(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1ヒータは、筒状の第1ガラス管と、第1ガラス管内に配置された第1発熱体と、第1発熱体と接続され第1ガラス管の一端から突出して第1端子部材の段差部に固定される第1リード部と、を有し、
第1リード部は、長手方向において、規制壁と並ぶ、
ことを特徴とする請求項5に記載の定着システム。
第1ヒータは、筒状の第1ガラス管と、第1ガラス管内に配置された第1発熱体と、第1発熱体と接続され第1ガラス管の一端から突出して第1端子部材の段差部に固定される第1リード部と、を有し、
第1リード部は、長手方向において、規制壁と並ぶ、
ことを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、定着システムSは、シングルヒータタイプの第1定着装置1と、ツインヒータタイプの第2定着装置2とを製造するためのシステムである。
【0015】
ここで、第1定着装置1は、加熱ローラHRと、加圧ローラPRと、加熱ローラHR内に配置される第1ヒータ110と、第1ヒータ110などを支持するフレーム160とを主に備えている。第2定着装置2は、第1定着装置1との共通部品となる加熱ローラHR、加圧ローラPRおよびフレーム160を備える他、第2ヒータ120と、第3ヒータ130とを備えている。
【0016】
そして、定着システムSは、各定着装置1,2に共通して使用される加熱ローラHR、加圧ローラPRおよびフレーム160と、第1定着装置1のみに使用される第1ヒータ110と、第2定着装置2のみに使用される第2ヒータ120および第3ヒータ130とを備えている。また、定着システムSは、
図2に示す第1端子部材150と、
図3に示す第2端子部材170、第3端子部材180および第4端子部材190とを備えている。
【0017】
ここで、第1端子部材150は、第1定着装置1のみに使用され、第2端子部材170および第3端子部材180は、第2定着装置2のみに使用される。そして、第4端子部材190は、各定着装置1,2に共通して使用される。
【0018】
なお、以下の説明において、方向は、
図1に示す方向で説明する。すなわち、
図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、
図1における上下方向を「上下」とする。詳しくは、加熱ローラHRの軸線方向、言い換えると各ヒータ110〜120の長手方向を、左右方向または第2方向と称する。また、左右方向に直交し、かつ、加熱ローラHRと加圧ローラPRが並ぶ方向を、上下方向または第3方向と称する。そして、左右方向および上下方向に直交する方向を、前後方向または第1方向と称する。
【0019】
さらに、左右方向または第2方向の一方側を「左」と称し、他方側を「右」と称する。また、上下方向または第3方向の一方側を「上」と称し、他方側を「下」と称する。さらに、前後方向または第1方向の一方側を「前」と称し、他方側を「後」と称する。
【0020】
図2(a)に示すように、第1ヒータ110は、左右方向に長く延びる部材である。第1ヒータ110は、ハロゲンランプである。第1ヒータ110は、筒状の第1ガラス管111と、第1リード部の一例としての第1右リードピン112と、第1左リードピン113と、第1発熱体の一例としての第1フィラメント114と、を備えている。第1ヒータ110は、第1ガラス管111内に第1フィラメント114を配置し、第1ガラス管111の左右方向両端部を封止してその内部にハロゲン元素を含む不活性ガスを封入して形成されている。
【0021】
第1右リードピン112は、第1フィラメント114と電気的に接続されている。第1右リードピン112は、左右方向に沿って延び、第1ガラス管111の右端から突出している。第1右リードピン112の先端部は、板状の第1端子部材150に、溶接等により固定されている。つまり、第1右リードピン112の先端部は、第1ヒータ110の端部の一例である。
【0022】
図2(b)に示すように、第1端子部材150は、1枚の板金からなり、ベース部151と、第1延出部152と、接続部153と、段差部154と、第2延出部155とを有している。ベース部151は、上下方向に直交する略矩形の板状の部位である。ベース部151は、第1開口の一例としての、左右方向に長い長穴151Aを有している。ベース部151は、当該ベース部151の後端を構成する第3端部151Eを有している。
【0023】
第1延出部152は、ベース部151の右端の前側部分に位置している。第1延出部152は、ベース部151から上方に向かって延出している。
【0024】
接続部153は、第1延出部152の後端の下側部分に位置している。接続部153は、第1延出部152から後方に向かって延出している。接続部153は、電源と接続された第1コネクタC1が接続される部分である(
図2(a)参照)。接続部153は、前後方向に長い矩形であり、上下方向の長さが第1延出部152より小さい。接続部153の先端は後方を向いており、接続部153の先端が第1コネクタC1と係合する。
【0025】
段差部154は、ベース部151の後端の左側部分に位置している。段差部154は、ベース部151から後方、つまり前後方向における第2ボス162側へ延出し、ベース部151との間で段差を形成している。段差部154は、当該段差部154の後端を構成する第1端154Eを有している。
【0026】
第2延出部155は、段差部154の左端の後側部分に位置している。第2延出部155は、段差部154から左方に向かって延出している。そして、第1右リードピン112は、第2延出部155と段差部154とに固定されている。
【0027】
図2(a)に示すように、第4端子部材190は、1枚の板金からなり、上下方向に直交する略矩形の板状のベース部191と、ベース部191から下方に向かって延出する延出部192と、延出部192から後方に向かって延びる接続部193と、を有している。
【0028】
ベース部191は、丸穴191Aを有している。第1左リードピン113の先端部は、ベース部191の丸穴191Aより右側の部分に固定されている。また、第1左リードピン113は、前後方向において、丸穴191Aの一部と同じ位置、詳しくは丸穴191Aの中心と略同じ位置に配置されている。
【0029】
延出部192は、ベース部191の左端の前側部分に位置し、ベース部191と接続部193を連結している。接続部193は、電源と接続された第4コネクタC4が接続される部分である。接続部193は、前後方向に長い矩形であり、上下方向の長さが延出部192より小さい。接続部193の先端は後方を向いており、接続部193の先端が第4コネクタC4と係合する。つまり、各端子部材150,190の各接続部153,193は、先端が同じ方向を向いており、コネクタC1,C4が同じ方向で接続される。
【0030】
図3(a)に示すように、第2ヒータ120および第3ヒータ130は、前述した第1ヒータ110と略同様の構造となるハロゲンランプである。つまり、第2ヒータ120は、第1ガラス管111、第1右リードピン112、第1左リードピン113および第1フィラメント114と略同じ構造となる、第2ガラス管121、第2右リードピン122、第2左リードピン123および第2フィラメント124を備えている。また、第3ヒータ130は、第1ガラス管111、第1右リードピン112、第1左リードピン113および第1フィラメント114と略同じ構造となる、第3ガラス管131、第3右リードピン132および第3左リードピン133および第2フィラメント134を備えている。
【0031】
ここで、第2右リードピン122は、第2ヒータ120の端部および第2リード部に相当し、第3右リードピン132は、第3ヒータ130の端部に相当する。また、第2フィラメント124は、第2発熱体に相当する。
【0032】
第2右リードピン122の先端部は、板状の第2端子部材170に、溶接等により固定されている。第3右リードピン132の先端部は、板状の第3端子部材180に、溶接等により固定されている。第2左リードピン123の先端部および第3左リードピン133の先端部は、前述した板状の第4端子部材190に、溶接等により固定されている。
【0033】
第2端子部材170は、第1端子部材150と異なる形状となっている。具体的に、第2端子部材170は、前述した第1端子部材150から段差部154を取り除いた構成となっている。詳しくは、第2端子部材170は、1枚の板金からなり、略矩形のベース部171と、第1延出部172と、接続部173と、第2延出部175とを有している。ベース部171は、上下方向に直交する板状の部位である。ベース部171は、第2開口の一例としての、左右方向に長い長穴171Aを有している。ベース部171は、当該ベース部171の後端を構成する第2端171Eを有している。
【0034】
第1延出部172は、ベース部171の右端の前側部分に位置している。第1延出部172は、ベース部171から上方に向かって延出している。
【0035】
接続部173は、第1延出部172の後端の下側部分に位置している。接続部173は、第1延出部172から後方に向かって延出している。接続部173は、電源と接続された第2コネクタC2が接続される部分である(
図3(a)参照)。接続部173は、前後方向に長い矩形であり、上下方向の長さが第1延出部172より小さい。接続部173の先端は後方を向いており、接続部173の先端が第2コネクタC2と係合する。
【0036】
第2延出部175は、ベース部171の左端の後側部分に位置している。第2延出部175は、ベース部171から左方に向かって延出している。そして、第2右リードピン122は、第2延出部175とベース部171とに接触するように配置されている。
【0037】
第3端子部材180は、第1端子部材150および第2端子部材170とは異なる形状となっている。第3端子部材180は、1枚の板金からなり、略矩形のベース部181と、第1延出部182と、接続部183と、第2延出部185とを有している。ベース部181は、上下方向に直交する板状の部位である。ベース部181は、第3開口の一例としての、左右方向に長い長穴181Aを有している。
【0038】
第1延出部182は、ベース部181の右端の前側部分に位置している。第1延出部182は、ベース部181から下方に向かって延出している。
【0039】
接続部183は、第1延出部182の後端の略中央部分に位置している。接続部183は、第1延出部182から後方に向かって延出している。接続部183は、電源と接続された第3コネクタC3が接続される部分である(
図3(a)参照)。接続部183は、前後方向に長い矩形であり、上下方向の長さが第1延出部182より小さい。接続部183の先端は後方を向いており、接続部183の先端が第3コネクタC3と係合する。つまり、各端子部材170,180,190の各接続部173,183,193は、先端が同じ方向を向いており、各コネクタC2,C3,C4が同じ方向で接続される。
【0040】
第2延出部185は、ベース部181の左端の前側部分に位置している。第2延出部185は、ベース部181から左方に向かって延出している。そして、第3右リードピン132は、第2延出部185とベース部181とに接触するように配置されている。
【0041】
図3(a)に示すように、第2左リードピン123の先端部および第3左リードピン133の先端部は、第4端子部材190のベース部191の丸穴191Aより右側の部分に固定されている。第2左リードピン123は、丸穴191Aよりも前側に配置され、第3左リードピン133は、丸穴191Aよりも後側に配置されている。詳しくは、前後方向において、第2左リードピン123から丸穴191Aの中心までの距離と、第3左リードピン133から丸穴191Aの中心までの距離が、略同じ大きさとなっている。
【0042】
図4に示すように、フレーム160は、加熱ローラHRの一部を収容可能な凹部160Aと、凹部160Aの右側に配置される第1面F1と、凹部160Aの左側に配置される第2面F2とを有している。さらに、フレーム160は、第1嵌合部および第1突起の一例としての第1ボス161と、第2嵌合部および第2突起の一例としての第2ボス162と、第3ボス163と、規制壁の一例としての第1規制壁164と、第2規制壁165と、第3規制壁166とを有している。
【0043】
第1面F1は、第1端子部材150、第2端子部材170および第3端子部材180を、支持することが可能な面であり、上下方向に直交している。第1ボス161、第2ボス162、第1規制壁164、第2規制壁165および第3規制壁166は、第1面F1から下方に向けて突出している。
【0044】
第1ボス161は、第1端子部材150および第2端子部材170が選択的に嵌合するボスである。言い換えると、第1ボス161は、
図5(a)に示すように、第1端子部材150の長穴151Aと嵌合可能であるとともに、
図5(b)に示すように、第2端子部材170の長穴171Aと嵌合可能な嵌合部となっている。
【0045】
つまり、シングルヒータタイプを製造する場合には、第1ボス161は、第1端子部材150の長穴151Aに入る。また、ツインヒータタイプを製造する場合には、第1ボス161は、第2端子部材170の長穴171Aに入る。ここで、
図5(a),(b)においては、加熱ローラHR等の図示は省略している。
図4に戻って、第1ボス161の先端面には、図示せぬネジが捩じ込まれる孔161Aが形成されている。
【0046】
第2ボス162は、第3端子部材180が嵌合するボスである。言い換えると、第2ボス162は、第3端子部材180の長穴181Aと嵌合可能な嵌合部となっている(
図5(b)参照)。つまり、ツインヒータタイプを製造する場合において、第2ボス162は、第3端子部材180の長穴181Aに入る。
【0047】
第2ボス162は、前後方向において、第1ボス161と間隔を空けて並んでいる。つまり、本実施形態では、第1ボス161と第2ボス162が並ぶ方向である並び方向は、前後方向に相当する。第2ボス162は、第1ボス161の後方に配置されている。第2ボス162の先端面には、図示せぬネジが捩じ込まれる孔162Aが形成されている。
【0048】
なお、本明細書において、「二つの部材が○○方向において並ぶ」は、〇〇方向から見たときに二つの部材が重なる、とも言い得る。また、「二つの部材が〇〇方向において並ぶ」は、〇〇方向に平行な直線が二つの部材を通過する、とも言い得る。
【0049】
第1規制壁164は、
図5(a),(b)に示すように、第1端子部材150、第2端子部材170および第3端子部材180の移動、詳しくは回動を規制する壁である。具体的に、第1規制壁164は、各端子部材150,170,180の各ベース部151,171,181との係合により、各端子部材150,170,180の移動を規制している。第1規制壁164は、前後方向において、第1ボス161と第2ボス162との間に配置されている。第1規制壁164は、前後方向の寸法が左右方向の寸法よりも大きくなっている。
【0050】
なお、本明細書において、「Xが〇〇方向においてAとBの間に配置されている」とは、Xが〇〇方向から見てAとBと重複しないものも含む。
【0051】
第2規制壁165は、第1端子部材150および第2端子部材170の移動、詳しくは回動を規制する壁である。第2規制壁165は、第1ボス161よりも前側に位置している。
【0052】
第3規制壁166は、第3端子部材180の移動、詳しくは回動を規制する壁である。第3規制壁166は、第2ボス162よりも後側に位置している。
【0053】
第2面F2は、第4端子部材190を支持することが可能な面であり、上下方向に直交している。第3ボス163は、第2面F2から下方に向けて突出している。
【0054】
第3ボス163は、第4端子部材190が嵌合するボスである。詳しくは、第3ボス163は、第4端子部材190の長穴191Aと係合可能となっている(
図5(a),(b)参照)。第3ボス163の先端面には、図示せぬネジが捩じ込まれる孔163Aが形成されている。
【0055】
図6に示すように、フレーム160は、第1支持面F11と、第2支持面F12とを有している。ここで、
図6においては、便宜上、第1支持面F11を、ドットのハッチングで示し、第2支持面F12を第1支持面F11よりも密度の低いドットのハッチングで示す。
【0056】
第1支持面F11は、第1面F1のうち、第1端子部材150の段差部154および第2延出部155を支持する部分を構成している。言い換えると、第1支持面F11は、上下方向において、第1端子部材150の段差部154および第2延出部155と対向している。
【0057】
図7に示すように、第2支持面F12は、第1面F1のうち、第2端子部材170のベース部171を支持する部分を構成している。言い換えると、第2支持面F12は、上下方向において、第2端子部材170のベース部171と対向している。
図6に示すように、第1定着装置1において、第2支持面F12の一部は、上下方向において、第1端子部材150のベース部151と重なっている。
【0058】
第1支持面F11は、前後方向において、第2支持面F12の後側に配置されている。言い換えると、第1支持面F11は、前後方向において、第2支持面F12に対して第2ボス162側に配置されている。
【0059】
第1規制壁164は、左右方向において、第1支持面F11とは異なる位置に位置している。詳しくは、第1規制壁164は、左右方向において、第1支持面F11よりも第1ガラス管111から遠い位置に配置されている。これにより、第1定着装置1において、第1規制壁164は、左右方向において、第1端子部材150の段差部154と並んでいる。
【0060】
また、第1規制壁164は、左右方向において、第1ボス161および第2ボス162の中心とは異なる位置に位置している。詳しくは、第1規制壁164は、左右方向において、各ボス161,162の中心よりも第1ガラス管111から遠い位置に配置されている。
【0061】
第1端子部材150が第1ボス161に嵌合した状態において、第1端子部材150の第1端154Eは、前後方向において、第1ボス161と第2ボス162との間に配置されている。詳しくは、第1端154Eは、前後方向において、第1規制壁164と第2ボス162との間に配置されている。より詳しくは、第1端154Eは、第1端子部材150の第1面F1と対向する部位において、前後方向で第2ボス162の最も近くに位置する。前後方向において、第1端154Eから第1ボス161の中心までの第1距離L1は、第1端154Eから第2ボス162の中心までの第3距離L3よりも大きくなっている。
【0062】
図7に示すように、第2端子部材170が第1ボス161に嵌合した状態において、第2端子部材170の第2端171Eは、前後方向において、第1ボス161と第2ボス162との間に配置されている。詳しくは、第2端171Eは、前後方向において、第1ボス161と第1規制壁164との間に配置されている。より詳しくは、第2端171Eは、第2端子部材170の第1面F1と対向する部位において、前後方向で第2ボス162の最も近くに位置する。前後方向において、第2端171Eから第1ボス161の中心までの第2距離L2は、前述した第1距離L1(
図6参照)よりも小さくなっている。
【0063】
ここで、第1端子部材150のベース部151と第2端子部材170のベース部171は、同じ構造となっているため、各ベース部151,171の前後方向の寸法は略同じである。そのため、第1端子部材150のベース部151の後端である第3端部151Eは、前後方向において、第2端171Eの位置と略同じ位置に配置されている。
【0064】
図6および
図7に示すように、各ベース部151,171は、前後方向において、第1規制壁164と僅かな間隔を空けて対向している。これにより、接続部153,173からコネクタC1,C2を抜いた際に、ベース部151,171が図示時計回りに回動した場合であっても、ベース部151,171が第1規制壁164に当接することで、回動が規制される。
【0065】
図6に示すように、第1端子部材150に固定される第1ヒータ110の第1右リードピン112は、左右方向から見て、第1規制壁164と重なっている。言い換えると、第1右リードピン112は、左右方向において、第1規制壁164と並んでいる。さらに、別の言い方をすると、第1右リードピン112は、前後方向および上下方向において、第1規制壁164の一部と同じ位置に配置されている。
【0066】
また、加熱ローラHRの中心軸CAも、前後方向および上下方向において、第1規制壁164の一部と同じ位置に配置されている。そのため、第1右リードピン112は、加熱ローラHRの中心軸CA付近に配置されている。
【0067】
図7に示すように、第2右リードピン122は、前後方向において、第1規制壁164よりも前側に所定間隔を空けて配置される。詳しくは、第2右リードピン122は、前後方向において、第1規制壁164と第1ボス161との間に位置している。
【0068】
第3右リードピン132は、前後方向において、第1規制壁164よりも後側に前述した所定間隔と略同じ間隔を空けて配置される。そのため、各右リードピン122,132は、加熱ローラHRの中心軸CAに対して、それぞれ所定間隔を空けてバランスよく配置されている。
【0069】
次に、第1定着装置1および第2定着装置2の製造方法について説明する。
第1定着装置1を製造する場合には、
図4に示すフレーム160に加熱ローラHRを組み付ける。その後、加熱ローラHRの内部に第1ヒータ110を通しつつ、
図5(a)に示すように、各端子部材150,190を各ボス161,163に図示せぬネジで締結する。
【0070】
この際、
図2(a)に示すように、第1左リードピン113が前後方向において丸穴191Aの中心と略同じ位置に配置され、かつ、第1右リードピン112がベース部151から突出した段差部154上に配置されることで、
図6に示すように、第1ヒータ110を加熱ローラHRの中心軸CA付近に配置することができる。その後は、加圧ローラPR等をフレーム160に組み付けることで、第1定着装置1の製造が完了する。
【0071】
第2定着装置2を製造する場合には、
図4に示すフレーム160に加熱ローラHRを組み付ける。その後、加熱ローラHRの内部に第2ヒータ120および第3ヒータ130を通しつつ、
図5(b)に示すように、各端子部材170,180,190を各ボス161,162,163に図示せぬネジで締結する。
【0072】
この際、
図3(a)に示すように、各左リードピン123,133の丸穴191Aの中心までの距離が略同じであり、かつ、
図7に示すように、各右リードピン132,133の第1規制壁164までの距離が略同じであることで、各ヒータ120,130を加熱ローラHRの中心軸CAに対してバランスよく配置することができる。その後は、加圧ローラPR等をフレーム160に組み付けることで、第2定着装置2の製造が完了する。
【0073】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
第1ヒータ110のみを備えた第1定着装置1と、第2ヒータ120および第3ヒータ130を備えた第2定着装置2とを、共通のフレーム160で製造することができるので、製造コストを低減することができる。
【0074】
第1端子部材150の第1端154Eが第2端子部材170の第2端171Eよりも第1ボス161から離れた位置に配置されるので、第1ヒータ110の位置を、加熱ローラHRなどの中心軸CA付近に配置することができる。また、第2端171Eが第1端154Eよりも第1ボス161の近くに配置されることで、第2ヒータ120の位置を、加熱ローラHRなどの中心軸CAからずらすことができるので、中心軸CAに対して第2ヒータ120および第3ヒータ130をバランスよく配置することができる。
【0075】
左右方向において、第1規制壁164が第1端子部材150の段差部154と並ぶので、第1端子部材150の段差部154と第1規制壁164とが干渉するのを抑えることができる。
【0076】
ベース部151が、前後方向において、第1規制壁164と対向するので、第1端子部材150の回動を第1規制壁164によって規制することができる。
【0077】
第1規制壁164が、左右方向において、第1ボス161の中心とは異なる位置に位置するので、第1端子部材150の回動を第1規制壁164で良好に規制することができる。
【0078】
第1定着装置1のフレーム160が、別タイプの第2定着装置2で使用される第3ヒータ130を取り付けるための第2ボス162を有するので、第1定着装置1のフレーム160によって第2定着装置2も製造することができる。
【0079】
第2定着装置2のフレーム160において、別タイプの第1定着装置1で使用される第1ヒータ110を取り付けるための第1ボス161を有するので、第2定着装置2のフレーム160によって第1定着装置1も製造することができる。
【0080】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、嵌合部の中心をボス161,162の中心としたが、嵌合部の中心は、当該嵌合部に捩じ込まれるネジの軸線であってもよいし、ボスに形成された穴の中心であってもよい。
【0081】
前記実施形態では、第1開口、第2開口および第3開口を穴(貫通孔)としたが、本発明はこれに限定されず、各開口は、例えば端子部材の縁に形成される切欠であってもよい。
【0082】
前記実施形態で説明した各支持面F11,F12は、少なくともヒータをフレームに取り付けるときに端子部材を支持すればよい。詳しくは、定着装置を画像形成装置に取り付けた状態においては、各支持面が端子部材から離れていてもよい。ここで、例えば支持面からのボスの突出量が端子部材の厚さよりも大きい場合には、ボスの先端を鉛直方向下向きにして定着装置を画像形成装置に取り付けると、端子部材が各支持面から離れてネジで支持される。このような形態も、本発明は含んでいる。
【0083】
前記実施形態では、ヒータの一例としてハロゲンランプを例示したが、本発明はこれに限定されず、ヒータは、例えばカーボンヒータなどであってもよい。また、発熱体は、前述したフィラメントに限らず、その他の電熱線であってもよい。また、リード部は、前述した円柱状のリードピンに限らず、板状の部材であってもよい。
【0084】
前記実施形態では、嵌合部の一例としてボス161,162を例示したが、本発明はこれに限定されず、嵌合部は、例えば端子部材の穴を通ったネジが捩じ込まれる孔であってもよい。また、端子部材のフレームへの固定は、ネジに限定されず、例えば、フレームに形成した突起部を、端子部材の穴に嵌合させ、この突起部をかしめることで端子部材をフレームに固定してもよい。
【0085】
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。