【文献】
吸引力が一目瞭然!マキタコードレス掃除機の性能比較表【2021年版】,日本,2010年10月31日,URL,https://makita-cleaner.com/comparison_performance_function/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
筒形の吸込口部材と、円筒形の集塵部と、電動送風機と、ハンドルと、バッテリーと、前記電動送風機を収納しかつ前記吸込口部材および前記ハンドルを構成する筐体とを有する掃除機本体と、
前記電動送風機の動作を制御する操作部と、
吸込口体と、を備え、
前記電動送風機から見て前記集塵部が位置する方向を前方とし、
前記電動送風機から見て前記ハンドルの前端部が位置する方向を上方とし、
前記集塵部は、前記掃除機本体の前方側であって前記吸込口部材と上下方向に並んで略平行に配置され、
前記電動送風機は、前記掃除機本体の後方側に配置され、
前記集塵部と前記電動送風機が前後方向に並んで配置され、
前記ハンドルは、前記筐体との間にユーザーの手を差し入れる開口部を形成するように、前記電動送風機の上方から前記電動送風機の後方にわたって形成されるとともに曲がっており、
前記開口部は、前記電動送風機の前後方向の中心よりも前方から、前記電動送風機の上下方向の中心よりも下方にわたって連続して形成されるとともに曲がっており、
前記操作部は、上下方向に沿って前記電動送風機の上方に並ぶ位置であって、前記ハンドルの上部に形成された凹部の底部に設けられている、
電気掃除機。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながらこの発明の吸込口体を備えた電気掃除機の実施形態を詳説する。
【0009】
(実施形態1)
図1は実施形態1におけるこの発明の吸込口体を備えた電気掃除機の右側面図であり、
図2は実施形態1の電気掃除機の左側面図であり、
図3は実施形態1の電気掃除機の
図1対応断面図である。また、
図4は実施形態1の電気掃除機の平面図であり、
図5は実施形態1の電気掃除機の断面図であって(A)は
図3のA−A矢視図、(B)
図3のB−B矢視図であり、
図6は実施形態1の電気掃除機の背面図であり、
図7は実施形態1の電気掃除機の分解図である。
【0010】
この発明の吸込口体50を備えた電気掃除機100は、掃除機本体10と、掃除機本体10に着脱可能に装着されるダストカップユニット20と、吸込口体50と、接続パイプ60とを備える。
【0011】
<掃除機本体>
掃除機本体10は、電動送風機Mと、回路基板K、Nと、複数のスイッチを有する操作部Sと、電動送風機Mおよび複数のスイッチ等を収納する筐体とを有する。
【0012】
図1〜
図7に示すように、筐体は、吸込口部材11aと、電動送風機Mを収納する電動送風機カバー11bと、回路基板Kを格納する回路格納部材11cと、吸込口部材11aの後部に組み付けられて電動送風機カバー11bの前方開口部と連結する連結部材11dと、回路格納部材11cの後部に組み付けられるバッテリー収容ケース11eと、一対の左右カバー部材11fと、組み付けられた一対の左右カバー部材11fの上方開口部を施蓋する上カバー部材11gと、上カバー部材11gに取り付けられる下ハンドル部材11h
1と、下ハンドル部材11h
1に取り付けられる上ハンドル部材11h
2とを含み、これらが一体的に組み立てられる。なお、下ハンドル部材11h
1と上ハンドル部材11h
2とからハンドルhが構成される。
【0013】
吸込口部材11aは、筒形の部材であり、前方に開口する前方吸込口11a
1と、前方吸込口11a
1よりも後方に設けられて上方に開口する排出口11a
2と、前方吸込口11a
1と排出口11a
2とを連通させる内部通風路11a
3とを有する。また、吸込口部材11aの上面の前端には、上方へ突出して後方へ折れ曲がったL形の係止突片11a
4が設けられている。なお、排出口11a
2の開口端縁には気密を保つためにパッキンが設けられている。
【0014】
電動送風機カバー11bは、収納した電動送風機Mの吸引口側および排気口側に配置された前方開口部および複数の小孔からなる後方排気口11b
1を有する。
【0015】
回路格納部材11cは、電動送風機Mを収納した電動送風機カバー11bを支持する部材であり、電動送風機Mからの空気流を流通させる複数の小孔からなる通気口11c
1が形成された左右側壁および後壁を有している。
【0016】
連結部材11dは、筒部11d
1と、筒部11d
1の前端に設けられた前フランジ部11d
2と、筒部11d
1の後端に設けられた後フランジ部11d
3とを有する。前フランジ部11d
2は、後述するダストカップユニット20のカップカバー24と嵌合するサイズおよび形状に形成されており、カップカバー24との当接部位にはパッキンおよび係止凹部11d
4が設けられている。後フランジ部11d
3は、電動送風機カバー11bの前記前方開口部と嵌合するサイズおよび形状に形成されており、電動送風機カバー11bとの当接部位にはパッキンが設けられてネジにて連結している。
【0017】
バッテリー収容ケース11eは、上壁11e
1、前壁11e
2、左右側壁11e
3を有する下方および後方開口状の箱形に形成されている。そして、左右側壁11e
3の内面には段状または溝状の前後方向に延びる左右一対のガイドレールが形成されると共に、前壁11e
2にはバッテリーBの複数の電極端子b
3と個別に電気的に接続する複数の導電部材が設けられている。なお、図示省略するが、各導電部材はリード線を介して回路基板Kに電気的に接続され、回路基板Kは後述する操作部Sの第1〜第4スイッチs
1〜s
4および電動送風機Mとリード線を介して電気的に接続されている。
【0018】
一方、バッテリーBにおいて、左右側面にはバッテリー収容ケース11e左右一対のガイドレールに沿ってスライド可能に係止する左右一対の係止凸部b
1が設けられ、上面には凹部b
2が設けられ、上面から前面に亘って前記複数の電極端子b
3が設けられている。
また、バッテリー収容ケース11eの上壁11e
2の前端側には回路基板Nが固定されると共に、上壁11e
2の後端側にはバッテリー係脱機構30が設けられている。
【0019】
このバッテリー係脱機構30は、係止爪31aを有する係止部材31と、弾発部材と、係止解除ボタン33とを備える。
係止部材31は、前記係止爪31aと、この係止爪31aに連設された斜片部とを有する。
弾発部材32は、前記斜片部を介して係止爪31aをバッテリー収容ケース11eの外部へ突出する方向へ弾発的に付勢する。
係止解除ボタン33は、前記斜片部に摺接可能な接触端部を有すると共に、前記接触端部と連設されてバッテリー収容ケース11eの外部に露出するボタン端部33aとを有する。
【0020】
バッテリーBをバッテリー収容ケース11eに装着する際、係止爪31aは、バッテリーBの上面に摺接しながら押されて引っ込むが、弾発部材32によって外部へ突出する方向に付勢されているため、移動してきたバッテリーBの凹部b
2に係止する。一方、係止解除ボタン33のボタン端部33aを押すことにより、弾発部材32の付勢力に抗して係止部材31の斜片部が押圧されて係止爪31aがバッテリー収容ケース11eの内部へ引っ込む。これにより係止爪31aがバッテリーBの凹部b
2から離脱するため、バッテリーBをバッテリー収容ケース11eから引き抜くことができる。
【0021】
一対の左右カバー部材11fは、吸込口部材11a、電動送風機カバー11b、回路格納部材11c、連結部材11dおよびバッテリー収容ケース11eを左右および下方から覆いかつ支持するように構成されている。一対の左右カバー部材11fは、電動送風機Mに対応する位置に円盤形状部11f
1を有しているが、実施形態1の場合、右カバー部材11fの円盤形状部11f
1には複数の孔からなる排気口11f
2が設けられ、左カバー部材11fの円盤形状部11f
1には排気口11f
2が設けられていない。この点については後述する。
【0022】
図4と
図5に示すように、上カバー部材11gは、前方または後方から視ると左右両側から中央に向かって下方へ湾曲する凹曲面部11g
1を有している。一方、上カバー部材11gの左右両端は一対の左右カバー部材11fの円盤形状部11f
1の円弧状の上縁に沿って取り付けられる形状であるため、左右方向から視た凹曲面部11g
1の断面形状は円弧状である。
【0023】
また、凹曲面部11g
1には、表示部Dおよび運転ランプLが設けられている。表示部Dには、例えば、電池残量、ゴミ詰まり状態(ゴミ捨ての時期)等が表示される。表示部Dおよび運転ランプLは、これらがユーザーから見えやすいように、凹曲面部11g
1の左右中央よりも左右一方側に配置される。
【0024】
図1〜
図3に示すように、ハンドル11hは、前後方向に延びる円弧形状に形成されており、電動送風機MおよびバッテリーBの上方位置に配置されている。これにより、筐体におけるハンドル11hの下方にユーザーの手を差し入れる円弧開口部Hが形成される。ハンドル11h、円弧開口部Hおよび凹曲面部11g
1は、左右方向から視て、左右カバー部材11fの円盤形状部11f
1の中心軸Pを中心とする略同心円状に配置されている。
【0025】
ハンドル11hの下部を構成する下ハンドル部材11h
1の前端は上カバー部材11gの前端および連結部材11dの上端と結合し、下ハンドル部材11h
1の後端は上カバー部材11gの後端およびバッテリー収容ケース11eの後端と結合する。
この下ハンドル部材11h
1の内部には操作部Sの後述する第1〜第4スイッチs
1〜s
4の図示しない各スイッチ本体および各スイッチ本体と電気的に接続されたリード線が収納されている。
【0026】
ハンドル11hの上部を構成する上ハンドル部材11h
2は、下ハンドル部材11h
1の上方開口部を覆うカバーであると共に、第1〜第4スイッチs
1〜s
4の各スイッチ本体の押しボタン部と個別に当接する4個の当接部を構成している。各当接部は、上ハンドル部材11h
2の一部に略U形の切れ込みを形成することにより板バネのように上下方向に弾性変形可能に構成されており、ユーザーは当接部を介してスイッチ本体の押しボタン部を押すことにより所定の操作を行うことができる。
【0027】
ハンドル11hと上カバー部材11gによって形成される円弧開口部Hは中心角度αが100〜140°の円弧形状に形成されており、実施形態1の場合、中心角度αは約130°である。中心角度α100〜140°の範囲で円弧開口部Hを形成することにより、ハンドル11hが大きくなり過ぎず、かつユーザーが握ることができるハンドル11hの前後方向の範囲を十分に確保することができる。
【0028】
図4に示すように、ハンドル11hの上部には前記操作部Sの第1〜第4スイッチs
1〜s
4が設けられており、例えば、第1スイッチs
1は電動送風機MをOFFするスイッチであり、第2スイッチs
2は電動送風機をONするスイッチであり、第3スイッチs
3は電動送風機を最大入力でONするスイッチであり、第4スイッチs
4は後述する吸込口体50の吸込口に設けられたブラシ回転をON/OFFするスイッチである。これらのスイッチは手の親指で押して操作することができる。なお、上ハンドル部材11h
2の操作部対応領域には第1〜第4スイッチs
1〜s
4を表示する粘着シートが貼り付けられている。
【0029】
また、組み付けられた左右カバー部材11fの下面の後部には、左右方向の幅が広いU形のフック掛け部材41が取り付けられている。このフック掛け部材41の役割については後述する。
【0030】
<ダストカップユニット>
図8は実施形態1におけるダストカップユニットの分解図であり、
図9は実施形態1におけるダストカップユニットの分解斜視図である。
ダストカップユニット20は、ダストカップ21と、第1フィルター部22と、第2フィルター部23と、カップカバー24とを備える。
【0031】
ダストカップ21は、底壁21aおよび周囲壁21bを有する円筒形に形成され、その軸心方向一端側に上方開口部21cを有し、周囲壁における上方開口部21cの近傍に流入口21dおよび第1ロック部材21eが設けられている。さらに、ダストカップ21は、底壁21aにおける流入口21dと同じ側に係止凹部21fを有している。
【0032】
第1フィルター部22は、ダストカップ21の上方開口部21cと気密に嵌合しかつ第2フィルター部23のフィルター本体23aを気密に収容する上部カップ部22aと、上部カップ部22aの中心孔22a
1と連通連結する筒状のメッシュフィルター22bと、メッシュフィルター22bの外周に設けられた内筒体22cと、内筒体22cの下端に連結しかつダストカップ21の底面に当接する円筒状支持部22dとを有する。
【0033】
第2フィルター部23は、中心孔を有するプリーツ状のフィルター本体23aと、フィルター本体23aを除塵する除塵機構23bとを有する。実施形態1の場合、フィルター本体23aとして高集塵フィルターが用いられている。また、フィルター本体23aの外周面にはパッキンが設けられている。
【0034】
除塵機構23bは、フィルター本体23aの中心孔に挿入された軸部23b
1と、フィルター本体23aの外周部に設けられた環状部23b
2と、軸部23b
1と環状部23b
2とを連結する放射状に設けられた複数の連結部23b
3と、各連結部23b
3に設けられた複数の当接部23b
4とを有する。
【0035】
各連結部23b
3にはリブ23b
31が設けられており、リブ23b
31を手動で回すことによりフィルター本体23aの各山襞に各当接部23b
4が衝突してフィルター本体23aが振動し、それによってフィルター本体23aに付着した塵埃が第1フィルター部22の上部カップ部22a内に落下する。
【0036】
実施形態1の場合、当接部23b
4は、フィルター本体23aに当接する図示しない弾丸形状の当接部材と、当接部材をフィルター本体23a側に付勢する図示しないコイルスプリングと、当接部材およびコイルスプリングを保持しかつ連結部23b
3に連結するホルダ部23b
21とを有する。
【0037】
第2フィルター部23を第1フィルター部22の上部カップ部22a内に収容し、かつ上部カップ部22aをダストカップ21の上方開口部21cに嵌め込んだ後、第2フィルター部23を覆うようにカップカバー24をフィルター本体23aの外周面を介して嵌め込む。なお、上部カップ部22aにフィルター部23が収納されていない場合、カップカバー24が嵌め込めないように上部カップ部22aには忘れ防止機構22fが設けられている。忘れ防止機構22fは、フィルター部23に第2フィルター部23が装着されていない場合、忘れ防止機構22fがカップカバー21の一部に引っ掛かる位置に移動することで、カップカバー21が第1フィルター部22に装着できないようになることで忘れ防止機構として機能する。
【0038】
このカップカバー24は、除塵機構23bを回す際にユーザーの手が差し入れられるよう円形の窓部24aが設けられている。また、カップカバー24の外周面には、相互に係合した第2ロック部材24dおよび忘れ防止機構22fを収納する囲い部24bが設けられると共に、囲い部24bの反対側には掃除機本体10の係止凹部11d
4と係脱可能に係合する係止爪24c
1を有する第3ロック部材24cが設けられている。また、カップカバー24の外周面には前記第1ロック部材21cの係合爪21c
1と係合する係合凹部22eが設けられている。
【0039】
ダストカップユニット20を掃除機本体10に装着する際は、ダストカップ21の係止凹部21fを掃除機本体10の係止突片11a
4に引っ掛けながら、ダストカップユニット20を掃除機本体10の吸込口部材11aに対して平行にさせる。これにより、ダストカップユニット20の第3ロック部材24cの係止爪24c
1が掃除機本体10の係止凹部11d
4に係止する。このとき、掃除機本体10の吸込口部材11aとダストカップユニット20の流入口21dとがパッキンを介して気密に接続する。一方、第3ロック部材24cを操作して係止爪24c
1を係止凹部11d
4から離脱させればダストカップユニット20を掃除機本体10から取り外すことができる。
【0040】
<電気掃除機の全体構成>
このように構成された実施形態1の電気掃除機100は、
図3に示すように、上方および側方から視て、集塵部としてのダストカップ21、第2フィルター部23、電動送風機MおよびバッテリーBが前方からこの順に略直線的に並んで配置されている。
【0041】
また、この電気掃除機100において、円弧形状のハンドル11hの下方に重量物である電動送風機MおよびバッテリーBが配置されているため、ハンドル11hの円弧形状の中心軸P付近、すなわち、左右カバー部材11fの円盤形状部11f
1の中心軸P付近が電気掃除機100の重心となっている。
【0042】
<電気掃除機の使用状態について>
この電気掃除機100を用いて室内の掃除を行う際には、掃除する場所に応じて、掃除機本体10の吸込口部材11aの前方吸込口11a
1に、例えば、
図15で示すような吸込口体50を接続パイプ60およびブラシ付きノズル70を介して接続する、あるいは、
図13に示すようにブラシ付きノズル70から接続パイプ60を抜き取ってブラシ71を前方へ折り返す、あるいは、
図14で示すように先細ノズル80を接続して掃除する。
【0043】
操作部Sの第2スイッチs
2または第3スイッチs
3をON操作して電動送風機Mを駆動させることにより、
図3中の太線矢印に示すように、塵埃等のゴミを含む空気が掃除機本体10の吸込口部材11aの内部を通過してダストカップ21内に流入する。ダストカップ21内に流入した塵埃を含む空気はダストカップ21内を旋回し、それによって大きなゴミは遠心分離されてダストカップ21の底壁21a側へ寄せられる。
【0044】
大きなゴミが取り除かれた空気において、第1フィルター部22のメッシュフィルター22bの網目よりも大きいゴミはダストカップ21内に留まり、網目よりも小さなゴミ(主に塵埃)は空気と共に第2フィルター部23へ向かう。そして、小さなゴミはフィルター本体23aにて捕捉され、ゴミをほぼ含まない空気がフィルター本体23aを通過して電動送風機M内に流入し、電動送風機カバー11bの後方排気口11b
1および回路格納部材11cの通気口11c
1を通って掃除機本体10の後方のスペースに流入し、右カバー部材11fの排気口11f
2から外部に排出される。
【0045】
このとき、排気口11f
2は左カバー部材11fに設けられていないため、後方排気口11b
1および通気口11c
1から排出された空気の大部分を回路基板Nの方へ回り込ませ、それによって回路基板Nを効率よく空冷することができるようにしてもよい。
【0046】
図10は実施形態1の電気掃除機の使用状態を説明する図であって、(A)は高い位置、(B)は中間高さ位置、(C)は低い位置を掃除する場合である。
この電気掃除機100はハンドル11hが円弧形状であるため、ハンドル11hを持つ位置を変えることで電気掃除機100の重心バランスを変えることができる。
【0047】
例えば、
図10(A)に示すように、手の人差し指に引っ掛けるようにしてハンドル11hの前部を持つと、重力線Gを通る位置またはその付近に人差し指とハンドル11hとの接点Q1および中心軸Pが並ぶ。つまり、このような持ち方をすると電気掃除機100の重心バランスが中心軸Pよりもやや後部(バッテリーB側)に変わり、吸込口部材11aが自然と上向きになるため、ユーザーは手首を無理に捻ることなく楽な姿勢で高い位置を掃除することができる。
【0048】
また、手の人差し指に引っ掛けるようにしてハンドル11hの
図10(B)で示す位置(操作部S側)を持つと、重力線Gを通る位置またはその付近に人差し指とハンドル11hとの接点Q2および中心軸Pが並ぶ。つまり、このような持ち方をすると電気掃除機100の重心バランスがほぼ中心軸P付近に変わり、吸込口部材11aが自然と水平になるため、ユーザーは手首を無理に捻ることなく楽な姿勢で中間の高さ位置(例えば、ユーザーの腰から肩の高さ範囲)を掃除することができる。
【0049】
また、手の人差し指に引っ掛けるようにしてハンドル11hの
図10(C)で示す位置を持つと、重力線Gを通る位置またはその付近に人差し指とハンドル11hとの接点Q3および中心軸Pが並ぶ。つまり、このような持ち方をすると電気掃除機100の重心バランスが中心軸Pよりもやや前部(操作部S側)に変わり、吸込口部材11aが自然と下向きになるため、ユーザーは手首を無理に捻ることなく楽な姿勢で低い位置を掃除することができる。
【0050】
図10(A)〜(C)のように、この発明の吸込口体50を備えた電気掃除機100において、ハンドル11hは、掃除機本体10の中心軸P付近の重心点を通る重心線上にユーザーの手が配置される円弧形状に形成されている。
【0051】
図11は実施形態1の電気掃除機の使用状態を説明する図であって、天井付近を掃除する場合を示している。
図11に示すように、例えば、天井や天井付近の壁等を掃除する場合、電気掃除機100をユーザーの真上近くまで持ち上げる。この場合も、ハンドル11hの最も後端を握ることにより、中心軸P付近の重心点を通る重力線G上にユーザーの手を配置させることができる。しかも、ユーザーの腕にて電気掃除機の重量を下方から支えるため、手首に負担がかかり難い。
【0052】
筐体におけるハンドル11hの下部が下方へ湾曲して広い空間が確保されているため、
図10(A)〜(C)および
図11のいずれの場合においてもハンドル11は握り易くなっている(
図5参照)。また、この広い空間に面する凹曲面部11g
1に表示部Dが配置されているためユーザーから見え易い。なお、実施形態1の電気掃除機100は右利き仕様であるため、使用状態において表示部Dは見え易いようにハンドル11hに対して左側に配置され、排気口11f
2は排気がユーザーに吹きかからないようにハンドル11hに対して右側に配置されている。左利き仕様は右利き仕様と逆の配置にしてもよい。
【0053】
図12は、実施形態1の電気掃除機による床面清掃時の一時的な放置状態を説明する図である。
図12に示すように、吸込口体50を取り付けて床面を掃除する際は、ハンドル11hの
図10(C)で示した位置付近を握って掃除すれば前後方向の力を伝えやすく軽い力でかつ楽な姿勢で掃除することができる。この場合、掃除機本体10のフック掛け部材41をテーブルTの外周端に引っ掛けることにより一時的に電気掃除機100を立て掛けておくことができ、ユーザーはその間、例えば、椅子を移動させたりテーブルTの下を片付けたりする別の作業をすることができる。
【0054】
<フック>
図15は、実施形態1の電気掃除機100を壁Wに掛けて収納する状態を説明する図であり、
図16は、
図15に示す掃除機本体10を壁Wに掛けて収納した状態を説明する平面図であり、
図17は、
図15に示す掃除機本体10、保護カバー41PおよびフックFの関係を説明する図であり、
図18は、
図15に示すフック掛け部材41をフックFに掛ける機構を説明する断面図である。
【0055】
掃除が終了した後、
図15に示すように、壁WのフックFにフック掛け部材41を引っ掛けて電気掃除機100を収納することができる。
また、
図16に示すように、フックFの前面には、フック掛け部材41を両側から挟み込むように形成された傾斜面FRが設けられており、収納時に電気掃除機100が左右にずれるのを規制する。
【0056】
また、フック掛け部材41の外周はゴムなどの軟質材が被されており、例えば、電気掃除機100を床面上に置いたときに、バッテリーBが床面に接触することなく浮き上がり、床面への傷付きもなく、バッテリーBが床面に衝突して故障するという不具合を抑制することができる。
また、
図17に示すように、フック掛け部材41にゴム製の保護カバー41Pを取り付けてもよい。
【0057】
また、掃除機本体10を起てた状態でも、ダストカップユニット20の軸と接続パイプ60の軸とが略平行に配置することにより、ダストカップユニット20を掃除機本体10から容易に取り外すことができ、ダストカップ21に溜まった塵埃を容易に捨てることができる。
また、電気掃除機100を壁Wに引っ掛けた状態にて、バッテリー係脱機構30の係止解除ボタンが操作できる位置にあるので、係止解除ボタンを操作することでバッテリーBを取り外すことができる。したがって、壁WにフックFを使って収納したままの状態で容易にバッテリーBの取り外しが可能となる。
【0058】
図18(A)に示すように、フックFは、上方に折れ曲がった鉤状に形成された係止爪FCを有し、係止爪FCの先端部はなめらかな丸みを帯びるように形成されている。また、係止爪FCの内側面は垂直ではなく、壁から離れるほど上方に傾斜するように形成されている。
また、
図18(B)に示すようなフック掛け部材41がフックFに掛けられた状態において、掃除機本体10をフックFから引き離す方向に引っぱったとき、フック掛け部材41が係止爪FCを乗り越えるのに強い力を要しないので、フック掛け部材41をフックFから無理なく引き離すことができる。
また、掃除機本体10を無理矢理引っぱった場合でも、フックFにかかる負荷が小さくなるため、フックFや壁Wを壊すことなく、フックFから掃除機本体10を安全に取り出すことができる。
【0059】
<吸込口体>
図19は、実施形態1におけるこの発明の吸込口体の平面図であって、(A)は床面を掃除する通常の使用状態、(B)は自立状態であり、
図20は、
図19に示す吸込口体の側面図であって、(A)は床面を掃除する通常の使用状態、(B)は自立状態であり、
図21は、
図19に示す吸込口体のX1−X1矢視断面図であって、(A)は床面を掃除する通常の使用状態、(B)は自立状態であり、
図22は、
図19に示す吸込口体のパイプ接続部の横方向への回動の一例であって、(A)は平面図、(B)は斜視図であり、
図23は、
図19に示す吸込口体の背面図であって、(A)は床面を掃除する通常の使用状態、(B)は自立状態である。
【0060】
吸込口体50は、下面側に回転ブラシ57rが設けられた吸込口57(
図21参照)と、吸込口カバー51と、一対の車輪52と、車輪56と、第1可動パイプ53と、第2可動パイプ54と、第3可動パイプ55とを備える。
【0061】
吸込口カバー51は、吸込口57を覆う長矩形状のカバーであり、その後側中央部に第1可動パイプ53を上下方向および前後方向(以下、「縦方向」と呼ぶ)に回動可能に支持するパイプ支持部51sを備える。
【0062】
車輪52は、床面に対して吸込口体50を前方または後方へ移動させる際に、吸込口体50を車輪56(
図20および
図21参照)とともに支持する部分である。
【0063】
第1可動パイプ53は、その一端がパイプ支持部51sに縦方向に回動可能に支持され、反対側の一端が第2可動パイプ54に接続される。
【0064】
第2可動パイプ54は、第1可動パイプ53に対し、パイプの中心軸まわりに回動可能に嵌め込まれる。また、第2可動パイプ54に対して第3可動パイプ55が上方に回動できるように、第2可動パイプ54に半開口部54nが形成されている。
【0065】
第3可動パイプ55は、第2可動パイプ54に対し、縦方向に回動可能に嵌め込まれる。
また、反対側の一端には、接続パイプ60内に挿入されるパイプ接続部55cを備える。
【0066】
図21に示すように、第1可動パイプ53の下側には、吸込口カバー51の下面内側に形成された係合凸部51cと係合する第1係合凹部53c
1および第2係合凹部53c
2が形成されている。
【0067】
床面を掃除する通常の使用状態でこの発明の吸込口体50を備えた電気掃除機100を用いるとき、ユーザーは、第3可動パイプ55を下方に回動させる。
このとき、
図21(A)に示すように、第3可動パイプ55の内部にある係止突起55e
2は、第2可動パイプ54の内側にある係止爪54e
2に係止されるため、第3可動パイプ55の第2可動パイプ54に対する下方へのさらなる回動が規制される。
【0068】
また、係合凸部51cが第1係合凹部53c
1に係合することによって、第1可動パイプ53が通常の使用状態の位置に固定される。
この状態で電気掃除機100を使用することにより、ユーザーは手首や肘等に負担をかけることなく適切な姿勢で床面を掃除することができる。
【0069】
一方、この発明の掃除機本体10を用いて机の上や棚の上などを掃除する場合は、
図21(B)に示すように、ユーザーは、第3可動パイプ55を上方に回動させる。
このとき、
図21(B)に示すように、第3可動パイプ55の第2可動パイプ54との接続部分にある係止突起55e
1および55e
3がそれぞれ第2可動パイプ54の内側にある係止爪54e
1および54e
3に係止されるため、第3可動パイプ55の第2可動パイプ54に対する前方へのさらなる回動が規制される。
【0070】
また、係合凸部51cが第2係合凹部53c
2に係合することによって、第1可動パイプ53が自立状態の位置に固定される。
これにより、ユーザーは掃除機本体10から取り外した接続パイプ60を吸込口体50ごと床上に自立させたまま、掃除機本体10を手にもって机の上や棚の上などを掃除することができる。
【0071】
図22に示すように、通常の使用状態においては、前方からみて半開口部54nが右方向を向くように、第1可動パイプ53に対して第2可動パイプ54を中心軸右まわりに回動させることによって、第3可動パイプ55を右方向に回動させることができる。
また、半開口部54nが左方向を向くように、第1可動パイプ53に対して第2可動パイプ54を中心軸左まわりに回動させることによって、第3可動パイプ55を左方向に回動させることができる。
【0072】
このように、通常の使用状態においては、第3可動パイプ55を吸込口カバー51に対して左右(横)方向に回動させることができるため、ユーザーは手首や肘等に負担をかけることなく自由な角度で床面を掃除することができる。
【0073】
図23(B)に示すように、自立状態においては、第3可動パイプ55が第2可動パイプ54の半開口部54n内に嵌り込み、前方および横方向のパイプの回動が規制される。また、第2可動パイプ54の係止部54e
4および54e
5がそれぞれパイプ支持部51sの係止部51e
1および51e
2に係止される。
【0074】
このように、自立状態においては、縦方向のパイプの回動だけでなく、横方向のパイプの回動も規制されるため、自立状態において接続パイプ60が横方向に倒れるおそれがなくなる。
【0075】
(実施形態2)
図24は、実施形態2におけるこの発明の吸込口体の平面図であって、(A)は床面を掃除する通常の使用状態、(B)は自立状態であり、
図25は、
図24に示す吸込口体の側面図であって、(A)は床面を掃除する通常の使用状態、(B)は自立状態であり、
図26は、
図24に示す吸込口体のX2−X2矢視断面図であって、(A)は床面を掃除する通常の使用状態、(B)は自立状態であり、
図27は、
図24に示す吸込口体のパイプ接続部の横方向への回動の一例であって、(A)は平面図、(B)は斜視図であり、
図28は、
図24に示す吸込口体の背面図であって、(A)は床面を掃除する通常の使用状態、(B)は自立状態である。
なお、これらの図において、実施形態1の図の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
【0076】
第2実施形態における吸込口体50は、下面側に回転ブラシ57rが設けられた吸込口57(
図26参照)と、吸込口カバー51と、一対の車輪52と、車輪56と、第1可動パイプ53と、第2可動パイプ54とを備える。
【0077】
第1可動パイプ53は、その一端がパイプ支持部51sに接続され、中心軸まわりに回動可能に支持され、反対側の一端が第2可動パイプ54に接続される。
【0078】
第2可動パイプ54は、第1可動パイプ53に対し、縦方向に回動可能に嵌め込まれる。
また、反対側の一端には、接続パイプ60内に挿入されるパイプ接続部54cを備える。
【0079】
図26(B)に示すように、第2可動パイプ54を縦方向に回動させて自立状態にしたとき、第2可動パイプの係止突起54e
1は、第1可動パイプ53の係止爪53e
1に係止されるため、第2可動パイプ54の第1可動パイプ53に対する前方へのさらなる回動が規制される。
【0080】
図27に示すように、通常の使用状態においては、前方からみて半開口部51nが右方向を向くように、吸込口カバー51に対して第2可動パイプ54を中心軸右まわりに回動させることによって、第2可動パイプ54を第1可動パイプ53に対して右方向に回動させることができる。
また、半開口部51nが左方向を向くように、第1可動パイプ53に対して第2可動パイプ54を中心軸左まわりに回動させることによって、第2可動パイプ54を左方向に回動させることができる。
【0081】
このように、通常の使用状態においては、第2可動パイプ54を吸込口カバー51に対して左右(横)方向に回動させることができるため、ユーザーは手首や肘等に負担をかけることなく自由な角度で床面を掃除することができる。
【0082】
図28(B)に示すように、自立状態においては、第3可動パイプ55がパイプ支持部51sの半開口部51n内に嵌り込み、前方および横方向へのパイプの回動が規制される。また、第2可動パイプ54の係合凸部54e
2(
図27参照)が第1可動パイプ53の内側の係合凹部(図示せず)に係合することによって、縦方向にパイプが倒れることを防止する。
【0083】
このように、自立状態においては、縦方向のパイプの回動だけでなく、横方向のパイプの回動も規制されるため、接続パイプ60が自立状態で横方向に倒れる心配もなくなる。
なお、実施形態2におけるその他の構成は実施形態1と同様である。
【0084】
(実施形態3)
図29は実施形態3におけるこの発明の吸込口体および接続パイプの一部の側面図であり、
図30は、
図29に示す吸込口体および接続パイプの一部の平面図であり、
図31は、
図29に示す吸込口体の背面図であり、
図32は、
図29に示す接続パイプの正面図であり、
図33は、
図29に示す吸込口体および接続パイプの一部の平面図であり、
図34は、
図33のX3−X3矢視断面図であり、
図35は、
図33のY−Y矢視方向の部分拡大断面図であり、
図36は、
図33のZ−Z矢視方向の部分拡大断面図である。
なお、これらの図において、実施形態1および2の図の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
【0085】
実施形態3のこの発明の吸込口体50を備えた電気掃除機100において、第2可動パイプ54のパイプ接続部54cの上部に凸条54r
1が、パイプ接続部54cの下部に凸条54r
2および54r
3が、パイプの中心軸方向に伸びる方向に形成されている。
また、
図31、32および34に示すように、接続パイプ60の内側には、パイプ接続部54cの凸条54r
1、54r
2および54r
3にそれぞれ対応する位置に、凹溝60g
1、60g
2および60g
3が形成されている。
【0086】
このように、パイプ接続部54cおよび接続パイプ60に対応する凸条と凹溝をそれぞれ設けることにより、パイプ接続部54cに対する接続パイプ60縦横方向のがたつきを防止することができ、安定な自立状態を実現できる。
【0087】
吸込口体50の回転ブラシ57rの仕様には、大きく分けてDCモーター用とACモーター用の2種類の仕様がある。
ここで、例えばAC100Vのモーターを内蔵する掃除機本体10の接続パイプ60をDC18V仕様の吸込口体50に差し込んでも掃除機本体10のモーターが故障することはないが、逆に、DC18Vのモーターを内蔵する掃除機本体10の接続パイプ60をAC100V仕様の吸込口体50に差し込むと故障の原因となる。
【0088】
そこで、DC18V仕様の吸込口体50のパイプ接続部54cに凸条54rを形成し、DC18Vのモーターを内蔵する掃除機本体10の接続パイプ60に対応する凹溝60gを形成することによって、接続パイプ60の誤挿入を防止することもできる。
【0089】
例えば、AC100Vの接続パイプ60には凹溝60gが形成されていないため、凸条54rが形成されたDC18V仕様の吸込口体50のパイプ接続部54cに差し込むことができない。
一方、凸条54rが形成されていないAC100V仕様の吸込口体50のパイプ接続部54cに差し込むことができる。
【0090】
このようにして、吸込口体50を共用で用いる場合においても、接続パイプ60の誤挿入を防止することによって、モーターの故障を防止できる。
【0091】
なお、凸条および凹溝の個数、位置および形状は、実施形態3の個数、位置および形状に限定されるものではない。また、パイプ接続部54cに凸条を形成し、吸込口体50に凹溝を形成してもよく、パイプ接続部54cまたは吸込口体50に凸条と凹溝を混在させて形成するものであってもよい。
なお、実施形態3において、その他の構成は実施形態1および2と同様である。
【0092】
(実施形態4)
図37は実施形態4におけるこの発明の吸込口体50と接続された接続パイプ60の自立状態を壁に掛けて補助する状態を説明する図である。
なお、これらの図において、実施形態1、2および3の図の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
【0093】
図37に示すように、この発明の吸込口体50と接続された接続パイプ60にフック掛け部材41を取り付けて、壁WのフックFにフック掛け部材41を引っ掛けることにより、自立状態の接続パイプ60を補助することができる。
【0094】
フックFの傾斜面FRによって接続パイプ60の左右方向の回動が規制されるため、より安定な自立状態を実現できる。
なお、実施形態4において、その他の構成は実施形態1、2および3と同様である。
【0095】
この発明の吸込口体は、掃除機本体に延長パイプを介して接続される電気掃除機の吸込口体であって、集塵開口部を有する吸込口本体と、前記延長パイプを前記吸込口本体に対し縦方向および横方向に回動可能に支持する延長パイプ支持部とを備え、前記延長パイプ支持部は、床面を掃除する通常の使用状態において前記延長パイプの床面に対する俯角が予め定められた角度範囲内にあるときは、前記延長パイプを前記吸込口本体に対し縦方向および横方向に回動可能に支持する延長パイプ可動部と、自立状態において前記延長パイプが床面に対し略垂直方向にあるときは、前記延長パイプの前記吸込口本体に対する前方および横方向の回動を規制する延長パイプ規制部とを有することを特徴とする。
【0096】
この発明の吸込口体は、次のように構成されてもよい。
(1)前記延長パイプ可動部は、第1可動パイプおよび第2可動パイプを備え、前記第1可動パイプは、前記吸込口本体の後部に接続され、前記吸込口本体の前後方向に伸びる予め定められた軸まわりに回動可能に前記吸込口本体に支持され、前記第2可動パイプは、前記第1可動パイプの後部に接続され、前記第1可動パイプに直交する予め定められた軸まわりに回動可能に前記第1可動パイプに支持され、前記延長パイプを着脱可能に接続する延長パイプ接続部を後部に備え、前記延長パイプ規制部は、前記第2可動パイプが略垂直方向を向くように前記第1可動パイプおよび前記第2可動パイプを回動させたとき、前記第2可動パイプの前記吸込口本体に対する前方および横方向への回動を係止する係止構造を有するものであってもよい。
【0097】
このようにすれば、2種類の可動パイプとその係止構造により、床面を掃除する通常の使用状態においては、吸引ノズルに対する延長パイプの左右方向の回動を可能にし、自立状態においては、延長パイプの左右方向の回動を規制することができる。
【0098】
(2)前記延長パイプ可動部は、第1可動パイプ、第2可動パイプおよび第3可動パイプを備え、前記第1可動パイプは、前記吸込口本体の後部に接続され、前記吸込口本体に対し縦方向に回動可能に前記吸込口本体に支持され、前記第2可動パイプは、前記第1可動パイプの後部に接続され、前記第1可動パイプの中心軸まわりに回動可能に前記第1可動パイプに支持され、前記第3可動パイプは、前記第2可動パイプの後部に接続され、前記第2可動パイプに直交する予め定められた方向に回動可能に支持され、前記延長パイプを着脱可能に接続する延長パイプ接続部を後部に備え、前記延長パイプ規制部は、前記第3可動パイプが略垂直方向を向くように前記第1可動パイプ、前記第2可動パイプおよび前記第3可動パイプを回動させたとき、前記第3可動パイプの前記吸込口本体に対する前方および横方向への回動を係止する係止構造を有するものであってもよい。
【0099】
このようにすれば、3種類の可動パイプとその係止構造により、床面を掃除する通常の使用時においては、吸引ノズルに対する延長パイプの左右方向の回動を可能にし、自立状態においては、延長パイプの左右方向の回動を規制することができる。
【0100】
(3)前記延長パイプ可動部は、前記延長パイプの自立状態を前記延長パイプ支持部および前記可動パイプ間の係合により保持する係合構造を有するものであってもよい。
【0101】
このようにすれば、自立状態において、延長パイプが回動により倒れることを防止できる。
【0102】
(4)前記延長パイプおよび前記延長パイプ接続部はそれぞれ、パイプの軸方向に伸びる少なくとも1つの凸条または凹溝が形成され、前記延長パイプの前記凸条または前記凹溝の位置および形状が、前記延長パイプ接続部の前記凸条または前記凹溝の位置および形状と整合する場合のみ、前記延長パイプおよび前記延長パイプ接続部を接続可能にするものであってもよい。
【0103】
このようにすれば、延長パイプおよび延長パイプ接続部に形成された凸条または凹溝が整合したときのみ、延長パイプおよび延長パイプ接続部が接続されるため、自立状態において、吸込口体に対する延長パイプのがたつきを防止することができ、安定な自立状態を実現できる。
【0104】
また、DCモーター用またはACモーター用の吸込口体を延長パイプに接続する場合において、例えば、DC18V仕様の吸込口体のパイプ接続部に凸条を形成し、DC18Vのモーターを内蔵する掃除機本体の延長パイプに対応する凹溝を形成することによって、延長パイプの誤挿入によるモーターの故障を事前に防止できる。
【0105】
(5)また、この発明の電気掃除機は、前記吸込口体と、掃除機本体と、前記吸込口体および前記掃除機本体を着脱可能に接続する延長パイプとを備え、前記掃除機本体は、前記吸込口体から前記延長パイプを介して空気を吸引する電動送風機および吸引した空気から塵埃を分離して集塵する集塵部を内蔵する。
【0106】
このようにすれば、床面を掃除する通常の使用状態においては、延長パイプの吸込口本体に対する横方向の回動を可能にし、自立状態においては、延長パイプの吸込口本体に対する横方向の回動を規制することができる電気掃除機を実現できる。
【0107】
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。例えば、この発明の電気掃除機は、サイクロン方式の集塵部に限定されず、紙パック方式の集塵部にも適用可能である。この発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0108】
〔付記事項〕
電気掃除機を持って机の上や棚の上などの高い場所を掃除する際、ユーザーは、掃除機本体から取り外した延長パイプを吸込口ごと床上に自立させたまま、掃除機本体にアタッチメントノズルを装着して掃除することがある。
【0109】
従来の吸込口体は、特許文献1の電気掃除機の吸込口体のように、延長パイプの吸込口本体に対する縦方向の回動を規制する係止機構を有するものの、延長パイプの吸込口本体に対する横方向の回動機構が設けられていないため、床面を掃除する際にユーザーの手首や肘等に負担がかかり、使いづらいことがある。
また、延長パイプの吸込口本体に対する横方向の回動機構を有する吸込口体を用いた場合、横方向の回動を規制する係止機構を設けなければ、延長パイプを床上に自立させたときに、延長パイプが横方向に倒れるおそれがある。
【0110】
本発明の一態様に係る発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、床面を掃除する通常の使用状態においては、延長パイプの吸込口本体に対する横方向の回動を可能にし、自立状態においては、延長パイプの吸込口本体に対する横方向の回動を規制する吸込口体を提供することを目的とする。
【0111】
本発明の一態様に係る発明によれば、掃除機本体に延長パイプを介して接続される電気掃除機の吸込口体であって、集塵開口部を有する吸込口本体と、前記延長パイプを前記吸込口本体に対し縦方向および横方向に回動可能に支持する延長パイプ支持部とを備え、前記延長パイプ支持部は、床面を掃除する通常の使用状態において前記延長パイプの床面に対する俯角が予め定められた角度範囲内にあるときは、前記延長パイプを前記吸込口本体に対し縦方向および横方向に回動可能に支持する延長パイプ可動部と、自立状態において前記延長パイプが床面に対し略垂直方向にあるときは、前記延長パイプの前記吸込口本体に対する前方および横方向の回動を規制する延長パイプ規制部とを有することを特徴とする吸込口体が提供される。
【0112】
この本発明の一態様に係る発明の吸込口体によれば、床面を掃除する通常の使用状態においては、延長パイプの吸込口本体に対する横方向の回動を可能にし、自立状態においては、延長パイプの吸込口本体に対する横方向の回動を規制することができる。
すなわち、床面を掃除する際に延長パイプが吸込口本体に対して横方向にも回動するため、ユーザーは、無理に手首や肘を曲げなくても楽な姿勢で掃除することができ、また、自立状態で延長パイプの吸込口本体に対する横方向の回動が規制されるため、延長パイプが吸込口本体に対して横方向に倒れることを防止することができる。
【0113】
(付記事項)
この開示によれば、筒形の吸込口部材と、円筒形の集塵部と、電動送風機と、ハンドルと、バッテリーと、前記電動送風機を収納しかつ前記吸込口部材および前記ハンドルを構成する筐体とを有する掃除機本体とを備え、前記集塵部は、前記掃除機本体の前方側であって前記吸込口部材と上下方向に並んで略平行に配置され、前記電動送風機は、前記掃除機本体の後方側に配置され、前記集塵部と前記電動送風機が略直線状に配置されることを特徴とする電気掃除機が提供される。