特許第6923009号(P6923009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6923009歯形部品の製造方法、歯形部品、および歯形部品の加工装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6923009
(24)【登録日】2021年8月2日
(45)【発行日】2021年8月18日
(54)【発明の名称】歯形部品の製造方法、歯形部品、および歯形部品の加工装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 13/60 20060101AFI20210805BHJP
   B21D 53/28 20060101ALI20210805BHJP
   B21D 53/34 20060101ALI20210805BHJP
   B21D 37/02 20060101ALI20210805BHJP
   B21D 37/08 20060101ALI20210805BHJP
   B21D 28/10 20060101ALI20210805BHJP
【FI】
   F16D13/60 T
   B21D53/28
   B21D53/34
   B21D37/02 Z
   B21D37/08
   B21D28/10 Z
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-569086(P2019-569086)
(86)(22)【出願日】2019年1月25日
(86)【国際出願番号】JP2019002555
(87)【国際公開番号】WO2019151149
(87)【国際公開日】20190808
【審査請求日】2020年5月11日
(31)【優先権主張番号】特願2018-15722(P2018-15722)
(32)【優先日】2018年1月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 亮
(72)【発明者】
【氏名】丸山 琢哉
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−57687(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/31579(WO,A1)
【文献】 特開2002−372071(JP,A)
【文献】 実公平3−41858(JP,Y2)
【文献】 特公平5−80296(JP,B2)
【文献】 特許第3041003(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 13/60
B21D 28/10
B21D 37/02
B21D 37/08
B21D 53/28
B21D 53/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部、前記筒状部の内周面に形成された内側歯形部、および前記筒状部の外周面に形成された外側歯形部を含む歯形部品の製造方法において、
前記筒状部に、それぞれ前記筒状部の軸方向に延在して前記内側歯形部の歯先部および前記外側歯形部の歯底部を形成する複数の内側周壁部と、それぞれ前記軸方向に延在して前記内側歯形部の歯底部および前記外側歯形部の歯先部を形成する複数の外側周壁部と、それぞれ前記軸方向に延在して対応する前記内側周壁部と前記外側周壁部とを繋ぐ複数の歯面部とを形成し、
前記筒状部の開口端で前記複数の内側周壁部および前記複数の歯面部をせん断しながら径方向外側に押し出して前記複数の内側周壁部よりも径方向外側で環状に延在する環状リブを形成する歯形部品の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の歯形部品の製造方法において、
前記筒状部の開口端で前記複数の内側周壁部および前記複数の歯面部をせん断しながら径方向外側に押し出して前記環状リブを前記複数の外側周壁部に沿って環状に延在するように形成する歯形部品の製造方法。
【請求項3】
筒状部、前記筒状部の内周面に形成された内側歯形部、および前記筒状部の外周面に形成された外側歯形部を含む歯形部品の製造方法において、
前記筒状部に、それぞれ前記筒状部の軸方向に延在して前記内側歯形部の歯先部および前記外側歯形部の歯底部を形成する複数の内側周壁部と、それぞれ前記軸方向に延在して前記内側歯形部の歯底部および前記外側歯形部の歯先部を形成する複数の外側周壁部と、それぞれ前記軸方向に延在して対応する前記内側周壁部と前記外側周壁部とを繋ぐ複数の歯面部とを形成し、
前記筒状部の開口端で前記複数の外側周壁部および前記複数の歯面部をせん断しながら径方向内側に押し込んで前記複数の外側周壁部よりも径方向内側で環状に延在する環状リブを形成する歯形部品の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の歯形部品の製造方法において、
前記筒状部の開口端で前記複数の内側周壁部および前記複数の歯面部をせん断しながら径方向内側に押し込んで前記環状リブを前記複数の内側周壁部に沿って環状に延在するように形成する歯形部品の製造方法。
【請求項5】
筒状部、前記筒状部の内周面に形成された内側歯形部、および前記筒状部の外周面に形成された外側歯形部を含む歯形部品において、
それぞれ前記筒状部の軸方向に延在して前記内側歯形部の歯先部および前記外側歯形部の歯底部を形成する複数の内側周壁部と、
それぞれ前記軸方向に延在して前記内側歯形部の歯底部および前記外側歯形部の歯先部を形成する複数の外側周壁部と、
前記筒状部の開口端で前記複数の外側周壁部に結合して前記複数の内側周壁部よりも径方向外側で環状に延在する環状リブと、
を備える歯形部品。
【請求項6】
請求項5に記載の歯形部品において、前記環状リブは、前記複数の外側周壁部に沿って環状に延在する歯形部品。
【請求項7】
請求項5または6に記載の歯形部品において、
前記筒状部の前記開口端とは反対側の端部から径方向内側に延びる環状の側壁部を更に備え、
前記内側歯形部は、クラッチの摩擦係合プレートの外周部が前記開口端側から嵌合される内歯スプラインである歯形部品。
【請求項8】
請求項5から7の何れか一項に記載の歯形部品において、
前記筒状部の前記開口端とは反対側の他端から径方向内側に延びる環状の側壁部を更に備え、
前記外側歯形部は、クラッチまたはブレーキの摩擦係合プレートの内周部が前記他端側から嵌合される外歯スプラインである歯形部品。
【請求項9】
筒状部、前記筒状部の内周面に形成された内側歯形部、および前記筒状部の外周面に形成された外側歯形部を含む歯形部品において、
それぞれ前記筒状部の軸方向に延在して前記内側歯形部の歯先部および前記外側歯形部の歯底部を形成する複数の内側周壁部と、
それぞれ前記軸方向に延在して前記内側歯形部の歯底部および前記外側歯形部の歯先部を形成する複数の外側周壁部と、
前記筒状部の開口端で前記複数の内側周壁部に結合して前記複数の外側周壁部よりも径方向内側で環状に延在する環状リブと、
を備える歯形部品。
【請求項10】
請求項9に記載の歯形部品において、前記環状リブは、前記複数の内側周壁部に沿って環状に延在する歯形部品。
【請求項11】
請求項9または10に記載の歯形部品において、
前記筒状部の前記開口端とは反対側の他端から径方向内側に延びる環状の側壁部を更に備え、
前記外側歯形部は、クラッチまたはブレーキの摩擦係合プレートの内周部が嵌合される外歯スプラインである歯形部品。
【請求項12】
内周面に形成された内側歯形部および外周面に形成された外側歯形部を有する筒状部と、それぞれ前記筒状部の軸方向に延在して前記内側歯形部の歯先部および前記外側歯形部の歯底部を形成する複数の内側周壁部と、それぞれ前記軸方向に延在して前記内側歯形部の歯底部および前記外側歯形部の歯先部を形成する複数の外側周壁部と、それぞれ前記軸方向に延在して対応する前記内側周壁部と前記外側周壁部とを繋ぐ複数の歯面部とを含む歯形部品の加工装置であって、
それぞれ対応する前記内側周壁部および前記外側周壁部を径方向外側から支持する複数のダイスと、
それぞれ前記筒状部の開口端の径方向内側で対応する前記内側周壁部および前記歯面部に対向するように配置される複数のパンチと、
前記複数のダイスに前記内側周壁部および前記外側周壁部を径方向外側から支持させながら、対応する前記内側周壁部および前記歯面部をせん断しながら径方向外側に押し出すように前記複数のパンチを径方向外側に移動させる駆動機構と、
を備える歯形部品の加工装置。
【請求項13】
請求項12に記載の歯形部品の加工装置において、
前記駆動機構は、それぞれ複数の前記内側周壁部および前記歯面部により形成される環状リブが前記複数の外側周壁部に沿って環状に延在するように前記複数のパンチを径方向外側に移動させる歯形部品の加工装置。
【請求項14】
内周面に形成された内側歯形部および外周面に形成された外側歯形部を有する筒状部と、それぞれ前記筒状部の軸方向に延在して前記内側歯形部の歯先部および前記外側歯形部の歯底部を形成する複数の内側周壁部と、それぞれ前記軸方向に延在して前記内側歯形部の歯底部および前記外側歯形部の歯先部を形成する複数の外側周壁部と、それぞれ前記軸方向に延在して対応する前記内側周壁部と前記外側周壁部とを繋ぐ複数の歯面部とを含む歯形部品の加工装置であって、
それぞれ対応する前記内側周壁部および前記外側周壁部を径方向内側から支持する複数のダイスと、
それぞれ前記筒状部の開口端の径方向外側で対応する前記外側周壁部および前記歯面部に対向するように配置される複数のパンチと、
前記複数のダイスに前記内側周壁部および前記外側周壁部を径方向内側から支持させながら、対応する前記外側周壁部および前記歯面部をせん断しながら径方向内側に押し込むように前記複数のパンチを径方向内側に移動させる駆動機構と、
を備える歯形部品の加工装置。
【請求項15】
請求項14に記載の歯形部品の加工装置において、
前記駆動機構は、それぞれ複数の前記外側周壁部および前記歯面部により形成される環状リブが前記複数の内側周壁部に沿って環状に延在するように前記複数のパンチを径方向内側に移動させる歯形部品の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、筒状部、当該筒状部の内周面に形成された内側歯形部、および筒状部の外周面に形成された外側歯形部を含む歯形部品の製造方法、歯形部品、および歯形部品の加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歯形部品として、鋼板のプレス加工により成形された多板クラッチ用アウタが知られている(例えば、特許文献1参照)。この多板クラッチ用アウタは、端壁部と、当該端壁部の外周端に一端を連ねると共に他端が開放された円筒部(筒状部)と、それぞれ軸方向に延在するように円筒部の内周面に周方向に交互に配列された多数条のスプライン溝およびスプライン突起(内側歯形部)と、スプライン溝およびスプライン突起にそれぞれ対応するように円筒部の外周面に形成された外側突起および外側溝(外側歯形部)とを含む。また、従来、プレス加工により成形された歯形部品として、円板状の底部と、当該底部の外周に立設された円筒部(筒状部)と、それぞれ円筒部の軸方向に延在するように当該円筒部の内周面に形成された複数の内周凸部および複数の内周凹部を含む内周凹凸部(内側歯形部)とを含むカップ状部品が知られている(例えば、特許文献2参照)。このカップ状部品では、円筒部の外周面における底部(基端部)側に内周凸部と対応する位置で外周面を径方向内側に窪ませた複数の外周凹部が形成されている。更に、円筒部の外周面における開口端部側には、当該外周面の全周において略同一径をなす平滑外周部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−57687号公報
【特許文献2】特開2013−53643号公報
【発明の概要】
【0004】
特許文献2に記載されたカップ状部品では、円筒部の外周面における開口端部側に肉厚の減少がない平滑外周部が形成されているので、特許文献1に記載された多板クラッチ用アウタに比べて、円筒部の開口端部側における強度をより向上させることができる。しかしながら、特許文献2に記載のカップ状部品では、平滑外周部が形成されたことで円筒部の開口端部の厚みが増加することから、円筒部の軸長を調整するために開口端部を切削する際に、断続切削の衝撃および摩擦により切削工具にチッピング等が発生してしまうおそれがある。また、円筒部の軸長を調整するために平滑外周部を含む開口端部を塑性加工により切断する際には、当該開口端部を切断するために大きな荷重を加える必要が生じる。
【0005】
そこで、本開示は、筒状部、当該筒状部の内周面に形成された内側歯形部、および筒状部の外周面に形成された外側歯形部を含む歯形部品の剛性を良好に確保しつつ、筒状部の軸長を容易に調整可能とすることを主目的とする。
【0006】
本開示の歯形部品の製造方法は、筒状部、前記筒状部の内周面に形成された内側歯形部、および前記筒状部の外周面に形成された外側歯形部を含む歯形部品の製造方法において、前記筒状部に、それぞれ前記筒状部の軸方向に延在して前記内側歯形部の歯先部および前記外側歯形部の歯底部を形成する複数の内側周壁部と、それぞれ前記軸方向に延在して前記内側歯形部の歯底部および前記外側歯形部の歯先部を形成する複数の外側周壁部と、それぞれ前記軸方向に延在して対応する前記内側周壁部と前記外側周壁部とを繋ぐ複数の歯面部とを形成し、前記筒状部の開口端で前記複数の内側周壁部および前記複数の歯面部をせん断しながら径方向外側に押し出して前記複数の内側周壁部よりも径方向外側で環状に延在する環状リブを形成するものである。
【0007】
かかる方法は、筒状部の開口端で複数の内側周壁部および複数の歯面部をせん断しながら径方向外側に押し出して複数の内側周壁部よりも径方向外側で環状に延在する環状リブを形成するものである。このように筒状部の開口端に環状リブを形成することで、歯形部品の剛性を高くすることができる。また、環状リブの厚みは、内側周壁部および歯面部の厚みと概ね同一となる。従って、環状リブを容易に切断可能となることから、歯形部品の筒状部の軸長を容易に調整することができる。この結果、歯形部品の剛性を良好に確保しつつ、筒状部の軸長を容易に調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の歯形部品の一例を示す斜視図である。
図2】本開示の歯形部品を示す正面図である。
図3】本開示の歯形部品を示す要部拡大図である。
図4】本開示の歯形部品を示す拡大斜視図である。
図5】本開示の歯形部品の加工装置を示す断面図である。
図6】本開示の歯形部品の加工装置の要部を示す平面図である。
図7】本開示の歯形部品の半製品を示す斜視図である。
図8】本開示の歯形部品の製造手順を説明するための断面図である。
図9】本開示の歯形部品の製造手順を説明するための平面図である。
図10】本開示の歯形部品の製造手順を説明するための説明図である。
図11】本開示の歯形部品の製造手順を説明するための断面図である。
図12】本開示の歯形部品の製造手順を説明するための平面図である。
図13】本開示の他の歯形部品を示す斜視図である。
図14】本開示の他の歯形部品を示す正面図である。
図15】本開示の他の歯形部品を示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
【0010】
図1は、本開示の歯形部品であるドラム部材1を示す斜視図であり、図2は、ドラム部材1を示す正面図である。これらの図面に示すドラム部材1は、図示しない車両用変速機に含まれるクラッチのクラッチドラムおよび当該クラッチとは異なる他のクラッチまたはブレーキのハブとして用いられるものである。図示するように、ドラム部材1は、一端が開口した有底円筒状に形成されており、筒状部2と、当該筒状部2の開口端2a(図1参照)とは反対側の端部(他端)から径方向内側に延出された環状の側壁部(底部)3とを含む。ドラム部材1の側壁部3は、上記クラッチの一方の締結対象に連結される。
【0011】
筒状部2の内周面には、それぞれ径方向内側に突出すると共に周方向に間隔をおいて並ぶ複数の内歯(凸部)を含む内側歯形部としての内歯スプラインSiが形成されている。また、筒状部2の外周面には、それぞれ径方向外側に突出すると共に周方向に間隔をおいて並ぶ複数の外歯(凸部)を含む外側歯形部としての外歯スプラインSoが形成されている。筒状部2の内歯スプラインSiには、上記クラッチのセパレータプレートやバッキングプレート(摩擦係合プレート)の外周部が開口端2a側から嵌合される。また、筒状部2の外歯スプラインSoには、上記他のクラッチまたはブレーキの摩擦プレート(摩擦係合プレート)の内周部が当該筒状部2の他端側から嵌合される。
【0012】
図1および図3に示すように、内歯スプラインSiおよび外歯スプラインSoを有する筒状部2は、周方向に間隔をおいて並ぶ複数の内側周壁部2iと、隣り合う内側周壁部2iの間であって当該内側周壁部2iの径方向外側に位置する複数の外側周壁部2oと、それぞれ対応する内側周壁部2iと外側周壁部2oとを繋ぐ複数の歯面部2mとを含む。各内側周壁部2iは、筒状部2の軸方向に延在し、図3に示すように、内歯スプラインSiの歯先部2tiおよび外歯スプラインSoの歯底部2boを形成する。また、各外側周壁部2oは、筒状部2の軸方向に延在し、図3に示すように、内歯スプラインSiの歯底部2biおよび外歯スプラインSoの歯先部2toを形成する。更に、各歯面部2mは、筒状部2の軸方向に延在して内歯スプラインSiおよび外歯スプラインSoの歯面を形成する。
【0013】
また、筒状部2の開口端2aには、環状リブ2rが形成されている。環状リブ2rは、筒状部2の開口端2aで複数の外側周壁部2oに結合しており、複数の内側周壁部2iよりも軸方向における開口端2a側かつ径方向外側で環状に延在するものである。すなわち、図4に示すように、環状リブ2rは、それぞれ外側周壁部2oと一体化された複数の結合部2raと、それぞれ互いに隣り合う結合部2ra同士を繋ぐ複数の繋ぎ部2rbとを含む。本実施形態において、環状リブ2rは、複数の外側周壁部2oに沿って環状に延在しており、当該環状リブ2rの外周面は、複数の外側周壁部2oの歯先部2to(外周面)と概ね面一に形成されている。そして、環状リブ2rの端面は、各内側周壁部2iの端面よりも側壁部3から離間する。
【0014】
図5は、上述のようなドラム部材1の半製品1sp(図7参照)に環状リブ2rを形成するための加工装置20を示す断面図であり、図6は、加工装置20の要部を示す平面図である。これらの図面に示すように、加工装置20は、半製品1spの側壁部3の外面を支持する円盤状のリフター21と、半製品1spの筒状部2および側壁部3の内面を押さえ付けるワーク支持部22aを有するパイロット22と、複数のダイス23と、加工装置20の設置箇所に固定された環状のダイスホルダ24と、複数のパンチ25と、ダイスホルダ24の周囲に配置される環状のダイス戻し部材26と、ダイセット27、それぞれダイセット27に固定された第1および第2カムドライバ28a,28b、ダイセット27に固定されたパンチ戻し部29、並びにダイセット27等を加工装置20の軸心CAに沿って昇降させる図示しない昇降装置を含む駆動機構30とを含む。
【0015】
リフター21は、図示しない昇降機構によりダイスホルダ24に対して加工装置20の軸心CAに沿って昇降させられる。リフター21が予め定められた位置まで下降すると、当該リフター21の下降がダイスホルダ24により規制される。パイロット22は、図示しない昇降機構によりリフター21およびダイスホルダ24に対して軸心CAに沿って昇降させられる。複数のダイス23は、図6に示すように、パイロット22を包囲するようにダイスホルダ24上に軸心CAの周りに放射状に配列され、それぞれダイスホルダ24の径方向に移動可能である。
【0016】
複数のパンチ25は、図5および図6に示すように、パイロット22のワーク支持部22aの上方で軸心CAの周りに放射状に並ぶようにダイセット27によりダイスホルダ24の径方向および軸心CAの延在方向に移動可能に支持される。また、各パンチ25は、それぞれワーク支持部22aに近接するにつれて加工装置20の軸心CAに近接するように傾斜する2つの従動面25fa,25fbを含む。ダイス戻し部材26は、ダイスホルダ24に対して昇降自在に配置され、各ダイス23の下部に形成された従動面23faに当接可能なカム面26cを有する。第1カムドライバ28aは、各パンチ25の従動面25faに当接するカム面28caを含む。また、第2カムドライバ28bは、各ダイス23の側面に形成された従動面23fbに当接するカム面28cbを含む。パンチ戻し部29は、パンチ25の従動面25fbに当接するカム面29cを含む。
【0017】
次に、上述のドラム部材1を製造する手順について説明する。
【0018】
ドラム部材1の製造に際しては、まず、図示しないプレス加工機を用いて鋼板等の金属板に打ち抜き加工と絞り加工とを施して、環状の側壁部と当該側壁部から軸方向に延出された円筒部とを有する金属製の有底筒体を得る。更に、当該有底筒体に対して何れも周知の歯形しごき加工、グローブ転造あるいはローラ歯形成形といったプレス加工を施して、円筒部の内周面および外周面にスプラインを形成する。これにより、図7に示すように、内周面に形成された内歯スプラインSiおよび外周面に形成された外歯スプラインSoを有する筒状部2および側壁部3を含むドラム部材1の半製品1spが得られる。また、半製品1spの筒状部2には、周方向に間隔をおいて並ぶ複数の内側周壁部2iと、隣り合う内側周壁部2iの間であって当該内側周壁部2iの径方向外側に位置する複数の外側周壁部2oと、それぞれ対応する内側周壁部2iと外側周壁部2oとを繋ぐ複数の歯面部2mとが形成される。
【0019】
次いで、ドラム部材1の半製品1spを上述の加工装置20にセットして半製品1spに環状リブ2rを形成する。加工装置20に半製品1spをセットする際には、パイロット22を複数のパンチ25やダイセット27と共にリフター21およびダイスホルダ24よりも上方の待機位置まで移動させる。また、リフター21をダイスホルダ24よりも上方に移動させ、当該リフター21の支持面に側壁部3の外面が当接するように半製品1spをリフター21に載置する。更に、複数のパンチ25やダイセット27と共にパイロット22を下降させ、ワーク支持部22aを半製品1spの筒状部2および側壁部3の内面に当接させる。また、リフター21の下降がダイスホルダ24により規制されるまで、リフター21、パイロット22、複数のパンチ25およびダイセット27を当該ダイスホルダ24に対して下降させる。これにより、図5に示すように、半製品1spがリフター21およびパイロット22により保持され、筒状部2の開口端2aは、ワーク支持部22aの平坦な上面から上方に突出する。また、リフター21およびパイロット22が図5に示す下降位置で停止した際、第2カムドライバ28bの下端面は、ダイス戻し部材26の上面に当接する。
【0020】
続いて、リフター21、パイロット22およびダイスホルダ24等に対してダイセット27を下降させる。これにより、ダイス戻し部材26がダイセット27と共に下降する第2カムドライバ28bにより押し下げられ、それに伴ってカム面26cと各ダイス23の従動面23faとの当接が解除される。更に、第2カムドライバ28bの下降に伴って各ダイス23の従動面23fbが当該第2カムドライバ28bのカム面28cbにより押圧され、それにより各ダイス23が軸心CAに向けてダイスホルダ24の径方向に移動する。これにより、各ダイス23は、図8および図9に示すように、半製品1spの筒状部2の対応する1つの内側周壁部2iおよび当該内側周壁部2iの両側に位置する2つの外側周壁部2oの一部に当接し、当該内側周壁部2iおよび外側周壁部2oを径方向外側から支持する。
【0021】
各ダイス23が対応する内側周壁部2iおよび外側周壁部2oに当接すると、ダイセット27の下降に伴って各ダイス23の従動面23fbと第2カムドライバ28bのカム面28cbとの当接が解除され、各ダイス23の径方向内側への移動が第2カムドライバ28bにより規制される。一方、ダイセット27と共に下降する第1カムドライバ28aのカム面28caは、各パンチ25の従動面25faを下方および軸心CAから離間させる方向に押圧する。第1カムドライバ28aのカム面28caにより従動面25faが押圧されることで、各パンチ25は、ダイセット27の下降に伴ってパイロット22のワーク支持部22aの上面に近接するように下降する。そして、ダイセット27が更に下降して各パンチ25がワーク支持部22aの上面に接すると、各パンチ25は、筒状部2の開口端2aの径方向内側で対応する内側周壁部2iおよび歯面部2mに対向し、軸心CAから離間する方向にダイスホルダ24の径方向に移動していく。
【0022】
これにより、各パンチ25は、図10に示すように、半製品1spの筒状部2の開口端2aで対応する内側周壁部2iおよび複数の歯面部2mをせん断しながら径方向外側に押し出していく。この結果、半製品1spの筒状部2の開口端2aには、複数の内側周壁部2iよりも径方向外側で環状に延在する環状リブ2rが形成される。本実施形態では、各パンチ25の下端面がパイロット22のワーク支持部22aの上面に当接した段階でダイセット27の下降が停止される。各パンチ25の移動が停止した際、環状リブ2rは、図11に示すように、複数の外側周壁部2oに沿って環状に延在し、環状リブ2rの外周面は、複数の外側周壁部2oの歯先部2to(外周面)と概ね面一になる。
【0023】
上述のようにして半製品1spの筒状部2に環状リブ2rが形成されると、ダイセット27が上昇させられ、パンチ戻し部29のカム面29cにより従動面25fbが押圧されることで、各パンチ25は、筒状部2から離間するように軸心CAに向けて径方向に移動すると共にパンチ戻し部29により引き上げられてダイセット27等と共に上昇していく。また、ダイセット27と共に第2カムドライバ28bが上昇することで、ダイス戻し部材26が図示しない上昇機構によりダイスホルダ24に対して上昇させられ、カム面26cが従動面23faに当接することで、各ダイス23は、軸心CAすなわち筒状部2から離間するように径方向に移動する。また、ダイセット27の上昇に伴ってパイロット22は第1カムドライバ28aと係合し、半製品1spから離間してダイセット27等と共に待機位置まで上昇する。更に、リフター21がダイスホルダ24よりも上方まで移動させられ、環状リブ2rが形成された半製品1spがリフター21から取り出される。取り出された半製品1spには、環状リブ2rの軸長を調整するためのトリム加工等が施され、それによりドラム部材1が完成することになる。なお、環状リブ2rの軸長は、例えば特開2008−290143号公報に記載されたトリミング方法により調整することが可能である。
【0024】
上述のように、加工装置20は、ドラム部材1の筒状部2の開口端2aで複数の内側周壁部2iおよび複数の歯面部2mを複数のパンチ25によりせん断しながら径方向外側に押し出して複数の内側周壁部2iよりも径方向外側で環状に延在する環状リブ2rを形成する。かかる加工装置20を用いることで、高い剛性を有する軽量なドラム部材1を低コストで製造することが可能となる。
【0025】
すなわち、複数の外側周壁部2oに結合して複数の内側周壁部2iよりも軸方向における開口端2a側かつ径方向外側で環状に延在する環状リブ2rを筒状部2の開口端2aに形成すれば、内周面に形成された内歯スプラインSiおよび外周面に形成された外歯スプラインSoを有する筒状部2の剛性を良好に確保しつつ当該筒状部2を薄肉化することができる。これにより、ドラム部材1の剛性を良好に確保すると共に、素材(鋼板)を薄肉化してドラム部材1全体の軽量化を図ることが可能となる。特に、ドラム部材1では、全重量に対する筒状部2の質量の占める割合は例えば50〜60%程度と大きく、筒状部2の開口端2aに環状リブ2rを形成して当該筒状部2の薄肉化を可能にすることは、ドラム部材1全体の軽量化を図る上で極めて有用である。更に、ドラム部材1では、素材の厚みを増加させた上で、筒状部の開口端を円筒状に形成したり、当該開口端の外周面を円筒面状に形成したりする場合に比べて余肉部を減少させて切削工程を短縮化することができるので、それによりコストアップを良好に抑制することが可能となる。この結果、内周面に形成された内歯スプラインSiおよび外周面に形成された外歯スプラインSoを有する筒状部2を含むドラム部材1の剛性を良好に確保しつつ軽量化および低コスト化を図ることができる。また、環状リブ2rの厚みは、内側周壁部2iおよび歯面部2mの厚みと概ね同一となる。従って、環状リブ2rを容易に切断可能となることから、ドラム部材1の筒状部2の軸長を容易に調整することができる。この結果、ドラム部材1の剛性を良好に確保しつつ、筒状部2の軸長を容易に調整することが可能となる。
【0026】
なお、ドラム部材1は、内周面に形成された内歯スプラインSiおよび外周面に形成された外歯スプラインSoの双方に摩擦係合プレート(摩擦プレートまたはセパレータプレート等)が嵌合されるものであるが、歯形部品としてのドラム部材1は、内周側および外周側の何れか一方に摩擦係合プレートが嵌合されるように構成されてもよい。すなわち、本開示の歯形部品は、内周面の内歯スプラインSiのみに摩擦係合プレート(セパレータプレート等)が嵌合されるクラッチドラムとして構成されてもよい。また、本開示の歯形部品は、外周面の外歯スプラインSoのみに摩擦係合プレート(摩擦プレート)が嵌合されるクラッチやブレーキのハブとして構成されてもよい。更に、ドラム部材1の内周面および外周面の少なくとも何れか一方の歯形部は、必ずしもスプラインである必要はなく、周方向に交互に並ぶ凹凸部であればよい。
【0027】
図13は、本開示の他の歯形部品であるドラム部材1Bを示す斜視図であり、図14は、ドラム部材1Bを示す正面図であり、図15は、ドラム部材1Bを示す要部拡大図である。なお、ドラム部材1Bの構成要素のうち、上述のドラム部材1と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0028】
図13から図15に示すドラム部材1Bは、図示しない車両用変速機に含まれるクラッチまたはブレーキのハブとして用いられるものであり、図示するように、一端が開口した有底円筒状に形成されており、内周側の内歯スプラインSiおよび外周側の外歯スプラインSoを有する筒状部2と、当該筒状部2の開口端2a(図13参照)とは反対側の端部(他端)から径方向内側に延出された環状の側壁部3とを含む。ドラム部材1Bの筒状部2も、周方向に間隔をおいて並ぶと共に内歯スプラインSiの歯先部2tiおよび外歯スプラインSoの歯底部2boを形成する複数の内側周壁部2iと、隣り合う内側周壁部2iの間であって当該内側周壁部2iの径方向外側に位置すると共に内歯スプラインSiの歯底部2biおよび外歯スプラインの歯先部2toを形成する複数の外側周壁部2oと、それぞれ対応する内側周壁部2iと外側周壁部2oとを繋ぐと共に内歯スプラインSiおよび外歯スプラインSoの歯面を形成する複数の歯面部2mとを含む。また、ドラム部材1Bの側壁部3は、上記クラッチの一方の締結対象またはブレーキの締結(固定)対象に連結され、筒状部2の外歯スプラインSoには、上記クラッチまたはブレーキの摩擦プレート(摩擦係合プレート)の内周部が当該筒状部2の他端側から嵌合される。
【0029】
更に、ドラム部材1Bの筒状部2の開口端2aには、図13から図15に示すように、環状リブ2rBが形成されている。環状リブ2rBは、筒状部2の開口端2aで複数の内側周壁部2iに結合しており、複数の外側周壁部2oよりも軸方向における開口端2a側かつ径方向内側で環状に延在するものである。また、ドラム部材1Bの環状リブ2rBも、それぞれ内側周壁部2iと一体化された複数の結合部と、それぞれ互いに隣り合う結合部同士を繋ぐ複数の繋ぎ部とを含む。更に、ドラム部材1Bにおいて、環状リブ2rBは、複数の内側周壁部2iに沿って環状に延在しており、当該環状リブ2rBの内周面は、複数の内側周壁部2iの歯先部(内周面)と概ね面一に形成されている。そして、環状リブ2rの端面は、各外側周壁部2oの端面よりも側壁部3から離間する。
【0030】
このように、複数の内側周壁部2iに結合して複数の外側周壁部2oよりも軸方向における開口端2a側かつ径方向内側で環状に延在する環状リブ2rBを筒状部2の開口端2aに形成しても、内周面に形成された内歯スプラインSiおよび外周面に形成された外歯スプラインSoを有する筒状部2の剛性を良好に確保しつつ当該筒状部2を薄肉化することができる。これにより、ドラム部材1Bの剛性を良好に確保すると共に、素材(鋼板)を薄肉化してドラム部材1B全体の軽量化を図ることが可能となる。ドラム部材1Bにおいても、全重量に対する筒状部2の質量の占める割合は例えば50〜60%程度と大きいことから、筒状部2の開口端2aに環状リブ2rBを形成して当該筒状部2の薄肉化を可能にすることは、ドラム部材1B全体の軽量化を図る上で極めて有用である。更に、ドラム部材1Bにおいても、素材の厚みを増加させた上で、筒状部の開口端を円筒状に形成したり、当該開口端の外周面を円筒面状に形成したりする場合に比べて余肉部を減少させて切削工程を短縮化することができるので、それによりコストアップを良好に抑制することが可能となる。この結果、内周面に形成された内歯スプラインSiおよび外周面に形成された外歯スプラインSoを有する筒状部2を含むドラム部材1Bの剛性を良好に確保しつつ軽量化および低コスト化を図ることができる。
【0031】
また、上述のようなドラム部材1Bの製造に際しては、内周面に形成された内歯スプラインSiおよび外周面に形成された外歯スプラインSoを有する筒状部2および側壁部3を含む半製品1spを形成した後、筒状部2の開口端2aで複数の外側周壁部2oおよび複数の歯面部2mをせん断しながら径方向内側に押し込んで複数の外側周壁部2oよりも径方向内側で環状に延在する環状リブ2rBを形成すればよい。そして、この場合には、それぞれ対応する内側周壁部2iおよび外側周壁部2oを径方向内側から支持する複数のダイスと、それぞれ筒状部2の開口端2aの径方向外側で対応する外側周壁部2oおよび歯面部2mに対向するように配置される複数のパンチと、複数のダイスに内側周壁部2iおよび外側周壁部2oを径方向内側から支持させながら、対応する外側周壁部2oおよび歯面部2mをせん断しながら径方向内側に押し込むように複数のパンチを径方向内側に移動させる駆動機構とを含む加工装置を用いればよい。これにより、高い剛性を有する軽量なドラム部材1Bを低コストで製造することが可能となる。また、環状リブ2rBの厚みは、外側周壁部2oおよび歯面部2mの厚みと概ね同一となる。従って、環状リブ2rBも容易に切断可能となることから、ドラム部材1Bの筒状部2の軸長を容易に調整することができる。この結果、ドラム部材1Bの剛性を良好に確保しつつ、筒状部2の軸長を容易に調整することが可能となる。なお、ドラム部材1Bの内周面の歯形部は、必ずしもスプラインである必要はなく、周方向に交互に並ぶ凹凸部であってもよい。
【0032】
以上説明したように、本開示の歯形部品の製造方法は、筒状部(2)、前記筒状部(2)の内周面に形成された内側歯形部(Si)、および前記筒状部(2)の外周面に形成された外側歯形部(So)を含む歯形部品(1)の製造方法において、前記筒状部(2)に、それぞれ前記筒状部(2)の軸方向に延在して前記内側歯形部(Si)の歯先部(2ti)および前記外側歯形部(So)の歯底部(2bo)を形成する複数の内側周壁部(2i)と、それぞれ前記軸方向に延在して前記内側歯形部(Si)の歯底部(2bi)および前記外側歯形部(So)の歯先部(2to)を形成する複数の外側周壁部(2o)と、それぞれ前記軸方向に延在して対応する前記内側周壁部(2i)と前記外側周壁部(2o)とを繋ぐ複数の歯面部(2m)とを形成し、前記筒状部(2)の開口端(2a)で前記複数の内側周壁部(2i)および前記複数の歯面部(2m)をせん断しながら径方向外側に押し出して前記複数の内側周壁部(2i)よりも径方向外側で環状に延在する環状リブ(2r)を形成するものである。
【0033】
かかる方法は、筒状部の開口端で複数の内側周壁部および複数の歯面部をせん断しながら径方向外側に押し出して複数の内側周壁部よりも径方向外側で環状に延在する環状リブを形成するものである。このように筒状部の開口端に環状リブを形成することで、歯形部品の剛性を高くすることができる。また、環状リブの厚みは、内側周壁部および歯面部の厚みと概ね同一となる。従って、環状リブを容易に切断可能となることから、歯形部品の筒状部の軸長を容易に調整することができる。この結果、歯形部品の剛性を良好に確保しつつ、筒状部の軸長を容易に調整することが可能となる。
【0034】
また、前記環状リブ(2r)形成に際しては、前記筒状部(2)の開口端(2a)で前記複数の内側周壁部(2i)および前記複数の歯面部(2m)をせん断しながら径方向外側に押し出して前記環状リブ(2r)を前記複数の外側周壁部(2o)に沿って環状に延在するように形成してもよい。これにより、歯形部品の剛性をより向上させることが可能となる。
【0035】
本開示の他の歯形部品の製造方法は、筒状部(2)、前記筒状部(2)の内周面に形成された内側歯形部(Si)、および前記筒状部(2)の外周面に形成された外側歯形部(So)を含む歯形部品(1B)の製造方法において、前記筒状部(2)に、それぞれ前記筒状部(2)の軸方向に延在して前記内側歯形部(Si)の歯先部(2ti)および前記外側歯形部(So)の歯底部(2bo)を形成する複数の内側周壁部(2i)と、それぞれ前記軸方向に延在して前記内側歯形部(Si)の歯底部(2bi)および前記外側歯形部(So)の歯先部(2to)を形成する複数の外側周壁部(2o)と、それぞれ前記軸方向に延在して対応する前記内側周壁部(2i)と前記外側周壁部(2o)とを繋ぐ複数の歯面部(2m)とを形成し、前記筒状部(2)の開口端(2a)で前記複数の外側周壁部(2o)および前記複数の歯面部(2m)をせん断しながら径方向内側に押し込んで前記複数の外側周壁部(2o)よりも径方向内側で環状に延在する環状リブ(2rB)を形成するものである。
【0036】
かかる方法は、筒状部の開口端で複数の外側周壁部および複数の歯面部をせん断しながら径方向内側に押し出して複数の外側周壁部よりも径方向内側で環状に延在する環状リブを形成するものである。このように筒状部の開口端に環状リブを形成することで、歯形部品の剛性を高くすることができる。また、環状リブの厚みは、外側周壁部および歯面部の厚みと概ね同一となる。従って、環状リブを容易に切断可能となることから、歯形部品の筒状部の軸長を容易に調整することができる。この結果、歯形部品の剛性を良好に確保しつつ、筒状部の軸長を容易に調整することが可能となる。
【0037】
また、前記環状リブ(2rB)の形成に際しては、前記筒状部(2)の開口端(2a)で前記複数の内側周壁部(2i)および前記複数の歯面部(2m)をせん断しながら径方向内側に押し込んで前記環状リブ(2rB)を前記複数の内側周壁部(2i)に沿って環状に延在するように形成してもよい。これにより、歯形部品の剛性をより向上させることが可能となる。
【0038】
本開示の歯形部品は、筒状部(2)、前記筒状部(2)の内周面に形成された内側歯形部(Si)、および前記筒状部(2)の外周面に形成された外側歯形部(So)を含む歯形部品(1)において、それぞれ前記筒状部(2)の軸方向に延在して前記内側歯形部(Si)の歯先部(2ti)および前記外側歯形部(So)の歯底部(2bo)を形成する複数の内側周壁部(2i)と、それぞれ前記軸方向に延在して前記内側歯形部(Si)の歯底部(2bi)および前記外側歯形部(So)の歯先部(2to)を形成する複数の外側周壁部(2o)と、前記筒状部(2)の開口端(2a)で前記複数の外側周壁部(2o)に結合して前記複数の内側周壁部(2i)よりも径方向外側で環状に延在する環状リブ(2r)とを含むものである。
【0039】
かかる歯形部品では、筒状部の開口端に、複数の外側周壁部に結合して複数の内側周壁部よりも径方向外側で環状に延在する環状リブが形成される。これにより、歯形部品の剛性を高くすることが可能となる。更に、かかる歯形部品では、環状リブの厚みの増加を抑制することができるので、当該環状リブを容易に切断可能となり、歯形部品の筒状部の軸長を容易に調整することができる。この結果、歯形部品の剛性を良好に確保しつつ、筒状部の軸長を容易に調整することが可能となる。
【0040】
また、前記環状リブ(2r)は、前記複数の外側周壁部(2o)に沿って環状に延在してもよい。これにより、歯形部品の剛性をより向上させることが可能となる。
【0041】
更に、前記歯形部品(1)は、前記筒状部(2)の前記開口端(2a)とは反対側の端部から径方向内側に延びる環状の側壁部(3)を含んでもよく、前記内側歯形部(Si)は、クラッチの摩擦係合プレートの外周部が前記開口端(2a)側から嵌合される内歯スプラインであってもよい。すなわち、本開示の歯形部品は、クラッチのクラッチドラムとして構成されてもよい。
【0042】
また、前記筒状部(2)の前記開口端(2a)とは反対側の他端から径方向内側に延びる環状の側壁部(3)を含んでもよく、前記外側歯形部(So)は、クラッチまたはブレーキの摩擦係合プレートの内周部が前記他端側から嵌合される外歯スプラインであってもよい。すなわち、本開示の歯形部品は、クラッチやブレーキのハブ、あるいは内周側および外周側の双方に摩擦係合プレートが嵌合されるドラム部材として構成されてもよい。
【0043】
本開示の他の歯形部品は、筒状部(2)、前記筒状部(2)の内周面に形成された内側歯形部(Si)、および前記筒状部(2)の外周面に形成された外側歯形部(So)を含む歯形部品(1B)において、それぞれ前記筒状部(2)の軸方向に延在して前記内側歯形部(Si)の歯先部(2ti)および前記外側歯形部(So)の歯底部(2bo)を形成する複数の内側周壁部(2i)と、それぞれ前記軸方向に延在して前記内側歯形部(Si)の歯底部(2bi)および前記外側歯形部(So)の歯先部(2to)を形成する複数の外側周壁部(2o)と、前記筒状部(2)の開口端(2a)で前記複数の内側周壁部(2i)に結合して前記複数の外側周壁部(2o)よりも径方向内側で環状に延在する環状リブ(2rB)とを含むものである。
【0044】
かかる歯形部品では、筒状部の開口端に、複数の内側周壁部に結合して複数の外側周壁部よりも径方向内側で環状に延在する環状リブが形成される。これにより、歯形部品の剛性を高くすることが可能となる。更に、かかる歯形部品では、環状リブの厚みの増加を抑制することができるので、当該環状リブを容易に切断可能となり、歯形部品の筒状部の軸長を容易に調整することができる。この結果、歯形部品の剛性を良好に確保しつつ、筒状部の軸長を容易に調整することが可能となる。
【0045】
また、前記環状リブ(2rB)は、前記複数の内側周壁部(2i)に沿って環状に延在してもよい。これにより、歯形部品の剛性をより向上させることが可能となる。
【0046】
更に、前記歯形部品(1B)は、前記筒状部(2)の前記開口端(2a)とは反対側の他端から径方向内側に延びる環状の側壁部(3)を含んでもよく、前記外側歯形部(So)は、クラッチまたはブレーキの摩擦係合プレートの内周部が嵌合される外歯スプラインであってもよい。すなわち、本開示の他の歯形部品は、クラッチやブレーキのハブとして構成されてもよい。
【0047】
本開示の歯形部品の加工装置は、内周面に形成された内側歯形部(Si)および外周面に形成された外側歯形部(So)を有する筒状部(2)と、それぞれ前記筒状部(2)の軸方向に延在して前記内側歯形部(Si)の歯先部(2ti)および前記外側歯形部(So)の歯底部(2bo)を形成する複数の内側周壁部(2i)と、それぞれ前記軸方向に延在して前記内側歯形部(Si)の歯底部(2bi)および前記外側歯形部(So)の歯先部(2to)を形成する複数の外側周壁部(2o)と、それぞれ前記軸方向に延在して対応する前記内側周壁部(2i)と前記外側周壁部(2o)とを繋ぐ複数の歯面部(2m)とを含む歯形部品(1)の加工装置(20)であって、それぞれ対応する前記内側周壁部(2i)および前記外側周壁部(2o)を径方向外側から支持する複数のダイス(23)と、それぞれ前記筒状部(2)の開口端(2a)の径方向内側で対応する前記内側周壁部(2i)および前記歯面部(2m)に対向するように配置される複数のパンチ(25)と、前記複数のダイス(23)に前記内側周壁部(2i)および前記外側周壁部(2o)を径方向外側から支持させながら、対応する前記内側周壁部(2i)および前記歯面部(2m)をせん断しながら径方向外側に押し出すように前記複数のパンチ(25)を径方向外側に移動させる駆動機構(30)とを含むものである。
【0048】
かかる加工装置によれば、歯形部品の筒状部の開口端に複数の外側周壁部に結合して複数の内側周壁部よりも径方向外側で環状に延在するように環状リブを形成することができるので、高い剛性を有する軽量な歯形部品を低コストで製造することが可能となる。
【0049】
また、前記駆動機構(30)は、それぞれ複数の前記内側周壁部(2i)および前記歯面部(2m)により形成される環状リブ(2r)が前記複数の外側周壁部(2o)に沿って環状に延在するように前記複数のパンチ(25)を径方向外側に移動させるものであってもよい。
【0050】
本開示の他の歯形部品の加工装置は、内周面に形成された内側歯形部(Si)および外周面に形成された外側歯形部(So)を有する筒状部(2)と、それぞれ前記筒状部(2)の軸方向に延在して前記内側歯形部(Si)の歯先部(2ti)および前記外側歯形部(So)の歯底部(2bo)を形成する複数の内側周壁部(2i)と、それぞれ前記軸方向に延在して前記内側歯形部(Si)の歯底部(2bi)および前記外側歯形部(So)の歯先部(2to)を形成する複数の外側周壁部(2o)と、それぞれ前記軸方向に延在して対応する前記内側周壁部(2i)と前記外側周壁部(2o)とを繋ぐ複数の歯面部(2m)とを含む歯形部品(1B)の加工装置であって、それぞれ対応する前記内側周壁部(2i)および前記外側周壁部(2o)を径方向内側から支持する複数のダイスと、それぞれ前記筒状部(2)の開口端(2a)の径方向外側で対応する前記外側周壁部(2o)および前記歯面部(2m)に対向するように配置される複数のパンチと、前記複数のダイスに前記内側周壁部(2i)および前記外側周壁部(2o)を径方向内側から支持させながら、対応する前記外側周壁部(2o)および前記歯面部(2m)をせん断しながら径方向内側に押し込むように前記複数のパンチを径方向内側に移動させる駆動機構とを含むものである。
【0051】
かかる加工装置によれば、歯形部品の筒状部の開口端に複数の内側周壁部に結合して複数の外側周壁部よりも径方向内側で環状に延在するように環状リブを形成することができるので、高い剛性を有する軽量な歯形部品を低コストで製造することが可能となる。
【0052】
また、前記駆動機構は、それぞれ複数の前記外側周壁部(2o)および前記歯面部(2m)により形成される環状リブ(2rB)が前記複数の内側周壁部(2i)に沿って環状に延在するように前記複数のパンチを径方向内側に移動させるものであってもよい。
【0053】
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記実施形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本開示の発明は、歯形部品の製造産業等において利用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15