(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、床等を清掃するため、モップを清掃用具として利用することが一般的である。また、モップを使用した後には、当該モップの先端に取り付けられたモップ糸束を脱水する。この際、使用者がモップ糸束を手で絞って脱水しようとすると、使用者の負担が大きくなるため、モップ糸束を回転させて遠心脱水するモップが用いられている。
【0003】
例えば特許文献1に開示された清掃用具は、モップと、当該モップの水切りバケツとを備えている。モップは操作部材と伸縮部材を備え、伸縮部材は操作部材に対して伸縮可能且つ回転可能に連結されている。伸縮部材には、当該伸縮部材と共に回転自在に設けられた円盤状のヘッド保持部材が設けられ、さらにヘッド保持部材には、繊維束を備えたヘッドが取り付けられる。水切りバケツは、バケツ本体と、回転可能な水切り籠とを備えている。そして、水切り籠に繊維束を収容した状態で、操作部材を押し下げて伸縮部材を回転させることで、回転時の遠心力により繊維束の脱水が行われる。
【0004】
しかしながら、このような円盤状のモップヘッドを用いた場合、部屋の隅、家具の隙間、家具の下等にモップヘッドが充分に行き届かず、汚れやゴミが残ることがある。
【0005】
そこで、例えば特許文献2には、矩形状のモップヘッドが提案されている。具体的にモップは、矩形状のモップヘッドと、当該モップヘッドに連結されたモップ柄とを備えている。モップ柄は外管と内管を備え、外管に対して内管が回転自在に構成されている。またモップは、洗浄バケツにより洗浄される。洗浄バケツは、バケツ本体と脱水カゴを備えている。モップヘッドの中央部には軸受部が設けられ、脱水カゴの中央部には支持軸が設けられ、軸受部に支持軸が挿入されて、モップヘッドが脱水カゴに回転自在に軸支される。そしてこの状態で、モップの内管と共にモップヘッドを回転させることで、回転時の遠心力によりモップヘッドのモップ糸束が脱水される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に開示のモップ及び洗浄バケツを用いた場合、モップヘッドは脱水カゴに対して中央部の一点のみで支持されているため、モップ糸束の脱水時にモップヘッドを回転させる際、例えばモップヘッドの外周が上下方向に移動して回転ブレを起こし、回転が安定しない。かかる場合、モップ糸束が適切に脱水できず、また使用者に過度な負担がかかる。したがって、従来の清掃用具には改善の余地がある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、清掃用具のモップヘッドを安定して回転させ、当該モップヘッドに取り付けらえたモップ糸束の脱水を適切に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明は、モップとバケツを備えた清掃用具であって、前記モップは、先端が回転自在に構成されたモップ柄と、前記モップ柄の先端に取り付けられ、矩形状を有するモップヘッドと、を備え、前記バケツは、前記モップヘッドのモップ糸束に含まれる水を収集するバケツ本体と、前記バケツ本体の内部に設けられ、当該バケツ本体に対して回転自在に構成された脱水カゴと、を備え、前記脱水カゴの内側面には、対向する一対の溝が形成され、
前記溝は、前記溝の径方向外側に設けられ、前記モップヘッドの一端を載置して支持する支持部を備え、前記一対の溝の各々には、前記モップヘッドの一端が挿入されて
前記支持部に支持され
、前記脱水カゴの内側面には、前記一対の溝が複数対形成され、前記複数対の溝における前記支持部は同じ高さに設けられていることを特徴としている。
【0010】
本発明の清掃用具において、使用したモップの洗浄後にモップヘッドに取り付けられたモップ糸束を脱水する際には、先ず、モップヘッドの両端を脱水カゴの一対の溝に挿入する。そして、モップヘッドの両端が一対の溝に支持され、モップ糸束が脱水カゴに収容された状態で、モップヘッドを回転させる。そうすると、回転時の遠心力によってモップ糸束が脱水される。かかる場合、モップヘッドの両端が一対の溝に支持されているので、回転ブレが起きることなく、モップヘッドの回転が安定する。その結果、モップ糸束を適切に脱水することができる。
【0011】
しかも本発明によれば、モップヘッドが矩形状を有するため、清掃対象の床等を隅々まで適切に清掃することができる。
【0013】
前記清掃用具において、前記一対の溝における溝間距離は、前記モップヘッドの長さに適合し、前記複数対の溝において、前記溝間距離が異なっていてもよい。
【0014】
前記清掃用具において、前記溝は
、前記溝の径方向内側に設けられ、前記モップヘッドの一端を前記支持部にガイドするガイド
部を備えていてもよい。
【0015】
前記清掃用具において、前記バケツ本体の内部には、底面より突起した突起部が設けられ、前記突起部は、前記モップヘッドの一端が前記支持部に支持された際、当該モップヘッドの中央部を支持してもよい。
【0016】
前記清掃用具において、前記モップヘッドは、前記モップ柄に対して着脱自在に構成されていていてもよい。
【0017】
前記清掃用具において、前記モップ柄は、外ロッドと内ロッドを相対的に移動させて伸縮自在に構成された伸縮ロッドを備え、前記モップは、前記外ロッドの内部と前記内ロッドの内部に亘って設けられ、前記外ロッドと前記内ロッドの相対的な移動を前記内ロッドの回転移動に変換する駆動機構を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、清掃用具のモップヘッドを安定して回転させ、当該モップヘッドに取り付けらえたモップ糸束の脱水を適切に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
<清掃用具1の構成>
先ず、本実施形態にかかる清掃用具の構成について説明する。
図1は、清掃用具1の構成を示す斜視図である。
図1に示すように清掃用具1は、モップ2と、モップ2を水切りするためのバケツ3を備えている。
【0022】
(モップ2の構成)
モップ2の構成について説明する。
図2は、モップ2を分解した構成部材を示す斜視図である。
図3は、後述する伸縮ロッド21の内部構成を示す断面図である。
【0023】
図1及び
図2に示すようにモップ2は、モップ柄10と、モップ柄10の先端に着脱自在に設けられたモップヘッド11とを備えている。
【0024】
モップヘッド11は、平面視において略矩形状を有し、下面及び両側面が開口した略直方体形状を有している。モップヘッド11の下面開口部には、モップ糸束12が取り付けられている。モップ糸束12は、モップヘッド11に対して固定して設けられていてもよいし、着脱自在に設けられていてもよい。
【0025】
モップ柄10はグリップロッド20と伸縮ロッド21を備え、さらに伸縮ロッド21は外ロッド22と内ロッド23を備えている。これらグリップロッド20、外ロッド22及び内ロッド23は、この順で接続されている。グリップロッド20、外ロッド22及び内ロッド23はそれぞれ、中空の棒状部材である。グリップロッド20の外径と外ロッド22の外径は同じであり、外ロッド22の内径は内ロッド23の外径より大きい。また、グリップロッド20、外ロッド22及び内ロッド23の材料は特に限定されるものではないが、例えばステンレスやアルミが用いられる。なお、伸縮ロッド21の先端には、後述するようにモップヘッド11を取り付けるためのクランプ機構60が設けられている。
【0026】
グリップロッド20の上端(基端)には、例えばモップ2を壁等にかけて保管するための吊下部30が設けられている。グリップロッド20の下端(先端)には、使用者が把持可能なグリップ部31が設けられている。グリップ部31は、中空の略円筒形状を有するスリーブである。このグリップ部31にグリップロッド20の下端と外ロッド22の上端(基端)がそれぞれ挿入され、当該グリップロッド20と外ロッド22が接続される。
【0027】
図2及び
図3に示すように伸縮ロッド21において、上述したように外ロッド22の内径は内ロッド23の外径より大きく、外ロッド22の内部に内ロッド23が挿入されて、外ロッド22と内ロッド23は相対的に移動自在に構成されている。そして、内ロッド23に対して外ロッド22が移動することで、伸縮ロッド21は伸縮する。
【0028】
外ロッド22の下端(先端)には、ロック機構40が挿入されて設けられている。ロック機構40は、内ロッド23に対する外ロッド22の移動、及び後述する内ロッド23の回転移動を制御する。ロック機構40は、中空の略円筒形状を有するスリーブ41と、スリーブ41に設けられた一対の支持板42、42と、一対の支持板42、42の間に取り付けられる取手43とを備えている。取手43は一対の支持板42、42の間においてヒンジで接続され、このヒンジを中心に回動自在に構成されている。また、取手43の表面には、当該表面から突出したバンプが設けられている。
【0029】
例えば取手43を内ロッド23側(下側)に回動させると、すなわち取手43を開くと、取手43のバンプがスリーブ41と反対側に位置し、取手43はスリーブ41を押圧しない。そうすると、ロック機構40のロックが解除され、かかる場合、内ロッド23に対して外ロッド22は移動自在になり、また内ロッド23も回転自在になる。一方、例えば取手43を外ロッド22側(上側)に回動させると、すなわち、取手43を閉じると、取手43のバンプがスリーブ41と接触し、取手43はスリーブ41を介して外ロッド22を押圧する。そうすると、ロック機構40のロックが作用して、かかる場合、内ロッド23に対して外ロッド22は固定され、また内ロッド23の回転もできなくなる。
【0030】
なお、ロック機構40の構成は本実施形態に限定されない。例えば、取手43を用いたロック機構40に代えて、スリーブ41と、外ロッド22及び内ロッド23とを貫通するネジを用いてもよい。かかる場合、スリーブ41、外ロッド22及び内ロッド23をネジ止めすることで、ロック機構のロックが作用する。一方、ネジを取り外すことで、ロック機構のロックが解除される。
【0031】
伸縮ロッド21の内部には、内ロッド23を回転させるための駆動機構50が設けられている。駆動機構50は、外ロッド22の内部と内ロッド23の内部に亘って設けられ、外ロッド22と内ロッド23の相対的な移動を内ロッド23の回転移動に変換する。
【0032】
駆動機構50は、らせん状に形成されたシャフト51と、シャフト51の上端(基端)に設けられた固定部52と、シャフト51を挿通して設けられた係止部53とを備えている。シャフト51は、外ロッド22の内部から内ロッド23の内部まで延伸して設けられている。固定部52は、外ロッド22の内側面に対して固定されている。なお。固定部52は外ロッド22に対して固定されていればよく、例えば外ロッド22の上端(基端)に固定されていてもよい。係止部53は、内ロッド23の上端(基端)に固定されている。係止部53の内部には、上部ブロックと下部ブロックが設けられている。上部ブロックは、下部ブロックに対して離間又は近接する方向に移動自在に構成されている。下部ブロックは、係止部53と一体に設けられ、移動しない。また、上部ブロックの内部と下部ブロックの内部にはそれぞれ、らせん状の貫通孔が形成され、シャフト51は当該貫通孔を挿通して設けられている。
【0033】
例えば
図1及び
図3に示したように外ロッド22を内ロッド23の上方に配置した状態において、伸縮ロッド21を動作させる場合について説明する。外ロッド22を下方に移動させて伸縮ロッド21を縮小させた場合、外ロッド22と共にシャフト51が下方に移動する。この際、シャフト51の下方移動に伴い、係止部53の上部ブロックも下方に移動し、下部ブロックに係止される。そして、シャフト51による上部ブロックの回転移動が下部ブロックに伝達され、係止部53が回転し、さらに内ロッド23も回転する。一方、外ロッド22を上方に移動させて伸縮ロッド21を伸長させた場合、外ロッド22と共にシャフト51が上方に移動する。この際、シャフト51の上方移動に伴い、係止部53の上部ブロックも上方に移動し、下部ブロックから離間する。そうすると、シャフト51による上部ブロックの回転移動が下部ブロックに伝達されず、係止部53は回転せず、内ロッド23も回転しない。このように、外ロッド22を下方に移動させると内ロッド23が回転し、外ロッド22を上方に移動させると内ロッド23は回転しない。
【0034】
図1及び
図2に示すように内ロッド23の下端(先端)には、モップ柄10にモップヘッド11を取り付けるためのクランプ機構60が設けられている。クランプ機構60は、第1のクランプ部61と第2のクランプ部62を備え、第1のクランプ部61と第2のクランプ部62でモップヘッド11を挟み込んで保持するように構成されている。
【0035】
第1のクランプ部61は、側面視において略T字形状を有している。第1のクランプ部61の上部61aの上端(基端)は、内ロッド23に接続される。また、上部61aの下端(先端)において第2のクランプ部62側は、第2のクランプ部62とヒンジで接続されるように開口している。第1のクランプ部61の下部61bは、上部61aの長軸に直交する方向に延伸し、内側にモップヘッド11を収容できるように構成されている。
【0036】
第2のクランプ部62も、側面視において略T字形状を有している。第2のクランプ部62の上部62aは、第1のクランプ部61の上部61aの開口部においてヒンジで接続され、このヒンジを中心に回動自在に構成されている。また、上部62aは、ヒンジより上方において第1のクランプ部61の上部61aより離間するように屈曲している。第2のクランプ部62の下部62bは、第1のクランプ部61の下部61bと同様の構成を有し、上部62aの長軸に直交する方向に延伸し、内側にモップヘッド11を収容できるように構成されている。
【0037】
第1のクランプ部61と第2のクランプ部62は、上部61a、62aが互いに離間し、下部61b、62bが互いに近接するように、例えばバネによって付勢されている。そして、モップ柄10にモップヘッド11を取り付ける際には、上部61a、62aを互いに近接させ、下部61b、62bを互いに離間させて、当該下部61b、62bの間にモップヘッド11を挿入する。続いて、上部61a、62aを互いに離間させ、下部61b、62bを互いに近接させて、当該下部61b、62bでモップヘッド11を挟み込んで保持する。このようにクランプ機構60は、モップヘッド11を着脱自在に構成されている。
【0038】
クランプ機構60は、内ロッド23の下端(先端)に着脱自在に接続される。内ロッド23の下端には、内側面にネジ山が形成されたネジ部63が設けられている。また、第1のクランプ部61の上端にもネジ山が形成され、このネジ山に対してネジ部63のネジ山が螺合することで、第1のクランプ部61と内ロッド23が固定される。
【0039】
また、第1のクランプ部61の上端には径方向に対向する一対の貫通孔が形成され、内ロッド23の下端にも径方向に対向する一対の貫通孔が形成されている。そして、第1のクランプ部61の貫通孔と内ロッド23の貫通孔を挿通するようにピン64が設けられ、第1のクランプ部61と内ロッド23が固定される。ピン64は、上記貫通孔を挿通するピン部材と、ピン部材を支持する支持部材とを備えている。支持部材は平面視において略C字形状を有し、第1のクランプ部61の上端に取り付けられるように構成されている。
【0040】
このようにクランプ機構60は、ネジ部63によるネジ固定と、ピン64によるピン固定とによって内ロッド23に対して固定される。換言すれば、クランプ機構60は内ロッド23に対して着脱自在に構成され、組み立て及び分解を容易に行うことができる。また、このようにクランプ機構60が着脱自在に構成されているので、当該クランプ機構60の包装や輸送に利点がある。
【0041】
なお、クランプ機構60の構成は本実施形態に限定されず、内ロッド23に対して着脱自在であれば、設計者が任意に設計することができる。例えば、クランプ機構60は、ピン固定のみで内ロッド23に対して固定されてもよい。
【0042】
(バケツ3の構成)
バケツ3の構成について説明する。
図4は、後述するバケツ本体70の構成を示す斜視図である。
図5は、後述する脱水カゴ80を上方から見た構成を示す斜視図である。
図6は、後述する脱水カゴ80を下方から見た構成を示す斜視図である。
図7は、後述する脱水カゴ80の構成を示す平面図である。
図8は、バケツ3の構成を示す断面図である。
【0043】
図1に示すようにバケツ3は、モップヘッド11のモップ糸束12に水を収集するバケツ本体70と、バケツ本体70の内部に設けられ、当該バケツ本体70に対して回転自在に構成された脱水カゴ80とを備えている。
【0044】
図4及び
図8に示すようにバケツ本体70は、有底の略円筒形状を有している。バケツ本体70の内部において底面中央部には、当該底面より上方に突起した突起部71が設けられている。突起部71の上面には、さらに上方に延伸する支持軸72が設けられている。
【0045】
バケツ本体70の外側面の上端には、取手73が設けられている。また、バケツ本体70の外側面の下端には、バケツ本体70で収集した水を排出する排出口74が形成されている。排出口74には通常時に止水蓋が取り付けられ、排水時に止水蓋が取り外されて排出口74から水が排出される。なお、止水蓋は蓋係止部75に取り付けられている。
【0046】
図5〜
図8に示すように脱水カゴ80は、上面が開口した略円筒形状を有している。脱水カゴ80の側面及び底面には、モップ糸束12から除去された水を通過させるための水通過孔81が複数形成されている。水通過孔81の数や配置は任意であり、設計者が任意に設計することができる。
【0047】
脱水カゴ80の内側面には、対向する一対の溝82、82が形成されている。本実施形態において一対の溝82、82は複数対、例えば2対形成されている。これら2対の溝82、82は平面視において十字に形成され、すなわち4つの溝82が円周方向に90度間隔で形成されている。
【0048】
溝82は、脱水カゴ80の内側面から径方向外側に突出するように形成されている。すなわち、溝82の径は脱水カゴ80の径より大きい。そして、脱水カゴ80の上面は、溝82が形成されるように径方向外側に張り出して形成されている。
【0049】
溝82は、脱水カゴ80の上端から下端まで延伸して形成されている。なお、溝82の下端の位置は本実施形態に限定されず、例えば脱水カゴ80の下端に達していなくてもよい。溝82は上部溝82aと下部溝82bに分けられ、上部溝82aと下部溝82bには段部である支持部83が形成されている。すなわち、上部溝82a、82a間の径は、下部溝82b、82b間の径よりも大きい。
【0050】
溝82にはモップヘッド11の一端が挿入され、当該モップヘッド11の一端は支持部83に支持される。したがって、
図7及び
図8に示すように、支持部83、83間の外径D1(上部溝82a、82a間の径)は、モップヘッド11の長軸方向の長さLより大きい。また、支持部83、83間の内径D2(下部溝82b、82b間の径)は、モップヘッド11の長さLより小さい。なお、本実施形態では、支持部83の外径D1と内径D2の中間値が本発明における溝間距離に相当し、当該溝間距離はモップヘッド11の長さLに適合している。
【0051】
図5〜
図8に示すように溝82の径方向内側には、モップヘッド11の一端を溝82に挿入する際に、当該モップヘッド11をガイドするガイド部84が設けられている。ガイド部84は、溝82の径方向内側の開口部において対向するように一対に設けられている。各ガイド部84の上端は、開口部の外側から内側に向けて下方に傾斜している。そして、モップヘッド11の一端を溝82に挿入する際、モップヘッド11が所定の位置からずれていても、当該モップヘッド11の一端を一対のガイド部84、84の間にガイドすることができる。なお、ガイド部84は、溝82の上端から下端まで延伸して設けられている。
【0052】
脱水カゴ80の底面中央部には、当該底面より上方に突起した突起部85が設けられている。突起部85は、バケツ本体70の突起部71と同様の形状を有している。突起部85の内部には、バケツ本体70の支持軸72を挿入するための挿入孔86が形成されている。そして、支持軸72を挿入孔86に挿入して脱水カゴ80を配置することで、当該脱水カゴ80がバケツ本体70に軸支される。またこの際、支持軸72が挿入孔86より十分に長く設けられており、脱水カゴ80の突起部85とバケツ本体70の突起部71が干渉することはない。
【0053】
バケツ3は以上のように構成されおり、脱水カゴ80は、バケツ本体70に軸支された状態で回転自在に構成されている。
【0054】
<清掃用具1の使用方法及び脱水方法>
次に、以上のように構成された清掃用具1の使用方法及び脱水方法について説明する。
【0055】
(清掃用具1の使用方法)
清掃用具1を用いて床等を清掃する際には、ロック機構40のロックを解除した状態で、外ロッド22を上方に移動させて伸縮ロッド21を伸長させる。そして、ロック機構40のロックを再び作用させて、内ロッド23に対して外ロッド22を固定し、また内ロッド23の回転もできなくする。
【0056】
この状態のモップ2を用いて、床等を清掃する。かかる場合、モップヘッド11が略矩形状を有するので、床等を隅々まで適切に清掃することができる。
【0057】
(清掃用具1の脱水方法)
次に、使用したモップ2の洗浄後に、モップ糸束12を脱水する方法について説明する。先ず、ロック機構40のロックを解除し、内ロッド23に対して外ロッド22を移動自在にし、また内ロッド23も回転自在にする。
【0058】
次に、外ロッド22を内ロッド23の上方に配置した状態で、モップヘッド11の両端を脱水カゴ80の一対の溝82、82に挿入する。そうすると、モップヘッド11の両端が一対の溝82、82に支持され、且つモップ糸束12が脱水カゴ80に収容される。
【0059】
続いて、グリップロッド20と外ロッド22を下方に移動させると、内ロッド23が回転する。また、内ロッド23の回転に伴い、モップヘッド11及びモップ糸束12と脱水カゴ80も回転する。そして、回転時の遠心力によりモップ糸束12から水分が除去され、脱水される。除去された水は、バケツ本体70に回収される。
【0060】
次に、グリップロッド20と外ロッド22を上方に移動させると、内ロッド23は回転しない。したがって、モップ糸束12と脱水カゴ80は、逆回転することがない。
【0061】
そして、外ロッド22の上下移動を繰り返し行うことで、モップヘッド11と脱水カゴ80が一方向に繰り返し回転し、モップ糸束12が脱水される。
【0062】
以上の実施形態によれば、モップ糸束12の脱水時に、モップヘッド11の両端が一対の溝82、82に挿入されて支持されるので、回転ブレが起きることなく、モップヘッド11の回転が安定する。その結果、モップ糸束12を適切に脱水することができる。
【0063】
また、以上の実施形態の脱水カゴ80には、一対の溝82、82が2対形成さされているので、いずれの対の溝82、82にもモップヘッド11の両端を挿入することができる。したがって、使用者の利便性が向上する。
【0064】
ここで、モップヘッド11の長さLはメーカーによって異なる場合がある。かかる場合であっても、支持部83、83間の外径D1はモップヘッド11の長さLより大きいので、メーカー毎のモップヘッド11の長さの差異分を吸収して、一対の溝82、82はモップヘッド11の両端を支持することができる。
【0065】
なお、本実施形態では、一対の溝82、82が2対形成されているので、第1の一対の溝82、82における支持部83、83間の外径D1と、第2の一対の溝82、82における支持部83、83間の外径D1とが異なっていてもよい。かかる場合、モップヘッド11の長さLが異なっている場合に対して、より適切に対応することができる。また、第1の一対の溝82、82と第2の一対の溝82、82を色分けしてもよい。かかる場合、視認性が高まり、利用者の利便性が向上する。
【0066】
<他の実施形態>
以上の実施形態では、一対の溝82、82は2対形成されていたが、一対の溝82、82の数はこれに限定されない。例えば一対の溝82、82は、3対以上形成されていてもよい。
【0067】
また、バケツ本体70の突起部71の上面が、脱水カゴ80の支持部83と同じ高さになるように、当該突起部71を設けてもよい。かかる場合、モップヘッド11の両端を一対の溝82、82で支持する際、モップヘッド11の中央部が突起部71に支持される。すなわち、モップヘッド11は3点で支持される。かかる場合、モップ糸束12の脱水時において、モップヘッド11の回転がさらに安定する。
【0068】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【解決手段】清掃用具1は、モップ2とバケツ3を備える。モップ2は、先端が回転自在に構成されたモップ柄10と、モップ柄10の先端に取り付けられ、矩形状を有するモップヘッド11とを備える。バケツ3は、モップヘッド11のモップ糸束12に含まれる水を収集するバケツ本体70と、バケツ本体70の内部に設けられ、当該バケツ本体70に対して回転自在に構成された脱水カゴ80とを備える。脱水カゴ80の内側面には、対向する一対の溝82、82が形成され、一対の溝82、82の各々には、モップヘッド11の一端が挿入されて支持される。