【文献】
Huawei, HiSilicon,WF on CBR and CR definition for 36.214[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1704035,Internet:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1704035.zip>,2017年 2月17日
【文献】
Molina Masegosa,Rafael,LTE-V for Sidelink 5G V2X Vehicular Communications: A new 5G Technology for Short-Range Vehicle-to-Everything Communications,IEEE VEHICULAR TECHNOLOGY MAGAZINE,2017年10月24日,Vol.12, Issue.4
【文献】
Huawei, HiSilicon, LGE, Ericsson, Qualcomm, Samsung, Intel,WF on remaining issues of congestion control[online],3GPP TSG RAN WG1 #87 R1-1613642,Internet:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_87/Docs/R1-1613642.zip>,2016年11月18日
【文献】
Qualcomm Incorporated,Congestion control for V2V[online],3GPP TSG RAN WG2 #96 R2-168593,Internet:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_96/Docs/R2-168593.zip>,2016年11月 5日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別に明示しない限り、選択的なものとして考慮されてもよい。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施されてもよく、また、一部の構成要素及び/又は特徴は結合されて本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に代えてもよい。
【0020】
本明細書では、本発明の実施例を、基地局と端末間におけるデータ送受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と直接に通信を行うネットワークの終端ノード(terminalnode)としての意味を有する。本文書で、基地局により行われるとした特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(uppernode)により行われてもよい。
【0021】
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)で構成されるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、又は基地局以外の他のネットワークノードにより行われるということは明らかである。「基地局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に代えてもよい。中継機は、Relay Node(RN)、Relay Station(RS)などの用語に代えてもよい。また、「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に代えてもよい。また、以下の説明において、「基地局」とは、スケジューリング実行ノード、クラスターヘッダー(cluster header)などの装置を指す意味としても使用可能である。もし、基地局やリレーも、端末が送信する信号を送信すれば、一種の端末と見なすことができる。
【0022】
以下に記述されるセルの名称は、基地局(basestation,eNB)、セクタ(sector)、リモートラジオヘッド(remoteradiohead,RRH)、リレー(relay)などの送受信ポイントに適用され、また、特定送受信ポイントで構成搬送波(component carrier)を区分するための包括的な用語で使われてもよい。
【0023】
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、これらの特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱することなく他の形態に変更されてもよい。
【0024】
場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示すこともできる。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
【0025】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、及び3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書でサポートすることができる。すなわち、本発明の実施例において本発明の技術的思想を明確にするために説明していない段階又は部分は、上記の標準文書でサポートすることができる。なお、本文書で開示している全ての用語は、上記の標準文書によって説明することができる。
【0026】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような種々の無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM(登録商標)Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進展である。WiMAXは、IEEE802.16e規格(WirelessMAN−OFDMA Reference System)及び進展したIEEE802.16m規格(WirelessMAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では、3GPP LTE及びLTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想はこれに制限されない。
【0027】
LTE/LTE−Aリソース構造/チャネル
【0028】
図1を参照して無線フレームの構造について説明する。
【0029】
セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、上り/下りリンクデータパケット送信はサブフレーム(subframe)単位で行われ、1サブフレームは、複数のOFDMシンボルを含む一定の時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1無線フレーム(radio frame)構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2無線フレーム構造を支援する。
【0030】
図1(a)は、タイプ1無線フレームの構造を例示する図である。下りリンク無線フレームは10個のサブフレームで構成され、1個のサブフレームは時間領域(time domain)において2個のスロット(slot)で構成される。1個のサブフレームを送信するためにかかる時間をTTI(transmission time interval)という。例えば、1サブフレームの長さは1msであり、1スロットの長さは0.5msである。1スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTE/LTE−Aシステムでは、下りリンクでOFDMAを用いているため、OFDMシンボルが1シンボル区間を表す。OFDMシンボルは、SC−FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ぶこともできる。リソースブロック(RB)はリソース割り当て単位であり、1スロットにおいて複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0031】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって異なってもよい。CPには、拡張CP(extended CP)及び一般CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが一般CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であってよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1OFDMシンボルの長さが増加するため、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、一般CPの場合に比べて少ない。拡張CPの場合に、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であってもよい。端末が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態が不安定な場合は、シンボル間干渉をより減らすために、拡張CPを用いることができる。
【0032】
一般CPが用いられる場合、1スロットは7個のOFDMシンボルを含み、1サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームにおける先頭2個又は3個のOFDMシンボルはPDCCH(physical downlink control channel)に割り当て、残りのOFDMシンボルはPDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てることができる。
【0033】
図1(b)は、タイプ2無線フレームの構造を示す図である。タイプ2無線フレームは、2ハーフフレーム(half frame)で構成される。各ハーフフレームは、5サブフレーム、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period;GP)、及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)で構成され、ここで、1サブフレームは2スロットで構成される。DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局でのチャネル推定と端末の上り送信同期を取るために用いられる。保護区間は、上りリンク及び下りリンク間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。一方、無線フレームのタイプにかかわらず、1個のサブフレームは2個のスロットで構成される。
【0034】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0035】
図2は、下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を示す図である。同図で、1下りリンクスロットは時間領域で7個のOFDMシンボルを含み、1リソースブロック(RB)は周波数領域で12個の副搬送波を含むとしたが、本発明はこれに制限されない。例えば、一般CP(normal−Cyclic Prefix)では1スロットが7OFDMシンボルを含むが、拡張CP(extended−CP)では1スロットが6OFDMシンボルを含んでもよい。リソースグリッド上のそれぞれの要素をリソース要素(resource element)と呼ぶ。1リソースブロックは12×7個のリソース要素を含む。下りリンクスロットに含まれるリソースブロックの個数N
DLは、下り送信帯域幅による。上りリンクスロットは下りリンクスロットと同一の構造を有することができる。
【0036】
図3は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。1サブフレーム内で第1のスロットにおける先頭部の最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Chancel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。3GPP LTEシステムで用いられる下り制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format IndicatorChannel;PCFICH)、物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Chanel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、上り送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHで送信される制御情報を、下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、上りリンク又は下りリンクスケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対する上り送信電力制御命令を含む。PDCCHは、下りリンク共有チャネル(DL−SCH)のリソース割り当て及び送信フォーマット、上りリンク共有チャネル(UL−SCH)のリソース割り当て情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダムアクセス応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割り当て、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信されてもよく、端末は複数のPDCCHをモニタすることができる。PDCCHは一つ以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の組み合わせ(aggregation)で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割り当て単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのために必要なCCEの個数は、DICのサイズとコーディングレートなどによって変更されてもよい。例えば、PDCCH送信にはCCEの個数1,2,4,8(それぞれPDCCHフォーマット0,1,2,3に対応)個のうちいずれか1つが用いられてもよく、DCIのサイズが大きい場合及び/又はチャネル状態が良くないため低いコーディングレートが必要な場合、相対的に多い個数のCCEが1つのPDCCH送信のために用いられてもよい。基地局は、端末に送信されるDCIのサイズ、セル帯域幅、下りリンクアンテナポートの個数、PHICHリソース量などを考慮してPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は用途によって無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスクされる。PDCCHが特定端末に対するものであれば、端末のcell−RNTI(C−RNTI)識別子をCRCにマスクすることができる。又は、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子(Paging Indicator Identifier;P−RNTI)をCRCにマスクすることができる。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(SIB))に対するものであれば、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスクすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答であるランダムアクセス応答を示すために、ランダムアクセス−RNTI(RA−RNTI)をCRCにマスクすることができる。
【0037】
図4は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別できる。制御領域には上りリンク制御情報を含む物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザーデータを含む物理上りリンク共有チャネル(Physical uplink shared channel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に送信しない。一つの端末のPUCCHは、サブフレームにおいてリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2スロットに対して互いに異なった副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホップ(frequency−hopped)するという。
【0038】
参照信号(Reference Signal;RS)
【0039】
無線通信システムにおいてパケットを送信するとき、送信されるパケットは無線チャネルを介して送信されるため、送信過程で信号の歪みが発生し得る。歪んだ信号を受信側で正しく受信するためには、チャネル情報を用いて受信信号で歪みを補正しなければならない。チャネル情報を知るために、送信側と受信側の両方で知っている信号を送信し、前記信号がチャネルを介して受信されるときの歪みの程度によってチャネル情報を知る方法を主に用いる。前記信号をパイロット信号(Pilot Signal)又は参照信号(Reference Signal)という。
【0040】
多重アンテナを用いてデータを送受信する場合には、正しい信号を受信するためには、各送信アンテナと受信アンテナとの間のチャネル状況を知らなければならない。したがって、各送信アンテナ別に、より詳細にはアンテナポート(port)別に別途の参照信号が存在しなければならない。
【0041】
参照信号は、上りリンク参照信号と下りリンク参照信号とに区分することができる。現在、LTEシステムには上りリンク参照信号として、
【0042】
i)PUSCH及びPUCCHを介して送信された情報のコヒーレント(coherent)な復調のためのチャネル推定のための復調参照信号(DeModulation−Reference Signal;DM−RS)、
【0043】
ii)基地局が、ネットワークが異なる周波数での上りリンクのチャネル品質を測定するためのサウンディング参照信号(Sounding Reference Signal;SRS)がある。
【0045】
i)セル内の全ての端末が共有するセル−特定の参照信号(Cell−specific Reference Signal;CRS)、
【0046】
ii)特定の端末のみのための端末−特定の参照信号(UE−specific Reference Signal)、
【0047】
iii)PDSCHが送信される場合、コヒーレントな復調のために送信されるDM−RS(DeModulation−Reference Signal)、
【0048】
iv)下りリンクDMRSが送信される場合、チャネル状態情報(Channel State Information;CSI)を伝達するためのチャネル状態情報参照信号(Channel State Information− Reference Signal;CSI−RS)、
【0049】
v)MBSFN(Multimedia Broadcast Single Frequency Network)モードで送信される信号に対するコヒーレントな復調のために送信されるMBSFN参照信号(MBSFN Reference Signal)、
【0050】
vi)端末の地理的位置情報を推定するのに使用される位置参照信号(Positioning Reference Signal)がある。
【0051】
参照信号は、その目的によって2種類に大別することができる。チャネル情報の取得のための目的の参照信号、及びデータの復調のために使用される参照信号がある。前者は、UEが下りリンクへのチャネル情報を取得するのにその目的があるため、広帯域で送信されなければならず、特定のサブフレームで下りリンクデータを受信しない端末であってもその参照信号を受信しなければならない。また、これは、ハンドオーバーなどの状況でも用いられる。後者は、基地局が下りリンクデータを送るとき、当該リソースに共に送る参照信号であって、端末は、当該参照信号を受信することによってチャネル測定をして、データを復調することができるようになる。この参照信号は、データが送信される領域に送信されなければならない。
【0052】
多重アンテナ(MIMO)システムのモデリング
【0053】
図5は、多重アンテナを有する無線通信システムの構成図である。
【0054】
図5(a)に示したように、送信アンテナの数をN
t個、受信アンテナの数をN
R個と増やすと、送信機又は受信機でのみ多数のアンテナを用いる場合とは異なり、アンテナの数に比例して理論的なチャネル送信容量が増加する。したがって、送信レートを向上させ、周波数効率を画期的に向上させることができる。チャネル送信容量が増加することによって、送信レートは、理論的に、単一のアンテナの利用時の最大送信レート(Ro)にレート増加率(Ri)を掛けた分だけ増加し得る。
【0056】
例えば、4個の送信アンテナ及び4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一のアンテナシステムに比べて、理論上、4倍の送信レートを取得することができる。多重アンテナシステムの理論的容量増加が90年代半ばに証明されて以来、これを実質的なデータ送信率の向上へと導くための様々な技術が現在まで盛んに研究されている。また、いくつかの技術は、既に3世代移動通信と次世代無線LANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
【0057】
現在までの多重アンテナ関連研究動向を見ると、様々なチャネル環境及び多重接続環境での多重アンテナ通信容量計算などに関連する情報理論面の研究、多重アンテナシステムの無線チャネル測定及び模型導出の研究、送信信頼度の向上及び送信率の向上のための時空間信号処理技術の研究など、様々な観点で盛んに研究が行われている。
【0058】
多重アンテナシステムでの通信方法を、数学的モデリングを用いてより具体的に説明する。前記システムには、N
t個の送信アンテナ及びN
t個の受信アンテナが存在すると仮定する。
【0059】
送信信号を説明すると、N
t個の送信アンテナがある場合、送信可能な最大情報はN
T個である。送信情報は、次のように表現することができる。
【0061】
それぞれの送信情報S
1,S
2,・・・,S
NTは、送信電力が異なってもよい。それぞれの送信電力をP
1,P
2,・・・,P
NTとすれば、送信電力が調整された送信情報は、次のように表現することができる。
【0063】
また、Sは、送信電力の対角行列Pを用いて、次のように表現することができる。
【0065】
送信電力が調整された情報ベクトルSに重み行列Wが適用されて、実際に送信されるN
t個の送信信号x
1,x
2,・・・,x
NTが構成される場合を考慮してみよう。重み行列Wは、送信情報を送信チャネルの状況などに応じて各アンテナに適切に分配する役割を果たす。x
1,x
2,・・・,x
NTは、ベクトルXを用いて、次のように表現することができる。
【0067】
ここで、W
ijは、i番目の送信アンテナとj番目の情報との間の重み値を意味する。Wは、プリコーディング行列とも呼ばれる。
【0068】
受信信号は、N
r個の受信アンテナがある場合、各アンテナの受信信号y
1,y
2,・・・,y
NRはベクトルで次のように表現することができる。
【0070】
多重アンテナ無線通信システムにおいてチャネルをモデリングする場合、チャネルは、送受信アンテナインデックスによって区分することができる。送信アンテナjから受信アンテナiを経るチャネルをh
ijと表示することにする。h
ijにおいて、インデックスの順序は受信アンテナインデックスが先で、送信アンテナのインデックスが後であることに留意されたい。
【0071】
一方、
図5(b)は、N
R個の送信アンテナから受信アンテナiへのチャネルを示した図である。前記チャネルをまとめてベクトル及び行列の形態で表示することができる。
図5(b)において、総N
T個の送信アンテナから受信アンテナiに到着するチャネルは、次のように表すことができる。
【0073】
したがって、N
t個の送信アンテナからN
r個の受信アンテナに到着する全てのチャネルは、次のように表現することができる。
【0075】
実際のチャネルには、チャネル行列Hを経た後に白色雑音(AWGN;Additive White Gaussian Noise)が加えられる。N
R個の受信アンテナのそれぞれに加えられる白色雑音n
1,n
2,・・・,n
NRは、次のように表現することができる。
【0077】
上述した数式モデリングを通じて、受信信号は、次のように表現することができる。
【0079】
一方、チャネル状態を示すチャネル行列Hの行及び列の数は、送受信アンテナの数によって決定される。チャネル行列Hにおいて、行の数は受信アンテナの数N
Rと同一であり、列の数は送信アンテナの数N
tと同一である。すなわち、チャネル行列Hは、行列がN
R×N
tとなる。
【0080】
行列のランク(rank)は、互いに独立した(independent)行又は列の個数のうち最小の個数として定義される。したがって、行列のランクは、行又は列の個数よりも大きくなることはない。チャネル行列Hのランク(rank(H))は、次のように制限される。
【0082】
ランクの他の定義は、行列を固有値分解(Eigen value decomposition)したとき、0ではない固有値の個数として定義することができる。同様に、ランクの更に他の定義は、特異値分解(singular value decomposition)したとき、0ではない特異値の個数として定義することができる。したがって、チャネル行列におけるランクの物理的な意味は、与えられたチャネルで互いに異なる情報を送ることができる最大数といえる。
【0083】
本文書の説明において、MIMO送信に対する「ランク(Rank)」は、特定の時点及び特定の周波数リソースで独立して信号を送信できる経路の数を示し、「レイヤ(layer)の数」は、各経路を介して送信される信号ストリームの個数を示す。一般的に送信端は、信号送信に用いられるランク数に対応する個数のレイヤを送信するため、特に言及がない限り、ランクは、レイヤの個数と同じ意味を有する。
【0085】
以下では、上述した説明及び既存のLTE/LTE−Aシステムに基づいて、D2D通信において端末間の同期取得について説明する。OFDMシステムでは、時間/周波数同期が取られていない場合、セル間干渉(Inter−Cell Interference)により、OFDM信号において互いに異なる端末間にマルチプレクシングが不可能となり得る。同期を取るためにD2D端末が同期信号を直接送受信し、全ての端末が個別的に同期を取ることは非効率的である。したがって、D2Dのような分散ノードシステムでは、特定のノードが代表同期信号を送信し、残りのUEがこれに同期を取ることができる。言い換えると、D2D信号送受信のために、一部のノード(このとき、ノードは、eNB、UE、SRN(synchronization reference node又はsynchronization sourceと呼ぶこともできる)であってもよい。)がD2D同期信号(D2DSS、D2D Synchronization Signal)を送信し、残りの端末がこれに同期を取って信号を送受信する方式を用いることができる。
【0086】
D2D同期信号としては、プライマリ同期信号(PD2DSS(Primary D2DSS)又はPSSS(Primary Sidelink synchronization signal))、セカンダリ同期信号(SD2DSS(Secondary D2DSS)又はSSSS(Secondary Sidelink synchronization signal))があり得る。PD2DSSは、所定長さのザドフチューシーケンス(Zadoff−chu sequence)又はPSSと類似/変形/反復された構造などであってもよい。また、DL PSSとは異なり、他のザドフチュールートインデックス(例えば、26,37)を使用することができる。SD2DSSは、M−シーケンス又はSSSと類似/変形/反復された構造などであってもよい。もし、端末がeNBから同期を取る場合、SRNはeNBとなり、D2DSSはPSS/SSSとなる。DLのPSS/SSSとは異なり、PD2DSS/SD2DSSはULサブキャリアマッピング方式に従う。
図6には、D2D同期信号が送信されるサブフレームが示されている。PD2DSCH(Physical D2D synchronization channel)は、D2D信号送受信の前に端末が最も先に知らなければならない基本となる(システム)情報(例えば、D2DSSに関連する情報、デュプレックスモード(Duplex Mode,DM)、TDD UL/DL構成、リソースプール関連情報、D2DSSに関連するアプリケーションの種類、subframe offset、ブロードキャスト情報など)が送信される(放送)チャネルであってもよい。PD2DSCHは、D2DSSと同じサブフレーム上で又は後行するサブフレーム上で送信されてもよい。DMRSは、PD2DSCHの復調のために使用することができる。
【0087】
SRNは、D2DSS、PD2DSCH(Physical D2D synchronization channel)を送信するノードであってもよい。D2DSSは、特定のシーケンスの形態であってもよく、PD2DSCHは、特定の情報を示すシーケンスであるか、又は予め定められたチャネルコーディングを経た後のコードワードの形態であってもよい。ここで、SRNは、eNB又は特定のD2D端末であってもよい。部分ネットワークカバレッジ(partial network coverage)又はカバレッジ外(out of network coverage)の場合には、端末がSRNとなり得る。
【0088】
図7のような状況でカバレッジ外(out of coverage)の端末とのD2D通信のために、D2DSSはリレーされてもよい。また、D2DSSは、多重ホップを介してリレーされてもよい。以下の説明において、同期信号をリレーするということは、直接基地局の同期信号をAFリレーすることだけでなく、同期信号の受信時点に合わせて別途のフォーマットのD2D同期信号を送信することも含む概念である。このように、D2D同期信号がリレーされることによって、カバレッジ内の端末とカバレッジ外の端末とが直接通信を行うことができる。
【0090】
図8には、D2D通信を行うUE1、UE2、及びこれらが用いるD2Dリソースプールの例が示されている。
図8(a)において、UEは、端末又はD2D通信方式に従って信号を送受信する基地局などのネットワーク装備を意味する。端末は、一連のリソースの集合を意味するリソースプール内で特定のリソースに該当するリソースユニットを選択し、当該リソースユニットを用いてD2D信号を送信することができる。受信端末(UE2)は、UE1が信号を送信できるリソースプールの構成(configured)を受け、当該プール(pool)内でUE1の信号を検出することができる。ここで、リソースプールは、UE1が基地局の接続範囲にある場合には、基地局が知らせることができ、基地局の接続範囲外にある場合には、他の端末が知らせたり、又は予め定められたリソースで決定されてもよい。一般に、リソースプールは、複数のリソースユニットで構成され、各端末は、一つ又は複数のリソースユニットを選定して自身のD2D信号送信に用いることができる。リソースユニットは、
図8(b)に例示した通りであってもよい。
図8(b)を参照すると、全体の周波数リソースがN
F個に分割され、全体の時間リソースがN
T個に分割されて、総N
F*N
T個のリソースユニットが定義されることがわかる。ここでは、当該リソースプールがN
Tサブフレームを周期にして繰り返されるといえる。特に、一つのリソースユニットが、図示のように周期的に繰り返して現れてもよい。または、時間や周波数領域でのダイバーシティ効果を得るために、一つの論理的なリソースユニットがマッピングされる物理的リソースユニットのインデックスが、時間によって、予め定められたパターンで変化してもよい。このようなリソースユニットの構造において、リソースプールとは、D2D信号を送信しようとする端末が送信に使用できるリソースユニットの集合を意味し得る。
【0091】
リソースプールは、様々な種類に細分化することができる。まず、各リソースプールで送信されるD2D信号のコンテンツ(contents)によって区分することができる。例えば、D2D信号のコンテンツは区分されてもよく、それぞれに対して別途のリソースプールが構成されてもよい。D2D信号のコンテンツとして、SA(Scheduling assignment又はPhysical sidelink control channle(PSCCH))、D2Dデータチャネル、ディスカバリチャネル(Discovery channel)があり得る。SAは、送信端末が後行するD2Dデータチャネルの送信に使用するリソースの位置、その他のデータチャネルの復調のために必要なMCS(modulation and coding scheme)やMIMO送信方式、TA(timing advance)などの情報を含む信号であってもよい。この信号は、同一のリソースユニット上でD2Dデータと共にマルチプレクスされて送信されることも可能であり、この場合、SAリソースプールとは、SAがD2Dデータとマルチプレクスされて送信されるリソースのプールを意味し得る。他の名称として、D2D制御チャネル(control channel)又はPSCCH(physical sidelink control channel)と呼ぶこともできる。D2Dデータチャネル(又は、PSSCH(Physical sidelink shared channel))は、送信端末がユーザデータを送信するのに使用するリソースのプールであってもよい。同一のリソースユニット上でD2Dデータと共にSAがマルチプレクスされて送信される場合、D2Dデータチャネルのためのリソースプールでは、SA情報を除いた形態のD2Dデータチャネルのみが送信され得る。言い換えると、SAリソースプール内の個別リソースユニット上でSA情報を送信するのに使用されていたREsを、D2Dデータチャネルリソースプールでは、依然としてD2Dデータを送信するのに使用することができる。ディスカバリーチャネルは、送信端末が自身のIDなどの情報を送信して、隣接端末が自身を発見できるようにするメッセージのためのリソースプールであってもよい。
【0092】
D2D信号のコンテンツが同じ場合にも、D2D信号の送受信属性に応じて異なるリソースプールを使用することができる。例えば、同じD2Dデータチャネルやディスカバリメッセージであるとしても、D2D信号の送信タイミング決定方式(例えば、同期基準信号の受信時点で送信されるか、それとも一定のTAを適用して送信されるか)やリソース割り当て方式(例えば、個別信号の送信リソースをeNBが個別送信UEに指定するか、それとも個別送信UEがプール内で独自で個別信号送信リソースを選択するか)、信号フォーマット(例えば、各D2D信号が1サブフレームで占めるシンボルの個数や、一つのD2D信号の送信に使用されるサブフレームの個数)、eNBからの信号の強度、D2D UEの送信電力の強度などによって、再び互いに異なるリソースプールに区分されてもよい。説明の便宜上、D2DコミュニケーションにおいてeNBがD2D送信UEの送信リソースを直接指示する方法をMode1、送信リソース領域が予め設定されていたり、eNBが送信リソース領域を指定し、UEが送信リソースを直接選択したりする方法をMode2と呼ぶことにする。D2D discoveryの場合には、eNBがリソースを直接指示する場合にはType2、予め設定されたリソース領域又はeNBが指示したリソース領域でUEが送信リソースを直接選択する場合はType1と呼ぶことにする。
【0094】
モード1の端末は、基地局から構成されたリソースを介してSA(又は、D2D制御信号、SCI(Sidelink Control Information))を送信することができる。モード2の端末は、基地局からD2D送信に使用するリソースが構成される(configured)。そして、構成されたそのリソースから時間周波数リソースを選択してSAを送信することができる。
【0095】
SA周期は、
図9に示したように定義されたものであってもよい。
図9を参照すると、1番目のSA周期は、特定のシステムフレームから上位層シグナリングによって指示された所定のオフセット(SAOffsetIndicator)だけ離れたサブフレームから開始されてもよい。各SA周期は、SAリソースプール及びD2Dデータの送信のためのサブフレームプールを含むことができる。SAリソースプールは、SA周期の1番目のサブフレームから、サブフレームビットマップ(saSubframeBitmap)でSAが送信されるものと指示されたサブフレームのうち最後のサブフレームを含むことができる。D2Dデータの送信のためのリソースプールは、モード1の場合、T−RPT(Time−resource pattern for transmission)又はTRP(Time−resource pattern))が適用されることによって、実際にデータの送信に使用されるサブフレームが決定され得る。図示のように、SAリソースプールを除いたSA周期に含まれたサブフレームの個数がT−RPTビットの個数よりも多い場合、T−RPTは、繰り返して適用され得、最後に適用されるT−RPTは、残りのサブフレームの個数だけトランケートされて(truncated)適用され得る。送信端末は、指示したT−RPTにおいてT−RPTビットマップが1である位置で送信を行い、1つのMAC PCUは、4回ずつ送信することになる。
【0096】
一方、車両間の通信では、periodic messageタイプのCAM(Cooperative Awareness Message)、event triggered messageタイプのDENM(Decentralized Environmental Notification Message)などが送信できる。CAMには、方向及び速度などの車両の動的状態情報、寸法などの車両の静的データ、外部照明状態、経路内訳などの車両の基本情報が含まれ得る。CAMのサイズは、50−300Byteである。CAMは、ブロードキャストされ、遅延(latency)は100msより小さい必要がある。DENMは、車両の故障、事故などの突発的な状況から生成されるメッセージであってもよい。DENMのサイズは、3000Byteより小さくてもよく、送信範囲内にある全ての車両がメッセージを受信することができる。このとき、DENMは、CAMより高い優先順位(priority)を有することができ、ここで、高い優先順位を有するとは、一UE観点からは、同時に送信する場合が発生したとき、優先順位の高いものを優先して送信することを意味してもよく、又は複数のメッセージのうち優先順位の高いメッセージを時間的に優先して送信することを意味してもよい。複数のUE観点からは、優先順位の高いメッセージは、優先順位の低いメッセージに比べて干渉を軽減させて、受信エラーの確率を下げることを意味してもよい。CAMにおいても、セキュリティーオーバーヘッドが含まれた場合は、それではない場合よりも大きいメッセージサイズを有する。本発明の実施例に関連して、3GPP RAN1 #87 agreementは、本発明の従来技術であって、本発明の構成と結合する形態として用いることができる。次の表1には、3GPP RAN1 #87 agreementの一部が示されている。
【0099】
端末が信号を送信するとき、周辺に端末の数が過度に多い場合(又は、干渉の量が過度に多く測定される場合)、個別の端末が送信電力、用いる周波数リソースのサイズ、用いる時間リソースのサイズ、パケット送信周期などを変更することで、周辺の端末への影響を減らすことができる。このとき、端末が送信するパケットの重要度(又は、優先順位(priority))に応じて、互いに異なる送信パラメータを決定してもよい。このように、端末が周辺の状況を認知して、送信パラメータを変更する動作を混雑制御(congestion control)と呼ぶことにする。この混雑制御に関連して、複数のリソース領域(resource pool)が割り当てられた端末が各プール(pool)において、別途の混雑制御を行うことができる。
【0100】
混雑制御のために、端末は周辺状況を認知する目的としてCBR(channel busy ratio)を測定することができる。CBRは、全体のリソースに対する他の端末によって用いられていると判断されるリソースの比率で定義できる。各リソースが用いられているか否かは、該当リソースにおいて測定される受信電力又はRSSIが一定の閾値を超えるか否かによって、一定の時間区間における全体のサブチャネルの数に対するRSSIが一定の閾値を超えるサブチャネルの数で決定できる。
【0101】
端末は、CBRをリソース領域内において測定して、各々の測定されたCBRに対して、CR(channel ratio or resource utilization;全体のリソースに対する各端末が用いるリソースの比率)、MCS、RBサイズ(サブチャネルサイズ、ここで、サブチャネルとは、端末間の通信が発生する帯域においてリソース割り当てが起こる基本的な周波数リソースのサイズを意味する)、retransmission number、transmission power、resource reservation intervalなどの全部又は一部を変更する。このとき、端末が測定したCBRに応じて、使用可能なCRの範囲、MCSの範囲、RBサイズ、サブチャネルのサイズの範囲などは、ネットワークによって物理層又は上位層信号でシグナリングでき、カバレッジ外の端末に、このようなパラメータは予め定められてもよい。
【0102】
上述したCRに関連して、本発明の実施例では、以下に説明するようなCR測定方法を提案する。
【0103】
本発明の一実施例による端末は、予め設定されたサイズの区間内で端末の送信に関連するサブチャネルの数で評価されるCRを測定することができる。端末は、測定されたCRに基づいて送信を行うことができる。
【0104】
ここで、予め設定されたサイズの区間は、端末が用いられたサブチャネルの数を測定する時点を基準として、過去の時間区間と未来の時間区間とをいずれも含んでもよい。具体的に、端末がCRを測定する時点(サブフレームn)を基準として、先の(過去の)Y ms(又は、Y個のサブフレーム)と、CRを測定する時点(サブフレーム)を基準として、後の(未来の)X ms(X個のサブフレーム)に該当する時間区間(区間[n−Y, n+X])が、CR測定のための時間区間となり得る。ここで、過去の時間区間は、予め設定されたサイズの区間内において、必ず予め設定されたサイズ以上であってもよい。即ち、Yのサイズも最小一定値の以上(例えば、Y=100)になるように、予め定められるか、ネットワークによってシグナリングされてもよい。過去の区間があまりにも含まれていないと、実際に発生していない未来の予想されるリソース使用のみでCRを評価することになり、これは、CR測定/評価が不正確となる原因となり得る。よって、実際に用いられたリソースの比率を、一定以上に含ませるのが、端末が実際に用いたCRを反映するという点において意味がある。また、Y値が小さ過ぎるのに送信を行うと、初期CRが過度に高く設定される可能性がある。CRを測定/評価する区間のサイズは1000msであってもよい。端末は、測定されたCRに基づいて送信に関連するパラメータを変更することができ、ここで、送信パラメータは、送信電力、MCS、RBサイズ、サブチャネルサイズ、再送信の回数、リソース予約インターバルのうち1つ以上を含んでもよい。
【0105】
この方式は、過去1000msの間にCRが測定できない場合(例えば、端末がV2X通信を始めたばかりであるか、プールを変更して、過去のCR値がない場合、又は過去に用いたサブチャネルがなく、CR値が0である場合)には、Yms間の端末の送信を繰り返して行ったことと仮定して、まるで1000msが過ぎたように、CRを演算する方法として解釈できる。具体的に、例えば、
図10に示したように、(2つのリソース領域(リソース領域A、リソース領域B)が設定された)端末がリソースプールをリソースプールAからリソースプールBに変更した後、サブフレームnにおいてCRを測定する場合、リソースプールの変更があった後から未来の時間区間(サブフレームn〜サブフレームn+X)の間に用いられる(予約された)サブチャネルをCR測定に含ませることである。仮に、このように構成せず、CRを一般の測定のように、過去送信に限って測定する場合、端末が測定した/測定可能なのは、サブフレームn−Yからサブフレームn−1までの情報であるが、これは、リソースプールの変更によって、新しいリソースプールBにおけるCR測定には用いられない情報である。何故なら、端末はリソースプールAにおいて送信を行い続けていたため、リソースプールBにおけるCRは、0と測定されるからである。よって、結果として、端末は、新しいリソースプールBにおいてCRが測定できない状況(又は、測定されたCR値が0となってしまう状況)が発生する。これに比べて、上述した本発明の実施例によれば、CRを過去送信+未来送信に対する測定として定義することで、プールが変更されても、CRが測定できるのである。これは、特に、V2Xなどにおいて、予め設定された時間(例えば、1000ms)の間のリソース予約による送信を行う特性によるものともみられる。
【0106】
CRは、リソースプールごとに測定されてもよい。位置に基づくリソース領域分割方式によって、特定の位置に属した端末が用いるリソース領域が、予め設定されてもよく、ネットワークによって設定されてもよい。ここで、位置に基づくリソース領域分割方式とは、端末の位置に応じて用いるリソース領域が予め定められており、端末の位置が移動するにつれて、移動した位置において許容されたリソース領域に限って信号を送信する方式を意味する。この場合、端末は、各リソース領域ごとにCBRを別として測定することができ、よって、端末がCRを各リソース領域ごとに測定することもできる。ネットワークは、物理層又は上位層信号で、いずれのリソース領域でCBR及び/又はCRを測定するかをシグナリングすることができる。
【0107】
上述した内容と類似する例として、過去X msの間(Xは、CRを測定するウィンドーサイズであり、例えば、1000ms)、特定のリソースプールを用いていない場合(換言すれば、CRが0の場合)、CRを演算するウィンドーのサイズを漸進的に増加させる方式が考えられる。例えば、新しいリソースプール内でY msが過ぎて、これまでn回の送信を実行(又は、n個のサブチャネルを使用)する場合、このとき、YはXより小さい、CRは、Y:X=n:n'の数式よりn'/Xとして演算する。即ち、実際にn'回の送信を行ってはいないものの、Xmsを用いたと仮定して、これに合わせてCRを演算する。このとき、Y値が小さ過ぎるのに送信を行うと、初期CRが過度に高く設定される可能性があるため、Yのサイズも最小一定値の以上(例えば、Y=100)となるように、予め定められるか、ネットワークによってシグナリングされてもよい。例えば、端末がリソースプールが変更されてCRが0であるとき、変更されたプールの100ms区間内で2つのサブチャネルを用いて送信を行った場合、CRは、2/1000=0.002ではなく、2/100=0.02となる。仮に、その後、200ms区間の間に4つのサブチャネルを用いた場合は、4/200=0.02となるのである。この方式は、過去1000msの間にCRが測定できない場合(例えば、端末がV2X通信を始めたばかりであるか、プールを変更して過去のCR値がない場合)には、Yms間の端末の送信を繰り返して、まるで1000msが過ぎたように、CRを演算する方法として解釈できる。例えば、端末がプールを変更してから100msの間に2つのサブチャネルを用いて送信を行った場合、2*10個のサブチャネルが用いられたと仮定して、CRを演算するのである。このような仮想の送信が行われたと仮定してCRを演算する方式は、実際にCR演算のための時間が十分に(X=1000ms)確保されるまで適用できる。
【0108】
また別の例として、端末に2つのリソース領域(リソース領域A、リソース領域B)が設定された場合、リソース領域AでCBRを測定して通信しているうち、端末の位置が移動して、リソース領域Bを用いる場合が発生することがある。このとき、リソース領域Bでは、CBR結果及び/又はCR測定結果がない可能性がある。リソース領域を移動した後、測定されたCBRがない場合、又は他の理由によってCBRが効果的に測定できない場合は、ネットワークが物理層又は上位層信号でシグナリングした(又は、予め定められた)名目上のCBRを用いて混雑制御(CRlimit、RB size、MCS、retransmission number、resource reservation interval、transmit powerなどの全部又は一部を決定すること)を行うことができる。この実施例は、端末がCBRが測定できない端末に限られた動作であってもよい。例えば、特定の端末は、送信回路のみを具現して、受信回路は具現していない場合、CBRを効果的に測定できない可能性がある。このような端末には、ネットワークが名目上のCBR値をシグナリングして、混雑制御又は送信パラメータの調節を行うことができる。例えば、端末は、Pedestrian UE(P−UE)であってもよい。P−UEは、vehicle UEとは異なり、常にリソースをモニタリングしているわけではない。(端末の電力消耗の節減)よって、この端末には、ネットワークが名目上のCBRをシグナリングして、P−UEがCBRを直接に測定しなくても、送信パラメータ調節/混雑制御を効果的に行うことができる。
【0109】
上述した説明は、端末間の直接通信に限られるのではなく、上りリンク又は下りリンクに用いることもでき、このとき、基地局やリレーノードなどは上述した方法を用いることができる。
【0110】
上述した方式に関する一例も本発明の具現方法のうち1つとして含まれてもよく、一種の提案方式として見なされるのは明白な事実である。また、上述した方式は、独立して具現されてもよいが、一部の方式の組み合わせ(又は、併合)の形態で具現されてもよい。上述した方式の適否情報(又は、上述した方式の規則に関する情報)は、基地局が端末に予め定義したシグナル(例えば、物理層シグナル又は上位層シグナル)を介して知られてもよく、送信端末が受信端末にシグナリングするように、又は受信端末が送信端末に要請するように、規則が定義されてもよい。
【0112】
図11は、本発明の実施形態による送信ポイント装置及び端末装置の構成を示す図である。
【0113】
図11を参照すれば、本発明による送信ポイント装置10は、受信装置11、送信装置12、プロセッサ13、メモリ14及び複数のアンテナ15を含むことができる。複数のアンテナ15は、MIMO送受信を支援する送信ポイント装置を意味する。受信装置11は、端末からの上りリンク上の各種の信号、データ及び情報を受信することができる。送信装置12は、端末への下りリンク上の各種の信号、データ及び情報を送信することができる。プロセッサ13は、送信ポイント装置10の動作全般を制御することができる。本発明の一実施例による送信ポイント装置10のプロセッサ13は、上述した各実施例において必要な事項を処理することができる。
【0114】
送信ポイント装置10のプロセッサ13は、その他にも、送信ポイント装置10が受信した情報、外部へ送信する情報などを演算処理する機能を行い、メモリ14は、演算処理された情報などを所定時間の間に格納することができ、バッファー(未図示)などの構成要素で代替されてもよい。
【0115】
続いて、
図11を参照すると、本発明による端末装置20は、受信装置21、送信装置22、プロセッサ23、メモリ24及び複数のアンテナ25を含むことができる。複数のアンテナ25は、MIMO送受信を支援する端末装置を意味する。受信装置21は、基地局からの下りリンク上の各種の信号、データ及び情報を受信することができる。送信装置22は、基地局への上りリンク上の各種の信号、データ及び情報を送信することができる。プロセッサ23は、端末装置20の動作全般を制御することができる。
【0116】
本発明の一実施例による端末装置20のプロセッサ23は、上述した各実施例において必要な事項を処理することができる。具体的に、プロセッサは、予め設定されたサイズの区間内において、端末の送信に関連するサブチャネルの数で評価されるCRを測定して、測定されたCRに基づいて、送信装置によって送信を行い、予め設定されたサイズの区間は、端末がサブチャネルの数を測定する時点を基準として、過去の時間区間と未来の時間区間とをいずれも含むことができる。
【0117】
但し、端末装置20のプロセッサ23は、その他にも、端末装置20が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を行い、メモリ24は、演算処理された情報などを所定時間格納することができ、バッファー(未図示)などの構成要素で代替されてもよい。
【0118】
以上のような送信ポイント装置及び端末装置の具体的な構成は、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されたり、又は2つ以上の実施例が同時に適用されるように具現することができ、重複する内容は明確性のために説明を省略する。
【0119】
また、
図11に対する説明において、送信ポイント装置10についての説明は、下りリンク送信主体又は上りリンク受信主体としての中継機装置に対しても同一に適用することができ、端末装置20についての説明は、下りリンク受信主体又は上りリンク送信主体としての中継機装置に対しても同一に適用することができる。
【0120】
上述した本発明の実施例は、様々な手段によって具現することができる。例えば、本発明の実施例は、ハードウェア、ファームウエア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現されてもよい。
【0121】
ハードウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、1つ又はそれ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現されてもよい。
【0122】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、以上で説明した機能又は動作を実行するモジュール、手順又は関数などの形態で具現することができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに格納され、プロセッサによって駆動されてもよい。前記メモリユニットは、前記プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の様々な手段によって前記プロセッサとデータを交換することができる。
【0123】
上述したように開示された本発明の好適な実施例に関する詳細な説明は、当業者が本発明を具現し、実施できるように提供されている。以上では、本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者は、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更可能であることを理解できるであろう。例えば、当業者は、上述した実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いることができる。したがって、本発明は、ここに開示された実施形態に制限されるものではなく、ここに開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を付与するためのものである。
【0124】
本発明は、本発明の精神及び必須の特徴から逸脱しない範囲で、他の特定の形態に具体化することができる。よって、上記の詳細な説明はいずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解釈によって定められなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を付与するためのものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新たな請求項として含むことができる。