(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つのレンズを格納することが意図される前部要素(2)と、ヒンジ軸(Z)を有するヒンジ(7)によって前記前部要素(2)に結合された端部(16)を有する少なくとも1つのテンプル(6)とを含み、前記前部要素(2)と前記少なくとも1つのテンプル(6)との間で前記ヒンジ(7)の近傍に延びる、湾曲することができる導体(10)を含む電子フレーム(1)において、
前記電子フレーム(1)は、前記前部要素(2)と前記少なくとも1つのテンプル(6)の1つの端部(16)との間に設置された少なくとも1つの部品(15)を含み、前記部品(15)は、前記電子フレーム(1)内に移動可能に取り付けられ、且つ前記導体(10)を通過させることができる貫通穴(19)を有しており、
前記部品(15)は、前記少なくとも1つのテンプル(6)の前記端部(16)及び/又は前記前部要素(2)の1つの端部(5)に設けられている第二のストッパ要素(30)と接触することができる第一のストッパ要素(29)を含み、前記第一及び第二のストッパ要素(29、30)は、前記部品(15)が前記ヒンジ軸(Z)の周囲で回転することを確実にすることを特徴とする電子フレーム。
前記ヒンジ軸(Z)は、軸方向を画定することと、前記部品(15)は、前記ヒンジ軸(Z)の周囲で回転できるように移動可能に取り付けられることと、前記貫通穴(19)は、前記軸方向に垂直なラジアル平面内にあることとを特徴とする、請求項1に記載の電子フレーム。
前記少なくとも1つのテンプル(6)の前記端部(16)は、前記導体を案内するための領域(28)と、前記部品(15)の一部を受けるための第一の受容部分(18)とを有し、前記第一の受容部分(18)は、前記部品(15)が回転して案内されることを可能にする形状を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子フレーム。
前記前部要素(2)は、前記ヒンジの近傍において、前記導体を案内するための領域(27)と、前記部品(15)の一部を受けるための第二の受容部分(17)とを含み、前記第二の受容部分(17)は、前記部品(15)が回転して案内されることを可能にする形状を有することを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子フレーム。
前記ヒンジ(7)は、前記少なくとも1つのテンプル(6)が開位置と閉位置との間で移動することを可能にすることと、前記受容部分(17、18)は、前記開位置と前記閉位置との間の前記少なくとも1つのテンプル(6)の任意の位置において且つ前記少なくとも1つのテンプルの前記開位置及び閉位置において、前記導体(10)と前記部品(15)の前記貫通穴(19)とを覆うこととを特徴とする、請求項3又は4に記載の電子フレーム。
前記貫通穴(19)は、前記導体(10)の最小曲率半径が制約されることを可能にする形状を有することを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の電子フレーム。
前記貫通穴(19)の前記形状は、半分の砂時計の形状であり、前記貫通穴(19)は、前記部品(15)の中心(20)から前記部品(15)の前記貫通穴(19)の2つの端部(21、22)まで増大する断面を有することを特徴とする、請求項7に記載の電子フレーム。
前記貫通穴(19)の前記形状は、砂時計の形状であり、前記貫通穴(19)は、前記部品(15)の中心(20)から前記部品(15)の前記貫通穴(19)の2つの端部(21、22)まで増大する断面を有することを特徴とする、請求項7に記載の電子フレーム。
前記ヒンジ(7)の近傍の前記前部要素(2)の1つの端部(27)と前記テンプル(6)の1つの端部(28)との間の第一の長さを有することと、前記導体(10)は、前記前部要素(2)の前記端部(27)と前記テンプル(6)の前記端部(28)との間の第二の長さを有することと、前記第二の長さは、前記第一の長さより1〜5%大きいこととを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載の電子フレーム。
前記ヒンジ(7)は、前記テンプル(6)が開位置と閉位置との間で移動することを可能にすることと、前記貫通穴(19)は、相互に対向する2つの内壁(23、24)を含むことと、前記テンプル(6)の前記開位置又は閉位置において、前記導体(10)は、前記貫通穴(19)の前記2つの内壁(23、24)の一方又は他方と接触することとを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載の電子フレーム。
前記ヒンジ(7)は、前記テンプル(6)が開位置と閉位置との間で移動することを可能にすることと、前記開位置と前記閉位置との間で、前記部品(15)は、前記導体(10)に対して引張応力をかけないこととを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載の電子フレーム。
前記ヒンジ(7)は、前記少なくとも1つのテンプル(6)の前記端部(16)を前記前部要素(2)に連結することと、前記部品(15)は、前記ヒンジ(7)とは別個であることと、を特徴とする、請求項1〜12の何れか一項に記載の電子フレーム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明により、この問題を解決しながら、従来の眼鏡フレームの外観を保ち且つ導体を保護することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明は、少なくとも1つのレンズを格納することが意図される前部要素と、ヒンジ軸を有するヒンジによって前記前部要素に結合された端部を有する少なくとも1つのテンプルとを含む電子フレームを提供し、前記電子フレームは、前部要素と前記少なくとも1つのテンプルとの間で前記ヒンジの近傍に延びる、湾曲することができる導体を含む。本発明による電子フレームは、前部要素と前記少なくとも1つのテンプルの1つの端部との間に設置された少なくとも1つの部品を含み、前記部品は、前記電子フレーム内に移動可能に取り付けられ、且つ前記導体を通過させることができる貫通穴を有するという点で注目に値する。
【0010】
導体の通る部品は、それが保護されることを可能にし、具体的には、部品は、その劣化の原因となり得る導体と異物とのいかなる接触も阻止する。部品はまた、導体を隠すことにより、ヒンジの、したがって電子フレームの外観の良さを保証できる。
【0011】
本発明はまた、以下の特徴も個別に又は組み合わせて含み得る:
− 前記部品は、ヒンジ軸の周囲で回転できるように移動可能に取り付けられ得、ヒンジ軸は、軸方向を画定し、及び貫通穴は、軸方向に垂直なラジアル平面内にある。
− 前記2つのテンプルの少なくとも一方の前記端部は、導体を案内するための領域と、前記部品の一部を受けるための第一の部分とを有し得、前記第一の受容部分は、前記部品が回転して案内されることを可能にする形状を有する。
− 前部要素は、ヒンジの近傍において、導体を案内するための領域と、前記部品の一部を受けるための第二の部分とを含み得、前記第二の受容部分は、前記部品が回転して案内されることを可能にする形状を有する。
− ヒンジは、テンプルが開位置と閉位置との間で移動することを可能にし、前記受容部分は、前記開位置と前記閉位置との間の前記テンプルの任意の位置において且つ前記テンプルの前記開位置及び閉位置において、導体と前記部品の穴とを覆い得る。
− 前記部品は、有利には、円筒形状であり得る。
− 第一及び第二の受容部分は、少なくとも部分的に円筒形の部分であり得る。
− 前記貫通穴は、導体の最小曲率半径が制約されることを可能にする形状を有し得る。
− 前記穴の前記形状は、半分の砂時計の形状であり得、前記穴は、部品の中心から部品の貫通穴の2つの端部まで増大する断面を有する。
− 前記穴の前記形状は、砂時計の形状であり得、前記穴は、部品の中心から部品の貫通穴の2つの端部まで増大する断面を有する。
− フレームは、ヒンジの近傍の前部要素の1つの端部と前記テンプルの1つの端部との間の第一の長さを有し得、導体は、前部要素の前記端部と前記テンプルの前記端部との間の第二の長さを有し得、前記第二の長さは、前記第一の長さより実質的に1〜5%大きい。
− ヒンジは、テンプルが開位置と閉位置との間で移動することを可能にし得、前記貫通穴は、相互に対向する2つの内壁を含み得、及びテンプルの前記開位置又は閉位置において、導体は、前記穴の前記2つの内壁の一方又は他方と接触し得る。
− ヒンジは、テンプルが開位置と閉位置との間で移動することを可能にし得、前記開位置と前記閉位置との間で、前記部品は、前記導体に対して引張応力をかけない。
− 前記部品は、前記2つのテンプルの少なくとも一方の前記及び/又は前記前部要素の1つの端部に設けられている第二のストッパ要素と接触することができる第一のストッパ要素を含み得、前記第一及び第二のストッパ要素は、前記部品が前記ヒンジ軸の周囲で回転することを確実にする。
− 前記ヒンジは、前記2つのテンプルの少なくとも一方の端部を前記前部要素に連結し得、及び前記部品は、前記ヒンジとは別個であり得る。
− 1つの変形実施形態によれば、前記部品は、前記2つのテンプルの少なくとも一方の端部を前記前部要素に連結するヒンジの部分であり得る。
− ヒンジは、実質的に−10°〜+90°に含まれる開き角度を有し得る。
− 導体は、2.5mmより大きい曲率半径を有し得る。
− 部品は、実質的に4mmの長さを有する断面を有し得、前記長さは、断面の最も離れた2点間で測定され、及び部品は、実質的に4mmの高さを有し得る。
【0012】
本発明が実施可能となるように、さらに下記の図面を伴う以下の説明で本発明が十分に明瞭且つ詳細に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
明瞭さを期し、説明される実施形態の理解にとって有益な要素のみが示されている。
【0015】
加えて、1つの実施形態から次の実施形態へと、ある要素に付与された参照符号は再使用されている。
【0016】
最後に、以下の説明における「上方」、「下方」、「上」、「下」等の用語は、理解しやすくするために図面に関して使用されている。これらは本発明の範囲を限定するものと理解してはならない。
【0017】
図9及び10は、本発明による電子フレーム1を部分的に示し、これは、前部要素2、すなわち電子フレーム1の装用者の顔の正面に位置付けられるのに適したフレームの要素を含む。
【0018】
前部要素2は、少なくとも1つのレンズ(図示せず)を格納するように設計されている。それは、この目的のために、レンズの縁を受けることができる少なくとも1つの内側溝4を有するリム3を含む。
【0019】
図に示されている例において、電子フレーム1は、2つのレンズ(ただし、図には1つのリムが示されている)を受けるように設計されているが、本発明は、2つのレンズを受けるように設計された電子フームに限定されないと理解される。具体的には、本発明による電子フレームは、1つのゴーグル型又はマスク型レンズのみを受けるように設計することもでき、これも本発明の内容から逸脱せず、ゴーグル型又はマスク型レンズは、電子フレームが装用されたときに装用者の両眼の正面に広がるのに十分な大きさである。
【0020】
レンズはアクティブレンズであり得る。アクティブレンズとは、電子部品に関連付けられ、電子部品がアクティベートされると、その状態を変化させることができるレンズを意味する。
【0021】
例えば、アクティブレンズは、振幅が電子回路により制御される振幅可変眼科用セル又は位相変調レンズ若しくはスマートレンズであり得る。
【0022】
理解すべき点として、本発明は、アクティブレンズを備える電子フレームを含む光学機器に限定されない。具体的には、本発明による電子フレームを含む機器は、パッシブレンズ、すなわち光学特性を有していてよい(又は有していなくてもよい)が、(例えば、電子部品の制御により)状態を変化させるように設計されるレンズを備え得る。
【0023】
例えば、パッシブレンズを使用することも想定され得、この場合、導体は、テンプルの少なくとも一方の部品を前部要素に格納される部品に接続するために使用され得る。
【0024】
また別の実施形態によれば、導体は、前部要素を通り、一方のテンプルに格納された部品を他方のテンプルに格納された部品に結合することができる。
【0025】
前部要素2は、その側方端部5により、2つのテンプル6に結合され、2つのテンプル6はフレームの装用者の耳の上に位置付けられるように設計される。
【0026】
ヒンジ7は、各テンプル6を前部要素の側方端部に結合する。
【0027】
ヒンジ7は、テンプル6が、
− テンプル6が前部要素2から離れ、前部要素がある平面に実質的に垂直な平面内にある開位置(
図9及び10に示される)と、
− テンプル6が前部要素2に近く、前部要素がある平面に実質的に平行な平面内にある閉位置と
の間で移動することを可能にする。
【0028】
ヒンジ7は、
図10により詳しく示されている。
【0029】
それは基部8を含み、これは側方端部5で前部要素2のリム3に固定される。基部8は、実質的に直方体の形状であり、4つの側面、1つの上面、及び1つの下面を含む。基部8は、その側面の1つに突起80を有し、その長さはヒンジの基部8の長さと実質的に等しい。
【0030】
突起80は、実質的に長方形の断面を有し、それによってヒンジの基部8がヒンジ7のアーム9に結合されることが可能となる。
【0031】
ヒンジ7のアーム9はテンプル6に固定される。
【0032】
ヒンジ7のアーム9は概して円筒形状であり、半径方向の突起91が付与された第一の端部90と、ヒンジの基部8の突起80を少なくとも部分的に受けることができる軸方向のノッチ93を有する第二の端部92とを有する。
【0033】
突起80及びアーム9の第二の端部92は、それぞれ貫通穴を有する。貫通穴は、同軸状に積み重ねて位置付けられ、その中に保持部品(例えば、リベット)を挿入し、そのようにして突起80とヒンジのアーム9の端部92とを組み立てることができる。
【0034】
ヒンジ7のアーム9は、保持部品の周囲で回転(旋回)できるように移動可能に取り付けられ、ヒンジ7は回転軸Zを有し、これはアーム9がその周囲で旋回し得る保持部品の軸に対応する。
【0035】
本発明によれば、電子フレーム1は少なくとも1つの電子部品を含む。
【0036】
この例の場合、それは少なくとも3つの電子部品、すなわち前部要素2に配置された第一の部品(図示せず)、テンプル6に配置された第二の部品(図示せず)、及び第三の部品、すなわち第一の部品と第二の部品とが物理的に接続されることを可能にする第三の部品、すなわち導体10を含む。
【0037】
上述のように、導体は、第一の部品と第二の部品との間の電流の流れを確実にする。
【0038】
導体10は特に
図10に示されている。これは、柔軟な(したがって湾曲することができる)リボンの形態を取り、プリント回路型の導電回路を担持し、その回路が接触する部品が接続されることを可能にする。
【0039】
説明され、図示されている本発明は、導電性リボン10を使用しているが、本発明はそれに限定されないと理解すべきである。
【0040】
具体的には、導体は異なり得る。それは、ケーブル、ワイヤ、光ファイバ、又は情報若しくはエネルギーがそれにより物理的に接続された2つの電子部品間で伝達されることを可能にする他の任意の要素を対象とし得、一方の部品は前部要素内に位置付けられ、もう一方は電子フレーム1のテンプル内に配置される。
【0041】
導電性リボン10は、第一の部分11を含み、これは前部要素2で前部要素の側方端部5へ延びる。
【0042】
側方端部5と同じ高さで、リボン10の第一の部分11は、湾曲して第二のリボン部分12につながる。第二のリボン部分はリボンアーム13を含み、それによってこれが電子部品(図示せず)に接続されることが可能となる。
【0043】
第二のリボン部分12の端部は、再び湾曲して、テンプル6に平行にある第三のリボン部分14につながる。第三のリボン部分14は、その厚さがテンプル6の厚さ内に位置付けられるような向きとされる。
【0044】
導電性リボン10は、このようにしてフレームの前部要素2とフレームのテンプル6との間に延びる。
【0045】
導電性リボン10は、ヒンジの近傍のヒンジ7の下に位置付けられる。
【0046】
導電性リボン10は、ヒンジの下の、前部要素2の側方端部5とテンプル6の端部との間に位置付けられた部品15を通る。
【0047】
したがって、この実施形態において、部品15はヒンジ7と個別に製造される。しかしながら、本発明はまた、ヒンジが部品15を含む実施形態(換言すれば、部品15がヒンジに帰属する実施形態)にも関する可能性があると理解する。
【0048】
部品15は、前部要素又はテンプル6が作られる材料との摩擦係数が低い材料から製作され得る。例えば、部品15は、Teflon(登録商標)、Delrin(登録商標)、青銅等から製作され得る。
【0049】
部品15の機能は、導電性リボン10を、それをヒンジ7から離れた状態に保つことによって保護し、それを前部要素2とテンプル6の端部との間に案内し、それを物理的に保護するために及び審美的理由のために導電性リボン10を電子フレーム2の外部から隠すことである。
【0050】
部品15を説明するために、ここで、
図1〜8を参照する。
【0051】
部品15は円筒であり、長さが実質的に4mmであり且つ高さが実質的に4mmである断面を有する。
【0052】
部品15は、その軸がヒンジの軸Zと一致するようにフレーム内に設置され、それは、その軸の周囲で回転できるように移動可能に取り付けられる。
【0053】
この回転を可能にするために、それぞれ前部要素5とテンプル6の端部5及び16とは、それぞれ受容部分(又はハウジング)17及び18を有し、それぞれ部品15の一部を格納できる。
【0054】
2つの受容部分17及び18は、部品15が回転して案内されることを可能にするように設計される。
【0055】
これを行うために、受容部分17及び18は、それぞれ部品15の形状と相補的な一部円筒形状を有する。
【0056】
部品15は、導電性リボン10を通すことができる貫通穴19を有する。
【0057】
これを実現するために、貫通穴19は、円筒形部品15の軸が向けられる軸方向に垂直なラジアル平面内に作られる。したがって、貫通穴により、好ましくは全体が軸方向に垂直な平面内にある導体を使用できる。特に、好ましくは、導体は、軸方向のこの穴の長さに沿った方向においてしわ又は急激な変化を含まない。
【0058】
貫通穴19は、非常に特異な形状を有し、それによって導電性リボン10の最小曲率を制約できる。
【0059】
図1及び2に示される第一の実施形態において、貫通穴19は半分の砂時計の形状を有し、穴は、部品15の中心20と貫通穴19の2つの端部21及び22との間で増大する断面を有する。
【0060】
貫通穴19は、相互に対向する2つの内壁23、24を有する。
【0061】
壁24は平坦であり、壁23は湾曲している。
【0062】
図3〜8に示される第二の実施形態において、貫通穴19は砂時計の形状を有し、相互に対向する2つの内壁は、部品15の子午線に関して対称な2つの湾曲壁23である。
【0063】
砂時計の形状とは、第二の貫通穴19が、部品15の中心20から貫通穴19の2つの端部21及び22まで拡大する断面を有することを意味する。
【0064】
図3は、部品15の拡大図を示す。貫通穴19の端部21及び22は、開き角度A1及びA2を有する。
【0065】
さらに、湾曲壁23は、比較的目立つ内側突起C1及びC2を有する。
【0066】
前部要素2とテンプル6の各端部5及び16とは、それぞれ案内導管25及び26を有し、その各々を通って導電性リボン10の一部のそれぞれが案内される。
【0067】
案内導管25及び26は、それぞれ開放端部27及び28を有し、これらは前部要素2とテンプル6の端部5及び16とのそれぞれの受容部分17及び28へ開放している。導管25及び26は、ここで、一定の幅であるように示されているが、広がっていてもよい。ヒンジがどの程度開いているかにかかわらず、パラメータ11、12、A1及びA2は、一方で端部27及び21、他方で端部28及び22間に常に重複領域があるような寸法とされる。
【0068】
案内導管25及び26は、導電性リボン10を受容部分17及び18のある位置へ案内するための領域を画定する。案内領域は、前部要素2とテンプル6の端部5及び16との受容部分17及び18において、それぞれ幅11及び12にわたる。
【0069】
特にパラメータA1、A2、11、12及びC1、C2の調整により、電子フレーム1の以下のような特性の少なくとも1つが影響を受けることが可能となる:
− 導電性リボン10の曲率半径、
− 端部27及び28間の導電性リボン10が通る経路の長さ(この長さは、導電性リボンへの引張又は圧縮応力に依存する)、
− 密閉性を実現するために導電性リボン10がヒンジ7の両側でどのように且つどの程度ブロックされるか、及び
− テンプル6の開き角度。
【0070】
したがって、テンプル6のその開位置とその閉位置との間の任意の位置において且つテンプル6の開位置又は閉位置において、受容部分17及び18が導電性リボン10と貫通穴19の端部21及び22とを覆うように電子フレームを製造することが可能である。
【0071】
また、パラメータA1、A2、11、12、及びC1、C2は、テンプルの開位置と閉位置との間(又はその逆)で部品15が導電性リボン10に引張応力をかけないようなものであるようになされ得る。
【0072】
図4〜6は、テンプル6によって取られ、且つパラメータA2、11、12、及びC1、C2の選択により可能となる3つの位置を示す。
【0073】
図4は、テンプル6が開位置において前部要素2に関して拘束されているテンプル6を示し、これは、装用者が自らの顔の正面に電子フレームの前部を位置付け、テンプル6を自らの耳の上に載せるためにフレームのテンプル6を分離したときにテンプル6が取る位置を対象とする。この位置は、テンプル6を分離するために装用者が加える力がそれにかかるため、「拘束された」と言われる。
【0074】
開いて拘束された位置でテンプル6が取る角度αは、テンプル6の開いて拘束されていない位置に関して−10°である。
【0075】
テンプル6の開いて拘束されていない位置は、
図5に示されている。この位置において、前部要素2の端部5とテンプル6の端部16とが直線D上に並ぶことがわかる。
【0076】
テンプル6の閉位置が
図6に示されており、これは、例えば装用者が電子フレームを装用せず、ケースに入れることを望むときにテンプル6を前部要素に向かって折り畳んだ場合にテンプル6が取る位置を対象とする。
【0077】
テンプル6が取る方向と前部要素の方向Dとの間の角度αは、実質的に90°である。
【0078】
したがって、ヒンジの開き角度は、実質的に−10°〜90°である。
【0079】
(上述の)部品15の寸法に関して、導電性リボン10の曲率半径は、テンプル6が取る位置の何れにおいても応力を受けないようにするために、2.5mmより大きくなければならない。
【0080】
より一般的に、導電性リボン10が前部要素2及びテンプル6の端部5及び16間に延びる経路の長さが考慮され、経路の長さは、それぞれ導管25及び26の端部27及び28間で測定される。これら2つの端部27及び28間の導電性リボン10の長さは、導電性リボン10に応力が一切かからないようにするために、経路の長さより実質的に1〜5%大きくなるようになされる。
【0081】
テンプルが開位置(拘束されているか否かを問わない)にあるか、又は閉位置にあるかに応じて、導電性リボンは、貫通穴19の内壁23の一方又は他方と接触することがわかり、
図4及び5(それぞれ拘束されている位置及び拘束されていない位置を示す)に示されているテンプルの開(すなわち分離)位置では、導電性リボン10は壁23(
図4及び5の下方壁23)と接触する。閉(すなわち折り畳み)位置において(
図6を参照されたい)、導電性リボンは、貫通穴19の他方の壁23(
図6の上方内壁)に接した状態に位置付けられる。
【0082】
上述の例おいて、貫通穴の内壁の一方又は他方と接触して部品を回転させるのは、導電性リボン10である。
【0083】
他の技術的解決策も可能であり、
図7及び8は、部品15と、前部要素又はテンプルの端部の1つとの両方にストッパを形成する要素を位置付けるようになされた1つの技術的解決策を示す。
【0084】
ストッパ形成要素は、テンプル6の旋回中に部品15を回転させる役割を果たす。
【0085】
図7及び8に示される例において、部品15は2つのストッパ29を有し、これらは円筒形部品15の上面又は下面から突出し、ストッパ29の一方は、穴19の端部22の下方部分の近傍に配置され、ストッパ29のもう一方は、穴19の端部22の上方部分の近傍に配置される。
【0086】
テンプル6の端部16はまた、テンプル6の導管26の端部28のそれぞれの側に配置される2つの突出ストッパ30も有する。
【0087】
前部要素2に関いてテンプル6が閉じられている(すなわち折り畳まれている)間(
図8)、開放端部28の上方部分にあるストッパ30は、部品15の上方ストッパ29と接するように位置する。したがって、ストッパ30はストッパ29を押し、それが部品15を回転させる。部品15の回転は、テンプルの2つの端部5及び16の2つの部分31及び32が相互に接触すると停止する。
【0088】
テンプル6が前部要素2に関して開かれている(すなわち分離されている)間(
図7)、開放端部28の下方部分にあるストッパ30は、部品15の下方ストッパ29と接するように位置付する。したがって、ストッパ30はストッパ29を押し、テンプル6がその閉(又は折り畳み)位置からその開(又は分離 −
図7を参照されたい)位置へ通過する間に部品15を回転させる。
【0089】
上記の説明から、本発明が、柔軟な導電性リボン型の導電性要素が電子フレームのヒンジに隠されることをどのように可能にするかがわかるであろう。
【0090】
しかしながら、本発明の範囲は、上で具体的に説明された実施形態に限定されず、それは任意の均等な手段の実施を包含すると理解すべきである。