(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6923908
(24)【登録日】2021年8月3日
(45)【発行日】2021年8月25日
(54)【発明の名称】ロータリーマッサージの蓋洗浄装置および蓋洗浄システム
(51)【国際特許分類】
A23B 4/02 20060101AFI20210812BHJP
B08B 9/093 20060101ALI20210812BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20210812BHJP
【FI】
A23B4/02 E
B08B9/093
B08B3/02 Z
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-90333(P2017-90333)
(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公開番号】特開2018-186731(P2018-186731A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2020年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】391014011
【氏名又は名称】株式会社ヒガシモトキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 真哉
【審査官】
山村 周平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−097091(JP,A)
【文献】
特開2007−202483(JP,A)
【文献】
特公平08−022202(JP,B2)
【文献】
特開平02−261338(JP,A)
【文献】
特開平07−250611(JP,A)
【文献】
特開2000−102341(JP,A)
【文献】
特開平05−317814(JP,A)
【文献】
米国特許第04356206(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23B 4/00−4/32
B08B 3/00−3/14
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料肉が収容される回転タンクに被せられる蓋を洗浄するロータリーマッサージの蓋洗浄装置であって、
前記蓋が被せられる洗浄タンクと、
前記洗浄タンク内に設けられる洗浄管と、
前記蓋が前記洗浄タンクに被せられたとき前記蓋の内面に向くように前記洗浄管に設けられる洗浄ノズルと、
洗浄液を前記洗浄タンク内の前記洗浄管に導入して前記洗浄ノズルへ供給する供給手段と、を備え、
前記洗浄液が前記供給手段によって前記洗浄ノズルへ供給され、前記洗浄ノズルから、前記洗浄タンクに被せられた前記蓋の内面に噴射されることで、前記蓋の内面が前記洗浄液によって洗浄されることを特徴とする蓋洗浄装置。
【請求項2】
前記洗浄管は、
前記洗浄タンクに対して固定される固定管と、
前記洗浄タンクの上下方向の軸線の周りに旋回自在にかつ前記軸線の径方向に延びるように前記固定管に接続される旋回管と、を備え、
前記洗浄ノズルは、前記旋回管に取り付けられ、
旋回用ノズルが、前記旋回管を旋回させる方向とは反対の方向に向くように前記旋回管に取り付けられ、
前記洗浄液が前記旋回用ノズルから噴射されることで、前記旋回管および前記洗浄ノズルは一緒に旋回し、前記洗浄液は、旋回する前記洗浄ノズルから前記蓋の内面に噴射されることを特徴とする請求項1に記載の蓋洗浄装置。
【請求項3】
冷蔵室内に配置されたロータリーマッサージの蓋を洗浄する蓋洗浄システムであって、
前記蓋が被せられる洗浄タンクと、
前記洗浄タンク内に設けられる洗浄管と、
前記蓋が前記洗浄タンクに被せられたとき前記蓋の内面に向くように前記洗浄管に設けられる洗浄ノズルと、
前記冷蔵室の内外に渡って延びて前記冷蔵室内の前記洗浄タンクに接続される供給管路を有し、洗浄液を前記冷蔵室外から前記供給管路を通じて前記洗浄タンク内の前記洗浄管に導入して前記洗浄ノズルへ供給する供給手段と、
前記冷蔵室の内外に渡って延びて前記冷蔵室内の前記洗浄タンクに接続される排出管路を有し、前記洗浄液を前記洗浄タンクから吸引し、前記排出管路を通じて前記冷蔵室外へ排出する排出手段と、を備えることを特徴とする蓋洗浄システム。
【請求項4】
前記供給手段は、
前記冷蔵室外に配置され、前記供給管路に接続され、前記洗浄液が溜められる洗浄液槽と、
前記冷蔵室外に配置され、前記洗浄液を前記洗浄液槽から前記供給管路を通じて前記洗浄タンク内の前記洗浄管へ導入するための送りポンプと、を備えることを特徴とする請求項3に記載の蓋洗浄システム。
【請求項5】
前記供給管路は、
前記冷蔵室の内外に渡って配置される供給配管と、
前記冷蔵室内において前記供給配管および前記洗浄タンクに接続される供給ホースと、を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の蓋洗浄システム。
【請求項6】
前記排出手段は、
前記冷蔵室外に配置され、前記排出管路に接続される排液槽と、
前記冷蔵室外に配置され、前記洗浄液を、前記冷蔵室内の前記洗浄タンクから吸引し、前記排出管路を通じて前記排液槽へ導入するための真空ポンプと、を備えることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の蓋洗浄システム。
【請求項7】
前記排出管路は、
前記冷蔵室の内外に渡って配置される排出配管と、
前記冷蔵室内において前記排出配管および前記洗浄タンクに接続される排出ホースと、を備えることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の蓋洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料肉が収容される回転タンクに被せられる蓋を洗浄するロータリーマッサージの蓋洗浄装置および蓋洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリーマッサージは、様々なものが提案され、使用されている。例えば、特許文献1に開示されているものがそれである。
【0003】
特許文献1のロータリーマッサージでは、原料肉が回転タンク内に収容され、回転タンクが支持フレームに支持され、蓋が回転タンクに被せられる。次いで、回転タンクおよび支持フレームが傾倒され、回転タンクが支持フレーム上で回転する。これによって、原料肉が回転タンク内で攪拌され、揉まれる。例えば、ハムの加工工程では、ピックル液が原料肉に予め注入され、これがロータリーマッサージによって揉まれることで、高い塩漬効果が得られる。
【0004】
ところで、特許文献1のロータリーマッサージでは、蓋は支持フレームに取り付けられている。この蓋の内面を洗浄するとき、回転タンクは邪魔になるので、回転タンクを支持フレームおよび蓋から退避させ、それから洗浄液を蓋の内面に向けて噴射していた。この場合、洗浄液が蓋から床へ流れ落ち、床が塗れてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平02−261338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、床を洗浄液で濡らさずにロータリーマッサージの蓋を洗浄する蓋洗浄装置および蓋洗浄システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の蓋洗浄装置は、原料肉が収容される回転タンクに被せられる蓋を洗浄するものである。蓋洗浄装置は、蓋が被せられる洗浄タンクと、洗浄タンク内に設けられる洗浄管と、蓋が洗浄タンクに被せられたとき蓋の内面に向くように洗浄管に設けられる洗浄ノズルと、洗浄液を洗浄タンク内の洗浄管に導入して洗浄ノズルへ供給する供給手段と、を備える。洗浄液が、供給手段によって洗浄ノズルへ供給され、洗浄ノズルから、洗浄タンクに被せられた蓋の内面に噴射されることで、蓋の内面が洗浄液によって洗浄される。
【0008】
洗浄管は、洗浄タンクに対して固定される固定管と、洗浄タンクの上下方向の軸線の周りに旋回自在にかつ軸線の径方向に延びるように固定管に接続される旋回管とを備えてもよい。洗浄ノズルは、旋回管に取り付けられ
てもよい。旋回用ノズルが、旋回管を旋回させる方向とは反対の方向に向くように旋回管に取り付けられてもよい。洗浄液が旋回用ノズルから噴射されることで、旋回管および洗浄ノズルは一緒に旋回し、洗浄液は、旋回する洗浄ノズルから蓋の内面に噴射される。
【0010】
さらに、本発明の蓋洗浄システムは、冷蔵室内に配置されたロータリーマッサージの蓋を洗浄するものである。蓋洗浄システムは、蓋が被せられる洗浄タンクと、洗浄タンク内に設けられる洗浄管と、蓋が洗浄タンクに被せられたとき蓋の内面に向くように洗浄管に設けられる洗浄ノズルと、冷蔵室の内外に渡って延びて冷蔵室内の洗浄タンクに接続される供給管路を有し、洗浄液を冷蔵室外から供給管路を通じて洗浄タンク内の洗浄管に導入して洗浄ノズルへ供給する供給手段と、冷蔵室の内外に渡って延びて冷蔵室内の洗浄タンクに接続される排出管路を有し、洗浄液を洗浄タンクから吸引し、排出管路を通じて冷蔵室外へ排出する排出手段と、を備える。
【0011】
供給手段は、冷蔵室外に配置され、供給管路に接続され、洗浄液が溜められる洗浄液槽と、冷蔵室外に配置され、洗浄液を洗浄液槽から供給管路を通じて洗浄タンク内の洗浄管へ導入するための送りポンプと、を備えてもよい。
【0012】
供給管路は、冷蔵室の内外に渡って配置される供給配管と、冷蔵室内において供給配管および洗浄タンクに接続される供給ホースと、を備えてもよい。
【0013】
排出手段は、冷蔵室外に配置され、排出管路に接続される排液槽と、冷蔵室外に配置され、洗浄液を、冷蔵室内の洗浄タンクから吸引し、排出管路を通じて排液槽へ導入するための真空ポンプと、を備える。
【0014】
排出管路は、冷蔵室の内外に渡って配置される排出配管と、冷蔵室内において排出配管および洗浄タンクに接続される排出ホースと、を備えてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、蓋の内面を洗浄した後の洗浄液は、蓋の内面から洗浄タンク内に流れ落ちるので、床が洗浄液で濡れることはない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る蓋洗浄装置が備えられるロータリーマッサージの側面図である。
【
図2】蓋洗浄装置の組立てを説明する平面図である。
【
図3】蓋洗浄装置の供給手段を説明する平面図である。
【
図4】蓋が蓋洗浄装置によって洗浄される様子を示す断面図である。
【
図6】蓋洗浄システムを概略的に示す平面図である。
【
図7】
図6の洗浄システムの冷蔵室外の構成(A部分)を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[蓋洗浄装置]
以下、本発明の一実施例に係るロータリーマッサージの蓋洗浄装置が説明される。
ロータリーマッサージは、原料肉が収容される回転タンク1と、回転タンク1に被せられて回転タンク1の上部の開口を閉じる蓋2と、回転タンク1を支持し、傾倒し、回転させるための支持フレーム3とを備える。
【0018】
回転タンク1は、有底の円筒形状である。回転タンク1には車輪4が取り付けられており、原料肉を回転タンク1内に収容した後、回転タンク1を床に沿って搬送し、支持フレーム3の受け板5に載せて、支持することができる。
【0019】
蓋2は、その中心の軸線の周りに回転自在に支持フレーム3に取り付けられ、ハンドル6によって昇降される。蓋2をハンドル6によって下降させて回転タンク1に被せ、回転タンク1を密閉することができる。さらに、蓋2をハンドル6によって上昇させて回転タンク1から分離することができる。
【0020】
支持フレーム3は、複数のローラ7を有する。ローラ7は、ローラ駆動機構8によって回転する。回転タンク1が支持フレーム3に支持されたとき、ローラ7は回転タンク1の外周面と対向する。さらに、周知の傾倒機構9が設けられており、
図1の二点鎖線の通り、回転タンク1および支持フレーム3が傾倒機構9によって傾倒される。傾倒された回転タンク1は、支持フレーム3のローラ7に支持される。したがって、ローラ7がローラ駆動機構8によって回転すると、回転タンク1がその中心軸線の周りにローラ7によって回転する。これにより、原料肉が回転タンク1内で攪拌され、揉まれる。上記構成は、特許文献1に開示されたものと同じである。
【0021】
ロータリーマッサージには、蓋2を洗浄するための蓋洗浄装置を設置することができる。蓋洗浄装置の組立ては、以下の通りである。
図2の通り、蓋洗浄装置は、蓋2が被せられる洗浄タンク10を備える。洗浄タンク10は、有底の円筒形状である。洗浄タンク10には車輪11が取り付けられており、洗浄タンク10を床に沿って搬送することができる。パッキンが蓋2または洗浄タンク10の少なくともいずれか一方に設けられており、蓋2が洗浄タンク10に被せられて洗浄タンク10の上部の開口が閉じられるとき、蓋2と洗浄タンク10との間はパッキンによってシールされる。
【0022】
蓋洗浄装置は、洗浄タンク10内に取り付けられる洗浄管12と、洗浄管12に取り付けられる洗浄ノズル13とを備える。洗浄管12は、固定管14および旋回管15からなる。接続短管16が洗浄タンク10の壁に形成された貫通孔に挿通されており、固定管14はその一端で接続短管16に接続され、洗浄タンク10に対して固定される。旋回管15は、固定管14の他端において、スイベルジョイント17を介して固定管14に接続され、洗浄タンク10の上下方向の軸線Xの周りに旋回自在である。この軸線Xは、洗浄タンク10の中心軸線と一致している。旋回管15は、軸線Xの径方向に延びる。
【0023】
洗浄ノズル13は、複数設けられ、旋回管15の延設方向に適宜の間隔をあけて旋回管15に取り付けられており、旋回管15とともに軸線Xの周りに旋回する。洗浄ノズル13は、上方に向けられている。したがって、蓋2が洗浄タンク10に被せられたとき、洗浄ノズル13は蓋2の内面に向く。洗浄液は、洗浄ノズル13から扇状に噴射される。
【0024】
さらに、旋回用ノズル18が、旋回管15を旋回させる方向(以下、旋回方向C)と反対の方向に向くように旋回管15に取り付けられる。この実施例では、旋回管15は、軸線Xの直径方向に延びており、旋回用ノズル18は、旋回管15の両端に取り付けられる。洗浄液が旋回用ノズル18から噴射されると、その噴射の反力が旋回管15に旋回方向Cに作用し、これにより旋回管15および洗浄ノズル13が旋回方向Cに旋回するようになっている。
【0025】
図3の通り、蓋洗浄装置は、洗浄液を、洗浄タンク10外から、洗浄タンク10の壁を通じて、洗浄タンク10内の洗浄管12に導入して、洗浄ノズル13および旋回用ノズル18へ供給する供給手段19を備える。供給手段19の構成は、以下の通りである。洗浄液を圧送する送りポンプ20および洗浄液が溜められた洗浄液槽21が設けられ、ホース22がこれらに接続される。上述の通り、接続短管16が洗浄タンク10の壁の貫通孔に挿通されており、洗浄タンク10内では洗浄管12の固定管14に接続され、洗浄タンク10外では両路開閉型のカプラ23に接続される。そして、ホース24が送りポンプ20とカプラ23とに接続される。
【0026】
したがって、送りポンプ20が駆動されると、洗浄液は送りポンプ20によって洗浄液槽21からホース22、24、カプラ23および接続短管16を通って洗浄管12の固定管14に導入される。そして、洗浄液は、固定管14および旋回管15を通って洗浄ノズル13および旋回用ノズル18へ供給され、これらのノズルから噴射される。したがって、蓋2が洗浄タンク10に被せられて洗浄タンク10の開口が閉じられていても、洗浄液を洗浄タンク10内の洗浄ノズル13および旋回用ノズル18へ供給することができる。
【0027】
上記構成において、作業者は、回転タンク1(
図1)を支持フレーム3から退避させた後、
図3、
図4の通り、蓋洗浄装置を組み立て、ロータリーマッサージに設置する。このとき、作業者は、洗浄タンク10を支持フレーム3まで搬送し、受け板5に載せ、支持する。次いで、作業者は、蓋2をハンドル6によって下げて洗浄タンク10に被せ、洗浄タンク10の開口を蓋2で閉じる。そして、作業者は、上述の供給手段19の送りポンプ20を駆動する。すると、洗浄液が供給手段19によって洗浄管12を通じて洗浄ノズル13に供給され、洗浄ノズル13から蓋2の内面に向けて噴射される。これにより、蓋2の内面は洗浄液によって洗浄される。
【0028】
これと同時に、洗浄液は、旋回用ノズル18に供給され、旋回用ノズル18からも噴射され、これにより、旋回管15および洗浄ノズル13は、軸線Xの周りに旋回方向Cに旋回する。したがって、洗浄液は旋回する洗浄ノズル13から蓋2の内面へ噴射され、蓋2の内面はくまなく洗浄される。
【0029】
以上の本発明によれば、蓋2が洗浄タンク10に被せられた状態で蓋2の内面を洗浄液によって洗浄することができる。この洗浄液は、蓋2の内面から洗浄タンク10内に流れ落ち、洗浄タンク10内に溜められるので、床が洗浄液で濡れることはない。
【0030】
なお、
図5の通り、洗浄タンク10には排出孔が形成され、この排出孔を開閉するバルブ25が取り付けられているので、洗浄タンク10内に溜められた洗浄液を、排出孔を通じて適切な場所へ排出することができる。
【0031】
[蓋洗浄システム]
次に、本発明の一実施例に係る蓋洗浄システムについて説明される。上記の蓋洗浄装置と同一または類似の構成には同一の符号が付され、その説明が省略される。
【0032】
この蓋洗浄システムでは、複数の冷蔵室26が設けられており、各冷蔵室26内に、
図1と同様の構成の複数のロータリーマッサージが並べて配置されている。蓋洗浄システムは、このロータリーマッサージの蓋2を洗浄するものである。
【0033】
この蓋洗浄システムは、上記の蓋洗浄装置と同様に、洗浄タンク10、洗浄管12、洗浄ノズル13、旋回用ノズル18等を備えている(
図2〜
図5)。
【0034】
蓋洗浄システムは、洗浄液を、冷蔵室26外(
図6の左側)から、冷蔵室26内に設けられた洗浄タンク10内の洗浄管12に導入して、洗浄ノズル13および旋回用ノズル18に供給する供給手段19を備える。
【0035】
供給手段19は、冷蔵室26の内外に渡って延びて冷蔵室26内の洗浄タンク10に接続される供給管路27を備える。
図7は、
図6の蓋洗浄システムの冷蔵室26外の構成Aの詳細を示す側面図である。
図7の通り、供給手段19は、冷蔵室26外に配置され、供給管路27に接続され、洗浄液が溜められる洗浄液槽21と、冷蔵室26外に配置され、洗浄液を、圧送して、洗浄液槽21から供給管路27を通じて洗浄タンク10内の洗浄管12へ導入する送りポンプ20と、を備える。また、供給手段19は、洗浄液槽21に接続された蒸気管28を備えており、この蒸気管28を通じて、蒸気を洗浄液槽21に供給し、洗浄液槽21内の洗浄液を加熱することができる。
【0036】
なお、
図6、
図7の通り、供給管路27は、冷蔵室26の内外に渡って配置され、洗浄液槽21に接続される供給配管29と、冷蔵室26内において供給配管29および洗浄タンク10に接続される供給ホース30(
図6)とを備える。供給ホース30は、具体的には、洗浄タンク10のカプラ23(
図2等)に接続される。
【0037】
さら、蓋洗浄システムは、洗浄液を、冷蔵室26内の洗浄タンク10から吸引し、冷蔵室26外へ排出する排出手段31を備える。排出手段31は、冷蔵室26の内外に渡って延びて、冷蔵室26内の洗浄タンク10に接続される排出管路32を備える。さらに、
図7の通り、排出手段31は、冷蔵室26外に配置され、排出管路32に接続される排液槽33と、冷蔵室26外に配置され、洗浄液を、冷蔵室26内の洗浄タンク10から吸引し、排出管路32を通じて、排液槽33へ導入するための真空ポンプ34と、を備える。
【0038】
なお、
図6、
図7の通り、排出管路32は、冷蔵室26の内外に渡って配置されて、排液槽33に接続される排出配管35と、冷蔵室26内において排出配管35および洗浄タンク10に接続される排出ホース36(
図6)とを備える。排出ホース36は、具体的には、洗浄タンク10の排出口に設けられたバルブ25(
図5)に接続される。
【0039】
上記構成において、作業者は、冷蔵室26内において、洗浄タンク10をロータリーマッサージまで搬送し、蓋2をハンドル6によって洗浄タンク10に被せる。また、作業者は、供給ホース30を洗浄タンク10と供給配管29とに接続するとともに、排出ホース36を洗浄タンク10と排出配管35とに接続する。それから、作業者は、冷蔵室26外に出て、運転ボタン(図示されない)を押して、送りポンプ20、真空ポンプ34等を駆動させる。
【0040】
洗浄液は、蒸気管28から供給される蒸気により約70度に加熱される。そして、加熱された洗浄液は、送りポンプ20によって、洗浄液槽21から、供給管路27を通って冷蔵室26内の洗浄タンク10に導入され、洗浄タンク10内の洗浄管12に導入される。そして、洗浄液は、洗浄管12(固定管14および旋回管15)を通って、洗浄ノズル13および旋回用ノズル18へ供給され、これらのノズルから噴射される。これによって、前述と同様に蓋2の内面が洗浄液によって洗浄される。そして、使用済みの洗浄液は、洗浄タンク10内に流れ落ちる。
【0041】
これと同時に、洗浄液は、真空ポンプ34によって、洗浄タンク10から吸引され、排出管路32を通って、冷蔵室26外の排液槽33に導入され溜められる。こうして、使用済みの洗浄液は、排液として、直ちに洗浄タンク10から排液槽33へ排出される。蓋2の洗浄後、排液槽33に溜められた排液は、図示されない排液配管を通じて自動的に排出される。
【0042】
以上にようにして、蓋洗浄システムは、各冷蔵室26に設けられたロータリーマッサージの蓋2を洗浄することができる。
【0043】
以上の洗浄システムによれば、上述の通り、冷蔵室26内において蓋2を洗浄液で洗浄するとき、洗浄液およびその湯気は冷蔵室26内に漏れ出ることなく洗浄タンク10に対して給排される。従って、冷蔵室26の床が洗浄液で濡れる、または洗浄液の湯気が冷蔵室26の天井に付着するといったことはなく、洗浄液で冷蔵室26内の環境が悪化することが防止される。
【0044】
洗浄タンク10内の使用済みの洗浄液は、直ちに冷蔵室26外の排液槽33へ排出されるので、冷蔵室26内が洗浄液によって温められることが抑制され、省エネを図ることができる。
【0045】
洗浄タンク10内の使用済みの洗浄液は、吸引され、冷蔵室26外の排液槽33へ排出されるので、洗浄タンク10に溜まった洗浄液を一回一回排水場へ持っていく必要がなくなり、作業効率はかなり向上する。
【0046】
洗浄液が自動的に加熱されて洗浄タンク10へ供給されるようになっており、加熱された洗浄液を洗浄液槽21に溜めておく必要はなくなり、作業時間の短縮になる。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0048】
1 回転タンク
2 蓋
10 洗浄タンク
12 洗浄管
13 洗浄ノズル
14 固定管
15 旋回管
18 旋回用ノズル
19 供給手段
20 送りポンプ
21 洗浄液槽
26 冷蔵室
27 供給管路
29 供給配管
30 供給ホース
31 排出手段
32 排出管路
33 排液槽
34 真空ポンプ
35 排出配管
36 排出ホース
C 旋回方向
X 軸線