(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記パイロット管(25)に電磁弁(29)を介設し、上記水圧計(42)の検知信号によって、前記パイロット管(25)に介設した電磁弁(29)を開閉し、その開閉によって、上記パイロット管(25、26)を介した緊急作動弁(V)の開閉動作を行い得るようにした請求項2に記載の緊急作動弁装置。
上記水圧計(42)の検知信号に代えて遠方の操作室からの通信信号によって、又は前記水圧計(42)の検知信号に併せて遠方の操作室からの通信信号によって、上記バイパス回路(41)の電磁弁(40)及び上記パイロット管(25)に介設した電磁弁(29)の一方、又は両者を開閉するようにした請求項2又は3に記載の緊急作動弁装置。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば地震等の災害発生時に地域住民の生活水を確保したり、消火用水などとしたりするために、道路や校庭あるいは公園の地下等に非常用貯水槽(タンク)が埋設されている。
【0003】
この非常用貯水槽設備は、一般的に、
図2に示すように、水道本管Sにバイパス管Pを開閉弁V1、V2を介して設け、そのバイパス管Pに貯水タンク(槽)Tを介設し、バイパス管Pに緊急作動弁Vを設けるとともに、バイパス管Pの間の水道本管Sに開放弁V3を設けたものである。
図中、各開閉弁V1、V2、V3は白抜きが開放、黒塗りが閉止を示す。この白抜き及び黒塗りは他の開閉弁V4〜V6及び
図1A〜
図1Gに示す各弁も同じである。
【0004】
この非常用貯水槽設備は、平常時、緊急作動弁Vによって、同図(a)に示すように、水aを矢印のごとく流して、貯水タンクT内に貯水するとともに、その貯水タンクT内に水が停滞しないようにして腐敗を防止している。一方、地震等の非常時(緊急時、異常時)には、緊急作動弁Vによって、同図(b)に示すように、水aを矢印のごとく流して、水道本管Sの流れを確保するとともに、貯水タンクTを水道本管Sから断ち切って、サイホン現象による貯水タンクTからの水の流出を防ぎ、その水を確保する。
【0005】
この非常用貯水槽設備における緊急遮断装置として、上記平常時と緊急時の水aの流通方向の切り替えを自動的に行うとともに、緊急時の自己保持及び自動復帰を選択し得る技術が開発されている(特許文献1、2)。
この緊急遮断装置は、水道本管S側の水圧に基づくパイロット弁によって、バイパス管路Pに介設された緊急作動弁Vを制御して上記切り替え動作等を行うものである(特許文献1段落0020〜0038、
図1〜
図7、特許文献2段落0013〜0059、
図1〜11、下記
図1の実施形態参照)。
なお、
図2中、V4は、下記実施形態においては、弁体16aと弁座15aで構成する弁、V5は、同弁体16bと弁座15cで構成する弁、V6は、同弁体16bと弁座15bで構成する弁である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の緊急遮断装置は、水道本管S側の水圧に基づくパイロット弁によって緊急作動弁Vを制御するため、上記復帰時、水道本管Sの水圧がパイロット弁の設定圧(緊急作動弁Vの復帰設定圧)にならないと、緊急作動弁Vが動作しないものである(貯水槽Tへの水道水aの流通がなされない)。
しかし、水道本管Sが通常の状態(水圧)にならなくても、水道本管Sには水が流れている場合があり、この水流通がある場合は、貯水槽Tにもその水を流通させて水の滞留をなくすことが好ましい。
【0008】
このとき、上記従来の緊急遮断装置には、水道本管Sの水圧や、外部、例えば、遠く離れた水道監視室等の操作室からの通信手段(通信信号)によって緊急作動弁Vを動作させる手段が構築されていない。このため、上記の水道本管Sの水圧が復帰設定値になっていないけれども、水道本管Sには水が流通し、緊急作動弁Vを復帰させて貯水槽Tに水を流通させたい場合、その緊急遮断装置の設置場所に、作業員がわざわざ行き、手動によって緊急作動弁Vの復帰操作をして貯留槽に水を流通しなければならない。これは煩雑である。
【0009】
この発明は、上記実情に鑑み、外部からの通信等によって貯水槽への水流通を行えるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を達成するために、この発明は、上記の緊急遮断装置において、上記パイロット弁が介設されたパイロット管に、外部からの通信によって開閉する電磁弁を介設したバイパス回路を並列に設けることとしたのである。
外部から電磁弁を開放すれば、バイパス回路を通って緊急作動弁の復帰がなされて、貯留槽への水道水の流通がなされる。
【0011】
この発明の具体的な構成は、
水道本管に圧力感知式パイロット弁を付設した緊急作動弁を介設し、前記
水道本管の流体圧を、パイロット管を介しパイロット弁を通して緊急作動弁の弁体駆動部に導き、前記
水道本管内圧に異常が生じた際、その異常圧をパイロット弁
で検知し、その検知動作により、弁体駆動部を作動させて緊急作動弁を開閉し、その異常圧が正常圧になった際には、その正常圧を前記パイロット弁で検知し、その検知動作により、弁体駆動部を作動させて緊急作動弁を復帰させる自動復帰型緊急作動弁装置において、前記パイロット管
を流通自在とし
て自動作動とし、異常時の弁体駆動部による緊急作動弁の開閉動作完了時には
パイロット管を遮断し
て手動作動とし、かつ、パイロット管に外部からの電気信号によって開閉する電磁弁を介設したバイパス回路を並列に設けたのである。
【0012】
この構成において、上記外部からの電気信号には、水道管理室からの電気信号、水道本管の水圧(流量)計や地震計等からの電気(検知)信号が考えられる。例えば、上記水道本管の水圧計を有し、その水圧計の検知信号によって上記電磁弁を開閉するようにし得る。
また、上記パイロット管に電磁弁を介設し、前記水圧計の検知信号によって、前記パイロット管に介設した電磁弁を開閉し、その開閉によって、パイロット管を介した緊急作動弁の開閉動作を行い得るようにし得る。
以上の場合、上記水圧計の検知信号に代えて遠方の操作室からの通信信号によって、又は前記水圧計の検知信号に併せて遠方の操作室からの通信信号によって、上記バイパス回路の電磁弁及び上記パイロット管に介設した電磁弁の一方、又は両者を開閉するようにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明は、以上のように、バイパス回路の電磁弁を外部から開閉できるようにしたので、水道本管Sの水圧がパイロット弁の復帰設定圧になっていないのに水道本管Sに水流通がある場合、例えば、水道本管の水圧計の検知信号や水道監視室からの通信手段によって緊急作動弁を動作させて、貯水槽への水道本管からの水を流通することができる。このため、貯水槽の水滞留による貯水の汚濁を速やかに解消することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明に係る緊急遮断装置の一実施形態を
図1A〜
図1Gに示し、10は緊急作動弁(4方口切換弁)Vの弁箱であって、第1ポート(口)11a、第2ポート(口)11b、第3ポート(口)11c及び第4ポート(口)11dを有する。
弁箱10の中央には弁棒12が挿入され、弁箱10内は、その弁棒12を横切る仕切り壁13a、13b、13cが設けられて、第1ポート11aの第1室14a、第2ポート11bの第2室14b、第3ポート11cの第3室14c、第4ポート11dの第4室14dの4室に分割されている。
各仕切壁13a、13b、13cには弁棒12が貫通する連通孔がそれぞれ形成されて、その各孔の周縁が第1、第2、第3弁座15a、15b、15cとなっている。
【0016】
弁棒12には上記弁座15a、15b、15cに接離する弁体16a、16bが設けられている。
図1Aに示すように、下側の弁体16bが第2弁座15bに当接(閉弁)しているときには、上側の弁体16aは第1弁座15aから離れ(開弁し)、一方、
図1Bの鎖線から実線に示すように、下側の弁体16bが第2弁座15bから離れて(開弁して)第3弁座15cに当接する(閉弁する)と、上側の弁体16aは第1弁座15aに当接(閉弁)するようになっている。弁体16a、16bの弁座15a、15b、15cとの当接面にはシールを設けて水密を確保する。
【0017】
弁箱10の上部に弁体駆動部20が構成されている。その弁体駆動部20は、弁箱10上部のシリンダ状の筒部21に上記弁棒12の上端が挿通されて、その中程にピストン22が固着されている。このピストン22はばね23によって下方に押されている。このばね23の付勢力を適宜に設定することによって、その設定圧以下となれば、ばね23によって弁棒12が下降する。シリンダ22のばね23の反対側にはパイロット弁30がパイロット管25を介して接続されている。
【0018】
パイロット弁30は、第1ポート(口)31a、第2ポート(口)31b、第3ポート(口)31cを有する三方弁であって、その弁箱31上部にばね32内蔵のシリンダ33を設けたものである。第1ポート31aは緊急作動弁Vの弁箱10の第1室14aに連通するパイロット管26が、第2ポート31bには上記パイロット管25がそれぞれ接続されており、第3ポート31cは開閉弁35aを介して外気に開放自在とされている。弁35aは常時は開放されている。シリンダ33内にはダイヤフラム34が張設されて、上下の二室に区画されている。弁箱31からシリンダ33内に突出した弁棒35はダイヤフラム34に一体となっており、ダイヤフラム34の撓みに応じて、弁体(ピストン)36が上下動して弁座36a、36bに選択的に接離する。
【0019】
シリンダ33内のばね32は下端がダイヤフラム34に、他端がばね受け37に当接している(受けられている)。このばね受け37は、ボルト38のねじ込み量に応じてシリンダ33内を移動してばね32を伸縮させる。このため、ボルト38のねじ込み量によって、ばね32の付勢力が調整され、弁棒35の動き、すなわち、弁体36が弁座36a、36bに接離するダイヤフラム34への印加圧を調整し得る。その印加は、上記パイロット管26から分岐したパイロット管27を介しパイロットポート39を通してなされる。
【0020】
このパイロット弁30に、水道圧などのパイロット圧がパイロット管27からダイヤフラム34に印加されている状態において、その圧が、ばね32による設定圧(緊急作動弁Vの遮断設定圧<復帰設定圧)より高い場合には、
図1Aのごとく、その圧によって、ダイヤフラム34は上方に撓んで、弁棒35も上昇して弁体36は第2弁座36bに圧接し(閉弁し)、第1ポート31aと第2ポート31bの流路が開放し、第2ポート31bと第3ポート31cの流路が閉じている。このため、パイロット管26、パイロット弁30、パイロット管25を介して弁体駆動部20に弁箱10の第1室11aの水圧が印加される。この印加によって、ばね23に抗してピストン22は上昇し、緊急作動弁Vの下側の弁体16bが第2弁座15bに当接し、上側の弁体16aは第1弁座15aから離れ、緊急作動弁Vは開放する。
【0021】
この状態で、地震等の何らかの事情により、例えば、水道本管Sの水圧などが下がって、パイロット管27を介したパイロット弁30のパイロット圧が低下し、ばね32による設定圧(遮断設定圧)より低くなると、ばね32により、ダイヤフラム34は下方に撓んで弁棒35も下降して、
図1Cの鎖線から実線のごとく、弁体36は第2弁座36bから離れ、第1弁座36aに当接する。すると、第1、第2ポート31a、31b間が閉じる。このため、パイロット管25からの弁体駆動部20への水が止まとともに、そのパイロット管25を介して、弁体駆動部20内の水がパイロット弁30の第2ポート31b、第3ポート31cを通って排出される。このため、緊急作動弁Vにおいて、ばね23により、
図1C鎖線から実線に示すように、下側の弁体16bが第2弁座15bから離れて第3弁座15cに当接するとともに、上側の弁体16aが第1弁座15aに当接して、緊急作動弁Vが閉じる(閉弁する)。
【0022】
以上の構成は、特許文献2の緊急遮断装置とほぼ同一であり、この発明は、その緊急遮断装置において、上記パイロット管25、パイロット弁30及びパイロット管26、27の管路に電磁弁40を介設したバイパス回路41を並列に設けた構成が特徴である。また、この実施形態においては、パイロット管25に開閉用電磁弁29及びモード切替用電磁弁Vb、弁体駆動部20内の開閉用電磁弁28、バイパス回路41にモード切替用電磁弁Vaをそれぞれ設けるとともに、各管に手動の開閉弁を適宜に設けている。
モード切替用電磁弁Va、Vbは自動作動(AUTO MODE)と手動作動(MANUAL MODE)を切り替える弁であり、図示しない外部信号(例えば水道管理室)からの信号によって動作され、
図1A〜
図1Dに前者の場合、
図1E〜
図1Gに後者の場合のそれぞれの作用を示す。
【0023】
通常、開閉用電磁弁28、29、40は、それぞれ、閉、開、開、モード切替用電磁弁Va、Vbは、それぞれ、閉、開となっている。開閉用電磁弁28、29、40はある信号(信号1)を受けると、連動して通常と逆の開閉となり、モード切替用電磁弁Va、Vbは、前記信号1と異なる信号(信号2)を受けると、連動して通常と逆の開閉となる。信号1は水圧計42、地震計等の信号であったり、水道管理室からの信号であったりする。水圧計42は、緊急作動弁Vの第1室14a内の水圧、すなわち水道本管Sの水圧を検出する。信号2は水道管理室からの人手による信号である。開閉用電磁弁28、29、40及びVa、Vbはそれぞれ別々の信号によって開閉するようにすることができる。また、モード切替用電磁弁Va、Vbは現場にて手動で開閉する手動弁とすることもできる。
なお、水圧計42、電磁弁40、28、29、Va、Vb等の電気機器は、適宜に電源に接続されていることは勿論である。但し、前記電源は、自立型の電源(例えば太陽電池)であったり、地震などの非常時には蓄電池に切り替わるものであったりしてもよい。
【0024】
この実施形態は以上の構成であり、
図2の非常用貯水槽設備に使用する場合は、バイパス管Pの水道本管S側を第1、第4ポート11a、11dに、同貯水槽T側を第2、第3ポート11b、11cにそれぞれ接続する。
【0025】
この接続状態において、AUTO MODEにおいては、平常時、
図1Aに示すように、水道本管S内の水圧も所定の値があり、その水圧でもってパイロット弁30を介してピストン22がばね23を圧縮して上動し(上死点位置)、弁棒12も上方に位置して、弁体16bが第2弁座15bに当接するとともに、弁体16aが第1弁座15aから離れた状態を維持する。この状態は、第1室14aと第2室14b、第3室14cと第4室14dが連通したものであり、水道本管Sの水aは、
図2(a)の矢印のごとく流れ、貯水槽T内を通過する。
【0026】
この平常時において、何らかの事情によって貯水槽Tへの流水を止めたい場合、
図1Bに示すように、図示しない外部信号(例えば水道管理室)からの信号1によって、開閉用電磁弁28を開放するとともに、開閉用電磁弁29を閉じ、パイロット管25からの弁体駆動部20(筒体21)への水供給をなくする。すると、開閉用電磁弁28を介してその筒体21から排水されるため、同図の鎖線から実線に示すように、ピストン22はばね23によって下動し(下死点位置)、弁棒12も下方に位置して、弁体16bが第2弁座15bから離れて第3弁座15cに当接するとともに、弁体16aが第1弁座15aに当接する。この状態は、第1室14aと第4室14dが連通し、第2、第3室14b、14cが第1、第4室14a、14dから遮断されたものであり、水道本管Sの水aは、
図2(b)の矢印のごとく流れ、貯水槽T内に水道水が流入することがなく、かつ貯水槽T内の水は流出することがない。
【0027】
一方、地震等が生じた非常時において、水道本管Sが破損する等によって、水道本管S内の水圧が低下すると、この水圧低下により、パイロット弁30を介してシリンダ31内に水圧が全く印加されなくなったり、かなりの水圧が低下したりする。このため、
図1Cの鎖線から実線に示すように、パイロット弁30のダイヤフラム34へのパイロット管27からの印加水圧が遮断設定圧以下となり、弁体36はばね32に押されて弁座36bから離れて弁座36aに当接して、第2ポート31bと第3ポート31cの間が連通する。すると、弁体駆動部20(筒体21)から、パイロット管25、パイロット弁30を介して排水される。このため、同図の鎖線から実線に示すように、緊急作動弁Vにおいては、ピストン22はばね23によって下動し、弁体16bが第2弁座15bから離れて第3弁座15cに当接するとともに、弁体16aが第1弁座15aに当接する。この状態は、第1室14aと第4室14dが連通し、第2、第3室14b、14cが第1、第4室14a、14dから遮断されたものであり、同様に、水道本管Sの水aは、
図2(b)の矢印のごとく流れ、貯水槽T内に水道水が流入することがなく、かつ貯水槽T内の水は流出することがない。
【0028】
また、地震等が生じた非常時になった場合に、水道本管S内の水圧に関係なく、
図1Dに示すように、図示しない地震計又は水道管理室からの信号1によって、開閉用電磁弁28が開放されるとともに、同電磁弁29が閉じられ、管パイロット管25からの弁体駆動部20(筒体21)への水供給がなくなり、開閉用電磁弁28を介してその筒体21から排水されるようになっている。この場合、同図の鎖線から実線に示すように、ピストン22はばね23によって下動し(下死点位置)、弁棒12も下方に位置して、弁体16bが第2弁座15bから離れて第3弁座15cに当接するとともに、弁体16aが第1弁座15aに当接する。この状態は、第1室14aと第4室14dが連通し、第2、第3室14b、14cが第1、第4室14a、14dから遮断されたものであり、貯水槽T内の水は流出することがない。
【0029】
以上の貯水槽Tの閉鎖状態で、水道本管Sの水圧が上昇して緊急作動弁Vのパイロット弁30によって設定された復帰設定圧(ばね32によって設定)より低い所要の値(ばね23による押圧力より大きい水圧値)に復帰すると、
図1Eに示すように、開閉用電磁弁28、29、40への信号1とは異なる外部信号(例えば水道管理室からの信号2)によって、モード切替用電磁弁Vaを開放し、同Vbを閉じる(MANUAL MODEに切り替わる)。その信号は、水圧計42からの信号2などに基づき発信することもできる。
このMANUAL MODEに切り替わると、
図1Eに示すように、水道本管Sからの水aが、第1室11a、バイパス管41を介して弁体作動部20(筒体21)内に流入してピストン22を押し上げる。このため、弁体16bが第2弁座15bに当接するとともに、弁体16aが第1弁座15aから離れた状態となり、第1室14aと第2室14b、第3室14cと第4室14dが連通し、水道本管Sの水aは、
図2(a)の矢印のごとく流れ、貯水槽T内を通過する。すなわち、水道本管S内の水圧が、何らかの事情によって、一時的に低下している状態であっても、貯水槽Tへの流水状態に復帰し得る。
【0030】
この
図1Eに示す状態において、水道本管Sの水圧が復帰設定圧以上となれば、そのまま、MANUAL MODEとしての平常状態にしておいてもいいが、AUTO MODEに戻す場合、外部信号(例えば水道管理室からの信号2)によって、
図1Aに示すように、モード切替用電磁弁Vbを開放し、同Vaを閉じる。すると、パイロット管26を介して水道圧がパイロット弁30に流入して開弁し、その圧が弁体作動部20に至って緊急作動弁Vの開放状態は維持される。すなわち、パイロット弁30を介したAUTO MODEの平常状態となる。
【0031】
手動作動(MANUAL MODE)の場合は、平常時、外部信号(例えば水道管理室からの信号2)によって、
図1Fに示すように、モード切替用電磁弁Vaを開放し、同Vbを閉じ、
図2の非常用貯水槽設備に使用する場合は、バイパス管Pの水道本管S側を第1、第4ポート11a、11dに、同貯水槽T側を第2、第3ポート11b、11cにそれぞれ接続する。
【0032】
この平常時において、地震等が生じた非常時(異常時)には、地震計又は管理室からの信号1によって、
図1Gに示すように、開閉用電磁弁28を開放するとともに、開閉用電磁弁40を閉じる。すると、バイパス回路41からの弁体駆動部20(筒体21)への水供給がなくなり、開閉用電磁弁28を介してその筒体21から排水される。このため、同図の鎖線から実線に示すように、ピストン22はばね23によって下動し(下死点位置)、弁棒12も下方に位置して、弁体16bが第2弁座15bから離れて第3弁座15cに当接するとともに、弁体16aが第1弁座15aに当接する。この状態は、第1室14aと第4室14dが連通し、第2、第3室14b、14cが第1、第4室14a、14dから遮断されたものであり、貯水槽T内の水は流出することがない。
【0033】
この
図1Gの状態において、緊急作動弁Vを開放(開弁)するには、水圧が復帰設定圧以上、もしくは、ばね23の押圧力以上である必要があり、人手による外部信号(例えば水道管理室の信号1)から、
図1Fに示すように、開閉用電磁弁28を閉じ、同40を開放する。
【0034】
上記緊急作動弁Vは、上記実施形態の態様に限らず、この発明を採用し得る構成であれば、例えば、特許文献1の
図1〜
図6、特許文献2の
図8、
図9、
図10に示す緊急遮断装置等にも採用し得ることは勿論である。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。