(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、複合機10及び複合機10に取り付けられたインクカートリッジ50が使用可能に水平面に設置された姿勢(
図1の姿勢であって、「使用姿勢」と表記することがある。)を基準として上下方向7が定義され、複合機10の開口13が設けられている面を前面として前後方向8が定義され、複合機10を前面から見て左右方向9が定義される。本実施形態では、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。
【0026】
[本実施形態]
以下、本実施形態に係る複合機10及びインク供給装置15が説明される。
【0027】
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10(画像記録装置の一例)は、概ね直方体形状である。複合機10は、プリンタ部11、スキャナ部12、及び操作パネル17を有している。プリンタ部11は、複合機10の下部に位置し、インクジェット記録方式で用紙28(
図2参照)に画像を記録する。スキャナ部12は、スキャン機能を有する装置であり、プリンタ部11の上方に位置する。プリンタ部11は、前方に開口する開口13を有する筐体14と、筐体14の内部において開口13の右方に位置するインク供給装置15と、を備えている。操作パネル17は、スキャナ部12の前方に位置している。操作パネル17は、プリンタ部11による画像記録やスキャナ部12による画像読取りを複合機10に実行させるために、ユーザが操作するものである。
【0028】
図2に示されるように、筐体14の内部には、給送部16と、給送トレイ20と、排出トレイ21と、搬送ローラ対45と、記録部24と、排出ローラ対46と、プラテン42と、が配置されている。
【0029】
[給送トレイ20、排出トレイ21]
図1に示されるように、給送トレイ20は、開口13を通じて前後方向8に沿って筐体14に対して挿抜可能である。開口13は、複合機10の前面で且つ左右方向9の中央部に位置する。
図2に示されるように、給送トレイ20は、積層された複数の用紙28を支持可能である。排出トレイ21は、給送トレイ20の上方に配置されており、給送トレイ20と共に前後方向8に沿って挿抜される。排出トレイ21は、排出ローラ対46によって排出された用紙28を支持する。
【0030】
[給送部16]
給送部16は、給送トレイ20に支持された用紙28を搬送経路38へ給送する。
図2に示されるように、給送部16は、給送ローラ25と、給送アーム26と、軸27とを備える。給送ローラ25は、給送アーム26の先端に回転可能に支持されている。給送ローラ25は、不図示の給送用モータから駆動が伝達される。給送アーム26は、プリンタ部11のフレームに支持された軸27に回動可能に支持されている。給送アーム26は、自重或いはバネ等による弾性力によって給送トレイ20に向かって回動付勢されている。
【0031】
以下、用紙28の搬送に関わる給送ローラ25、搬送ローラ34、及び排出ローラ36が、用紙28を搬送向き38Aに搬送する向きに回転することを、「正回転」と表記する。
【0032】
[搬送経路38]
図2に示されるように、搬送経路38は、その一部がプリンタ部11の内部において、所定間隔で対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19などによって形成される空間を指す。搬送経路38は、給送トレイ20の後端部から後方に延びる経路である。搬送経路38は、プリンタ部11の後部において上方に延びつつ前方にUターンし、記録部24とプラテン42との間の空間を経て排出トレイ21に至る経路である。
図2及び
図3に示されるように、搬送ローラ対45及び排出ローラ対46の間における搬送経路38は、左右方向9における複合機10の概ね中央に設けられており、且つ前後方向8に延びている。搬送経路38における用紙28の搬送向き38Aは、
図2において矢印で示されている。
【0033】
[搬送ローラ対45]
図2に示されるように、搬送ローラ対45は、記録部24より搬送向き38Aの上流に位置する。搬送ローラ対45は、互いに対向する搬送ローラ34及びピンチローラ35を有する。搬送ローラ34は、不図示の搬送用モータから駆動伝達されて正回転又は逆回転する。ピンチローラ35は、搬送ローラ34の回転に伴って連れ回る。用紙28は、正回転する搬送ローラ34及びピンチローラ35に挟持されて搬送向き38Aに搬送される。
【0034】
[排出ローラ対46]
図2に示されるように、排出ローラ対46は、記録部24より搬送向き38Aの下流に配置されている。排出ローラ対46は、互いに対向する排出ローラ36及び拍車37を有する。排出ローラ36は、不図示の搬送用モータから駆動伝達されて正回転又は逆回転する。拍車37は、排出ローラ36の回転に伴って連れ回る。用紙28は、正回転する排出ローラ36及び拍車37に挟持されて搬送向き38Aに搬送される。
【0035】
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、搬送向き38Aにおける搬送ローラ対45及び排出ローラ対46の間に位置する。記録部24は、搬送経路38を挟んでプラテン42と上下方向7に対向している。記録部24は、キャリッジ23と、キャリッジ23に搭載された記録ヘッド39とを備えている。
【0036】
図3に示されるように、キャリッジ23は、前後方向8に離間しており、各々が左右方向9に延びるガイドレール43、44に支持されている。ガイドレール43、44は、不図示のフレームに支持されている。キャリッジ23は、ガイドレール44に設けられた公知のベルト機構に連結されている。ベルト機構は、不図示のキャリッジ駆動用モータから駆動伝達されて回動する。キャリッジ23は、ベルト機構の回動に伴って、ガイドレール43,44により案内されて左右方向9に往復移動する。キャリッジ23の移動範囲は、
図3の一点鎖線で示されるように、搬送経路38の幅38Bよりも右方及び左方にまで及ぶ。
【0037】
記録ヘッド39と、インク供給装置15に設けられた4つのサブタンク100とは、4本のインクチューブ32によって接続されている。記録ヘッド39は、フレキシブルフラットケーブル33によって、不図示の制御基板と接続されている。
【0038】
4つのサブタンク100は、マゼンタサブタンク100M、シアンサブタンク100C、イエローサブタンク100Y、及びブラックサブタンク100Bである。マゼンタサブタンク100M、シアンサブタンク100C、イエローサブタンク100Y、及びブラックサブタンク100Bは、本明細書において特に区別する必要がない場合、サブタンク100と総称される。
【0039】
4本のインクチューブ32は、イエローインクチューブ32Y、シアンインクチューブ32C、マゼンタインクチューブ32M、及びブラックインクチューブ32Bからなっている。イエローインクチューブ32Y、シアンインクチューブ32C、マゼンタインクチューブ32M、及びブラックインクチューブ32Bは、本明細書において特に区別する必要がない場合、インクチューブ32と総称される。4本のインクチューブ32は、一体に束ねられている。
【0040】
フレキシブルフラットケーブル33は、制御部が実装された制御基板及び記録ヘッド39を電気的に接続するものである。フレキシブルフラットケーブル33は、制御部から出力される制御信号を記録ヘッド39に伝達する。
【0041】
図2に示されるように、記録ヘッド39の下面には、複数のノズル40が配置されている。複数のノズル40の先端は、記録ヘッド39の下面から露出している。記録ヘッド39は、ノズル40からインクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ23が移動する過程において、プラテン42に支持されている用紙28に向けて記録ヘッド39がインク滴を吐出する。これにより、用紙28に画像が記録される。また、これにより、4つのサブタンク100に貯留されたインクが消費される。
【0042】
[プラテン42]
図2及び
図3に示されるように、プラテン42は、搬送経路38における搬送ローラ対45及び排出ローラ対46の間に配置されている。プラテン42は、搬送経路38を挟んで記録部24と上下方向7に対向配置されている。プラテン42は、搬送ローラ対45によって搬送される用紙28を下方から支持する。
【0043】
[カバー48]
図1(B)に示されるように、筐体14の右前部には、開口47が形成されている。筐体14にはインク供給装置15が収納されており、インク供給装置15の前面が開口47から露出している。筐体14には、開口47を開閉可能なカバー48が取り付けられている。カバー48の下端部は、開口47の下方において、左右方向9の軸周りに回転可能に筐体14に支持されている。カバー48は、開口47を閉鎖する閉鎖位置(
図1(A)に示される位置)と、開口47を開放する開放位置(
図1(B)に示される位置)との間を、回転可能である。
【0044】
図1(A)に示されるように、カバー48は、透光部49を有している。透光部49は、カバー48の外側から内部の構成を視認可能な透光性を有する。カバー48が閉鎖位置にあるときに、透光部49から、インク供給装置15に取り付けられたインクカートリッジ50の前面が視認可能である。
【0045】
[インク供給装置15]
図4に示されるように、インク供給装置15(液体供給装置の一例)は、4つのインクカートリッジ50と、収納ケース71と、4つのサブタンク100と、大気連通部70(
図5、
図11参照)と、を備えている。
【0046】
[インクカートリッジ50]
図1、
図3に示されるように、4つのインクカートリッジ50(カートリッジの一例)は、マゼンタインクカートリッジ50M、シアンインクカートリッジ50C、イエローインクカートリッジ50Y、及びブラックインクカートリッジ50Bからなっている。マゼンタインクカートリッジ50M、シアンインクカートリッジ50C、イエローインクカートリッジ50Y、及びブラックインクカートリッジ50Bは、本明細書において特に区別される必要がない場合、インクカートリッジ50と総称される。
【0047】
図4は、4つのインクカートリッジ50のうち、左右方向9の最も左側に位置するマゼンタインクカートリッジ50Mのみが収納ケース71に収納された状態を示している。
【0048】
図5、
図6に示されるように、インクカートリッジ50は、カートリッジ本体51と、ジョイント受部52と、を備えている。カートリッジ本体51は、インク(液体の一例)を貯留する第1貯留室53を有する。
【0049】
カートリッジ本体51は、概ね直方体状の箱形状を有している。カートリッジ本体51は、上下方向7及び前後方向8から視て概ね長方形状である。カートリッジ本体51は、カートリッジ本体51の前端部に下方に突出する凸部65を有している。カートリッジ本体51は、上壁54、サブ下壁55、右壁56(
図4参照)、左壁57(
図4参照)、後壁58、前壁59、下壁60を有している。下壁60は、カートリッジ本体51の前部かつ下端部に位置しており、サブ下壁55よりも下方に位置している。サブ下壁55は、下壁60よりも後方に位置している。カートリッジ本体51は、凸部65において、後方(水平方向の一例)に開口する連通口61を有している。連通口61は、サブ下壁55、下壁60、右壁56、及び左壁57によって画定された開口である。
【0050】
上壁54には、前後方向8の中央部に上方に突出する当接部64が設けられている。当接部64は、収納ケース71のロックレバー79(後述)と当接する部分である。
【0051】
第1貯留室53の底面を画定するサブ下壁55の上面は、前後方向8に沿って凸部65に向かって下方に傾斜している。
【0052】
ジョイント受部52は、カートリッジ本体51において連通口61を囲む部分から後方に延びる円筒形状を有している。ジョイント受部52は、サブタンク100のジョイント102(後述)が挿入される部分である。
【0053】
図5は、インクカートリッジ50がサブタンク100に装着された装着状態を示している。
図6は、インクカートリッジ50がサブタンク100から分離された分離状態を示している。装着状態については以下で詳しく説明される。
【0054】
ジョイント受部52には、連通口61を閉鎖可能な栓部材62と、栓部材62を後方に付勢するバネ63と、が設けられている。
図6に示されるように、インクカートリッジ50に外力が加わらない状態では、栓部材62は、連通口61を閉鎖する位置にある。バネ63は、栓部材62と前壁59との間において前後方向8に沿って延びており、前後方向8に圧縮可能である。
図5に示されるように、ジョイント102によって、バネ63の弾性力よりも大きな前向きの外力が栓部材62に加えられると、栓部材62が前方に移動して連通口61から離れる。
【0055】
[収納ケース71]
収納ケース71は、前方が開放された直方体状の箱形状である。収納ケース71は、上壁72、下壁73、右壁74、左壁75、後壁76、及び3つの仕切壁77を有している。上壁72、下壁73、右壁74、左壁75、及び後壁76により、前方が開放された内部空間78が画定されている。3つの仕切壁77は、右壁74及び左壁75と平行な壁であり、内部空間78を、4つの空間に区画している。区画された4つの空間のそれぞれに、4つのインクカートリッジ50のそれぞれが収納される。
【0056】
[ロックレバー79]
図4、
図5、
図6に示されるように、収納ケース71には、インクカートリッジ50を内部空間78内に保持するロックレバー79が設けられている。ロックレバー79は、前後方向に延びた板状部材である。ロックレバー79の中央部は、上壁72に、左右方向9の軸周りに回転可能に設けられている。ロックレバー79は、後方に傾いたロック位置と、前方に傾いたアンロック位置との間で回転する。ロックレバー79は、外力が加わらない状態では、自重により後方に傾いてロック位置となる。ロック位置において、ロックレバー79の後端部は、内部空間78にあるインクカートリッジ50の当接部64の前面と当接し、インクカートリッジ50が前後方向8の前方へ移動することを規制する。ロック位置のロックレバー79の前端部がユーザの指等によって下方に押圧されると、ロックレバー79はロック位置からアンロック位置に回転する。アンロック位置において、ロックレバー79の後端部は、当接部64の前面より上方に位置する。アンロック位置のロックレバー79は、前後方向8の前方へ移動するインクカートリッジ50の当接部64と当接しないので、収納ケース71からインクカートリッジ50が取り外し可能となる。
【0057】
[サブタンク100]
図4から
図11には、サブタンク100(タンクの一例)が示されている。サブタンク100は、収納ケース71の下壁73の下方に位置している。
【0058】
図7に示されるように、サブタンク100は、タンク本体101と、ジョイント102と、を備えている。タンク本体101の内部に、インクを貯留する第2貯留室105が形成されている。サブタンク100は、第2貯留室105と連通する液体流路103及び気体流路104を備えている。液体流路103及び気体流路104は、タンク本体101の内部及びジョイント102の内部に形成されている。また、サブタンク100は、第2貯留室105を外部に連通する大気連通口106(
図9、
図10、
図12(A)参照)を備えている。
【0059】
[液体流路103及び気体流路104]
図7に示されるように、液体流路103及び気体流路104は並列に位置している。
【0060】
液体流路103は、第1開口131と、第2開口132と、鉛直部分133と、水平部分134と、を有している。第1開口131は、液体流路103の一端側(後端側)に形成され且つ第2貯留室105に連通する開口である。第1開口131は、上下方向7に沿って開口している。第2開口132は、液体流路103の一端側とは反対の他端側(前端側)に形成され且つ外部に開口する開口である。第2開口132は、前後方向8に沿って開口している。第2開口132は、インクカートリッジ50の装着状態において、インクカートリッジ50の第1貯留室53内に位置する。鉛直部分133は、液体流路103において第1開口131から上方(鉛直方向の一例)に延びる部分である。水平部分134は、液体流路103において第2開口132から後方(水平方向の一例)に延びる部分である。鉛直部分133の上端部は水平部分134の後端部に接続されている。
【0061】
気体流路104は、第1開口141と、第2開口142と、鉛直部分143と、水平部分144と、を有している。第1開口141は、気体流路104の一端側(後端側)に形成され且つ第2貯留室105に連通する開口である。第1開口141は、上下方向7に沿って開口している。第2開口142は、気体流路104の一端側とは反対の他端側(前端側)に形成され且つ外部に開口する開口である。第2開口142は、前後方向8に沿って開口している。第2開口142は、インクカートリッジ50の装着状態において、インクカートリッジ50の第1貯留室53に連通する。鉛直部分143は、気体流路104において第1開口141から上方(鉛直方向の一例)に延びる部分である。水平部分144は、気体流路104において第2開口142から後方(水平方向の一例)に延びる部分である。鉛直部分143の上端部は水平部分144の後端部に接続されている。
【0062】
[タンク本体101]
タンク本体101は、概ね直方体状の外壁を有している。タンク本体101は、上下方向7から視て概ねT字形状(
図9、
図10参照)であり、前後方向8から視て概ね長方形状(
図8参照)であり、左右方向9から視てL字形状(
図4から
図7参照)である。
【0063】
図4から
図11に示されるように、タンク本体101の外壁は、後側上壁107、屈曲上壁130、前側上壁108、下壁109、2つの後側側壁110、2つの前側屈曲側壁111、後壁112、及び前壁113を有している。後側上壁107は、後端から水平面に対して上方に傾斜しながら前方に延びる壁である。屈曲上壁130は、後側上壁107の前端から延びる壁であって、前方から上方に向けて屈曲している。前側上壁108は、屈曲上壁130の上端から、水平面と平行に前方に延びている。下壁109は、水平面と平行に前後方向8に延びている。下壁109は、上下方向7から視てT字形状を有している。後側側壁110は、後側上壁107と下壁109とを上下方向7に接続している。後側側壁110は、左右方向9から視て概ね長方形である。
図9に示されるように、後側側壁110は、隣り合う異なるインクのタンク本体101において共用されている。前側屈曲側壁111は、屈曲上壁130及び前側上壁108と、下壁109とを上下方向7に接続している。前側屈曲側壁111は、左右方向9から視て概ね長方形であり、上下方向7から視て隅部が弧を描くL字形状である。後壁112は、下壁109の後端部から上方に延びており、左右に位置する2つの後側側壁110と、後側上壁107とに接続されている。前壁113は、下壁109の前端部から上方に延びており、左右に位置する2つの前側屈曲側壁111に接続されている。
【0064】
図7、
図11に示されるように、下壁109には、第2貯留室105に連通する連通口129が形成されている。連通口129には、インクチューブ32の一端部が接続されており、インクチューブ32を介して、第2貯留室105と記録ヘッド39とが連通接続されている。
【0065】
タンク本体101の前端部かつ上部には、前後方向8に延びる円筒形状の内筒部114が設けられている。内筒部114の内部は、前壁113、左右に位置する2つの前側屈曲側壁111、及び前側上壁108によって形成された開口に連通している。内筒部114には、ジョイント102の後端部が取り付け可能である。内筒部114にジョイント102が取り付けられた装着状態では、内筒部114の内部とジョイント102の内部が連通する。
【0066】
[幅広部150及び幅狭部151]
図10に示されるように、タンク本体101は、前後方向8に沿って並ぶ幅広部150及び幅狭部151を有している。幅広部150は、タンク本体101において前後方向8の後部に位置し、2つの後側側壁110及び後壁112を含む部分である。幅狭部151は、タンク本体101において前後方向8の前端部(第1方向の一端部の一例)に位置し、2つの前側屈曲側壁111及び前壁113を含む部分である。幅狭部151の左右方向9(第1方向に直交する第2方向の一例)における幅は、幅広部150の左右方向9における幅よりも小さい。第2貯留室105は、幅広部150及び幅狭部151に亘って形成されている。
【0067】
図8に示されるように、幅広部150の左右方向9における幅は、インクカートリッジ50の左右方向9における幅に、概ね等しい。したがって、幅狭部151の左右方向9における幅は、インクカートリッジ50の左右方向9における幅よりも小さい。
【0068】
[鉛直壁115及び水平壁116]
図7、
図11に示されるように、タンク本体101は、タンク本体101の前部且つ上部に、鉛直壁115及び水平壁116を備えている。
【0069】
鉛直壁115は、上下方向7に延びる壁であり、前後方向8において前壁113と屈曲上壁130との間に位置している。鉛直壁115は、左右に位置する2つの前側屈曲側壁111を接続しており、前壁113、前側上壁108、2つの前側屈曲側壁111に画定される空間を前後に区画している。鉛直壁115の下端位置が、液体流路103の第1開口131の上下方向7における位置であり、且つ、気体流路104の第1開口141の上下方向7における位置である。鉛直壁115の下端位置は、後側上壁107の前端の下端位置に等しい。つまり、第2貯留室105の上面は、鉛直壁115の下端位置を通り水平面と平行な仮想平面と、後側上壁107の下面とによって画定されている。
【0070】
水平壁116は、鉛直壁115の上端から前方に延びる壁である。水平壁116は、内筒部114の内部まで延びている。水平壁116は、左右に位置する2つの前側屈曲側壁111を接続し、且つ、内筒部114の内面を左右方向9において接続している。水平壁116は、前側上壁108、2つの前側屈曲側壁111によって画定される空間と、内筒部114によって画定される空間とを、上下に区画している。
【0071】
図10に示されるように、液体流路103の鉛直部分133は、鉛直壁115、前壁113、及び2つの前側屈曲側壁111によって形成されている。液体流路103の鉛直部分133において上下方向7と直交する断面の形状は、矩形である。液体流路103の鉛直部分133は、第2貯留室105を区画する2つの前側屈曲側壁111と面一に連続している。したがって、液体流路103の鉛直部分133の左右方向9における幅は、幅狭部151によって画定される第2貯留室105の左右方向9における幅と、同じである。
【0072】
図10に示されるように、気体流路104の鉛直部分143は、屈曲上壁130、鉛直壁115、及び2つの前側屈曲側壁111によって形成されている。気体流路104の鉛直部分133において上下方向7と直交する断面の形状は、矩形である。気体流路104の鉛直部分133は、第2貯留室105を区画する2つの前側屈曲側壁111と面一に連続している。したがって、気体流路104の鉛直部分143の左右方向9における幅は、幅狭部151によって画定される第2貯留室105の左右方向9における幅と、同じである。
【0073】
図10に示されるように、気体流路104の第1開口141の前後方向8(水平方向の一例)に沿った長さ149は、液体流路103の第1開口131の前後方向8(水平方向の一例)に沿った長さ148よりも、長い。気体流路104の第1開口141の左右方向9に沿った長さは、液体流路103の第1開口131の左右方向9に沿った長さに、等しい。そのため、気体流路104の第1開口141の開口面積は、液体流路103の第1開口131の開口面積よりも大きい。
【0074】
図7に示されるように、気体流路104の鉛直部分143において、気体流路104の開口面積は、気体流路104の第1開口141に近づくにつれて拡大している。液体流路103の鉛直部分133では、液体流路103の開口面積は、上下方向7において一定である。
【0075】
図7に示されるように、タンク本体101内における液体流路103の水平部分134は、前側上壁108、水平壁116、2つの前側屈曲側壁111、及び内筒部114によって形成されている。タンク本体101内における気体流路104の水平部分144は、水平壁116、2つの前側屈曲側壁111、及び内筒部114によって形成されている。
【0076】
[第1リブ117]
図7、
図11に示されるように、タンク本体101は、鉛直壁115と連続する第1リブ117を備えている。第1リブ117は、前側屈曲側壁111から突出しており、鉛直壁115から下方に延びている。第1リブ117と下壁109との間は離間している。左右に位置する2つの前側屈曲側壁111のそれぞれに第1リブ117が設けられており、1つの第2貯留室105内には、2つの第1リブ117が左右方向9に離れて位置している。
【0077】
[ジョイント102]
図4から
図9、
図11に示されるように、ジョイント102は、ジョイント本体118、内壁119、栓部材120(
図6、
図7参照)、及びバネ121(
図6、
図7参照)を備えている。
【0078】
[ジョイント本体118]
図7に示されるように、ジョイント本体118は、ジョイント本体118は、後端部に位置する外筒部122と、前端部に位置する先端部123と、外筒部122及び先端部123を接続する本体部124と、を備えている。外筒部122は、円筒形状を有しており、前後方向8に延びている。外筒部122は、タンク本体101の内筒部114に嵌め込まれている。これにより、ジョイント本体118がタンク本体101に固定されている。先端部123は、前後方向8の軸を軸芯とする円板形状を有している。本体部124は、円筒形状を有しており、前後方向8に延びている。本体部124の前端部には、上方及び下方にそれぞれ開口する上開口部125及び下開口部126が形成されている。
【0079】
[仕切壁127及び第2リブ128]
図7、
図8に示されるように、内壁119は、ジョイント本体118の内部に位置している。内壁119は、先端部123から後方に外筒部122を超えて延びている。内壁119は、仕切壁127と、第2リブ128とを備えている。
図8に示されるように、内壁119は、前後方向8から視てT字形状を有している。仕切壁127の後端面は、タンク本体101内の水平壁116の前端面に接触している。仕切壁127及び水平壁116により、ジョイント本体118とタンク本体101との接続部分の内部空間が、液体流路103及び気体流路104に区画されている。
【0080】
仕切壁127は、ジョイント本体118の内部において左右方向9に拡がる壁である。仕切壁127は、先端部123から後方に延びている。ジョイント本体118の内部空間は、仕切壁127によって上部と下部とに区画されている。
【0081】
第2リブ128は、仕切壁127の左右方向9の中央部から下方に突出している。第2リブ128は、先端部123から後方に延びている。第2リブ128とジョイント本体118の内面との間には隙間がある。
【0082】
ジョイント102内における液体流路103の水平部分134は、ジョイント本体118の内面及び内壁119の下面によって形成されている。ジョイント102内における液体流路103の水平部分134の断面は、略半円形状である。より正確には、水平部分134の断面は、半円形状の上側部分が第2リブ128によって左右に分割されており、半円形状の下側部分が左右に分割されずに繋がっている。ジョイント102内における気体流路104の水平部分144は、ジョイント本体118の内面及び内壁119の上面によって形成されている。ジョイント102内における気体流路104の水平部分144の断面は、半円形状である。
【0083】
[栓部材120及びバネ121]
栓部材120は、円筒状の部材であり、ジョイント本体118の本体部124の外側に位置している。栓部材120は、本体部124に沿って前後方向8に移動可能である。バネ121は、前端部が栓部材120の後端部に固定されており、後端部が大気連通部70のバッファタンク90及びジョイント本体118の外筒部122に当接している。バネ121は、栓部材120を前方に付勢する。外力が加えられない状態では、栓部材120は、ジョイント本体118の前端部に位置しており、上開口部125及び下開口部126を閉鎖している。バネ121の弾性力よりも大きな後向きの外力が栓部材120に加えられると、栓部材120は後方に移動して、上開口部125及び下開口部126が開放される。インクカートリッジ50の装着時には、栓部材120にインクカートリッジ50のジョイント受部52が当接する。インクカートリッジ50の装着時に加えられる外力により、ジョイント受部52に当接する栓部材120が後方に移動する。
【0084】
[インクカートリッジ50の装着状態]
図5、
図7に示されるように、インクカートリッジ50がサブタンク100に装着された装着状態では、サブタンク100のジョイント本体118が、前後方向8に沿ってインクカートリッジ50のジョイント受部52内に挿入され、さらに連通口61内に挿入されている。この装着状態では、インクカートリッジ50の第1貯留室53に、サブタンク100の液体流路103の第2開口132及び気体流路104の第2開口142が進入している。
図4、
図5に示されるように、インクカートリッジ50は、前後方向8に沿ってサブタンク100に分離及び装着可能である。
【0085】
[インクカートリッジ50及びサブタンク100のレイアウト]
インクカートリッジ50及びサブタンク100のレイアウトが説明される。レイアウトは、インクカートリッジ50が収納ケース71に装着され、インクカートリッジ50及びサブタンク100が
図5に示される使用姿勢であるとして説明がなされる。
【0086】
図5に示されるように、インクカートリッジ50の凸部65は、上下方向7において、ジョイント102と略同じ位置にあるが、インクカートリッジ50の凸部65より上方の部分は、ジョイント102よりも上方にある。そのため、インクカートリッジ50の第1貯留室53の大部分は、ジョイント102よりも上方に位置している。また、サブタンク100の上部、すなわち屈曲上壁130付近から上方の部分は、ジョイント102と略同じ位置にあるが、サブタンク100の屈曲上壁130付近より下方の部分は、ジョイント102よりも下方にある。そのため、サブタンク100の第2貯留室105の大部分は、ジョイント102よりも下方にある。
【0087】
第1貯留室53の凸部65より上方の部分は、液体流路103の水平部分134及び気体流路104の水平部分144よりも上方に位置している。第2貯留室105は、液体流路103の水平部分134及び気体流路104の水平部分144よりも下方に位置している。第1貯留室53の下側部分と、第2貯留室105の上側部分とは、前後方向8の同軸上に並んでいる。第1貯留室53の容積は、第2貯留室105の容積よりも大きい。
【0088】
気体流路104の水平部分144は、液体流路103の水平部分134よりも上方に位置している。
【0089】
図7に示されるように、第1貯留室53の連通口61から後方に向けて、液体流路103の第1開口131、気体流路104の第1開口141、及び大気連通口106が順に位置している。第1貯留室53の連通口61の上下方向7の位置が、第1貯留室53と液体流路103とが連通する上下方向7の位置に相当し、その上下方向7の位置において連通口61から後方に向かう方向が、第1貯留室53から遠ざかる方向である。
【0090】
[大気連通部70]
図5、
図11、
図12に示されるように、大気連通部70は、バッファタンク90と、連通流路145と、大気連通路147と、を備えている。
【0091】
[バッファタンク90]
図5、
図11に示されるように、バッファタンク90は、収納ケース71の下方且つサブタンク100の上方に位置している。
【0092】
図5、
図11に示されるように、バッファタンク90は、上壁91、下壁92、2つの側壁93、3つの仕切壁94、後壁95、及び突出壁96を備えている。上壁91は、水平面に対して傾斜した面に沿って拡がる壁である。下壁92は、後方から水平面と平行に延びながら、前方に向かうにつれて上方に屈曲する壁である。下壁92の前端部は上壁91の前端部に接続している。2つの側壁93は、上壁91及び下壁92の左右方向9の両端部をそれぞれ上下方向7に接続する壁である。3つの仕切壁94は、2つの側壁93と左右方向9に並列に配置された壁である。後壁95は、上壁91及び下壁92の後端部を接続する壁である。突出壁96は、上壁91の後端部から上方に延びる壁である。後壁95と突出壁96との間には、前後方向8に隙間が形成されている。
【0093】
バッファタンク90の上壁91の上方には、収納ケース71の下壁73が位置している。バッファタンク90の上壁91は、収納ケース71の下壁73を支持している。したがって、バッファタンク90の上壁91は、収納ケース71に収納されたインクカートリッジ50を、収納ケース71の下壁73を介して支持可能である。
【0094】
[バッファ室97]
上壁91、下壁92、2つの側壁93、後壁95によって画定される内部空間は、3つの仕切壁94により4つのバッファ室97として区画されている。4つのバッファ室97は、それぞれ4つのサブタンク100に連通接続されている。4つのバッファ室97は、気液置換により第1貯留室53内のインクが第2貯留室105に供給されるに伴って第1貯留室53に送られる空気を、貯留可能な空間である。4つのバッファ室97は、記録部24よりも上方に位置している。
【0095】
図5に示されるように、第1貯留室53の下方にバッファ室97が位置し、バッファ室97の下方に第2貯留室105が位置している。凸部65内に形成された第1貯留室53の一部及びバッファ室97の一部は、前後方向8(水平方向の一例)の同軸上に並んでいる。さらに、凸部65の一部、ジョイント102の一部、及びバッファタンク90の一部が、前後方向8(水平方向の一例)の同軸上に並んでいる。また、第1貯留室53の一部及びバッファ室97の一部は、上下方向7の同軸上に並んでいる。
【0096】
[連通流路145]
図12(A)に示されるように、バッファタンク90の下壁92は、バッファ室97に連通する開口部98を有している。インク供給装置15は、タンク本体101の大気連通口106とバッファタンク90の開口部98とを接続する接続管99を備えている。接続管99は、円筒形状である。接続管99の内面によって、第2貯留室105とバッファ室97とを接続する連通流路145が形成されている。連通流路145は、上下方向7に延びている。
【0097】
[大気連通路147]
図12(B)に示されるように、上壁91の後端部には、バッファ室97毎に開口部146が形成されている。上壁91は、突出壁96の後方に4つの開口部146を有している。上壁91の下面は、前後方向8(水平方向の一例)に沿って開口部98と反対(後方)に向かって上方に傾斜している。開口部146は、上壁91の下面が上下方向7の最も高い位置において、上壁91に開口している。ここで、後壁95の前面と突出壁96の後面とによって、上下方向7に延びる大気連通路147が形成されている。大気連通路147は、開口部146を介してバッファ室97から上方に延びており、複合機10の筐体14の外部に連通している。
【0098】
[本実施形態の作動]
まず、空のサブタンク100にインクカートリッジ50が初めて装着された初期導入時におけるインク及び空気の流れが説明される。
【0099】
図6に示される初期導入前の状態(前状態)では、インクカートリッジ50はサブタンク100から分離されている。前状態では、インクカートリッジ50の連通口61は栓部材62によって閉鎖されており、第1貯留室53がインクカートリッジ50によって密閉されている。そのため、第1貯留室53に満たされたインクは、外部に漏れることはない。一方、前状態では、サブタンク100の上開口部125及び下開口部126(
図7参照)は、栓部材120によって閉鎖されている。そのため、第2貯留室105に連通する液体流路103の第2開口132及び気体流路104の第2開口が、外部に対して閉じられている。第2貯留室105は、液体流路103及び気体流路104の他に外部に連通する部位として、大気連通口106(
図7参照)及び連通口129(
図7参照)を有している。大気連通口106は、バッファ室97を介して複合機10の外気と連通している。連通口129は、インクチューブ32を介して記録ヘッド39に連通しているが、記録ヘッド39の休止状態ではインクは連通口129から流出することはない。ここで、第2貯留室105には、インクが満たされておらず、第2貯留室105は空の状態である。
【0100】
図5、
図7に示されるように、インクカートリッジ50がサブタンク100に装着されると、連通口61を閉鎖する栓部材62がバネ63の付勢力に逆らって前方に退避し、且つ、上開口部125及び下開口部126を閉鎖する栓部材120がバネ121の付勢力に逆らって後方に退避する。この結果、第1貯留室53が液体流路103及び気体流路104を介して第2貯留室105に連通する。そうすると、インクカートリッジ50の第1貯留室53内のインクが、液体流路103を介して自然落下して、サブタンク100の第2貯留室105内に導入される。大気連通口106が外気に開放されているため、第2貯留室105内に導入されたインクの量と同じ体積の空気が、大気連通口106及び気体流路104を介して第1貯留室53に導入される。このように、第1貯留室53内のインクが空気に置換されること(気液置換)により、第1貯留室53内のインクが第2貯留室105に供給される。
【0101】
気液置換の進行により、第2貯留室105のインクの液面は上昇する。インクの液面が上昇して鉛直壁115の下端位置に到達すると、気体流路104の第1開口141が閉じられる。そうすると、気液置換ができなくなるので、第1貯留室53から第2貯留室105へのインクの供給が停止される。このようにして、初期導入時におけるインクの供給が行われる。
【0102】
次に、インクカートリッジ50の装着状態においてプリンタ部11による記録動作が実行された場合のインク及び空気の流れが説明される。
【0103】
記録動作の実行時に記録ヘッド39からインクが吐出されると、第2貯留室105内のインクが連通口129から記録ヘッド39へと吸引される。インクの減少に伴って第2貯留室105内のインクの液面が下降するので、閉じられていた気体流路104の第1開口141が開放される。気体流路104の第1開口141が開放されると、上述したように、気液置換が実行されて、第1貯留室53から第2貯留室105にインクが供給される。記録ヘッド39でのインクの消費を補うように、第1貯留室53から第2貯留室105にインクが供給され、第2貯留室105内のインクの液面の高さは、気体流路104の第1開口141の位置に保たれる。
【0104】
第1貯留室53内のインクが空になった場合、空になったインクカートリッジ50を、インクに満たされた別のインクカートリッジ50に交換することにより、複合機10は継続的に記録動作を実行できる。
【0105】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態に係るインク供給装置15によれば、第1貯留室53及び第2貯留室105が気体流路104及び液体流路103を介して接続されているので、気液置換により第1貯留室53内のインクが第2貯留室105に供給可能である。第1貯留室53が第2貯留室105の上方に配置されているので、第2貯留室105内のインクの減少に応じて、第1貯留室53から第2貯留室105にインクが供給される。また、インクカートリッジ50が前後方向8においてサブタンク100に対して着脱可能であるので、インクカートリッジ50の交換における操作性が良好である。
【0106】
また、液体流路103と気体流路104との間の水頭差により、インクカートリッジ50内のインクが気体流路104よりも液体流路103に流出しやすくなる。気体流路104に沿ってインクが流される逆流が発生しないので、液体流路103に沿ってインクが流され、且つ気体流路104に沿って気体が流される。そのため、サブタンク100内のインクの減少に応じて、インクがインクカートリッジ50からサブタンク100に安定して供給される。
【0107】
また、液体流路103及び気体流路104が第2貯留室105に対して、第2開口132、142よりも下方の第1開口131、141で開口するので、第2貯留室105内のインクが液体流路103及び気体流路104内に逆流しにくい。
【0108】
また、液体流路103の第1開口131が、気体流路104の第1開口141と大気連通口106との間から外れた位置に配置されているので、大気連通口106から気体流路104に至る気体の移動経路に液体流路103が割り込むことが防止されている。そのため、液体流路103及び気体流路104の設計の複雑化が防止される。
【0109】
本実施形態に係る複合機10によれば、インクカートリッジ50が前後方向8に着脱できるので、インクカートリッジ50の交換における操作性が良好である。
【0110】
[変形例]
上記実施形態に係るインク供給装置15では、液体流路103は鉛直部分133及び水平部分134を有し、気体流路104は鉛直部分143及び水平部分144を有しているが、液体流路103は水平部分134のみを有し、鉛直部分133を有しなくてもよい。同様に、気体流路104は水平部分144のみを有し、鉛直部分143を有しなくてもよい。
【0111】
上記実施形態に係るインク供給装置15では、同一のジョイント102内に、液体流路103の水平部分134及び気体流路104の水平部分144の双方が形成されているが、インク供給装置15は、2つのジョイントを備え、一方のジョイントに液体流路103の水平部分134が形成され、他方のジョイントに気体流路104の水平部分144が形成されてもよい。また、液体流路103の水平部分134と気体流路104の水平部分144の上下方向の相対的な位置関係は、いずれが上であっても下であってもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、第1貯留室53の連通口61から遠ざかる方向に、液体流路103の第1開口131、気体流路104の第1開口141、及び大気連通口106が順に位置しているが、第1開口131、第1開口141、及び大気連通口106の位置関係は、限定されない。第1開口131、第1開口141、及び大気連通口106のいずれが前方又は後方に位置してもよく、左右方向9に沿って並んでいてもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、気体流路104の鉛直部分133は、第2貯留室105を区画する2つの前側屈曲側壁111と面一に連続しているが、気体流路104の鉛直部分133は、第2貯留室105を区画する2つの前側屈曲側壁111とは連続しない壁、例えば段差によって隔てられた壁によって構成されてもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、第1貯留室53の下側部分とサブタンク100の上側部分とは、水平方向の同軸上に並んでいるが、水平方向の同軸上に位置せず、それぞれが並列した水平方向の異なる軸上に位置していてもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、気体流路104の第1開口141の前後方向8に沿った長さ149は、液体流路103の第1開口131の前後方向8に沿った長さ148よりも長いが、長さ148,149は、同じ長さであってもよいし、長さ148が長さ149より長くてもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、第1貯留室53の容積が第2貯留室105の容積よりも大きいが、これら容積は、同程度であってもよいし、第2貯留室105の容積が第1貯留室53の容積より大きくてもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、内筒部114とジョイント本体118とが別の部材として構成されているが、これらは一体に成型されていてもよいし、さらにジョイント102を構成する内壁119も内筒部114及びジョイント本体118と一体に成型されていてもよい。また、上記実施形態では、タンク本体101の水平壁116とジョイント102の内壁119とが別の部材として構成されているが、これらは一体に成型されていてもよい。また、上記実施形態では、タンク本体101とジョイント102とが別の部材として構成されているが、これらは一体に成型されていてもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、タンク本体101に幅広部150及び幅狭部151が形成されているが、例えば幅狭部151が形成されておらず、タンク本体101は一定の幅のものとして構成されていてもよい。