特許第6923216号(P6923216)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6923216残留防止機能を有するストロー内蔵型パウチ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6923216
(24)【登録日】2021年8月2日
(45)【発行日】2021年8月18日
(54)【発明の名称】残留防止機能を有するストロー内蔵型パウチ
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/30 20060101AFI20210805BHJP
   B65D 33/00 20060101ALI20210805BHJP
【FI】
   B65D75/30 Z
   B65D33/00 Z
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-532265(P2018-532265)
(86)(22)【出願日】2016年12月7日
(65)【公表番号】特表2019-500287(P2019-500287A)
(43)【公表日】2019年1月10日
(86)【国際出願番号】KR2016014269
(87)【国際公開番号】WO2017105022
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2019年12月4日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0179217
(32)【優先日】2015年12月15日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0179184
(32)【優先日】2015年12月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519427468
【氏名又は名称】イージー エヌ パック コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ミョンチョル
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ヒュンゴク
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05884758(US,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2007−0095106(KR,A)
【文献】 米国特許第05937617(US,A)
【文献】 特開2009−233348(JP,A)
【文献】 特開2002−179146(JP,A)
【文献】 特開2015−159896(JP,A)
【文献】 特開2011−046440(JP,A)
【文献】 特開2011−244879(JP,A)
【文献】 特開2003−291992(JP,A)
【文献】 特開2005−292582(JP,A)
【文献】 特開2010−221522(JP,A)
【文献】 特開2013−039979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/30
B65D 33/00
B65D 33/36
B65D 33/04
B65D 33/08
B65D 75/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周縁が融着された第1シート材と第2シート材との間の空間に液体を収納し、ストローを内蔵するストロー内蔵型パウチにおいて、
前記パウチはベースのない平板型であって、
前記パウチ内の底部分で前記第1シート材と前記第2シート材とが連結される基底線は最低点121、221から上向きの直線傾斜を有して前記最低点121、221と前記直線傾斜が逆三角形態を成し、前記ストローの下端末111A、211Aは前記最低点121、221に位置するが、その状態を保持するように前記ストローの下端が前記第1シート材または前記第2シートに固着され、
前記ストローは前記第1シート材または前記第2シート材と融着され、
前記ストローは2以上の樹脂層で構成されるが、外殻にある樹脂層の融点がそれより内側にある他の樹脂層の融点より低いことを特徴とするストロー内蔵型パウチ。
【請求項2】
周縁が融着された第1シート材と第2シート材との間の空間に液体を収納し、ストローを内蔵するストロー内蔵型パウチにおいて、
前記パウチは前記第1シート材の下端部と前記第2シート材の下端部との間にベースが介在された直立型であって、
前記パウチ内の底部分で、前記第1シート材と前記ベースとが連結される第1基底線は前記第1最低点から上向きの直線傾斜を有して前記第1最低点とこれからの直線傾斜が逆三角形態を成し、前記第2シート材と前記ベースとが連結される第2基底線は前記第2最低点から上向きの直線傾斜を有して前記第2最低点とこれからの直線傾斜が逆三角形態を成し、
前記ストローの下端末は前記第1最低点または前記第2最低点に位置するが、その状態を保持するように前記ストローの下端が前記ベース、前記第1シート材または前記第2シート材に固着されたことを特徴とするストロー内蔵型パウチ。
【請求項3】
前記ストローは前記第1シート材または前記第2シート材と融着され、前記ストローは2以上の樹脂層で構成されるが、外殻にある樹脂層の融点がそれより内側にある他の樹脂層の融点より低いことを特徴とする請求項2に記載のストロー内蔵型パウチ。
【請求項4】
前記ストローには直径0.1mm〜3.5mmの大きさのピンホールが一つ以上形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のストロー内蔵型パウチ。
【請求項5】
前記第1シート材または前記第2シート材には内側に突出される複数の突起部が形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のストロー内蔵型パウチ。
【請求項6】
前記第1シート材または前記第2シート材には前記ストローの下端末を少なくとも露出する透明窓または半透明窓が形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のストロー内蔵型パウチ。
【請求項7】
前記第1シート材または前記第2シート材の外側表面には前記ストローと対応する位置、または前記ストローの下端末と対応する位置にストロー模様の絵やストローを表示する絵が印刷されたことを特徴とする請求項1または2に記載のストロー内蔵型パウチ。
【請求項8】
前記ストローの下端には湾曲部が形成され、
前記ストローの下端末は前記パウチの中央部と辺縁との間に位置することを特徴とする請求項1または2に記載のストロー内蔵型パウチ。
【請求項9】
前記第1最低点または前記第2最低点の中の何れか一つの位置は他の一つの位置より1mm以上低く形成されたことを特徴とする請求項2に記載のストロー内蔵型パウチ。
【請求項10】
前記第1シート材または前記第2シート材には計量用目盛り表示窓が形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のストロー内蔵型パウチ。
【請求項11】
前記融着された周縁には指掛け用穿孔が形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のストロー内蔵型パウチ。
【請求項12】
前記第1シート材または前記第2シート材は前記液体が見えるように素地を薄い単色で色相処理した半透過性であることを特徴とする請求項1または2に記載のストロー内蔵型パウチ。
【請求項13】
前記ストローは前記融着された周縁の中で何れか一側面の側面融着部と近接させた状態で前記第1シート材及び前記第2シート材と融着されるが、前記側面融着部と、前記第1シート材と前記ストローが融着された第1重畳融着部と、前記第2シート材と前記ストローが融着された第2重畳融着部がY字状のビームを形成することを特徴とする請求項1または2に記載のストロー内蔵型パウチ。
【請求項14】
前記パウチの上端部は瓶の首形状、動物形状、円形、三角形、四角形、六角形またはキャラクター形状からなることを特徴とする請求項1または2に記載のストロー内蔵型パウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は平板型及び直立型のストロー内蔵型パウチに関する。
【背景技術】
【0002】
飲用水はガラス瓶、カン、紙パック、プラスチックブロー容器など硬い固形容器に盛られて流通されたりするが、近来には合成樹脂フィルムシート類で作った小型パウチ類がたくさん用いられている。
【0003】
飲む時頭を反らさなければならない点は固形容器でもパウチでもすべての容器で同じであるが、特にパウチはふにゃふにゃして飲用姿勢が不安で口の中に注ぎ込む形で飲むようになり、飲みながら下にこぼしたり、服を汚染させることもあって、別途のコップやストローを使う場合が多い。
【0004】
別途のストローを使う代わりに、ストローがパウチの内部に内蔵されているストロー内蔵型パウチに関する非常に多様な技術が出願されて公開されている。
【0005】
大韓民国登録特許10−0782039(「ストローが内蔵された液体包装用パウチ及びストロー」、2007年11月28日登録)によれば、ストローに融着片を巻いた後、次の融着片の一端をパウチの周縁に一緒に融着してストローをパウチの内部に固定する技術が公開されている。
【0006】
また、大韓民国公開特許公報10−2007−0041693(「ストローが内蔵されたパウチ」、2007年4月19日公開)によれば、パウチ周縁の融着部にストローを挿入することができる空間を形成し、パウチを切開してストローの上端を露出させることができる技術が公開されている。
【0007】
また大韓民国登録特許公報10−0456030(「ストローが内蔵されたスタンディング容器」、2004年10月28日登録)によれば、パウチの上部一側に所定深みで切開されて形成された区画溝によって上部とは区画されたまま切取溝が形成された封切り部を形成し、パウチ内の上端が上記切取溝より高く位置するストローが内側に固定される技術が公開されている。
【0008】
また、大韓民国公開特許公報10−2011−0037186(「ストロー内蔵型スタンディング容器」、2011年4月13日公開)によれば、パウチの一側に形成された切取溝によって区画される切取部と切取部の内側に一端が具備され、他端はパウチの本体内部に固定され、直径が互いに異なる管形部材が相互嵌め込まれて選択的に長さが延長される多段ストローが構成される技術が公開されている。
【0009】
しかしながら、前述した従来技術においては様々な改善すべき課題があり、まず、前述した従来技術では、飲用後、パウチの底に相当量の残留液が残されるという問題点がある。
【0010】
特に、パウチでは外部表面の印刷や紫外線の遮断のためのアルミニウムコーティングなどによってパウチの内部を視覚的に確認することが難しいため、相当量の残留液が残され、残留液による無駄遣いが発生して顧客の不満が生ずる可能性があり、追後意図せず残留液が流れ出て問題が発生する点等を考慮すると、残留液に対する解決策が切実に必要である。
【0011】
そして、普通のパウチは軟性を有する合成樹脂フィルムシート類で作られるためふにゃふにゃし、それにより、ストローを用いてパウチの内容物を飲む時には両手で取って飲むか、パウチの上端を取ってパウチの起立姿勢が安定するようにするが、使用者の便宜性を向上させるためには片手でより自由で楽にパウチを把持してもパウチの起立姿勢が安定することができるようにする技術が必要である。
【0012】
以上、従来技術の問題点及び課題について説明したが、このような問題点及び課題に対する認識は本発明の技術分野において通常の知識を有する者にとって自明ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、飲用時にパウチ内に残留する残留液を低減することができるストロー内蔵型パウチを提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、飲用時にパウチをより容易に安定的に把持することができるストロー内蔵型パウチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一様相によるストロー内蔵型パウチは、周縁が融着された第1シート材と第2シート材との間の空間に液体を収納してストローを内蔵するストロー内蔵型パウチにおいて、
【0016】
前記パウチはベースのない平板型で、前記パウチ内の底部分で前記第1シート材と前記第2シート材とが連結される基底線は最低点121、221から上向きの直線傾斜を有して前記最低点121、221と前記直線傾斜が逆三角形態を成し、前記ストローの下端末111A、211Aは前記最低点121、221に位置するが、その状態を保持するように前記ストローの下端が前記第1シート材または前記第2シートに固着されることを特徴とする。
【0017】
本発明の一様相によるストロー内蔵型パウチは、周縁が融着された第1シート材と第2シート材との間の空間に液体を収納し、ストローを内蔵するストロー内蔵型パウチにおいて、
【0018】
前記パウチは前記第1シート材の下端部と前記第2シート材の下端部との間にベースが介在された直立型で、前記パウチ内の底部分で、前記第1シート材と前記ベースとが連結される第1基底線は前記第1最低点から上向きの直線傾斜を有して前記第1最低点とこれからの直線傾斜が逆三角形態を成し、前記第2シート材と前記ベースとが連結される第2基底線は前記第2最低点から上向きの直線傾斜を有して前記第2最低点とこれからの直線傾斜が逆三角形態を成し、前記ストローの下端末は前記第1最低点または前記第2最低点に位置するが、その状態を保持するように前記ストローの下端が前記ベース、前記第1シート材または前記第2シート材に固着されたことを特徴とする。
【0019】
前記ストロー内蔵型パウチにおいて、前記ストローは前記第1シート材または前記第2シート材と融着され、前記ストローは2以上の樹脂層で構成されるが、外殻にある樹脂層の融点がそれより内側にある他の樹脂層の融点より低いことを特徴とする。
【0020】
前記ストロー内蔵型パウチにおいて、前記ストローには直径0.1mm〜3.5mm大きさのピンホールが一つ以上形成されたことを特徴とする。
【0021】
前記ストロー内蔵型パウチにおいて、前記第1シート材または前記第2シート材には内側に突出される複数の突起部が形成されたことを特徴とする。
【0022】
前記ストロー内蔵型パウチにおいて、前記第1シート材または前記第2シート材には前記ストローの下端末を少なくとも露出する透明窓または半透明窓が形成されたことを特徴とする。
【0023】
前記ストロー内蔵型パウチにおいて、前記第1シート材または前記第2シート材の外側表面には前記ストローと対応する位置、または前記ストローの下端末と対応する位置にストロー模様の絵やストローを表示する絵が印刷されたことを特徴とする。
【0024】
前記ストロー内蔵型パウチにおいて、前記ストローの下端には湾曲部が形成され、前記ストローの下端末は前記パウチの中央部と辺縁との間に位置することを特徴とする。
【0025】
前記ストロー内蔵型パウチにおいて、前記第1最低点または前記第2最低点の中の何れか一つの位置は他の一つの位置より1mm以上低く形成されたことを特徴とする。
【0026】
前記ストロー内蔵型パウチにおいて、前記第1シート材または前記第2シート材には計量用目盛り表示窓が形成されたことを特徴とする。
【0027】
前記ストロー内蔵型パウチにおいて、前記融着された周縁には指掛け用穿孔が形成されたことを特徴とする。
【0028】
前記ストロー内蔵型パウチにおいて、前記第1シート材または前記第2シート材は前記液体が見えるように素地を薄い単色で色相処理した半透過性であることを特徴とする。
【0029】
前記ストロー内蔵型パウチにおいて、前記ストローは前記融着された周縁の中で一側面の側面融着部と近接させた状態で前記第1シート材及び前記第2シート材と融着され、前記側面融着部と、前記第1シート材と前記ストローが融着された第1重畳融着部と、前記第2シート材と前記ストローが融着された第2重畳融着部がY字状のビームを形成することを特徴とする。
【0030】
前記ストロー内蔵型パウチにおいて、前記パウチの上端部は瓶の首(boottlenek)形状、動物形状、円形、三角形、四角形、六角形またはキャラクター形状からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一様相によれば、基底線は下へ垂れた半円または楕円のような曲線ではない直線の形態で、下へ垂れた半円または楕円に比べて直線の傾斜を有するので、同じストローの下端末の高さでも残留液の量がより少なくなるという長所がある。また、本発明の一様相によれば、ストローの下端末が最低点に固着されるので、ストローの吸入口を最後の残留液が集まる所に安定的に保持することができるという長所がある。従来のパウチでは基底線が水平であって最低点さえない一方、本発明の一様相によれば、逆三角の深い所に最低点を形成し、その深い所で微量の残留液まで吸いこむことができるという長所がある。
【0032】
また、本発明の一様相によれば、ストローの下端に湾曲部が形成され、ストローの下端末はパウチの中央部と辺縁との間に位置し、最低点は中央から辺縁に移動して、下端末を中央部に形成するよりはストローの全体経路の長さが短くなって液体の流れが早くなるという長所がある。
【0033】
また、本発明の一様相によれば、融着部となるY字状の垂直ビームによって、パウチに堅固な強直性を付与し、使用者が片手でパウチを取っても棒を手に握ったように心強くて楽に感じ、飲用時にパウチをより容易で、且つ安定的に把持することができ、液体の内容物によってふにゃふにゃする従来のパウチに比べて本発明の一様相によるパウチは片手に取って、特にパウチの下端を取っても安定した姿勢で飲み物を飲むことができるという長所がある。
【0034】
また、本発明の一様相によれば、ストロー内蔵型パウチのストローは、2以上の樹脂層で構成されるが、外殻にある樹脂層の融点がそれより内側にある他の樹脂層の融点より低いもので、パウチ内にストローを所定の位置に迅速で、且つ正確に融着させることができるという長所がある。
【0035】
また、本発明の一様相によれば、ストローには直径0.1mm〜3.5mmの大きさのピンホールが一つ以上形成されるか、第1シート材または第2シート材には内側に突出される複数の突起部が形成されるもので、パウチの内部に空気を吹き込む手段として利用することができたり、またはパウチの両壁が液体に密着されることを防止することができるという長所がある。
【0036】
また、本発明の一様相によれば、ストロー11の下端末11Aを少なくとも露出する透明窓または半透明窓によって使用者が残留液を確認しながら飲用することができるという長所があり、印刷されたストロー模様の絵60やストローを表示する絵によって使用者にストローの存在を知らせ、また、残留液を最小化することができるパウチの姿勢を取るのに役に立つことができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の第1実施例による平板型ストロー内蔵型パウチを示した図面であって、図1Aは正面透視図であり、図1BはA−A`断面図であり、図1Cは逆三角形態に関する説明図である。
図2】本発明の第1実施例による平板型ストロー内蔵型パウチの変形例を示した図面であって、図2Aは正面透視図であり、図2BはB−B`断面図であり、図2Cは逆三角形態に関する説明図である。
図3】本発明の第2実施例による直立型ストロー内蔵型パウチを示した図面であって、図3Aは正面透視図であり、図3BはC−C`断面図であり、図3Cは逆三角形態に関する説明図である。
図4】本発明の第2実施例による直立型ストロー内蔵型パウチの変形例を示した図面であって、図4Aは正面透視図であり、図4BはC−C`断面図であり、図4Cは逆三角形態に関する説明図である。
図5図5Aはシールバー(Seal Bar)の例を示した図であり、図5Bは2以上の樹脂層で構成されるストローの断面を示した断面図であり、図5Cは透明窓または半透明窓が形成されたパウチを示した図面であり、図5Dはストロー模様の絵60が印刷されたパウチを示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
添付した図面を参照して本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。しかしながら、本発明は各種異なる形態で具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。そして図面で本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書全体を通じて類似する部分に対しては類似する名称及び図面符号を用いる。
【0039】
図1は本発明の第1実施例による平板型ストロー内蔵型パウチを示した図面であって、図1Aは正面透視図であり、図1BはA−A`断面図であり、図1Cは逆三角形態に関する説明図である。
【0040】
図2は本発明の第1実施例による平板型ストロー内蔵型パウチの変形例を示した図面であって、図2Aは正面透視図であり、図2BはB−B`断面図であり、図2Cは逆三角形態に関する説明図である。
【0041】
本発明の第1実施例によるストロー内蔵型パウチ100、200は、第1シート材101、201、第2シート材102、202及びストロー111、211を含むが、第1シート材101、201と第2シート材102、202が融着された周縁は第1側面融着部110A、210A、第2側面融着部110B、210B、上端融着部110C、210C及び下端融着部110D、201Dを備える。
【0042】
周縁が融着された第1シート材101、201と第2シート材102、202との間の空間には液体(飲用水)を収納し、ストロー111を内蔵する。そして、パウチはベースのない平板型で(図3及び図4の直立型パウチに対比される)、パウチの下端でも第1シート材101、201と第2シート材102、202が直接融着される。
【0043】
第1シート材101、201及び第2シート材102、202は内壁としてCPRポリプロピレン、低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレンなどの合成樹脂層を含むことができ、紫外線の遮断のためのアルミニウムなどの金属ホイル層及び印刷層などをさらに含むことができる。
【0044】
パウチ100、200内の底部分では第1シート材101、201と第2シート材102、202とが連結される基底線120、220が自然に形成され、残留する少量の液体は基底線120、220を含む谷間に沿って動くようになる。
【0045】
本発明の一特徴によれば、基底線120、220はその最低点121、221から上向きの直線傾斜を有して最低点121、221とこのような直線傾斜が逆三角形態を成し、ストロー111、211の下端末111A、211Aは基底線120、220の最低点121、221に位置するが、その状態を保持するようにストロー111の下端は第1線形融着部113A、213Aなどによって第1シート材101、201または第2シート102、202に固着される。
【0046】
ストローの下端末111A、211Aは最低点121、221と同一地点で会って固着されることで、パウチ内の液体は傾斜に沿って自動に最低点121、221に集まるようになり、最低点121、221に固着されたストロー111、211の下端末111A、211Aは吸入口に集まっている液体全部を吸い上げて残留液をほとんど残さなくなる。
【0047】
本発明の一特徴によれば、基底線120、220は下へ垂れた半円または楕円のような曲線ではない直線の形態で、下へ垂れた半円または楕円に比べて直線の傾斜を持って同じストローの下端末の高さでも残留液の量がより少なくなる。また、本発明の一特徴によれば、ストロー111、211の下端末111A、211Aが最低点121、221に固着されるので吸入口を安定的に保持することができる。
【0048】
従来のパウチでは基底線が水平であって最低点さえない一方、本発明の一様相によれば、逆三角の深い所に最低点を形成し、その深い所で微量の残留液まで吸いこむことができる。
【0049】
一方、図2の変形例では、ストロー211の下端に湾曲部211Cが形成され、ストローの下端末211Aはパウチの中央部と辺縁との間に位置する。最低点221は中央から辺縁に移動して、下端末211Aを中央部に形成するよりはストロー211の全体経路長さが短くなって液体の流れが早くなるという長所がある。
【0050】
そして、切口140、240を利用してパウチ100、200の上端を開封した後、ストロー111、211の伸縮部111B、211Bを曲げたり長さを伸ばして便利に用いることができる。ストローの上端部に形成された伸縮部111B、211Bは手や歯で引っ張ると伸縮部の長さを略150%程度さらに得ることができる。
【0051】
線形融着部113A、113B、213A、213B、213Cは、ストロー111、211を第1シート材101、201または/及び第2シート材102、202に固定する役割を果たすが、パウチ100、200の生産過程でストローを固定する。生産過程では第1シート材101、201または第2シート材102、202の中で一つのシート材(後述する突起部130、230は予め形成されている可能性がある)にストローを載せて位置させた後、線形融着部の形状を有するシールバー(Seal Bar)の熱で融着させてストローを固定する。その後、反対側のシート材を覆った後周縁を構成する融着部の中で上端融着部110C、210Cを除いた残り融着部と後述する重畳融着部114、214などの融着部を一度にまたは分けて熱で融着させる。そして、パウチに液体(飲用水)を注入した後上端融着部110C、210Cを融着させて液体及びストローを内蔵するパウチを生産することができる。
【0052】
本出願で「線形融着部」の「線形」は直線またはダートの連続型などを含んで広範囲の融着手段によることであることができる。
【0053】
ストロー111.211は融着された周縁の中の何れか一側面の側面融着部110A、210Aと近接させた状態で第1シート材及び第2シート材と融着され、前記側面融着部110A、210Aと、第1シート材とストローが融着された第1重畳融着部114A、214Aと、第2シート材とストローが融着された第2重畳融着部110B、210BとがY字状のビームを形成する。
【0054】
図5Aに示したシールバー(Seal Bar)のようなものを利用してシート材とストローを融着させることによって、第1重畳融着部114A、214A及び第2重畳融着部114B、214Bを形成することができ、図1B及び図2Bの断面図に示したように、第1側面融着部110A、210A、第1重畳融着部114A、214A及び第2重畳融着部114B、214Bはその断面状はY字状で、長さ方向に延長するビームを形成し、まるで建築に利用される型鋼のように作用する(図1B及び図2Bに示した断面図ではY字状ビームに空隙がないが、若干空隙があることもある)。
【0055】
熱による融着後、シート材及びストローを構成する合成樹脂は収縮し、剛性が増加することがある。柔らかいポリエチレンフィルム原緞も加熱融着すればその融着部位は冷却と同時に収縮されて融着部が厚くなりながらぱりっとし、ひいてはY字状のビーム構造を形成することで骨組みのような強直性を得てより堅固になる。
【0056】
本発明の一特徴によれば、融着部となったY字状の垂直ビームによって、パウチに堅固な強直性を付与し、使用者が片手でパウチを取っても棒を手に握ったように心強くて楽に感じ、飲用時にパウチをより簡単で安定的に把持することができ、液体の内容物によってふにゃふにゃする従来のパウチに比べて本発明の一様相によるパウチは片手に取って、特にパウチの下端を取っても安定した姿勢で飲み物を飲むことができるという効果を奏する。
【0057】
本発明の一実施例によるストロー内蔵型パウチでストローはマルチレイヤー構造を有する。ストローは第1シート材または第2シート材と融着され、図5Bに例示されたように2以上の樹脂層で構成されるが、外殻にある樹脂層11−1の融点がそれより内側にある他の樹脂層11−2の融点より低いことを特徴とする。
【0058】
時間当り数千枚ずつ完製品を作る大量生産工程ではパウチ内にストローを所定の位置に迅速で、且つ正確に融着させなければならないので、ストローの内側(内径)にある樹脂層には従来通り融点の高いポリプロピレンや高密度のポリエチレンなどの原料を用いても外表面の樹脂層にはそれより融点が低く、パウチの内壁の物性と相溶性の良い低密度ポリエチレンまたは線形低密度ポリエチレンなどや融点がもっと低くて熱封合開始温度がより低く、耐寒性の良い低温機能性樹脂類を用いて2−レイヤーやそれ以上のマルチレイヤー生産技法で外径表面をコーティングすることが生産性の向上のためにも好ましい。レトルトパウチは100℃〜140℃の高温殺菌が適用されるので、ストローにおいても耐熱性が良く、内壁樹脂と相溶性の良いCPRポリプロピレンなどを外表面の樹脂層に用いることができる。
【0059】
そして、ストロー111、211には直径0.1mm〜3.5mmの大きさのピンホールが一つ以上形成され、第1シート材101、201または第2シート材102、202には内側に突出される複数の突起部130、230が形成される(図1B及び図2B参照)。
【0060】
飲用時にパウチの内壁同士が液体に密着されて流れが止められることもあるが、これを防止するためにストローの中端部または下端部に直径0.1mm〜3.5mmの大きさのピンホール112、212をパウチとストローの規格に応じて一つ以上形成することにより、パウチの内部に空気を吹入する手段とし、少なくとも一方の内壁にエンボシング形態の突起部130、230を形成してパウチの両壁が液体に密着されることを防止することで、液体の流れが停止されず、円滑に下へ流れるようにして集水時間を短縮することができる。
【0061】
突起部130、230は両壁の密着防止用として形成されるが、商品のブランド名や商標またはマークなどを突起させて活用することができ、大きさや位置などは任意に設定することができる。
【0062】
図3は本発明の第2実施例による直立型ストロー内蔵型パウチを示した図面であって、図3Aは正面透視図であり、図3BはC−C`断面図であり、図3Cは逆三角形態に関する説明図である。
【0063】
図4は本発明の第2実施例による直立型ストロー内蔵型パウチの変形例を示した図面であって、図4Aは正面透視図であり、図4BはC−C`断面図であり、図4Cは逆三角形態に関する説明図である。
【0064】
以下、本発明の第1実施例に比べて同一または類似する部分に関する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0065】
パウチ300、400は第1シート材301、401の下端部と第2シート材302、402の下端部との間にベース333、433が介在された直立型である。
【0066】
そして、パウチ300、400内の底部分で第1シート材301、401とベース333、433とが連結される第1基底線320A、420Aは第1最低点321A、421Aから上向きの直線傾斜を有して第1最低点321A、421Aとこれからの直線傾斜が逆三角形態を成し、第2シート材302、402とベース333、433とが連結される第2基底線320B、420Bは第2最低点321B、421Bから上向きの直線傾斜を有して第2最低点321B、421Bとこれからの直線傾斜が逆三角形態を成す。そして、ストロー311、411の下端末311A、411Aは第1最低点または第2最低点に位置し、その状態を保持するようにストローの下端がベース、第1シート材または第2シート材に固着される。
【0067】
本発明の一特徴によれば、基底線は下へ垂れた半円または楕円のような曲線ではない直線の形態で、下へ垂れた半円または楕円に比べて直線の傾斜を有して同じストローの下端末の高さでも残留液の量がもっと少なくなる。また、本発明の一特徴によれば、ストローの下端末311A、411Aが最低点に固着されるので、吸入口を安定的に保持することができる。本発明の一様相によれば、逆三角の深い所に最低点を形成し、その深い所で微量の残留液まで吸いこむことができる。
【0068】
そして、従来の直立型パウチでは、重量の均衡保持などのためにパウチの真中部を中心に左・右両方対称されるように構成されることが不文律のように慣用化されて来たが、図3の実施例によるパウチ300のようにその不文律を壊して最低点が左中間や右中間地点まで移動しても重量の均衡が保持されてパウチの直立に差し支えがないという新しい事実を見つけてこれを適用したのである。
【0069】
図4に示した直立型パウチ400は担持容量が多少多い固形のガラス瓶やプラスチック瓶などに対応するための瓶の首型のパウチであって、ストロー411がパウチの中央地点に垂直に位置して線形シーリングでパウチの内壁に堅たく固着され、ストローの下端末411Aが最低点421と1ヶ所で会うようにセッティングされたのである。
【0070】
そして、第1最低点321A、421Aまたは第2最低点321B、421Bの中の何れか一つの位置は他の一つの位置より1mm以上低く形成される。パウチ300、400の底にただ一つの最低点を作るために、パウチ内のストローが固着された面にある逆三角最低点の位置が反対側より1mm以上、略1mm〜5mmより低く形成され、底の最低点を1ヶ所にしてここにストローの下端末が固着されるようにする。
【0071】
そして、第1シート材または第2シート材には計量用の目盛り表示窓が形成される。特に、直立型パウチに酒類などを包装する場合などにおいては、担持容量を一定液ずつ分けて飲む必要があり、この時、担持液の残量の確認などのために目盛りが表示された透明窓または半透明窓を形成する。
【0072】
そして、融着された周縁には指掛け用穿孔430が形成される(図4参照)。一般に直立型は小型パウチに比べて規格が大きくて、容量が多く、手で持つと滑り、重量感を感じることがあるが、パウチの上端両翼に指太さ程度の指掛け用穿孔430を形成して、取り扱い上の便宜を提供することができる。
【0073】
そして、第1シート材または第2シート材は液体が見えるように素地を薄い単色で色相処理した半透過性にすることができる。清い飲み物が見える透明パウチ原緞の素地を水色、緑色、黄色、オレンジ色、赤色などのように美しくて薄い単色で色相処理して内容物も紫外線から保護し、人々に視覚的、感性的に清凉感も与えることができる。薄い単色処理は一側面全体ではなく、部分的でも所期の目的は達成することができる。
【0074】
そして、パウチの上端部は瓶の首(boottlenek)形状、動物形状、円形、三角形、四角形、六角形またはキャラクター形状にすることができる。図4Aのパウチの上端部は瓶の首(bottleneck)形状であるが、これ以外にも動物形状や円形、三角形、四角形、六角形やキャラクターなど様々な事物の形状に変形することができる。
【0075】
また、図5Cに例示されたように、第1シート材または第2シート材にはストロー11の下端末11Aを少なくとも露出する透明窓または半透明窓50が形成されることができ、図5Dに例示されたように、第1シート材または第2シート材の外側表面にはストローと対応する位置、またはストローの下端末と対応する位置にストロー模様の絵60やストローを表示する絵が印刷されることができる。
【0076】
前述したように、大部分のパウチでは外部表面の印刷や紫外線の遮断のためのアルミニウムコーディングなどによってパウチの内部を視覚的に確認することは困難であるが、ストロー11の下端末11Aを少なくとも露出する透明窓または半透明窓50によって使用者が残留液を確認しながら飲用することができるという長所があり、印刷されたストロー模様の絵60やストローを表示する絵によって使用者にストローの存在を知らせるとともに、残留液を最小化することができるパウチの姿勢を取るのに役に立つという長所がある。
図1
図2
図3(A)】
図3(B)】
図3(C)】
図4(A)】
図4(B)】
図4(C)】
図5