(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記周辺車両情報は、前記周辺車両の走行状態を示す情報、前記周辺車両の乗員数を示す情報、前記周辺車両の種別を示す情報、前記周辺車両の運転モードを示す情報、および前記周辺車両の運転者の属性を示す情報の少なくとも何れか1つが含まれる情報である
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の運転支援装置。
前記制御部は、前記自車両の乗員数に基づいて、前記周辺車両までの距離ごとに、または前記周辺車両が走行する車線ごとに、前記周辺車両の前記周辺車両情報に含まれる情報のうちの前記運転支援処理に用いる情報の種別を選択する
請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の運転支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本技術を適用した実施の形態について説明する。
【0026】
〈第1の実施の形態〉
〈車両の構成例〉
本技術は、自車両の乗員数に応じた領域(範囲)内の周辺車両から周辺車両情報を受信し、受信した周辺車両情報に基づいて自車両と周辺車両との衝突を回避するための運転支援処理を行うことで、適切な運転支援を実現することができるようにするものである。
【0027】
なお、ここでいう運転支援とは支援運転や自律運転など任意の運転モードでの車両の運転時に行われる走行制御をいうが、以下では本技術が適用された車両が支援運転を行っているときに、適宜、運転支援処理が実行される場合を例として説明を続ける。また、以下では、本技術が乗用車(自動車)に適用される場合を例として説明するが、本技術は電気自動車やハイブリッド電気自動車等の自動車の他、自動二輪車、自転車、電動車椅子、パーソナルモビリティ、飛行機、船舶、ロボット等の移動体に適用可能である。
【0028】
それでは以下、より具体的な実施の形態について説明する。
【0029】
図1は、本技術を適用した車両の一実施の形態の構成例を示す図である。
【0030】
図1に示す車両11は、フロントセンシングカメラ21、フロントカメラECU(Electronic Control Unit)22、位置情報取得部23、表示部24、通信部25、ステアリング機構26、レーダ27、ライダ28、サイドビューカメラ29、サイドビューカメラECU30、統合ECU31、フロントビューカメラ32、フロントビューカメラECU33、制動装置34、エンジン35、発電機36、駆動用モータ37、バッテリ38、リアビューカメラ39、リアビューカメラECU40、車速検出部41、およびヘッドライト42を有している。
【0031】
車両11に設けられた各ユニットは、CAN(Controller Area Network)通信用のバスや他の接続線などにより相互に接続されているが、ここでは図を見やすくするため、それらのバスや接続線が特に区別されずに描かれている。
【0032】
フロントセンシングカメラ21は、例えば車室内のルームミラー近傍に配置されたセンシング専用のカメラからなり、車両11の前方を被写体として撮像し、その結果得られたセンシング画像をフロントカメラECU22に出力する。
【0033】
フロントカメラECU22は、フロントセンシングカメラ21から供給されたセンシング画像に対して適宜、画質を向上させる処理等を施した後、センシング画像に対して画像認識を行って、センシング画像から白線や歩行者などの任意の物体を検出する。フロントカメラECU22は、画像認識の結果をCAN通信用のバスに出力する。
【0034】
位置情報取得部23は、例えばGPS(Global Positioning System)などの位置情報計測システムからなり、車両11の位置を検出して、その検出結果を示す位置情報をCAN通信用のバスに出力する。
【0035】
表示部24は、例えば液晶表示パネルなどからなり、インストルメントパネルの中央部分、ルームミラー内部などの車室内の所定位置に配置されている。また、表示部24はウィンドシールド(フロントガラス)部分に重畳して設けられた透過型ディスプレイであってもよいし、カーナビゲーションシステムのディスプレイであってもよい。表示部24は、統合ECU31の制御に従って各種の画像を表示する。
【0036】
通信部25は、車車間通信や車歩間通信、路車間通信等の各種の無線通信により、周辺車両や、歩行者が所持する携帯型端末装置、路側機、外部のサーバとの間で情報の送受信を行う。例えば通信部25は周辺車両と車車間通信を行って、周辺車両から乗員数や走行状態を示す情報を含む周辺車両情報を受信し、統合ECU31に供給する。
【0037】
ステアリング機構26は、運転者によるハンドル操作、または統合ECU31から供給された制御信号に応じて車両11の走行方向の制御、すなわち舵角制御を行う。レーダ27は、ミリ波等の電磁波を用いて前方や後方などの各方向にある車両や歩行者といった対象物までの距離を測定する測距センサであり、対象物までの距離の測定結果を統合ECU31等に出力する。ライダ28は、光波を用いて前方や後方などの各方向にある車両や歩行者といった対象物までの距離を測定する測距センサであり、対象物までの距離の測定結果を統合ECU31等に出力する。
【0038】
サイドビューカメラ29は、例えばサイドミラーの筐体内やサイドミラー近傍に配置されたカメラであり、運転者の死角となる領域を含む車両11の側方の画像(以下、側方画像とも称する)を撮像し、サイドビューカメラECU30に供給する。
【0039】
サイドビューカメラECU30は、サイドビューカメラ29から供給された側方画像に対して、ホワイトバランス調整などの画質を向上させる画像処理を施すとともに、得られた側方画像をCAN通信用のバスとは異なるケーブルを介して統合ECU31に供給する。
【0040】
統合ECU31は、運転制御ECU51やバッテリECU52などの車両11の中央に配置された複数のECUからなり、車両11全体の動作を制御する。
【0041】
例えば運転制御ECU51は、ADAS(Advanced Driving Assistant System)機能や自律運転(Self driving)機能を実現するECUであり、フロントカメラECU22からの画像認識結果、位置情報取得部23からの位置情報、通信部25から供給された周辺車両情報等の各種の情報、レーダ27やライダ28からの測定結果、車速検出部41からの車速の検出結果などに基づいて、車両11の運転(走行)を制御する。すなわち、運転制御ECU51は、ステアリング機構26や、制動装置34、エンジン35、駆動用モータ37等を制御して車両11の運転を制御する。また、運転制御ECU51は、フロントカメラECU22から画像認識結果として供給された、対向車のヘッドライトの有無等に基づいてヘッドライト42を制御してハイビームとロービームの切り替えなどヘッドライト42によるビーム照射を制御する。
【0042】
なお、統合ECU31では、ADAS機能や自律運転機能、ビーム制御などの機能ごとに専用のECUを設けるようにしてもよい。
【0043】
また、バッテリECU52は、バッテリ38による電力の供給等を制御する。
【0044】
フロントビューカメラ32は、例えばフロントグリル近傍に配置されたカメラからなり、運転者の死角となる領域を含む車両11の前方の画像(以下、前方画像とも称する)を撮像し、フロントビューカメラECU33に供給する。
【0045】
フロントビューカメラECU33は、フロントビューカメラ32から供給された前方画像に対して、ホワイトバランス調整などの画質を向上させる画像処理を施すとともに、得られた前方画像をCAN通信用のバスとは異なるケーブルを介して統合ECU31に供給する。
【0046】
制動装置34は、運転者によるブレーキ操作、または統合ECU31から供給された制御信号に応じて動作し、車両11を停車させたり減速させたりする。エンジン35は、車両11の動力源であり、統合ECU31から供給された制御信号に応じて駆動する。
【0047】
発電機36は、統合ECU31により制御され、エンジン35の駆動に応じて発電する。駆動用モータ37は、車両11の動力源であり、発電機36やバッテリ38から電力の供給を受け、統合ECU31から供給された制御信号に応じて駆動する。なお、車両11の走行時にエンジン35を駆動させるか、または駆動用モータ37を駆動させるかは、適宜、統合ECU31により切り替えられる。
【0048】
バッテリ38は、例えば12Vのバッテリや200Vのバッテリなどを有しており、バッテリECU52の制御に従って車両11の各部に電力を供給する。
【0049】
リアビューカメラ39は、例えばテールゲートのナンバープレート近傍に配置されるカメラからなり、運転者の死角となる領域を含む車両11の後方の画像(以下、後方画像とも称する)を撮像し、リアビューカメラECU40に供給する。例えばリアビューカメラ39は、図示せぬシフトレバーがリバース(R)の位置に移動されると起動される。
【0050】
リアビューカメラECU40は、リアビューカメラ39から供給された後方画像に対して、ホワイトバランス調整などの画質を向上させる画像処理を施すとともに、得られた後方画像をCAN通信用のバスとは異なるケーブルを介して統合ECU31に供給する。
【0051】
車速検出部41は、車両11の車速を検出するセンサであり、車速の検出結果を統合ECU31に供給する。なお、車速検出部41において、車速の検出結果から加速度や加速度の微分が算出されるようにしてもよい。例えば算出された加速度は、車両11の物体との衝突までの時間の推定などに用いられる。
【0052】
ヘッドライト42は、統合ECU31から供給された制御信号に応じて動作し、ビームを出力することで車両11の前方を照明する。
【0053】
また、車両11では、
図2に示すようにフロントカメラモジュール71、通信部25、運転制御ECU51、ステアリング機構26、制動装置34、エンジン35、駆動用モータ37、およびヘッドライト42を含む複数のユニットがCAN通信用のバス72により相互に接続されている。なお、
図2において
図1における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0054】
この例では、フロントカメラモジュール71はレンズ81、イメージセンサ82、フロントカメラECU22、およびMCU(Module Control Unit)83を有している。
【0055】
また、レンズ81およびイメージセンサ82によってフロントセンシングカメラ21が構成されており、イメージセンサ82は例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどからなる。
【0056】
フロントカメラモジュール71では、被写体からの光がレンズ81によってイメージセンサ82の撮像面上に集光される。イメージセンサ82は、レンズ81から入射した光を光電変換することでセンシング画像を撮像し、フロントカメラECU22に供給する。
【0057】
フロントカメラECU22は、イメージセンサ82から供給されたセンシング画像に対して、例えばゲイン調整やホワイトバランス調整、HDR(High Dynamic Range)処理などを施した後、センシング画像に対して画像認識を行う。
【0058】
画像認識では、例えば白線や縁石、歩行者、車両、ヘッドライト、ブレーキライト、道路標識、前方車両との衝突までの時間などの認識(検出)が行われる。これらの画像認識の認識結果は、MCU83でCAN通信用の形式の信号に変換され、バス72へと出力される。
【0059】
また、バス72から供給された情報は、MCU83でフロントカメラモジュール71用に定められた形式の信号に変換され、フロントカメラECU22へと供給される。
【0060】
運転制御ECU51は、MCU83からバス72に出力された画像認識の結果と、レーダ27やライダ28等の他のユニットから供給された情報とに基づいて、適宜、ステアリング機構26や制動装置34、エンジン35、駆動用モータ37、ヘッドライト42などを制御する。これにより走行方向の変更、ブレーキ、加速、発進等の運転制御や、警告通知制御、ビームの切り替え制御などが実現される。
【0061】
また、運転制御ECU51が自律運転機能等を実現する場合には、例えばフロントカメラECU22で得られた各時刻の画像認識結果から、運転制御ECU51において、さらに対象物体の位置の軌跡が認識され、その認識結果が通信部25を介して外部のサーバに送信されるようにしてもよい。そのような場合、例えばサーバではディープニューラルネット等の学習が行われて必要な辞書等が生成され、車両11へと送信される。車両11では、このようにして得られた辞書等が通信部25により受信され、受信された辞書等が運転制御ECU51での各種の予測などに用いられる。
【0062】
なお、運転制御ECU51により行われる制御のうち、センシング画像に対する画像認識の結果のみから実現できる制御については、運転制御ECU51ではなくフロントカメラECU22により行われるようにしてもよい。
【0063】
具体的には、例えばフロントカメラECU22は、センシング画像に対する画像認識により得られた対向車のヘッドライトの有無に基づいて、ヘッドライト42を制御してもよい。この場合、例えばフロントカメラECU22は、ロービームとハイビームの切り替え等を指示する制御信号を生成し、MCU83およびバス72を介してヘッドライト42に制御信号を供給することで、ヘッドライト42によるビーム切り替えを制御する。
【0064】
その他、例えばフロントカメラECU22が、センシング画像に対する画像認識により得られた白線や縁石、歩行者などの認識結果に基づいて、対象物への衝突の警告通知や走行車線(レーン)からの逸脱の警告通知等を生成し、MCU83を介してバス72に出力することで、警告通知の制御を行うようにしてもよい。この場合、フロントカメラECU22から出力された警告通知は、例えば表示部24や図示せぬスピーカ等に供給される。これにより、表示部24において警告表示を行ったり、スピーカにより警告メッセージを出力したりすることができる。
【0065】
さらに、車両11では、例えば駐車時などにおいて表示部24に合成画像を表示することでアラウンドビューモニタ機能が実現される。
【0066】
すなわち、例えば
図3に示すように各部で得られた前方画像、後方画像、および側方画像がCAN通信用のバスとは異なるケーブルを介して、統合ECU31に設けられた画像合成ECU101に供給され、それらの画像から合成画像が生成される。なお、
図3において
図1における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0067】
図3では、
図1に示したサイドビューカメラ29として、車両11の左側に配置されたサイドビューカメラ29Lと、車両11の右側に配置されたサイドビューカメラ29Rとが設けられている。また、サイドビューカメラECU30として、車両11の左側に配置されたサイドビューカメラECU30Lと、車両11の右側に配置されたサイドビューカメラECU30Rとが設けられている。
【0068】
画像合成ECU101には、フロントビューカメラ32で得られた前方画像がフロントビューカメラECU33から供給され、リアビューカメラ39で得られた後方画像がリアビューカメラECU40から供給される。また、画像合成ECU101には、サイドビューカメラ29Lで得られた側方画像(以下、特に左側方画像とも称する)がサイドビューカメラECU30Lから供給され、サイドビューカメラ29Rで得られた側方画像(以下、特に右側方画像とも称する)がサイドビューカメラECU30Rから供給される。
【0069】
画像合成ECU101は、供給されたこれらの画像に基づいて前方画像、後方画像、左側方画像、および右側方画像を対応する領域に配置した合成画像を生成するとともに、得られた合成画像を表示部24に供給し、表示させる。運転者は、このようにして表示された合成画像を確認しながら車両11を運転することで、安全かつ容易に駐車を行うことができる。なお、統合ECU31が合成画像に基づいて車両11の駆動を制御し、駐車を行うようにしてもよい。
【0070】
また、運転制御ECU51により複数の異なる機能の制御を行うのではなく、例えば
図4に示すように制御内容ごとに、すなわち機能ごとに制御部を設けるようにしてもよい。なお、
図4において
図2における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0071】
図4に示す例では、CAN通信用のバス72にはフロントカメラモジュール71、通信部25、ステアリング機構26、制動装置34、エンジン35、駆動用モータ37、ヘッドライト42、ビーム制御部111、警告通知制御部112、ステアリング制御部113、ブレーキ制御部114、およびアクセル制御部115を含む複数のユニットが接続されている。
【0072】
この例では、
図2の例において運転制御ECU51により行われていた制御が、ビーム制御部111、警告通知制御部112、ステアリング制御部113、ブレーキ制御部114、およびアクセル制御部115により分担されて行われる。
【0073】
具体的には、例えばビーム制御部111は、フロントカメラECU22で得られた画像認識の結果等に基づいてヘッドライト42を制御することでロービームとハイビームの切り替え制御を行う。また、警告通知制御部112は、フロントカメラECU22で得られた画像認識の結果等に基づいて表示部24への各種の警告表示や図示せぬスピーカでの警告メッセージの出力など、警告通知の制御を行う。
【0074】
ステアリング制御部113は、フロントカメラECU22で得られた画像認識の結果、レーダ27やライダ28からの測定結果等に基づいてステアリング機構26を制御することで、車両11の走行方向の制御を行う。ブレーキ制御部114は、フロントカメラECU22で得られた画像認識の結果、レーダ27やライダ28からの測定結果等に基づいて制動装置34を制御することで、車両11の走行停止や減速の制御を行う。
【0075】
さらに、アクセル制御部115は、フロントカメラECU22で得られた画像認識の結果、レーダ27やライダ28からの測定結果等に基づいてエンジン35や駆動用モータ37を制御することで、車両11の発進や加速の制御を行う。
【0076】
〈車両の機能的な構成例〉
次に、
図1に示した車両11が周辺車両との衝突を回避するための運転支援を行うための機能的な構成例について説明する。
図5は、そのような場合における車両11の機能的な構成例を示す図である。なお、
図5において
図1における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0077】
図5に示す車両11は通信部25、自車乗員情報取得部141、制御部142、および表示部24を有しており、運転支援を行う運転支援装置として機能する。
【0078】
自車乗員情報取得部141は、車両11に乗車している乗員の数を示す情報、車両11における乗員の乗車位置を示す情報、および各乗員の属性を示す情報を含む自車乗員情報を取得して、制御部142に供給する。ここで、乗員の属性とは、例えば乗員が大人であるか、または子供であるかなどである。
【0079】
例えば自車乗員情報取得部141は室内カメラを有しており、車両11の室内を撮像して得られた室内画像から人を検出し、その検出結果から自車乗員情報を得る。その他、自車乗員情報取得部141は車両11の室内のシートベルトの着用状況を検出し、その検出結果から自車乗員情報を得るようにしてもよいし、乗員等による乗員数や乗車位置についての操作入力に基づいて自車乗員情報を得るようにしてもよい。
【0080】
制御部142は、例えば
図1に示した統合ECU31、特に運転制御ECU51により実現され、車両11で行われる運転支援処理を実行する。制御部142は、情報取得部151、領域決定部152、運転支援処理部153、および表示制御部154を有している。
【0081】
情報取得部151は、適宜、通信部25を制御して、車両11の周囲に存在する周辺車両との車車間通信により周辺車両情報を受信させ、受信された周辺車両情報を通信部25から取得する。周辺車両情報は、一定時間間隔で、つまり定期的に取得されるようにしてもよいし、不定期に取得されるようにしてもよい。
【0082】
領域決定部152は、自車乗員情報に基づいて、車車間通信により周辺車両情報を受信する範囲である受信領域を決定する。換言すれば、領域決定部152は、自車乗員情報により示される乗員数等に応じて、周辺車両情報を受信する受信領域を変更する。ここで、受信領域は車両11を中心とする所定範囲の領域とされる。
【0083】
運転支援処理部153は、情報取得部151により取得された周辺車両情報に基づいて、車両11の走行を制御する処理である運転支援処理を行う。
【0084】
この運転支援処理は、例えば車両11と周辺車両との衝突を回避するための処理である。具体的には、例えば車両11の前後を走行する周辺車両との車間距離を制御する処理や、車両11の車線変更を制御する処理、車両11の急ブレーキ、つまり急停車や急激な減速を制御する処理などが運転支援処理として行われる。
【0085】
表示制御部154は、表示部24を制御して各種の画像を表示させる。
【0086】
〈周辺車両情報の例〉
ところで、車両11が運転支援処理を行うときには、車車間通信により周辺車両から受信された周辺車両情報が用いられる。
【0087】
この周辺車両情報には、周辺車両に関する1または複数の種別の情報が含まれている。例えば、周辺車両情報には
図6に示すように周辺車両の乗員数を示す情報や、周辺車両の走行状態を示す情報などが含まれている。
【0088】
すなわち、
図6に示す例では図中、上側の欄に示すように周辺車両情報には端末ID、時刻情報、位置情報、移動体種別情報、運転モード情報、乗員数情報、走行情報、およびドライバ属性情報が含まれている。
【0089】
端末IDは、周辺車両情報の送信元である周辺車両を識別する車両IDであり、時刻情報は周辺車両情報の送信時刻を示す情報である。
【0090】
また、位置情報は、周辺車両情報の送信時における周辺車両の緯度と経度などの位置を示す情報であり、移動体種別情報は、一般車両や大型車両、二輪車などの周辺車両の種別を示す情報である。
【0091】
運転モード情報は、周辺車両が手動運転、支援運転、自律運転等、どの運転モードで運転されているかを示す情報であり、乗員数情報は周辺車両に乗車している乗員の数を示す情報である。
【0092】
さらに走行情報は、周辺車両が急ブレーキを行った、つまり急停車または急激な減速をした、通常走行中である、停車中である、右折を行うなどの周辺車両の走行状態を示す情報である。なお、走行情報に周辺車両の走行速度等の情報が含まれるようにしてもよい。
【0093】
ドライバ属性情報は、例えば健常者、高齢者、その他弱者などの周辺車両の運転者の属性を示す情報である。
【0094】
また、ここでは周辺車両情報の例として端末ID、時刻情報、位置情報、移動体種別情報、運転モード情報、乗員数情報、走行情報、およびドライバ属性情報が含まれる例について説明するが、周辺車両情報は周辺車両に関する情報であればどのようなものであってもよい。例えば周辺車両情報は、
図6に示した各情報のうちの少なくとも何れか1つが含まれるようなものであってもよい。
【0095】
車両11では、このような周辺車両情報に基づいて、車両11の運転が制御される。
【0096】
特に、車両11では、車両11の乗員数に応じて受信領域を決定することで、衝突回避のために必要な周辺車両情報を選択的に得ることができるようにした。これにより、適切な運転支援を実現することができるようになる。
【0097】
具体的には、例えば車両11の乗員数が多い場合、車両11がブレーキを行って停車しようとしても、完全に停車するまでに時間がかかるだけでなく、その間、車両11は進行方向へと進むことになる。
【0098】
そのため、例えば車両11が前方車両の急停車に応じて自身も急停車する場合に、前方車両との衝突を回避するためには、車両11の乗員数が多いときほど、より早いタイミングで急ブレーキを行う必要がある。
【0099】
このような場合に、例えば車両11の1つ前を走行する車両の走行状態だけでなく、車両11の2つ前を走行する車両の走行状態も把握することができれば、車両11は、より早いタイミングで急ブレーキや減速などの適切な運転支援を行うことができる。
【0100】
そこで、車両11では、車両11の乗員数に応じた受信領域を決定し、その受信領域内の周辺車両から周辺車両情報を受信することで、より適切な運転支援を行うことができるようにした。
【0101】
例えば、一例として車両11の乗員数が2名であるときには、車両11の前方4メートルの範囲が受信領域とされる。そして、その受信領域内に存在する周辺車両から車車間通信により周辺車両情報が受信され、受信された周辺車両情報に基づいて衝突回避のための運転支援が行われる。
【0102】
これに対して、例えば車両11の乗員数が4名であるときには、車両11の前方10メートルの範囲が受信領域とされる。そして、その受信領域内に存在する周辺車両から車車間通信により周辺車両情報が受信され、受信された周辺車両情報に基づいて衝突回避のための運転支援が行われる。
【0103】
運転支援時には、例えば周辺車両情報に含まれる周辺車両の運転モード情報や、走行情報、ドライバ属性情報、乗員数情報、移動体種別情報などが常時監視され、それらの監視結果に基づいて車両11の運転が制御される。
【0104】
例えば車両11の1つ前を走行する車両が、車両11の前方4メートルの位置にあり、車両11の2つ前を走行する車両が、車両11の前方10メートルの位置にあるとする。また、車両11の2つ前を走行する車両が自律運転中に急停車し、それに伴い、車両11の1つ前を走行する車両も急停車したとする。
【0105】
このとき、受信領域を車両11の前方4メートルの範囲としていた場合には、車両11は2つ前を走行する車両の周辺車両情報を得ることができないので、その車両の急停車を検知することはできない。そのため、車両11は1つ前の車両の急停車を検知し、自身も急停車することになる。
【0106】
この場合、車両11の乗員数が少ないときには、車両11は直ちに停車することができるので衝突の発生を十分に回避することが可能であるが、車両11の乗員数が多いと、車両11とその1つ前の車両とが衝突してしまう可能性がある。
【0107】
これに対して、受信領域を車両11の前方10メートルの範囲としていた場合には、車両11は2つ前を走行する車両の周辺車両情報を得ることができるので、その車両の急停車を検知することが可能である。したがって、この場合には車両11は、2つ前の車両の急停車を検知した時点で、つまり1つ前の車両の急停車前に、自身の走行速度を減速させるなどして、1つ前の車両と衝突することなく停車することができる。
【0108】
このように、車両11の乗員数が多いほど受信領域をより広くすることで、衝突回避のための適切な運転支援を実現することができる。
【0109】
なお、以下では、車両11と周辺車両との区別を分かり易くするため、運転支援処理を行う車両11を、適宜、自車両11または自車両とも記すこととする。
【0110】
〈運転制御処理の説明〉
次に、以上において説明したように自車両の乗員数に応じて受信領域を変更し、運転支援を行う場合の処理の流れについて説明する。すなわち、以下、
図7のフローチャートを参照して、車両11により行われる運転制御処理について説明する。
【0111】
ステップS11において、自車乗員情報取得部141は、自車両11の乗員数や、乗員の乗車位置、乗員の属性を示す自車乗員情報を取得して、制御部142に供給する。例えば自車乗員情報の取得は、室内画像からの人の検出や、シートベルトの着用状況の検出、乗員数等についての操作入力などにより行われる。
【0112】
ステップS12において、領域決定部152は、ステップS11で取得された自車乗員情報に基づいて、車車間通信を行う受信領域を決定する。
【0113】
例えば、領域決定部152は自車乗員情報により示される乗員数が多いほど、受信領域がより広くなるように受信領域を決定する。具体的には、例えば自車両11の乗員数が4名である場合には、自車両11の前後10メートルの範囲の領域が受信領域とされ、自車両11の乗員数が2名である場合には、自車両11の前後4メートルの範囲の領域が受信領域とされる。
【0114】
ステップS13において、情報取得部151は、ステップS12の処理で決定された受信領域内にいる周辺車両の周辺車両情報を取得する。
【0115】
すなわち、情報取得部151は通信部25を制御して、通信部25に受信領域内にいる周辺車両と車車間通信を行わせ、その周辺車両から周辺車両情報を受信させる。そして、情報取得部151は、受信された周辺車両情報を通信部25から取得する。
【0116】
ステップS14において、表示制御部154は表示部24を制御して、ステップS12の処理で決定された受信領域について、その受信領域の表示を行わせる。換言すれば、制御部142により、受信領域に関する情報の提示が制御される。
【0117】
例えば表示部24がウィンドシールド(フロントガラス)部分に設けられた透過型ディスプレイである場合、表示制御部154は
図8に示すような受信領域を示す受信領域情報R11を表示部24に表示させる。
【0118】
図8に示す例では、自車両11と同じ車線の所定範囲の領域を囲う枠が受信領域情報R11として表示されている。このように受信領域情報R11を表示することで、運転者は視覚的に受信領域を把握することができる。
【0119】
なお、受信領域情報R11とともに、例えば受信領域について説明する文字メッセージ「前方4メートルV2V受信中」なども表示部24に表示させたり、受信領域について説明する音声メッセージを出力したりするようにしてもよい。また、表示制御部154が表示部24を制御して、受信領域内に存在する周辺車両が枠で囲まれるなど、受信領域内の周辺車両を視覚的に把握できるような表示を行うようにしてもよい。
【0120】
さらに、ここでは受信領域とする領域の範囲(大きさ)は、自車両11の乗員数に応じて決定されるが、自車両の乗員数に応じて自車両が走行する車線の隣の車線も受信領域に含めるかなども定められるようにしてもよい。
【0121】
例えば自車両11の隣の車線も受信領域とする場合、表示部24がウィンドシールド部分に設けられた透過型ディスプレイであるときには、表示制御部154は
図9に示すような受信領域を示す受信領域情報R21を表示部24に表示させる。
【0122】
この例では自車両11と同じ車線だけでなく、その車線に隣接する車線も含む所定範囲の領域を囲う枠が受信領域情報R21として表示されている。
【0123】
さらに、受信領域の表示にあたっては、受信領域を示す枠を表示するのではなく、受信領域内にいる周辺車両を特定することができるような、つまりどの周辺車両から周辺車両情報を受信しているかを特定できるような表示を行うようにしてもよい。
【0124】
そのような場合、例えば表示制御部154は、
図10に示すような文字メッセージを表示部24に表示させる。
【0125】
図10に示す例では、表示部24はカーナビゲーションシステムのディスプレイとしても用いられており、表示部24では、カーナビゲーションのための表示画面に重畳されて、受信領域について説明するメッセージMS11が表示されている。
【0126】
特に、この例では、カーナビゲーションの表示画面のうちの自車両11の案内ルートの部分にメッセージMS11としての文字「前方2台V2V受信中」が表示されている。このメッセージMS11を見ることで、運転者は前方を走行する2台の車両から車車間通信(V2V)により周辺車両情報を受信していることを瞬時に把握することができる。すなわち、運転者は前方の2台の車両が受信領域内にあることを把握することができる。
【0127】
図7のフローチャートの説明に戻り、ステップS15において、運転支援処理部153は、ステップS13の処理で取得された周辺車両情報に基づいて運転支援処理を行い、運転制御処理は終了する。
【0128】
具体的には、例えば運転支援処理部153は、周辺車両情報に含まれる移動体種別情報や運転モード情報、乗員数情報、走行情報、ドライバ属性情報などに基づいて、周辺車両との衝突を回避するための運転支援処理を行う。
【0129】
一例として、例えば前方車両の走行情報により、その前方車両の急停車(急ブレーキ)が検知されたとする。そのような場合、運転支援処理部153は、急ブレーキを指示する制御信号を生成して制動装置34に供給し、制動装置34に急ブレーキを行わせることで、衝突回避のための運転支援処理として急ブレーキを制御する処理を行う。
【0130】
なお、その他、衝突回避のための運転支援処理として、周辺車両情報に基づいて、自車両11と前方車両や後方車両との車間距離を制御する処理や、自車両11の車線変更を制御する処理などが行われるようにしてもよい。そのような場合、運転支援処理部153は、適宜、駆動を制御するための制御信号を生成して制動装置34やエンジン35、駆動用モータ37、ステアリング機構26のうちの必要なブロックに供給し、それらのブロックの駆動を制御することで、衝突回避のための運転支援処理を行う。
【0131】
以上のようにして車両11は、自車両11の乗員数に応じて受信領域を決定し、決定した受信領域内の周辺車両から周辺車両情報を受信して運転支援処理を行う。このようにすることで、衝突の発生に対する影響の大きい自車両11と周辺車両の両方の状態を考慮し、適切な運転支援を行うことができる。特に、乗員数に応じて受信領域を決定することで、必要な情報を選択的に取得し、適切な運転支援を行うことができる。
【0132】
〈第1の実施の形態の変形例1〉
〈受信領域の決定について〉
なお、
図7を参照して説明した運転制御処理では、自車両11の乗員数のみに基づいて受信領域を決定する場合について説明したが、自車両11の乗員数だけでなく、自車両11の乗員の属性や乗車位置も用いて受信領域を決定するようにしてもよい。
【0133】
例えば自車乗員情報取得部141で得られる自車乗員情報には、自車両11についての乗員数、乗員の属性、および乗車位置を示す情報が含まれている。そのため、領域決定部152は、自車乗員情報から自車両11に何人の乗員が乗車しているかだけでなく、自車両11のどこの座席にどのような乗員が乗車しているかも把握することができる。
【0134】
そこで、例えば領域決定部152が自車乗員情報に基づいて、すなわち自車両11の乗員数、乗車位置、および乗員の属性に基づいて
図11乃至
図13に示すように受信領域を決定するようにしてもよい。
【0135】
なお、
図11乃至
図13においては、各四角形は車両11の座席を表しており、図中、上側に描かれた座席が車両11の前方側の座席、つまり運転席を含むウィンドシールド側の座席となっている。以下では、
図11乃至
図13において、図中、左上側の座席を前方左側座席とも称し、図中、右上側の座席を前方右側座席とも称し、図中、左下側の座席を後方左側座席とも称し、図中、右下側の座席を後方右側座席とも称することとする。
【0136】
図11乃至
図13に示す例では、領域決定部152は、基本的には以下の規則(1)乃至(4)に従って受信領域の広さ(大きさ)を決定する。
【0137】
(1)受信領域の前後方については、その方向側の座席に乗車している乗員数が多いほど、受信領域のその方向の広さが広くなるようにされる
(2)乗員の総数が多いほど、受信領域の前後方向の広さが広くなるようにされる
(3)受信領域の左右方については、その方向側の座席に乗車している乗員数が多いほど、受信領域のその方向の広さが広くなるようにされる
(4)乗員の属性に応じて、その乗員の乗車位置側の受信領域の広さが決定される
【0138】
具体的には、例えば
図11の矢印Q11に示すように、車両11の前方左側座席と前方右側座席に、それぞれ大人が乗員として乗車していたとする。
【0139】
そのような場合、領域決定部152は、受信領域の前方向の広さを4メートルとし、受信領域の後方向、右方向、および左方向の広さをそれぞれ2メートルとする。
【0140】
これに対して、例えば矢印Q12に示すように前方左側座席に子供が乗車しており、前方右側座席に大人が乗車していたとする。
【0141】
そのような場合、領域決定部152は、受信領域の前方向の広さを5メートルとし、受信領域の左方向の広さを4メートルとし、受信領域の後方向および右方向の広さをそれぞれ2メートルとする。矢印Q12に示す例では、矢印Q11に示した例と比較して、受信領域における子供が乗車している左側の広さがより広くなるようになされている。同様に、受信領域の子供が乗車している側である前方向の広さもより広くなるようになされている。
【0142】
このように受信領域における子供や高齢者などの弱者側の広さをより広くすることで、その弱者側で、より多くの周辺車両情報を得ることができるようになり、弱者が乗車している側での衝突回避の可能性を向上させることができる。
【0143】
また、例えば矢印Q13に示すように後方左側座席に子供が乗車しており、前方右側座席に大人が乗車していたとする。
【0144】
そのような場合、領域決定部152は、受信領域の前方向および後方向の広さを4メートルとし、受信領域の左方向の広さを4メートルとし、受信領域の右方向の広さを2メートルとする。矢印Q13に示す例では、矢印Q11に示した例と比較して、受信領域における子供が乗車している左側と後側の広さがより広くなるようになされている。
【0145】
また、例えば
図12の矢印Q21に示すように車両11の前方左側座席、前方右側座席、および後方左側座席に、それぞれ大人が乗車していたとする。
【0146】
そのような場合、領域決定部152は、受信領域の前方向の広さを8メートルとし、受信領域の後方向の広さを4メートルとし、受信領域の左方向の広さを3メートルとし、受信領域の右方向の広さを2メートルとする。
【0147】
この例では、
図11の矢印Q11に示した例と比較して、乗員の総数が3人となった分だけ受信領域の前方向と後方向の広さが広くなるようになされている。また、車両11の左側の座席に2人の乗員が乗車しているため、受信領域の左側の広さがより広くなるようになされている。
【0148】
さらに、矢印Q22に示すように車両11の前方左側座席および前方右側座席にそれぞれ大人が乗車しており、後方左側座席に子供が乗車していたとする。
【0149】
そのような場合、領域決定部152は、受信領域の前方向の広さを8メートルとし、受信領域の後方向の広さを6メートルとし、受信領域の左方向の広さを4メートルとし、受信領域の右方向の広さを2メートルとする。
【0150】
矢印Q22に示す例は、矢印Q21に示した例における後方左側座席の乗員が大人から子供に変わった例となっている。そのため、この例では、矢印Q21に示した例と比較して、受信領域における子供が乗車している側である後側と左側の広さがより広くなるようになされている。
【0151】
さらに、例えば
図13の矢印Q31に示すように車両11の前方左側座席、前方右側座席、後方左側座席、および後方右側座席に、それぞれ大人が乗車していたとする。
【0152】
そのような場合、領域決定部152は、受信領域の前方向の広さを10メートルとし、受信領域の後方向の広さを7メートルとし、受信領域の左方向および右方向の広さを3メートルとする。
【0153】
この例では、
図11の矢印Q11に示した例と比較して、乗員の総数が4人となった分だけ受信領域の前方向と後方向の広さが広くなるようになされている。また、車両11の左右の各側の座席にもより多くの乗員が乗車しているため、受信領域の左側および右側の広さがより広くなるようになされている。
【0154】
さらに、矢印Q32に示すように車両11の前方左側座席および前方右側座席にそれぞれ大人が乗車しており、後方左側座席および後方右側座席にそれぞれ子供が乗車していたとする。
【0155】
そのような場合、領域決定部152は、受信領域の前方向の広さを10メートルとし、受信領域の後方向の広さを8メートルとし、受信領域の左方向および右方向の広さを4メートルとする。
【0156】
矢印Q32に示す例は、矢印Q31に示した例における後方左側座席および後方右側座席の乗員が大人から子供に変わった例となっている。そのため、この例では、矢印Q31に示した例と比較して、受信領域における子供が乗車している側である後側と左側および右側の広さがより広くなるようになされている。
【0157】
また、矢印Q33に示すように車両11の前方左側座席、前方右側座席、および後方左側座席にそれぞれ大人が乗車しており、後方右側座席に子供が乗車していたとする。
【0158】
そのような場合、領域決定部152は、受信領域の前方向の広さを10メートルとし、受信領域の後方向の広さを8メートルとし、受信領域の左方向の広さを3メートルとし、受信領域の右方向の広さを4メートルとする。
【0159】
矢印Q33に示す例は、矢印Q31に示した例における後方右側座席の乗員が大人から子供に変わった例となっている。そのため、この例では、矢印Q31に示した例と比較して、受信領域における子供が乗車している側である後側と右側の広さがより広くなるようになされている。
【0160】
以上のように、自車両11の乗員数、乗員の属性、および乗車位置に基づいて受信領域を決定することで、より適切な受信領域を定めることができる。なお、受信領域の決定時には、少なくとも乗員数が用いられればよく、乗員の属性と乗車位置については何れか一方のみを用いるようにしてもよいし、それらの両方が用いられるようにしてもよい。
【0161】
〈第2の実施の形態〉
〈運転制御処理の説明〉
また、以上においては車両11が自車両の乗員数等に基づいて受信領域を決定し、その決定した受信領域内の周辺車両から周辺車両情報を受信する場合について説明した。しかし、予め定められた領域内の周辺車両から周辺車両情報を受信しておき、それらの周辺車両情報のなかから、乗員数に応じた広さの領域内の周辺車両の周辺車両情報を選択的に抽出して運転支援に用いるようにしてもよい。
【0162】
以下、
図14のフローチャートを参照して、そのような場合に車両11により行われる運転制御処理について説明する。
【0163】
ステップS41において、情報取得部151は、予め定められた領域内にいる周辺車両の周辺車両情報を取得する。
【0164】
すなわち、情報取得部151は通信部25を制御して、通信部25に、予め定められた領域内にいる周辺車両と車車間通信を行わせ、その周辺車両から周辺車両情報を受信させる。そして、情報取得部151は、受信された周辺車両情報を通信部25から取得する。
【0165】
ここで、予め定められた領域(以下、固定受信領域とも称する)は、例えば車両11が車車間通信を行うことが可能な最大の広さの領域などとされる。そのような場合、とりあえず車両11が取得可能な周辺車両情報を全て取得しておくことになる。
【0166】
このようにして周辺車両情報が取得されると、その後、ステップS42において自車乗員情報が取得されるが、ステップS42の処理は
図7のステップS11の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0167】
ステップS43において、領域決定部152は、ステップS42の処理で取得された自車乗員情報に基づいて、周辺車両情報を用いる使用領域を決定する。
【0168】
ここで、使用領域は、運転支援処理に用いる周辺車両情報を取得する対象となる領域であり、上述した受信領域に相当する。換言すれば、使用領域内の周辺車両から受信された周辺車両情報が運転支援処理に用いられる。但し、使用領域は固定受信領域内の領域、つまり固定受信領域の一部の領域とされる。
【0169】
領域決定部152は、例えば上述した受信領域における場合と同様に、自車乗員情報により示される自車両の乗員数が多いほど使用領域がより広くなるように、乗員数に応じて使用領域を決定する。その他、例えば
図11乃至
図13を参照して説明した受信領域の決定方法と同様の方法で使用領域を決定するようにしてもよい。
【0170】
ステップS44において、運転支援処理部153は、ステップS41で取得された周辺車両情報のなかから、ステップS43で決定された使用領域内の周辺車両から受信した周辺車両情報を選択する。
【0171】
ステップS45において、表示制御部154は表示部24を制御して、ステップS43の処理で決定された使用領域について、その使用領域の表示を行わせる。このステップS45では、
図7のステップS14の処理と同様の処理が行われる。すなわち、例えば
図8や
図9、
図10に示した表示と同様の表示が行われる。
【0172】
ステップS46において、運転支援処理部153は、ステップS44の処理で選択した、使用領域内の周辺車両の周辺車両情報に基づいて運転支援処理を行い、運転制御処理は終了する。ステップS46では、ステップS44の処理で選択された周辺車両情報が用いられて、
図7のステップS15と同様の処理が行われる。
【0173】
以上のようにして車両11は、予め定められた固定受信領域内の周辺車両から周辺車両情報を受信しておき、それらの周辺車両情報のうちの、自車両11の乗員数等に応じて決定された使用領域内の周辺車両から受信した周辺車両情報のみを用いて運転支援処理を行う。このように使用領域よりも広い固定受信領域内の周辺車両から周辺車両情報を受信しておくことで、その後、必要な周辺車両情報のみを選択し、適切な運転支援を行うことができる。このような方法は、乗員数や乗車位置等が頻繁に変化するバスなどに本技術を適用する場合などに特に有用である。
【0174】
また、以上においては、自車両11の乗員数に応じて受信領域や使用領域を決定する例について説明した。しかし、自車両11の直前や直後を走行する周辺車両の乗員数や運転モード、車両の種別、走行速度、自車両11の直前や直後を走行する周辺車両との車間距離なども考慮して受信領域や使用領域を決定するようにしてもよい。
【0175】
そのような場合には、第2の実施の形態では、例えば一旦、可能な限り多くの周辺車両情報を取得しておき、その後、取得した一部の周辺車両情報や自車乗員情報に基づいて使用領域を決定すれば、必要となる周辺車両情報を適切に選択することができる。
【0176】
〈第3の実施の形態〉
〈運転制御処理の説明〉
さらに第2の実施の形態では、とりあえず固定受信領域を対象として周辺車両情報を受信しておく場合について説明した。しかし、受信領域を対象として周辺車両情報を取得しておき、受信領域の変更があったときに、必要に応じてさらに周辺車両情報を追加で取得するようにしてもよい。
【0177】
以下、
図15のフローチャートを参照して、そのような場合に車両11により行われる運転制御処理について説明する。
【0178】
ステップS71において、情報取得部151は、受信領域内にいる周辺車両の周辺車両情報を取得する。
【0179】
ステップS71では
図7のステップS13の処理と同様の処理が行われて周辺車両情報が取得されるが、ここでの受信領域は例えば予め定められた領域とされる。また、ステップS71で用いられる受信領域は、例えばこのステップS71の処理が行われる直前に定められた、つまり最後に周辺車両情報が取得されたときに定められた受信領域とされてもよい。
【0180】
ステップS71の処理が行われて周辺車両情報が取得されると、ステップS72の処理が行われて自車乗員情報が取得されるが、ステップS72の処理は
図7のステップS11の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0181】
ステップS73において、領域決定部152は、ステップS72の処理で取得された自車乗員情報に基づいて受信領域を変更する。すなわち、ステップS73では受信領域が再決定される。
【0182】
具体的には、領域決定部152は、例えば
図7のステップS12における場合と同様に自車両11の乗員数に応じて受信領域を決定してもよいし、
図11乃至
図13を参照して説明した方法により受信領域を決定するようにしてもよい。
【0183】
ステップS74において、領域決定部152は、受信領域を広げるか否かを判定する。
【0184】
例えばステップS71で用いられた受信領域よりもステップS73で決定(変更)された受信領域が広い場合、ステップS74において受信領域を広げると判定される。また、ステップS73で決定された受信領域が、ステップS71で用いられた受信領域内に含まれる領域である場合には、ステップS74では受信領域を広げないと判定される。
【0185】
ステップS74において受信領域を広げないと判定された場合、ステップS75において、運転支援処理部153は、ステップS71で取得した周辺車両情報のなかから、ステップS73での変更後の受信領域内の周辺車両から受信した周辺車両情報を選択する。
【0186】
したがって、例えばステップS73で再決定された受信領域が、ステップS71における受信領域と同じである場合には、ステップS71で取得された全ての周辺車両情報が選択される。
【0187】
これに対して、ステップS73で再決定された受信領域が、ステップS71における受信領域の一部の領域である場合、つまり再決定された受信領域が、再決定前のもとの受信領域よりも狭い領域である場合には、再決定された受信領域内の周辺車両から受信された周辺車両情報が選択される。
【0188】
このようにして周辺車両情報が選択されると、その後、処理はステップS77へと進む。
【0189】
一方、ステップS74において受信領域を広げると判定された場合、すなわち変更後の受信領域が、変更前のもとの受信領域よりも広い場合、ステップS76において、情報取得部151は、変更後の受信領域内にいる周辺車両の周辺車両情報を取得する。
【0190】
ステップS76では、ステップS71の処理と同様の処理が行われて、ステップS73の処理で決定された受信領域内の周辺車両から周辺車両情報が受信され、情報取得部151により周辺車両情報が取得される。
【0191】
なお、ステップS76では、決定された受信領域、つまり変更後の受信領域内にいる全ての周辺車両から周辺車両情報が新たに取得されるようにしてもよいが、変更後の受信領域内にいる周辺車両のうち、ステップS71で周辺車両情報の送信元となっていない周辺車両のみから周辺車両情報を受信するようにしてもよい。つまり、ステップS76では、ステップS71で受信していなかった周辺車両情報のみを受信するようにしてもよい。
【0192】
このようにして変更後の受信領域を対象として周辺車両情報を取得すると、その後、処理はステップS77へと進む。
【0193】
ステップS75の処理が行われたか、またはステップS76の処理が行われると、その後、ステップS77およびステップS78の処理が行われて運転制御処理は終了するが、これらの処理は
図7のステップS14およびステップS15の処理と同様であるので、その説明は省略する。但し、ステップS78では、ステップS73で決定された受信領域内の周辺車両から受信された周辺車両情報、つまりステップS75で選択された周辺車両情報、またはステップS76で取得された周辺車両情報のみが用いられて運転支援処理が行われる。
【0194】
以上のようにして車両11は、受信領域内の周辺車両から周辺車両情報を取得した後、自車乗員情報に基づいて受信領域を変更し、変更後の受信領域が変更前の受信領域よりも広い場合には、変更後の受信領域内にいる周辺車両から周辺車両情報を取得する。そして、車両11は、変更後の受信領域内の周辺車両の周辺車両情報を用いて運転支援処理を行う。このようにすることで、必要に応じて周辺車両情報を追加で取得し、適切な運転支援を行うことができる。
【0195】
なお、
図15を参照して説明した運転制御処理も、第2の実施の形態と同様に乗員数や乗車位置などが変化する場合などに特に有用である。また、
図15を参照して説明した運転制御処理においても、自車乗員情報だけでなく、ステップS71で受信した周辺車両情報も用いられて変更後の受信領域が決定されるようにしてもよい。
【0196】
〈第4の実施の形態〉
〈運転制御処理の説明〉
ところで、周辺車両情報を用いて運転支援処理を行う場合、自車両11に対する周辺車両の位置、つまり自車両11から周辺車両までの距離によって、その周辺車両の周辺車両情報に含まれる情報のうちの運転支援処理に必要となる情報が異なる。換言すれば、自車両11から周辺車両までの距離によって、必要となる情報の種別が異なる。
【0197】
例えば自車両11に4人の乗員が乗車しており、自車両の6メートル前方で前方車両A1が走行しており、自車両の8メートル前方で前方車両A2が走行しており、自車両の10メートル前方で前方車両A3が走行しているとする。
【0198】
このとき、これらの前方車両A1乃至前方車両A3から受信した周辺車両情報を用いて運転支援を行う場合には、自車両11に近い前方車両の情報がより多く必要となる。
【0199】
すなわち、例えば10メートル前方を走行する前方車両A3については、周辺車両情報として、その前方車両A3が通常速度で走行しているかや急停車したかなどの走行状態を示す走行情報があれば、衝突回避のための適切な運転支援を行うには十分である。
【0200】
また、前方車両A3よりも自車両11側を走行する前方車両A2については、例えば周辺車両情報に含まれる情報のうち、走行情報とドライバ属性情報があれば、衝突回避のための適切な運転支援を行うには十分である。
【0201】
これに対して、自車両11の直前を走行する前方車両A1については、衝突回避のための適切な運転支援を実現するには、走行情報やドライバ属性情報の他、運転モード情報や乗員数情報など、より多くの情報が必要となる。
【0202】
このように衝突回避のための適切な運転支援を行うには、自車両11に近い周辺車両ほど、より多くの種別の情報が必要となる。これは、自車両11に近い車両ほど衝突の発生への影響が大きいからである。
【0203】
そこで、周辺車両情報を取得するにあたっては、自車両11の自車乗員情報に基づいて、自車両11からの距離ごとに取得する情報の種別を定めるようにしてもよい。
【0204】
そのような場合、車両11では、例えば
図16に示す運転制御処理が行われる。すなわち、以下、
図16のフローチャートを参照して、車両11による運転制御処理について説明する。なお、ステップS101およびステップS102の処理は、
図7のステップS11およびステップS12の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0205】
ステップS103において、領域決定部152は自車乗員情報に基づいて、自車両11からの距離ごとに周辺車両情報として取得する情報の種別を決定する。すなわち、自車両11から周辺車両までの距離ごとに、周辺車両情報に含まれる情報のうちの運転支援処理に用いる情報が決定(選択)される。
【0206】
具体的には、例えば領域決定部152は、自車両11の乗員数が4人である場合には、自車両11からの距離が6メートルまでの範囲では移動体種別情報、運転モード情報、乗員数情報、走行情報、およびドライバ属性情報を、周辺車両情報として取得する種別の情報とする。また、領域決定部152は、自車両11からの距離が6メートルから8メートルの範囲では走行情報とドライバ属性情報を周辺車両情報として取得する種別の情報とし、自車両11からの距離が8メートルから10メートルの範囲では走行情報を周辺車両情報として取得する種別の情報とする。
【0207】
なお、ここでは自車両11からの距離ごとに取得する情報の種別を決定する例について説明するが、例えば自車乗員情報に基づいて、各車線について自車両11からの距離ごとに周辺車両情報として取得する情報の種別を決定してもよい。また、例えば周辺車両が走行する車線ごとに周辺車両情報として取得する情報の種別を決定してもよい。
【0208】
例えば自車両11が走行する車線と同じ車線については、その車線を走行する周辺車両は自車両11の衝突発生に対して大きく影響するので、自車両11から比較的離れた位置の周辺車両についても周辺車両情報が取得されるようにする。これに対して、自車両11が走行する車線の隣の車線については、自車両11近傍にない周辺車両は自車両11の衝突発生に対して大きく影響しないので、自車両11近傍の周辺車両のみから周辺車両情報が取得されるようにする。このとき、隣の車線を走行する周辺車両については、それほど多くの情報を必要としないので、例えば走行情報のみが取得されるようにする等すればよい。
【0209】
さらに、ここではステップS102で受信領域を決定し、ステップS103で自車両11からの距離ごとに取得する情報の種別を決定する例について説明したが、受信領域は予め定められた固定の広さの領域とされてもよい。
【0210】
また、ステップS103において自車両11からの距離ごとに取得する情報の種別を決定すれば、その決定結果によって実質的に受信領域が定まることから、特にステップS102の処理は行われないようにしてもよい。そのような場合、実質的にステップS103において、受信領域が決定されることになる。
【0211】
以上のようにして受信領域と、その受信領域内における距離ごとの取得すべき情報の種別とが決定されると、情報取得部151は、領域決定部152による決定結果に基づいて周辺車両情報を取得する。
【0212】
すなわち、ステップS104において情報取得部151は、ステップS102の処理で決定された受信領域内にいる周辺車両のステップS103で決定された種別の情報を周辺車両情報として取得する。
【0213】
具体的には、情報取得部151は通信部25を制御して、通信部25に受信領域内にいる周辺車両と車車間通信を行わせ、その周辺車両からステップS103で決定された種別の情報からなる周辺車両情報を受信させる。そして、情報取得部151は、受信された周辺車両情報を通信部25から取得する。
【0214】
周辺車両情報が取得されると、その後、ステップS105およびステップS106の処理が行われて運転制御処理は終了するが、これらの処理は
図7のステップS14およびステップS15の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0215】
以上のようにして車両11は、自車両11からの距離ごとに取得する情報の種別を決定し、その決定に従って周辺車両情報を取得して運転支援処理を行う。このようにすることで必要な情報のみを取得し、適切な運転支援を行うことができる。
【0216】
〈第5の実施の形態〉
〈運転制御処理の説明〉
さらに、車両11では、上述した第2の実施の形態と第4の実施の形態とを組み合わせた処理が行われるようにしてもよい。
【0217】
以下、
図17のフローチャートを参照して、そのような場合に車両11により行われる運転制御処理について説明する。なお、ステップS131乃至ステップS133の処理は、
図14のステップS41乃至ステップS43の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0218】
ステップS134において、領域決定部152は自車乗員情報に基づいて、自車両11からの距離ごとに周辺車両情報内の使用する情報の種別を決定する。
【0219】
ステップS134では、
図16のステップS103と同様にして、自車両11からの距離ごとに運転支援処理に使用される情報の種別が決定される。なお、ステップS134においても自車両11からの距離だけでなく、周辺車両の車線も考慮されて使用される情報の種別が決定されるようにしてもよい。また、ステップS134でも
図16のステップS103における場合と同様に、距離ごとに使用する情報の種別が定まれば、実質的に使用領域も定まるので、必ずしもステップS133の処理は行われなくてもよい。
【0220】
ステップS135において、運転支援処理部153は、ステップS131で取得された周辺車両情報のうちのステップS133で決定された使用領域内の周辺車両から受信した周辺車両情報の、ステップS134で決定された種別の情報を選択する。
【0221】
ステップS135の処理が行われると、その後、ステップS136およびステップS137の処理が行われて運転制御処理は終了するが、これらの処理は
図14のステップS45およびステップS46の処理と同様であるので、その説明は省略する。但し、ステップS137では、ステップS135の処理で選択された情報が用いられて運転支援処理が行われる。
【0222】
以上のようにして車両11は、予め定められた固定受信領域内の周辺車両から周辺車両情報を受信しておき、それらの周辺車両情報のなかから、自車両11の乗員数や自車両11からの距離に応じて必要な情報を選択し、運転支援処理を行う。このようにすることで必要な情報のみを用いて適切な運転支援を行うことができる。
【0223】
なお、ここでは第2の実施の形態と第4の実施の形態とを組み合わせる例について説明したが、その他、第3の実施の形態と第4の実施の形態とを組み合わせるようにしてもよい。そのような場合、自車両11からの距離ごとや車線ごとに、追加で必要となった種別の情報がさらに取得される。
【0224】
〈コンピュータの構成例〉
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0225】
図18は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0226】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)501,ROM(Read Only Memory)502,RAM(Random Access Memory)503は、バス504により相互に接続されている。
【0227】
バス504には、さらに、入出力インターフェース505が接続されている。入出力インターフェース505には、入力部506、出力部507、記録部508、通信部509、及びドライブ510が接続されている。
【0228】
入力部506は、入力スイッチ、ボタン、マイクロホン、撮像素子などよりなる。出力部507は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部508は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部509は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ510は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体511を駆動する。
【0229】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU501が、例えば、記録部508に記録されているプログラムを、入出力インターフェース505及びバス504を介して、RAM503にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0230】
コンピュータ(CPU501)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記録媒体511に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0231】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブル記録媒体511をドライブ510に装着することにより、入出力インターフェース505を介して、記録部508にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部509で受信し、記録部508にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM502や記録部508に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0232】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0233】
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0234】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0235】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0236】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0237】
さらに、本技術は、以下の構成とすることも可能である。
【0238】
(1)
自車両の乗員数に応じた領域に存在する周辺車両に関する周辺車両情報に基づいて、前記自車両の運転支援処理を行う制御部を備える
運転支援装置。
(2)
前記領域は、前記自車両の乗員数が多いほど広くなるように定められる
(1)に記載の運転支援装置。
(3)
前記運転支援処理は、前記自車両と前記周辺車両との衝突を回避するための処理である
(1)または(2)に記載の運転支援装置。
(4)
前記周辺車両情報は、前記周辺車両の走行状態を示す情報、前記周辺車両の乗員数を示す情報、前記周辺車両の種別を示す情報、前記周辺車両の運転モードを示す情報、および前記周辺車両の運転者の属性を示す情報の少なくとも何れか1つが含まれる情報である
(1)乃至(3)の何れか一項に記載の運転支援装置。
(5)
前記制御部は、前記自車両の乗員数に基づいて前記領域を決定する
(1)乃至(4)の何れか一項に記載の運転支援装置。
(6)
前記制御部は、前記自車両の乗員数と、前記自車両における乗員の乗車位置または前記乗員の属性とに基づいて前記領域を決定する
(5)に記載の運転支援装置。
(7)
前記制御部は、前記領域よりも広い予め定められた領域内の前記周辺車両から受信した前記周辺車両情報のうち、前記自車両の乗員数に基づいて決定された前記領域内の前記周辺車両の前記周辺車両情報に基づいて前記運転支援処理を行う
(5)または(6)に記載の運転支援装置。
(8)
前記制御部は、予め定められた領域内の前記周辺車両の前記周辺車両情報を取得した後、前記自車両の乗員数に基づいて決定された前記領域が前記予め定められた領域より広い場合、決定された前記領域内の前記周辺車両の前記周辺車両情報をさらに取得する
(5)または(6)に記載の運転支援装置。
(9)
前記制御部は、前記自車両の乗員数に基づいて、前記周辺車両までの距離ごとに、または前記周辺車両が走行する車線ごとに、前記周辺車両の前記周辺車両情報に含まれる情報のうちの前記運転支援処理に用いる情報の種別を選択する
(1)乃至(8)の何れか一項に記載の運転支援装置。
(10)
前記制御部は、前記領域に関する情報の提示をさらに制御する
(1)乃至(9)の何れか一項に記載の運転支援装置。
(11)
自車両の乗員数に応じた領域に存在する周辺車両に関する周辺車両情報に基づいて、前記自車両の運転支援処理を行う
ステップを含む運転支援方法。
(12)
自車両の乗員数に応じた領域に存在する周辺車両に関する周辺車両情報に基づいて、前記自車両の運転支援処理を行う
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(13)
自車両の乗員数に応じた領域に存在する周辺車両に関する周辺車両情報に基づいて、前記自車両の運転支援処理を行う制御部を備える
移動体。