(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、図面とともに本発明をさ
らに詳細に説明する。
【0013】
本発明に記載の遺伝子とタンパク質は、特定の例示配列を含む以外、前記特定に例示した
タンパク質の除草剤耐性活性の特徴を保存した一部及び/断片(タンパク質全体に比べ内
部及び/又は末端が欠失した)、変異体、突然変異体、置換物(アミノ酸を置換するタン
パク質)、キメラ、融合タンパク質も含む。前記「変異体」又は「変異」とは、同一のタ
ンパク質をコーディングする又は除草剤耐性活性を有する等価タンパク質をコーディング
するヌクレオチド配列を指す。前記「等価タンパク質」とは、請求項のタンパク質と同一
又は基本的に同一の除草剤トレランスの生物活性を有するタンパク質を指す。
【0014】
本発明に記載の「抗虫」は、標的昆虫成長発育繁殖に対し抑制作用を持つことである。具
体的には、標的昆虫はビイロウンカである。
【0015】
本発明に記載の「超発現株」、「超発現株MaT3」「MaT3」はみな同一真菌株を指
す。
【0016】
本発明に記載の「野生株」は、好ましくは、コガネムシ緑僵病菌(Metarhiziu
m anisopliae)野生株Ma456を指す。
【0017】
本発明に記載の遺伝子とタンパク質は、特定の例示配列を含む以外、前記特定に例示した
タンパク質の除草剤耐性活性の特徴を保存した一部及び/断片(タンパク質全体に比べ内
部及び/又は末端が欠失した)、変異体、突然変異体、置換物(アミノ酸を置換するタン
パク質)、キメラ、融合タンパク質も含む。前記「変異体」又は「変異」とは、同一のタ
ンパク質をコーディングする又は除草剤耐性活性を有する等価タンパク質をコーディング
するヌクレオチド配列を指す。前記「等価タンパク質」とは、請求項のタンパク質と同一
又は基本的に同一の除草剤トレランスの生物活性を有するタンパク質を指す。
【0018】
本発明に記載のDNA分子またはタンパク配列の「フラグメント」若しくは「短化切断」
は、元DNAまたはタンパク配列(ヌクレオチドまたはアミノ酸)の一部やその人為的改
造形態(例えば植物発現に適合な配列)をさし、前記配列の長度は変化することがあるが
、抗虫活性を有し得るタンパクまたはポリペプチドを確保(コード)できる十分な長度で
ある。
【0019】
FAF 1(Fas−associated factor 1)は、広く動物の体内に
存在している1種の構造保守、機能が多様なタンパク質であり、主にユビキチン関連ドメ
イン(ubiquitin−associated domain,UBA)とユビキチ
ン調節性Xドメイン(ubiquitin regulatory X domain,
UBX)によってユビキチン化プロテナーゼ体の媒介標的タンパクの汎素化分解を形成す
る。昆虫免疫信号路における転写制御因子の生物学的活性を調節することにより、核内転
写因子の発現と翻訳を抑制し、宿主の外来侵入物に対する防御レスポンスを低減し、体内
の免疫安定状態を維持することができる。
【0020】
実施例1
受験ビイロウンカコロニーは、本試験室で保存し構築したものであった。人工気候室内(
温度24±1℃、光のサイクル16L:8D、相対湿度70%±5%)でTN1水稻苗を
持って飼育し維持されたコロニーであった。コガネムシ緑僵病(Metarhizium
anisopliae)野生株はPDA(ジャガイモデキストロース寒天培地)斜面上
で4℃にて保存、25℃で培養、世代をこえて継承とした。
ビイロウンカRNAを抽出し、cDNA合成した。具体的には、ビイロウンカ5歳若虫1
0個を取ってすり鉢中に置いて液体窒素で研磨し均質にさせた。Trizol法によって
ビイロウンカ全RNAを抽出し、微量紫外分光度計(NanoDrop ND−2000
(米))と寒天ゲル電気泳動でRNAの質量と濃度を測定した。検査合格したRNAをモ
ジュールとし、Prime Script(TM)1
st Strand cDNA Sy
nthesis Kit(TaKaRa(JP))試験キットを用いて、手順書に従って
cDNAを合成し、−20℃で保存した。
蚕免疫負制御因子BmFAF1遺伝子のタンパク配列を検索源とし、ビイロウンカゲノム
データベース中でローカールBlastによってホモロジー配列検索を行い、1つの予測
タンパクを取得し、NlFAF1と名付けた。PrimerPremier5によってN
lFAF1増幅プライマーを下記のように設計した。
実施例1に記載のビイロウンカcDNAをモジュールとし、PCR増幅を行った。PCR
増幅系は、cDNAモジュールは1μL、dNTPs(10mmol/L)は2μL、順
逆方向のプライマー(10μmol/L)はそれぞれ0.5μL、10×バッファー(M
g
2+を含む)は2.5μL、LATaq酵素は0.25μL、ddH
2Oは25μLま
で補充とした。増幅工程は、94℃で5min予め変性、94℃で30s変性、60℃3
0sアニーリング、72℃で1.5min伸長、35サイクル、そして72℃で7min
伸長とした。PCR反応が終わったら、1.5%のアガロースゲルで反応産出物の数と分
子量を電気泳動で検出した。
目標増幅産出物を割りゴムで回収し、pMD18−Tベクター(TaKaRa(JP))
に接種し、大腸菌Escherichiacoli DH5α感受性細胞中に転化し、陽
性トゥランスフォーメイションを上海生物工程有限公司に送ってシーケンシングを頼んだ
。ビイロウンカcDNAをモジュールとして増幅した産出物は、シーケンシングと配列分
析を行った。その結果、ビイロウンカNlFAF1遺伝子cDNA配列全長は1920b
p(配列表におけるSEQ ID NO:1に示される)、コードを含む639個のアミ
ノ酸のタンパク(配列表におけるSEQ ID NO:2に示される)、前記タンパク分
子量は157.22k、等電点は4.95であった。
【0021】
実施例2
コガネムシ緑僵病菌野生株(以下、野生株と称される)の分生子胞子懸濁液スプレー法に
よりビイロウンカ成虫に接種し、異なる時間で誘導したビイロウンカNlFAF1の発現
量を検出した。具体的には、野生株分生子胞子を0.02%ツイーン(Tween)−8
0水溶液により5×10
7個/mL濃度の懸濁液を調製し、スプレー法によりビイロウン
カ若虫に接種した(接種体積は1mL、3ロット、かつロットごとは100個)。相同体
積で接種した0.02%Tween−80水溶液を対照とした。それぞれ0時間(未接種
)、接種後6、12、24と48時間の後に虫体を収集し、75%のアルコールで虫体表
面を3回消毒し、毎回は3分時間とし、そして無菌蒸留水により5回洗浄し、虫体を干さ
せて予備用とした。NlFAF1遺伝子cDNA配列によって一対の定量PCRプライマ
ーを下記のように設計した。
サンプルRNAの抽出とcDNAの合成工程は実施例1と同様である。qRT−PCR分
析はSYBR
R PremixExTaqTMII試験キットを用いた。反応系は、2×
SYBR
R Premix Ex TaqTMII10μL、上下流プライマー(10μ
mol/L)はそれぞれ1μL、適量希釈したcDNA2μLとddH
2O6μLとし、
20μL反応系であった。増幅工程は、95℃で30s予め変性、そして40増幅サイク
ルに(95℃で5s変性、60℃で34sアニーニング)進入とした。融解グラフは、9
5℃15s、60℃1min、95℃15sとした。ビイロウンカβ−Actin遺伝子
を内部標準をとした。増幅プライマーは下記のとおりであった。
反応系と工程は上記と同様であった。各試験は3回生物学的および3回技術的リピートを
行った。NlFAF1遺伝子の病原性真菌に接種した異なる時間誘導後における相対発現
量は2
−ΔΔCtとし計算され、0.02%Tween−80接種グループの発現量を基
数とし、その値は1とした。対照グループ(未接種)と対比すると、48時間内で野生株
誘導NlFAF1発現量はいずれも顕著な降下トレントを呈した(P<0.05)。野生
株接種の6時間後に、NlFAF1発現量が最低であり、ただ対照の51.8%となった
。誘導からの24時間と48時間後に、その発現量が対照の72.4%と83.5%とな
り、いずれも対照グループとの相違が顕著なレベルになった(P<0.05)。具体的結
果は
図1に示される。
【0022】
実施例3
NlFAF1発現ベクターを構築した。具体的には、以降発現ベクターの構築のためにN
lFAF1配列中におけるXbaI限制切断酵素サイトを除去した。融合PCR技術によ
り、ビイロウンカのcDNAをモジュールとし、2回のPCR増幅を行ってNlFAF1
全長を取得した。第1回は2回PCRを含んだ。それぞれNlFAF1の2段AとBの増
幅であった。第2回PCRは第1回の産出物AとBの混合物をモジュールとし、増幅して
XbaIを含まなかった限制切断酵素サイトの全長NlFAF1配列を取得した。
第1回PCR増幅系は、cDNAモジュールは1μL、dNTPs(10mmol/L)
は2μL、順逆方向のプライマー(A段プライマーはA−F/A−R、B段プライマーは
B−F/B−R(10μmol/L))はそれぞれ0.5μL、10×buffer(M
g
2+を含む)は2.5μL、LaTaq酵素は0.25μL、ddH
2Oは25μLま
で補充とした。増幅工程は、94℃で予め5min変性、94℃で30s変性、60℃で
30sアニーリング、72℃で30s(A段)および1.5min(B段)伸長、35サ
イクル、そして72℃で7min伸長とした。
第1回増幅A段のプライマー:
第1回増幅B段のプライマー:
第2回PCR増幅系は、第1回のAおよびBモジュールはそれぞれ1μL、dNTPs(
10mmol/L)は2μL、順逆方向のプライマーA−F/B−R(10μmol/L
)はそれぞれ0.5μL、10×buffer(Mg
2+を含む)は2.5μL、LaT
aq酵素は0.25μL、ddH
2Oは25μLまで補充とした。増幅工程は、94℃で
予め5min変性、94℃で30s変性、60℃で30sアニーリング、72℃で2.0
min伸長、35サイクル、そして72℃で7min伸長とした。
NcoI/BamHIで消化されたNlFAF1遺伝子フラグメントを真菌発現ベクター
pAN52−1N中にクローンし、アスペルギルス・ニデュランスのグリセルアルデヒド
−3−りん酸デヒドロゲナーゼ遺伝子のプロモータPgpdAとターミネータTtrpC
の間に位置させてpAN52−NlFAF1を構成し、pET29b−Barプラスミド
をXbaI単一酵素により切断し、切断したグルホシネート耐性遺伝子barの発現エレ
メントPgpdA−bar−TtrpCを同じくXbaI単一酵素により切断し且つ脱リ
ン酸化されたpAN52−NlFAF1中に導入し、スクリーンしてNlFAF1とba
r遺伝子の両発現フレーム方向相同のバイナリーベクタープラスミドpAN52−NlF
AF1−Barを獲得し、前記バイナリーベクタープラスミドをHindIIIにより線
形化し、その後、PEG媒介融合のプロトプラスト形質転換によりコガネムシ緑僵病菌野
生株中に導入することを含む。
【0023】
実施例4
選択的プレート上で8個の成長および胞子形成が良かったトゥランスフォーメイションを
ランダムにピックアップして、ガラスペーパーを敷いたPDAプレート上に分生子胞子を
均一に塗布し、25℃で3日培養した後、CATB法により菌糸体ゲノムDNAを抽出し
、PCR鑑定を行なった。2回のPCRによりそれぞれNlFAF1とbar遺伝子の存
在鑑定を行なった。具体的には、各トゥランスフォーメイションのゲノムDNAをモジュ
ールとし、まずbar遺伝子のプライマー:
を用いてPCR反応を行って、barのゲノム中における存在鑑定を行なった。bar遺
伝子陽性のトゥランスフォーメイションゲノムをモジュールとし、NlFAF1遺伝子に
よりプライマー:
を用いてPCR増幅反応を行うことによって、さらにゲノム中におけるNlFAF1遺伝
子の存在鑑定をした。上記bar遺伝子とNlFAF1遺伝子PCR増幅系は、cDNA
モジュールは1μL、dNTPs(10mmol/L)は2μL、順逆方向のプライマー
(10μmol/L)はそれぞれ0.5μL、10×バッファー(Mg
2+を含む)は2
.5μL、LATaq酵素は0.25μL、ddH
2Oは25μLまで補充とした。増幅
反応工程は、94℃で予め5min変性、そして35増幅サイクル(毎サイクルは順次に
94℃で30s変性、60℃で30sアニーリング、72℃で45s伸長)に進入、サイ
クルが終わったら再び72℃で7min伸長とした。野生菌株を対照とした。ともに遺伝
子が陽性信号となった2つトゥランスフォーメイションを選出し、次の鑑定用とした。
TRIzol法により上記PCRにおいて双陽性トゥランスフォーメイションと鑑定した
RNAを抽出し、PrimeScript
R RT reagent Kit試験キット
によってcDNAに逆転写した。逆転写系は、4μL2×PrimeScript
R緩衝
液、1μL・50μMのOligo dT Primer、1μL・100μMのRan
dom 6 mers Primer、1μLのPrimeScript
R RT En
zyme MixIの逆転写酵素、および2μLの全RNA、そして再蒸留水で20μL
まで補充とした。逆転写反応工程は、まず37℃で15min反応、再び85℃で5s逆
転写酵素失活とした。qRT−PCR分析はSYBR
R Premix Ex Taq
T
MII試験キットを用いた。反応はリアルタイムで定量PCRすなわちMastercy
cler
R eprealplex(Eppendorf、Hamburg、Germa
ny)上でなされた。qRT−PCR系は、2×SYBR
R Premix Ex Ta
q
TMII10μL、10μMの上下流検測プライマーはそれぞれ1μL(実施例2のq
S1F/qS1Rと同様)、および2μL適量希釈したcDNA、そして再蒸留水で20
μLまで補充とした。増幅工程は、95℃で30s予め変性、そして40増幅サイクル(
95℃で5s変性、60℃で34sアニーリング)に進入とした。融解グラフは95℃1
5s、60℃1min、95℃15sであった。18SrRNAを内部標準とし、反応系
と工程は上記と同様であった。2
−ΔΔCt法により異なるトゥランスフォーメイション
中におけるNlFAF1遺伝子の相対発現量を算出し、NlFAF1遺伝子転写発現レベ
ルが最高の陽性トゥランスフォーメイションをピックアップして次の試験用とした。その
結果は
図2に示される。
図2(A)は、超発現トゥランスフォーメイションT1−T8中におけるNlFAF1と
bar遺伝子のPCR鑑定を示す(ただしMは100bp分子量のMarker)。
図2
(B)は、超発現陽性トゥランスフォーメイションにおけるNlFAF1遺伝子の転写発
現レベルを示す(コラム図における異なる小文字は値間差異の顕著さ(P<0.05)が
示される)。
図2によれば、遺伝子barとNlFAF1遺伝子は4個のトゥランスフォ
ーメイション中で検出できていて、得られた4個の陽性トゥランスフォーメイションの全
RNAは逆転写をし、qRT−PCR法によりNlFAF1遺伝子の相対転写発現レベル
の測定をした。その結果、4個の陽性トゥランスフォーメイションがPDAプレート上で
3日培養し、その菌糸中でいずれもNlFAF1発現があった。またその中、T3トゥラ
ンスフォーメイション中におけるNlFAF1の転写発現量が最高であった。該菌株はM
aT3と名付け、以降試験におけるNlFAF1超発現工程菌株とした。
【0024】
実施例5
<菌落成長速率の測定>
具体的には、超発現株と野生株の分生子胞子懸濁液(1×10
7個/mL)をPDAプレ
ートのガラスペーパー上に接種し、25℃で3日培養し、その後パンチャーにより5mm
直径の菌コロニーブロックを切り取り、それぞれPDA培地プレート上に接種し、25℃
で持続的に8日培養した。毎日、十字法(crossing method)により菌コ
ロニー直径を測定し撮影した。
<胞子形成潜在性の測定>
具体的には、野生株と超発現株の分生子胞子を0.02%ツイーン80によりそれぞれ1
×10
7個/mLの胞子懸濁液を調製し、200μLを取ってそれぞれPDAプレート上
に塗布し、25℃で7日培養し、パンチャーにより0.6mm直径の菌糸円片を切り取っ
て、1mLの0.02%ツイーン80中に入れ、渦振動して均一に混合させた後、顕微鏡
で胞子濃度の計算を行った。
その結果は、PDAプレート上で成長していた時は、MaT3と野生株の菌コロニー直径
は大きな差異がなかった。PDAプレート上で8日培養した後は、MaT3の胞子形成量
は3.02×10
8個/cm
2であり、野生株の胞子形成量(3.07×10
8個/cm
2)に比べて顕著な変化がなかった(
図3に示される)。
【0025】
実施例6
<毒性測定>
野生株と超発現株の分生子胞子懸濁液(1×10
7個/mL)をそれぞれPDAプレート
上に塗布し、持続的に7日培養した後、分生子胞子粉を掻き取って20mL0.02%ツ
イーン80溶液が入れたバッフルドフラスコ中に移し、充分に振動させ、シェークして分
生子胞子を均一に配布させるようにした。顕微鏡によって血球数板で観察し、胞子数と濃
度を計数し、0.02%ツイーン80溶液によってそれぞれを濃度1×10
6、1×10
7と1×10
8個/mLの胞子懸濁液に調製した。
予め用意した稲苗を取って、毎カップの稲苗にビイロウンカ成虫40個を接種し、1mL
の各濃度胞子液を吸い取って、スプレー法によって成虫を処理し、スプレー後に試験虫の
逃しを防止するためにカップエッジに穴を刺してあるプラスティック蓋を覆った。各濃度
ごとに3回繰り返しとして、1mL0.02%ツイーン80溶液を対照とした。25℃、
14L:10D条件下で飼育し、1日ずつ定時的に観察し、死亡率を記録し、持続的に1
0日観察しながら、適時に虫死体を移出して25℃温度で置いて保湿培養し、虫死体の表
面で生み出した菌コロニーの特徴によって真菌致死の発病率を確知した。実際の接種剤分
は稲苗旁らに置かれるカバーガラス(20×20mm)によって胞子を収集し、メダン染
色した後、顕微鏡で胞子数を観察した。これによって、ビイロウンカ及び水稲の葉上に沈
んだ胞子付着量を胞子数として標準化できた。
超発現菌株MaT3と野生株Ma456のビイロウンカに関するパラレル生物測定の結果
は、MaT3のビイロウンカ成虫に対する毒性は、野生菌株Ma456より著しく高かっ
た。ビイロウンカ成虫の、MaT3とMa456分生子胞子(1×10
8個胞子/mL)
が接種した後におけるデス率と接種後の時間は正の相関を呈し、菌スプレー後の時間の増
加につれて累計デス率が増加するようであった。MaT3の7日目に引き起こした累計デ
ス率はそれぞれ79.7%であったが、対照菌株は約59.2%であった。虫死体は保湿
培養された後、全部典型的な感染による致死的症状が発見した。
MaT3およびMa456のビイロウンカ成虫に対する毒性測定データの確率分析によれ
ば、受け取られ得るタイム−デス率のモーデルを模擬した。野生株Ma456と超発現株
MaT3のビイロウンカに対する毒性のタイム−デス率模擬グラフおよび致死時間LT
5
0は、具体的に
図4に示される。ここで、CKは空白対照グループ(0.02%ツイーン
80処理)。分析の結果は、MaT3のビイロウンカ成虫に対する毒性が顕著に上昇し、
半分致死時間LT
50は3.4日であり、対照菌株(〜5.1日)と比べて1.7日早か
った、とわかった。
【0026】
配列表
<110> 中国計量大学
<120> 防除真菌の殺虫毒力を増強する方法
<160> 2
<170> SIPOSequenceListing 1.0
<210> 1
<211> 1920
<212> DNA
<213> Nilaparvata lugens
<400> 1
atgtccgaaa atagagaaga aattctagca aattttcagg cctgcactga cattgatgat 60
ctgggcatag cattggatca cttggagcaa tctaaatgga accttctgga agcaatccag 120
agagcgatgc cacaggactc gcagacgctg ccttcggagc agacgcccga cgttgagatc 180
atagacgtgc gtccggctcc tgtagtgaat ggcgtcggcg tcggggtgcc cgtcatactc 240
agtcccgaca tggcgcatgc gccttcgacc tcgttcggcg ccaccactcg cctccttcat 300
ttccacatcc actacgtcga caacatgatc actctgcaaa tcaacgacca caatcgtgtt 360
ggtgatttga aaatgttgat atttgcaaaa acacaaatcc cgatttgtca acaaattcta 420
gatggatggg aaaatgcacc ttcttcagat tcagtattgc tgtcatctct caacctgcct 480
cacgaaaatc tattattctt aacagttcca gaacagaata atctttcggt caattcctca 540
tcaagtgaca ccttatcgca aaaatataat ctagtaatat ttgatgagaa aaaatgtaag 600
gagcacagac tagaagtttt aggatcaaaa actattggtg aagtcaaagc agaagttcgt 660
ctacttatag atataactgt gaaaaatcaa gtttggactg gatggcctat cgaagatgac 720
agatgtacgc tgtcacgcgc tcgcctcgaa attcctgagc ataagttgag cgtgcggcca 780
aaaagggagt acaagaggcc agttattgtc gaccaagtga tggatagtga tagttctgtt 840
gaagaatttg aagatgcttc ggaatctttc actggagaag acgaaatgtt cgttgaagaa 900
attggttcaa ggaaattgca gccattgatt ccagataatg tggaagatga aacggctggt 960
tgtatccatt tcaacgacga attcacaaac agatatggcg atttgcatcc ttacttcttc 1020
ccaggcacat tagaggatgc aatcaaagac tcgtgtctaa aacctgctag agagagaagg 1080
cctttagcag tgtatctaca tcacgatggc agcgtgttgt ccaatgtatt ctgcactgag 1140
ctgctttgct ttgaatcggt gatgcagtac ttgaacagca acttcttggt ttggggctgg 1200
gatctcacgt tcgattccaa caaaactaag ttcctgaatt ccgtgtcaaa aagccttggg 1260
aacatggcag ctgttactgt gagaagcatc gaccttgaaa gactgccagc gttgataatc 1320
atcatgagaa tgcgttctaa cactgaaatt ttctcagtaa taaatggtaa catcggtgtg 1380
agtgagcttt tgacgagcct tattcaagcg gtggatgtgt tcagcgacca gcaaagactc 1440
gaagtgcaag aggaagacga acgagccgcc agagaaatga tcaaaatcga acaggatcaa 1500
gcatatcaag catctctcga aatagaccaa gccaaagagg aagcgaaaaa acaacaaatc 1560
atgattgaaa cgcaagaaaa aaggaggata gaagaagaaa aacaacaaga agaagccaga 1620
aaagaggcgg aaaggcggtt gttggaatcg cagttacctg acgagccgga tgagactagt 1680
gaaggtattt ccaaaattcg tttcagactt ccaagtggtg atttcctcga aagacgcttc 1740
tcaatcttga atagtttaca ggtggtcttg cactatcttg ttgtcaaagg ttatcataca 1800
gaaaattaca aagtgattag tagttggcca aggagagatt tgaccacact tgacgtccac 1860
tcaaccatcc aagatttgaa gctgtatcca caagaaacac tgatattgga agaacgatag 1920
<210> 2
<211> 639
<212> PRT
<213> Nilaparvata lugens
<400> 2
Met Ser Glu Asn Arg Glu Glu Ile Leu Ala Asn Phe Gln Ala Cys Thr
1 5 10 15
Asp Ile Asp Asp Leu Gly Ile Ala Leu Asp His Leu Glu Gln Ser Lys
20 25 30
Trp Asn Leu Leu Glu Ala Ile Gln Arg Ala Met Pro Gln Asp Ser Gln
35 40 45
Thr Leu Pro Ser Glu Gln Thr Pro Asp Val Glu Ile Ile Asp Val Arg
50 55 60
Pro Ala Pro Val Val Asn Gly Val Gly Val Gly Val Pro Val Ile Leu
65 70 75 80
Ser Pro Asp Met Ala His Ala Pro Ser Thr Ser Phe Gly Ala Thr Thr
85 90 95
Arg Leu Leu His Phe His Ile His Tyr Val Asp Asn Met Ile Thr Leu
100 105 110
Gln Ile Asn Asp His Asn Arg Val Gly Asp Leu Lys Met Leu Ile Phe
115 120 125
Ala Lys Thr Gln Ile Pro Ile Cys Gln Gln Ile Leu Asp Gly Trp Glu
130 135 140
Asn Ala Pro Ser Ser Asp Ser Val Leu Leu Ser Ser Leu Asn Leu Pro
145 150 155 160
His Glu Asn Leu Leu Phe Leu Thr Val Pro Glu Gln Asn Asn Leu Ser
165 170 175
Val Asn Ser Ser Ser Ser Asp Thr Leu Ser Gln Lys Tyr Asn Leu Val
180 185 190
Ile Phe Asp Glu Lys Lys Cys Lys Glu His Arg Leu Glu Val Leu Gly
195 200 205
Ser Lys Thr Ile Gly Glu Val Lys Ala Glu Val Arg Leu Leu Ile Asp
210 215 220
Ile Thr Val Lys Asn Gln Val Trp Thr Gly Trp Pro Ile Glu Asp Asp
225 230 235 240
Arg Cys Thr Leu Ser Arg Ala Arg Leu Asn Ile Pro Glu His Lys Leu
245 250 255
Ser Val Arg Pro Arg Arg Glu Tyr Lys Arg Pro Val Ile Val Asp Gln
260 265 270
Val Met Asp Ser Asp Ser Ser Val Glu Glu Phe Glu Asp Ala Ser Glu
275 280 285
Ser Phe Thr Gly Glu Asp Glu Met Phe Val Glu Glu Ile Gly Ser Arg
290 295 300
Lys Leu Gln Pro Leu Ile Pro Asp Asn Val Glu Asp Glu Thr Ala Gly
305 310 315 320
Cys Ile His Phe Asn Asp Glu Phe Thr Asn Arg Tyr Gly Asp Leu His
325 330 335
Pro Tyr Phe Phe Pro Gly Thr Leu Glu Asp Ala Ile Lys Asp Ser Cys
340 345 350
Leu Lys Pro Ala Arg Glu Arg Arg Pro Leu Ala Val Tyr Leu His His
355 360 365
Asp Gly Ser Val Leu Ser Asn Val Phe Cys Thr Glu Leu Leu Cys Phe
370 375 380
Glu Ser Val Met Gln Tyr Leu Asn Ser Asn Phe Leu Val Trp Gly Trp
385 390 395 400
Asp Leu Thr Phe Asp Ser Asn Lys Thr Lys Phe Leu Asn Ser Val Ser
405 410 415
Lys Ser Leu Gly Asn Met Ala Ala Val Thr Val Arg Ser Ile Asp Leu
420 425 430
Glu Arg Leu Pro Ala Leu Ile Ile Ile Met Arg Met Arg Ser Asn Thr
435 440 445
Glu Ile Phe Ser Val Ile Asn Gly Asn Ile Gly Val Ser Glu Leu Leu
450 455 460
Thr Ser Leu Ile Gln Ala Val Asp Val Phe Ser Asp Gln Gln Arg Leu
465 470 475 480
Glu Val Gln Glu Glu Asp Glu Arg Ala Ala Arg Glu Met Ile Lys Ile
485 490 495
Glu Gln Asp Gln Ala Tyr Gln Ala Ser Leu Glu Ile Asp Gln Ala Lys
500 505 510
Glu Glu Ala Lys Lys Gln Gln Ile Met Ile Glu Thr Gln Glu Lys Arg
515 520 525
Arg Ile Glu Glu Glu Lys Gln Gln Glu Glu Ala Arg Lys Glu Ala Glu
530 535 540
Arg Arg Leu Leu Glu Ser Gln Leu Pro Asp Glu Pro Asp Glu Thr Ser
545 550 555 560
Glu Gly Ile Ser Lys Ile Arg Phe Arg Leu Pro Ser Gly Asp Phe Leu
565 570 575
Glu Arg Arg Phe Ser Ile Leu Asn Ser Leu Gln Val Val Leu His Tyr
580 585 590
Leu Val Val Lys Gly Tyr His Thr Glu Asn Tyr Lys Val Ile Ser Ser
595 600 605
Trp Pro Arg Arg Asp Leu Thr Thr Leu Asp Val His Ser Thr Ile Gln
610 615 620
Asp Leu Lys Leu Tyr Pro Gln Glu Thr Leu Ile Leu Glu Glu Arg
625 630 635
【解決手段】NlFAF1遺伝子を含む発現カセットを真菌ゲノム中に有効的発現のために導入することを含み、NlFAF1遺伝子はビイロウンカに対し免疫負制御作用を有し、NlFAF1遺伝子は特定のヌクレオチド配列で示され、NlFAF1遺伝子のヌクレオチド配列コードのアミノ酸配列は特定の配列で示されることを特徴とする防除真菌の殺虫毒力を増強する方法である。