的に使用されるポリイミド(PI)及びポリエーテルイミド(PEI)ポリマーは、ポリエーテルアミンと反応するので、本発明での使用には適していない。適切なポリマーとしては、例えば、以下のものが包含される:
・セルロースアセテート/トリアセテート
・ポリアミド(芳香族ポリアミドを含む)
・ポリピペラジン
・ポリベンズイミダゾリン
・ポリオール(ポリフェノールを含む)
・ポリアクリロニトリル(PAN)
・ポリエーテルスルホン(PES)
・ポリスルホン(PS)
・ポリ(フタラジノンエーテルスルホンケトン)(PPESK)
・ポリ(ビニルブチラール)
・ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
・ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)
・ポリプロピレン(PP)
・ポリエチレン(PE)
・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
【0025】
特に好ましいポリマーはPS、PES、PVDF、PAN及びPEであり、PS、PES及びPVDFがとりわけ好ましい。
【0026】
溶剤
使用される溶媒又は溶媒の混合物は、勿論、ポリマー及び存在する任意の添加剤の性質に依存する。一般に、溶媒は、ポリマー及び添加剤を溶解すべきであり、急冷浴(quench bath)中で使用される非溶媒(例えば、水又はアルコール)と混和性であるべきである。膜キャスティング法(membrane casting processes)で使用することが知られている溶媒のいずれも使用することができる。適切な溶媒としては、例えば、DMF、NMP、ジメチルアセトアミド、アセトン、DMSO及びTHFが包含される。溶媒の混合物を使用してもよい。加えて、キャスティング混合物(casting mixture)は、水が最も一般的な例である非溶媒を含むことができるが、他の非溶媒、例えばアルコール、例えばC
1−4アルカノール、又はグリコールエーテル、例えばメトキシエタノール、エトキシエタノール又はプロポキシエタノール、特にメトキシエタノールを使用することができる。このような非溶媒は、粘度がキャスティング構成(casting configuration)において重要であり、沈殿速度に影響を及ぼす可能性があるので、一般に粘度調整剤として作用するように含まれる。
【0027】
キャスティングの追加的添加物
ポリエーテルアミン添加剤と同様に、キャスティング混合物は、当該技術分野において公知の任意の追加の添加剤を含有してもよい。多孔性を高め、ある種の膜の形態を引き起こすために、いわゆる「細孔形成」添加剤が典型的には膜キャスティングドープ(membrane casting dope)に添加される。LiCl等の無機添加剤を使用することができる。あるいは、疎水性ポリマー又はブロックコポリマー、例えばポリビニルピロリドン(PVP)及びポリエチレングリコール(PEG)を添加してもよい。一例として、膜形成ポリマーとしてPS、PES又はPVDFを利用する調合物(formulations)に10%までのPVPを添加することにより、細孔径が増大し、より高い経膜的透過流束を達成できることが知られている。そのような添加剤を、ポリエーテルアミンに加えて、本発明において使用することができる。
【0028】
キャスティング混合物は、ポリエーテルアミンと反応性である成分を含有すべきではない。具体的には、それは、ポリエーテルアミンと架橋するか、さもなければ反応する反応性モノマー又はプレポリマーを含むべきではない。
【0029】
キャスティング工程
本発明方法の工程(a)は、ポリマー、ポリエーテルアミン、溶媒及び任意の追加的成分を一緒に混合して、キャスティング溶液又はドープを作製することを含む。ドープは、透明な溶液であってもよく、エマルション又は懸濁液であってもよい。ポリエーテルアミン対ポリマーの重量比は、完成膜の細孔構造を決定する重要なパラメータである。それは、例えば1:0.1〜1:200W/Wの範囲内であり得るが、好ましくは、ポリマーが、少なくともポリエーテルアミンの重量に等しい重量で存在する。その重量比は、例えば1:1〜1:100W/W、例えば1:2〜1:50W/W、特に1:5〜1:40W/Wであり得る。
【0030】
溶媒中のポリマーの濃度は、適切には1〜80%W/W、例えば4〜60%W/W、例えば8〜35%W/W、特に12〜21%W/Wの範囲内である。
【0031】
溶媒中のポリエーテルアミンの濃度は、適切には1〜90%W/W、例えば1〜5%W/W、特に0.01〜3%W/Wの範囲内である。
【0032】
工程(a)は、工程(b)と同時に実施することができるが、1つの好ましい態様では、工程(a)を第1工程として実施し、これが完了した後、工程(b)を次の工程として実施する。
【0033】
工程(b)は、工程(a)の混合物をキャストして(casting)膜を形成することを含み、任意の公知のキャスティング技術を含み得る。キャスティングは、溶媒中のポリマーと添加剤の混合物からの膜形成ポリマーの沈殿である。転相(Phase inversion)は、以下のことで引き起こされる:
・浸漬沈殿−ポリマーと添加剤が溶媒に溶解し、続いて非溶媒媒体中に浸漬されて、膜を形成する。使用される最も一般的な非溶媒媒体は水であるが、他の液体、例えばアルコールも使用することができる。
・熱析出−ポリマーが、所定の温度で溶媒に溶解し、キャストされ、冷却されて、沈殿した膜を形成する。
・蒸発誘起沈殿−ポリマーと添加剤が溶媒に溶解し、その溶液が支持体又はランニングベルト上にキャストされた後に、揮発性物質を蒸発させる。
・電気紡糸(Electrospinning)。
・延伸(Stretching)。
・トラックエッチング(Track etching)。
・界面重合。
【0034】
好ましくは、工程(b)は、工程(a)で生成した混合物を、ポリマーが不溶性の媒体、特に水性媒体である媒体中に浸漬することを含む。
【0035】
膜は、基材(backing)又は支持体(support)、例えば布地(fabric)、典型的には不織布ポリエステル又はポリプロピレン、の上にキャストされ得るが、任意の形態の基材を使用することができる。キャスティングは、様々な構成の膜を形成するために達成されることができる。例えば、ドクターブレード又はダイコータを用いて、押出ナイフを通してポリマー溶液を押出すことを含んで作製されたフラットシート膜(flat-sheet membranes);粘性ドープを、押出ノズルを通して、繊維の外側及び内側上の急冷溶液(quenching solution/solutions)中に押し込まれてなる中空糸膜(hollow fiber membranes);管状膜(tubular membranes);又はファイバープレート(Fibreplate、登録商標)タイプの膜。
【0036】
溶媒は、一般に、キャスティングプロセスの一部として除去される。
【0037】
膜が形成された後、任意の所望の形成後の工程が実行されてもよい。例えば、膜の表面は、任意の所望の方法で官能化されてもよく、所望であれば、様々なコーティングが適用されてもよい。膜は、例えば、飲料水(細菌及びウイルス除去)用の限外ろ過、逆浸透前処理、廃水、食品加工用途、及びタンパク質ろ過等の広範囲の適用における有用性を見出す。1つの好ましい態様において、本発明による膜は、ナノろ過膜又は逆浸透膜用の従来のコーティングを供給されるので、そのような膜のための支持体として作用する。ナノろ過膜及び逆浸透膜は、従来の膜を使用する場合には、著しい圧密化(compaction)をもたらし、従って流量を減少させる、高圧条件下で使用されている。
【0038】
本発明の方法は、改良された除去能力(rejection capabilities)、所定の分画分子量(molecular cut off)での特に例外的に高い水透過性を有し、膜表面での汚染(fouling)が減少されている膜を、結果的にもたらす。本発明は、細孔のサイズ、数及び構造の正確な制御を可能にし、従って、特定の用途のための膜の設計を可能にする。かくして、本発明は、低エネルギー、小細孔、高多孔性、防汚性/容易洗浄性、及び高透過性の限外ろ過膜の調製における有用性を見出す。
【0039】
本発明の第1の側面は、各請求項の主題である。本発明の第2の側面は、以下の各項により特徴付けられる。
【0040】
1.下記各工程を含む膜(a membrane)の製造方法:
a)膜形成ポリマー、2,500までの分子量を有するポリエーテルアミン及び溶媒を一緒に混合する工程、該混合物は該ポリエーテルアミンと化学的に反応する成分を含まない;及び
b)該混合物をキャストして(casting)、該ポリマーを固体膜に形成する工程。
【0041】
2.ポリエーテルアミンが、2,000までの分子量を有する、前記項1に記載の方法。
【0042】
3.ポリエーテルアミンが、1,000までの分子量を有する、前記項2に記載の方法。
【0043】
4.ポリエーテルアミンが、150〜1,000の範囲内の分子量を有する、前記項3に記載の方法。
【0044】
5.ポリエーテルアミンが、水溶性であり、特に水混和性である、前記項のいずれか一項に記載の方法。
【0045】
6.ポリエーテルアミンが、2つ以上のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドモノマー単位及び少なくとも1つの第1級又は第2級アミン単位−NHX(ここで、Xは、水素原子又はC
1−4アルキル基である)を含む、前記項のいずれか一項に記載の方法。
【0046】
7.ポリエーテルアミンが、以下の略式を有するモノアミン又はジアミン:
【化11】
又は以下の略式を有するモノアミン、ジアミン又はトリアミン:
【化12】
(各式中、Y、Y'及びY”は、それぞれ独立して、その少なくとも1つが、第1級又は第2級アミン基を含む末端基を表し、PAOは、少なくとも2つのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドモノマー単位からなるポリアルキレンオキシド鎖を表す。)である、前記項のいずれか一項に記載の方法。
【0047】
8.ポリエーテルアミンが、以下の略式を有する前記項7に記載の方法:
【化13】
(式中、aは存在するプロピレンオキシドモノマー単位の数を表し、bは存在するエチレンオキシドモノマー単位の数を表す。);又は一般式:
【化14】
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R'は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、dは0又は1であり、c、e及びfは存在するプロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシドモノマー単位の数である。)。
【0048】
9.ポリエーテルアミンが、以下の各式の1つを有する、前記項のいずれか一項に記載の方法。
【化15】
(式中、RはH又はCH
3であり、x及びyはポリエーテル鎖中のプロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシドモノマー単位の数である。);
【化16】
(式中、xはポリエーテル鎖中のプロピレンオキシドモノマー単位の数である。);
【化17】
(式中、x及びzはポリマー鎖中の2つのブロック中のプロピレンオキシドモノマー単位の数であり、yはポリエーテル鎖中のエチレンオキシドモノマー単位の数である。);
【化18】
(式中、xは2又は3である);
【化19】
(式中、x、y及びzは、合わせて、分岐ポリマー鎖中に存在するプロピレンオキシドモノマー単位の合計数を表し、nは0又は1であり、Rは水素、メチル又はエチルである。);又は
上記式(V)〜(IX)の1つの化合物であって、1つ以上のNH
2末端基が第2級アミン基に変換されている化合物。
【0049】
10.ポリエーテルアミンが式(IX)を有し、そのポリエチレンオキシドのモル数が5〜6の間である;又はポリエーテルアミンが式(VI)を有し、式(VI)中のxが平均で6〜7である、前記項9に記載の方法。
【0050】
11.膜形成ポリマーが、セルロースアセテート/トリアセテート;ポリアミド;ポリピペラジン;ポリベンズイミダゾリン;ポリスルホン;ポリオール;ポリアクリロニトリル;ポリエーテルスルホン;ポリスルホン;ポリ(フタルアジノンエーテルスルホンケトン;ポリ(ビニルブチラール);ポリフッ化ビニリデン;ポリ(テトラフルオロエチレン);ポリプロピレン;ポリエチレン;及びポリエーテルエーテルケトンから選択される、前記項のいずれか一項に記載の方法。
【0051】
12.膜形成ポリマーが、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、又はポリエチレンから選択される、前記項のいずれか一項に記載の方法。
【0052】
13.工程(a)で使用される溶媒が、DMF、NMP、ジメチルアセトアミド、アセトン、DMSO、又はTHFであるか、又はそれを含む、前記項のいずれか一項に記載の方法。
【0053】
14.工程(a)で調製された混合物が、非溶媒も含む、前記項のいずれか一項に記載の方法。
【0054】
15.非溶媒が、水又はアルコールである、前記項14に記載の方法。
【0055】
16.工程(a)で調製された混合物が、1つ以上の公知の細孔形成添加剤をも含む、前記項のいずれか一項に記載の方法。
【0056】
17.工程(b)が、工程(a)で生成した混合物を、ポリマーが不溶性である媒体中に浸漬することを含む、前記項のいずれか一項に記載の方法。
【0057】
18.工程(b)で得られた膜に引き続いてコーティングを施す、前記項のいずれか一項に記載の方法。
【0058】
19.前記項のいずれか一項に記載の方法により製造可能な膜。
【0059】
20.ナノろ過膜又は逆浸透膜である前記項19に記載の膜。