特許第6922300号(P6922300)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6922300超音波デバイスユニット、超音波探触子、及び超音波装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6922300
(24)【登録日】2021年8月2日
(45)【発行日】2021年8月18日
(54)【発明の名称】超音波デバイスユニット、超音波探触子、及び超音波装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 17/00 20060101AFI20210805BHJP
   H04R 1/06 20060101ALI20210805BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20210805BHJP
【FI】
   H04R17/00 330H
   H04R1/06 330
   H04R17/00 332B
   A61B8/14
【請求項の数】8
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2017-55390(P2017-55390)
(22)【出願日】2017年3月22日
(65)【公開番号】特開2018-160718(P2018-160718A)
(43)【公開日】2018年10月11日
【審査請求日】2020年1月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 一輝
【審査官】 渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−172799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00− 8/15
H04R 1/00− 1/02
H04R 1/06
H04R 1/20− 1/34
H04R 1/40
H04R 1/44
H04R 3/00
H04R 9/00
H04R 13/00
H04R 15/00
H04R 17/00
H04R 17/10
H04R 19/00
H04R 23/00
H04R 29/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波デバイスと、
前記超音波デバイスに接続されるフレキシブルプリント基板と、を備え、
前記フレキシブルプリント基板は、
前記超音波デバイスが接続されるデバイス接続部と、
前記超音波デバイスに接続される複数の外部接続端子を含む第一コネクター部と、
前記超音波デバイスに接続される複数の外部接続端子を含む第二コネクター部と、
前記デバイス接続部及び前記第一コネクター部の間に設けられて、前記デバイス接続部及び前記第一コネクター部を連結する第一屈折部と、
前記デバイス接続部及び前記第二コネクター部の間に設けられて、前記デバイス接続部及び前記第二コネクター部を連結する第二屈折部と、を備え、
前記第一屈折部における前記デバイス接続部及び前記第一コネクター部の距離と、前記第二屈折部における前記デバイス接続部及び前記第二コネクター部の距離とが異なる
ことを特徴とする超音波デバイスユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波デバイスユニットにおいて、
前記第一屈折部は、第一スリットを備え、
前記第二屈折部は、第二スリットを備え、
前記第一スリットの前記デバイス接続部から前記第一コネクター部に向かう方向に沿った幅寸法と前記第二スリットの前記デバイス接続部から前記第二コネクター部に向かう方向に沿った幅寸法とが異なる
ことを特徴とする超音波デバイスユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の超音波デバイスユニットにおいて、
前記第一スリットの前記デバイス接続部から前記第一コネクター部に向かう方向に交差する方向の幅寸法は、前記超音波デバイスの前記デバイス接続部から前記第一コネクター部に向かう方向に交差する方向の幅寸法よりも大きく、
前記第二スリットの前記デバイス接続部から前記第二コネクター部に向かう方向に交差する方向の幅寸法は、前記超音波デバイスの前記デバイス接続部から前記第二コネクター部に向かう方向に交差する方向の幅寸法よりも大きい
ことを特徴とする超音波デバイスユニット。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の超音波デバイスユニットにおいて、
前記第一コネクター部の、前記デバイス接続部から前記第一コネクター部に向かう方向の幅寸法は、前記デバイス接続部の、前記デバイス接続部から前記第一コネクター部に向かう方向の幅寸法よりも小さく、
前記第二コネクター部の、前記デバイス接続部から前記第二コネクター部に向かう方向の幅寸法は、前記デバイス接続部の、前記デバイス接続部から前記第二コネクター部に向かう方向の幅寸法よりも小さい
ことを特徴とする超音波デバイスユニット。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超音波デバイスユニットにおいて、
前記デバイス接続部、前記第一コネクター部、及び前記第二コネクター部は第一方向に並んで配置され、
前記デバイス接続部は、前記第一コネクター部及び前記第二コネクター部の間に位置する
ことを特徴とする超音波デバイスユニット。
【請求項6】
超音波デバイスと、
前記超音波デバイスに接続されるフレキシブルプリント基板と、を備え、
前記フレキシブルプリント基板は、
前記超音波デバイスが接続されるデバイス接続部と、
前記超音波デバイスに接続される複数の外部接続端子を含む第一コネクター部と、
前記超音波デバイスに接続される複数の外部接続端子を含む第二コネクター部と、
前記デバイス接続部及び前記第一コネクター部の間に設けられて、前記デバイス接続部及び前記第一コネクター部を連結する第一屈折部と、
前記第一コネクター部及び前記第二コネクター部の間に設けられて、前記第一コネクター部と前記第二コネクター部とを連結する第三屈折部と、を備え、
前記第一屈折部における前記デバイス接続部及び前記第一コネクター部の距離と、前記第三屈折部における前記第一コネクター部及び前記第二コネクター部の距離とが異なる
ことを特徴とする超音波デバイスユニット。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の超音波デバイスユニットと、
前記超音波デバイスユニットを格納する筐体と、
を備えることを特徴とする超音波探触子。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の超音波デバイスユニットと、
前記超音波デバイスユニットを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする超音波装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波デバイスユニット、超音波探触子、及び超音波装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波の送受信を行う超音波素子が複数配置された超音波素子アレイを有する超音波デバイスユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の超音波デバイスユニットは、複数の超音波素子のそれぞれに対応する端子を有する超音波デバイスを備え、当該超音波デバイスがフレキシブルプリント基板(フレキ板)を介して、装置端末に接続される。
このフレキ板は、中心線に対して一端側に第一平板部が設けられ、この第一平板部に超音波デバイスが固定される。また、フレキ板は、中心線に対して他端側に第二平板部が設けられ、この第二平板部に超音波デバイスの各端子を接続されるコネクターが設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−92592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載のような超音波デバイスにおいて、超音波デバイスに含まれる超音波素子の数が多くなると、それに応じて端子の数やコネクターの数も増える。この場合、第二平板部に全てのコネクターを配置することは困難となり、各コネクターへの配線も複雑化する。これに対して、第一平板部に対して、別途コネクターを配置する第三平板部を設け、第二平板部と第三平板部との双方にコネクターを配置することで、上記のような課題を解決することができる。
一方、超音波デバイスユニットでは、限られたスペースに超音波デバイスやフレキ板を配置する必要があるので、特許文献1に記載のように、第二平板部を折り返して(湾曲させて)第一平板部に重ね合せる。ここで、上記のように、第二平板部に加えて第三平板部が設けられている場合、第二平板部及び第三平板部を第一平板部に重ねるように湾曲させると、第二平板部及び第三平板部が干渉してしまい、各コネクターへの配線接続が困難となる。
また、第二平板部及び第三平板部が干渉しない様に、第一平板部及び第二平板部との間の湾曲曲率と、第一平板部及び第三平板部との間の湾曲曲率とが異なるように折り曲げることも考えられる。しかし、このような場合では、湾曲曲率が小さい一方において、フレキ板が第一平板部よりも大きく外側に飛び出してしまい、限られたスペース内に超音波デバイス及びフレキ板を配置することが困難となる。
以上から、配線接続が容易で、小型化が可能な超音波デバイスユニットが望まれている。
【0005】
本発明は、配線接続が容易で、小型化が可能な超音波デバイスユニット、超音波探触子、及び超音波装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一適用例に係る超音波デバイスユニットは、超音波デバイスと、前記超音波デバイスに接続されるフレキシブルプリント基板と、を備え、前記フレキシブルプリント基板は、前記超音波デバイスが接続されるデバイス接続部と、前記超音波デバイスに接続される複数の外部接続端子を含む第一コネクター部と、前記超音波デバイスに接続される複数の外部接続端子を含む第二コネクター部と、前記デバイス接続部及び前記第一コネクター部の間に設けられて、前記デバイス接続部及び前記第一コネクター部を連結する第一屈折部と、前記デバイス接続部及び前記第二コネクター部の間に設けられて、前記デバイス接続部及び前記第二コネクター部を連結する第二屈折部と、を備え、前記第一屈折部における前記デバイス接続部及び前記第一コネクター部の距離と、前記第二屈折部における前記デバイス接続部及び前記第二コネクター部の距離とが異なることを特徴とする。
【0007】
本適用例では、フレキシブルプリント基板は、超音波デバイスが接続されるデバイス接続部に対して、第一コネクター部が第一屈折部を介して接続され、第二コネクター部が第二屈折部を介して接続されている。そして、本適用例では、第一屈折部のデバイス接続部から第一コネクター部までの距離と、第二屈折部のデバイス接続部から第二コネクター部までの距離とが異なる距離となる。
このような構成では、第一コネクター部をデバイス接続部に重ね合せるように第一屈折部を折り曲げた際の第一コネクター部の位置(重ね合せ方向の位置)と、第二コネクター部をデバイス接続部に重ね合せるように第二屈折部を折り曲げた際の第二コネクター部の位置(重ね合せ方向の位置)と、がそれぞれ異なる位置となる。したがって、第一コネクター部と第二コネクター部とが干渉せず、第一コネクター部や第二コネクター部に対する配線の接続が容易となる。また、第一コネクター部及び第二コネクター部のうちデバイス接続部からの距離が短い一方を、デバイス接続部に近い側に、他方をデバイス接続部に遠い側に配置させることで、フレキシブルプリント基板の重ね合せ方向から見た平面視において、第一屈折部や第二屈折部がデバイス接続部の外縁より外側に突出せず、小型化を図ることができる。
【0008】
本適用例の超音波デバイスユニットにおいて、前記第一屈折部は、第一スリットを備え、前記第二屈折部は、第二スリットを備え、前記第一スリットの前記デバイス接続部から前記第一コネクター部に向かう方向に沿った幅寸法と前記第二スリットの前記デバイス接続部から前記第二コネクター部に向かう方向に沿った幅寸法とが異なることが好ましい。
【0009】
本適用例では、第一屈折部に第一スリットが設けられ、第二屈折部に第二スリットが設けられている。このような第一スリットや第二スリットが設けられている場合、当該第一スリットや第二スリットに沿って第一屈折部や第二屈折部を湾曲させやすくなる。また、第一スリット及び第二スリットの幅寸法が異なるので、湾曲させやすい部分の寸法が異なる構成となる。これにより、上記適用例と同様、第一コネクター部及び第二コネクター部が互いに干渉しない位置に容易に配置させることが可能となる。
【0010】
本適用例の超音波デバイスユニットにおいて、前記第一スリットの前記デバイス接続部から前記第一コネクター部に向かう方向に交差する方向の幅寸法は、前記超音波デバイスの前記デバイス接続部から前記第一コネクター部に向かう方向に交差する方向の幅寸法よりも大きく、前記第二スリットの前記デバイス接続部から前記第二コネクター部に向かう方向に交差する方向の幅寸法は、前記超音波デバイスの前記デバイス接続部から前記第二コネクター部に向かう方向に交差する方向の幅寸法よりも大きいことが好ましい。
【0011】
本適用例では、第一スリットのデバイス接続部から第一コネクター部に向かう方向(第一接続方向)に交差する方向(第一交差方向)の幅寸法(第一スリットの長手方向の寸法)が超音波デバイスの第一交差方向の幅寸法よりも大きい。
このような構成では、フレキシブルプリント基板を、超音波デバイスの第一接続方向に沿う両端縁で折り曲げた上で、第一スリットが設けられる位置で第一屈折部を湾曲させて折り曲げる。これにより、デバイス接続部から第一コネクター部に向かう方向において、第一コネクター部やデバイス接続部では、折り曲げられたフレキシブルプリント基板が3層で重なり合うのに対し、第一屈折部では、2層のみで重なり合う。したがって、第一屈折部を湾曲させやすくなる。
第二屈折部においても同様であり、第二スリットのデバイス接続部から第二コネクター部に向かう方向(第二接続方向)に交差する方向(第二交差方向)の幅寸法(第二スリットの長手方向の寸法)が超音波デバイスの第二交差方向の幅寸法よりも大きい。したがって、フレキシブルプリント基板を、超音波デバイスの第二接続方向に沿う両端縁で折り曲げた上で、第二スリットが設けられる位置で第二屈折部を湾曲させて折り曲げることで、第二屈折部が湾曲させやすい形状となる。
よって、第一コネクター部及び第二コネクター部がデバイス接続部に重なり合うように、容易にフレキシブルプリント基板の形状を変形させることが可能となる。
【0012】
本適用例の超音波デバイスユニットにおいて、前記第一コネクター部の、前記デバイス接続部から前記第一コネクター部に向かう方向の幅寸法は、前記デバイス接続部の、前記デバイス接続部から前記第一コネクター部に向かう方向の幅寸法よりも小さく、前記第二コネクター部の、前記デバイス接続部から前記第二コネクター部に向かう方向の幅寸法は、前記デバイス接続部の、前記デバイス接続部から前記第二コネクター部に向かう方向の幅寸法よりも小さいことが好ましい。
【0013】
本適用例では、第一コネクター部の第一接続方向の幅寸法が、デバイス接続部の第一接続方向の幅寸法よりも小さく、第二コネクター部の第二接続方向の幅寸法が、デバイス接続部の第一接続方向の幅寸法よりも小さい。このため、デバイス接続部に第一コネクター部や第二コネクター部を重ね合せるように、第一屈折部や第二屈折部を折り曲げた際に、重ね合せ方向から見た平面視で、第一コネクター部や第二コネクター部がデバイス接続部の外縁より外側に突出せず、小型化を図ることができる。
【0014】
本適用例の超音波デバイスユニットにおいて、前記デバイス接続部、前記第一コネクター部、及び前記第二コネクター部は第一方向に並んで配置され、前記デバイス接続部は、前記第一コネクター部及び前記第二コネクター部の間に位置することが好ましい。
本適用例では、デバイス接続部を挟むように第一方向に沿って第一コネクター部及び第二コネクター部が配置されている。このような構成では、フレキシブルプリント基板において、デバイス接続部から第一コネクター部に向かう配線と、デバイス接続部から第二コネクター部に向かう配線を対称構造とすることができる。よって、配線にて生じる電圧降下によって、超音波デバイスから出力される超音波の出力が不均一となる不都合を抑制できる。
【0015】
本発明の一適用例に係る超音波デバイスユニットは、超音波デバイスと、前記超音波デバイスに接続されるフレキシブルプリント基板と、を備え、前記フレキシブルプリント基板は、前記超音波デバイスが接続されるデバイス接続部と、前記超音波デバイスに接続される複数の外部接続端子を含む第一コネクター部と、前記超音波デバイスに接続される複数の外部接続端子を含む第二コネクター部と、前記デバイス接続部及び前記第一コネクター部の間に設けられて、前記デバイス接続部及び前記第一コネクター部を連結する第一屈折部と、前記第一コネクター部及び前記第二コネクター部の間に設けられて、前記第一コネクター部と前記第二コネクター部とを連結する第三屈折部と、を備え、前記第一屈折部における前記デバイス接続部及び前記第一コネクター部の距離と、前記第三屈折部における前記第一コネクター部及び前記第二コネクター部の距離とが異なることを特徴とする。
【0016】
本適用例では、デバイス接続部に第一コネクター部が第一屈折部を介して連結され、第一コネクター部に第三屈折部を介して第二コネクター部が連結され、第一屈折部のデバイス接続部から第一コネクター部までの距離と、第三屈折部の第一コネクター部から第二コネクター部までの距離とが異なる。
このような構成では、デバイス接続部に第一コネクター部及び第二コネクター部を重ね合せる際に、第一屈折部を湾曲させて第一コネクター部をデバイス接続部に重ね合せ、第二コネクター部が第一コネクター部とデバイス接続部との間に入るように、第三屈折部を湾曲させることができる。この場合、デバイス接続部から第一コネクター部までの距離を、第一コネクター部から第二コネクター部までの距離よりも長くする。これにより、第一コネクター部と第二コネクター部との干渉を抑制でき、かつ、平面視において第一屈折部や第三屈折部がデバイス接続部の外縁より突出せず、小型化を図れる。
また、デバイス接続部に第一コネクター部及び第二コネクター部を重ね合せる際に、第一屈折部を湾曲させて第一コネクター部をデバイス接続部に重ね合せ、第二コネクター部が第一コネクター部のデバイス接続部とは反対側に位置するように、第三屈折部を湾曲させることもできる。この場合、デバイス接続部から第一コネクター部までの距離を、第一コネクター部から第二コネクター部までの距離よりも短くする。これにより、第一コネクター部と第二コネクター部との干渉を抑制でき、かつ、平面視において第一屈折部や第三屈折部がデバイス接続部の外縁より突出せず、小型化を図れる。
【0017】
本発明に係る一適用例の超音波探触子は、上述のような超音波デバイスユニットと、前記超音波ユニットを格納する筐体と、を備えることを特徴とする。
本適用例の超音波探触子では、筐体内に上述したような超音波デバイスユニットが収納されており、当該超音波探触子を被検体に接触させることで、被検体に対する超音波測定を実施することができる。そして、上述したように、超音波デバイスユニットは、コネクター部の干渉を抑制しつつ、小型化が可能となる。よって、超音波探触子において、超音波デバイスユニットに対して容易に配線を接続することができ、かつ、超音波探触子の小型化をも図れる。
【0018】
本発明に係る一適用例に係る超音波装置は、上述のような超音波デバイスユニットと、前記超音波デバイスユニットを制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
本適用例では、制御部により、上述のような超音波デバイスユニットを制御することで、超音波測定の測定結果に応じた各種超音波処理(例えば、被検体に対する超音波測定や、被検体に対する超音波治療等)を実施できる。そして、上述のように、超音波デバイスユニットは小型化が可能であるので、超音波装置においても、装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第一実施形態に係る超音波測定装置の概略構成を示す斜視図。
図2】第一実施形態の超音波プローブの外観を示す斜視図。
図3図2のA−A線で切断した超音波プローブの断面図。
図4図2のB−B線で切断した超音波プローブの断面図。
図5】第一実施形態の超音波基板の概略構成を示す平面図。
図6図5のC−C線で切断した超音波基板の断面図。
図7】第一実施形態の配線基板の概略構成を示す平面図。
図8】第一実施形態のフレキ板の表面の概略構成を示す平面図。
図9】第一実施形態のフレキ板の配線構造を示す図。
図10】超音波デバイスの各送受信列に対して印加される駆動電圧の電圧値を示す図。
図11】第一実施形態の第一補強板の平面図、正面図、及び側面図。
図12】第一実施形態の第二補強板の平面図、正面図、及び側面図。
図13】第一実施形態において、フレキ板をX方向に沿って湾曲させた際の斜視図。
図14】第一実施形態の超音波デバイスユニットを第一屈折部側から見た側面図。
図15】第一実施形態の超音波デバイスユニットを第二屈折部側から見た側面図。
図16】第二実施形態のフレキ板の概略構成を示す平面図。
図17】第二実施形態において、フレキ板を湾曲させた際の超音波デバイスユニットのXZ断面図。
図18】第三実施形態のフレキ板の概略構成を示す平面図。
図19】第三実施形態において、フレキ板を湾曲させた際の超音波デバイスユニットのXZ断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態について説明する。
図1は、超音波測定装置1の概略構成を示す斜視図である。
超音波測定装置1は、超音波装置に相当し、図1に示すように、超音波プローブ2と、超音波プローブ2にケーブル3を介して電気的に接続された制御装置10と、を備える。
この超音波測定装置1は、超音波プローブ2が生体(例えば人体)の表面に接触された状態で、超音波プローブ2から生体内に超音波を送出する。また、生体内の器官にて反射された超音波を超音波プローブ2にて受信し、その受信信号に基づいて、例えば生体内の内部断層画像を取得したり、生体内の器官の状態(例えば血流等)を測定したりする。
【0021】
[1.制御装置の構成]
制御装置10は、制御部に相当し、例えば、図1に示すように、ボタンやタッチパネル等を含む操作部11と、表示部12と、を備える。また、制御装置10は、図示は省略するが、メモリー等により構成された記憶部と、CPU(Central Processing Unit)等により構成された演算部と、を備える。制御装置10は、記憶部に記憶された各種プログラムを、演算部に実行させることにより、超音波測定装置1を制御する。例えば、制御装置10は、超音波プローブ2の駆動を制御するための指令を出力したり、超音波プローブ2から入力された受信信号に基づいて、生体の内部構造の画像を形成して表示部12に表示させたり、血流等の生体情報を測定して表示部12に表示させたりする。このような制御装置10としては、例えば、タブレット端末やスマートフォン、パーソナルコンピューター等の端末装置を用いることができ、超音波プローブ2を操作するための専用端末装置を用いてもよい。
【0022】
[2.超音波プローブの構成]
図2は、超音波プローブ2の外観を示す斜視図である。図3は、図2のA−A線(平面S)で切断した超音波プローブ2の断面図であり、図4は、図2のB−B線(平面S)で切断した超音波プローブ2の断面図である。
超音波プローブ2は、超音波探触子に相当し、図1から図4に示すように、筐体21と、筐体21の内部に格納される超音波デバイスユニット4と、を備える。また、超音波デバイスユニット4は、超音波デバイス5と、フレキシブルプリント基板(フレキ板6)と、第一補強板71と、第二補強板72と、を備えて構成される。
以下、各構成について詳細に説明する。
【0023】
[2−1.超音波デバイス5の構成]
超音波デバイスユニット4を構成する超音波デバイス5は、図3及び図4に示すように、超音波基板51と、封止板52と、配線基板53と、音響レンズ54と、を含み、配線基板53、封止板52、超音波基板51、及び音響レンズ54の順に積層されることで構成されている。本実施形態では、超音波デバイス5は、配線基板53、封止板52、超音波基板51、及び音響レンズ54の積層方向(Z方向)から見た平面視において、例えば矩形状に形成されている。
[2−1−1.超音波基板51の構成]
図5は、本実施形態の超音波基板51の概略構成を示す平面図である。
図5に示すように、超音波基板51には、X方向(第二方向:スキャン方向)及びY方向(第一方向:スライス方向)に沿って、複数の超音波トランスデューサーTrが2次元アレイ状に配置されている。本実施形態では、Y方向に配置された複数の超音波トランスデューサーTr(超音波素子)により、1CH(チャネル)の送受信列Ch(振動子)が構成される。また、当該1CHの送受信列ChがY方向に沿って複数並んで配置されることで、1次元アレイ構造の超音波基板51が構成される。ここで、超音波基板51のうち、超音波トランスデューサーTrが配置される領域をアレイ領域Ar1とする。
なお、図5は、説明の便宜上、超音波トランスデューサーTrの配置数を減らしているが、実際には、より多くの超音波トランスデューサーTrが配置されている。
【0024】
図6は、超音波基板51を図5のC−C線で切断した際の概略断面図である。
超音波基板51は、図6に示すように、素子基板511と、素子基板511上に設けられる支持膜512と、支持膜512上に設けられる圧電素子513と、を備えて構成されている。
素子基板511は、例えばSi等の半導体基板により構成されている。この素子基板511は、各々の超音波トランスデューサーTrに対応した基板開口部511Aが設けられている。本実施形態では、各基板開口部511Aは、素子基板511の基板厚み方向を貫通した貫通孔であり、当該貫通孔の一端側(封止板52側)に支持膜512が設けられる。
また、基板開口部511Aの支持膜512が設けられない側には、生体に近い音響インピーダンスを有する音響層515が充填されている。
さらに、素子基板511の支持膜512と反対側の面には、素子基板511及び音響層515に接する音響レンズ54が設けられている。この音響レンズ54は、超音波デバイスユニット4を筐体21に格納した際に、筐体21に設けられたセンサー窓211B(図1等参照)から露出される部分であり、超音波測定の実施時に被検体に接する部分となる。当該音響レンズ54は、音響層515と同様、生体に近い音響インピーダンスを有する例えばシリコーン等により構成されており、X方向を軸としたシリンドリカル形状に形成されている。
【0025】
支持膜512は、例えばSiO及びZrOの積層体等より構成され、素子基板511の封止板52側全体を覆って設けられている。すなわち、支持膜512は、基板開口部511Aを構成する隔壁511Bにより支持され、基板開口部511Aの封止板52側を閉塞する。この支持膜512の厚み寸法は、素子基板511に対して十分小さい厚み寸法となる。
なお、本実施形態では、支持膜512は、Siにより構成される素子基板511の一面側を熱酸化処理してSiOとし、さらにZrOを積層することで形成されている。この場合、SiOを含む支持膜512をエッチングストッパーとして、素子基板511をエッチングすることで、容易に基板開口部511A及び隔壁511Bを形成することが可能となる。
【0026】
圧電素子513は、各基板開口部511Aを閉塞する支持膜512上にそれぞれ設けられている。この圧電素子513は、例えば、支持膜512側から下部電極513A、圧電膜513B、及び上部電極513Cを積層した積層体により構成されている。
ここで、支持膜512のうち、基板開口部511Aを閉塞する部分は振動部512Aを構成し、この振動部512Aと、圧電素子513とにより、1つの超音波トランスデューサーTrが構成される。
このような超音波トランスデューサーTrでは、下部電極513A及び上部電極513Cの間に所定周波数の矩形波電圧(駆動信号)が印加されることで、圧電膜513Bが撓んで振動部512Aが振動して超音波が送出される。また、生体から反射された超音波(反射波)により振動部512Aが振動されると、圧電膜513Bの上下で電位差が発生する。これにより、下部電極513A及び上部電極513Cの間に発生する電位差を検出することで、受信した超音波を検出することが可能となる。
なお、本実施形態の超音波基板51は、図5における紙面裏側の方向、つまり、図6の+Zに向かって超音波を送信する。
【0027】
本実施形態では、図5に示すように、下部電極513Aは、Y方向に沿って直線状に形成されており、1CHの送受信列Chを構成する複数の超音波トランスデューサーTrを接続する。この駆動端子513Dは、例えば封止板52に設けられた貫通電極を介して配線基板53に電気接続されている。
【0028】
また、上部電極513Cは、X方向に沿って直線状に形成されており、X方向に並ぶ超音波トランスデューサーTrを接続する。そして、上部電極513Cの±X側端部は共通電極線514に接続される。この共通電極線514は、Y方向に沿って複数配置された上部電極513C同士を結線し、その端部には、配線基板53に電気接続される共通端子514Aが設けられている。この共通端子514Aは、例えば封止板52に設けられた貫通電極により、配線基板53に電気接続されている。
【0029】
[2−1−2.封止板52の構成]
封止板52は、厚み方向から見た際の平面形状が例えば超音波基板51と同形状に形成されている。また、封止板52は、超音波基板51の支持膜512側で、かつ基板厚み方向から見て隔壁511Bと重なる位置において、例えば樹脂等の固定部材により接合されて、超音波基板51を補強する。
この封止板52には、素子基板511の駆動端子513D及び共通端子514Aに対向する位置には、図示略の開口が設けられ、当該開口に、駆動端子513D及び共通端子514Aと配線基板53とを接続する例えば貫通電極521(図7参照)が挿通される。
【0030】
[2−1−3.配線基板53の構成]
図7は、配線基板53の概略構成を示す平面図である。
配線基板53は、図7に示すように、各駆動端子513D及び各共通端子514Aに対向する位置に、デバイス側端子(第一デバイス側端子531及び第二デバイス側端子532)を備えている。これらのデバイス側端子は、それぞれ、封止板52に設けられた貫通電極521を介して駆動端子513Dや各共通端子514Aに接続されている。
本実施形態では、駆動端子513D及び共通端子514Aは、Y方向の両端部に設けられている。このため、配線基板53においても、Y方向の両端部にこれらの駆動端子513D及び共通端子514Aに対応したデバイス側端子が設けられる。ここで、−Y側に設けられるデバイス側端子を、第一デバイス側端子531と称し、Y方向の他端側である+Y側に設けられるデバイス側端子を、第二デバイス側端子532と称する。
また、本実施形態では、第一デバイス側端子531及び第二デバイス側端子532は、それぞれn(nは2以上の整数)個設けられている。ここで、−X側端部に配置される第一デバイス側端子を第1の第一デバイス側端子531、−X側端部に配置される第二デバイス側端子を第1の第二デバイス側端子532、+X側端部に配置される第一デバイス側端子を第nの第一デバイス側端子531、+X側端部に配置される第二デバイス側端子を第nの第一デバイス側端子531とする。−X側端部から数えて「i」番目に配置される第一デバイス側端子531及び第二デバイス側端子532は、第iの第一デバイス側端子531及び第二デバイス側端子532となる。
これらの第一デバイス側端子531、及び第二デバイス側端子532には、それぞれフレキ板6が接続される。
【0031】
[2−2.フレキシブルプリント基板(フレキ板6)の構成]
図8は、本実施形態のフレキ板6の表面の概略構成を示す平面図である。図9は、フレキ板の配線構造を示す図である。なお、図8は、図3及び図4に示したフレキ板6を平面に展開して、フレキ板6を超音波デバイス5が接続される側の面から見た場合の図である。
フレキ板6は、図8に示すように、例えば平面視矩形状に形成されている。フレキ板6は、X方向に対して5つの領域に分けられる。
具体的には、フレキ板6は、X方向の中央部に配置されるデバイス接続部61と、デバイス接続部61より−X側に位置する第一コネクター部62と、デバイス接続部61より+X側に位置する第二コネクター部63とを備える。また、デバイス接続部61と第一コネクター部62とは、第一屈折部64を介して連結(接続)され、デバイス接続部61と第二コネクター部63とは、第二屈折部65を介して連結(接続)されている。
【0032】
[2−2−1.デバイス接続部61の説明]
デバイス接続部61は、超音波デバイス5が接続される部分であり、音響レンズ54に対応した略矩形状の開口部611を有する。また、デバイス接続部61は、開口部611の−Y側に設けられる第一配線部612と、開口部611の+Y側に設けられる第二配線部613と、を含んで構成される。
【0033】
第一配線部612は、第一デバイス側端子531に接続される配線が配置される部分であり、第一接続部614と、第一屈曲部615と、第一デバイス積層部616とを備える。
第一接続部614は、開口部611に臨むX方向に沿った接続辺614Aに設けられ、当該接続辺614Aに沿って、各第一デバイス側端子531に接続される接続端子を有する。
第一屈曲部615は、第一接続部614から−Y側(第一延出方向)に延設される部分である。詳細は後述するが、この第一屈曲部615は、フレキ板6を折り曲げる際に、第一補強板71に設けられる屈曲案内部715(図4等参照)に対向する。
また、第一接続部614及び第一屈曲部615の−X側の端縁(第一負側端縁612A)は、後述する第一屈折部64に設けられる第一スリット641の開口縁の一部を構成する。さらに、第一接続部614及び第一屈曲部615の+X側の端縁(第一正側端縁612B)は、後述する第二屈折部65に設けられる第二スリット651の開口縁の一部を構成する。
【0034】
第一デバイス積層部616は、第一補強板71に支持された超音波デバイス5にフレキ板6を接続し、第一補強板71に沿ってフレキ板6を第一屈曲部615に沿って折り曲げた際に、第一補強板71と重なり合う部分である。
本実施形態では、図9に示すように、第一デバイス側端子531のうち、第1から第kまでの第一デバイス側端子531に接続される配線(第一配線661)は、第一デバイス積層部616において第一コネクター部62に向かって延設される。一方、第一デバイス側端子531のうち、第k+1から第nまでの第一デバイス側端子531に接続される配線(第三配線663)は、第一デバイス積層部616において第二コネクター部63に向かって延設される。
【0035】
第二配線部613は、第二デバイス側端子532に接続される配線が配置される部分であり、第一配線部612と同様の構成を有する。つまり、第二配線部613は、開口部611のY方向における中心点を通りX方向に平行となるY中心軸線Lに対して、第一配線部612とは略線対称に構成される。
具体的には、第二配線部613は、第二接続部617と、第二屈曲部618と、第二デバイス積層部619とを備える。
第二接続部617は、開口部611に臨むX方向に沿った接続辺617Aに沿って設けられ、当該接続辺617Aに沿って、各第二デバイス側端子532に接続される接続端子を有する。
第二屈曲部618は、第二接続部617から+Y側(第二延出方向)に延設される部分であり、フレキ板6を折り曲げる際に、後述する第一補強板71の屈曲案内部715に対向する。
【0036】
第二接続部617及び第二屈曲部618の−X側の端縁(第二負側端縁613A)は、後述する第一屈折部64に設けられる第一スリット641の開口縁の一部を構成する。さらに、第二接続部617及び第二屈曲部618の+X側の端縁(第二正側端縁613B)は、後述する第二屈折部65に設けられる第二スリット651の開口縁の一部を構成する。
【0037】
第二デバイス積層部619は、第一補強板71に固定された超音波デバイス5にフレキ板6を接続し、第一補強板71に沿ってフレキ板6の第二屈曲部618を折り曲げた際に、第一デバイス積層部616とともに第一補強板71と重なり合う部分である。
第二デバイス積層部619に設けられる配線のうち、第1から第kまでの第二デバイス側端子532に接続される配線(第二配線662)は、第一コネクター部62に向かって延設される。また、第k+1から第nまでの第二デバイス側端子532に接続される配線(第四配線664)は、第二コネクター部63に向かって延設される。
【0038】
[2−2−2.第一コネクター部62及び第二コネクター部63の説明]
第一コネクター部62及び第二コネクター部63は、デバイス接続部61の±X側に設けられ、デバイス接続部61のX方向の幅寸法よりも小さい幅寸法を有する。
これらの第一コネクター部62及び第二コネクター部63は、複数の外部接続端子622,632(図9参照)が設けられる複数のコネクター621,631を備える。本実施形態では、図8及び図9に示すように、第一コネクター部62及び第二コネクター部63にそれぞれ3つのコネクター621,631が設けられている。また、各コネクター621,631には、配線661,662,663,664の何れかに接続される外部接続端子622,632が設けられている。
なお、本実施形態では、3つのコネクター621,631が設けられる例を示すが、これに限定されず、1つ又は2つのコネクター621,631であってもよく、4つ以上のコネクター621,631であってもよい。
【0039】
ここで、第一コネクター部62の3つのコネクター621のうち、+X側に位置するコネクター621Aには、第1の外部接続端子622から、第k(k<k)の外部接続端子622までが配置される。また、当該コネクター621Aにおいて、+X側端部に第1の外部接続端子622が配置され、−X側端部に第kの外部接続端子622が配置される。
第一コネクター部62の3つのコネクター621のうち、X方向の中央部に位置するコネクター621Bには、第k+1の外部接続端子622から、第k(k<k<k)の外部接続端子622までが配置される。また、当該コネクター621Bにおいて、+X側端部に第k+1の外部接続端子622が配置され、−X側端部に第kの外部接続端子622が配置される。
第一コネクター部62の3つのコネクター621のうち、−X側に位置するコネクター621Cには、第k+1の外部接続端子622から、第kの外部接続端子622までが配置される。また、当該コネクター621Cにおいて、+X側端部に第k+1の外部接続端子622が配置され、−X側端部に第kの外部接続端子622が配置される。
つまり、第一コネクター部62において、+X側から数えて「i(1≦i≦k)」番目の外部接続端子622が、第iの外部接続端子となる。
【0040】
そして、第iの外部接続端子622には、第iの第一デバイス側端子531に接続された第一配線661及び、第iの第二デバイス側端子532に接続された第二配線662が接続される。
ここで、第一コネクター部62において配置される第一配線661及び第二配線662は、デバイス接続部61と同様、Y中心軸線Lに対して略線対称となる。つまり、第一配線661における第一デバイス側端子531から外部接続端子622までの配線長さと、第二配線662における第二デバイス側端子532から外部接続端子622までの配線長さとは、略同一長さとなる。
【0041】
一方、第二コネクター部63の3つのコネクター631のうち、+X側に位置するコネクター631Aには、第k+1の外部接続端子632から、第k(k+1≦k<n)の外部接続端子632までが配置される。また、当該コネクター631Aにおいて、+X側端部に第k+1の外部接続端子632が配置され、−X側端部に第kの外部接続端子632が配置される。
第二コネクター部63の3つのコネクター631のうち、X方向の中央部に位置するコネクター631Bには、第k+1の外部接続端子632から、第k(k<k<n)の外部接続端子632までが配置される。また、当該コネクター631Bにおいて、+X側端部に第k+1の外部接続端子632が配置され、−X側端部に第kの外部接続端子632が配置される。
第二コネクター部63の3つのコネクター631のうち、−X側に位置するコネクター631Cには、第k+1の外部接続端子632から、第nの外部接続端子632までが配置される。また、当該コネクター631Cにおいて、+X側端部に第k+1の外部接続端子632が配置され、−X側端部に第nの外部接続端子632が配置される。
つまり、第二コネクター部63において、+X側から数えて「i(k+1≦i≦n)」番目の外部接続端子632が、第iの外部接続端子632となる。
【0042】
そして、第iの外部接続端子632には、第iの第一デバイス側端子531に接続された第三配線663及び、第iの第二デバイス側端子532に接続された第四配線664が接続される。
ここで、第二コネクター部63において配置される第三配線663及び第四配線664は、デバイス接続部61と同様、Y中心軸線Lに対して略線対称となる。つまり、第三配線663における第一デバイス側端子531から外部接続端子632までの配線長さと、第四配線664における第二デバイス側端子532から外部接続端子622までの配線長さとは、略同一長さとなる。
【0043】
ここで、第一デバイス側端子531のうち、第一コネクター部62の外部接続端子622に接続される第一デバイス側端子531の数(k個)と、第一コネクター部62の外部接続端子622に接続される第一デバイス側端子531の数(n−k個)とは、|(n−k)−k|/n≦0.2の関係を満たすことが好ましい。
【0044】
すなわち、外部接続端子622に接続される第一デバイス側端子531の数(k個)と、外部接続端子632に接続される第一デバイス側端子531の数(n−k個)との差が、第一デバイス側端子531の総数(n個)の20%以下となる配線構成とすることが好ましい。また、nは偶数であり、k=n/2であることがより好ましい。
図10は、各送受信列Chに対して印加される駆動電圧の電圧値を示す図である。図10において、一点鎖線は、デバイス接続部に対して1つのコネクター部のみを有するフレキ板(従来例)を用いた場合の電圧値を示し、実線は本実施形態における電圧値を示す。
図10に示すように、従来は、デバイス側端子のうちコネクター部に近い位置では、コネクター部のデバイス接続部側に位置する外部接続端子に接続され、デバイス側端子のうちコネクター部から離れるに従って、コネクター部のデバイス接続部から離れた位置の外部接続端子に接続される。したがって、デバイス側端子のうち、コネクター部から離れるに従って、配線の長さも長くなり、電圧降下の影響を受けて、デバイス側端子に接続される各送受信列Chに印加される駆動電圧の電圧値も降下する。
これに対して、本実施形態では、上記のように第一コネクター部62及び第二コネクター部63を有し、これらのコネクター部62,63に対して同数の配線661,662,663,664が配置される。さらに、本実施形態では、超音波デバイス5の中心を通りY方向に平行なX中心軸線Lに対して、第一配線661と第三配線663とが略線対称となり、第二配線662と第四配線664とが略線対称となる。つまり、第iの第一デバイス側端子531に接続される第一配線661、第iの第二デバイス側端子532に接続される第二配線662、第(n−i+1)の第一デバイス側端子531に接続される第三配線663、第(n−i+1)の第二デバイス側端子532に接続される第四配線664は、略同じ長さとなり、図10に示すように、電圧降下の影響が抑制される。
【0045】
[2−2−3.第一屈折部64及び第二屈折部65の構成]
図8に示すように、第一屈折部64は、デバイス接続部61と第一コネクター部62との間に設けられて、デバイス接続部61に対して第一コネクター部62を折り曲げ可能に連結する。同様に、第二屈折部65は、デバイス接続部61と第二コネクター部63との間に設けられて、デバイス接続部61に対して第二コネクター部63を折り曲げ可能に連結する。第一屈折部64におけるデバイス接続部61及び第一コネクター部62の距離と、第二屈折部65におけるデバイス接続部61及び第二コネクター部63の距離とが異なる。
第一屈折部64は、デバイス接続部61に設けられる開口部611に連結された第一スリット641と、第一スリット641の±Y側でデバイス接続部61及び第一コネクター部62に連結される第一連結部642と、を有する。
この第一スリット641は、図8に示すように、Y方向(デバイス接続部61から第一コネクター部62に向かう方向に交差する方向)に沿って長手となる開口であり、+X側の開口縁の一部に、第一接続部614及び第一屈曲部615の−X側の端縁である第一負側端縁612A、第二接続部617及び第二屈曲部618の−X側の端縁である第二負側端縁613Aを含む。本実施形態では、第一負側端縁612A及び第二負側端縁613Aは、Y方向に沿う直線上に位置する。第一スリット641の第一負側端縁612A及び第二負側端縁613Aに対向する開口縁はY方向に沿った直線状の第一対向縁641Aとなる。
【0046】
また、第一スリット641の−Y側の端縁(第一スリット端縁641B)は、第一対向縁641A及び第一負側端縁612Aの−Y側端部間を連結し、第一スリット641の+Y側の端縁(第一スリット端縁641C)は、第一対向縁641A及び第二負側端縁613Aの+Y側端部間を連結する。第一スリット端縁641Bは、第一接続部614から−Y側に寸法D1となる位置に設けられている。同様に、第一スリット端縁641Cは、第二接続部617から+Y側に寸法D1となる位置に設けられている。
ここで、寸法D1は、後述する第一補強板71(図11参照)に支持された超音波デバイス5に対してフレキ板6を接続した際に、配線基板53から第一補強板71の第一辺71A(図11参照)までの距離よりも大きい寸法となる。
【0047】
第二屈折部65は、デバイス接続部61に設けられる開口部611に連結された第二スリット651と、第二スリット651の±Y側に設けられデバイス接続部61及び第二コネクター部63に連結される第二連結部652と、を有する。
この第二スリット651は、第一スリット641と略同様の構成を有し、−X側の開口縁の一部に、第一正側端縁612B及び第二正側端縁613Bを含んで、開口部611に連結される。第二スリット651の第一正側端縁612B及び第二正側端縁613Bに対向する開口縁はY方向に沿った直線状の第二対向縁651Aとなる。
また、第二スリット651の−Y側の端縁(第二スリット端縁651B)は、第二対向縁651A及び第一正側端縁612Bの−Y側端部間を連結し、第二スリット651の+Y側の端縁(第二スリット端縁651C)は、第二対向縁651A及び第二正側端縁613Bの+Y側端部間を連結する。第二スリット端縁651Bは、第一接続部614から−Y側に寸法D1となる位置に設けられ、第二スリット端縁651Cは、第二接続部617から+Y側に寸法D1となる位置に設けられている。
ところで、第一接続部614が接続される第一デバイス側端子531は、超音波デバイス5の−Y側端部に設けられ、第二接続部617が接続される第二デバイス側端子532は、超音波デバイス5の+Y側端部に設けられる。第一スリット端縁641B及び第一接続部614、第一スリット端縁641B及び第一接続部614がそれぞれ寸法D1だけ離れていることは、第一スリット641のY方向の幅寸法が超音波デバイス5のY方向の幅寸法よりも大きいことを意味する。同様に、第二スリット651のY方向の幅寸法は、超音波デバイス5のY方向の幅寸法よりも大きい。
【0048】
ここで、第一負側端縁612Aから第一対向縁641Aまでの寸法及び第二負側端縁613Aから第一対向縁641Aまでの寸法は同一寸法となり、当該寸法を第一スリット641におけるX方向の幅寸法W1とする。また、第一正側端縁612Bから第二対向縁651Aまでの寸法及び第二正側端縁613Bから第二対向縁651Aまでの寸法は、同一寸法となり、当該寸法を第二スリット651におけるX方向の幅寸法W2とする。本実施形態では、第一スリット641の幅寸法W1と、第二スリット651の幅寸法W2は、異なる寸法であり、W1<W2となる。
【0049】
[2−3.第一補強板71及び第二補強板72の構成]
[2−3−1.第一補強板71の構成]
図11は、第一補強板71の平面図、正面図、及び側面図である。なお、図11におけるXYZ軸の各軸は、図3,4のように、フレキ板6に第一補強板71を固定して筐体21に収納した状態での軸を示している。
第一補強板71は、超音波デバイス5を支持し、筐体21に対して固定される。また、第一補強板71は、超音波デバイス5に接続されるフレキ板6と接触した際に、フレキ板6の配線のショートを抑制するために、樹脂部材により構成されている。
この第一補強板71は、図11に示すように、基板厚み方向から見た平面図において、例えば略矩形状を有し、X方向に沿った第一辺71A(−Y側)及び第三辺71C(+Y側)と、Y方向に沿った第二辺71B(−X側)及び第四辺71D(+X側)を備える。
【0050】
第一補強板71は、第二辺71B及び第四辺71Dに沿って位置決めブロック711を備える。つまり、第一辺71A及び第二辺71Bの角部から、第二辺71B及び第三辺71Cの角部に亘って位置する位置決めブロック711と、第三辺71C及び第四辺71Dの角部から、第四辺71D及び第一辺71Aとの角部に亘って位置する位置決めブロック711と、が設けられている。これらの位置決めブロック711は、基準角部に相当し、それぞれ、第一補強板71を筐体21に固定する際に位置決めとしても機能する。
【0051】
各位置決めブロック711は、それぞれ、X方向に沿った第一基準面711A、Y方向に沿った第二基準面711B、第一基準面711A及び第二基準面711Bに交差する第三基準面711C及び第四基準面711Dを備える。
具体的には、第一基準面711Aは、位置決めブロック711の±Y側端面であって、XZ面と平行な平面となる。
【0052】
第二基準面711Bは、第二辺71B側の位置決めブロック711における−X側端面、及び第四辺71D側の位置決めブロック711における+X側端面であり、YZ面と平行な平面となる。
【0053】
第三基準面711Cは、各位置決めブロック711の+Z側の端面であり、筐体21に接する。第三基準面711Cは、第一補強板71の中央部の+Z側の面(固定面712)に対して、+Z側に位置する。これにより、第三基準面711Cと、固定面712との間には、段差713が設けられ、当該段差713により、超音波デバイス5の±X側端面が位置決めされる。ここで、段差713の高さ寸法(Z方向の寸法)は、少なくともフレキ板6の厚み寸法以上とすることが好ましい。
【0054】
第四基準面711Dは、第三基準面711Cとは裏面をなす面であり、超音波デバイスユニット4を筐体21内に収納する際に、後述する第二補強板72が載置される。
なお、本実施形態では、第四基準面711Dは、図11に示すように、裏面714と同一平面に設けられている。
また、各位置決めブロック711のX方向に沿った幅寸法W4は、第一スリット641の幅寸法W1及び第二スリット651の幅寸法W2よりも小さい(図8参照)。
【0055】
さらに、各位置決めブロック711のうち、第一辺71A及び第三辺71Cに交差する面(第二基準面711Bとは反対側の面)は、ガイド面711Eを構成する。ガイド面711Eは、YZ面と平行な面であり、フレキ板6の第一屈曲部615、第二屈曲部618を屈曲案内部715に沿って湾曲させる際に、端縁612A,612B,613A,613Bが当接される。
【0056】
そして、第一補強板71の固定面712の±Y側には、第一辺71A及び第三辺71Cに沿って、屈曲案内部715が設けられている。この屈曲案内部715は、YZ断面が、固定面712から離れる方向に凸となる円弧形状となり、固定面712及び裏面714に連続する。
ここで、屈曲案内部715の突出先端は、第一基準面711Aよりも固定面712側に位置する。つまり、第一辺71Aの両端側に位置する第一基準面711Aは、第一辺71Aに沿った屈曲案内部715の−Y側端部より、少なくともフレキ板6の厚み寸法以上、−Y側に位置する。また、第三辺71Cの両端側に位置する第一基準面711Aは、第三辺71Cに沿った屈曲案内部715の+Y側端部より、少なくともフレキ板6の厚み寸法以上、+Y側に位置する。
また、第一辺71Aを挟んで対向する一対のガイド面711Eの間のX方向に沿った距離は、フレキ板6の第一接続部614及び第一屈曲部615のX方向の幅寸法W3と略同一となる。
【0057】
ところで、上述したように、第一補強板71は、樹脂部材により構成されているため、例えば金属により構成されている場合に比べて、強度が小さい。このため、第一補強板71は、基板強度を高めるために、裏面714に凹部714Aが設けられており、当該凹部714Aに金属板716が設けられている。この金属板716は、凹部714Aの底面に設けられ、裏面714よりも外側 (−Z側)に突出しない。これにより、フレキ板6を第一補強板71の裏面714側に折り曲げた際でも、フレキ板6と金属板716が干渉しない。
【0058】
[2−3−2.第二補強板72の構成]
第二補強板72は、図3及び図4に示すように、第二コネクター部63を支持する。
図12は、第二補強板72の平面図、正面図、及び側面図である。なお、図12におけるXYZ軸の各軸は、図3,4のように、フレキ板6に第二補強板72を固定して筐体21に収納した状態での軸を示している。
図12に示すように、第二補強板72は、第一補強板71と同様に、板厚み方向から見た平面視において、第五辺72A、第六辺72B,第七辺72C、第八辺72Dを有する略矩形状となる。
第二補強板72は、第二コネクター部63の中央部(コネクター631が配置される領域)が接するコネクター支持面721と、コネクター支持面721の反対側の裏面722とを備える。そして、第二補強板72は、第一補強板71と同様、X方向に沿う第五辺72A,第七辺72Cに、円弧状に湾曲する第二屈曲案内部723が設けられている。
【0059】
また、第二補強板72は、第一補強板71と同様に、±X側の第六辺72B、第八辺72Dに沿って、第二位置決めブロック724が設けられている。
第二位置決めブロック724は、コネクター支持面721とは反対側の面において、凹部724Aを備えている。この凹部724Aは、フレキ板6の第一屈折部64及び第二屈折部65の配置スペースSとなる。すなわち、−X側に位置する第二位置決めブロック724の凹部724AのY方向の幅寸法D2は、第一屈折部64の−Y側端縁から第一スリット端縁641Bまでの寸法D3(図8参照)、及び第一屈折部64の+Y側端縁から第一スリット端縁641Cまでの寸法D4(図8参照)よりも大きい寸法となる。また、図示は省略するが、+X側に位置する第二位置決めブロック724の凹部724AのY方向の幅寸法は、第二屈折部65の−Y側端縁から第二スリット端縁651Bまでの寸法D6(図8参照)、及び第二屈折部65の+Y側端縁から第二スリット端縁651Cまでの寸法D7(図8参照)よりも大きい寸法となる。
【0060】
また、第二位置決めブロック724のコネクター支持面721とは反対側の面には、凹部724Aを挟む載置面724Bが設けられている。この載置面724Bは、第二補強板72を筐体21内に格納する際に、第四基準面711Dに載置される。
本実施形態では、載置面724Bは、裏面722よりも−Z側(筐体21内に格納する際には+Z側)に位置する。これにより、載置面724Bを第四基準面711Dに載置した際に、第一補強板71の裏面714と、第二補強板72の裏面722との間に、少なくとも、多重に折り曲げられたフレキ板6と第一コネクター部62のコネクター621の配置スペースS以上の空間が形成される。
【0061】
第二位置決めブロック724の第五辺72A及び第七辺72C側の面は、フレキ板6の第二スリット651の第二対向縁651A、及びフレキ板6の−X側の外周縁を案内する第二ガイド面724Cとなる。
[2−4.筐体21の構成]
筐体21は、図2に示すように、格納部211と、蓋部212とを備える。
格納部211は、図3及び図4に示すように、超音波デバイスユニット4を格納する器状部材であり、底部211Aに超音波デバイス5の音響レンズ54が外部に露出するセンサー窓211Bを有する。
また、格納部211の底部211Aには、センサー窓211Bを囲うように、デバイス設置部213が設けられている。このデバイス設置部213は、底部211Aから立ち上がり、第一補強板71の4角部を嵌合する枠状に形成されている。
[2−5.超音波デバイスユニット4の筐体21への格納]
上述したような超音波プローブ2では、まず、超音波デバイス5を第一補強板71の固定面712に固定する。
次に、フレキ板6の第一接続部614を、超音波デバイス5の配線基板53の−X側に接続する。これにより、第一接続部614の各接続端子と第一デバイス側端子531とが導通する。また、第二接続部617を、超音波デバイス5の配線基板53の+X側に接続する。これにより、第二接続部617の各接続端子と第二デバイス側端子532とが導通する。
この際、フレキ板6の第一負側端縁612Aを第一辺71Aの−X側に位置するガイド面711Eに当接(案内)させ、第一正側端縁612Bを第一辺71Aの+X側に位置するガイド面711Eに当接(案内)させる。また、フレキ板6の第二負側端縁613Aを第三辺71Cの−X側に位置するガイド面711Eに当接(案内)させ、第二正側端縁613Bを第三辺71Cの+X側に位置するガイド面711Eに当接(案内)させる。
【0062】
図13は、本実施形態において、フレキ板6をX方向に沿って湾曲させた際の斜視図である。
この後、フレキ板6を、X方向に沿った第一屈曲部615を含む第一屈曲領域Ar3(図8参照)で湾曲させ、フレキ板6の−Y側の端縁を+Y側に折り返す。また、フレキ板6を、X方向に沿った第二屈曲部618を含む第二屈曲領域Ar4(図8参照)で湾曲させ、フレキ板6の+Y側の端縁を−Y側に折り返す。なお、第一屈曲領域Ar3及び第二屈曲領域Ar4のうち、いずれを先に折り返してもよい。
【0063】
ここで、図13に示すように、第一屈曲部615の±X側の端縁(第一負側端縁612A及び第一正側端縁612B)及び第二屈曲部618の±X側の端縁(第二負側端縁613A及び第二正側端縁613B)は、ガイド面711Eにガイドされ、屈曲案内部715の円弧に沿って湾曲される。
これにより、フレキ板6は、第一屈曲領域Ar3を、第一補強板71の第一辺71Aに沿って(X方向に平行に)折り曲げることができ、第一デバイス積層部616が、第一補強板71の裏面714側に積層されて重ね合わされる。また、第二屈曲領域Ar4を、第一補強板71の第三辺71Cに沿って(X方向に平行に)折り曲げることができ、第二デバイス積層部619が、第一補強板71の裏面714側に積層されて重ね合わされる。
【0064】
同様に、第一コネクター部62、第一屈折部64、第二屈折部65のうち、第一屈曲領域Ar3より−Y側の領域が、中央領域Ar5に重ね合わされる。また、第一コネクター部62、第一屈折部64、第二屈折部65のうち、第二屈曲領域Ar4より+Y側の領域が、中央領域Ar5に重ね合わされる。
さらに、第二コネクター部63の第一屈曲領域Ar3及び第二屈曲領域Ar4は、第二ガイド面724Cに案内されて、第二補強板72の第二屈曲案内部723に沿って湾曲され、第二コネクター部63の第一屈曲領域Ar3より−Y側の領域、及び第二屈曲領域Ar4より+Y側の領域が、第二補強板72の裏面に重ね合わされる。
【0065】
上記のように、フレキ板6を湾曲させると、第一スリット641の第一スリット端縁641B,641C、第二スリット651の第二スリット端縁651B,651Cが、中央領域Ar5に重ね合わされる位置に移動する。したがって、フレキ板6を第一屈曲領域Ar3及び第二屈曲領域Ar4で折り返して、略筒状形状に変形させた場合でも、第一屈折部64及び第二屈折部65においては、第一補強板71の裏面714側のみに2枚の第一連結部642(第二屈折部65では、第二連結部652)が重ね合される形状となる。つまり、第一屈折部64や第二屈折部65は筒状とならず、第一補強板71の裏面714側に、容易に折り曲げ可能となる。
【0066】
また、本実施形態では、第一屈折部64における第一スリット641のX方向の幅寸法W1が、第二屈折部65における第二スリット651のX方向の幅寸法W2よりも小さい。よって、第一屈折部64及び第二屈折部65の折り曲げでは、まず、第一屈折部64を屈曲させ、第一コネクター部62を第一補強板71に重ね合わせる。ここで、第一コネクター部62のX幅寸法は、第一補強板71のX幅寸法よりも小さいため、第二屈折部65側に突出せず、第二屈折部65の折り曲げを阻害しない。
また、第一屈折部64を第一補強板71の裏面714側に折り曲げることで、第一コネクター部62のコネクター621が、−Z側に向かって突出する。
【0067】
次に、第一補強板71を筐体21の格納部211に固定する。
具体的には、図3及び図4に示すように、第一補強板71の位置決めブロック711の第一基準面711A、及び第二基準面711Bを、筐体21に設けられたデバイス設置部213に当接させて、嵌合する。これにより、第一補強板71の第三基準面711Cが筐体21の底部211Aに当接し、センサー窓211Bから超音波デバイス5の音響レンズ54が突出する。
また、この際、第一コネクター部62の各コネクター621が、格納部211の底部211Aとは反対側に露出する。そして、コネクター621に対してケーブル3の先端に設けられた端子を接続する。
【0068】
図14は、筐体21に収納されている超音波デバイスユニット4を第一屈折部64側から見た側面図であり、図15は、第二屈折部65側から見た側面図である。なお、図14及び図15において、第二補強板72の図示は省略している。
この後、第二屈折部65を折り曲げ、第二コネクター部63が支持された第二補強板72を第一補強板71に重ね合わせる。これにより、第二補強板72の第二位置決めブロック724の載置面724Bが、第一補強板71の位置決めブロック711の第四基準面711Dに載置される。
この際、第二屈折部65における第二スリット651の幅寸法W2は、W2>W1となるため、図14及び図15に示すように、第二コネクター部63が第一コネクター部62に干渉せず、かつ、第一屈折部64や第二屈折部65が外側に突出することがないので、フレキ板6の小型化を促進できる。
【0069】
また、第一補強板71の第四基準面711Dに、第二補強板72の載置面724Bを載置すると、第一補強板71の裏面714と、第二補強板72の裏面722との間に、フレキ板6及び第一コネクター部62を配置する配置スペースSが形成される。この配置スペースSに、第一デバイス積層部616、第二デバイス積層部619、折り曲げられることで3重に重なった第一コネクター部62、第二補強板72の裏面722側に折り曲げられて2重に重なった第二コネクター部63、第一コネクター部62のコネクター、及びコネクターに接続されるケーブル3の端子が配置される(図2及び図3では、ケーブル3の端子の図示を省略)。
また、第二補強板72に支持された第二コネクター部63のコネクター631が−Z側に露出するので、コネクター631に対してケーブル3の先端に設けられた端子を接続する。この後、格納部211に蓋部212を固定し、センサー窓211Bと音響レンズ54との間を例えばシリコーン樹脂等の樹脂材によりシールすることで、超音波プローブ2が組み立てられる。
【0070】
[3.第一実施形態の作用効果]
本実施形態の超音波デバイスユニット4では、フレキ板6は、デバイス接続部61と、第一コネクター部62と、第二コネクター部63と、を備え、デバイス接続部61と第一コネクター部62との間が第一屈折部64により連結され、デバイス接続部61と第二コネクター部63との間が第二屈折部65により連結される。そして、第一屈折部64におけるデバイス接続部61から第一コネクター部62までの幅寸法W1は、第二屈折部65におけるデバイス接続部61から第二コネクター部63までの幅寸法W2よりも小さくなる。
このような構成では、第一コネクター部62及び第二コネクター部63を、デバイス接続部61(第一補強板71)に重ね合せる際に、幅寸法が小さい第一屈折部64に連結された第一コネクター部62を第一補強板71側に、幅寸法が大きい第二屈折部65に連結された第二コネクター部63を第一補強板71から遠い側に配置することができる。このため、第一コネクター部62と第二コネクター部63との干渉を抑制できる。
また、第一コネクター部62を第一補強板71側に配置するために、第一屈折部64を二つ折りにする必要がなく、湾曲させるだけで、所望の位置に配置させることができる。よって、第一屈折部64の折り曲げによるサイズの増大を抑制でき、第一屈折部64が、デバイス接続部61や第一補強板71の外縁より外側に突出せず、小型化を図ることができる。
【0071】
本実施形態では、第一屈折部64が第一スリット641を備え、第二屈折部65が第二スリット651を備えており、第一スリット641のX方向の幅寸法W1が、第二スリット651の幅寸法W2よりも小さい。
このような構成では、第一スリット641や第二スリット651が設けられる位置で、第一屈折部64や第二屈折部65がX方向に対して曲がりやすくなる。また、第一スリット641及び第二スリット651の幅寸法が異なるので、第一コネクター部62及び第二コネクター部63が互いに干渉しない位置に容易に配置させることが可能となる。
【0072】
本実施形態では、第一スリット641のY方向の幅寸法(第一スリット端縁641Bから第一スリット端縁641Cまでの寸法)は、超音波デバイス5のY方向の幅寸法や第一補強板71のY方向の幅寸法よりも大きい。同様に、第二スリット651のY方向の幅寸法(第二スリット端縁651Bから第二スリット端縁651Cまでの寸法)は、超音波デバイス5のY方向の幅寸法や第一補強板71のY方向の幅寸法よりも大きい。
このような構成では、フレキ板6を第一屈曲領域Ar3及び第二屈曲領域Ar4で湾曲させて略筒状にした際に、第一スリット端縁641B,641C及び第二スリット端縁651B,651Cがフレキ板6の中央領域Ar5に位置する。よって、第一屈折部64や第二屈折部65は筒状とならず、2枚の重ね合された第一連結部642が第一補強板71の裏面714側から第一コネクター部62に向かって延設され、2枚の重ね合された第二連結部652が第一補強板71の裏面714側から第二コネクター部63に向かって延設される形状となる。このため、第一屈折部64や第二屈折部65が筒状となる場合に比べて、容易に第一屈折部64や第二屈折部65を第一補強板71の裏面側に屈曲させることができる。
【0073】
本実施形態では、第一コネクター部62のX方向の幅寸法は、デバイス接続部61が支持される第一補強板71のX方向の幅寸法よりも小さい。また、第二コネクター部63のX方向の幅寸法は、デバイス接続部61が支持される第一補強板71のX方向の幅寸法よりも小さい。
このため、第一屈折部64でフレキ板6を湾曲させて折り曲げた場合に、平面視において、第一コネクター部62の端部が第一補強板71の第三辺71Cより+X側に突出せず、第二屈折部65の湾曲を阻害しない。また、第二屈折部65でフレキ板6を湾曲させて折り曲げた場合に、第二コネクター部63の端部が第一補強板71の第一辺71Aより−X側に突出しない。よって、フレキ板6を湾曲させて第一コネクター部62や第二コネクター部63を第一補強板71(デバイス接続部61)に重ね合せた際の、超音波デバイスユニット4の小型化を図ることができる。
【0074】
本実施形態では、フレキ板6は、X方向に沿って、第一コネクター部62、デバイス接続部61、及び第二コネクター部63の順で配置されている。
このような構成では、デバイス接続部61から第一コネクター部62に向かう第一配線661及び第二配線662と、デバイス接続部61から第二コネクター部63に向かう第三配線663及び第四配線664とを、略線対称に形成することができる。よって、電圧降下が生じた場合でも、超音波デバイス5における第一コネクター部62側から出力される超音波の送受信効率と、第二コネクター部63側から出力される超音波の送受信効率が略同一となる。よって、超音波デバイス5における一部で超音波の送受信効率が著しく低下することがなく、適正な超音波の送受信処理を実施することができる。
【0075】
[第二実施形態]
上記第一実施形態では、フレキ板6において、デバイス接続部61の−X側に、第一コネクター部62が配置され、デバイス接続部61の+X側に、第二コネクター部63が配置される構成を例示した。これに対して、第二実施形態では、第二コネクター部63の位置が異なる点で、上記第一実施形態と相違する。なお、以降の説明にあたり、既に説明した構成については同符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0076】
図16は、第二実施形態のフレキ板6Aを示す平面図である。
図17は、第二実施形態において、フレキ板6Aを湾曲させた際の超音波デバイスユニット4のXZ断面図である。
第二実施形態のフレキ板6Aは、図16に示すように、デバイス接続部61がフレキ板6Aの+X側端部に配置される。また、第一コネクター部62は、デバイス接続部61の−X側に、第一屈折部64を介して設けられる。
そして、本実施形態では、第一コネクター部62の−X側に、第二コネクター部67が設けられ、当該第二コネクター部67は、第三屈折部68を介して第一コネクター部62に連結されている。
【0077】
第二コネクター部67は、第一実施形態の第二コネクター部63と同様に、複数(例えば3個)のコネクター671を含み、これらのコネクター671に複数の外部接続端子(図示略)が配置されている。そして、第二コネクター部67内に配置される外部接続端子には、第一実施形態の第二コネクター部63と同様、例えば超音波デバイス5の第k+1から第nのデバイス側端子(第一デバイス側端子531,第二デバイス側端子532)が接続される。
【0078】
また、第一実施形態と同様、第一屈折部64には、X方向の幅寸法がW1となる第一スリット641が設けられ、±Y側にデバイス接続部61と第一コネクター部62とを接続する第一連結部642を備える。
一方、第三屈折部68は、X方向の幅寸法がW3となる第三スリット681を備え、この第三スリット681の±Y側に、第一コネクター部62と第二コネクター部67とを連結する第三連結部682を備える。
【0079】
ここで、本実施形態では、第三屈折部68のX方向の幅寸法W3(=第三スリット681のX方向の幅寸法)は、第一屈折部64のX方向の幅寸法W1(=第一スリット641のX方向の幅寸法)よりも大きい。よって、第一コネクター部62及び第二コネクター部67が干渉せず、かつ、コネクター621,671に対して配線端子を接続するための十分なスペースを形成することができる。
【0080】
つまり、本実施形態において、超音波デバイスユニット4を筐体21に格納する場合、第一実施形態と同様に、先ず、第一補強板71にデバイス接続部61を接続する。そして、第一屈曲領域Ar3及び第二屈曲領域Ar4でフレキ板6Aを湾曲させる。この際、本実施形態では、第二コネクター部67を第二補強板72に支持させる。
【0081】
次に、第一屈折部64を折り曲げて第一コネクター部62を第一補強板71に重ねる。
この後、第二コネクター部67及び第一補強板71で第一コネクター部62を挟み込むように、第三屈折部68を折り曲げて第二コネクター部67を、第一補強板71に重ね合せる。
この際、第三屈折部68のX方向の幅寸法W3は、W3>W1となるので、図17に示すように、第二コネクター部67が第一コネクター部62に干渉せず、かつ、第一コネクター部62との間に、所定間隔の配置スペースSが形成される。このため、第一コネクター部62のコネクター621及び、第二コネクター部67のコネクター671が配置スペースSに露出され、コネクター621,671に対する配線端子の接続が容易となる。
また、第二コネクター部67は、第二補強板72に保持されているので、第一実施形態と同様、第二補強板72の第二位置決めブロック724の載置面724Bを、位置決めブロック711の第四基準面711Dに載置することで、配置スペースSが維持される。
【0082】
[第二実施形態の作用効果]
本実施形態では、フレキ板6Aは、デバイス接続部61の−X側に第一屈折部64を介して第一コネクター部62が設けられ、第一コネクター部62の−X側に第三屈折部68を介して第二コネクター部67が設けられている。そして、デバイス接続部61から第一コネクター部62までの距離(第一屈折部64のX方向の幅寸法W1)は、第一コネクター部62から第二コネクター部67までの距離(第三屈折部68のX方向の幅寸法W3)よりも小さい。
このような構成では、デバイス接続部61を支持する第一補強板71に、第一コネクター部62及び第二コネクター部67を重ね合せる際に、第一屈折部64を湾曲させて第一コネクター部62をデバイス接続部に重ね合せる。そして、第三屈折部68を湾曲させて第二コネクター部67を第一コネクター部62のデバイス接続部61(第一補強板71)とは反対側に重ねる。これにより、デバイス接続部61、第一コネクター部62、及び第二コネクター部67がZ方向に対してそれぞれ異なる配置されることになり、互いの干渉を抑制できる。また、W3>W1となるので、第一コネクター部62のコネクター621が配置される配置スペースSを十分に確保でき、コネクター621に配線端子を容易に接続できる。
【0083】
[第三実施形態]
次に、第三実施形態について説明する。
上記第二実施形態では、第一屈折部64の幅寸法W1と、第三屈折部68の幅寸法W3とが、W1<W3の関係となる例を示した。これに対して、本実施形態では、W3<W1となる点で上記第二実施形態と相違する。
【0084】
図18は、第三実施形態のフレキ板6Bを示す平面図である。
図19は、第三実施形態において、フレキ板6Bを湾曲させた際の超音波デバイスユニット4のXZ断面図である。
第三実施形態のフレキ板6Bは、第二実施形態と同様、デバイス接続部61の−X側に第一屈折部64を介して第一コネクター部62が配置され、第一コネクター部62の−X側に第三屈折部68を介して第二コネクター部67が配置される。
そして、本実施形態では、デバイス接続部61から第一コネクター部62までの距離(第一屈折部64のX方向の幅寸法W1)は、第一コネクター部62から第二コネクター部67までの距離(第三屈折部68のX方向の幅寸法W3)よりも大きくなる。
【0085】
このような構成では、超音波デバイスユニット4を筐体21に格納する場合、上記第一実施形態と同様、第一補強板71にデバイス接続部61を接続し、第一屈曲領域Ar3及び第二屈曲領域Ar4でフレキ板6Bを湾曲させる。この際、本実施形態では、第一コネクター部62を第二補強板72に支持させる。
【0086】
次に、第三屈折部68を折り曲げて、第二コネクター部67を第一コネクター部62に重ねる。このとき、第二コネクター部67のコネクター671の各外部接続端子は、第一コネクター部62とは反対側に露出する。
この後、第一屈折部64を折り曲げて第一コネクター部62を第一補強板71に重ねる。第二コネクター部67が第一コネクター部62と重なるように折り曲げられているので、第一屈折部64を湾曲させると、第二コネクター部67が第一コネクター部62とデバイス接続部61(第一補強板71)との間に配置される。
【0087】
ここで、第一屈折部64のX方向の幅寸法W1は、W1>W3となるので、図19に示すように、第二コネクター部67とデバイス接続部61(第一補強板71)とが干渉しない。また、第一コネクター部62と第一補強板71との間の配置スペースSに、第二コネクター部67のコネクター671が露出され、コネクター671に対する配線端子の接続が容易となる。
また、第一コネクター部62は、第二補強板72に保持されているので、第一実施形態と同様、第二補強板72の第二位置決めブロック724の載置面724Bを、位置決めブロック711の第四基準面711Dに載置することで、配置スペースSが維持される。
【0088】
[第三実施形態の作用効果]
本実施形態では、フレキ板6Bは、デバイス接続部61の−X側に第一屈折部64を介して第一コネクター部62が設けられ、第一コネクター部62の−X側に第三屈折部68を介して第二コネクター部67が設けられている。そして、第一屈折部64のX方向の幅寸法W1は、第三屈折部68のX方向の幅寸法W3よりも大きい。
このような構成では、デバイス接続部61を支持する第一補強板71に、第一コネクター部62及び第二コネクター部67を重ね合せる際に、第三屈折部68を湾曲させて第二コネクター部67を第一コネクター部62に重ね合せる。そして、第一屈折部64を湾曲させて第二コネクター部67が重ね合された第一コネクター部62をデバイス接続部61(第一補強板71)に重ねる。これにより、デバイス接続部61、第一コネクター部62、及び第二コネクター部67がZ方向に対してそれぞれ異なる位置に配置されることになり、互いの干渉を抑制できる。また、W3<W1となるので、配置スペースSに、第二コネクター部67のコネクター671や、配線端子を配置可能なスペースを十分に確保できる。
【0089】
[変形例]
なお、本発明は上述の各実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
【0090】
上記実施形態において、フレキ板6のX方向に沿って、デバイス接続部61、第一コネクター部62、及び第二コネクター部63(又は第二コネクター部67)が配置される構成例を示したが、これに限定されない。
例えば、デバイス接続部61の−Y側に第一コネクター部62が配置され、+Y側に第二コネクター部63が配置されてもよい。また、デバイス接続部61の−X側に第一コネクター部62が配置され、+Y側に第二コネクター部63が配置されてもよい。いずれの場合でも、第一屈折部64におけるデバイス接続部61及び第一コネクター部62の距離と、第二屈折部65におけるデバイス接続部61及び第二コネクター部63の距離とが異なる寸法とすることで、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0091】
また、デバイス接続部61に対して、2つのコネクター部62,63を設ける例を示したが、これに限定されず、3つ以上のコネクター部が設けられていてもよい。この場合でも、各コネクター部と、デバイス接続部61との距離がそれぞれ異なる構成とする。これにより、各コネクター部の干渉を抑制できる。
【0092】
上記実施形態において、第一屈折部64及び第二屈折部65に、Y方向の幅寸法が超音波デバイス5(第一補強板71)よりも大きい長さ寸法のスリット641,651が設けられる構成を示したが、これに限定されない。
例えば、第一屈折部64や第二屈折部65に、スリットが設けられない構成や、第一補強板71よりも大きい長さ寸法のスリットが設けられる構成などとしてもよい。ただし、スリットがない場合、第一屈曲領域Ar3及び第二屈曲領域Ar4でフレキ板6を湾曲させると第一屈折部64や第二屈折部65が略筒状となり、湾曲させにくい構成となる。また、スリットのY方向の長さ寸法が第一補強板71よりも短いと、湾曲を阻害する側壁として機能してしまう。よって、これらの場合では、第一屈折部64や第二屈折部65を、第一屈曲領域Ar3又は第二屈曲領域Ar4で折り込み、略平面にして湾曲させやすい形状に変形することが好ましい。
【0093】
上記実施形態において、第一コネクター部62に設けられるコネクター621や、第二コネクター部63に設けられるコネクター631が、X方向に沿って長手となり、各外部接続端子622,632がX方向に並ぶ構成を例示したが、これに限定されない。コネクター621,631や、外部接続端子622,632は、例えばY方向に沿って並んで設けられてもよい。また、各コネクター部62,63に設けられるコネクター621,631の数も限定されず、1つ又は2つであってもよく、4つ以上設けられていてもよい。
【0094】
第一コネクター部62及び第二コネクター部63のX方向の幅寸法が、デバイス接続部61のX方向の幅寸法よりも短い例を示したが、これに限定されない。例えば、第一コネクター部62や第二コネクター部63のX方向の幅寸法が、デバイス接続部61のX方向の幅寸法より長くともよい。この場合、第一コネクター部62や第二コネクター部63のデバイス接続部61とは反対側の端部の一部を折り返す等により、平面視で第一コネクター部62や第二コネクター部62がデバイス接続部61から突出しないように構成できる。
【0095】
上記実施形態において、超音波デバイス5は、配線基板53を備え、当該配線基板53に、超音波基板51に設けられた各端子513D,514Aに接続されるデバイス側端子を設ける例を示した。これに対して、配線基板53が設けられず、フレキ板6の第一接続部614や第二接続部617が、超音波基板51の各端子513D,514Aに直接接続される構成などとしてもよい。
【0096】
上記実施形態では、超音波デバイス5が、基板開口部511A側から超音波を送信し、基板開口部511Aに入射する超音波を受信する例を示した。これに対して、封止板52が、基板開口部511A側に設けられ、基板開口部511Aとは反対側に超音波を出力する構成などとしてもよい。
また、超音波デバイス5に設けられる振動子として、超音波トランスデューサーTrを複数備えた送受信列Chを例示したが、これに限定されない。例えば、個々の超音波トランスデューサーTrのそれぞれが振動子として構成されてもよい。
また、超音波トランスデューサーTrとして、支持膜512を圧電素子513により振動させることで超音波を送信し、支持膜512の振動を圧電素子513にて電気信号に変換することで超音波を受信する例を示したが、これに限定されない。例えば、バルク型の圧電体を振動させることで超音波を送受信する構成としてもよく、また、一対の膜材に対向する電極を配置し、電極間に周期駆動電圧を印加することで、静電力によって膜材を振動させる構成などとしてもよい。
【0097】
上記各実施形態では、超音波装置として、生体内の器官を測定対象とする超音波測定装置1を例示したが、これに限定されない。例えば、各種構造物を測定対象として、当該構造物の欠陥の検出や老朽化の検査を行う測定機に、上記実施形態及び各変形例の構成を適用できる。また、例えば、半導体パッケージやウェハ等を測定対象として、当該測定対象の欠陥を検出する測定機についても同様である。
【0098】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で上記各実施形態及び変形例を適宜組み合わせることで構成してもよく、また他の構造などに適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0099】
1…超音波測定装置(超音波装置)、2…超音波プローブ(超音波探触子)、3…ケーブル、4…超音波デバイスユニット、5…超音波デバイス、6,6A,6B…フレキ板(フレキシブルプリント基板)、10…制御装置(制御部)、21…筐体、51…超音波基板、52…封止板、53…配線基板、54…音響レンズ、61…デバイス接続部、62…第一コネクター部、63…第二コネクター部、64…第一屈折部、65…第二屈折部、67…第二コネクター部、68…第三屈折部、71…第一補強板、531…第一デバイス側端子、532…第二デバイス側端子、611…開口部、612…第一配線部、612A…第一負側端縁、612B…第一正側端縁、613…第二配線部、613A…第二負側端縁、613B…第二正側端縁、614…第一接続部、614A…接続辺、615…第一屈曲部、616…第一デバイス積層部、617…第二接続部、617A…接続辺、618…第二屈曲部、619…第二デバイス積層部、621(621A〜621C),631(631A〜631C),671…コネクター、622,632…外部接続端子、641…第一スリット、641A…第一対向縁、641B…第一スリット端縁、641C…第一スリット端縁、642…第一連結部、651…第二スリット、651A…第二対向縁、651B…第二スリット端縁、651C…第二スリット端縁、652…第二連結部、661…第一配線、662…第二配線、663…第三配線、664…第四配線、681…第三スリット、682…第三連結部、Ar3…第一屈曲領域、Ar4…第二屈曲領域、Ar5…中央領域、S…配置スペース。
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