(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のツーリング参加者のそれぞれに対応し、各ツーリング参加者の運転技量および車両性能のうち少なくとも一方を含む複数の走行能力情報を取得する走行能力情報取得手段と、
前記複数の走行能力情報のばらつきを考慮したツーリング経路を探索する経路探索手段と、
を備え、
前記走行能力情報は、複数のレベルに分類された情報であり、
前記経路探索手段は、前記複数の走行能力情報のうちの少なくとも2つの走行能力情報が互いに異なるレベルに属する場合、当該少なくとも2つの走行能力情報が属するレベルのばらつきを考慮した前記ツーリング経路を探索することを特徴とする情報処理システム。
前記経路探索手段は、前記走行能力情報のばらつきを考慮した分岐地点、合流地点および休憩地点の少なくとも1つを有するツーリング経路を探索することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の情報処理システム。
前記経路探索手段は、前記走行能力情報に応じた道路種別毎の走行容易性を考慮して、前記走行能力情報のばらつきに応じた所要時間の差が抑制されるように、前記分岐地点、合流地点および休憩地点の少なくとも1つを有するツーリング経路を探索することを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
走行能力情報取得手段が、複数のツーリング参加者のそれぞれに対応し、各ツーリング参加者の運転技量および車両性能のうち少なくとも一方を含む複数の走行能力情報を取得するステップと、
経路探索手段が、前記複数の走行能力情報のばらつきを考慮したツーリング経路を探索するステップと、
を備え、
前記走行能力情報は、複数のレベルに分類された情報であり、
前記経路探索手段は、前記複数の走行能力情報のうちの少なくとも2つの走行能力情報が互いに異なるレベルに属する場合、当該少なくとも2つの走行能力情報が属するレベルのばらつきを考慮した前記ツーリング経路を探索することを特徴とする情報処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0010】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム1について説明する。第1の実施形態に係る情報処理システム1は、モバイル端末(スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等)やパソコン等の電子機器の使用者に対して、マスツーリングに利用できるツーリング経路を提供するシステムである。より具体的には、情報処理システム1は、電子機器を使用するマスツーリングの主催者(以下、ツーリング主催者とも呼ぶ)に、ツーリング経路を提供する。なお、情報処理システム1は、電子機器を使用するマスツーリングの参加者(以下、ツーリング参加者とも呼ぶ)であって、主催者と異なる者にツーリング経路を提供してもよい。
【0011】
マスツーリングに使用される車両は、例えば、自動二輪車である。なお、マスツーリングに使用される車両は、普通自動車、原動機付自転車および自転車などの自動二輪車以外の車両であってもよい。また、マスツーリングに使用される車両は、トライクやセグウェイなどのパーソナルモビリティであってもよい。
【0012】
図1に示すように、情報処理システム1は、前述の電子機器に相当する端末装置2と、サーバ3とを備えている。端末装置2とサーバ3とは、インターネット等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0013】
ネットワークは、有線回線および無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。なお、端末装置2およびサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
【0014】
端末装置2は、マスツーリングを計画するためにツーリング主催者やツーリング参加者が使用するものであり、例えば、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末である。なお、端末装置2は、デスクトップ型のパソコンであってもよい。
【0015】
端末装置2は、
図1に示すように、通信部21と、入力部23と、出力部24と、制御部22とを有する。
【0016】
通信部21は、ネットワークを介して制御部22とサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0017】
入力部23は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、例えばモバイル端末におけるタッチパネルやマイクロフォン、タッチパッドもしくはダイヤルボタンであってもよい。また、入力部23は、デスクトップ型のパソコンのマウスやキーボードであってもよい。
【0018】
出力部24は、端末装置2からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり、例えば液晶ディスプレイ等の映像表示手段である。一例として、出力部24は、入力部23を通じたユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。出力部24は、各種情報を音声出力するスピーカを有していてもよい。
【0019】
なお、出力部24は、ユーザに情報を直接提示するものでなくてもよい。例えば、出力部24は、端末装置2の外部に接続される映像表示手段や音声出力手段に、映像信号や音声信号を出力するものであってもよいし、外部に接続される印刷装置にデータを出力するものであってもよいし、端末装置2内もしくは外部の記憶装置にデータを出力して記憶させるものであってもよい。
【0020】
制御部22は、
図1に示すように、情報提示部221を有する。制御部22は、マスツーリングを計画するための各種の制御を実行する。例えば、情報提示部221は、ツーリング参加者を登録するための登録画面やツーリング経路の探索条件を入力するための経路探索画面を出力部24に表示させる制御を実行する。また、情報提示部221は、経路提示手段として機能し、探索されたツーリング経路を出力部24に表示させる制御を実行する。
【0021】
また、制御部22は、出力部24が表示した各種の画面に対する入力部23の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作の情報をネットワーク経由でサーバ3に送信する制御を実行する。制御部22は、端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0022】
次に、サーバ3について説明する。
図1に示すように、サーバ3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有する。制御部32について説明する前に、通信部31および記憶部33について説明する。
【0023】
通信部31は、ネットワークを介して端末装置2と、サーバ3の制御部32との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0024】
記憶部33は、例えばハードディスク等の固定型データストレージであり、各種データベースを格納する。なお、記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられなくてもよく、ネットワークを介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられてもよい。
【0025】
記憶部33は、経路ネットワーク情報データベース331を有する。
【0026】
経路ネットワーク情報データベース331は、経路探索用のデータベースであり、経路ネットワーク情報として、例えば、交通ネットワーク情報を含む。交通ネットワーク情報は、鉄道やバス等の交通網や道路網を規定する情報である。交通網の情報としては、交通機関の路線情報、時刻表情報、料金情報等を含む。また、交通網の情報は、例えば駅等の路線網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の線路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。また、道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。
【0027】
また、図示しないが、記憶部33には、地図の表示や地点の検索等に用いる地図情報データベースを含んでいてもよい。地図情報は、全国または各地方の道路地図などの地図データを含み、地図データに対応付けられた地図オブジェクト情報(施設情報、注記情報、記号情報等)を含んでいてもよい。
【0028】
これらの記憶部33内のデータは、ツーリング経路の探索に利用できる。
【0029】
次に、サーバ3の制御部32について説明する。制御部32は、
図1に示すように、走行能力情報取得手段の一例である走行能力情報取得部321と、経路探索手段の一例である経路探索部322とを有する。
【0030】
走行能力情報取得部321は、複数のツーリング参加者のそれぞれに対応する複数の走行能力情報を取得する。各走行能力情報は、対応するツーリング参加者の運転技量情報および車両性能情報のうち少なくとも一方を含む。
【0031】
ここで、複数のツーリング参加者は、共通のマスツーリングの参加者である。走行能力情報は、ツーリング参加者がツーリング経路を走行する能力を示す情報である。
【0032】
走行能力情報のうち、運転技量情報は、ツーリング参加者の運転技量を示す情報であり、ツーリング参加者自身の能力を示す。運転技量情報は、例えば、「初級」、「中級」、「上級」などの階級別に区分けされた情報である。運転技量情報は、例えば、初級者が3ポイント、中級者が2ポイント、上級者が1ポイントなどの運転技量に応じたポイントを示す情報であってもよい。
【0033】
走行能力情報のうち、車両性能情報は、ツーリング参加者が運転する車両の性能を示す情報である。車両性能情報は、例えば、ガソリン車やハイブリッド車の排気量(cc)や、ハイブリッド車や電動車の出力(kW)である。
【0034】
走行能力情報取得部321は、例えば、マスツーリングの主催者の端末装置2において登録画面に入力されたツーリング参加者の情報の一部として、走行能力情報を取得する。具体的には、走行能力情報取得部321は、ツーリング参加者の自己申告に基づいてツーリング主催者が登録画面に入力した「初級」、「中級」、「上級」などの運転技量情報を取得する。なお、ツーリング参加者の登録は、ツーリング主催者の端末装置2を用いた入力操作のみによって行われることに限定されず、例えば、LINE(登録商標)などのSNS(ソーシャルネットワークシステム)におけるグループのメンバーなどを、ツーリング参加者として登録することで行われてもよい。
【0035】
また、走行能力情報取得部321は、ツーリング参加者の登録情報の一部を走行能力情報として直接的に取得することに限定されず、ツーリング参加者の登録情報に基づいて走行能力情報を算出することで取得してもよい。例えば、走行能力情報取得部321は、ツーリング参加者の登録情報やSNSのページへの書込み情報からツーリング参加者の運転免許証の取得年月日を入手した場合、取得年月日の新しさ応じて、「初級」、「中級」、「上級」のいずれかの運転技量情報を算出してもよい。また、走行能力情報取得部321は、ツーリング参加者の登録情報やSNSのページへの書込み情報からツーリングの経験の有無および回数を示す情報を入手した場合、ツーリングの経験が豊富なツーリング参加者の運転技量情報を「上級」として算出してもよい。
【0036】
経路探索部322は、経路ネットワーク情報に基づいて、走行能力情報取得部321で取得された複数の走行能力情報(すなわち、ツーリング参加者毎の走行能力情報)のばらつきを考慮したツーリング経路を探索する。経路探索部322は、探索されたツーリング経路を示す経路情報を、通信部31から端末装置2に送信する。
【0037】
より具体的には、第1の実施形態において、経路探索部322は、各ツーリング参加者の間で走行能力情報にばらつきがある場合に、走行能力情報のばらつきを考慮して、各ツーリング参加者が走行できる共通のツーリング経路を探索する。
【0038】
例えば、経路探索部322は、各ツーリング参加者の間で運転技量情報にばらつきがある場合、所定レベルの運転技量情報に対応するツーリング経路を探索する。所定レベルの運転技量情報は、各ツーリング参加者の誰もが抵抗感少なく走行できるように、各ツーリング参加者の運転技量情報からの差分が抑制された運転技量情報である。一例として、所定レベルの運転技量情報は、各ツーリング参加者の運転技量情報の平均値である。
【0039】
所定レベルの運転技量情報に対応するツーリング経路を探索することで、初級者に過度な困難性を感じさせず、また、上級者に過度な退屈感を感じさせないツーリング経路を探索することができる。これにより、各ツーリング参加者の間で運転技量にばらつきがある場合であっても、共通のツーリング経路を無理なく楽しみながら走行することができるマスツーリングを計画することができる。また、所定レベルの運転技量情報に対応するツーリング経路として、各ツーリング参加者の運転技量情報の平均値に対応するツーリング経路を探索することで、運転技量が異なるツーリング参加者同士で無理なく楽しみながら走行することができるツーリング経路を簡便に探索することができる。
【0040】
所定レベルの運転技量情報に対応するツーリング経路を探索するにあたり、経路探索部322は、所定レベルが高いほど、勾配数およびカーブ数の少なくとも一方が多いツーリング経路を探索してもよい。所定レベルが高いほど勾配数およびカーブ数の少なくとも一方が多いツーリング経路を探索することで、各ツーリング参加者が走り応えのある共通のツーリング経路を走行できるマスツーリングを計画することができる。
【0041】
(動作例)
次に、
図1の情報処理システム1の動作例について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0042】
図2に示すように、先ず、端末装置2の制御部22は、入力部23を用いたツーリング主催者による登録画面の操作に応じて、走行能力情報を含むツーリング参加者情報を、通信部21からサーバ3に送信する(ステップS21)。
図3(a)は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、ツーリング参加者の登録画面Srを示す図である。ツーリング主催者は、
図3(a)に示される登録画面Srをサーバ3に送信してもよい。
図3(a)の登録画面Srのフォームは、例えば、サーバ3で生成されて端末装置2に送信され、端末装置2の出力部24にGUIとして表示される。登録画面Srのフォームは、端末装置2の制御部22で生成されてもよい。
図3(a)の例において、ツーリング主催者は、登録画面Srのフォームにツーリング参加者の名称と、運転技量(「上級」、「中級」、「初級」)とを入力し、「決定」ボタンを操作することで、ツーリング参加者を登録できる。
【0043】
端末装置2からツーリング参加者情報が送信されると、
図2に示すように、サーバ3の制御部32は、送信されたツーリング参加者情報を通信部31から受信する(ステップS31)。
【0044】
ツーリング参加者情報を受信した後、制御部32の走行能力情報取得部321は、受信されたツーリング参加者情報に含まれる走行能力情報を取得する(ステップS32)。
【0045】
また、ツーリング参加者情報を受信した後、制御部32は、受信されたツーリング参加者情報を記憶部33に記録することで、ツーリング参加者を登録する(ステップS33)。ツーリング参加者の登録は、走行能力情報の取得(ステップS32)と前後が入れ替わってもよく、または、同時でもよい。
【0046】
ツーリング参加者情報を送信した後、端末装置2の制御部22は、入力部23を用いたツーリング主催者による経路探索画面Ssの操作に応じて、経路探索条件を通信部21からサーバ3に送信する(ステップS22)。
図3(b)は、経路探索画面Ssを示す図である。ツーリング主催者は、例えば、
図3(b)に示される経路探索画面Ss中の経路探索条件をサーバ3に送信してもよい。
図3(b)の経路探索画面Ssのフォームは、例えば、サーバ3で生成されて端末装置2に送信され、端末装置2の出力部24にGUIとして表示される。経路探索画面Ssのフォームは、端末装置2の制御部22で生成されてもよい。
図3(b)の例において、ツーリング主催者は、経路探索画面Ssのフォームに出発地、経由地、目的地等の経路探索条件を入力できる。そして、経路探索条件を入力後、「ルート検索」ボタンを操作することで、経路探索条件をサーバ3に送信できる。
【0047】
端末装置2から経路探索条件が送信されると、
図2に示すように、サーバ3の経路探索部322は、送信された経路探索条件を通信部31から受信する(ステップS34)。
【0048】
経路探索条件を受信した後、経路探索部322は、経路探索条件に基づいて、走行能力情報のばらつきを考慮したツーリング経路の探索を行う(ステップS35)。
【0049】
図4は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、ツーリング参加者の運転技量のばらつきを考慮したツーリング経路の算出例を説明するための説明図である。
図4の例において、ツーリング参加者は、1名の上級者と、1名の中級者と、4名の初心者との合計6名である。走行能力情報取得部321は、各ツーリング参加者の走行能力情報として、上級者の運転技量情報:3pt(ポイント)と、中級者の運転技量情報:2ptと、初心者の運転技量情報:1ptとを取得している。
【0050】
図4の例において、経路探索部322は、ツーリング参加者の運転技量のばらつきを考慮したツーリング経路として、6名のツーリング参加者の運転技量情報の平均値に対応するツーリング経路を探索する。
【0051】
具体的には、先ず、経路探索部322は、各ツーリング参加者の運転技量情報の平均値を算出する。
図4の例において、運転技量情報の平均値は1.5ptとなる。
【0052】
図5は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、運転技量に応じた経路と経路の難易度の指標との対応関係を示す図である。
図5には、一例として、初級:1ptに応じた初級ルートR1、中級:2ptに応じた中級ルートR2、および上級:3ptに応じた上級ルートR3と、各ルートR1〜R3のそれぞれに対応する運転の難易度の指標との対応関係が示されている。
図5の指標では、運転技量が高いほど、勾配数およびカーブ数が多くなっている。
【0053】
運転技量情報の平均値を算出した後、経路探索部322は、
図5に示される経路の難易度の指標に基づいて、運転技量情報の平均値:1.5ptに対応する難易度を算出する。
図5の例において、1.5ptに対応する難易度は、例えば、初級の勾配数と中級の勾配数との中間の勾配数と、初級のカーブ数と中級のカーブ数との中間のカーブ数とを有している。
【0054】
運転技量情報の平均値:1.5ptに対応する難易度を算出した後、経路探索部322は、算出された難易度を経路探索条件(例えば、コスト)に加味してツーリング経路を探索する。
【0055】
図6は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、ツーリング参加者の運転技量のばらつきを考慮したツーリング経路Rを示す図である。
図6の例において、経路探索部322は、1.5ptに対応するツーリング経路Rとして、初級の上ルートを探索する。
図6の例において、ツーリング経路Rは、地図画像上に強調表示されている。
【0056】
なお、運転技量情報の平均値が、予め用意された運転技量情報(例えば、初級、中級または上級)に近い場合(例えば、差が閾値以内である場合)、経路探索部322は、予め用意された運転技量情報に対応する経路をツーリング経路Rの探索結果としてもよい。すなわち、運転技量情報の平均値を予め用意された運転技量情報に丸め込んでもよい。このような経路探索は、探索の精度をある程度確保しつつ探索の速度を向上させたい場合に好適である。
【0057】
また、走行能力情報のばらつきを考慮したツーリング経路の探索において、経路探索部322は、経路ネットワーク情報中にツーリングロードとして含まれている既知のツーリング経路を、探索結果の一部としてもよい。
【0058】
以上のようにして走行能力情報のばらつきを考慮したツーリング経路を探索した後、
図2に示すように、経路探索部322は、探索されたツーリング経路を示す経路情報を、通信部31から端末装置2に送信する(ステップS36)。
【0059】
ツーリング経路Rを示す経路情報が送信されると、端末装置2の情報提示部221は、送信された経路情報を通信部21から受信する(ステップS23)。そして、情報提示部221は、受信された経路情報を出力部24に表示させる(ステップS24)。例えば、情報提示部22は、
図6に示した初級の上ルートを表示してもよい。
【0060】
ツーリング主催者は、サーバ3から受信したツーリング経路の経路情報を、ツーリング主催者の端末装置2とツーリング参加者の端末装置2との通信によってツーリング参加者に送信してもよい。また、ツーリング経路の経路情報は、サーバ3から直接ツーリング参加者の端末装置2に配信されてもよい。
【0061】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、走行能力情報のばらつきを考慮した経路を探索することで、走行能力が異なるツーリング参加者同士でのマスツーリングを計画することができる。
【0062】
(第2の実施形態)
次に、ツーリング参加者の人数の運転技量別の割合に応じた複数の区間を有するツーリング経路を探索する第2の実施形態について説明する。第1の実施形態においては、運転技量のばらつきを考慮したツーリング経路として、運転技量情報の平均値に対応するツーリング経路を探索する例について説明した。
【0063】
これに対して、第2の実施形態においては、運転技量のばらつきを考慮したツーリング経路として、ツーリング参加者の人数の運転技量別の割合に応じた複数の区間を有するツーリング経路を探索する。
【0064】
図7は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、ツーリング参加者の運転技量のばらつきを考慮したツーリング経路の算出例を説明するための説明図である。
図4の場合と同様に、
図7の例におけるツーリング参加者は、1名の上級者と、1名の中級者と、4名の初心者との合計6名である。
【0065】
第2の実施形態において、経路探索部322は、運転技量のばらつきを考慮したツーリング経路の探索にあたり、ツーリング参加者の人数(以下、ツーリング参加者数とも呼ぶ)の運転技量別の割合を算出する。
図7の例において、上級者の割合は17%、中級者の割合は17%、初心者の割合は66%である。
【0066】
ツーリング参加者数の運転技量別の割合を算出した後、経路探索部322は、ツーリング参加者数の運転技量別の割合に応じた複数の区間を有するツーリング経路を探索する。より具体的には、経路探索部322は、ツーリング参加者数の運転技量別の割合に応じた区間長を有する複数の区間であり、区間ごとに対応するツーリング参加者の運転技量に応じた難易度を有する複数の区間で構成されるツーリング経路を探索する。
【0067】
図7の例において、経路探索部322は、指標に基づく難易度(
図5参照)が低い初級区間が全体の66%の長さとなり、難易度が中程度の中級区間が全体の17%の長さとなり、難易度が高い上級区間が全体の17%の長さとなるツーリング経路を探索する。
【0068】
図8は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、ツーリング参加者の運転技量のばらつきを考慮したツーリング経路Rを示す図である。
図8の例は、
図7の例において探索されたツーリング経路Rの表示例である。
図8の例において、情報提示部221は、経路探索部322で探索されたツーリング経路Rを、運転技量別に識別可能な表示態様で提示している。具体的には、初級区間r1、中級区間r2および上級区間r3を有するツーリング経路Rを、区間r1〜r3毎に異なる表示色で表示している。ツーリング経路Rを区間r1〜r3毎に識別可能な表示態様で表示することで、ツーリング主催者およびツーリング参加者が、ツーリング経路Rの難易度の変化を予め把握して走行することができる。
【0069】
第2の実施形態によれば、運転技量のばらつきを考慮したツーリング経路として、ツーリング参加者数の運転技量別の割合に応じた区間を有するツーリング経路を探索することができる。また、第2の実施形態によれば、ツーリング参加者数が多い運転技量に対応する区間を長くとることができるので、できるだけ多くのツーリング参加者が自分の運転技量に最適の区間を長距離走行することができる。
【0070】
(第3の実施形態)
次に、ツーリング経路の一部の変更を受け付ける第3の実施形態について説明する。
図9は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。
【0071】
第1の実施形態においては、走行能力情報のばらつきを考慮して探索されたツーリング経路が固定されていた。これに対して、第3の実施形態においては、走行能力情報のばらつきを考慮して探索されたツーリング経路の一部を変更可能である。
【0072】
具体的には、
図9に示すように、第3の実施形態の情報処理システム1は、第1の実施形態の構成に加えて、更に、変更受付手段の一例である変更受付部222と、変更手段の一例である経路変更部323とを有する。
図9の例において、変更受付部222は、端末装置2の制御部22に設けられている。また、経路変更部323は、サーバ3の制御部32に設けられている。変更受付部222は、サーバ3の制御部32に設けられていてもよい。
【0073】
変更受付部222は、探索されたツーリング経路の一部であり、第1の運転技量に対応する第1の区間の変更を受け付ける。より具体的には、変更受付部222は、探索されたツーリング経路の第1の区間を、第2の運転技量に対応する第2の区間に変更する操作を受け付ける。
【0074】
ここで、第1の運転技量は、探索されたツーリング経路に対応する運転技量であり、
図6の例で言えば、「初級の上」である。第2の運転技量は、第1の運転技量と異なる運転技量であり、第2の区間は、第2の運転技量に対応する区間である。第2の区間は、例えば、「中級区間」や「上級区間」といった予め定められた複数の選択肢の中から選択される。変更受付部222は、ツーリング参加者の運転技量に応じて、変更可能な第2の区間を異ならせてもよい。また、勾配数やカーブ数を任意に選択できるようにすることで、変更可能な第2の区間の選択肢を増やしてもよい。第2の区間は、第1の区間と始点および終点の少なくとも一方が共通する。
【0075】
変更受付部222は、例えば、情報提示部221に、出力部24を介して、第1の区間から第2の区間への変更を指示可能な操作ボタンを表示させることで、第1の区間の変更を受け付けてもよい。この場合、操作ボタンは、複数の階層にわたる複数の操作ボタンであってもよい。あるいは、変更受付部222は、情報提示部221に、出力部24を介してツーリング経路の画像を複数の区間(第1の区間)毎に選択可能な表示態様で表示させることで、選択された区間の変更を受け付けてもよい。
【0076】
また、変更受付部222は、第1の区間の変更を受け付ける際に、情報提示部221(経路提示手段)に、出力部24を介して第1の区間を第2の区間と識別可能に表示させてもよい。第1の区間を第2の区間と識別可能に表示させることで、変更後の区間を変更前の区間との対比によって事前に把握することができる。
【0077】
経路変更部323は、変更受付部222による変更の受け付けに応じて、第1の区間を第2の区間に変更する。そして、経路変更部323は、第1の区間を第2の区間に変更したツーリング経路(以下、変更経路とも呼ぶ)を示す情報(以下、変更経路情報とも呼ぶ)を、通信部31から端末装置2に送信する。
【0078】
端末装置2の情報提示部221は、サーバ3から送信された変更経路情報を出力部24に表示させる。
【0079】
(動作例)
次に、
図9の情報処理システム1の動作例について説明する。
図10は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図11は、
図10に続く第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0080】
図10に示すように、第3の実施形態の情報処理システム1の動作例において、走行能力情報のばらつきを考慮したツーリング経路の経路情報の表示(ステップS24)までの工程は、
図2に示した第1の実施形態の情報処理システム1の動作例と同様である。
【0081】
図11に示すように、第3の実施形態の情報処理システム1は、経路情報の表示後、ツーリング経路の第1の区間を変更するための各工程を実行する。具体的には、先ず、変更受付部222は、ツーリング主催者の変更操作を受け付け、変更操作に応じて通信部21からサーバ3にツーリング経路の第1の区間の変更の指令(以下、経路変更指令とも呼ぶ)を送信する(ステップS25)。
【0082】
経路変更指令は、例えば、以下に述べる工程を実行することで送信することができる。
【0083】
図12は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、第1経路変更画面Sc1を示す図である。経路変更指令のため、先ず、変更受付部222は、情報提示部221に、出力部24を介して
図12に示される第1経路変更画面Sc1を表示させる。第1経路変更画面Sc1は、ツーリング経路Rの経路情報の表示画面そのものであってもよい。第1経路変更画面Sc1は、ツーリング経路Rの第1の区間の変更に移行する操作が可能なルート変更ボタンB1を含む。ルート変更ボタンB1は、ツーリング経路Rの経路情報の表示の当初から表示されていてもよく、または、画面操作に応じてポップアップ表示されてもよい。ツーリング主催者は、ルート変更ボタンB1を選択することで、経路変更指令のための次工程に移行することができる。
【0084】
図13は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、第2経路変更画面Sc2を示す図である。第1経路変更画面Sc1においてルート変更ボタンB1が選択された場合に、変更受付部222は、情報提示部221に、出力部24を介して
図13に示される第2経路変更画面Sc2を表示させる。第2経路変更画面Sc2は、中級者向けの経路変更を選択する中級選択ボタンB2と、上級者向けの経路変更を選択する上級選択ボタンB3とを含む。ツーリング主催者は、中級選択ボタンB2を操作することで、中級者向けの経路変更に移行することができる。また、ツーリング主催者は、上級選択ボタンB3を操作することで、上級者向けの経路変更に移行することができる。
【0085】
図14(a)は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、中級参加者経路変更画面Siを示す図である。
図13の第2経路変更画面Sc2において中級選択ボタンB2が選択された場合に、変更受付部222は、情報提示部221に、出力部24を介して
図14(a)に示される中級参加者経路変更画面Siを表示させる。中級参加者経路変更画面Siは、ツーリング経路Rの第1の区間rを第2の区間の一例である中級区間r2に変更する操作が可能な画面である。中級区間r2は、ツーリング経路Rの探索時等において予め探索されていてもよく、または、第2経路変更画面Sc2における中級選択ボタンB2の選択に応じて探索されてもよい。
図14(a)に示すように、中級参加者経路変更画面Siは、第1の区間rの中級区間r2への変更を選択する決定ボタンB21と、前画面に戻ることを選択する戻るボタンB22とを含む。ツーリング主催者は、決定ボタンB21を操作することで、第1の区間rを中級区間r2に変更する経路変更指令を送信することができる。
【0086】
図15(a)は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、上級参加者経路変更画面Saを示す図である。
図13の第2経路変更画面Sc2において上級選択ボタンB3が選択された場合に、変更受付部222は、情報提示部221に、出力部24を介して
図15(a)に示される上級参加者経路変更画面Saを表示させる。
図15(a)の上級参加者経路変更画面Saは、ツーリング経路Rの第1の区間rを第2の区間の一例である上級区間r3に変更する操作が可能な画面である。上級区間r3は、ツーリング経路Rの探索時等において予め探索されていてもよく、または、
図13の第2経路変更画面Sc2における上級選択ボタンB3の選択に応じて探索されてもよい。
図15(a)に示すように、上級参加者経路変更画面Saは、第1の区間rの上級区間r3への変更を選択する決定ボタンB31と、前画面に戻ることを選択する戻るボタンB32とを含む。ツーリング主催者は、決定ボタンB31を操作することで、第1の区間rを上級区間r3に変更する経路変更指令を送信することができる。
【0087】
以上のようにして経路変更指令が送信されると、
図11に示すように、サーバ3の経路変更部323は、通信部31から経路変更指令を受信する(ステップS37)。経路変更指令を受信した後、経路変更部323は、受信された経路変更指令にしたがった経路変更を行う(ステップS38)。
【0088】
図14(b)は、中級参加者経路変更画面Siによるツーリング経路の変更例を示す図である。中級参加者経路変更画面Siにおける決定ボタンB21の選択によって第1の区間rを中級区間r2に変更する経路変更指令が送信された場合、経路変更部323は、
図14(b)に示すように、第1の区間rを中級区間r2に変更した中級参加者変更経路Rr2を生成する。中級参加者変更経路Rr2は、運転技量のばらつきを考慮して探索された変更前のツーリング経路Rの一部の区間(すなわち、第1の区間以外の区間)と、中級者の運転技量に適合した中級区間r2とを含んでいる。したがって、中級参加者変更経路Rr2に変更することで、運転技量のばらつきを考慮しつつも中級者にとってより好適な経路をマスツーリングさせることができる。
【0089】
図15(b)は、上級参加者経路変更画面Saによるツーリング経路の変更例を示す図である。上級参加者経路変更画面Saにおける決定ボタンB31の選択によって第1の区間rを上級区間r3に変更する経路変更指令が送信された場合、経路変更部323は、
図15(b)に示すように、第1の区間rを上級区間r3に変更した上級参加者変更経路Rr3を生成する。上級参加者変更経路Rr3は、各ツーリング参加者の運転技量のばらつきを考慮して探索された変更前のツーリング経路Rの一部の区間(すなわち、第1の区間以外の区間)と、上級者の運転技量に適合した上級区間r3とを含んでいる。したがって、上級参加者変更経路Rr3に変更することで、運転技量のばらつきを考慮しつつも上級者にとってより好適な経路をマスツーリングさせることができる。
【0090】
以上のようにして経路変更を行った後、
図11に示すように、経路変更部323は、変更経路を示す変更経路情報を通信部31から端末装置2に送信する(ステップS39)。
【0091】
変更経路情報が送信されると、情報提示部221は、送信された変更経路情報を通信部21から受信する(ステップS26)。そして、情報提示部221は、受信された変更経路情報を出力部24に表示させる(ステップS27)。
【0092】
第3の実施形態によれば、ツーリング経路の一部の区間を変更できることで、ツーリング主催者の意向を反映したツーリング経路を提供することができる。
【0093】
なお、ツーリング経路の一部の区間の変更は、ツーリング主催者の端末装置2のみで実行可能であることに限定されない。例えば、ツーリング参加者の端末装置2が変更受付部222を備える場合、サーバ3は、変更受付部222を通じて送信された経路変更指令に応じて経路変更を行ってもよい。
【0094】
(変形例)
図16は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、経路変更画面の第1の変形例を示す図である。
図12の第1経路変更画面Sc1において経路変更ボタンB1が操作された場合に、変更受付部222は、
図16に示される中・上級参加者経路変更画面Si,aを表示してもよい。
図16に示すように、中・上級参加者経路変更画面Si,aは、前画面に戻ることを選択する戻るボタンB11と、第1の区間rの中級区間r2への変更を選択する中級選択ボタンB12と、第1の区間rの上級区間r3への変更を選択する上級選択ボタンB13とを含む。なお、
図16の例では、中級区間r2と上級区間r3の終点が互いに異なっている。このため、第1の区間rは、中級区間r2および上級区間r3のそれぞれに対応するように2つ存在する。
【0095】
ツーリング主催者は、中級選択ボタンB12を操作することで、第1の区間rを中級区間r2に変更する経路変更指令を送信することができる。また、ツーリング主催者は、上級選択ボタンB13を操作することで、第1の区間rを上級区間r3に変更する経路変更指令を送信することができる。なお、経路変更指令は、区間の画像をタッチ操作等で指定することによって送信されてもよい。
【0096】
図17は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、経路変更画面の第2の変形例を示す図である。
図16の例では、ツーリング経路Rが初級の上ルートであるが、
図17に示すように、ツーリング経路Rは、初級ルートR1であってもよい。
【0097】
第1および第2の変形例によれば、1つの画面上で中級向けの経路および上級向けの経路のいずれかへの変更を指定することができるので、利便性を向上させることができる。
【0098】
また、ツーリング経路の一部の区間の変更は、中級者向けの経路や上級者向けの経路を指定しなくても実行可能であってもよい。例えば、
図12の第1経路変更画面Sc1において経路変更ボタンB1が操作された後に、地図上に表示されている「初級の上ルート」Rを選択してルート線を引っ張ることで経路を変更可能であってもよい。あるいは、経路変更ボタンB1を選択せずとも、地図上に表示されている「初級の上ルート」Rを選択して経路を変更可能であってもよい。ルート線に触れることをもって経路変更処理をすれば、簡易的な操作で経路変更できるので、利便性を更に向上させることができる。
【0099】
(第4の実施形態)
次に、走行能力情報のばらつきを考慮した分岐地点、合流地点および休憩地点を有するツーリング経路を探索する第4の実施形態について説明する。
【0100】
これまでは、走行能力情報のばらつきを考慮して共通のツーリング経路を探索する実施形態について説明した。これに対して、第4の実施形態において、経路探索部322は、走行能力情報のばらつきを考慮した分岐地点、合流地点および休憩地点を有するツーリング経路を探索する。
【0101】
図18は、第4の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、ツーリング参加者の運転技量のばらつきを考慮した分岐地点P1、合流地点P2および休憩地点P3を有するツーリング経路を示す図である。
図18に示すように、第4の実施形態におけるツーリング経路は、分岐地点P1および合流地点P2を介して2つの経路が複合したツーリング経路となっている。具体的には、
図18のツーリング経路は、上級ルートR3と、上級ルートR3の一部を初級区間r1に変更したルートとの複合経路となっている。初級区間r1は、分岐地点P1において上級ルートR3から分岐し、合流地点P2において上級ルートR3に合流している。上級ルートR3のうち、初級区間r1から分岐した上級区間r3上には、休憩地点P3が設定されている。
【0102】
図18の例において、経路探索部322は、運転技量情報の平均値に対応するツーリング経路として、上級ルートR3を探索している。更に、経路探索部322は、初級者の運転技量も考慮して、上級ルートR3の一部の上級区間r3を初級区間r1に置き換えたツーリング経路をあわせて探索している。初級区間r1は、これと分岐した上級区間r3よりも距離が短く難易度が低い。このため、運転技量の差に起因して初級者の走行速度が上級者の走行速度より遅い場合であっても、初級区間r1と上級区間r3との所要時間の差を設けることで、合流地点P2において初級者と上級者との走行位置の差を縮めることが可能となる。これにより、上級者が走行速度を無理に遅くすることなく、また、初級者が走行速度を無理に速くすることなく、運転技量が異なるツーリング参加者同士でマスツーリングを楽しむことができる。また、上級区間r3には、休憩地点P3が設定されているため、初級者と上級者との走行位置の差をより確実に縮めることができる。なお、初級者の疲労度を考慮して、初級区間r1上に休憩地点を設定してもよい。
【0103】
図19は、第4の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、分岐地点、合流地点および休憩地点の設定に用いられる運転技量データを示す図である。経路探索部322は、例えば、
図19に示す運転技量データを用いて
図18のツーリング経路を探索する。
図19の運転技量データは、運転技量に応じた道路種別毎の走行容易性を示している。具体的には、
図19の運転技量データは、初級者、中級者および上級者の各運転技量に区分けされている。また、
図19の運転技量データは、運転技量毎に、半径30mのカーブ(R30)、半径45mのカーブ(R45)、狭幅員、高速道、国道、県道、交通量の多い道路、交通量が普通の道路、および交通量が少ない道路の各道路種別に区分けされている。そして、
図19の運転技量データは、運転技量と道路種別との組合せ毎に、低速度、中速度または高速度での走行容易性(○、△、×)や、車線変更の容易性(○、△、×)などの走行容易性情報が対応付けられている。経路探索部322は、このような運転技量データに基づいて、運転技量のばらつきに応じた所要時間の差が抑制されるように、分岐地点P1、合流地点P2および休憩地点P3を有するツーリング経路を探索する。
【0104】
なお、分岐地点P1、合流地点P2および休憩地点P3は、これらのうち1つまたは2つを省略してもよい。また、分岐地点P1、合流地点P2および休憩地点P3は複数ずつあってもよい。また、
図19の運転技量データは、分岐地点P1、合流地点P2および休憩地点P3を有しないツーリング経路の探索に用いてもよい。
【0105】
第4の実施形態によれば、走行能力情報のばらつきを考慮した分岐地点、合流地点および休憩地点を有するツーリング経路を探索することで、各ツーリング参加者がそれぞれの走行能力情報に適合したツーリング経路を走行できるとともに、一部の区間をともに走行するマスツーリングを行うことができる。
【0106】
また、第4の実施形態によれば、走行能力情報に応じた道路種別毎の走行容易性を考慮して、走行能力情報のばらつきに応じた所要時間の差が抑制されるように、分岐地点、合流地点および休憩地点の少なくとも1つを有するツーリング経路を探索することで、マスツーリングを更に確実に行うことができる。
【0107】
(第5の実施形態)
次に、排気量のばらつきを考慮したツーリング経路を探索する第5の実施形態について説明する。
【0108】
これまでは、走行能力情報のばらつきとして、運転技量情報のばらつきを考慮したツーリング経路を探索する例について説明した。これに対して、第5の実施形態では、走行能力情報のばらつきとして、車両性能情報の一例である排気量のばらつきを考慮したツーリング経路を探索する。
【0109】
図20は、第5の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、排気量に応じた経路と経路の難易度の指標との対応関係を示す図である。
図20には、一例として、排気量126〜250ccに応じた経路R1と、400〜750ccに応じた経路R2と、1000〜1200ccに応じた経路R3と、各経路R1〜R3のそれぞれに対応した難易度の指標とが示されている。
図20の指標では、排気量が大きいほど、勾配数およびカーブ数が多くなっている。排気量が大きい車両は、運転技量に長けた上級者が運転することが多いので、排気量が大きいほど勾配数およびカーブ数が多いことが、車両の運転者の運転技量に適している。なお、経路の難易度の指標は、
図20に示される例に限定されない。例えば、経路の難易度の指標は、走行距離を含んでもよい。この場合、排気量が大きいほど走行距離を長くしてもよい。排気量が大きいほど、車両が安定して疲れにくいため、長距離を走行することが可能となる。このため、排気量が大きいほど走行距離が長いことが、排気量に適している。
【0110】
経路探索部322は、
図20の指標に基づいて、例えば、以下のようにしてツーリング経路を探索することができる。
【0111】
図21は、第5の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、ツーリング参加者の排気量のばらつきを考慮したツーリング経路の算出例を説明するための説明図である。
【0112】
図21の例において、ツーリング参加者の車両は、1台の1200ccバイクと、1台の750ccバイクと、4台の250ccバイクとの合計6台である。経路探索部322は、ツーリング参加者の排気量の平均値に対応するツーリング経路を探索する。
【0113】
具体的には、先ず、経路探索部322は、所定レベルの車両性能の一例として、各ツーリング参加者の車両の排気量の平均値を算出する。
図21の例において、排気量の平均値は、491ccとなる。
【0114】
排気量の平均値を算出した後、経路探索部322は、
図20に示される経路の難易度の指標に基づいて、排気量の平均値491ccに対応する難易度を算出する。
図20の例において、491ccに対応する難易度は、400〜750ccに対応する難易度となる。そして、この難易度を経路探索条件に加味してツーリング経路を探索する。
【0115】
第5の実施形態によれば、ツーリング参加者の車両の排気量のばらつきを考慮した経路を提供することができる。これにより、小型車から大型車まで排気量が異なる複数のツーリング参加者で、共通のツーリング経路を走行するマスツーリングを行うことができる。
【0116】
なお、上述した各変形例は、これらを適宜組み合わせてもよい。例えば、運転技量に対応する経路の難易度の指標と、排気量に対応する経路の難易度の指標とを組み合わせてツーリング経路を探索してもよい。
【0117】
また、走行能力情報は、運転技量情報および車両性能情報の少なくとも一方に加えて、または運転技量情報および車両性能情報の少なくとも一方に替えて、車種情報を含んでもよい。車種情報は、例えば、バイクであればメーカー別やネイキッド、アメリカン、フルカウルなどのタイプである。排気量や運転技量が同等でも、例えば、フルカウルの方がネイキッドやアメリカンよりも空力特性に勝るなど、車種によって速度や運転し易さが異なることがある。車種情報のばらつきを考慮してツーリング経路を探索することで、車種が異なるツーリング参加者同士でのマスツーリングを計画することができる。
【0118】
また、運転技量が異なるツーリング参加者同士をペアにしたマスツーリングを計画する場合は、難易度が上級者寄りのツーリング経路を探索してもよい。例えば、ツーリングコンパのように、上級者が初級者をリードするために開催されるマスツーリングにおいては、上級者のリードが必要となるように上級者寄りのツーリング経路を探索することが開催趣旨に合っている。
【0119】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0120】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0121】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0122】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実施するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0123】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。