(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コア部が、瞬間接着剤を内蔵したチューブ容器と、このチューブ容器の口部に装着されたノズルとを備えたものであり、露出端部である前記ノズルを前記キャップにより覆うことができるようにしたものである請求項2記載の塗布製品。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態を、
図1〜
図21を参照しつつ以下に述べる。
【0018】
本実施形態は、本発明を瞬間接着剤Aを塗布するための塗布製品1に適用した場合のものである。この塗布製品1は、
図6〜
図12に示すように、塗布物である瞬間接着剤Aを塗布するためのコア部2と、前記コア部2を収容する容器である外装容器3とを具備してなる。
【0019】
前記コア部2は、
図6、
図7及び
図9〜
図12に示すように、瞬間接着剤Aを内蔵したチューブ容器4と、このチューブ容器4の口部13に装着されたノズル5とを備えたものである。
【0020】
前記チューブ容器4は、
図9〜
図12に示すように、瞬間接着剤Aが収納されたチューブ容器本体11と、このチューブ容器本体11内部の瞬間接着剤Aを外部に導くための口部13とを備えてなるもので、前記口部13の外周には雄ネジが形成されている。このチューブ容器4は、周知な構成のものであるため、これ以上の説明は省略する。なお、前記瞬間接着剤Aは、シアノアクリレート系のもので、特定の波長の紫外線の照射を受けて発色し可視光の照射を受けて消色するジアリールエテン系のフォトクロミック化合物が添加されている。具体的には、チューブ容器本体11内の瞬間接着剤Aは、例えば赤色に発色しており、ノズル5から吐出させて目的物に塗布した後、その赤色が消え、無色透明に変化するものである。例えば、特開2013−010052号公報中に示されているものが挙げられる。
【0021】
前記ノズル5は、
図9〜
図12に示すように、内部に塗布物流通路を有する中空体状で透光性を有するノズル本体15と、このノズル本体15とは別体をなす基端部材17とを備えている。前記ノズル本体15を透光性を有するものとしているのは、赤色の瞬間接着剤Aがノズル5を通過して塗布される様子を外部から視認されるようにするためである。
【0022】
前記ノズル本体15は、
図10〜
図12に示すように、先端に塗布作業を適正に行うための先端カット部分19を有するとともに、基端に前記チューブ容器4の口部13に圧入される基端カット部21を有するもので、その基端近傍部外周には、基端鍔部分23が形成されている。
【0023】
前記基端部材17は、
図10〜
図12に示すように、前記ノズル本体15の基端側に外嵌された筒状のもので、前記ノズル本体15の基端鍔部分23とほぼ同一の外径を有している。この基端部材17の基端外周には、大径鍔部分25が形成されているとともに、基端側内周には、前記チューブ容器4の口部13が螺着される雌ネジ27が形成されている。
【0024】
以上説明したコア部2は、前記外装容器3内に収容されている。前記外装容器3は、
図1〜
図12に示すように、前記コア部2の主要部を収容する容器本体である外装容器本体6と、前記コア部2の露出端部を覆うようにして前記外装容器本体6の先端部6aにその基部7bが螺着されるキャップ7とを備えたものである。
【0025】
前記外装容器本体6は、
図6〜
図12に示すように、前記コア部2の主要部を囲うボディ29と、このボディ29の先端側に装着された先端部材31と、前記ボディ29の後端側に蓋着された底壁部材33と、前記ボディ29内に設けられた操作機構35とを具備してなる。
【0026】
前記ボディ29は、
図6〜
図12に示すように、断面円形状をなす筒状のもので、断面積が先端から後端に向かって漸次大きくなるように緩やかな切頭円錐形状をなしている。ボディ29の先端側には、前記ノズル5の基端部材17を収容する先端ボス部37が設けられており、後端側には、底壁部材取付部39が設けられている。前記先端ボス部37の外周には、前記先端部材31を螺着するための螺旋溝37aが形成されている。このボディ29の対向する中間部位には、対をなす窓41が形成されている。また、ボディ29内周における前記窓41の後側には、内方に向けて開口する対をなす案内筒部43が隣接させて設けられているとともに、これら各案内筒部43の後側には、底壁部材33を取り付けるための前記底壁部材取付部39が設けられている。なお、この実施形態におけるボディ29は、対をなす半割ボディ要素45に分断されており、これら各半割ボディ要素45に前記螺旋溝37a、底壁部材取付部39、窓41及び案内筒部43が1つずつ設けられている。
【0027】
前記先端部材31は、
図6〜
図12に示すように、前記ボディ29の先端ボス部37の外周に螺着されたもので、その内周に前記螺旋溝37aに螺合する対をなす図示しない螺合突起を有するとともに、外周にキャップ螺着用の螺旋溝31aが形成されており、中心部には前記ノズル5を貫通させるための貫通孔31bが形成されている。すなわち、この先端部材31は、外装容器本体6の先端部6aを構成するもので、この先端部材31の外周に前記キャップ7の基部7bが螺着される。そして、この先端部材31により、前記ノズル5を外装容器本体6に対して位置決め固定するとともに、前記ボディ29を構成する半割ボディ要素45の先端側が離間するのを規制している。
【0028】
前記底壁部材33は、前記
図6、
図7及び
図9〜
図12に示すように、この外装容器本体6の後端部6bすなわち前記ボディ29の後端部に後述するキャップ7の頂部7aを嵌合させるための嵌合代29aを残した状態でこのボディ29の後端近傍部を閉塞する円盤状のものであり、その内面に対をなす弾性爪49を備えている。これらの弾性爪49を前記ボディ29に設けられた底壁部材取付部39に弾性係合させることによりこの底壁部材33がボディ29から外れるのを防止するとともに、この底壁部材33により前記ボディ29を構成する半割ボディ要素45の後端側が離間するのを規制している。
【0029】
前記操作機構35は、操作受付部51に加えられる操作力により前記チューブ容器本体11を押圧して当該チューブ容器本体11内の塗布物を吐出させるものである。より具体的には、この操作機構35は、
図7及び
図10〜
図12に示すように、前記操作力を優先して前記チューブ容器本体11の特定の領域、具体的には先端側の領域11aに伝達するための第一の押圧部53と、前記操作力を前記チューブ容器本体11の他の領域、具体的には後端側の領域11bに伝達するための第二の押圧部55と、前記第一の押圧部53による押圧動作が途中まで進行した段階から前記第二の押圧部55を前記他の領域すなわち後端側の領域11bに押し付ける操作力分配手段57とを備えたものである。
【0030】
また、この操作機構35は、
図7及び
図10〜
図12に示すように、前記チューブ容器本体11を挟んで両側に対をなして配され前記操作受付部51、前記第一の押圧部53、前記第二の押圧部55及び案内突起59をそれぞれ一体に有する挟持体61を備えている。
【0031】
前記挟持体61は、
図10〜
図12に示すように、前記チューブ容器本体11の先端側の領域11aに対応する部位に前記第一の押圧部53を備えるとともに、前記チューブ容器本体11の後端側の領域11bに対応する部位に前記第二の押圧部55を備えたものである。また、各挟持体61は、その第一の押圧部53の内面と第二の押圧部55の内面とを連続した面で構成したものであり、それらの面を前記チューブ容器本体11に対面させている。
【0032】
前記操作受付部51は、
図1〜
図3、
図7及び
図10〜
図12に示すように、前記外装容器3の窓41を介して外部に露出させたもので、外部から指で内方に押圧操作することができるようにしたものである。
【0033】
前記操作力分配手段57は、前記各挟持体61の外面における前記第一及び第二の押圧部53、55の中間に対応する部位に前記操作受付部51をそれぞれ設けるとともに、前記両挟持体61の後端61a同士を接離可能な状態で弾性付勢体63により連結したものである。また、この実施形態においては、前記各挟持体61の基端部に設けた前記案内突起59を、対応する前記案内筒部43にそれぞれ突没可能にかつ微小な傾動を許容した状態で挿入している。
【0034】
前記弾性付勢体63は、前記両挟持体61における第二の押圧部55の内面同士が互いに衝き当たるまで弾性変形可能なもので、一部に切欠を有する部分環状をなすものである。また、前記弾性付勢体63は、前記両挟持体61と一体に構成されている。より具体的には、この弾性付勢体63の前記切欠に臨む両端が、前記両挟持体61の後端61aにそれぞれ一体化されている。
【0035】
ここで、以上説明した操作機構35の作動について、
図10〜
図12を参照しつつ説明する。
【0036】
まず、
図10に示す初期状態においては、チューブ容器4内に瞬間接着剤Aが充満させてあり、前記挟持体61の第一の押圧部53がチューブ容器4に当接又は近接しているとともに、前記第二の押圧部55が前記チューブ容器4から離れた状態にある。すなわち、前記両挟持体61は、その基端同士を連結する前記弾性付勢体63の付勢力により相互に開く方向に付勢されているだけでなく、その基端同士が離間する方向に付勢されており、各挟持体61の基端部に設けられた案内突起59がそれぞれ対応するボディ29の案内筒部43内に最没入して前記第二の押圧部55が前記チューブ容器4から離れた状態に保持されている。かかる初期状態から両操作受付部51を押圧すると、両挟持体61が片持ち状態であることから、両挟持体61の先端側が優先してチューブ容器4方向に回動することになり、第一の押圧部53が先にチューブ容器4の先端側の領域11aに押し付けられて、チューブ容器4内の瞬間接着剤Aがノズル5から外部に吐出させられる。
図11は、このような操作をある程度行った後の中間状態を示しているが、この中間状態からさらに両操作受付部51を押圧していくと、前記チューブ容器4の先端側の領域11aの潰れ状態が大きくなり、チューブ容器4側から挟持体61の第一の押圧部53に作用する反作用力が徐々に増加していく。その状態でさらに操作を続けると、負荷の大きな第一の押圧部53側の動きが抑制され、挟持体61の基端側が弾性付勢体63の付勢力に抗して接近し始める。その結果、第一の押圧部53のみならず、第二の押圧部55がさらにチューブ容器4の基端側の領域11bに押し付けられることになり、最終的には
図12に示すように前記チューブ容器本体11をほぼ平たく押しつぶすことになるまで操作を続けることができ、瞬間接着剤Aをチューブ容器4内に残留する量を従来のものより少なくすることができ、効率よく外部に押し出すことが可能となる。なお、挟持体61の基端部に設けられた案内突起59は、初期状態から中間状態に移行する段階では、前記案内筒部43内で微小に傾動して両挟持体61の回動を許容することができるようになっている。そして、前記中間状態から最終段階に至る際に前記案内突起59が前記案内筒部43内から抜け出す方向にスライドするようになっている。
【0037】
以上説明した外装容器本体6の先端側に前記キャップ7が着脱可能に螺着されている。
【0038】
前記キャップ7は、前記コア部2の露出端部である前記ノズル5を覆うことができるものであり、前記外装容器本体6の先端側に螺着された状態では、
図1〜
図4に示すように、前記キャップ7の頂部7aから外装容器3の後端部に向かって断面積が徐々に増加する形状をなしている。
【0039】
一方、前記キャップ7が前記外装容器本体6に螺着されていない状態では、
図13〜
図15に示すように、該キャップ7の頂部7aと前記外装容器本体6の後端部6bとを係合させて連結することが可能である。すなわち、このキャップ7は、前記外装容器本体6の後端部6b、換言すれば前記ボディ29の後端部に設定した嵌合代29aの内周にその頂部7aを嵌合させることが可能である。
【0040】
また、このキャップ7の頂部7aは、前記外装容器本体6の後端部6bに内接する断面多角形状である。より具体的には、前記キャップ7の頂部7aは、
図1、
図4、
図9及び
図15に示すように、その角を丸めた断面多角形状であり、それらの角をボディ29の後端部の内周に内接させている。なお、前記キャップ7の頂部7aの角の曲率半径は、前記外装容器本体6の後端部6bの内周面の半径よりも小さく設定してあり、前記キャップ7の各角とボディ29の内周面とはそれぞれ線接触するようにしてある。
【0041】
また、このキャップ7は、
図6〜
図8及び
図16〜
図21に示すように、頂部7aから基部7bに向かってその内、外周面がともに断面多角形状から断面円形状に変化する形態の外キャップ体65と、この外キャップ体65の内部に装着された内キャップ体67とを備えた二重構造をなしている。
【0042】
前記外キャップ体65は、
図6〜
図8及び
図16〜
図21に示すように、頂部7aから基部7bに向かってその内、外周面がともに断面多角形状から断面円形状に漸次連続的に変化する形態を有する。より具体的には、前記外キャップ体65の頂部7a側は、丸みをつけた角部65a間に緩やかに外方に湾曲する平坦部65bを備えた断面四角形状を有する。この外キャップ体65の対面する一対の平坦部65bには、キー溝69が設けられている。このキー溝69は、前記平坦部65bに立設した平行な対をなすリブ71間に形成されたものである。また、この外キャップ体65の対面する他の一対の平坦部65b、すなわち前記キー溝69が設けられていない平坦部65bの内面には、段状をなす係合部分73がそれぞれ設けられている。そして、この外キャップ体65の色は、白色又は白色に近い色である。
【0043】
前記内キャップ体67は、前記コア部2の露出端部であるノズル5を覆ってノズル5の先端が空気に触れるのを防ぐとともに透光性を有するノズル5内の瞬間接着剤Aに可視光が届くのを遮光するためのものである。この内キャップ体67の色は、前記外キャップ体65よりも濃い色、より具体的には黒色である。この内キャップ体67は、
図6〜
図8及び
図16〜
図21に示すように、前記ノズル5の先端に帽着される頂部がふさがれた筒状の先端帽着部分75と、基端側に位置し前記外キャップ体65の基部内周に嵌合され前記外装容器本体6に螺着される大径の螺着部分77と、これら先端帽着部分75及び螺着部分77を一体に連続させる中間錐形部分79とを備えている。また、その外周には、前記螺着部分77より前記頂部側すなわち先端帽着部分75側に位置し前記外キャップ体65に加えられる回転操作力を当該内キャップ体67に伝達するための回転伝達部分たるキー81と、前記外キャップ体65の係合部分に弾性係合して該内キャップ体67が前記外キャップ体65から抜出するのを防ぐ弾性爪83とが設けられている。前記キー81及び弾性爪83は、いずれも前記中間錐形部分79の外周に一体に形成されている。
【0044】
前記螺着部分77は、
図8及び
図16〜
図21に示すように、外装容器本体6の先端部材31に外装される開口穴を備えたものであり、その開口穴の内周に前記先端部材31の螺旋溝に螺合する対をなす螺合突起85が突設されている。
【0045】
前記キー81は、
図8、
図16〜
図18及び
図20に示すように、前記内キャップ体67の前記中間錐形部分79の外周に一体に突設されたリブ状のものである。このキー81は、前記キー溝69に係合し、前記外キャップ体65に加えられる回転操作力を内キャップ体67に伝達する役割を担っている。
【0046】
前記弾性爪83は、
図8、
図16〜
図18及び
図20に示すように、前記内キャップ体67の前記中間錐形部分79の外周に一体に突設され頂部7a側に向けて伸びるアーム87と、このアーム87の先端に配され前記外キャップ体65の係合部分に係合する爪本体89とを備えている。
【0047】
以上説明した実施形態を示す
図1は、キャップ7を外装容器本体6に装着した状態の斜視図である。
図2は、同正面図、
図3は、同平面図、
図4は、同左側面図、
図5は同右側面図である。
図6は、
図2におけるA−A線に沿った断面図である。なお、この実施形態では
図2に示すように、外装容器本体6のボディ29は分断線を介して二つに分割されているため、本来なら
図6におけるボディ29にはハッチングが入らないが、特別に他の部品とボディ29との区別を明確にするため、ボディ29にもハッチングを施してある。
図7は、
図3におけるB−B線に沿った断面図である。
図8は、外装容器本体6からキャップ7を取り外した状態を示す斜視図であり、キャップ7の外キャップ体65は一部破断して内部を示している。
図9は、分解斜視図である。
図10〜
図12は、作用を説明するための説明図であり、
図7に対応した断面を示している。
図13は、キャップ7の頂部7aを外装容器本体6の後端部6bに係合させる直前の状態を示す斜視図である。
図14は、キャップ7の頂部7aを外装容器本体6の後端部6bに係合させた状態を示す平面図である。
図15は、
図14におけるC−C線に沿った断面図である。
図16は、キャップ7を示す分解斜視図であり、外キャップ体65は一部を破断して内部を示してある。
図17は、視角を変えた
図16に相当する分解斜視図であり、外キャップ体65は片半部を破断して内部を示してある。
図18は、キャップ7の平面図であり、外キャップ体65は手前側片半部を破断して内部を示してある。
図19は、
図18におけるD矢視図である。
図20は、
図18におけるE−E線に沿った断面図、
図21は、
図18におけるF−F線に沿った断面図である。
図19〜
図21においては、外キャップ体65を破断せずその全体を示している。
【0048】
このような構成のものであれば、外装容器本体6の先端部6aから取り外したキャップ7の頂部7aを外装容器本体6の後端部6bに係合させて連結することができるので、塗布作業を行う際にもキャップ7を別の場所に放置する必要がなくなる。そのため、外装容器本体6から取り外したキャップ7が紛失したり載置箇所から落下して破損したりすることを抑制または防止することができる。さらに、前記キャップ7の頂部7aを前記外装容器本体6の後端部6bに係合させて連結させた状態で使用することにより、この塗布製品1の全長が、該塗布製品の後部(キャップ7)が使用者の手に当たった状態で塗布作業を行えるような長さとなり、この塗布製品1が使いやすいものとなる。
【0049】
さらに、本実施形態によれば、前述したように操作受付部51を押圧操作すると、一度にチューブ容器4を押しつぶすのではなく、まず、第一の押圧部53がチューブ容器本体11に押し付けられ、しかる後に第二の押圧部55による押圧も開始されることになるため、チューブ容器本体11から絞り出す塗布物である瞬間接着剤の吐出量を適切に調節する事が容易になる。そのため、操作初期において不必要に瞬間接着剤が流出してしまうという不具合を抑制または防止することができる。しかも、チューブ容器4内の瞬間接着剤がほとんど流出した最終段階においては、第一の押圧部53と第二の押圧部55の両方でチューブ容器本体11を密に押しつぶすことができるため、チューブ容器4内に残留する瞬間接着剤の量を最小限に抑えることもできる。
【0050】
加えて、本実施形態によれば、螺着部分77と、螺着部分77に外嵌される外キャップ体65の部位が断面円形状に形成してあり、しかも、前記螺着部分77には回転伝達を担う要素が設けられていないため、これらの部分を可及的に薄肉のものにすることができる。そして、この螺着部分77よりも頂部側に回転伝達部分であるキー81を設けているため、このキー81をキャップ7の中心に近い部位に配することが可能になる。その上で、このキー81が係合するキー溝69を外キャップ体65の平坦部65b内面に設けているので、前記キー81の突出寸法を小さくできるとともに、キャップ7全体を無理なく細身なものにすることができる。また、回転伝達部分である前記キー81を螺着部分77と異なる部位に配しているので、螺着部分77の形状および回転伝達部分の形状を適宜最適なものに設計することができる。その結果、設計の自由度が高まり、操作性良好なキャップを実現することができるとともに、各部のさらなる薄肉化を図ってキャップ7全体の軽量化を促進することも可能になる。
【0051】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0052】
すなわち、コア部は、塗布物を塗布できるようなものであればどのようなものであってもよく、塗布物は、前述したような可視光の照射を受けて消色する瞬間接着剤に限られないのはもちろんである。すなわち、コア部の構成はチューブ容器内に塗布物を収納するものやノズルを有するものに限らない。また、塗布物は、通常の瞬間接着剤、木工用接着剤、バター等の食品、口紅等の化粧品といった、種々のものが考えられる。しかしながら、前記実施形態のように接着作用や粘着作用を有する塗布物を用いた塗布製品に本発明を適用すれば特に格別な効果が得られる。すなわち、上述した実施形態の構成によれば、塗布物が付着しやすいキャップの基端側ではなく、キャップの頂部側を外装容器本体に連結するようにしているので、その連結部分に塗布物の接着性や粘着性が悪影響を及ぼすことを防止することができる。加えて、塗布物が瞬間接着剤である場合、本発明の塗布製品の使用時にキャップの内面が外装容器と接することがなく、また、塗布製品の使用中にキャップの内部が密封状態となることもないので、キャップに付着した瞬間接着剤の白化により外観が損なわれる不具合の発生を防止ないし抑制することもできる。
【0053】
外装容器本体の後端部の形状及びキャップの頂部の形状は、相互に嵌合させることができるものであれば、
前述したように、外装容器本体の先端部から取り外したキャップの頂部を外装容器本体の後端部に係合させて連結することができるので、外装容器本体から取り外したキャップが紛失したり載置箇所から落下して破損したりすることを抑制または防止することができるという効果を奏する。その上で、本発明の塗布製品の構成では、前記実施形態のように、前記外装容器本体の後端部が断面円形状であり、前記キャップの頂部が前記外装容器本体の後端部に内接する断面多角形状である
ので、特に適切な嵌合が可能になる。すなわち、断面円形同士の嵌合の場合、寸法差を少なくすると取り外しにくくなり、逆に寸法差を大きくするとがたつきが生じることになるが、断面円形と断面多角形との組み合わせによれば、がたつきが生じない程度にきつめに嵌合させるように寸法設定を行っても、取り外しにくくなる不具合の発生を抑制することができる。特に、前記実施形態のように、外装容器本体の後端部の半径よりもキャップの頂部の角の曲率半径を小さく設定しておけば、外装容器本体とキャップとが線接触状態で嵌合することになるため、寸法差を可及的に小さく設定しても快適に着脱することが可能になる。
【0054】
この塗布製品の形状は任意のものであってもよい。但し、前記実施形態のように、キャップの頂部から外装容器の後端部に向かって断面積が徐々に増加する形状にしておけば、キャップを外装容器本体の先端部に装着した状態であっても、また、キャップの頂部を外装容器本体の後端部に嵌合させた状態であっても、このような塗布製品を机上等に起立姿勢で安定して載置しておくことができる。
【0055】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。