【文献】
檜山圭一郎ほか,種々のポリ乳酸成形品の抗微生物性能,防菌防黴,2001年,vol. 29, no. 3,pp. 153-159
【文献】
安藤正道ほか,ポリ乳酸繊維を用いた圧電抗菌ファブリック,静電気学会講演論文集2017,2017年 9月,pp. 153-154
【文献】
ANDO, Masamichi et al.,Japanese Journal of Applied Physics,2017年 9月12日,vol. 56, 10PG01,pp. 1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の固定部および前記第2の固定部を複数備え、複数の前記布帛について抗菌性の試験を行うことができるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電繊維を含む布帛の抗菌試験装置。
前記位置調整部は、錘を用いて、前記第1の固定部を前記第2の固定部から遠ざける方向に移動させることによって前記第1の固定部の位置を調整するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の圧電繊維を含む布帛の抗菌試験装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、歪みが加わると電荷が発生する圧電繊維を含む布帛が知られており、そのような圧電繊維の抗菌効果を調べるために、布帛を伸縮させることによって断続的に電荷を発生させながら、抗菌効果を確認したいという要望がある。
【0006】
しかしながら、上述した抗菌性試験方法では、菌を付着させた繊維を所定時間放置することが条件であるため、布帛に歪みを加えて電荷を発生させたときの抗菌効果を確認することはできない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、圧電繊維を含む布帛に繰り返して歪みを加えたときの抗菌性を評価するための抗菌試験装置および抗菌試験方法を提供する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の圧電繊維を含む布帛の抗菌試験装置は、
圧電繊維を含む布帛に所定の菌を付着させて抗菌性を試験するための装置であって、
前記布帛の第1の位置を固定する第1の固定部と、
前記布帛の第2の位置を固定する第2の固定部と、
前記第1の固定部および前記第2の固定部に固定され、前記所定の菌が付着された前記布帛の前記圧電繊維を構成する糸に張力が加わるように、前記第1の固定部および前記第2の固定部のうちの少なくとも一方の固定部を駆動する駆動部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
上記の圧電繊維を含む布帛の抗菌試験装置は、
前記布帛、前記第1の固定部、および、前記第2の固定部を収容する収容ケースをさらに備えるように構成されていてもよい。
【0010】
前記第1の固定部および前記第2の固定部を複数備え、複数の前記布帛について抗菌性の試験を行うことができるように構成されていてもよい。
【0011】
前記駆動部は、複数の前記少なくとも一方の固定部を同時に駆動するように構成されていてもよい。
【0012】
前記駆動部は、前記第2の固定部を駆動するように構成されており、
前記駆動部による前記第2の固定部の駆動が行われていない状態で、前記圧電繊維を構成する糸に張力が加わるように、前記第1の固定部の位置を調整する位置調整部をさらに備えていてもよい。
【0013】
前記位置調整部は、錘を用いて、前記第1の固定部を前記第2の固定部から遠ざける方向に移動させることによって前記第1の固定部の位置を調整するように構成されていてもよい。
【0014】
本発明の圧電繊維を含む布帛の抗菌試験方法は、
圧電繊維を含む布帛に所定の菌を付着させて抗菌性を試験するための抗菌試験方法であって、
前記布帛の第1の位置を抗菌試験装置の第1の固定部に固定するとともに、前記布帛の第2の位置を前記抗菌試験装置の第2の固定部に固定する工程と、
前記布帛に前記所定の菌を付着させる工程と、
前記第1の固定部および前記第2の固定部に固定されて前記所定の菌が付着された前記布帛の前記圧電繊維を構成する糸に張力が加わるように、前記第1の固定部および前記第2の固定部のうちの少なくとも一方の固定部を所定時間駆動する工程と、
前記少なくとも一方の固定部を前記所定時間駆動した後に、
抗菌試験を行う工程と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の圧電繊維を含む布帛の抗菌試験装置によれば、第1の位置が第1の固定部に固定され、第2の位置が第2の固定部に固定されて、所定の菌が付着された布帛の圧電繊維を構成する糸に張力が加わるように、第1の固定部および第2の固定部のうちの少なくとも一方の固定部を駆動するように構成されているので、布帛に電荷を発生させた状態で、抗菌試験を行うことができる。
【0016】
また、本発明の圧電繊維を含む布帛の抗菌試験方法によれば、第1の位置が第1の固定部に固定され、第2の位置が第2の固定部に固定されて、所定の菌が付着された布帛の圧電繊維を構成する糸に張力が加わるように、第1の固定部および第2の固定部のうちの少なくとも一方の固定部を駆動するので、布帛に電荷を発生させた状態で、抗菌試験を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところを具体的に説明する。
【0019】
図1は、一実施形態における、圧電繊維を含む布帛の抗菌試験装置100(以下、単に抗菌試験装置100と呼ぶ)の斜視図である。
図2は、一実施形態における抗菌試験装置100の側面図である。ただし、
図2では、後述する収容ケース10内を透視した状態を示している。また、
図3は、一実施形態における抗菌試験装置100の上面図である。ただし、
図3では、収容ケース10を取り外した状態を示している。
【0020】
この抗菌試験装置100は、圧電繊維を含む布帛に所定の菌を付着させて抗菌性を試験するための装置である。抗菌試験対象である布帛は、圧電繊維だけで構成されていてもよいし、圧電繊維と圧電繊維以外の繊維により構成されていてもよい。布帛には、織物、編物、不織布が含まれる。
【0021】
一実施形態における抗菌試験装置100は、抗菌試験対象である布帛1を収容するための収容ケース10を備える。
図4(a)は、布帛が収容されていない状態の収容ケース10の斜視図であり、
図4(b)は、布帛が収容された状態の収容ケース10の斜視図である。また、
図5(a)は、布帛が収容されていない状態の収容ケース10の平面図であり、
図5(b)は、布帛が収容された状態の収容ケース10の平面図である。
図1に示すように、収容ケース10には透明な蓋10aが設けられているが、
図4および
図5では、蓋10aを省略して示している。
【0022】
収容ケース10内には、布帛1を固定するための第1のL字フック11と第2のL字フック12が設けられている。第1のL字フック11は、布帛1の第1の位置を固定する第1の固定部として機能し、第2のL字フック12は、布帛1の第2の位置を固定する第2の固定部として機能する。
【0023】
本実施形態では、
図4および
図5に示すように、2つの第1のL字フック11を1組として第1の固定部が構成され、2つの第2のL字フック12を1組として第2の固定部が構成されている。ただし、第1の固定部を構成する第1のL字フック11の数が2つに限定されることはないし、第2の固定部を構成する第2のL字フック12の数が2つに限定されることもない。
【0024】
本実施形態では、リング状の布帛1に第1の金具2aおよび第2の金具2bを取り付け、第1の金具2aを第1のL字フック11に固定し、第2の金具2bを第2のL字フック12に固定する。第1の金具2aおよび第2の金具2bはそれぞれリング状の形状を有し、
図4(b)および
図5(b)に示すように、布帛1をリング内に入れるための切り欠き2kが設けられている。
【0025】
すなわち、布帛1に取り付けた第1の金具2aを第1のL字フック11に引っかけ、布帛1に取り付けた第2の金具2bを第2のL字フック12に引っかけることにより、布帛1を固定する。
【0026】
本実施形態では、収容ケース10内に3つの布帛1を収容できるように、2つの第1のL字フック11の組(第1の固定部)と、2つの第2のL字フック12の組(第2の固定部)がそれぞれ3つ設けられている。ただし、第1の固定部および第2の固定部の数、すなわち、収容ケース10内に収容できる布帛1の数が3つに限定されることはない。
【0027】
収容ケース10は、蓋10aを閉めると密閉できるように構成されている。蓋10aは透明であり、例えば抗菌試験中に、内部に収容された布帛1を、蓋10aを介して視認することができる。
【0028】
図2に示すように、第1のL字フック11は、ワークセットブロック21に取り付けられている。ワークセットブロック21は、第2のL字フック12が設けられている側とは反対方向に伸びる第1のシャフト22と接続されている。第1のシャフト22の先端には、第3のL字フック23が接続されている。第3のL字フック23は、
図2に示すように、収容ケース10の外側に設けられている。
【0029】
第3のL字フック23には、ワイヤ24の一端が取り付けられており、ワイヤ24の他端には錘25が取り付けられている。第3のL字フック23に取り付けられているワイヤ24は、支点26までは水平に延びており、支点26からは鉛直下方に延びている。
【0030】
第3のL字フック23に錘25が取り付けられていない状態を基準として、錘25が取り付けられると、ワイヤ24を介して第3のL字フック23が
図2の矢印Y1の方向に引っ張られる。第3のL字フック23、シャフト22、ワークセットブロック21、および、第1のL字フック11は、X軸方向に移動可能に構成されているため、第3のL字フック23が矢印Y1の方向に引っ張られることにより、第3のL字フック23、シャフト22、ワークセットブロック21、および、第1のL字フック11が一体的に矢印Y1の方向に移動する。これにより、布帛1には、所定の張力が加わる。
【0031】
すなわち、ワークセットブロック21、シャフト22、L字フック23は、布帛1に含まれる圧電繊維を構成する糸に張力が加わるように、第1のL字フック11の位置を調整する位置調整部として機能する。
【0032】
ワイヤ24に取り付ける錘25は交換することができる。すなわち、ワイヤ24に、重さの異なる錘25を取り付けることにより、第1のL字フック11の位置を調整することができる。これにより、抗菌試験を行う前の初期状態で、布帛1に含まれる圧電繊維を構成する糸に加える張力の大きさを調整することができる。
【0033】
なお、抗菌試験を行うときには、錘25が取り付けられた状態で、第1のL字フック11の位置が変動しないように固定される。
【0034】
本実施形態における抗菌試験装置100は、布帛1に含まれる圧電繊維を構成する糸に張力が加わるように、第2のL字フック12を駆動する駆動部13を備える。
図6は、駆動部13の拡大図である。
【0035】
駆動部13は、モータ31と、回転軸32と、偏心カム33と、カムフォロア34と、スライド板35と、第2のシャフト36と、ガイド37と、バネ38とを備える。
【0036】
モータ31は、回転軸32と接続されており、回転軸32は、偏心カム33と接続されている。カムフォロア34は、スライド板35と接続されている。スライド板35は、第2のシャフト36を介して、接続板39と接続されている。
図5に示すように、第2のシャフト36は、収容ケース10の側壁を貫通するような態様で設けられている。
【0037】
接続板39には、第2のL字フック12が固定されている。本実施形態では、2つの第2のL字フック12を1組として3組設けられており、この3組の第2のL字フック12が接続板39に固定されている。これにより、後述するような方法によって接続板39がX軸方向に動くときに、3組の第2のL字フック12もX軸方向に同時に動く。
【0038】
スライド板35は、X軸方向に延伸しているガイド37に摺動可能に取り付けられている。すなわち、スライド板35は、ガイド37に沿って、X軸方向に移動可能に構成されている。スライド板35は、2つのバネ38を介して、装置本体と接続されている。
【0039】
抗菌試験装置100による試験時にモータ31が回転駆動すると、回転軸32および偏心カム33が回転する。偏心カム33の回転力は、偏心カム33と当接しているカムフォロア34を介してスライド板35に伝達する。上述したように、スライド板35は、ガイド37に沿ってX軸方向に移動可能に構成されているため、偏心カム33が回転することにより、スライド板35がX軸方向に移動する。
【0040】
すなわち、偏心カム33が1回転すると、スライド板35は初期位置からX軸の正方向へと移動した後、バネ38の弾性力によって、再び初期位置へと戻る。上述したように、スライド板35は、第2のシャフト36を介して接続板39と接続されているため、スライド板35の動きに合わせて、接続板39、および、接続板39に固定されている3組の第2のL字フック12もX軸方向に動く。
【0041】
本実施形態における抗菌試験装置100では、モータ31の回転速度を変更することにより、スライド板35の往復運動の速度を変更することができる。モータ31は、スライド板35が例えば3Hzで往復運動するように回転させる。
【0042】
スライド板35が往復運動するときの移動距離は、偏心カム33の形状を変更することによって変更することができる。スライド板35が往復運動するときの片道の移動距離は、例えば10mmとする。
【0043】
抗菌試験装置100による試験時には、第1のL字フック11は固定され、動かない状態となる。したがって、第2のL字フック12がX軸方向に動くことにより、第2のL字フック12に固定されている第2の金具2bも一緒に動き、第2の金具2bに固定されている布帛1に引っ張り力が加わる。これにより、圧電繊維を含む布帛1に電荷が発生する。
【0044】
本実施形態における抗菌試験装置100を用いて、布帛1の抗菌試験を行う方法について説明する。抗菌試験は、所定の菌を付着させた布帛1を静置せずに、歪みを加えること以外は、基本的に「JIS L 1902」で規定されている抗菌試験方法にしたがって行う。以下では、布帛1に黄色ぶどう球菌を付着させて抗菌性を評価する方法について説明する。
【0045】
まず初めに、試験対象である布帛1を収容ケース10内に収容する。具体的には、リング状の布帛1を用意し、布帛1に第1の金具2aおよび第2の金具2bを取り付ける。そして、第1の金具2aを第1のL字フック11に引っかけて固定し、第2の金具2bを第2のL字フック12に引っかけて固定する。本実施形態では、
図1に示すように、試験対象である布帛1を最大で3つ、収容ケース10内に収容することができる。
【0046】
上述したように、第3のL字フック23は、ワイヤ24を介して錘25と接続されている。布帛1を第1のL字フック11および第2のL字フック12に固定した状態で、第1のL字フック11の位置が変動しないように固定する。
【0047】
続いて、収容ケース10内に収容した布帛1に、黄色ぶどう球菌を含む菌液を接種する。ここでは、「JIS L 1902」で規定されている菌液を用意し、用意した菌液を0.2mlずつ数カ所に分けて布帛1に接種する。
【0048】
続いて、布帛1の汚染および乾燥を防ぐために、収容ケース10の蓋10aを閉める。なお、乾燥を防ぐために、収容ケース10内に、水または水を染みこませた紙などを入れておいてもよい。収容ケース内の温度は、所定温度(例えば37℃)となるように調整する。
【0049】
続いて、モータ31を回転駆動させて、布帛1の圧電繊維を構成する糸に張力を加えながら、菌を所定時間培養する。ここでは、「JIS L 1902」で規定されている抗菌試験方法にしたがって、18時間培養する。
【0050】
培養後は、「JIS L 1902」で規定されている抗菌試験方法にしたがって、定量試験(菌液吸収法)を行う。「JIS L 1902」には、定量試験で、菌濃度、ATP濃度、増殖値などを求めることが規定されている。
【0051】
なお、布帛1の抗菌試験を行う際に、比較対象となる、圧電繊維を含まない比較用布帛も収容ケース10内に収容して、同時に抗菌試験を行うようにしてもよい。比較用布帛は、例えば、標準布からなる布帛を用いることができる。
【0052】
また、布帛1に付着させる菌が黄色ぶどう球菌に限定されることはなく、白せん菌など、他の菌を付着させて抗菌試験を行ってもよい。その場合、布帛1に付着させる菌の種類に応じたJIS(日本工業規格)に準じた条件で抗菌試験を行う。
【0053】
なお、抗菌試験の方法については、JISに準じた条件に限られることはなく、種々の方法を用いることができる。例えば、抗菌試験はISOなどの団体規格に規定されたものであってもよく、用途に応じて設計されたものであってもよい。
【0054】
本実施形態における抗菌試験装置100によれば、第1の固定部である第1のL字フック11および第2の固定部である第2のL字フック12に固定されて、所定の菌が付着された布帛1の圧電繊維を構成する糸に張力が加わるように、第2のL字フック12を駆動するように構成されているので、圧電繊維を含む布帛1に電荷を発生させた状態で、抗菌試験を行うことができる。
【0055】
抗菌試験装置100は、布帛1、第1のL字フック11、および、第2のL字フック12を収容する収容ケース10を備えるので、収容ケース10内に布帛1を収容して密閉した状態のまま、布帛1に歪みを加えることができる。
【0056】
抗菌試験装置100は、第1の固定部である第1のL字フック11および第2の固定部である第2のL字フック12を複数組備えるので、複数の布帛に対して同時に抗菌試験を行うことができる。これにより、圧電繊維を含む、種類の異なる布帛を用いて抗菌試験を同時に行ったり、比較対象となる、圧電繊維を含まない布帛も用いて、抗菌試験を行ったりすることができる。
【0057】
駆動部13は、複数組の第2のL字フック12を同時に駆動するように構成されているので、複数の布帛1を用いて抗菌試験を行うときに、複数の布帛1に同じ歪みを加えることができる。
【0058】
本実施形態における抗菌試験装置100では、駆動部13による第2のL字フック12の駆動が行われていない状態で、布帛1の圧電繊維を構成する糸に張力が加わるように、第1のL字フック11の位置を調整する位置調整部を備える。これにより、駆動部13によって第2のL字フック12を移動させたときに、布帛1に適切な張力が加わるように調整することができる。
【0059】
また、位置調整部は、錘25を用いて、第1のL字フック11を第2のL字フック12から遠ざける方向に移動させることによって、第1のL字フック11の位置を調整するように構成されているので、錘25の重さを調整することによって、布帛1に加わる初期荷重を調整することができる。
【0060】
本実施形態における圧電繊維を含む布帛の抗菌試験方法は、
(a)布帛1の第1の位置を抗菌試験装置100の第1の固定部に固定するとともに、布帛1の第2の位置を抗菌試験装置100の第2の固定部に固定する工程と、
(b)布帛1に所定の菌を付着させる工程と、
(c)第1の固定部および第2の固定部に固定されて所定の菌が付着された布帛1の圧電繊維を構成する糸に張力が加わるように、第2の固定部を所定時間駆動する工程と、
(d)第2の固定部を所定時間駆動した後に、
抗菌試験を行う工程と、
を備える。これにより、圧電繊維を含む布帛1に張力を加えて電荷を発生させた状態で、抗菌試験を行うことができる。
【0061】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0062】
例えば、抗菌試験装置100は、抗菌試験対象である布帛1を収容して密閉するための収容ケース10を備えるものとして説明したが、密閉空間で抗菌試験を行う場合には、収容ケース10を省略することができる。
【0063】
布帛1の圧電繊維を構成する糸に張力が加わるように、第2の固定部である第2のL字フック12を駆動する駆動部13の構成が上記構成に限定されることはない。
【0064】
布帛1の第1の位置を固定する第1の固定部がL字フックに限定されることはなく、布帛1の第2の位置を固定する第2の固定部がL字フックに限定されることもない。また、布帛1は、金具を用いずに直接、第1の固定部および第2の固定部に固定するようにしてもよい。
【0065】
上述した実施形態では、抗菌試験を行う際に、第1の固定部である第1のL字フック11を固定し、第2の固定部である第2のL字フック12を駆動するものとして説明したが、第2のL字フック12を固定し、第1のL字フック11を駆動するように構成してもよい。また、第1のL字フック11および第2のL字フック12の両方を駆動するようにしてもよい。
【0066】
すなわち、駆動部13は、布帛1の圧電繊維を構成する糸に張力が加わるように、第1の固定部および第2の固定部のうちの少なくとも一方の固定部を駆動するように構成されていればよい。
【0067】
上述した実施形態では、抗菌試験を行うときに、布帛1を第1のL字フック11および第2のL字フック12に固定してから、所定の菌を付着したが、所定の菌を付着してから、第1のL字フック11および第2のL字フック12に布帛1を固定するようにしてもよい。