(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6921081
(24)【登録日】2021年7月29日
(45)【発行日】2021年8月18日
(54)【発明の名称】共通バーストを利用する時分割複信キャリアにおける遅延した制御フィードバック
(51)【国際特許分類】
H04W 28/06 20090101AFI20210805BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20210805BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20210805BHJP
H04W 72/12 20090101ALI20210805BHJP
【FI】
H04W28/06 110
H04W28/04 110
H04W72/04 131
H04W72/12
【請求項の数】88
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2018-528947(P2018-528947)
(86)(22)【出願日】2016年10月5日
(65)【公表番号】特表2019-504542(P2019-504542A)
(43)【公表日】2019年2月14日
(86)【国際出願番号】US2016055590
(87)【国際公開番号】WO2017099877
(87)【国際公開日】20170615
【審査請求日】2019年9月19日
(31)【優先権主張番号】62/264,801
(32)【優先日】2015年12月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/274,738
(32)【優先日】2016年9月23日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・ツェン
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナ・キラン・ムッカヴィリ
(72)【発明者】
【氏名】ティンファン・ジ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ビナミラ・ソリアガ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・プイ・ロク・アン
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ジアン
(72)【発明者】
【氏名】タオ・ルオ
(72)【発明者】
【氏名】ナガ・ブーシャン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・エドワード・スミー
【審査官】
松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−517383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スケジューリングエンティティが下位エンティティと通信するためのワイヤレス通信の方法であって、前記方法が、
前記下位エンティティによってアップリンク確認応答(ACK)送信が送信されるための構成可能な遅延を決定するステップであって、前記下位エンティティは、第1のサブフレームと第2のサブフレームとを備える複数のサブフレームを利用し、前記構成可能な遅延は、前記第2のサブフレームにおいて前記アップリンクACKを送信する前に、前記下位エンティティが前記第1のサブフレームにおいてダウンリンクデータパケットを処理するために利用可能な整数個のサブフレームに対応する、ステップと、
前記複数のサブフレームのうちの前記第1のサブフレームのリソースの許可を前記下位エンティティへ送信するステップであって、前記許可が、前記構成可能な遅延を示す、ステップと、
前記リソースを使用して前記第1のサブフレームの間に前記ダウンリンクデータパケットを前記下位エンティティへ送信するステップと、
前記構成可能な遅延に従って前記複数のサブフレームのうちの前記第2のサブフレームの間に前記下位エンティティから前記アップリンクACKを受信するステップと
を備える、方法。
【請求項2】
前記構成可能な遅延を決定するステップが、チャネル条件に基づいて、2つ以上の下位エンティティに対する異なる構成可能な遅延をそれぞれ決定するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが、1つまたは複数のサブフレームによって分離される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが同じサブフレームである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記リソースの許可が送信されるとき、前記アップリンクACKの前記送信のために前記下位エンティティが利用するためのリソースが指定される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のサブフレームが、時分割複信サブフレームを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
スケジューリングエンティティが下位エンティティと通信するためのワイヤレス通信の方法であって、前記方法が、
前記下位エンティティへ前記スケジューリングエンティティによって制御情報送信が送信されるための構成可能な遅延を決定するステップであって、前記下位エンティティは、第1のサブフレームと第2のサブフレームとを備える複数のサブフレームを利用し、前記構成可能な遅延は、前記第2のサブフレームにおいて前記制御情報送信を送信する前に、前記スケジューリングエンティティが前記第1のサブフレームにおいて前記下位エンティティから受信されたデータパケットを処理するために利用可能な整数個のサブフレームに対応する、ステップと、
前記下位エンティティから、前記第1のサブフレームの間に前記データパケットを受信するステップと、
前記構成可能な遅延に従って前記第2のサブフレームの間に前記制御情報送信を前記下位エンティティへ送信するステップであって、前記制御情報送信が、前記データパケットに基づいた前記第2のサブフレームのリソースの許可を備える、ステップと
を備える、方法。
【請求項10】
前記構成可能な遅延に対応する時間期間の間に、前記下位エンティティから受信された前記データパケットに含まれるアップリンクデータパケットを処理するとともに前記制御情報送信に含まれるダウンリンク確認応答(ACK)の内容を決定するステップをさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記構成可能な遅延を決定するステップが、チャネル条件に基づいて、2つ以上の下位エンティティに対する異なる構成可能な遅延をそれぞれ決定するステップを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが、1つまたは複数のサブフレームによって分離される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが同じサブフレームである、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記制御情報送信が、下位エンティティ用のスケジューリング情報を備え、前記データパケットが、前記下位エンティティを含む下位エンティティのセットから受信された制御情報を備え、前記方法が、
前記第1のサブフレームの間に共通アップリンクバーストの中で前記下位エンティティのセットから前記制御情報を受信するステップと、
前記構成可能な遅延に対応する時間期間の間に、前記受信された制御情報を処理するとともに前記受信された制御情報に基づいて前記下位エンティティの前記スケジューリング情報を決定するステップと、
前記構成可能な遅延に従って前記第2のサブフレームの間に前記スケジューリング情報を前記下位エンティティへ送信するステップと
をさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のサブフレームが、時分割複信サブフレームを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
スケジューリングエンティティが下位エンティティと通信するためのワイヤレス通信の方法であって、前記方法が、
前記下位エンティティがリソースの許可または割当てを適用するための構成可能な遅延を決定するステップであって、前記下位エンティティは、第1のサブフレームと第2のサブフレームとを備える複数のサブフレームを利用し、前記構成可能な遅延は、前記第2のサブフレームにおいて前記リソースを利用するように前記下位エンティティのトランシーバを構成する前に、前記下位エンティティが前記第1のサブフレームにおいて前記許可または割当てを処理するために利用可能な整数個のサブフレームに対応する、ステップと、
前記第1のサブフレームにおいて、前記構成可能な遅延と前記第2のサブフレームのデータ部分においてダウンリンクデータを送信するためのリソースとを示す前記リソースの許可または割当てを前記下位エンティティへ送信するステップと、
前記第2のサブフレームにおいて、前記構成可能な遅延に従って前記第2のサブフレームの前記データ部分において前記リソースを利用して前記下位エンティティと通信するステップと
を備える、方法。
【請求項19】
前記構成可能な遅延を決定するステップが、チャネル条件に基づいて、2つ以上の下位エンティティに対する異なる構成可能な遅延をそれぞれ決定するステップを備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備える、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備える、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが、1つまたは複数のサブフレームによって分離される、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが同じサブフレームである、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記複数のサブフレームが、時分割複信サブフレームを備える、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
ワイヤレス通信のための装置であって、
1つまたは複数の下位エンティティと通信するように構成された通信インターフェースであって、前記下位エンティティは、第1のサブフレームと第2のサブフレームとを備える複数のサブフレームを利用する、通信インターフェースと、
実行可能コードを備えるメモリと、
前記通信インターフェースおよびメモリに動作可能に結合されたプロセッサとを備え、
前記プロセッサが、前記実行可能コードによって、
下位エンティティによってアップリンク確認応答(ACK)送信が送信されるための構成可能な遅延を決定することであって、前記構成可能な遅延は、前記第2のサブフレームにおいて前記アップリンクACKを送信する前に、前記下位エンティティが前記第1のサブフレームにおいてダウンリンクデータパケットを処理するために利用可能な整数個のサブフレームに対応する、ことと、
前記複数のサブフレームのうちの前記第1のサブフレームのリソースの許可を前記下位エンティティへ送信するためのことであって、前記許可が、前記構成可能な遅延を示す、ことと、
前記リソースを使用して前記第1のサブフレームの間に前記ダウンリンクデータパケットを前記下位エンティティへ送信することと、
前記構成可能な遅延に従って前記複数のサブフレームのうちの前記第2のサブフレームの間に前記下位エンティティから前記アップリンクACKを受信することと
を行うように構成される、装置。
【請求項26】
前記プロセッサが、チャネル条件に基づいて、2つ以上の下位エンティティに対する異なる構成可能な遅延をそれぞれ決定するようにさらに構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備える、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備える、請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが、1つまたは複数のサブフレームによって分離される、請求項25に記載の装置。
【請求項30】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが同じサブフレームである、請求項25に記載の装置。
【請求項31】
前記リソースの許可が送信されるとき、前記アップリンクACKの前記送信のために前記下位エンティティが利用するためのリソースが指定される、請求項25に記載の装置。
【請求項32】
前記複数のサブフレームが、時分割複信サブフレームを備える、請求項25に記載の装置。
【請求項33】
ワイヤレス通信のための装置であって、
1つまたは複数の下位エンティティと通信するように構成された通信インターフェースであって、前記下位エンティティは、第1のサブフレームと第2のサブフレームとを備える複数のサブフレームを利用する、通信インターフェースと、
実行可能コードを備えるメモリと、
前記通信インターフェースおよびメモリに動作可能に結合されたプロセッサとを備え、
前記プロセッサが、前記実行可能コードによって、
下位エンティティへ前記装置によって制御情報送信が送信されるための構成可能な遅延を決定することであって、前記構成可能な遅延は、前記第2のサブフレームにおいて前記制御情報送信を送信する前に、前記装置が前記第1のサブフレームにおいて前記下位エンティティから受信されたデータパケットを処理するために利用可能な整数個のサブフレームに対応する、ことと、
前記第1のサブフレームの間に前記下位エンティティから前記データパケットを受信することと、
前記構成可能な遅延に従って前記第2のサブフレームの間に前記制御情報送信を前記下位エンティティへ送信することであって、前記制御情報送信が、前記データパケットに基づいた前記第2のサブフレームのリソースの許可を備える、ことと
を行うように構成される、装置。
【請求項34】
前記プロセッサが、
前記構成可能な遅延に対応する時間期間の間に、前記下位エンティティから受信された前記データパケットに含まれるアップリンクデータパケットを処理するとともに前記制御情報送信に含まれるダウンリンク確認応答(ACK)の内容を決定するようにさらに構成される、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記プロセッサが、チャネル条件に基づいて、2つ以上の下位エンティティに対する異なる構成可能な遅延をそれぞれ決定するようにさらに構成される、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記第1のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備える、請求項34に記載の装置。
【請求項37】
前記第1のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備える、請求項34に記載の装置。
【請求項38】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが、1つまたは複数のサブフレームによって分離される、請求項34に記載の装置。
【請求項39】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが同じサブフレームである、請求項34に記載の装置。
【請求項40】
前記制御情報送信が、下位エンティティ用のスケジューリング情報を備え、前記データパケットが、前記下位エンティティを含む下位エンティティのセットから受信された制御情報を備え、前記プロセッサが、
前記第1のサブフレームの間に共通アップリンクバーストの中で前記下位エンティティのセットから前記制御情報を受信することと、
前記構成可能な遅延に対応する時間期間の間に、前記受信された制御情報を処理するとともに前記受信された制御情報に基づいて前記下位エンティティの前記スケジューリング情報を決定することと、
前記構成可能な遅延に従って前記第2のサブフレームの間に前記スケジューリング情報を前記下位エンティティへ送信することと
をさらに行うように構成される、請求項33に記載の装置。
【請求項41】
前記複数のサブフレームが、時分割複信サブフレームを備える、請求項33に記載の装置。
【請求項42】
ワイヤレス通信のための装置であって、
1つまたは複数の下位エンティティと通信するように構成された通信インターフェースであって、前記下位エンティティは、第1のサブフレームと第2のサブフレームとを備える複数のサブフレームを利用する、通信インターフェースと、
実行可能コードを備えるメモリと、
前記通信インターフェースおよびメモリに動作可能に結合されたプロセッサとを備え、
前記プロセッサが、前記実行可能コードによって、
下位エンティティがリソースの許可または割当てを適用するための構成可能な遅延を決定することであって、前記構成可能な遅延は、前記第2のサブフレームにおいて前記リソースを利用するように前記下位エンティティのトランシーバを構成する前に、前記下位エンティティが前記第1のサブフレームにおいて前記許可または割当てを処理するために利用可能な整数個のサブフレームに対応する、ことと、
前記第1のサブフレームにおいて、前記構成可能な遅延と前記第2のサブフレームのデータ部分においてダウンリンクデータを送信するためのリソースとを示す前記リソースの許可または割当てを前記下位エンティティへ送信することと、
前記第2のサブフレームにおいて、前記構成可能な遅延に従って前記第2のサブフレームの前記データ部分において前記リソースを利用して前記下位エンティティと通信することと
を行うように構成される、装置。
【請求項43】
前記プロセッサが、チャネル条件に基づいて、2つ以上の下位エンティティに対する異なる構成可能な遅延をそれぞれ決定するようにさらに構成される、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備える、請求項42に記載の装置。
【請求項45】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備える、請求項42に記載の装置。
【請求項46】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが、1つまたは複数のサブフレームによって分離される、請求項42に記載の装置。
【請求項47】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが同じサブフレームである、請求項42に記載の装置。
【請求項48】
前記複数のサブフレームが、時分割複信サブフレームを備える、請求項42に記載の装置。
【請求項49】
ユーザ機器(UE)がスケジューリングエンティティと通信するためのワイヤレス通信の方法であって、前記方法が、
第1のサブフレームと第2のサブフレームとを備える複数のサブフレームのうちの前記第1のサブフレームにおいて、前記第1のサブフレームのリソースの許可を前記スケジューリングエンティティから受信するステップであって、前記許可が、前記第2のサブフレームにおいてアップリンク確認応答(ACK)送信を送信する前に、前記UEが前記第1のサブフレームにおいてダウンリンクデータパケットを処理するために利用可能な整数個のサブフレームに対応する構成可能な遅延を示す、ステップと、
前記リソースを使用して前記第1のサブフレームの間に前記スケジューリングエンティティから前記ダウンリンクデータパケットを受信するステップと、
前記構成可能な遅延に従って前記複数のサブフレームのうちの前記第2のサブフレームの間に前記スケジューリングエンティティへ前記アップリンクACKを送信するステップと
を備える、方法。
【請求項50】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備える、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備える、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが、1つまたは複数のサブフレームによって分離される、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが同じサブフレームである、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記リソースの許可が送信されるとき、前記アップリンクACKの前記送信のために前記UEが利用するためのリソースが指定される、請求項49に記載の方法。
【請求項55】
前記複数のサブフレームが、時分割複信サブフレームを備える、請求項49に記載の方法。
【請求項56】
ユーザ機器(UE)がスケジューリングエンティティと通信するためのワイヤレス通信の方法であって、前記方法が、
第1のサブフレームと第2のサブフレームとを備える複数のサブフレームのうちの前記第1のサブフレームにおいて、データパケットを前記スケジューリングエンティティへ送信するステップと、
前記スケジューリングエンティティによって構成された構成可能な遅延に従って前記複数のサブフレームのうちの前記第2のサブフレームの間に前記スケジューリングエンティティから制御情報を受信するステップであって、前記構成可能な遅延が、前記スケジューリングエンティティが、前記第2のサブフレームにおいて前記UEへ前記制御情報を送信する前に、前記第1のサブフレームにおいて前記UEによって送信された前記データパケットを処理するために利用可能な整数個のサブフレームに対応し、前記制御情報が、前記データパケットに基づいた前記第2のサブフレームのリソースの許可を備える、ステップと、
を備える、方法。
【請求項57】
前記第1のサブフレームの間に前記スケジューリングエンティティへ前記データパケットに含まれるアップリンクデータパケットを送信するステップと、
前記構成可能な遅延に従って前記第2のサブフレームの間に前記制御情報に含まれるダウンリンク確認応答(ACK)を受信するステップとをさらに備える、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記第1のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備える、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記第1のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備える、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが、1つまたは複数のサブフレームによって分離される、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが同じサブフレームである、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
前記複数のサブフレームが、時分割複信サブフレームを備える、請求項56に記載の方法。
【請求項63】
下位エンティティが第1のサブフレームと第2のサブフレームとを備える複数のサブフレームを利用してスケジューリングエンティティと通信するためのワイヤレス通信の方法であって、前記方法が、
前記第1のサブフレームにおいて、リソースの許可または割当てを前記スケジューリングエンティティから受信するステップであって、前記許可または割当てが、前記第2のサブフレームのデータ部分においてダウンリンクデータを受信するための前記リソースと、前記下位エンティティが、前記第2のサブフレームにおいて前記リソースを利用するように前記下位エンティティのトランシーバを構成する前に、前記第1のサブフレームにおいて前記リソースの許可または割当てを処理するために利用可能な整数個のサブフレームに対応する構成可能な遅延とを示す、ステップと、
前記第2のサブフレームにおいて、前記構成可能な遅延に従って前記第2のサブフレームの前記データ部分において前記リソースを利用して前記スケジューリングエンティティと通信するステップと
を備える、方法。
【請求項64】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備える、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備える、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが、1つまたは複数のサブフレームによって分離される、請求項63に記載の方法。
【請求項67】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが同じサブフレームである、請求項63に記載の方法。
【請求項68】
前記複数のサブフレームが、時分割複信サブフレームを備える、請求項63に記載の方法。
【請求項69】
ワイヤレス通信のためのユーザ機器(UE)であって、
第1のサブフレームと第2のサブフレームとを備える複数のサブフレームを利用してスケジューリングエンティティと通信するように構成された通信インターフェースと、
実行可能コードを備えるメモリと、
前記通信インターフェースおよびメモリに動作可能に結合されたプロセッサとを備え、
前記プロセッサが、前記実行可能コードによって、
前記第1のサブフレームにおいて、前記第1のサブフレームのリソースの許可を前記スケジューリングエンティティから受信することであって、前記許可が、前記第2のサブフレームにおいてアップリンク確認応答(ACK)送信を送信する前に、前記UEが前記第1のサブフレームにおいてダウンリンクデータパケットを処理するために利用可能な整数個のサブフレームに対応する構成可能な遅延を示す、ことと、
前記リソースを使用して前記第1のサブフレームの間に前記スケジューリングエンティティから前記ダウンリンクデータパケットを受信することと、
前記構成可能な遅延に従って前記第2のサブフレームの間に前記スケジューリングエンティティへ前記アップリンクACKを送信することと
を行うように構成される、UE。
【請求項70】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備える、請求項69に記載のUE。
【請求項71】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備える、請求項69に記載のUE。
【請求項72】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが、1つまたは複数のサブフレームによって分離される、請求項69に記載のUE。
【請求項73】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが同じサブフレームである、請求項69に記載のUE。
【請求項74】
前記リソースの許可が送信されるとき、前記アップリンクACKの前記送信のために前記UEが利用するためのリソースが指定される、請求項69に記載のUE。
【請求項75】
前記複数のサブフレームが、時分割複信サブフレームを備える、請求項69に記載のUE。
【請求項76】
ワイヤレス通信のためのユーザ機器(UE)であって、
第1のサブフレームと第2のサブフレームとを備える複数のサブフレームを利用してスケジューリングエンティティと通信するように構成された通信インターフェースと、
実行可能コードを備えるメモリと、
前記通信インターフェースおよびメモリに動作可能に結合されたプロセッサとを備え、
前記プロセッサが、前記実行可能コードによって、
前記第1のサブフレームにおいて、データパケットを前記スケジューリングエンティティへ送信することと、
前記スケジューリングエンティティによって構成された構成可能な遅延に従って前記第2のサブフレームの間に前記スケジューリングエンティティから制御情報を受信することであって、前記構成可能な遅延が、前記スケジューリングエンティティが、前記第2のサブフレームにおいて前記UEへ前記制御情報を送信する前に、前記第1のサブフレームにおいて前記UEによって送信された前記データパケットを処理するために利用可能な整数個のサブフレームに対応し、前記制御情報が、前記データパケットに基づいた前記第2のサブフレームのリソースの許可を備える、ことと、
を行うように構成される、UE。
【請求項77】
前記第1のサブフレームの間に前記スケジューリングエンティティへ前記データパケットに含まれるアップリンクデータパケットを送信することと、
前記構成可能な遅延に従って前記第2のサブフレームの間に前記制御情報に含まれるダウンリンク確認応答(ACK)を受信することとを行うようにさらに構成される、請求項76に記載のUE。
【請求項78】
前記第1のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備える、請求項77に記載のUE。
【請求項79】
前記第1のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備える、請求項77に記載のUE。
【請求項80】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが、1つまたは複数のサブフレームによって分離される、請求項77に記載のUE。
【請求項81】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが同じサブフレームである、請求項77に記載のUE。
【請求項82】
前記複数のサブフレームが、時分割複信サブフレームを備える、請求項76に記載のUE。
【請求項83】
ワイヤレス通信のためのユーザ機器(UE)であって、
第1のサブフレームと第2のサブフレームとを備える複数のサブフレームを利用してスケジューリングエンティティと通信するように構成された通信インターフェースと、
実行可能コードを備えるメモリと、
前記通信インターフェースおよびメモリに動作可能に結合されたプロセッサとを備え、
前記プロセッサが、前記実行可能コードによって、
前記第1のサブフレームにおいて、リソースの許可または割当てを前記スケジューリングエンティティから受信することであって、前記許可または割当てが、前記第2のサブフレームのデータ部分においてダウンリンクデータを受信するための前記リソースと、前記UEが、前記第2のサブフレームにおいて前記リソースを利用するように前記通信インターフェースを構成する前に、前記第1のサブフレームにおいて前記許可または割当てを処理するために利用可能な整数個のサブフレームに対応する構成可能な遅延とを示す、ことと、
前記第2のサブフレームにおいて、前記構成可能な遅延に従って前記第2のサブフレームの前記データ部分において前記リソースを利用して前記スケジューリングエンティティと通信することと
を行うように構成される、UE。
【請求項84】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備える、請求項83に記載のUE。
【請求項85】
前記第1のサブフレームがダウンリンクセントリックサブフレームを備え、前記第2のサブフレームがアップリンクセントリックサブフレームを備える、請求項83に記載のUE。
【請求項86】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが、1つまたは複数のサブフレームによって分離される、請求項83に記載のUE。
【請求項87】
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが同じサブフレームである、請求項83に記載のUE。
【請求項88】
前記複数のサブフレームが、時分割複信サブフレームを備える、請求項83に記載のUE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、本出願の譲受人に譲渡され、以下に完全に記載されるかのように、またすべての適用可能な目的のために参照により本明細書に明確に組み込まれる、2015年12月8日に出願された「DELAYED CONTROL FEEDBACK IN A TIME DIVISION DUPLEX CARRIER UTILIZING COMMON BURSTS」と題する係属中の米国仮出願第62/264,801号、および2016年9月23日に出願された「DELAYED CONTROL FEEDBACK IN A TIME DIVISION DUPLEX CARRIER UTILIZING COMMON BURSTS」と題する米国非仮出願第15/274,738号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、ワイヤレス通信システムに関し、より詳細には、共通バーストを含むサブフレーム構造を有する時分割複信(TDD)キャリアを利用するワイヤレス通信デバイスにおける処理タイムラインを緩和するための、物理レイヤACKフィードバック、スケジューリング決定、およびスケジューリング許可の適用における、遅延に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信システムは、電話、ビデオ、データ、メッセージング、およびブロードキャストなどの、様々な電気通信サービスを提供するために広く展開されている。一般のワイヤレス通信システムは、利用可能なシステムリソース(たとえば、帯域幅、送信電力)を共有することによって複数のユーザとの通信をサポートすることが可能な多元接続技術を採用し得る。そのような多元接続技術の例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)システム、および時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)を含む。
【0004】
これらの多元接続技術は、異なるワイヤレスデバイスが都市、国家、地域、さらには地球レベルで通信することを可能にする共通プロトコルを提供するために、様々な電気通信規格において採用されている。電気通信規格の例は、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE-Advanced、およびLTE-Advanced Proを含み、それらは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって公表されるユニバーサル移動電気通信システム(UMTS)モバイル規格への拡張のセットを含む。LTEおよびその変形態は、ダウンリンク(DL)上のOFDMA、アップリンク(UL)上のSC-FDMA、および多入力多出力(MIMO)アンテナ技術を使用して、スペクトル効率を改善し、コストを下げ、サービスを改善し、新たなスペクトルを利用し、他のオープン規格とより良好に統合することによって、モバイルブロードバンドインターネットアクセスをより良好にサポートするように設計される。しかしながら、モバイルブロードバンドアクセスに対する需要が増大し続けるにつれて、多元接続技術のさらなる改善に対する必要性が存在する。好ましくは、これらの改善は、そのような技術を採用する、既存および開発中の多重アクセス技術および電気通信規格に適用可能であるべきである。
【0005】
しかしながら、モバイルブロードバンドアクセスに対する需要が増大し続けるにつれて、多元接続技術のさらなる改善に対する必要性が存在する。たとえば、多元接続技術を採用するワイヤレス通信ネットワークに割り振られたスペクトルは、多くの既存の周波数分割複信(FDD)システムにおいて利用されるペアにされたキャリアが利用可能ではなく、または整合する帯域幅構成では利用可能でないように割り振られている(または、割り振られると予想される)。したがって、ワイヤレス通信システムのための多くの将来の展開において、時分割複信(TDD)キャリアが利用されることが予想される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下のことは、本開示の1つまたは複数の態様の基本的理解を与えるために、そのような態様の簡略化された概要を提示する。本概要は、本開示のすべての企図される特徴の広範な概要でなく、本開示のすべての態様の主要または重要な要素を識別するものでも、本開示のいずれかまたはすべての態様の範囲を定めるものでもない。その唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明の前置きとして、本開示の1つまたは複数の態様のいくつかの概念を簡略化された形態で提示することである。
【0007】
本開示の様々な態様は、必要とされるとき、構成可能な遅延を利用して処理タイムラインを緩和することができる時分割複信(TDD)ワイヤレス通信システムを実施するための装置、方法、およびソフトウェアを提供する。これらの構成可能な遅延を実施することによって、低減されたまたはより重要でない処理機能を有し得るデバイス向けのより低いデータレートと同時に、極めて高いデータレートが受け入れられ得る。
【0008】
本開示の一態様は、スケジューリングエンティティが、複数のサブフレームを含む時分割複信(TDD)キャリアを利用して1つまたは複数の下位エンティティのセットと通信するための、同期ネットワークにおけるワイヤレス通信の方法を提供する。方法は、下位エンティティによってアップリンク確認応答(ACK)送信が送信されるための遅延を決定する。遅延は、アップリンクACKを送信する前に、下位エンティティがダウンリンクデータパケットを処理するために利用可能な時間量に対応する。方法は、第1のサブフレームの間に制御チャネル送信を利用して、決定された遅延を下位エンティティへ送信する。方法は、第1のサブフレームの間にダウンリンクデータパケットを下位エンティティへさらに送信する。方法はまた、遅延に従って第2のサブフレームの間に下位エンティティからアップリンクACKを受信する。
【0009】
本開示の別の態様は、スケジューリングエンティティが、複数のサブフレームを含むTDDキャリアを利用して1つまたは複数の下位エンティティのセットと通信するための、同期ネットワークにおけるワイヤレス通信の方法を提供する。方法は、スケジューリングエンティティによって制御情報送信が送信されるための遅延を決定する。遅延は、第2のサブフレームの中で制御情報送信を送信する前に、スケジューリングエンティティが第1のサブフレームのデータパケットを処理するために利用可能な時間量に対応する。方法は、遅延に従って第2のサブフレームの間に制御情報を下位エンティティへさらに送信する。
【0010】
本開示の別の態様は、スケジューリングエンティティが、複数のサブフレームを含むTDDキャリアを利用して1つまたは複数の下位エンティティのセットと通信するための、同期ネットワークにおけるワイヤレス通信の方法を提供する。方法は、下位エンティティがリソースの許可または割当てを適用するための遅延を決定する。遅延は、許可済みまたは割当て済みのリソースを利用するようにトランシーバを構成する前に、下位エンティティが許可または割当てを処理するために利用可能な時間量に対応する。方法は、制御チャネル送信を利用して、決定された遅延を下位エンティティへさらに送信する。方法は、第1のサブフレームの間にリソースの許可または割当てを下位エンティティへさらに送信し、遅延に従って第2のサブフレームの間に許可済みまたは割当て済みのリソースを利用して下位エンティティと通信する。
【0011】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、通信インターフェースと、実行可能コードが記憶されたメモリと、通信インターフェースおよびメモリに動作可能に結合されたプロセッサとを含む。通信インターフェースは、同期ネットワークにおけるTDDキャリアを利用して、1つまたは複数の下位エンティティのセットと通信するように構成され、TDDキャリアは複数のサブフレームを含む。プロセッサは、実行可能コードによって、下位エンティティによってアップリンク確認応答(ACK)送信が送信されるための遅延を決定するように構成される。遅延は、アップリンクACKを送信する前に、下位エンティティがダウンリンクデータパケットを処理するために利用可能な時間量に対応する。プロセッサは、第1のサブフレームの間に制御チャネル送信を利用して、決定された遅延を下位エンティティへ送信するようにさらに構成される。プロセッサは、第1のサブフレームの間にダウンリンクデータパケットを下位エンティティへ送信するようにさらに構成される。プロセッサは、遅延に従って第2のサブフレームの間に下位エンティティからアップリンクACKを受信するようにさらに構成される。
【0012】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、通信インターフェースと、実行可能コードが記憶されたメモリと、通信インターフェースおよびメモリに動作可能に結合されたプロセッサとを含む。通信インターフェースは、同期ネットワークにおけるTDDキャリアを利用して、1つまたは複数の下位エンティティのセットと通信するように構成される。TDDキャリアは、複数のサブフレームを含む。プロセッサは、実行可能コードによって、装置によって制御情報送信が送信されるための遅延を決定するように構成される。遅延は、第2のサブフレームの中で制御情報送信を送信する前に、装置が第1のサブフレームのデータパケットを処理するために利用可能な時間量に対応する。装置は、遅延に従って第2のサブフレームの間に制御情報を下位エンティティへ送信するようにさらに構成される。
【0013】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、通信インターフェースと、実行可能コードが記憶されたメモリと、通信インターフェースおよびメモリに動作可能に結合されたプロセッサとを含む。通信インターフェースは、同期ネットワークにおけるTDDキャリアを利用して、1つまたは複数の下位エンティティのセットと通信するように構成される。TDDキャリアは、複数のサブフレームを含む。プロセッサは、実行可能コードによって、下位エンティティがリソースの許可または割当てを適用するための遅延を決定するように構成される。遅延は、許可済みまたは割当て済みのリソースを利用するようにトランシーバを構成する前に、下位エンティティが許可または割当てを処理するために利用可能な時間量に対応する。プロセッサは、制御チャネル送信を利用して、決定された遅延を下位エンティティへ送信するようにさらに構成される。プロセッサは、第1のサブフレームの間にリソースの許可または割当てを下位エンティティへ送信し、遅延に従って第2のサブフレームの間に許可済みまたは割当て済みのリソースを利用して下位エンティティと通信するようにさらに構成される。
【0014】
以下の詳細な説明を検討すれば、本発明のこれらおよび他の態様がより十分に理解されよう。添付の図とともに本発明の特定の例示的な実施形態の以下の説明を検討すれば、本発明の他の態様、特徴、および実施形態が当業者に明らかとなろう。本発明の特徴は、以下のいくつかの実施形態および図に対して説明されることがあるが、本発明のすべての実施形態は、本明細書で説明する有利な特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。言い換えれば、1つまたは複数の実施形態がいくつかの有利な特徴を有するものとして説明されることがあるが、そのような特徴のうちの1つまたは複数はまた、本明細書で説明する本発明の様々な実施形態に従って使用され得る。同様に、例示的な実施形態がデバイス実施形態、システム実施形態、または方法実施形態として以下で説明されることがあるが、そのような例示的な実施形態が、様々なデバイス、システム、および方法で実施され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】ネットワークアーキテクチャの一例を示す図である。
【
図2】本開示のいくつかの態様による、1つまたは複数の下位エンティティと通信しているスケジューリングエンティティの一例を概念的に示すブロック図である。
【
図3】本開示のいくつかの態様による、処理システムを採用するスケジューリングエンティティのためのハードウェア実装形態の一例を示すブロック図である。
【
図4】本開示のいくつかの態様による、処理システムを採用する下位エンティティのためのハードウェア実装形態の一例を示すブロック図である。
【
図5】いくつかのアクセスネットワークにおいて使用され得るアップリンクセントリック(uplink-centric)サブフレームおよびダウンリンクセントリック(downlink-centric)サブフレームの構造を示す図である。
【
図6】いくつかのアクセスネットワークにおいて使用され得る自己完結型(self-contained)サブフレームのいくつかの例の構造を示す図である。
【
図7】本開示のいくつかの態様による、共通バーストを含むサブフレームの構造を示す図である。
【
図8】本開示のいくつかの態様による、遅延したアップリンクACKを実施するTDDフレーム構造の例を示す図である。
【
図9】本開示のいくつかの態様による、遅延したアップリンクACKを実施するためのプロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図10】本開示のいくつかの態様による、遅延したダウンリンクACKを実施するTDDフレーム構造の例を示す図である。
【
図11】本開示のいくつかの態様による、遅延したダウンリンクACKを実施するためのプロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図12】本開示のいくつかの態様による、遅延したスケジューリング決定を実施するTDDフレーム構造の一例を示す図である。
【
図13】本開示のいくつかの態様による、遅延したスケジューリング決定を実施するためのプロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図14】本開示のいくつかの態様による、被スケジューリングリソースのスケジューリング許可または割当ての遅延した適用を実施するTDDフレーム構造の例を示す図である。
【
図15】本開示のいくつかの態様による、被スケジューリングリソースのスケジューリング許可または割当ての遅延した適用を実施するためのプロセスの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付の図面に関して以下に記載する詳細な説明は、様々な構成の説明として意図され、本明細書で説明する概念が実践され得る唯一の構成を表すものではない。発明を実施するための形態は、様々な概念の完全な理解を与える目的で、具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの概念がこれらの具体的な詳細なしに実践され得ることが、当業者には明らかであろう。いくつかの事例では、そのような概念を不明瞭にすることを避けるために、よく知られている構造および構成要素がブロック図の形態で示される。
【0017】
本開示の様々な態様は、時分割複信(TDD)ワイヤレス通信システムにおいて必要とされるとき、いくつかの構成可能な遅延を実施して処理タイムラインを緩和するための装置、方法、およびソフトウェアを提供する。これらの構成可能な遅延を実施することによって、低減されたまたはより重要でない処理機能を有し得るデバイス向けのより低いデータレートと同時に、極めて高いデータレートが受け入れられ得る。本開示の様々な態様では、物理レイヤACKフィードバック送信を構成するためのデータパケットの処理および/または送信までの時間が、構成可能な時間量だけ遅延され得る。本開示のさらなる態様では、基地局がデバイスのためのスケジューリングをそれらのデバイスから受信された制御情報に基づいて決定するまでの時間が、構成可能な時間量だけ遅延または拡張され得る。本開示のまたさらなる態様では、デバイスが被スケジューリングリソースのスケジューリング許可または割当てを処理するまでの時間が、構成可能な時間量だけ遅延または拡張され得る。
【0018】
電気通信システムのいくつかの態様が、次に様々な装置および方法を参照しながら提示される。これらの装置および方法は、以下の詳細な説明において説明され、様々なブロック、モジュール、構成要素、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなど(「要素」と総称される)によって添付の図面に示される。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれらの任意の組合せを使用して実装され得る。そのような要素がハードウェアとして実装されるのか、それともソフトウェアとして実装されるのかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
【0019】
本開示全体にわたって提示される様々な概念は、多種多様な電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格にわたって実施され得る。たとえば、3GPPは、しばしば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワークと呼ばれる、発展型パケットシステム(EPS)を含むネットワーク向けのいくつかのワイヤレス通信規格を定義する。LTEネットワークは、送信デバイスと受信デバイスとの間に50ms程度のエンドツーエンドレイテンシを提供することができ、特定のパケットに対するオーバージエアレイテンシは10msの範囲の中にある。現在知られているLTE機能は、1msの送信時間区間(TTI:transmission time interval)を使用して、少なくとも約8msのいくつかのフィードバックシグナリング(すなわち、ハイブリッド自動再送要求(HARQ:hybrid automatic repeat request)シグナリング)に対するラウンドトリップ時間(RTT:round trip time)をもたらす。ここで、TTIは、単独で復号され得る情報の単位に対する最小持続時間に相当し得る。
【0020】
第5世代(5G)ネットワークなどの推進中の次世代ネットワークは、限定はしないが、ウェブブラウジング、ビデオストリーミング、VoIP、ミッションクリティカルアプリケーション、マルチホップネットワーク、リアルタイムフィードバックを伴う遠隔操作(たとえば、遠隔手術または自動運転)などを含む、多くの異なるタイプのサービスまたはアプリケーションを提供し得る。これらの応用例の多くにおいて、フィードバック送信の処理および戻りのレイテンシを短縮できる改善が極めて望ましい。
【0021】
次に
図1を参照すると、限定はしないが例示的な例として、アクセスネットワーク100の簡略化された概略図が提供される。アクセスネットワーク100によってカバーされる地理的領域は、マクロセル102、104、および106、ならびにスモールセル108を含む、いくつかのセルラー領域(セル)に分割されてよく、その各々が1つまたは複数のセクタを含み得る。セルは、(たとえば、カバレージエリアによって)地理的に画定されてよく、かつ/または周波数、スクランブル符号などに従って定義されてよい。セクタに分割されるセルでは、セル内の複数のセクタはアンテナのグループによって形成されてよく、各アンテナがセルの一部分の中のモバイルデバイスとの通信を担当する。アクセスネットワーク100は、同期ネットワークであってよい。
【0022】
概して、無線トランシーバ装置は各セルをサービスする。無線トランシーバ装置は、通常、多くのワイヤレス通信システムにおいて基地局(BS)と呼ばれるが、当業者によって、トランシーバ基地局(BTS)、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、アクセスポイント(AP)、ノードB、eノードB、またはいくつかの他の好適な用語として呼ばれることもある。
【0023】
図1では、2つの大電力基地局110および112が、セル102および104の中に示され、リモートラジオヘッド(RRH:remote radio head)116を制御する第3の大電力基地局114が、セル106の中に示される。この例では、サイズが大きいセルを大電力基地局110、112、および114がサポートするので、セル102、104、および106はマクロセルと呼ばれることがある。さらに、1つまたは複数のマクロセルとオーバーラップすることがあるスモールセル108(たとえば、マイクロセル、ピコセル、フェムトセル、ホーム基地局、ホームノードB、ホームeノードBなど)の中に、小電力基地局118が示される。この例では、サイズが比較的小さいセルを小電力基地局118がサポートするので、セル108はスモールセルと呼ばれることがある。セルのサイズ決定は、システム設計ならびに構成要素の制約に従って行われ得る。アクセスネットワーク100が任意の数のワイヤレス基地局およびセルを含んでよいことを理解されたい。基地局110、112、114、118は、任意の数のモバイル装置にコアネットワークへのワイヤレスアクセスポイントを提供する。
【0024】
図1は、基地局として機能するように構成され得るクワッドコプターまたはドローン120をさらに含む。すなわち、いくつかの例では、セルは必ずしも固定とは限らないことがあり、セルの地理的エリアは、クワッドコプター120などのモバイル基地局のロケーションに従って移動することがある。
【0025】
いくつかの例では、基地局は、任意の好適なトランスポートネットワークを使用して、直接物理接続、仮想ネットワークなどの様々なタイプのバックホールインターフェースを通じて、互いに、かつ/またはアクセスネットワーク100における1つまたは複数の他の基地局またはネットワークノード(図示せず)に、相互接続され得る。
【0026】
複数のモバイル装置のためのワイヤレス通信をサポートするアクセスネットワーク100が図示される。モバイル装置は、通常、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって公表される規格および仕様ではユーザ機器(UE:user equipment)と呼ばれるが、当業者によって、移動局(MS)、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、移動加入者局、アクセス端末(AT)、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の好適な用語として呼ばれることもある。
【0027】
現在の文書内では、「モバイル」装置は、必ずしも移動するための機能を有する必要があるとは限らず、固定であってよい。モバイル装置のいくつかの非限定的な例は、モバイルフォン、セルラー(セル)フォン、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)フォン、ラップトップ、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートブック、ネットブック、スマートブック、タブレット、および携帯情報端末(PDA)を含む。モバイル装置は、追加として、自動車または他の輸送車両などの「モノのインターネット」(IoT)デバイス、衛星無線、全地球測位システム(GPS)デバイス、ロジスティックスコントローラ、ドローン、マルチコプター、クワッドコプター、あるいはアイウェア、ウェアラブルカメラ、スマートウォッチ、ヘルストラッカーまたはフィットネストラッカー、デジタルオーディオプレーヤ(たとえば、MP3プレーヤ)、カメラ、ゲーム機などの消費者デバイスおよび/または装着型デバイスなどであってよい。IoTデバイスは、追加として、ホームオーディオ、ビデオ、および/またはマルチメディアデバイスなどのデジタルホームデバイスもしくはスマートホームデバイス、アプライアンス、センサー、自動販売機、インテリジェント照明、ホームセキュリティシステム、スマートメーターなどであってよい。モバイル装置は、追加として、スマートエネルギーデバイスもしくはスマートセキュリティデバイス、ソーラーパネルもしくはソーラーアレイ、都市照明、水道、または他のインフラストラクチャ、あるいは産業オートメーションおよび企業デバイスなどであってよい。またさらに、モバイル装置は、遠隔医療支援、または遠方における健康管理を提供してよい。テレヘルスデバイスは、テレヘルス監視デバイスおよびテレヘルス管理デバイスを含んでよく、それらの通信は、たとえば、クリティカルサービスデータのトランスポート用の優先アクセス、および/またはクリティカルサービスデータのトランスポート用の関連するQoSの観点から、他のタイプの情報にまさる優先的待遇または優先アクセスが与えられ得る。
【0028】
アクセスネットワーク100内では、セルは、各セルの1つまたは複数のセクタと通信していることがあるUEを含み得る。たとえば、UE122および124は基地局110と通信していることがあり、UE126および128は基地局112と通信していることがあり、UE130および132はRRH116を経由して基地局114と通信していることがあり、UE134は小電力基地局118と通信していることがあり、UE136はモバイル基地局120と通信していることがある。ここで、各基地局110、112、114、118、および120は、それぞれのセルの中のすべてのUEにコアネットワーク(図示せず)へのアクセスポイントを提供するように構成され得る。
【0029】
別の例では、クワッドコプター120は、UEとして機能するように構成され得る。たとえば、クワッドコプター120は、基地局110と通信することによってセル102内で動作し得る。
【0030】
アクセスネットワーク100におけるエアインターフェースは、様々なデバイスの同時通信を可能にするために、1つまたは複数の多重化および多元接続アルゴリズムを利用し得る。たとえば、アップリンク(UL)用の多元接続、すなわち、UE122および124から基地局110への逆方向リンク送信は、時分割多元接続(TDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、または他の好適な多元接続方式を利用して行われ得る。さらに、ダウンリンク(DL)を多重化すること、すなわち、基地局110からUE122および124への順方向リンク送信は、時分割多重(TDM)、符号分割多重(CDM)、周波数分割多重(FDM)、直交周波数分割多重(OFDM)、または他の好適な多重化方式を利用して行われ得る。いくつかの例では、アクセスネットワーク100のデバイスは、多入力多出力(MIMO)アンテナ技術を利用し得る。
【0031】
アクセスネットワーク100内では、スケジューリングエンティティとのコール中、または任意の他の時間において、UEは、そのサービングセルからの信号の様々なパラメータ、ならびに隣接セルの様々なパラメータを監視し得る。さらに、これらのパラメータの品質に応じて、UEは、隣接セルのうちの1つまたは複数との通信を保守し得る。この時間中に、あるセルから別のセルにUEが移動する場合、または所与の時間量にわたって隣接セルからの信号品質がサービングセルからの信号品質を上回る場合、UEは、サービングセルから隣接(ターゲット)セルへのハンドオフまたはハンドオーバに着手し得る。たとえば、UE124は、そのサービングセル102に対応する地理的エリアから隣接セル106に対応する地理的エリアに移動することがある。所与の時間量にわたって隣接セル106からの信号強度または信号品質がそのサービングセル102の信号強度または信号品質を上回るとき、UE124は、この条件を示す報告メッセージをそのサービング基地局110へ送信し得る。それに応答して、UE124はハンドオーバコマンドを受信し得、UEはセル106にハンドオーバされ得る。
【0032】
いくつかの例では、エアインターフェースへのアクセスがスケジュールされてよく、スケジューリングエンティティ(たとえば、基地局)は、そのサービスエリアまたはセル内での一部または全部のデバイスおよび機器の間での通信用のリソースを割り振る。本開示内では、以下でさらに説明するように、スケジューリングエンティティは、1つまたは複数の下位エンティティ用のリソースをスケジュールすること、割り当てること、再構成すること、および解放することを担当し得る。すなわち、スケジュールされた通信に対して、下位エンティティは、スケジューリングエンティティによって割り振られたリソースを利用する。
【0033】
基地局は、スケジューリングエンティティとして機能し得る唯一のエンティティではない。すなわち、いくつかの例では、UEが、1つまたは複数の下位エンティティ(たとえば、1つまたは複数の他のUE)用のリソースをスケジュールするスケジューリングエンティティとして機能してよい。たとえば、UE140および142と通信するUE138が図示される。この例では、UE138がスケジューリングエンティティとして機能しており、UE140および142はUE138によってスケジュールされたリソースをワイヤレス通信のために利用する。UEは、ピアツーピア(P2P)ネットワークおよび/またはメッシュネットワークにおけるスケジューリングエンティティとして機能してよい。メッシュネットワーク例では、UE140および142は、スケジューリングエンティティ138と通信することに加えて、随意に互いに直接通信してよい。
【0034】
したがって、時間-周波数リソースへのスケジュール型アクセスを伴い、セルラー構成、P2P構成、およびメッシュ構成を有するワイヤレス通信ネットワークでは、スケジューリングエンティティおよび1つまたは複数の下位エンティティは、スケジュールされたリソースを利用して通信し得る。
【0035】
次に
図2を参照すると、ブロック図が、スケジューリングエンティティ202および複数の下位エンティティ204を示す。ここで、スケジューリングエンティティ202は、基地局110、112、114、および118に相当し得る。追加の例では、スケジューリングエンティティ202は、UE138、クワッドコプター120、またはアクセスネットワーク100における任意の他の好適なノードに相当し得る。同様に、様々な例では、下位エンティティ204は、UE122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、および142、またはアクセスネットワーク100における任意の他の好適なノードに相当し得る。
【0036】
図2に示すように、スケジューリングエンティティ202は、1つまたは複数の下位エンティティ204へデータ206をブロードキャストし得る(データはダウンリンクデータと呼ばれることがある)。本開示のいくつかの態様によれば、ダウンリンクという用語は、スケジューリングエンティティ202において発信するポイントツーマルチポイント送信を指すことがある。概して、スケジューリングエンティティ202は、ダウンリンク送信、およびいくつかの例では、1つまたは複数の下位エンティティからスケジューリングエンティティ202へのアップリンクデータ210を含む、ワイヤレス通信ネットワークにおけるトラフィックをスケジューリングすることを担当するノードまたはデバイスである。システムを説明するための別の方法は、ブロードキャストチャネル多重化という用語を使用することであり得る。本開示の態様によれば、アップリンクという用語は、下位エンティティ204において発信するポイントツーポイント送信を指すことがある。概して、下位エンティティ204は、スケジューリングエンティティ202などの、ワイヤレス通信ネットワークにおける別のエンティティから、限定はしないが、スケジューリング許可、同期もしくはタイミング情報、または他の制御情報を含む、スケジューリング制御情報を受信するノードまたはデバイスである。
【0037】
スケジューリングエンティティ202は、1つまたは複数の下位エンティティ204へ制御チャネル208をブロードキャストし得る。アップリンクデータ210および/またはダウンリンクデータ206は、送信時間区間(TTI)を使用して送信され得る。ここで、TTIは、単独で復号されることが可能な情報のカプセル化されたセットすなわちパケットに相当し得る。様々な例では、TTIは、フレーム、サブフレーム、データブロック、タイムスロット、または送信のためのビットの他の好適なグループ化に相当し得る。
【0038】
本開示のいくつかの態様では、スケジューリングエンティティ202および下位エンティティ204は、たとえば、アップリンク(UL)セントリックサブフレームおよびダウンリンク(DL)セントリックサブフレームを含むTDDサブフレームを利用して互いに通信し得る。ULセントリックサブフレームおよびDLセントリックサブフレームの例は、
図5〜
図8、
図10、
図12、および
図14に関して、より詳細に説明される。いくつかの例では、サブフレームは自己完結型サブフレームであり得る。
【0039】
さらに、下位エンティティ204は、アップリンク制御情報212をスケジューリングエンティティ202へ送信し得る。アップリンク制御情報は、アップリンクデータ送信を復号することを可能にするかまたは支援するように構成されたパイロット、基準信号、および情報を含む、様々なパケットタイプおよびカテゴリーを含み得る。いくつかの例では、制御情報212は、スケジューリング要求(SR:scheduling request)、すなわち、スケジューリングエンティティ202がアップリンク送信をスケジュールするための要求を含み得る。ここで、制御チャネル212上で送信されたSRに応答して、スケジューリングエンティティ202は、アップリンクパケット用のTTIをスケジュールし得る情報をダウンリンク制御チャネル208の中で送信し得る。さらなる例では、アップリンク制御チャネル212は、確認応答(ACK)または否定応答(NACK)などの、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック送信を含み得る。HARQは、当業者によく知られている技法であり、パケット送信が受信側において正確さをチェックされてよく、確証された場合にACKが送信され得、確証されなかった場合にNACKが送信され得る。NACKに応答して、送信デバイスは、チェイス合成(chase combining)、インクリメンタル冗長(incremental redundancy)などを実施し得る、HARQ再送信を送り得る。
【0040】
図2に示すチャネルは、必ずしもスケジューリングエンティティ202と下位エンティティ204との間で利用され得るチャネルのすべてであるとは限らず、図示したチャネルに加えて、他のデータチャネル、制御チャネル、およびフィードバックチャネルなどの他のチャネルが利用されてよいことを、当業者は認識されよう。
【0041】
図3は、処理システム314を採用する例示的なスケジューリングエンティティ202のためのハードウェア実装形態の一例を示す概念図である。本開示の様々な態様によれば、要素、または要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、1つまたは複数のプロセッサ304を含む処理システム314を用いて実装され得る。
【0042】
本開示の様々な態様では、スケジューリングエンティティ202は、任意の好適な無線トランシーバ装置であってよく、いくつかの例では、基地局(BS)、トランシーバ基地局(BTS)、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、アクセスポイント(AP)、ノードB、eノードB(eNB)、メッシュノード、リレー、またはいくつかの他の好適な用語で具現化され得る。基地局は、任意の数のユーザ機器(UE)にコアネットワークへのワイヤレスアクセスポイントを提供し得る。本開示全体にわたって、参照しやすいように、eNBというLTE用語が、基地局またはスケジューリングエンティティと互換的に利用され得る。しかしながら、実際のネットワークでは、用語は、特に非LTEネットワークでは変わってよく、本開示の範囲内に引き続き包含され得る。
【0043】
他の例では、スケジューリングエンティティ202は、ワイヤレスUEにおいて具現化され得る。UEの例は、セルラーフォン、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)フォン、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、スマートブック、携帯情報端末(PDA)、衛星無線、全地球測位システム(GPS)デバイス、マルチメディアデバイス、ビデオデバイス、デジタルオーディオプレーヤ(たとえば、MP3プレーヤ)、カメラ、ゲーム機、エンターテインメントデバイス、車両構成要素、ウェアラブルコンピューティングデバイス(たとえば、スマートウォッチ、ヘルストラッカーまたはフィットネストラッカーなど)、アプライアンス、センサー、自動販売機、モノのインターネット(IoT)デバイス、M2M/D2Dデバイス、または任意の他の類似の機能デバイスを含む。UEは、当業者によって、移動局(MS)、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、移動加入者局、アクセス端末(AT)、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の好適な用語として呼ばれることもある。
【0044】
プロセッサ304の例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、ステートマシン、ゲート論理、個別ハードウェア回路、および本開示全体にわたって説明する様々な機能を実行するように構成された他の好適なハードウェアを含む。すなわち、スケジューリングエンティティ202において利用されるようなプロセッサ304は、たとえば、
図8〜
図15において以下で説明するプロセスのうちのいずれか1つまたは複数を実施するために使用され得る。
【0045】
この例では、処理システム314は、バス302によって概略的に表されるバスアーキテクチャを用いて実装され得る。バス302は、処理システム314の特定の適用例および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含み得る。バス302は、1つまたは複数のプロセッサ(プロセッサ304によって概略的に表される)、メモリ305、およびコンピュータ可読媒体(コンピュータ可読媒体306によって概略的に表される)を含む様々な回路を一緒にリンクさせる。バス302はまた、タイミングソース、周辺装置、電圧調整器、および電力管理回路などの様々な他の回路をリンクさせ、それらは当技術分野でよく知られており、したがって、これ以上説明しない。バスインターフェース308は、バス302とトランシーバ310との間のインターフェース(通信インターフェース)を提供する。トランシーバ310は、伝送媒体を介して様々な他の装置と通信するための手段を提供する。装置の性質に応じて、ユーザインターフェース312(たとえば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカー、マイクロフォン、ジョイスティック)も設けられてよい。
【0046】
本開示のいくつかの態様では、プロセッサ304は、たとえば、
図8〜
図15において本開示全体にわたって説明する様々な機能およびプロセスを実行するように構成され得る様々な機能ブロックおよび/または回路構成を含み得る。一例では、プロセッサ304は、UL ACK遅延ブロック320、DL ACK遅延ブロック322、スケジューリング遅延ブロック324、およびスケジューリング許可/割当て遅延ブロック326を含み得る。UL ACK遅延ブロック320は、いくつかの下位エンティティのためのUL ACKフィードバックに対する遅延を決定するために、UL ACK遅延コード328によって構成され得る。DL ACK遅延ブロック322は、いくつかの下位エンティティのためのDL ACKフィードバックに対する遅延を決定するために、DL ACK遅延コード330によって構成され得る。スケジューリング遅延ブロック324は、スケジューリング情報をいくつかの下位エンティティへ送信するための遅延を決定するために、スケジューリング遅延コード332によって構成され得る。スケジューリング許可/割当て遅延ブロック326は、下位エンティティが被スケジューリングリソースの許可または割当てを適用または利用するための遅延を決定するために、スケジューリング許可/割当て遅延コード334によって構成され得る。プロセッサ304は、決定された遅延を対応する下位エンティティへ送信するために、トランシーバ310を利用し得る。
【0047】
プロセッサ304は、バス302を管理すること、およびコンピュータ可読媒体306に記憶されたソフトウェアの実行を含む全般的な処理を担当する。ソフトウェアは、UL ACK遅延コード328、DL ACK遅延コード330、スケジューリング遅延コード332、およびスケジューリング許可/割当て遅延コード334を含み得る。ソフトウェアは、プロセッサ304によって実行されたとき、任意の特定の装置に対して以下で説明する様々な機能を処理システム314に実行させる。コンピュータ可読媒体306はまた、ソフトウェアを実行するときにプロセッサ304によって操作されるデータを記憶するために使用され得る。
【0048】
処理システムにおける1つまたは複数のプロセッサ304は、ソフトウェアを実行し得る。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、または他の名称で呼ばれるかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するものと広く解釈されなければならない。ソフトウェアは、コンピュータ可読媒体306に常駐してよい。コンピュータ可読媒体306は、非一時的コンピュータ可読媒体であってよい。非一時的コンピュータ可読媒体は、例として、磁気記憶デバイス(たとえば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(たとえば、CDまたはDVD)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(たとえば、カード、スティック、またはキードライブ)、RAM、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、レジスタ、リムーバブルディスク、ならびにコンピュータによってアクセスされ得るとともに読み取られ得るソフトウェアおよび/または命令を記憶するための任意の他の好適な媒体を含む。コンピュータ可読媒体はまた、例として、搬送波、伝送線路、ならびにコンピュータによってアクセスされ得るとともに読み取られ得るソフトウェアおよび/または命令を送信するための任意の他の好適な媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体306は、処理システム314の中に存在してよく、処理システム314の外部に存在してよく、または処理システム314を含む複数のエンティティにわたって分散されてよい。コンピュータ可読媒体306は、コンピュータプログラム製品において具現化されてよい。例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料の中にコンピュータ可読媒体を含めてよい。特定の適用例およびシステム全体に課される全体的な設計制約に応じて、本開示全体にわたって提示され説明される機能を実施するための最善の方法を、当業者は認識されよう。
【0049】
図4は、処理システム414を採用する例示的な下位エンティティ204のためのハードウェア実装形態の一例を示す概念図である。本開示の様々な態様によれば、要素、または要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、1つまたは複数のプロセッサ404を含む処理システム414を用いて実装され得る。
【0050】
処理システム414は、
図3に示す処理システム314と実質的に同じであってよく、バスインターフェース408、バス402、メモリ405、プロセッサ404、およびコンピュータ可読媒体406を含む。さらに、下位エンティティ204は、
図3において上記で説明したものと実質的に類似のユーザインターフェース412およびトランシーバ410(通信インターフェース)を含み得る。本開示のいくつかの態様では、プロセッサ404は、本開示の
図8〜
図15に関して説明する機能およびプロセスを実行するために、たとえば、コンピュータ可読媒体406に記憶されたソフトウェアによって構成され得る。
【0051】
任意のワイヤレス通信ネットワークにおいて、双方向通信が望ましい機能である。しばしば、通信をエアチャネル上に二重化することは、周波数分割複信(FDD)または時分割複信(TDD)を利用して達成される。FDDでは、1対のキャリアが使用され、各それぞれのキャリアは、異なる方向で通信信号を搬送するために使用される。TDDでは、対にされていないキャリアが使用される。ここで、アップリンク通信とダウンリンク通信との二重化は、キャリアを時分割することによって達成され、アップリンク通信およびダウンリンク通信は、異なる時間においてキャリアを占有する。
【0052】
多くの現代のワイヤレス通信ネットワークでは、スペクトルのかなりの部分が、規制機関によって、FDDのための対にされたキャリアの中にすっかり割り振られている。開発中の新たな技術にとって、帯域幅が極めて大きい(たとえば、100MHz、300MHz、またはそれを超える)通信が望まれる場合、しかしながら、これらのFDD技術は、スペクトルの大半をすでに利用しており、ずっと高いデータレートのために望まれるような広帯域としてではあり得ない。限定はしないが、ミリ波(mmW)周波数を含むもっと高い周波数において、TDDキャリアがもっと利用可能であり得る。さらに、そのようなTDDキャリアは、使用するための権利をキャリアが取得するために、さほど高価でないことがある。
【0053】
図5に示すように、TDDキャリアを利用するとき、通信は、いくつかの例では、時間領域におけるチャネルをフレームに分割することによって編成され得、フレームはサブフレームにさらに分割され得る。本開示の一態様によれば、サブフレームは、本明細書でアップリンク(UL)セントリックサブフレーム構造502およびダウンリンク(DL)セントリックサブフレーム構造504と呼ぶ、少なくとも2つの一般的な形態をとり得る。ここで、DLセントリックサブフレームとは、その時間の大部分がダウンリンク方向での通信のために使用されるサブフレーム(たとえば、DLバースト506として
図5に示す)であり、ULセントリックサブフレームとは、その時間の大部分がアップリンク方向での通信のために使用されるサブフレーム(たとえば、ULバースト508として
図5に示す)である。
【0054】
典型的なセル配置では、ダウンリンクトラフィックとアップリンクトラフィックとの間に非対称性があり得る。概して、ネットワークは、より多量のダウンリンクトラフィックを有し、したがって、より多数のDLセントリックサブフレームが出現し得る。さらに、この不均衡が予測可能であり得る間でさえも、ULセントリックサブフレームとDLセントリックサブフレームとの間の実際の比率は予測可能でないことがあり、経時的に変化することがある。
図5の例では、その比率は、いくつかのサイクルわたる1つのULセントリックサブフレームに対して3つのDLセントリックサブフレームである。しかしながら、他の比率が可能である。
【0055】
不均衡とその正確な測定の予測不可能性とのこの組合せは、従来のTDDフレーム/サブフレーム構造において問題を引き起こすことがある。具体的には、UEまたは下位エンティティが、アップリンクを介して送信しようと望むデータを有する場合、UEは、アップリンク送信機会を待たなければならない。このサブフレーム構造を用いると、そのようなアップリンク送信機会が発生し得る時間は変化することがあり、予測不可能であり得る。多くの場合、その時間はかなり長いことがあり、著しいレイテンシをもたらす。UEがアップリンクを介して送信しようと望む情報が、多くの場合に時間敏感またはミッションクリティカルであり得る制御フィードバックであるとき、このレイテンシは特に問題となり得る。
【0056】
この予測不可能なレイテンシは、すべてのサブフレームにおいて相応のアップリンク送信機会を与えるサブフレーム構造を利用することによって、少なくとも部分的に緩和され得る。したがって、本開示のいくつかの態様では、TDDサブフレームは、自己完結型サブフレームとして構造化され得る。
【0057】
図6は、自己完結型サブフレーム600および610の例示的な構造を示す。概して、自己完結型サブフレームとは、スケジューリング、データ送信、およびデータ確認応答が、単一の自己完結型の単位すなわちサブフレームに一緒にグループ化されるサブフレームであり、いかなる他のサブフレームにも依存しなくてよい。たとえば、DLセントリックサブフレーム600を参照すると、データ部分604の中のデータのすべては、制御領域602の中のスケジューリング情報またはスケジューリング許可を利用してスケジュールされてよく、さらに、データ部分604の中のデータのすべては、ACK部分608の中で確認応答(または、否定応答)され得る。同様に、アップリンクセントリックサブフレーム610の場合、データ部分616の中のデータのすべては、制御領域612の中のスケジューリング情報またはスケジューリング許可を利用してスケジュールされてよく、さらに、データ部分616の中のデータのすべては、ACK部分620の中で確認応答(または、否定応答)され得る。
【0058】
さらに詳細には、本明細書でダウンリンクTTIサブフレームまたはDLセントリックサブフレーム600と呼ぶ、送信機がスケジュールしたサブフレームは、制御、データ、および/またはスケジューリング情報を、たとえば、UEであってよい1つまたは複数の下位エンティティに搬送するために使用され得る。本明細書でアップリンクTTIサブフレームまたはULセントリックサブフレーム610と呼ぶ、受信機がスケジュールしたサブフレームは、スケジューリングエンティティから制御データを受信し、データをスケジューリングエンティティへ送信し、送信されたデータに対するACK/NACK信号を受信するために使用され得る。
【0059】
多元接続ネットワークのコンテキストでは、チャネルリソースが一般にスケジュールされ、各エンティティは時間的に同期している。すなわち、ネットワークを利用する各ノードは、リソースのその使用を協調させ、その結果、フレームの割り振られた部分の中でのみ送信が行われ、割り振られた各部分の時間は、異なるノードまたはネットワークデバイスの間で同期される。1つのノードがスケジューリングエンティティとして働き、1つまたは複数のノードが下位エンティティであってよい。スケジューリングエンティティは、基地局もしくはアクセスポイント、またはデバイス間(D2D)ネットワーク、P2Pネットワーク、および/またはメッシュネットワークにおけるUEであってよい。スケジューリングエンティティは、キャリア上のリソースを管理し、セルラーネットワークにおける1つまたは複数のUEなどの下位エンティティすなわち被スケジューリングエンティティを含む、チャネルまたはキャリアの他のユーザにリソースを割り当てる。
【0060】
各サブフレームは、送信(Tx)部分および受信(Rx)部分に分割される。DLセントリックサブフレーム600において、スケジューリングエンティティは、最初に、制御情報部分602の中で制御情報を送信するための機会を有し、次いで、DLデータ部分604の中でデータを送信するための機会を有する。Tx部分602および604は、この場合、DLバーストを搬送する。ガード期間(GP:guard period)部分606に続いて、スケジューリングエンティティは、キャリアを使用して他のエンティティから、確認応答された(ACK)/確認応答されなかった(NACK)信号、すなわちフィードバックをACK/NACK部分608の中で受信するための機会を有する。ACK/NACK部分608は、ULバーストを搬送する。より多くのリソースがダウンリンク方向での送信(たとえば、スケジューリングエンティティからの送信)のために割り振られるので、このフレーム構造はダウンリンクセントリックである。
【0061】
一例では、制御情報部分602は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:physical downlink control channel)を送信するために使用され得、DLデータ部分604は、DLデータペイロードを送信するために使用され得る。GP部分606に続いて、スケジューリングエンティティは、データペイロードが首尾よく受信されたかどうかを示すためのACK/NACK部分608の間に、被スケジューリングエンティティすなわち下位エンティティからACK信号(または、NACK信号)を受信し得る。GP部分606は、ULタイミングおよびDLタイミングにおける変動性に対処するようにスケジュールされ得る。たとえば、RFアンテナおよび/または回路構成の方向切替え(たとえば、DLからULへの)によるレイテンシならびに伝送経路レイテンシが、DLタイミングに合致するようにUL上で下位エンティティに早く送信させることがある。そのような早い送信は、スケジューリングエンティティから受信されるシンボルと干渉し得る。したがって、GP部分606により、DLデータ部分604の後の時間量が干渉を防止または低減することが可能になり得、ここで、GP部分606は、オーバージエア(OTA:over-the-air)送信時間に対してスケジューリングエンティティがそのRFアンテナ/回路構成の方向を切り替えるための適切な時間量、および下位エンティティによるACK処理のための時間を提供し得る。したがって、GP部分606は、下位エンティティがそのRFアンテナ/回路構成の方向を(たとえば、DLからULに)切り替えるための、データペイロードを処理するための、かつオーバージエア(OTA)送信時間のための、適切な時間量を提供し得る。GP部分606の持続時間は、シンボル期間の観点から構成され得る。たとえば、GP部分606は、1つのシンボル期間(たとえば、31.25μs)または複数のシンボル期間としての持続時間を有してよい。より多くのリソースがダウンリンク方向での送信(たとえば、スケジューリングエンティティからの送信)のために割り振られるので、このフレーム構造はダウンリンクセントリックである。
【0062】
ULセントリックサブフレーム610において、下位エンティティは、最初に、制御情報部分612(DL部分)の中で制御情報を受信するための機会を有する。GP部分614に続いて、下位エンティティは、ULデータ部分616の中でデータを送信するための機会を有する。別のGP部分618に続いて、下位エンティティは、その後、キャリアを使用してスケジューリングエンティティからACK/NACK部分620(DL部分)の中でACK/NACK信号を受信するための機会を有する。より多くのリソースがアップリンク方向での送信(たとえば、下位エンティティからの送信)のために割り振られるので、このフレーム構造はアップリンクセントリックである。
【0063】
本開示のさらなる態様では、サブフレーム構造における送信機会が使用されるのをデバイスが待つことを必要とすることから別様に生じ得る、潜在的なレイテンシをさらに緩和するために、いくつかの共通バーストが、任意の所与のサブフレームの中に(たとえば、すべてのサブフレームの中に)出現してよい。
図7は、DLセントリックサブフレーム702およびULセントリックサブフレーム704の各々の中に出現し得るときの、共通DLバーストおよび共通ULバーストを示す概略図である。図示の例では、各サブフレームの冒頭に共通DLバースト706が生じ、各サブフレームの末尾に共通ULバースト708が生じる。しかしながら、このことは必ずしもそうであるとは限らず、本開示の範囲内では、そのような共通ULバーストおよび共有DLバーストは、各それぞれのサブフレーム内のどこかに出現してよい。
【0064】
本開示のいくつかの態様では、(ULセントリックサブフレームであろうとDLセントリックサブフレームであろうと)任意の所与のサブフレーム内のすべての共通DLバースト706は同じに構造化されてよく、また同様に、(ULセントリックサブフレームであろうとDLセントリックサブフレームであろうと)任意の所与のサブフレーム内のすべての共通ULバースト708は、同じに構造化されてよい。
【0065】
これらの共通バーストは任意の好適な情報を搬送し得るが、いくつかの例では、限定はしないが、ULもしくはDLのいずれか(または、その両方)のためのスケジューリング情報、または物理レイヤ確認応答(ACK)送信を含む、スケジューリングエンティティによって送信される制御情報を搬送するために、共通DLバーストが利用され得る。さらに、限定はしないが、サウンディング基準信号(SRS:sounding reference signal)、物理レイヤACKまたはNACK、スケジューリング要求(SR)、チャネル品質情報(CQI:channel quality information)などを含む、UEまたは下位エンティティによって送信される制御情報を搬送するために、共通ULバーストが利用され得る。
【0066】
これらの共通ULバーストおよび共通DLバーストを利用することによって、制御情報やフィードバックなどのミッションクリティカルパケットに対して、たとえば、単一のサブフレームの持続時間までレイテンシが短縮され得る。しかしながら、本開示の様々な態様によれば、このレイテンシまたは遅延が制御される可能性により、異なる遅延またはレイテンシが与えられることが可能になる。すなわち、すべてのサブフレームの中での共通DLバースト706および共通ULバースト708の存在によって、UEおよびスケジューリングエンティティは、これらの共通バースト上で搬送される制御情報を構成可能な遅延を伴って送ることを可能にされ得、そうした遅延は、UL/DL比または現在(DLセントリックまたはULセントリックのいずれかの)チャネルを占有している特定のサブフレームの性質とは無関係となり得る。さらに、本開示のさらなる態様では、異なる遅延を伴うUEまたは下位エンティティは、チャネル上に多重化され得、依然としてそれらのそれぞれの遅延を介した制御を維持しながらこれらのリソースを共有し得る。
【0067】
構成可能な遅延を用いた物理レイヤACKフィードバック
本開示の一態様によれば、物理レイヤACKは、可変の(たとえば、制御可能または構成可能な)遅延を利用して共通バーストの中で送信され得る。遅延の制御は、以下で説明するように、様々な異なる目的に対して性能最適化をもたらすことができる。
【0068】
ここで、物理レイヤACKは、アップリンクACKまたはダウンリンクACKであってよい。アップリンクACKは、受信されたダウンリンクデータを確認応答するために、アップリンクチャネル上で(たとえば、共通ULバースト内で)送信され、ダウンリンクACKは、受信されたアップリンクデータを確認応答するために、ダウンリンクチャネル上で(たとえば、共通DLバースト内で)送信される。
【0069】
アップリンクACKに関して、UEまたは下位エンティティは、遅延を伴わずに、またはいくらかの遅延を伴って、物理レイヤACKの送信を構成し得る。ここで、遅延を伴わずに物理レイヤACKを構成することは、サブフレーム内でのACKの送信を指してよい(たとえば、自己完結型サブフレーム)。たとえば、
図7に見られるDLセントリックサブフレーム702を参照すると、DLバーストの中で受信されるダウンリンクパケット(たとえば、PDSCH上で、またはいくつかの例では、共通DLバーストの中で送られるパケット)は、同じサブフレーム内の共通ULバースト708の中で物理レイヤACKを送信することによって確認応答され得る。
【0070】
遅延を伴って物理レイヤACKを構成することは、もっと後のサブフレームの中でのACKの送信を指してよい。ここで、ACKの送信までの遅延は、1つのサブフレームまたは任意の数のサブフレームを包含してよい。ACKの送信を遅延させることによって、UEの処理タイムラインは緩和または拡張され得る。すなわち、本開示の一態様では、UEは、たとえば、パケットを復号すること、およびいくつかの例では、巡回冗長検査(CRC)などの誤り訂正コードを計算して物理レイヤACK送信がACKであるべきかそれともNACKであるべきかを決定することによって、受信されたダウンリンクパケットを処理するように構成され得る。極めて高いデータレートを伴うと、UEが受信されたパケットを処理し送信すべき適切な物理レイヤACKを決定するための処理タイムラインが負担になり得ること、処理リソースが不十分であり得ること、または所与の時間において処理能力を低減することが望まれ得ることが、起こり得る。別の例では、劣悪なチャネル条件が、デバイスにおける追加のバッファリングまたは他の処理を促すことがあり、ACK送信の前の遅延を拡張するのが望ましいことがある。したがって、ACKの送信まで、もっと後の1つまたは複数のサブフレームに遅延を拡張することによって、処理タイムラインの緩和または拡張が達成され得る。その上、各サブフレームの中に共通ULバースト部分を含むサブフレーム構造を利用することによって、ACKフィードバックに対する構成可能な遅延は、遅延を得るために任意の整数個のサブフレームに構成され得る。
【0071】
図8は、本開示のいくつかの態様に従って実施され得るときの、アップリンクACK送信に対する異なる遅延の3つの例を提供する。ここで、自己完結型サブフレームに対応する「遅延なし」の例は、2つのDLセントリックサブフレーム800および802、すなわち、ラベル付けされたサブフレームKおよびサブフレームK+dを示す。図示したように、サブフレーム800および802の各々は、共通ULバースト領域内にACKを含み、各それぞれのACKは、その同じサブフレームのDLバースト領域上で搬送されるデータパケットに対応する。
【0072】
遅延=dの2つの例は、DLセントリックサブフレーム804またはULセントリックサブフレーム806のいずれかの共通ULバースト部分803の中でアップリンクACKがどのように送信され得るのかを示す。これらの例の両方において、サブフレームK+dの中で送信されるアップリンクACK808は、サブフレームK809のDLバースト領域上で搬送されたデータパケットに対応するACKまたはNACKを含む。
【0073】
図9は、上記で説明し
図8に示すような、本開示のいくつかの態様による、ワイヤレス通信におけるACKフィードバック(すなわち、UL ACK)に対する構成可能な遅延に対応する例示的なプロセス900を示すフローチャートである。
図9のプロセスは、
図1〜
図4に示したスケジューリングエンティティおよび下位エンティティのいずれか、または他のワイヤレス通信デバイスを使用して実行され得る。たとえば、
図9のプロセスにおいて、スケジューリングエンティティ202は、複数の自己完結型サブフレームを含むTDDキャリアを利用して1つまたは複数の下位エンティティ204のセットと通信し得る。
【0074】
ブロック902において、スケジューリングエンティティ(たとえば、eNB)は、UL ACK遅延ブロック320(
図3参照)を利用して、下位エンティティ(たとえば、UE)によってアップリンク確認応答(ACK)送信が送信されるための遅延を決定し得る。遅延は、アップリンクACKを送信する前に、下位エンティティがダウンリンクデータパケットを処理するために利用可能な時間量に対応する。たとえば、遅延は、
図8に関して図示および説明した遅延のいずれかであってよい。遅延は、サブフレームごとに構成可能である。たとえば、遅延は、異なるサブフレームおよび/または異なる下位エンティティに対して異なってよい。いくつかの例では、遅延は、下位エンティティが、構成可能な遅延をスケジューリングエンティティから受信するためのサブフレームとは異なるサブフレームの中でアップリンクACKを送信し得るように、決定されてよい。
【0075】
ブロック904において、スケジューリングエンティティは、第1のサブフレームの間に制御チャネル送信を利用して、決定された遅延を下位エンティティへ送信する。たとえば、制御チャネルは、
図8のサブフレームKのPDCCHまたは共通DLバーストであってよい。いくつかの例では、スケジューリングエンティティは、いくつかの多重化方式(たとえば、FDM)を使用して同じ共通DLバーストの中で、異なる遅延を異なる下位エンティティへ送信し得る。ブロック906において、スケジューリングエンティティは、第1のサブフレームの間にダウンリンクデータパケットを下位エンティティへ送信する。たとえば、スケジューリングエンティティは、
図8のサブフレームKのPDSCHまたはDLバーストの中で、1つまたは複数のダウンリンクデータパケットを送信し得る。ブロック908において、スケジューリングエンティティは、遅延に従って第2のサブフレームの間に下位エンティティからアップリンクACKを受信する。たとえば、第2のサブフレームは、
図8のサブフレームK+dであってよい。本開示のいくつかの態様では、第1のサブフレームはDLセントリックサブフレームであり、第2のサブフレームはDLセントリックサブフレームまたはULセントリックサブフレームであってよい。いくつかの例では、第1のサブフレームおよび第2のサブフレームは、互いに隣接するサブフレームであってよく、または1つもしくは複数のサブフレームによって分離されてもよい。
【0076】
まだ
図9を参照すると、ブロック910において、下位エンティティは、ダウンリンクデータパケットを受信し、データを復号および処理し、UL ACKフィードバック(ACKまたはNACK)をスケジューリングエンティティへ送信すべきかどうかを決定する。ブロック912において、下位エンティティは、構成可能な遅延のスケジュールに従ってACKフィードバックを送信する。構成可能な遅延に応じて、下位エンティティは、スケジューリングエンティティから遅延を受信するためのサブフレーム(たとえば、
図8のサブフレームK)よりも時間的にもっと後のサブフレーム(たとえば、
図8のサブフレームK+d)の中で、ACKフィードバックを送信し得る。
【0077】
ダウンリンクACKに関して、スケジューリングエンティティ(たとえば、eNB)は、遅延を伴わずに、または遅延を伴って、物理レイヤACKの送信を構成し得る。共通DLバースト706が各サブフレームの冒頭において提供される
図7に示す例では、この共通DLバースト706の中で送信される物理レイヤACKは、その共通DLバーストを含むサブフレームよりも前の1つまたは複数のサブフレームの中でのUL送信(たとえば、PUSCH上の、またはいくつかの例では、共通ULバーストの中で送られるパケット)に対応することになる。しかしながら、上述のように、共通DLバーストが各サブフレームの冒頭に配列されることは必ずしもそうであるとは限らず、本開示の範囲内では、共通DLバーストよりも前のUL部分を含むサブフレームの中で、同じサブフレームダウンリンクACK送信が実施され得る。いずれの場合も、本開示の態様によれば、共通DLバーストの中でのダウンリンクACKの送信の前の遅延は、(0個の、または)1つまたは複数のサブフレームに対して構成可能であり得る。
【0078】
アップリンクACKに対するケースと同様に、ダウンリンクACKの送信に対する構成可能な遅延を与えることは、緩和されたスケジューリングエンティティ(たとえば、eNB)処理タイムライン要件をもたらし得る。すなわち、高いデータレートおよび/または低減された処理機能におけるeNBまたはスケジューリングエンティティにとって、DL物理レイヤACKの送信までの、より大きい遅延が、これらの低減された機能に対処し得る。ここで、各サブフレームの中に共通DLバースト部分を含むサブフレーム構造を利用することによって、DL ACKフィードバックに対する構成可能な遅延は、遅延に対して任意の整数個のサブフレームに構成され得る。
【0079】
図10は、本開示のいくつかの態様に従って実施され得るときの、ダウンリンクACK送信に対する異なる遅延の2つの例を提供する。ここで、両方の例は「遅延=d」の例を示し、ダウンリンクACKは、DLセントリックサブフレーム1004またはULセントリックサブフレーム1006のいずれかの共通DLバースト部分1002の中で送信され得る。これらの例の両方において、サブフレームK+dの中で送信されるダウンリンクACK1008は、サブフレームKのULバースト領域1010上で搬送されたデータパケットに対応するACK/NACKを含む。一例では、サブフレームK+dは、サブフレームKの直後にきてよい(すなわち、0個のサブフレーム遅延)。いくつかの例では、サブフレームK+dがサブフレームKの直後にこなくてもよく、サブフレームKとサブフレームK+dとの間に1つまたは複数のサブフレームがあってよい(たとえば、1つまたは複数のサブフレーム遅延)。
【0080】
本開示のさらなる態様では、共通バーストの使用によって、異なるフィードバック遅延を有するユーザが一緒に多重化され得る。たとえば、いくつかのユーザがピークスループットで動作し得る間、これらのユーザは、即時(たとえば、0個のサブフレーム遅延)のフィードバック送信用に構成することによって対処され得る。しかしながら、他のユーザは、もっと低い機能で動作することがあるか、または低いスループットで動作可能であり得、これらのユーザは、それらのACKフィードバックをもっと後で、たとえば、1つまたは複数のサブフレーム遅延を伴って送信してよい。これらのユーザの送信は、OFDMなどの任意の好適な多重化方式を利用することによって、異なるユーザによって占有される異なる時間-周波数リソースとともに共通バースト上に多重化され得る。もちろん、他の多重化方式が本開示の範囲内で利用されてよい。
【0081】
さらに、これらのUL ACK送信および/またはDL ACK送信に対して異なる構成可能な遅延を与えることによって、異なるバンドリングファクタ(bundling factor)が提供され得る。すなわち、本開示の一態様では、異なる構成可能なACK送信遅延を有することによって容易にされているACK送信の異なる回数の反復が、異なるデバイスによって利用され得る。このようにして、経路損失が大きいという問題があり得る遠くのデバイスにとって、複数回の反復を可能にすることによって範囲拡張が達成され得る。ここで、たとえば、3個のサブフレームのACK遅延が構成される場合、遠くのデバイスは、そのACK送信を3回反復してよい。
【0082】
図11は、上記で説明し
図10に示すような、本開示のいくつかの態様による、ACKフィードバック(すなわち、DL ACK)に対する構成可能な遅延に対応する例示的なプロセス1100を示すフローチャートである。
図11のプロセスは、
図1〜
図4に示したスケジューリングエンティティおよび下位エンティティのいずれか、または他のワイヤレス通信デバイスを使用して実行され得る。たとえば、
図11のプロセスにおいて、スケジューリングエンティティ202は、複数の自己完結型サブフレームを含むTDDキャリアを利用して1つまたは複数の下位エンティティ204のセットと通信し得る。
【0083】
ブロック1102において、スケジューリングエンティティ(たとえば、eNB)は、DL ACK遅延ブロック322(
図3参照)を利用して、いくつかの下位エンティティ用のスケジューリングエンティティによってDL ACK送信が送信されるための遅延を決定し得る。遅延は、対応するDL ACKを送信する前に、スケジューリングエンティティがアップリンクデータパケットを処理するために利用可能な時間量に対応する。ブロック1104において、スケジューリングエンティティは、制御チャネル送信を利用して、決定された遅延を下位エンティティへ送信し得る。たとえば、制御チャネルはPDCCHであってよい。
【0084】
ブロック1106において、スケジューリングエンティティは、第1のサブフレームの間に下位エンティティからアップリンクデータパケットを受信し得る。たとえば、下位エンティティは、PUSCH上でアップリンクデータを送信し得る。ブロック1108において、スケジューリングエンティティは、決定された遅延に対応する時間期間の間に、受信されたアップリンクデータパケットを復号および/または処理し、ダウンリンクACKフィードバックの内容を決定する。たとえば、ダウンリンクACKは、ACKまたはNACKを含み得る。ブロック1110において、スケジューリングエンティティは、遅延に従って第2のサブフレームの間にダウンリンクACKフィードバックを送信する。
【0085】
適用すべき遅延のシグナリング
いくつかの例では、DL ACKフィードバックに対するこの構成可能な遅延を可能にするために、eNBまたはスケジューリングエンティティは、遅延を決定し得、任意の好適な制御チャネル送信を利用して、利用されるべき決定された遅延を1つまたは複数のUEまたは下位エンティティへ送信し得る。一例として、遅延は、PDCCH上で搬送(たとえば、
図7の共通DLバースト706の中で搬送)され得るスケジューリング情報の許可または送信の中で示され得る。
【0086】
適用すべき遅延の表示を許可の間に送信することは、遅延に対する急速かつ動的な再構成可能性をもたらすことができる。すなわち、このようにして、異なる遅延が各サブフレームにおいて理論的に適用され得る。しかしながら、本開示の別の態様では、たとえば、すべてのサブフレームよりも低い頻度で送信され得るUEへの無線リソース制御(RRC:radio resource control)シグナリングを利用することによって、半静的な遅延が実施され得る。たとえば、遅延は、eNBとUEとの間での初期RRC接続セットアップの時間において選択され伝えられてよく、RRC接続が切断され新たなRRC接続が確立されるような時間まで維持されてよい。本開示の範囲内では、任意の好適な区間におけるUEへの任意の好適な制御メッセージ送信が、遅延構成を伝えるために利用され得る。
【0087】
別の例では、(範囲拡張に関して上記で説明したような)反復が利用されるべき場合、ACK/NACK反復ファクタが、eNBまたはスケジューリングエンティティによってスケジューリング情報の許可または送信の中で示され得る。
【0088】
いくつかの例では、反復が利用されるとき、早期終了も利用されてよい。ここで、UEが劣悪なチャネル条件または高い経路損失を有し、所与の反復ファクタがそのUEにシグナリングされる場合、eNBまたはスケジューリングエンティティにおいて、所与の回数よりも少ない反復の中でACKフィードバックが正しく受信されることが起こり得る。そのような場合、eNBまたはスケジューリングエンティティは、UEが最大回数のACKフィードバック反復に達する前に、反復される送信の早期終了を要求することを可能にされてよい。ここで、eNBまたはスケジューリングエンティティは、共通DLバーストを介して、ACK/NACK反復の早期終了を求めるコマンドを送信し得る。
【0089】
さらに、許可またはスケジューリング情報送信内でACK遅延を示すとき、eNBまたはスケジューリングエンティティは、追加として、共通ULバースト内でのACKフィードバック送信のためにUEが利用するためのリソース(たとえば、1つまたは複数のリソース要素または時間-周波数リソース、あるいは特定のユーザ用の固有スクランブル符号またはシーケンス)を指定し得る。異なるリソースを指定することによって、複数のユーザによるACKフィードバック送信が区別され得、共通ULバースト内でのそれらのそれぞれの送信の多重化が達成され得る。
【0090】
構成可能な遅延を用いたスケジューリング決定
本開示のさらなる態様では、必要なUL情報を受信した後、eNBまたはスケジューリングエンティティによるスケジューリング決定が、構成可能な遅延を用いて行われ得る。たとえば、所与のサブフレームにおいて、eNBまたはスケジューリングエンティティは、1つまたは複数のUEまたは下位エンティティが利用すべきスケジューリングリソースに対して、スケジューリング情報を含む許可またはパケットを決定および送信し得る。ここで、スケジューリング決定または情報は、ダウンリンクパケットのスケジューリングまたはアップリンクパケットのスケジューリングに対応し得る。さらに、スケジュールされるリソースは、いくつかの例では、上記で説明した共通DLバーストまたは共通ULバーストなどの共通バースト領域内に出現し得る。
【0091】
次に
図12を参照すると、各サブフレーム1200において(たとえば、サブフレームKにおいて)、UEまたは下位エンティティは、eNBまたはスケジューリングエンティティがそのユーザにとってのチャネル品質を検出し得るようにその共通ULバースト1202の中でSRSまたは基準信号などのいくつかの情報を送信し得、eNBまたはスケジューリングエンティティが再送信をスケジュールすべきか否かを決定し得るようにACKフィードバックを送信し得、あるいはULパケットの再送信を送信し得る。
【0092】
たとえば、SRSに基づいて、またeNBまたはスケジューリングエンティティにおける好適な処理および処理を決定実行することに続いて、このスケジューリングエンティティは、いくつかの遅延dの後の、もっと後のサブフレーム1204の中で、どのUEまたは1つもしくは複数の下位エンティティをスケジュールすべきかを決定し得る。ここで、共通ULバースト1202の中での制御情報のこの送信の間に構成可能な遅延を与えること、およびスケジューリングエンティティによるスケジューリング決定を行うことによって、eNBまたはスケジューリングエンティティにおける、緩和されるかまたはさほど厳しくない処理要件がもたらされ得る。すなわち、もっと後のサブフレームまで、eNBまたはスケジューリングエンティティがスケジューリング決定を行うための追加の時間(すなわち、1つまたは複数のサブフレームとしての遅延)を与えることによって、eNBまたはスケジューリングエンティティがスケジューリング決定を行うためのパラメータとして使用する情報を受信した後にスケジューリング許可1206が所与の数のサブフレーム(たとえば、サブフレームK+d1204)で送信され得る。
【0093】
図13は、上記で説明し
図12に示すような、本開示のいくつかの態様による、構成可能な遅延に対応するスケジューリング情報の送信を遅延させるための例示的なプロセス1300を示すフローチャートである。
図13のプロセスは、
図1〜
図4に示したスケジューリングエンティティおよび下位エンティティのいずれか、または他のワイヤレス通信デバイスを使用して実行され得る。たとえば、
図13のプロセスにおいて、スケジューリングエンティティ202は、複数の自己完結型サブフレームを含むTDDキャリアを利用して1つまたは複数の下位エンティティ204のセットと通信し得る。
【0094】
ブロック1302において、スケジューリングエンティティ(たとえば、eNB)は、スケジューリング遅延ブロック324(
図3参照)を利用して、いくつかの下位エンティティ(たとえば、UE)用のスケジューリング情報を送信するための遅延を決定し得る。遅延は、スケジューリング情報を送信する前に、スケジューリングエンティティが、その下位エンティティを含む下位エンティティのセットから受信されたUL制御情報を処理するために利用可能な時間量に対応する。ブロック1304において、スケジューリングエンティティは、制御チャネル送信を利用して、スケジューリング決定のために下位エンティティによって使用されるべき決定された遅延を送信し得る。
【0095】
ブロック1306において、スケジューリングエンティティは、第1のサブフレームの間に共通アップリンクバーストの中で下位エンティティのセットから制御情報を受信する。たとえば、制御情報は、
図12のサブフレームK1200の間に共通ULバースト1202の中で受信され得る。ブロック1308において、決定された遅延に対応する時間期間の間に、スケジューリングエンティティは、受信された制御情報を処理し、受信された制御情報に基づいて下位エンティティのスケジューリング情報を決定する。スケジューリング情報は、1つまたは複数のサブフレームの中でのULまたはUL送信のために下位エンティティが使用し得る時間-周波数リソースを含み得る。
【0096】
ブロック1310において、スケジューリングエンティティは、遅延に従って第2のサブフレームの間にスケジューリング情報を下位エンティティへ送信する。したがって、UEまたは下位エンティティはスケジューリング決定を行うための情報を含み得る制御情報を共通ULバーストの中で送信し得るが、処理リソースが限定されている場合、eNBまたはスケジューリングエンティティは、その決定を遅延させ得る。
図12の例に示すように、スケジューリング決定を行った後、eNBまたはスケジューリングエンティティは、サブフレームK+d1204における共通DLバーストの中で許可またはスケジューリング情報を送信し得る。
【0097】
構成可能な遅延を用いたUEによる許可/割当ての復号/適用
本開示のさらなる態様によれば、下位エンティティ(たとえば、UE)がリソースの許可または割当てを受信する時間と、下位エンティティが許可または割当てを復号および/または適用する時間との間の遅延は、構成可能であり得る。たとえば、
図14は、本開示のいくつかの態様による、UEまたは下位エンティティがリソースの受信された許可または割当てを復号および適用するための構成可能な時間(遅延)を示す。図示した2つのタイムラインにおいて、その両方は、K1403という番号のサブフレームの間に共通DLバースト1402の中で、UEが許可または割当てを受信することを示す。サブフレームKは、ULセントリックサブフレームまたはDLセントリックサブフレームであってよい。ここで、UEまたは下位エンティティは、UEまたは下位エンティティにとっての処理要件を緩和するために、共通DLバースト1402の中で受信された制御情報を復号および/または処理するまで、時間を遅延させ得る。
【0098】
図14の第1の図では、UEまたは下位エンティティは、サブフレームK+d1404の中での今度のダウンリンク送信用のリソースの割当てを受信し得る。ここで、サブフレームK+d1404は、DLセントリックサブフレームであってよく、サブフレームKの中で受信された許可または割当ての中で割り当てられたリソースは、サブフレームK+dのダウンリンクバースト領域1406内に出現し得る。好適な遅延(たとえば、上記で説明したような構成可能な遅延制御情報を利用することによって構成される)の後またはその間に、UEは、サブフレームK1403の中で受信された制御情報(すなわち、リソース割当て)を復号し得る。したがって、サブフレームKの間に受信された割当てに従って、UEまたは下位エンティティは、受信された割当てを適用し得、サブフレームK+dのダウンリンクバースト領域1406の中でダウンリンク情報を受信するようにその受信機を構成し得る。
【0099】
動的な帯域幅切替えに対応する本開示のさらなる態様では、サブフレームの共通DLバースト領域が狭い帯域であると仮定する。UEが全帯域幅を介してダウンリンクバーストを受信するために、その帯域幅を開放または調整することを、前もってUEに告げるための信号があるべきである。したがって、たとえば、
図14の上の図に示す方式を利用することによって、事前スケジューリング、または少なくともインジケータ、1つもしくは複数のサブフレームが、前もって利用され得る。ここで、インジケータは、識別されたサブフレーム(たとえば、サブフレームK+d)の間に広帯域ダウンリンクがUEに送信され得ることをそのUEに通知し得、そのため、UEは、それに応じてその帯域幅を開放するようにその受信機回路を構成し得る。このようにして、動的な帯域幅切替えを利用して、広帯域ダウンリンクバーストがUEへ送信され得る。
【0100】
図14の第2の図では、UEは、サブフレームK1408において、サブフレームK+d1410の中での今度のアップリンク送信用のリソースの許可を受信し得る。ここで、サブフレームK+d1410は、ULセントリックサブフレームであってよく、サブフレームK1408の中で受信された許可の中で許可されるリソースは、サブフレームK+d1410のULバースト領域1412内に出現し得る。好適な遅延(たとえば、上記で説明したような構成可能な遅延制御情報を利用することによって構成される)の後またはその間に、UEまたは下位エンティティは、サブフレームK1408の中で受信された制御情報(すなわち、許可)を復号し得る。したがって、サブフレームK1408の間に受信された許可に従って、UEまたは下位エンティティは、受信された許可を適用し得、サブフレームK+dのアップリンクバースト領域1412の中でアップリンク情報を送信するようにその送信機を構成し得る。
【0101】
図15は、本開示のいくつかの態様による、下位エンティティまたはUEがリソースの許可または割当てを適用するための構成可能な遅延を実施するための例示的なプロセス1500を示すフローチャートである。
図15のプロセスは、
図1〜
図4に示したスケジューリングエンティティおよび下位エンティティのいずれか、または他のワイヤレス通信デバイスを使用して実行され得る。たとえば、
図15のプロセスにおいて、スケジューリングエンティティ202は、複数の自己完結型サブフレームを含むTDDキャリアを利用して1つまたは複数の下位エンティティ204のセットと通信し得る。
【0102】
ブロック1502において、スケジューリングエンティティ(たとえば、eNB)は、スケジューリング許可/割当て遅延ブロック326を利用して、下位エンティティまたはUEがリソースの許可または割当てを適用または利用するための遅延を決定し得る。遅延は、許可済みまたは割当て済みのリソースを利用するように下位エンティティのトランシーバを構成する前に、下位エンティティが許可または割当てを処理するために利用可能な時間量に対応する。ブロック1504において、スケジューリングエンティティは、制御チャネル送信を利用して、決定された遅延を下位エンティティへ送信する。たとえば、スケジューリングエンティティは、
図14のサブフレームKの共通DLバースト1402の中で遅延を送信し得る。
【0103】
ブロック1506において、スケジューリングエンティティは、第1のサブフレームの間にリソースの許可または割当てを下位エンティティへ送信する。たとえば、スケジューリングエンティティは、
図4のサブフレームKの間にリソースの許可または割当てを送信し得る。本開示のいくつかの態様では、下位エンティティは、同じサブフレームの中のPDCCHまたは共通DLバーストを介して、遅延およびリソースの許可/割当てを送信し得る。本開示のいくつかの態様では、下位エンティティは、異なるサブフレームの中で、遅延およびリソースの許可/割当てを送信し得る。
【0104】
ブロック1508において、スケジューリングエンティティは、遅延に従って第2のサブフレームの間に許可済みまたは割当て済みのリソースを利用して下位エンティティと通信する。たとえば、スケジューリングエンティティは、
図14のサブフレームK+dの間に許可済みまたは割当て済みのリソースを利用して下位エンティティと通信し得る。下位エンティティ側では、ブロック1510において、下位エンティティは、許可/割当てを受信し得、遅延期間の後またはその間に許可/割当てを復号する。次いで、ブロック1512において、下位エンティティは、受信された遅延に従っていくつかのサブフレームK+dの中で許可済み/割当て済みのリソースを利用するようにそのトランシーバを構成し得る。
【0105】
一構成では、ワイヤレス通信のための装置202および/または204は、下位エンティティによってアップリンクACK送信が送信されるための遅延を決定するための手段であって、遅延は、アップリンクACKを送信する前に、下位エンティティがダウンリンクデータパケットを処理するために利用可能な時間量に対応する、手段と、第1のサブフレームの間に制御チャネル送信を利用して、決定された遅延を下位エンティティへ送信するための手段と、第1のサブフレームの間にダウンリンクデータパケットを下位エンティティへ送信するための手段と、遅延に従って第2のサブフレームの間に下位エンティティからアップリンクACKを受信するための手段とを含む。
【0106】
一構成では、ワイヤレス通信のための装置202および/または204は、スケジューリングエンティティによってダウンリンクACK送信が送信されるための遅延を決定するための手段であって、遅延は、ダウンリンクACKを送信する前に、スケジューリングエンティティがアップリンクデータパケットを処理するために利用可能な時間量に対応する、手段と、第1のサブフレームの間に下位エンティティからアップリンクデータパケットを受信するための手段と、決定された遅延に対応する時間期間の間に、受信されたアップリンクデータパケットを処理するとともにダウンリンクACKの内容を決定するための手段と、遅延に従って第2のサブフレームの間にダウンリンクACKを送信するための手段とを含む。
【0107】
一構成では、ワイヤレス通信のための装置202および/または204は、下位エンティティ用のスケジューリング情報を送信するための遅延を決定するための手段であって、遅延は、スケジューリング情報を送信する前に、スケジューリングエンティティが、ある下位エンティティを含む下位エンティティのセットから受信されたアップリンク制御情報を処理するために利用可能な時間量に対応する、手段と、第1のサブフレームの間に共通アップリンクバーストの中で下位エンティティのセットから制御情報を受信するための手段と、決定された遅延に対応する時間期間の間に、受信された制御情報を処理するとともに受信された制御情報に基づいて下位エンティティのスケジューリング情報を決定するための手段と、遅延に従って第2のサブフレームの間にスケジューリング情報を下位エンティティへ送信するための手段とを含む。
【0108】
一構成では、ワイヤレス通信のための装置202および/または204は、下位エンティティがリソースの許可または割当てを適用するための遅延を決定するための手段であって、遅延は、許可済みまたは割当て済みのリソースを利用するようにトランシーバを構成する前に、下位エンティティが許可または割当てを処理するために利用可能な時間量に対応する、手段と、制御チャネル送信を利用して、決定された遅延を下位エンティティへ送信するための手段と、第1のサブフレームの間にリソースの許可または割当てを下位エンティティへ送信するための手段と、遅延に従って第2のサブフレームの間に許可済みまたは割当て済みのリソースを利用して下位エンティティと通信するための手段とを含む。
【0109】
一態様では、上述の手段は、上述の手段によって記載された機能を実行するように構成された
図3および
図4から本発明が存在する、プロセッサ304および/または404であってよい。別の態様では、上述の手段が、上述の手段によって記載された機能を実行するように構成された回路または任意の装置であってよい。
【0110】
もちろん、上記の例では、プロセッサ304および404に含まれる回路構成は一例として提供されるにすぎず、説明する機能を実行するための他の手段が、限定はしないが、コンピュータ可読記憶媒体306および406に記憶された命令または
図1〜
図4のうちのいずれか1つにおいて説明した任意の他の好適な装置もしくは手段を含むとともに、たとえば、
図8〜
図15に関して本明細書で説明したプロセスおよび/またはアルゴリズムのいずれかを利用する、本開示の様々な態様内に含まれてよい。
【0111】
当業者が容易に諒解するように、本開示全体にわたって説明した様々な態様は、任意の好適な電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格に拡張され得る。例として、様々な態様は、W-CDMA、TD-SCDMA、およびTD-CDMAなどのUMTSシステムに適用され得る。様々な態様はまた、(FDD、TDD、または両方のモードでの)ロングタームエボリューション(LTE)、(FDD、TDD、または両方のモードでの)LTE-Advanced(LTE-A)、CDMA2000、エボリューションデータオプティマイズド(EV-DO)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、ウルトラワイドバンド(UWB)、Bluetooth(登録商標)、および/またはまだ規定されていないワイドエリアネットワーク規格によって記載されるシステムを含む他の好適なシステムを採用するシステムに適用され得る。採用される実際の電気通信規格、ネットワークアーキテクチャ、および/または通信規格は、特定の適用例およびシステムに課された全体的な設計制約によって決まる。
【0112】
本開示内では、「例示的」という語は、「例、事例、または例示としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的」として説明したいかなる実装形態または態様も、必ずしも本開示の他の態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。同様に、「態様」という用語は、本開示のすべての態様が、説明した特徴、利点、または動作モードを含むことを必要としない。「結合される」という用語は、2つの物体間の直接的または間接的な結合を指すために本明細書で使用される。たとえば、物体Aが物体Bに物理的に接触しており、かつ物体Bが物体Cに接触している場合、物体AおよびCは、互いに直接物理的に接触していなくても、やはり互いに結合されると見なされてよい。たとえば、第1のダイは、第1のダイが第2のダイに直接物理的にまったく接触していなくても、パッケージの中の第2のダイに結合され得る。「回路(circuit)」および「回路構成(circuitry)」という用語は、広く使用され、電子回路のタイプに関して限定はしないが、接続および構成されたとき、本開示で説明した機能の実行を可能にする電気デバイスおよび導体としてのハードウェア実装形態と、プロセッサによって実行されたとき、本開示で説明した機能の実行を可能にする情報および命令としてのソフトウェア実装形態の両方を含むものとする。
【0113】
図1〜
図15に示す構成要素、ステップ、特徴、および/または機能のうちの1つまたは複数は、単一の構成要素、ステップ、特徴、または機能に再構成および/または結合されてよく、あるいはいくつかの構成要素、ステップ、または機能において具現化されてよい。本明細書で開示する新規の特徴から逸脱することなく、追加の要素、構成要素、ステップ、および/または機能も追加されてよい。
図1〜
図15に示す装置、デバイス、および/または構成要素は、本明細書で説明した方法、特徴、またはステップのうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。本明細書で説明した新規のアルゴリズムはまた、ソフトウェアで効率的に実装されてよく、かつ/またはハードウェアに埋め込まれてもよい。
【0114】
開示する方法におけるステップの特定の順序または階層が、例示的なプロセスを示すことを理解されたい。設計選好に基づいて、方法におけるステップの特定の順序または階層が並べ替えられてよいことが理解される。添付の方法クレームは、例示的な順序で様々なステップの要素を提示し、そこで特に記載されない限り、提示された特定の順序または階層に限定されることを意味しない。
【0115】
上述の説明は、本明細書で説明した様々な態様を任意の当業者が実践できるようにするために提供される。これらの態様への様々な修正が当業者には容易に明らかになり、本明細書で定義された一般原理は他の態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は本明細書で示した態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲の文言と一致する完全な範囲を与えられるべきであり、単数形での要素への言及は、そのように明記されていない限り「唯一無二の」ではなく、むしろ「1つまたは複数の」を意味することを意図する。別段に明記されていない限り、「いくつか(some)」という用語は、1つまたは複数を指す。項目の列挙「のうちの少なくとも1つ」を指す句は、単一のメンバーを含むそれらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、aおよびb、aおよびc、bおよびc、ならびにa、bおよびcを包含することを意図する。当業者に知られているか、または後で知られることになる、本開示全体にわたって説明した様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的均等物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲によって包含されることが意図される。その上、本明細書で開示したものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公に供されるものではない。いかなるクレーム要素も、要素が「ための手段」という句を使用して明確に記載されていない限り、または方法クレームの場合、要素が「ためのステップ」という句を使用して記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定の下で解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0116】
100 アクセスネットワーク
102〜106 マクロセル
108 スモールセル
110〜114 大電力基地局
116 リモートラジオヘッド
118 小電力基地局
120 クワッドコプター
122〜142 ユーザ機器
202 スケジューリングエンティティ
204 下位エンティティ
206 ダウンリンクデータ
208 ダウンリンク制御チャネル
210 アップリンクデータ
212 アップリンク制御チャネル
302 バス
304 プロセッサ
305 メモリ
306 コンピュータ可読媒体
308 バスインターフェース
310 トランシーバ
312 ユーザインターフェース
314 処理システム
320 UL ACK遅延ブロック
322 DL ACK遅延ブロック
324 スケジューリング遅延ブロック
326 スケジューリング許可/割当て遅延ブロック
328 UL ACK遅延コード
330 DL ACK遅延コード
332 スケジューリング遅延コード
334 スケジューリング許可/割当て遅延コード
502 アップリンクセントリックサブフレーム構造
504 ダウンリンクセントリックサブフレーム構造
506 ダウンリンクバースト
508 アップリンクバースト
600 ダウンリンクセントリックサブフレーム
602 制御領域
604 データ部分
606 ガード期間部分
608 ACK部分
610 アップリンクセントリックサブフレーム
612 制御領域
614 ガード期間部分
616 データ部分
618 ガード期間部分
620 ACK部分
702 ダウンリンクセントリックサブフレーム
704 アップリンクセントリックサブフレーム
706 共通ダウンリンクバースト
708 共通アップリンクバースト