特許第6922260号(P6922260)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6922260-信号発生装置および信号発生方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6922260
(24)【登録日】2021年8月2日
(45)【発行日】2021年8月18日
(54)【発明の名称】信号発生装置および信号発生方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/12 20060101AFI20210805BHJP
【FI】
   G01R33/12 M
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-40472(P2017-40472)
(22)【出願日】2017年3月3日
(65)【公開番号】特開2018-146337(P2018-146337A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2019年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】籔本 政男
【審査官】 永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−70811(JP,A)
【文献】 特開平2−304383(JP,A)
【文献】 特開昭58−124975(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0264911(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 33/12
G01N 27/72
C22F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器で計測される計測値を示すアナログ信号をデジタル信号に変換する第1の変換手段と、
相互に異なるタイミングで前記第1の変換手段により変換された前記デジタル信号である第1のデジタル入力信号、第2のデジタル入力信号と、予め設定された目標信号とのを打ち消す信号であって、フィードバック制御により前記機器に出力する信号をデジタル信号で表した第1のデジタル出力信号、第2のデジタル出力信号をそれぞれ生成する信号生成手段と、
前記第1のデジタル出力信号をアナログ信号に変換する第2の変換手段と、
前記第2のデジタル出力信号をアナログ信号に変換する第3の変換手段と、
前記第2の変換手段により前記第1のデジタル出力信号から変換されたアナログ信号である第1のアナログ出力信号と、前記第3の変換手段により前記第2のデジタル出力信号から変換されたアナログ信号である第2のアナログ出力信号とを混合する混合手段と、を有し、
前記混合手段は、前記機器に出力するアナログ信号を、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号の一方から他方に切り替える際に、当該一方の信号強度の割合が100[%]であり当該他方の信号強度の割合が0[%]である状態から、当該一方の信号強度の割合が0[%]であり当該他方の信号強度の割合が100[%]である状態になるまで、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号の信号強度の割合を連続的に制御して、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号を混合し、
前記混合手段により、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号が混合された信号が、前記機器に出力されることを特徴とする信号発生装置。
【請求項2】
前記混合手段により、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号が混合される期間の何れの時刻においても、前記第1のアナログ出力信号の信号強度の割合と前記第2のアナログ出力信号の信号強度の割合との和が100[%]であることを特徴とする請求項1に記載の信号発生装置。
【請求項3】
前記混合手段は、前記第1のアナログ出力信号と第1の振幅制御電圧とを乗算する第1の乗算手段と、
前記第2のアナログ出力信号と第2の振幅制御電圧とを乗算する第2の乗算手段と、
前記第1の乗算手段により得られたアナログ信号である第1の振幅制御アナログ出力信号と、前記第2の乗算手段により得られたアナログ信号である第2の振幅制御アナログ出力信号と、を加算する加算手段と、
前記第1の振幅制御電圧および前記第2の振幅制御電圧を出力する振幅制御手段と、を更に有し、
前記第1の振幅制御電圧は、前記第1の乗算手段における前記第1のアナログ出力信号に対する倍率を定める電圧であり、
前記第2の振幅制御電圧は、前記第2の乗算手段における前記第2のアナログ出力信号に対する倍率を定める電圧であり、
前記第1の乗算手段における前記第1のアナログ出力信号に対する倍率がk倍であるときに、前記第2の乗算手段における前記第2のアナログ出力信号に対する倍率が(1−k)倍となり、
kは、0(ゼロ)以上1以下の値であることを特徴とする請求項1または2に記載の信号発生装置。
【請求項4】
前記機器に出力するアナログ信号が、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号の一方から他方に切り替わる際に、当該一方に対する前記倍率が1から0(ゼロ)に連続的に変化し、当該他方に対する前記倍率が0(ゼロ)から1に連続的に変化することを特徴とする請求項3に記載の信号発生装置。
【請求項5】
所定のトリガ信号が発生する度に、前記倍率が0(ゼロ)から1に連続的に変化することと、前記倍率が1から0(ゼロ)に連続的に変化することとが交互に行われることを特徴とする請求項3または4に記載の信号発生装置。
【請求項6】
前記第1の乗算手段、前記第2の乗算手段、前記加算手段、および前記振幅制御手段は、同一の集積回路に含まれることを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の信号発生装置。
【請求項7】
前記機器で計測される計測値を示すアナログ信号の振幅と目標振幅との差に応じて、前記第1のアナログ出力信号の振幅を調整する第1の振幅調整手段と、
前記機器で計測される計測値を示すアナログ信号の振幅と目標振幅との差に応じて、前記第2のアナログ出力信号の振幅を調整する第2の振幅調整手段と、
前記第1の乗算手段は、前記第1の振幅調整手段により振幅が調整された前記第1のアナログ出力信号と前記第1の振幅制御電圧とを乗算し、
前記第2の乗算手段は、前記第2の振幅調整手段により振幅が調整された前記第2のアナログ出力信号と前記第1の振幅制御電圧とを乗算することを特徴とする請求項3〜6の何れか1項に記載の信号発生装置。
【請求項8】
前記機器は、軟磁性材料の磁気特性を測定する機器であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の信号発生装置。
【請求項9】
機器で計測される計測値を示すアナログ信号をデジタル信号に変換する第1の変換工程と、
相互に異なるタイミングで前記第1の変換工程により変換された前記デジタル信号である第1のデジタル入力信号、第2のデジタル入力信号と、予め設定された目標信号とのを打ち消す信号であって、フィードバック制御により前記機器に出力する信号をデジタル信号で表した第1のデジタル出力信号、第2のデジタル出力信号をそれぞれ生成する信号生成工程と、
前記第1のデジタル出力信号をアナログ信号に変換する第2の変換工程と、
前記第2のデジタル出力信号をアナログ信号に変換する第3の変換工程と、
前記第2の変換工程により前記第1のデジタル出力信号から変換されたアナログ信号である第1のアナログ出力信号と、前記第3の変換工程により前記第2のデジタル出力信号から変換されたアナログ信号である第2のアナログ出力信号とを混合する混合工程と、を有し、
前記混合工程は、前記機器に出力するアナログ信号を、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号の一方から他方に切り替える際に、当該一方の信号強度の割合が100[%]であり当該他方の信号強度の割合が0[%]である状態から、当該一方の信号強度の割合が0[%]であり当該他方の信号強度の割合が100[%]である状態になるまで、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号の信号強度の割合を連続的に制御して、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号を混合し、
前記混合工程により、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号が混合された信号が、前記機器に出力されることを特徴とする信号発生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号発生装置および信号発生方法に関し、特に、機器に供給する電気信号を発生させるために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
機器で計測された計測値の信号が目標に近づくように当該機器に供給する電気信号を調整すること(即ち、フィードバック制御を行うことにより機器に供給する電気信号を生成すること)が各種の分野で行われている。このような機器の一例として、非特許文献1に記載のエプスタイン試験器がある。
エプスタイン試験器は、電磁鋼板等の軟質磁性材料の磁気特性を測定する機器である。エプスタイン試験器では、巻枠に対して一次コイルおよび二次コイルが巻き回される。巻枠の内部には試験片が配置される。一次コイルに励磁電圧が印加されると一次コイルに励磁電流が流れる。一次コイルに励磁電流が流れることにより二次コイルに二次電圧が誘起される。
【0003】
このようにしてエプスタイン試験器を動作させる際に、二次電圧の信号波形を正弦波にすることが必要になる。ところが、電磁鋼板等の軟磁性材料の非線形なヒステリシス特性のため、励磁電流の信号波形は正弦波にならない。また、一次コイルの抵抗と励磁電流とに基づく電圧降下分の信号波形も正弦波にならない。従って、励磁電圧の信号波形を正弦波としても、二次電圧の信号波形は正弦波とはならない。非特許文献1には、二次電圧の波形率が1.10[%]〜1.12[%]となるようにすることが規定されており、この二次電圧の波形率の制御の方法として、電子的に制御された電源、負帰還(ネガティブフィードバック)制御が行える電源増幅器の使用などがあることが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】JIS C 2550−1:2011「電磁鋼帯試験方法 第1部 エプスタイン試験器による電磁鋼帯の磁気特性の測定方法」
【非特許文献2】JIS C 2556:2015「単板試験器による電磁鋼帯の磁気特性の測定方法」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、アナログ制御でフィードバック制御を行うと、信号の僅かな位相のずれ等により励磁電圧の信号波形が発振し、二次電圧の信号波形が正弦波に収束しない虞がある。また、デジタル制御でフィードバック制御を行う場合、信号波形を切り替える必要がある。このため、信号波形の切り替えのタイミングで信号波形の連続性が途切れる。従って、試験片を所定の磁束密度(例えば、1.7[T])で励磁するための励磁電圧として、二次電圧の信号波形を正弦波とする励磁電圧の信号波形が決まると、一端、試験片を消磁し、再度この信号波形を有する励磁電圧で所定の磁束密度まで励磁し直す必要がある。また、試験片を消磁してから試験片の磁束密度が所定の磁束密度になるまで励磁電圧を上げる間の過程において、試験片の磁束密度が低磁束密度である状態のときには、二次電圧の信号波形が非正弦波となる。このため、必ずしも試験片の本来の磁気特性を測定しているとはいえない。
【0006】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、機器に供給する信号を迅速に且つ高精度に生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の信号発生装置は、機器で計測される計測値を示すアナログ信号をデジタル信号に変換する第1の変換手段と、相互に異なるタイミングで前記第1の変換手段により変換された前記デジタル信号である第1のデジタル入力信号、第2のデジタル入力信号と、予め設定された目標信号とのを打ち消す信号であって、フィードバック制御により前記機器に出力する信号をデジタル信号で表した第1のデジタル出力信号、第2のデジタル出力信号をそれぞれ生成する信号生成手段と、前記第1のデジタル出力信号をアナログ信号に変換する第2の変換手段と、前記第2のデジタル出力信号をアナログ信号に変換する第3の変換手段と、前記第2の変換手段により前記第1のデジタル出力信号から変換されたアナログ信号である第1のアナログ出力信号と、前記第3の変換手段により前記第2のデジタル出力信号から変換されたアナログ信号である第2のアナログ出力信号とを混合する混合手段と、を有し、前記混合手段は、前記機器に出力するアナログ信号を、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号の一方から他方に切り替える際に、当該一方の信号強度の割合が100[%]であり当該他方の信号強度の割合が0[%]である状態から、当該一方の信号強度の割合が0[%]であり当該他方の信号強度の割合が100[%]である状態になるまで、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号の信号強度の割合を連続的に制御して、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号を混合し、前記混合手段により、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号が混合された信号が、前記機器に出力されることを特徴とする。
【0008】
本発明の信号発生方法は、機器で計測される計測値を示すアナログ信号をデジタル信号に変換する第1の変換工程と、相互に異なるタイミングで前記第1の変換工程により変換された前記デジタル信号である第1のデジタル入力信号、第2のデジタル入力信号と、予め設定された目標信号とのを打ち消す信号であって、フィードバック制御により前記機器に出力する信号をデジタル信号で表した第1のデジタル出力信号、第2のデジタル出力信号をそれぞれ生成する信号生成工程と、前記第1のデジタル出力信号をアナログ信号に変換する第2の変換工程と、前記第2のデジタル出力信号をアナログ信号に変換する第3の変換工程と、前記第2の変換工程により前記第1のデジタル出力信号から変換されたアナログ信号である第1のアナログ出力信号と、前記第3の変換工程により前記第2のデジタル出力信号から変換されたアナログ信号である第2のアナログ出力信号とを混合する混合工程と、を有し、前記混合工程は、前記機器に出力するアナログ信号を、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号の一方から他方に切り替える際に、当該一方の信号強度の割合が100[%]であり当該他方の信号強度の割合が0[%]である状態から、当該一方の信号強度の割合が0[%]であり当該他方の信号強度の割合が100[%]である状態になるまで、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号の信号強度の割合を連続的に制御して、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号を混合し、前記混合工程により、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号が混合された信号が、前記機器に出力されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、機器に供給する信号を迅速に且つ高精度に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】信号発生装置の構成の一例を示す図である。
図2】第1の振幅制御電圧および第2の振幅制御電圧の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、信号発生装置100の構成の一例を示す図である。本実施形態では、試験片Sをセットしたエプスタイン試験器200の一次コイル210に一定の励磁周波数の励磁電流を流すことにより二次コイル220に誘起される二次電圧の信号波形が正弦波になるように一次コイル210に印加する励磁電圧を調整する場合を例に挙げて説明する。尚、エプスタイン試験器200の構成およびエプスタイン試験器200を用いた試験片Sの磁気特性の方法は、非特許文献1に記載されているので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0012】
図1において、電圧計300は、二次電圧を計測し、計測した二次電圧を示すアナログ信号を信号発生装置100に出力する。以下の説明では、二次電圧を示すアナログ信号を必要に応じてアナログ二次電圧信号と称する。
【0013】
サンプルホールド回路101は、アナログ二次電圧信号をサンプリングする。A/D変換回路102は、サンプルホールド回路101でサンプリングされたアナログ二次電圧信号をデジタル信号に変換する。以下の説明では、デジタル信号に変換されたアナログ二次電圧信号を必要に応じてデジタル二次電圧信号と称する。
【0014】
信号生成回路103は、2つの任意波形を生成する。以下の説明では、2つの任意波形の一方の信号を生成する系統を第1の系統と称し、他方の信号を生成する系統を第2の系統と称する。
信号生成回路103は、まず、第1の系統において、A/D変換回路102から出力されたデジタル二次電圧信号と、予め設定されている目標波形の信号との偏差を打ち消す励磁電圧の信号波形を(少なくとも一周期分)生成し、波形メモリに記憶する。ここで、目標波形は正弦波である。信号生成回路103は、波形メモリのアドレスを指定して波形メモリに記憶した信号波形のデータを読み出して、第1のデジタル励磁信号として出力する。尚、励磁電圧の信号波形の周波数は、前述した一定の励磁周波数である。
【0015】
その後、信号生成回路103は、第2の系統において、この第2の系統における処理の直前に第1の系統で使用されたデジタル二次電圧信号の次にA/D変換回路102から出力されたデジタル二次電圧信号の波形と、予め設定されている目標波形との偏差を打ち消す励磁電圧の信号波形を(少なくとも一周期分)生成し、波形メモリに記憶する。信号生成回路103は、波形メモリのアドレスを指定して波形メモリに記憶した信号波形のデータを読み出して、第2のデジタル励磁信号として出力する。
【0016】
その後、信号生成回路103は、第1の系統において、この第1の系統における処理の直前に第2の系統で使用されたデジタル二次電圧信号の次にA/D変換回路102から出力されたデジタル二次電圧信号の波形と、予め設定されている目標波形との偏差を打ち消す励磁電圧の信号波形を(少なくとも一周期分)生成し、波形メモリに記憶されている信号波形を、生成した信号波形に書き換える。信号生成回路103は、波形メモリのアドレスを指定して波形メモリに記憶した信号波形のデータを読み出して、第1のデジタル励磁信号として出力する。
【0017】
信号生成回路103は、以上の第1の系統における処理と第2の系統における処理を、A/D変換回路102から出力されたデジタル二次電圧信号と、予め設定されている目標波形の信号の偏差が、予め設定された値を下回るまで(非特許文献1に記載の例では、波形率が1.10〜1.12の間になるまで)交互に繰り返し行う。
【0018】
尚、波形メモリからの信号波形のデータの読み出し方法は、例えば、DDS(Direct Digital synthesizer)等、任意波形発生器で用いられている公知の技術で実現することができる。従って、ここでは、その詳細な説明を省略する。また、ここでは、説明の便宜上、2つの系統に分けて信号生成回路103の処理の一例を説明したが、2つの系統は、物理的に分かれているものである必要はない。例えば、信号生成回路103は、1つの波形メモリに、それぞれの系統における信号波形のデータを記憶し、この波形メモリからの読み出しアドレスを制御することにより、第1のデジタル励磁信号、第2のデジタル励磁信号を出力してもよい。また、信号生成回路103は、任意波形発生器で採用されているその他の公知の方式で、第1のデジタル励磁信号および第2のデジタル励磁信号を生成してもよい。
【0019】
D/A変換回路104は、第1のデジタル励磁信号をアナログ信号に変換する。以下の説明では、D/A変換回路104でアナログ信号に変換された第1のデジタル励磁信号を必要に応じて第1のアナログ励磁信号と称する。
D/A変換回路105は、第2のデジタル励磁信号をアナログ信号に変換する。以下の説明では、D/A変換回路105でアナログ信号に変換された第2のデジタル励磁信号を必要に応じて第2のアナログ励磁信号と称する。尚、励磁周波数は一定であるので、第1のアナログ励磁信号の周期と、第2のアナログ励磁信号の周期は等しい。
【0020】
アナログIC(Integrated circuit)106は、第1のアナログ励磁信号と第2のアナログ励磁信号とを入力して、一次コイル210に励磁電圧を印加するための動作を行う複数の回路を集積したアナログ集積回路である。尚、アナログIC106には、以下に説明する各回路を制御する制御回路等、図1に示す回路以外の回路が含まれている。
【0021】
振幅調整回路106aは、アナログ二次電圧信号の振幅と目標二次電圧の振幅との偏差に応じて第1のアナログ励磁信号の振幅を調整する。振幅調整回路106aは、例えば、アナログ二次電圧信号の振幅と目標二次電圧の振幅との偏差に応じて増幅度が自動的に変更される増幅器を用いることにより実現される。本実施形態では、振幅調整回路106aは、このような振幅の調整を常に行う。ただし、必ずしもこのようにする必要はなく、例えば、振幅調整回路106aは、信号生成回路103からの指示があったときにのみ、このような振幅の調整を行うようにしてもよい。
【0022】
振幅調整回路106bは、アナログ二次電圧信号の振幅と目標二次電圧の振幅との偏差に応じて第2のアナログ励磁信号の振幅を調整する。振幅調整回路106bは、例えば、アナログ二次電圧信号の振幅と目標二次電圧の振幅との偏差に応じて増幅度が自動的に変更される増幅器を用いることにより実現される。本実施形態では、振幅調整回路106bは、このような振幅の調整を常に行う。ただし、必ずしもこのようにする必要はなく、例えば、振幅調整回路106bは、信号生成回路103からの指示があったときにのみ、このような振幅の調整を行うようにしてもよい。
【0023】
アナログ乗算回路106cは、第1のアナログ励磁信号と、後述する振幅制御回路106fから出力される第1の振幅制御電圧とを乗算する。以下の説明では、このようにしてアナログ乗算回路106cの演算(乗算)により得られるアナログ信号を、必要に応じて第1の振幅制御アナログ励磁信号と称する。
アナログ乗算回路106dは、第1のアナログ励磁信号と、後述する振幅制御回路106fから出力される第2の振幅制御電圧とを乗算する。以下の説明では、このようにしてアナログ乗算回路106dの演算(乗算)により得られるアナログ信号を、必要に応じて第2の振幅制御アナログ励磁信号と称する。
【0024】
アナログ加算回路106eは、第1の振幅制御アナログ励磁信号と、第2の振幅制御アナログ励磁信号とを加算したアナログ信号を、一次コイル210に印加する励磁電圧の信号として生成し、一次コイル210に印加する。
振幅制御回路106fは、第1の振幅制御電圧を生成してアナログ乗算回路106cに出力することと、第2の振幅制御電圧を生成してアナログ乗算回路106dに出力することとを行う。本実施形態では、一次コイル210に印加する励磁電圧の信号を、第1の振幅制御アナログ励磁信号から第2の振幅制御アナログ励磁信号に切り替える際と、一次コイル210に印加する励磁電圧の信号を、第2の振幅制御アナログ励磁信号から第1の振幅制御アナログ励磁信号に切り替える際に、一次コイル210に印加する励磁電圧の信号に含める、第1の振幅制御アナログ励磁信号および第2の振幅制御アナログ励磁信号の信号強度の割合を調整する。
【0025】
即ち、本実施形態では、一次コイル210に印加する励磁電圧の信号を、第1の振幅制御アナログ励磁信号から第2の振幅制御アナログ励磁信号に切り替える際に、第1の振幅制御アナログ励磁信号の信号強度の割合が100[%]であり、第2の振幅制御アナログ励磁信号の信号強度の割合が0[%]である状態から、第1の振幅制御アナログ励磁信号の信号強度の割合が0[%]であり、第2の振幅制御アナログ励磁信号の信号強度の割合が100[%]である状態になるまで、第1の振幅制御アナログ励磁信号の信号強度の割合を連続的に徐々に減らすと共に、第2の振幅制御アナログ励磁信号の信号強度の割合を連続的に徐々に増やすことを所定の時間内で行う。尚、ここでいう割合は、一次コイル210に印加する励磁電圧の信号の信号強度に対する割合である。また、割合を百分率で表記する。
【0026】
このとき、何れの時刻においても、第1の振幅制御アナログ励磁信号の信号強度の割合と、第2の振幅制御アナログ励磁信号の信号強度の割合との和が100[%]となるようにする。以上のことは、一次コイル210に印加する励磁電圧の信号を、第2の振幅制御アナログ励磁信号から第1の振幅制御アナログ励磁信号に切り替える際も、同様である(この場合の説明は、前述した説明において「第1」と「第2」を置き換えたものとなる)。
【0027】
ここで、第1の振幅制御アナログ励磁信号から第2の振幅制御アナログ励磁信号への切り替えと、第2の振幅制御アナログ励磁信号から第1の振幅制御アナログ励磁信号への切り替えは、交互に繰り返し行われる。また、これらの切り替えのタイミングは、信号発生装置100に予め設定されているものとする。例えば、一周期ごとに切り替えを行ってもよいし、所定の複数周期毎に切り替えを行ってもよい。信号発生装置100は、この切り替えのタイミングになると、トリガ信号を発生し、アナログIC106に出力する。
【0028】
振幅制御回路106fは、このトリガ信号に基づいて、第1の振幅制御電圧を生成してアナログ乗算回路106cに出力することと、第2の振幅制御電圧を生成してアナログ乗算回路106dに出力することとを開始する。以下に、第1の振幅制御電圧および第2の振幅制御電圧の一例について説明する。
図2は、第1の振幅制御電圧および第2の振幅制御電圧の一例を示す図である。図2(a)は、第1の振幅制御電圧および第2の振幅制御電圧の第1の例を示す図であり、図2(b)は、第1の振幅制御電圧および第2の振幅制御電圧の第2の例を示す図である。
第1の振幅制御電圧は、アナログ乗算回路106cにおける第1のアナログ励磁信号に対する倍率を定める電圧である。第2の振幅制御電圧は、アナログ乗算回路106dにおける第2のアナログ励磁信号に対する倍率を定める電圧である。
【0029】
図2(a)および図2(b)において、関数k(t)は、時刻tにおける第1の振幅制御電圧および第2の振幅制御電圧を定める関数である。関数k(t)は、0(ゼロ)以上1以下の値(実数)をとる。また、時刻tSは、第1の振幅制御電圧および第2の振幅制御電圧の切り替えを開始するタイミングである。時刻tEは、第1の振幅制御電圧および第2の振幅制御電圧の切り替えを終了するタイミングである。時刻tSから時刻tEの期間の長さは、予め定められている。
【0030】
図2(a)において、関数k(t)が第1の振幅制御電圧として用いられる場合には、関数1−k(t)が第2の振幅制御電圧として用いられ、関数1−k(t)が第1の振幅制御電圧として用いられる場合には、関数k(t)が第2の振幅制御電圧として用いられる。同様に、図2(b)において、関数k(t)が第1の振幅制御電圧として用いられる場合には、関数1−k(t)が第2の振幅制御電圧として用いられ、関数1−k(t)が第1の振幅制御電圧として用いられる場合には、関数k(t)が第2の振幅制御電圧として用いられる。
【0031】
図2(a)において、各時刻tにおける関数k(t)、1−k(t)の和は、何れも「1」である(k(t)+1−k(t)=1)。同様に図2(b)において、各時刻tにおける関数k(t)、1−k(t)の和も、何れも「1」である。
以上のように本実施形態では、第1の振幅制御電圧および第2の振幅制御電圧が、時間に依存する1つの関数k(t)により定められる(即ち、第1の振幅制御電圧および第2の振幅制御電圧の自由度は1である)。また、関数k(t)は、時間の経過とともに単調増加する関数であり、関数1−k(t)は、時間の経過とともに単調減少する関数である。図2(a)では、関数k(t)が時間の経過とともに線形で変化する場合の一例を示し、図2(b)では、関数k(t)が時間の経過とともに非線形で変化する場合の一例を示す。
【0032】
本実施形態では、例えば、振幅制御回路106fには、図2(a)または図2(b)に示す関数k(t)を出力することが予め設定されている。また、アナログ乗算回路106c、106dのフルスケールにおける電圧(出力が100[%]となる電圧)が何れもV0[V]で同じであるとする。前述したトリガ信号が発生すると、振幅制御回路106fは、例えば、V0×k(t)を第1の振幅制御電圧としてアナログ乗算回路106cに出力すると共に、V0×(1−k(t))を第2の振幅制御電圧としてアナログ乗算回路106dに出力する。その後、時刻tEになると、第1の振幅制御電圧はV0になり、第2の振幅制御電圧は0(ゼロ)になり、この状態が継続する。その後、新たにトリガ信号が発生すると、振幅制御回路106fは、V0×(1−k(t))を第1の振幅制御電圧としてアナログ乗算回路106cに出力すると共に、V0×k(t)を第2の振幅制御電圧としてアナログ乗算回路106dに出力する。このように、振幅制御回路106fは、トリガ信号が発生する度に、V0×k(t)、V0×(1−k(t))をこの順で交互に第1の振幅制御電圧として出力し、V0×(1−k(t))、V0×k(t)をこの順で交互に第2の振幅制御電圧として出力する。
【0033】
前述したように、アナログ乗算回路106cは、第1のアナログ励磁信号と、第1の振幅制御電圧とを乗算する。第1の振幅制御電圧としてV0×k(t)が出力された場合、アナログ乗算回路106cは、第1のアナログ励磁信号の各時刻tの信号強度をk(t)倍した信号を第1の振幅制御アナログ励磁信号として出力する。第1の振幅制御電圧としてV0×(1−k(t))が出力された場合、アナログ乗算回路106cは、第1のアナログ励磁信号の各時刻tの信号強度を1−k(t)倍した信号を第1の振幅制御アナログ励磁信号として出力する。
【0034】
また、アナログ乗算回路106dは、第2のアナログ励磁信号と、第2の振幅制御電圧とを乗算する。第2の振幅制御電圧としてV0×k(t)が出力された場合、アナログ乗算回路106cは、第2のアナログ励磁信号の各時刻tの信号強度をk(t)倍した信号を第2の振幅制御アナログ励磁信号として出力する。第2の振幅制御電圧としてV0×(1−k(t))が出力された場合、アナログ乗算回路106cは、第2のアナログ励磁信号の各時刻tの信号強度を1−k(t)倍した信号を第2の振幅制御アナログ励磁信号として出力する。
【0035】
前述したように、時刻tにおいて、第1の振幅制御電圧としてV0×k(t)が出力される場合には、第2の振幅制御電圧としてV0×(1−k(t))が出力される。従って、何れの時刻tにおいても、第1の振幅制御アナログ励磁信号の信号強度の割合と、第2の振幅制御アナログ励磁信号の信号強度の割合との和が100[%]になる。
以上のようにすることで、一次コイル210に印加する励磁電圧の信号を、第1の振幅制御アナログ励磁信号から第2の振幅制御アナログ励磁信号に切り替える際に、第1の振幅制御アナログ励磁信号の信号強度の割合を連続的に徐々に減らし、第2の振幅制御アナログ励磁信号の信号強度の割合を連続的に徐々に増やすことができる。逆に、一次コイル210に印加する励磁電圧の信号を、第2の振幅制御アナログ励磁信号から第1の振幅制御アナログ励磁信号に切り替える際には、第2の振幅制御アナログ励磁信号の信号強度の割合を連続的に徐々に減らし、第1の振幅制御アナログ励磁信号の信号強度の割合を連続的に徐々に増やすことができる。
【0036】
尚、トリガ信号が発生していない場合(時刻tSから時刻tEの期間でない場合)、直近の時刻tEにおける第1の振幅制御電圧、第2の振幅制御電圧が維持される。時刻tEにおいては、第1の振幅制御電圧および第2の振幅制御電圧の一方がV0になり、他方が0(ゼロ)になる。従って、直近に切り替えられた第1の振幅制御アナログ励磁信号または第2の振幅制御アナログ励磁信号のみが、一次コイル210に印加する励磁電圧として出力される。即ち、例えば、一次コイル210に印加する励磁電圧が、第1の振幅制御アナログ励磁信号から第2の振幅制御アナログ励磁信号に切り替わった場合には、次にトリガ信号が発生するまで、第2の振幅制御アナログ励磁信号のみが一次コイル210に印加する励磁電圧として出力される。
【0037】
以上のように本実施形態では、信号発生装置100は、デジタルフィードバック制御により第1のデジタル励磁信号および第2のデジタル励磁信号を交互に生成し、第1のアナログ励磁信号および第2のアナログ励磁信号を交互に生成する。信号発生装置100は、一次コイル210に印加する励磁電圧の信号を、第1のアナログ励磁信号および第2のアナログ励磁信号の一方から他方に切り替える際に、一方の信号強度が徐々に小さくなり他方の信号強度が徐々に大きくなるようにする。従って、励磁電圧の発振が生じることを抑制することと、励磁電圧の波形の連続性を確保することとの双方を実現することができる。これにより、二次電圧の信号波形を正弦波とする励磁電圧の信号波形を決めた後に試験片Sを消磁する必要がなくなる。このため、励磁電圧の信号波形が決まった時点で二次電圧および励磁電流等を測定し、試験片Sの磁気特性を測定することができる。よって、二次電圧の信号波形を正弦波とする励磁電圧の信号波形を迅速に且つ高精度に生成することができ、試験片Sの磁気特性も迅速に且つ高精度に測定することができる。
【0038】
本実施形態では、振幅調整回路106aは、106b、アナログ乗算回路106c、106d、アナログ加算回路106e、および振幅制御回路106fをアナログIC106で構成する場合を例に挙げて説明した。このようにすれば、これらの回路の制御が容易になる。例えば、前述したように、振幅制御回路106fは、トリガ信号に同期して第1の振幅制御電圧および第2の振幅制御電圧を出力すればよくなる。しかしながら、これらの少なくとも1つを、集積化しなくてもよい。例えば、振幅制御回路106fをアナログIC106の外部に設けてもよい。このようにした場合、振幅制御回路106fを変更するだけで、第1の振幅制御電圧および第2の振幅制御電圧を変更することができる。
【0039】
また、本実施形態では、第1の振幅制御電圧および第2の振幅制御電圧が、時間の経過と共に単調増加または単調減少する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。時刻tSから時刻tEの期間に、第1の振幅制御電圧および第2の振幅制御電圧の信号強度(値)が変化しない期間が含まれていてもよい。
【0040】
また、本実施形態では、エプスタイン試験器200で計測された二次電圧の信号波形が正弦波になるように、一次コイル210に印加する励磁電圧を調整する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、信号発生装置100から信号を供給する機器は、エプスタイン試験器200に限定されない。フィードバック制御を行う機器であれば、本実施形態の信号発生装置100を適用することができる。例えば、非特許文献2に記載されている単板試験器であってもよい。
【0041】
尚、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0042】
(請求項との関係)
以下に、請求項と実施形態との関係の一例を示す。尚、請求項の記載が実施形態の記載に限定されないことは勿論である。
<請求項1>
機器で計測される計測値を示すアナログ信号は、例えば、アナログ二次電圧信号を用いることにより実現される。
第1の変換手段は、例えば、A/D変換回路102を用いることにより実現される。
相互に異なるタイミングで前記第1の変換手段により変換された前記デジタル信号である第1のデジタル入力信号、第2のデジタル入力信号は、例えば、第1の系統において処理されるデジタル二次電圧信号、第2の系統において処理されるデジタル二次電圧信号を用いることにより実現される。
予め設定された目標信号は、例えば、予め設定されている目標波形の信号(正弦波の信号)を用いることにより実現される。
第1のデジタル出力信号、第2のデジタル出力信号は、例えば、第1のデジタル励磁信号、第2のデジタル励磁信号を用いることにより実現される。
第2の変換手段は、例えば、D/A変換回路104を用いることにより実現される。
第3の変換手段は、例えば、D/A変換回路105を用いることにより実現される。
第1のアナログ出力信号は、例えば、第1のアナログ励磁信号を用いることにより実現される。
第2のアナログ出力信号は、例えば、第2のアナログ励磁信号を用いることにより実現される。
混合手段は、例えば、アナログ乗算回路106c、106d、アナログ加算回路106e、振幅制御回路106fを用いることにより実現される。
<請求項3>
第1の乗算手段は、例えば、アナログ乗算回路106cを用いることにより実現される。
第2の乗算手段は、例えば、アナログ乗算回路106dを用いることにより実現される。
第1の振幅制御アナログ出力信号は、例えば、第1の振幅制御アナログ励磁信号を用いることにより実現される。
第2の振幅制御アナログ出力信号は、例えば、第2の振幅制御アナログ励磁信号を用いることにより実現される。
加算手段は、例えば、アナログ加算回路106eを用いることにより実現される。
振幅制御手段は、例えば、振幅制御回路106fを用いることにより実現される。
前記第1の乗算手段における前記第1のアナログ出力信号に対する倍率がk倍であるときに、前記第2の乗算手段における前記第2のアナログ出力信号に対する倍率が(1−k)倍となることは、例えば、関数k(t)が第1の振幅制御電圧として用いられる場合には、関数1−k(t)が第2の振幅制御電圧として用いられ、関数1−k(t)が第1の振幅制御電圧として用いられる場合には、関数k(t)が第2の振幅制御電圧として用いられることに対応する。
kが、0(ゼロ)以上1以下の値であることは、例えば、関数k(t)が、0(ゼロ)以上1以下の値(実数)をとることに対応する。
<請求項4>
前記機器に出力するアナログ信号が、前記第1のアナログ出力信号および前記第2のアナログ出力信号の一方から他方に切り替わる際に、当該一方に対する前記倍率が1から0(ゼロ)に連続的に変化し、当該他方に対する前記倍率が0(ゼロ)から1に連続的に変化することは、例えば、関数k(t)が第1の振幅制御電圧として用いられる場合には、関数1−k(t)が第2の振幅制御電圧として用いられ、関数1−k(t)が第1の振幅制御電圧として用いられる場合には、関数k(t)が第2の振幅制御電圧として用いられることに対応する。
<請求項5>
所定のトリガ信号が発生する度に、前記倍率が0(ゼロ)から1に連続的に変化することと、前記倍率が1から0(ゼロ)に連続的に変化することとが交互に行われることは、例えば、トリガ信号が発生する度に、V0×k(t)、V0×(1−k(t))がこの順で交互に第1の振幅制御電圧として出力され、V0×(1−k(t))、V0×k(t)がこの順で交互に第2の振幅制御電圧として出力されることに対応する。
<請求項6>
前記第1の乗算手段、前記第2の乗算手段、前記加算手段、および前記振幅制御手段が、同一の集積回路に含まれることは、例えば、アナログ乗算回路106c、106d、アナログ加算回路106e、振幅制御回路106fがアナログIC106として実装されることにより実現される。
<請求項7>
前記機器で計測される計測値を示すアナログ信号の振幅は、例えば、アナログ二次電圧信号の振幅を用いることにより実現される。
目標振幅は、例えば、目標二次電圧との偏差を用いることにより実現される。
第1の振幅調整手段は、例えば、振幅調整回路106aを用いることにより実現される。
第2の振幅調整手段は、例えば、振幅調整回路106bを用いることにより実現される。
<請求項8>
軟磁性材料の磁気特性を測定する機器は、例えば、エプスタイン試験器200または端板試験器を用いることにより実現される。
【符号の説明】
【0043】
100:信号発生回路、101:サンプルホールド回路、102:A/D変換回路、103:信号生成回路、104〜105:D/A変換回路、106:アナログIC、106a〜106b:振幅調整回路、106c〜106d:アナログ乗算回路、106e:アナログ加算回路、106f:振幅制御回路、200:エプスタイン試験器、300:電圧計
図1
図2