【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、ユーザの胴体を取り囲むように構成された脊椎減圧装置によって達成され、該装置は、該胴体の第一の部分を取り囲むように構成された上方支持手段と、該胴体の第二の部分を取り囲むように構成された下方支持手段と、該上方支持手段および該下方支持手段に取り付けられ、および該下方支持手段および該上方支持手段に分離力を及ぼして、該下方支持手段を該上方支持手段から離そうとするように構成された伸長手段とを備え、さらに、該装置は、該ユーザの脊柱に対して所定の伸延力を維持するように該伸長手段を制御する電子制御システムを含む。
【0010】
実質的に垂直位置にいる該ユーザについて考察すると、該胴体の該第二の部分は、該胴体の該第一の部分の下に位置している。
【0011】
該電子制御システムの存在のため、該ユーザは、人の手を借りないで該装置を利用することができる。加えて、所定の伸延力を維持することにより、該装置の効果が向上し、特に、該ユーザの動きおよび/または位置に応じて、該ユーザがそれから恩恵を受ける痛みの緩和は変わらない。
【0012】
好ましくは、該伸長手段は、それらの伸長手段を、外部からの助けを要することなく作動させることができるバッテリ等の電源を含む。
【0013】
本発明を、以下に、単独で、または、先行の変形実施形態のうちの一つ以上と組合せて考察してもよい、一連の変形実施形態において記載する。
【0014】
好ましくは、該電子制御システムは、該伸延力の大きさを変更する調整手段を含む。
【0015】
この対策により、該装置、より具体的には、該ユーザの脊柱に対する該伸延力の大きさは、異なる形態を呈する可能性のある、または、例えば、異なる大きさの痛みを患う可能性のあるユーザの痛みの緩和に適応される。さらに、該調整手段の存在によって、該ユーザの状態において、該装置を変化させるように適合できるようになる。
【0016】
有利には、該脊椎減圧装置はさらに、該ユーザの動きに関連する少なくとも一つの特性を測定するように構成された測定手段を含む。
【0017】
有利には、該電子制御システムは、該伸長手段によって及ぼされる該分離力を、該測定手段によって行われた測定に応じて変更するように構成されている。
【0018】
したがって、該分離力の値および/または方向も、該伸延力の大きさが、例えば、該ユーザの動きとは無関係に一定になるように、該測定手段によって測定される該ユーザの特性に応じて変更することができる。
【0019】
有利には、該電子制御システムは、該測定手段によって行われる測定に応じて、該伸延力の大きさを変更するように構成されている。
【0020】
したがって、該調整手段は、該ユーザの可動性または位置に応じて、該伸延力の大きさを変更するように構成されていると理解することができる。
【0021】
好ましくは、該脊椎減圧装置はさらに、該測定手段によって測定された測定値を記録する記録手段を含む。
【0022】
したがって、該記録手段は、例えば、該ユーザの背痛を生じさせる、または、背痛の一因となる可能性のある挙動を識別するために、該ユーザが該装置を装着している間の該ユーザの動きおよび位置の一部またはすべてを記憶するように機能する。
【0023】
有利には、該伸長手段は、少なくとも一つのリニアアクチュエータを備えている。
【0024】
この対策により、該装置の利用時において、小型で経済的なこと、軽量性およびその結果としての快適性は損なわれない。さらに、値および方向の両方に関する、該伸長手段によって及ぼされる該分離力の精度、およびその結果としての、該ユーザが感じる痛みを緩和する際の該装置の効果も同様に向上される。
【0025】
有利には、少なくとも一つのリニアアクチュエータは、該上方支持手段および/または該下方支持手段に対してヒンジで取り付けられている。
【0026】
この対策により、該ユーザの動きの自由度は、本発明の装置を装着している間に損なわれることはない。したがって、該ユーザが、体の上方部を下方部に対して動かすこと、例として、上方部を曲げることは容易であり、そのような挙動は、従来技術の公知の装置の場合、不可能ではないにしても大幅に制限される。
【0027】
好ましくは、該電子制御システムは、該上方支持手段および/または該下方支持手段に対する前記少なくとも一つのリニアアクチュエータの動作を制限するように構成されている。
【0028】
この対策により、該ユーザが、該ユーザを傷付けたり、感じる痛みを増大するリスクを冒すそのような動きを行うことを抑えられる。
【0029】
有利には、該伸長手段は、該ユーザが該装置を装着した場合に、該胴体の両側に位置するように構成された少なくとも第一および第二のリニアアクチュエータを備えている。
【0030】
該ユーザの該胴体の両側における二つのリニアアクチュエータの存在は、該伸長手段によって及ぼされる該分離力を該下方支持手段および該上方支持手段にうまく配分させるように作用し、それによって、該ユーザの可動性を損なうことなく、該装置の効果が増大する。
【0031】
有利には、該伸長手段は、該ユーザが該装置を装着しているときに、該胴体の両側に伸びるように構成された二組のリニアアクチュエータを備えている。
【0032】
この対策により、該伸長手段によって及ぼされる該分離力は、依然として該ユーザの胴体に良好に配分される。さらに、それは、本発明の装置を装着している該ユーザに、より良好な可動性をもたらし、および該装置の効果をさらに増大させる。
【0033】
好ましくは、所定の組における該リニアアクチュエータは、本発明の脊椎減圧装置を装着している場合に、該ユーザの動きの自由度をさらに増すように、互いに対して傾斜しており、また、該電子制御システムの存在により、該ユーザに対して痛みとなるリスクがある特定の動作を該ユーザが行うことを防止することが可能になる。
【0034】
好ましくは、所定の組における該リニアアクチュエータは、V字構成である。
【0035】
有利には、所定の組における該リニアアクチュエータによって形成される該V字形状の先端は、下方に向いている。
【0036】
有利には、各リニアアクチュエータは、該脊柱の軸に対して傾斜している方向に伸びる。
【0037】
好ましくは、該伸長手段の該リニアアクチュエータは、異なる値および方向の分離力を及ぼすように構成されている。
【0038】
この対策は、本発明の装置の効果を高めるように、該伸延力を該脊柱にうまく配分できるようになっている。
【0039】
有利には、該上方支持手段および該下方支持手段は、該ユーザの脊柱の腰髄の上方部位および下方部位をそれぞれ取り囲むように構成されている。
【0040】
好ましくは、該上方支持手段および該下方支持手段は、それらが取り囲む胴体部位の周りで調整されるように構成されている。
【0041】
有利には、該上方支持手段および該下方支持手段は、該装置が、異なるユーザの形態に適合するように構成された調整ベルトを含む。
【0042】
有利には、該上方支持手段および該下方支持手段は、該装置がそれによって該ユーザの胴体に固定される安定性を向上させるように、およびその結果として、該ユーザの脊柱に加える該伸延力の位置決めおよび大きさに関する精度を向上させるように、実質的に円錐形になっている。
【0043】
また、本発明は、本発明の脊椎減圧装置とデータプロセッサシステムとを備える脊椎減圧システムを提供し、該脊椎減圧装置の該電子制御システムは、該測定手段によって測定された測定値を該プロセッサシステムへ送信するように構成された無線送信手段をさらに備えている。
【0044】
この対策により、該システムは、該伸延力の大きさ等の、該装置の利用の状態に関連する指示を調整するために、該ユーザと医療関係者等の第三者との間でデータをやり取りできるように構成されている。
【0045】
好ましくは、該無線送信手段は、該伸長手段に関連するデータを該データプロセッサシステムへ送信するように構成され、該データは、該分離力の値および/または方向の変動を含んでいてもよい。
【0046】
有利には、該無線送信手段は、該記録手段によって記録されたデータを該プロセッサシステムへ送信するように構成されている。
【0047】
この対策により、該プロセッサシステムは、本発明の装置の長期間の利用に関するデータを処理することができる。
【0048】
有利には、該プロセッサシステムは、該電子制御システムの該無線送信手段によって送信された該データを記憶するように構成された記憶装置を含む。
【0049】
したがって、該装置とのデータの連続するやり取りの間に、第三者は、例えば、適用されているパラメータの変化の有効性を評価するために、受信したデータを比較することができる。