(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる券売機(販売機、商品販売データ処理装置)1の斜視図である。この券売機1は、例えば飲食店において客が商品(調理メニュー)に対応する食券を購入するために設置されるものである。
【0017】
同図に示すように、券売機1の正面上部には入力用のキー操作部となるタッチパネル11が設置されている。タッチパネル11には客が商品購入をはじめとする所定の操作を行うための画面が表示される。客はタッチパネル11に表示されている商品の絵やボタン等の画面を指でタッチ(押下)することで、所望の商品の食券を購入することができる。即ち、タッチパネル11は、表示手段であると同時に入力手段であり、また発券する商品を選択する選択手段でもある。
【0018】
券売機1の正面のタッチパネル11の側部(向かって左側の辺に沿う位置)には、発行手段(印刷装置、排出手段)30が設置されており、その正面下部には、下記する紙片(媒体、以下「食券」という)を発行する発行口31が設けられている。
【0019】
またタッチパネル11の下部(下側の辺に沿う位置、またはその近傍位置)には、紙幣投入口13、紙幣排出口15、硬貨投入口17、硬貨排出口19、電子マネー処理部21、お釣り返却レバー23等が設けられている。
【0020】
紙幣投入口13は入金に際して紙幣が投入され、紙幣排出口15からはお釣りや返金等の払い出し金の内の紙幣が排出される。硬貨投入口17は入金に際して硬貨が投入され、硬貨排出口19からは払い出し金の内の硬貨が排出される。お釣り返却レバー23はお釣り(硬貨及び紙幣)の返却を指示するために操作されるレバーである。
【0021】
図2は券売機1のシステム構成の一例を示す図である。同図に示す券売機1のシステム構成は、CPU41、フラッシュメモリ43、RAM45、タッチパネル11、操作キー部47、通信部49、発行手段30、電子マネー処理部21、紙幣処理部55、硬貨処理部59を備えている。フラッシュメモリ43とRAM45を合わせて記憶手段という。
【0022】
CPU41は券売機1の処理動作全体を制御する制御手段である。フラッシュメモリ43には、CPU41が実行するプログラムの他、CPU41が演算処理に際して利用する各種の設定データ等が記憶される。RAM45は、CPU41が演算処理を実行する際の作業領域として用いられる。またRAM45においては1回の入金に応じた入金金額、現在の残高などのデータを記憶する一時記憶エリアが設定される。RAM45には、商品ファイルや、商品を表示する画面データや、商品の販売データや、集計データ等が記憶されている。
図3はRAM45に記憶される商品ファイルの一例を示す図である。同図に示すように、商品ファイルは、各商品の商品コード(商品識別情報)、商品名、価格、商品名の英語表記、中国語表記、韓国語表記、などの各種商品関連情報からなっている。
【0023】
タッチパネル11はCPU41の制御によって、前記記憶手段に記憶された所定の画面を表示する表示手段である。またCPU41はタッチパネル11に対して行われた操作に応じて出力される操作信号に基づき所定の制御処理を実行する。このタッチパネル11は、発券する商品を選択操作する選択手段(操作手段)でもある。操作キー部47は上記タッチパネル11と同様に入力用のキー操作部であり、
図1との対応ではお釣り返却レバー23に該当する。CPU41は操作キー部47(お釣り返却レバー23)に対して行われた操作に応じて、お釣りの返却を実行する。通信部49は外部との通信を実行する送信手段(または送受信手段)であり、例えばネットワークまたは専用回線を経由して外部装置と通信を行う機能を有する。有線、無線を問わない。通信手段49は、通信によって外部のクラウドコンピュータや外部記憶媒体等に対して商品の販売データ等を出力する出力手段でもある。
【0024】
発行手段30はタッチパネル11で選択された商品の食券の発行を制御し、選択された商品についての必要な情報を食券の用紙に印刷し、印刷した食券を発行口31に排出する機構部を備えて構成されている。即ち、発行手段30は、食券(媒体)を排出する排出手段である。この発行手段30によって発行される食券は、用紙幅方向にパーシャルカット(真中だけ残してその両サイドをカット)して発行される形態となっており、これによって発券された食券の受け皿を不要としている。
【0025】
電子マネー処理部21は電子マネーに関する処理全般を行う。具体的には、電子マネー処理部21は、金銭価値を電子化(電子マネー)して収納した記憶媒体(磁気カードやICカードなど、この例の場合は非接触型ICカード)を、決済端末である前記電子マネー処理部21に接近、接触等することで、代金決済を行う。即ち、電子マネー処理部21は、電子マネー(決済媒体)で決済を行う媒体決済手段である。
【0026】
紙幣処理部55は紙幣に関する処理全般を行う。具体的には、紙幣処理部55は紙幣の鑑定処理として、紙幣投入口13から投入された紙幣の種別を判定する。また紙幣処理部55は紙幣投入口13から投入された紙幣の金種毎に枚数をカウントする。また紙幣処理部55は釣銭の返却の際に、券売機1内部の紙幣収納庫に格納されている紙幣の内から必要な金種の紙幣を選別して必要枚数を紙幣排出口15に排出させる。
【0027】
硬貨処理部59は硬貨に関する処理全般を行う。具体的には、硬貨処理部59は紙幣処理部55と同様、硬貨の鑑定処理、硬貨の金種毎の枚数カウント、券売機1の内部に収納された硬貨の内から必要な金種の硬貨を選別して硬貨排出口19から排出する等の動作を実行する。
【0028】
図5は、券売機1が実行する発券処理の一例を示す動作フロー図である。この図に示される処理は、CPU41がフラッシュメモリ43に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。
【0029】
例えば、現在、券売機1のタッチパネル11に、日本語で表示することが設定(選択)されている場合は、商品選択の初期画面として、例えば
図4に示すようなメニュー画面G1を表示する(ステップST1)。同図に示すようにメニュー画面G1には、商品表示選択ボタンG11、ガイダンス表示欄G12、預かり金額表示欄G13、商品合計表示欄G14、領収証発券ボタンG15、やりなおしボタンG16、発券ボタンG17の他に、画面の上部に、表示言語選択ボタンG18(G18−1〜4)が表示されている。商品表示選択ボタンG11は、商品の絵と商品名と商品の金額(商品によっては商品名と商品の金額)とが表示されており、またこの商品表示選択ボタンG11を押下することで、その商品を選択することができるボタンとなっている。ガイダンス表示欄G12は、選択した商品名、個数、価格などを表示するものである。預かり金額表示欄G13は、客が投入した合計金額を表示するものである。商品合計表示欄G14は、選択した商品の合計金額を表示するものである。領収証発券ボタンG15は、これを押下(タッチ、以下同様)することで領収書を発行するボタンである。やりなおしボタンG15は選択した商品の変更、取り消しなどの際に押下するものである。発券ボタンG17は全ての商品の選択が終了してそれらの料金を精算、発券する際に押下するものである。また、図示はしていないが、メニュー画面G1が複数枚ある場合は、メニュー画面G1中に、画面変更ボタンを設ければよく、この画面変更ボタンを押下することで、画面を切り替える。さらに、メニュー画面G1には、上記以外の各種表示を行うこともでき、例えば、テイクアウトとイートインの指定や商品の数量指定等のための各種ボタン類や、広告、販促情報等を表示しても良い。
【0030】
次に、前記表示言語選択ボタンG18が押下されたか否かを判断し(ステップST2)、押下された場合は、押下された言語のメニュー画面G1を表示する(ステップST2→ST1)。
図6〜
図9は、各言語で表示されたメニュー画面G1の上部の一部を示す図であり、表示言語選択ボタンG18−1が押下された場合(または何れの表示言語選択ボタンG18も押下されない場合)は、
図6に示すように、商品表示選択ボタンG11の商品名には日本語が表示され、同時に図示はしないが、ガイダンス表示欄G12、預かり金額表示欄G13、商品合計表示欄G14、領収証発券ボタンG15、やりなおしボタンG16、発券ボタンG17も日本語が表示される。次に、表示言語選択ボタンG18−2が押下された場合は、
図7に示すように、商品表示選択ボタンG11の商品名には英語が表示され、同時に図示はしないが、ガイダンス表示欄G12、預かり金額表示欄G13、商品合計表示欄G14、領収証発券ボタンG15、やりなおしボタンG16、発券ボタンG17も英語が表示される。同様に、表示言語選択ボタンG18−3又は4が押下された場合は、
図8又は
図9に示すように、商品表示選択ボタンG11の商品名には中国語又は韓国語が表示され、同時に図示はしないが、ガイダンス表示欄G12、預かり金額表示欄G13、商品合計表示欄G14、領収証発券ボタンG15、やりなおしボタンG16、発券ボタンG17も中国語又は韓国語が表示される。
【0031】
上記メニュー画面G1の表示例では、通常表示状態として日本語を表示するように構成しているが、例えば、日本語圏以外の客が券売機1を利用するような場合に、表示言語選択ボタンG18を容易に認識して言語切替を促すように構成することもできる。例えば、人感センサー等で人を検知した際に、表示言語選択ボタンG18の態様を変えるように構成しても良い。即ち、例えば表示言語選択ボタンG18の、色を変える/大きさを変える/点滅する/伸縮する/等である。その際、撮像手段や音声認識手段等を用いることにより、日本人と判断した場合は、表示言語選択ボタンG18の案内をしなくても良いし、さらには表示言語選択ボタンG18を表示しなくても良い。また、客が表示言語選択ボタンG18を一度タッチしたら、表示言語選択ボタンG18、即ち言語選択領域を拡大し、表示言語選択ボタンG18を押下し易くするように構成しても良い。また、上記券売機1にスピーカ(音声報知手段)を設置(内蔵)し、言語切替ができることを、表示言語選択ボタンG18の表示と共に、音声により案内するように構成しても良い。
【0032】
以上のようにして所定の言語で表示されたメニュー画面G1において、客は、カテゴリ・分類等からページを選択し、商品を注文していく。具体的には、「定食」、「単品」、「サイドオーダー」、「飲料」、「おすすめ」、「期間限定」等の画面から注文する商品を選択していく。商品注文後にオプション、具体的には、「ごはん大盛」、「ごはん少な目」、「白米」、「十穀米」等を選択できるように構成しても良い。
【0033】
即ち、上記動作フローにおいて、前記メニュー画面G1で商品が選択されたか否かを判断し(ステップST3)、選択された場合、即ちメニュー画面G1中の何れかの商品がタッチされた場合は、前記ガイダンス表示部G12に、選択した商品名や個数や価格が表示される(ステップST4)。このときガイダンス表示部G12に表示する商品名等の文字も、上記で選択した言語で表示する。
【0034】
上記ステップST3,ST4によって、1又は複数の商品が選択された後、発券ボタンG17が押下されると(ステップST5)、タッチパネル11には
図10に示すような入金画面G2が表示される(ステップST6)。同図に示すように入金画面G2には、商品合計金額と預かり金額とおつりを表示する会計情報G21の他に、硬貨による入金のための硬貨投入口17のある方向を示す文言と指標からなる位置情報G23と、電子マネーによる入金のための電子マネー処理部21のある方向を示す文言と指標からなる位置情報G25と、紙幣による入金のための紙幣投入口13のある方向を示す文言と指標からなる位置情報G27と、入金を促す文言からなる報知情報G29とが表示されている。もちろん、前記選択している言語が外国語の場合は、その言語で表示される。
【0035】
そして、紙幣投入口13から紙幣が投入されたり、硬貨投入口17から硬貨が投入されたり、電子マネーが支払われたりすることで、精算処理が行われると(ステップST7)、ステップST8に移行して、食券が発行口31から発行される。同時に、お釣りが必要な場合は、紙幣排出口15や硬貨排出口19からお釣りを排出する(ステップST9)。そして、タッチパネル11に、例えば
図11に示すような食券・貨幣取出し画面G3を表示する(ステップST10)。同図に示すように食券・貨幣取出し画面G3には、商品合計金額と預かり金額とおつりを表示する会計情報G31の他に、発行口31のある方向を示す位置情報G33と、硬貨による出金(お釣り)のための硬貨排出口19のある方向を示す位置情報G35と、紙幣による出金(お釣り)のための紙幣排出口15のある方向を示す位置情報G37と、お釣りと食券の受け取りを促す文言からなる報知情報G39とが表示されている。もちろん、前記選択している言語が外国語の場合は、その言語で表示される。
【0036】
CPU41は、前記精算及び食券発行処理の際に、精算した商品等の販売データを、販売した際の言語識別情報(この例の場合はページ番号であり、画面識別情報である)と共に、相互に関連付けて、RAM45に記憶・更新する(ステップST11)。同時に、商品の注文情報は、通信部49を介して厨房にあるキッチンプリンタ又はキッチンモニタ等に送信され(ステップST12)、調理指示を行う。一方、客は、受け取った食券をテーブルにおいて店員等に渡す。注文した商品が厨房で調理されたら、店員は客のテーブルにその商品を配膳する。
【0037】
図12は、前記ステップST11においてRAM45に記憶される販売データファイルの一例を示す図である。同図に示すように、販売データファイルは、販売日時、商品コード及び商品名、販売個数、販売金額、等の各種販売関連情報からなっており、且つ、販売された商品の販売時の画面のページ番号も合わせて関連付けてファイルしている。
【0038】
ここでページ番号は、各画面毎のページ番号であり、この例では、1〜10ページが日本語の画面用に、11〜20ページが英語の画面用に、21〜30ページが中国語の画面用に、31〜40ページが韓国語の画面用に、割り振られている。例えば、ページ番号1は、「ラーメン主体」の画面、ページ番号2は、「定食主体」の画面、ページ番号3は、「サイドメニュー主体」の画面、ページ番号4は、「飲料主体」の画面、等としており、何れの画面も日本語が表示されている。同様に、ページ番号11は、「ラーメン主体」の画面、ページ番号12は、「定食主体」の画面、ページ番号13は、「サイドメニュー主体」の画面、ページ番号14は、「飲料主体」の画面、等としており、何れの画面も英語が表示されている。中国語の画面や韓国語の画面も同様である。但し、日本語の各画面の構成と、英語の各画面の構成と、中国語の各画面の構成と、韓国語の各画面の構成は、それぞれの実情に応じて、異なる画面構成としても良い。例えば「ラーメン主体」の画面中の各商品の配置や大きさは、言語に応じて異なる配置や大きさになるようにしても良い。また例えば、英語に関しては、ページ番号を入れ替えて、ページ番号11を「定食主体」の画面にし、ページ番号12を「ラーメン主体」の画面にする等しても良い。要は、客の言語圏に合わせた画面構成、画面順序にすればよい。
さらに、前日まで、もしくは指定期間、季節別に時間帯別の商品・画面(言語)別販売実績を集計することで、当日営業時間内で時間帯別にトップ画面(商品選択の初期画面)に表示する画面(言語)を自動で選択して切替することもできる。このように、関連付けた商品の販売データと言語識別情報に応じて、表示手段(タッチパネル11)で表示する商品選択の初期画面を切換えるCPU41及びプログラム等を、画面切換え手段という。ここで商品選択の初期画面とは、商品選択のために表示手段(タッチパネル11)に最初に表示する画面(各言語別に最初に表示する画面を含む)をいう。
【0039】
以上のようにして収集・記憶された販売データファイルは、例えば、券売機1のタッチパネル11に表示された図示しない集計操作ボタンを操作することで、所望の集計データとすることができる。
図14は、集計データの作成処理の一例を示す動作フロー図である。同図において、まず前記図示しない集計操作ボタンを操作することで、集計条件を入力する(ステップST2−1)。この例では、集計条件として、商品毎で言語別の販売数量と販売金額を、所定の販売時期に区切って集計することを条件としている。
【0040】
次に、CPU41は、前記集計条件に基づいて集計演算を行う(ステップST2−2)。このとき、前記販売データファイルには、販売した商品とページ番号とが、関連付けて記憶されているので、ページ番号から、その商品を購入した画面が、どの言語の画面であるかを容易に判断することができる。即ち、ページ番号は、画面を識別する画面識別情報であり、言語識別情報である。そして、ステップST2−2において集計した結果のデータを、券売機1のタッチパネル11に出力して表示する。タッチパネル11に表示する代わりに(または表示すると共に)、集計した結果のデータを、前記発行手段30によって印刷して発行しても良い。さらに、前記集計した結果のデータを、通信部49を介して、外部の管理装置やクラウドコンピュータ等に出力し、記憶して利用するように構成しても良い。即ち、タッチパネル11と発行手段30と通信部49は、何れも、商品の販売データと画面識別情報(ページ番号、言語識別情報)を出力する出力手段を構成している。
そして上記商品の販売データと画面識別情報からは、どの商品がどの画面で良く売れたか、売上が思うように伸びないか等を確認することができる。
また、注文画面に設定した画面の座標情報や、領域情報(例えば、上段、中段、下段)や画像サイズ(例えば基本サイズの倍角、4倍角等)による販売実績の分析も可能である。
また、商品からどの画面での販売実績が多いか、画面毎の商品販売実績等、多角的な集計・分析ができる。
【0041】
図13は、前記ステップST2−2で集計された集計結果を、タッチパネル11に表示した際の表示例を示す図である。同図に示すように、この集計結果には、販売された商品毎であって、且つ各言語毎(即ち、言語別に分類されたページ番号毎)に、当日の販売個数と金額、過去一週間の販売個数と金額、過去一か月の販売個数と金額等を表示している。これによって、何れの言語を使って、何れの商品がどれくらい販売できたのかを、期間別に、容易に認識することができる。例えば、中国語圏の客は、「とんこつラーメン」よりも「とんかつラーメン」の方を、より多く購入する結果が出た場合、ページ番号21に表示する画面(商品選択の初期画面)において、最初の位置に表示する商品を、「とんこつラーメン」に代えて「とんかつラーメン」を表示したり、「とんかつラーメン」の表示を他の商品の表示よりも大きく表示したりする。また例えば、韓国語の画面においては、「定食主体」の画面の方が、「ラーメン主体」の画面よりも、より多く購入する結果が出た場合、ページ番号31とページ番号32の画面を入れ替え、表示言語選択ボタンG18−4が押下された際に最初に表示される画面(商品選択の初期画面)を「定食主体」の画面となるようにしてもよい。また、言語圏によって売れ行きの悪い商品については、これをその言語の画面から削除し、別の商品を表示すること等もできる。また、言語圏別の来店客数を把握できるので、来店数の多い言語圏向けの品ぞろえや味付けなどを検討することができ、また店内にそれに応じた装飾・案内手段等を備えることもできる。さらに、言語ボタンの押下数や言語別の注文数量や販売実績に応じて、一番高い数値の言語をトップページに表示しても良い。自国言語をトップページに表示しないといけない制限はない。また、自店舗周辺の観光客の言語圏の占める割合と、自店舗での売り上げ商品における言語圏の占める割合とが異なるような場合等に、その原因分析と売上向上のための施策を行うことも可能になる。具体的には、自店舗周辺に多く集まる言語圏の観光客へ向けた商品を追加することや、注文画面の構成、表示順を工夫することができ、売上アップに役立つ。
【0042】
以上のように、上記券売機1においては、画面別に販売データを集計することができるので、画面別(上記例では言語圏別)に商品の販売状況(販売数量や販売金額等)を把握することができ、画面別(言語圏別)の商品販売戦略等を行うことができる。
【0043】
ところで、上記券売機1と、厨房への調理指示を行うキッチンモニタやキッチンプリンタを備える注文データ処理システムにおいて、原材料の管理と食材展開表等により、商品と、この商品に使用される原材料(食品や備品等)をツリー状に管理しておけば、そのツリー情報を利用して各商品の構成品を把握することができる。
【0044】
図15は、ツリー状の食材展開表を簡易的に示す図である。同図において、例えば商品「詰め合わせ(松)」の場合は、商品と調理品と材料がツリー状に表示してあり、具体的には、調理品が「しゃり1;100g」で、材料が「ササニシキ;25g、流通米;15g、酢;10g、水;50cc、塩鮭;100g、包材1;1個」であることを表示している。このような食材展開表の登録管理を行っておけば、各々の商品の販売数量に、調理品や材料の所要量を掛け算することで、実際の調理品や材料の消費量を容易に把握することができ、実際の各調理品や材料と比較することで、何れの調理品や材料にロスが生じているかを明確に把握することができる。
【0045】
前記食材展開表に登録の際に、歩留まり率等を設定して計算しても良い。また、材料規格重量に対して歩留まり管理を行っても良い。仮に正確に調理品や材料の管理が出来なくても、逆の発想から、残りの調理品や材料、消費期限の迫っている調理品や材料が多く残っていれば、その調理品や材料を使用している商品を抽出して、おすすめ画面(トップページ)やタイムセール等の画面に表示を行い、それらの調理品や材料をより多く使用できるように、客の注文を誘導しても良い。
【0046】
その時、過去の販売実績や曜日・時間帯等の傾向から自動的に、消費期限切れが迫っている調理品や材料を使用する商品を自動選択しても良いし、リストアップしても良い。リストアップの条件は、販売数量順や売上金額順等でもよい。直近1か月、前週、前日等を集計の条件にすれば、店員が手動選択する場合も、その選択を支援する効果がある。さらに、該当する消費期限間近の調理品や材料の使用可能日数により、例えば、当日が金曜日であれば、以後2日の土曜日、日曜日の過去の販売実績からリストアップしても良い。さらに、食材展開表から、他の商品と共有する調理品や材料がある場合は、売上高の大きい定番商品や人気メニュー等の他の商品の食材在庫に影響しないように選択するようにしても良い。以上のように構成することで、販売機会・売上金額をロスせずに、調理品や材料の廃棄ロスを回避することも可能である。もちろん、調理品や材料の発注点管理等に利用しても良い。このしくみは、クラウドサービスでも提供できる。
【0047】
上記食材展開表等を用いた調理品や材料の消費量の把握や、ロスの把握や、消費期限の迫っている調理品や材料の把握や、それら調理品や材料を使用した商品への客の誘導等は、画面識別情報であるページ番号を用いることで、言語別に行うことができる。具体的には、当日の観光客の傾向が、中国からのツアー客が多いとか、韓国からのツアー客が多いとか等、言語別の分析を加えることで、その言語圏からの注文が多く、且つ消費期限切れが迫っている調理品や材料を使用する商品の販売を促進するように、この商品を、おすすめページに表示したり、商品画像サイズを大きくしたり、商品表示位置を人間工学の面からボタンを押し易い、又は、客層等からボタン押下に適した位置(高さ)等に変更したりするとき等に活用できる。また調理品や材料の使用状態等からメニュー構成を検討するような場合にも、言語別(ページ別)の売上分析等を参考にしても良い。
【0048】
さらに本発明は、以下のように構成することもできる。
例えば、撮像手段や音声認識手段等によって客の言語圏を判定し、その言語が選択し易い位置になるように、表示言語選択ボタンG18を配列して表示するように構成しても良い。例えば、撮像手段によって、アジア系の客が撮像されたら、「中国語」と「韓国語」の表示言語選択ボタンG18の表示領域を少し大きめに表示し、日本語の画面がそのまま使用されて商品が選択されたら、前記大きめに表示した表示領域を元のサイズに戻す。これにより、言語選択をより容易に行えるようにすることができる。また表示言語選択ボタンG18の代わりに、または表示言語選択ボタンG18と共に、音声認識手段によって、客が発声する言語によって、その言語圏の画面に自動的に変更するように構成しても良い。
【0049】
また、表示言語選択ボタンG18の代わりに、または表示言語選択ボタンG18と共に、「貨幣切替ボタン」を設け、「米ドル」、「香港ドル」、「台湾ドル」、「人民元」、「ウォン」等を切替えられるように表示しても良い。この場合、貨幣の種類に応じた言語を紐付けしておき、円とレート換算した金額を円と併せて表示(併記)するのが好適である。これによって、価格感も客に分かり易くなり、券売機1をより使用し易くなる。さらに、券売機1に、外貨を判定できる釣銭釣札機を内蔵している場合は、直接外貨で販売することも可能となる。さらに、表示言語選択ボタンG18を押下する前に、釣銭釣札機が外貨を認識したら、画面の言語切替を自動的に行うように構成しても良い。
【0050】
その他の例として、集計は、前記ページ単位であれば、言語別又は外貨別の何れで行っても良い。また、表示言語選択ボタンG18や「貨幣切替ボタン」等による言語切替や貨幣切替の際に、切替後の言語でスピーカーから挨拶させるように構成してもよい。同様に、商品表示選択ボタンG11を押下した際に、その商品名をその画面の言語で音声案内するように構成しても良い。またその画面の言語で券売機1の操作説明や商品の取り消しなどのアナウンスを行うように構成しても良い。また客に、食事制限条件、例えば牛肉禁止、豚肉禁止、農薬禁止、所定のアレルギー原材料禁止、食べ過ぎ禁止、ダイエット中、等がある場合は、これを指定するボタンを設け、この食事制限ボタンを押下することで、所定の商品表示選択ボタンG11等を押下できなくしたり、押下したら警告を行う等したりするように構成しても良い。食べ過ぎ禁止やダイエット中の場合は、例えば、サイドメニューの大盛販売用のボタンを押下できなくしたり、小盛用のボタンのみを押下できるようにしたり、カロリーが所定の閾値以上の商品の商品表示選択ボタンG11を押下できなくしたりすればよい。また、上記券売機1では、ページを言語別に連番で指定する構成としているが、ページを横断的に(飛び番号で)指定して集計するように構成しても良い。例えば、おすすめページの販売数と言語区分を横断的に集計したい場合等は、連番でなく、飛び番号で複数のページ範囲を指定する。
【0051】
次に、券売機1の画面設定方法の一例を説明する。券売機1のタッチパネル11に表示される画面は、券売機1の画面から、又はクラウドサービスなどの他の外部の装置から設定できる。設定された画面は、記憶手段(RAM45等)に記憶する。
【0052】
まず、券売機1の画面設定メニューを選ぶ。画面設定では、メニューグループを設定する。このメニューグループは、季節等で、券売機1の画面設定を大幅に変更する際に使用したり、メニュー大幅切替時に事前設定したりするために、複数のグループが設定できるようになっている。メニューグループは、追加、変更、削除等の操作が行え、他のメニューグループをコピーすること等ができる。不要になったメニューグループは削除する。
【0053】
次に、各メニューグループのページを設定する。メニューグループ同様に、追加、変更、削除ができる。ここでは、ページ番号、作成方法(既存のページのコピー、テンプレート、新規作成)、ページ名称、背景画像等の設定ができる。
【0054】
次に、画像を設定する。画像を挿入する場合は、座標を指定しても良いし、マウス操作で位置とサイズを変更しても良い。画像を指定して詳細を選択すると、機能割当の画面になる。例えば、発券キー(発券ボタンG17)の場合は、「ページ切替」になり、キー押下時の再生音声等を設定できる。また、画像は既に登録されている画像から選択することもできるし、新規に挿入することもできる。機能が商品ボタン(商品表示選択ボタンG11)であれば、設定商品を商品マスタ(商品ファイル)から設定する。また、領域指定をしてボタン名称を入力することもできる。各ボタンの機能や画面遷移等簡単に設定できる。なお、画像に操作内容をプログラムしておいても良い。1つの商品を複数の画面(例えば定食メニューの画面と健康メニューの画面)に記憶(登録)しておけば、1つの商品に対して多様な商品の表示を実現することができる。
【0055】
画面が完成すると、初期画面を日本語注文ページにして、画面遷移機能を利用して、言語ボタン(表示言語選択ボタンG18)を押下すると、指定されたページに遷移し、商品ボタン(商品表示選択ボタンG11)は商品を選択し、紙幣・貨幣を入金されると、発券キー(発券ボタンG17)が有効になり、領収書が必要な場合は、領収書ボタン(領収証発券ボタンG15)で領収書を発行、領収証ボタン(領収証発券ボタンG15)の押下が無ければ、レシートを発行する等、操作フローに応じた画面設定が可能となる。
【0056】
また画面と同様に、食券レイアウトも、コピー・テンプレート等を利用して設定することができる。画面表示用の商品名と食券に印字する商品名を個別に設定することもできる。
また、客が日本語以外を選択した場合に、商品名を日本語と選択した外国語を併記できる食券レイアウトとすること等も可能である。これによって、例えば、
図16に示すように、日本語(自国言語)と外国語(他国言語)とを併記した食券60とすることができる。
さらに、画面切替スケジュール設定にて、時間帯や曜日等、自動的にメニューグループを切り替えることができる。またページ番号を複数指定して、ページ別時間帯別売上実績、ページ別分類別売上実績、ページ別商品別売上実績等を一覧表で画面表示したり、プリントアウトしたりすることができる。
【0057】
また、上記実施形態に係る券売機1で実行されるプログラムは、フラッシュメモリ43等に予め組み込まれて提供されるものとしているが、これに限られず、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
【0058】
また、上記実施形態の券売機1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施形態の券売機1で実行されるプログラムを、ネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
【0059】
以上説明したように、券売機(商品販売データ処理装置)1は、客が所望する商品の代金決済に基づき発行手段(排出手段)30より食券(媒体)を排出するものであり、商品を表示するメニュー画面G1等の画面を記憶するフラッシュメモリ43等の記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記画面を表示するタッチパネル(表示手段)11と、前記画面で商品を選択する選択手段(ステップST3,4を実行するCPU41等)とを備えており、前記記憶手段は、前記選択手段にて選択された商品の販売データを、ページ番号(言語識別情報、画面識別情報)と関連付けて記憶する(ステップST11を実行するCPU41等)。選択された商品の販売データとページ番号(言語識別情報)を関連付けて記録するので、言語別に販売データを集計することができる。即ち、言語別に商品の販売状況(販売数量や販売金額等)を把握することができ、言語別の販売戦略等を行うことが可能になる。また券売機1は、前記商品の言語識別情報別販売数量と販売金額を集計する集計手段(ステップST2−1〜3を実行するCPU41等)を備えているので、言語別の販売数量や販売金額の集計値を、容易に把握できる。集計手段で集計したデータは、タッチパネル11等に表示したり、印刷したりすることが好ましい。
【0060】
また、本発明には、客が所望する商品を客自ら選択する商品販売データ処理システムにおいて、前記商品を表示する画面を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記画面を表示する表示手段と、前記画面で商品を選択する選択手段と、を備え、前記記憶手段は、前記選択手段にて選択された商品の販売データを、画面識別情報(言語識別情報等)と関連付けて記憶する商品販売データ処理システムが開示されている。
【0061】
また、本発明には、客が所望する商品を客自ら選択する商品販売データ処理装置を動作させるプログラムであって、前記商品を表示する画面を記憶する記憶ステップと、前記記憶ステップで記憶された前記画面を表示する表示ステップと、前記画面で商品を選択する選択ステップと、を備え、前記記憶ステップでは、前記選択ステップにて選択された商品の販売データを、画面識別情報(言語識別情報等)と関連付けて記憶することを特徴とする商品販売データ処理装置を動作させるプログラムが開示されている。
【0062】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの構成であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、本発明に係る券売機は、食券発行用の券売機に限られず、食品以外の各種商品やチケット等を販売する券売機であっても良い。
【0063】
また本発明は券売機に限られず、要は商品を客自ら選択する商品販売データ処理装置であれば、他の各種装置であってもよい。即ち、客が自ら商品を選択する装置であれば、同様のしくみで同様の効果を発揮する。例えば、量販店、スーパー等の惣菜等の売り場にあるバルク販売用の計量装置でも良い。このバルク販売というのは、客が数種類の容器を選択し、好みの食材(惣菜の場合は、揚げ物やサラダ等の調理品、お寿司やピラフ、スパゲティ等のg単価で販売されるものなら全て該当する)を投入して、質量を検知して販売金額をラベル印字する装置である。この装置にはディスプレイ(表示手段)があり、操作案内やおすすめ商品の広告の映像を表示したりするが、客が選択した商品を装置に登録するのは、当該ディスプレイにあるプリセットキー、商品画面、商品名を表示したボタン(選択手段)を押下することで実行する。よって、この場合もおすすめ商品や、よく選択される商品をトップ画面(商品選択の初期画面)へ移動することにも役立つ。この操作は販売集計結果に基づいて従業員が設定しても良いし、プログラムによって自動的に移動するようにしても良い。また、例えば、レストランや居酒屋、回転すし店等で使用されるセルフオーダー端末等でも、本発明を適用すれば、同様の効果を発揮する。どの画面で表示した商品の販売実績が向上したか確認できるし、おすすめや販売したい商品を、販売効率の良い画面(商品選択の初期画面)へ移動して販売推進することも可能である。
【0064】
また上記券売機1においては、排出手段として排出する媒体を食券等の紙片としたが、ページャ(呼び出し)機能を有する番号札、その他電子媒体等を、排出手段より排出する媒体としても良い。また上記券売機1においては、集計手段によって、商品の画面識別情報別販売数量と販売金額の両者の集計を行ったが、何れか一方のみを集計しても良い。
【0065】
また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0066】
以上の説明に関し、さらに以下の項を開示する。
(付記1)
客が所望する商品の代金決済に基づき排出手段より媒体を排出する商品販売データ処理装置において、前記商品を表示する画面を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記画面を表示する表示手段と、前記画面で商品を選択する選択手段と、を備え、前記記憶手段は、前記選択手段にて選択された商品の販売データを、画面識別情報と関連付けて記憶することを特徴とする商品販売データ処理装置。ここで排出手段が排出する媒体は、例えば食券やレシート等の紙片、ページャ(呼び出し)機能を有する番号札、その他電子媒体等である。表示手段としては、例えばこれにタッチ(又は接近)することで商品の選択(選択手段)も行えるタッチパネル等が好ましい。
(付記2)
前記商品の販売データと画面識別情報を出力する出力手段を備えることを特徴とする付記1に記載の商品販売データ処理装置。出力手段としては、印刷手段の他に、通信を用いて出力する手段、例えば管理装置やクラウドサービス等に出力して記憶させる手段等がある。
(付記3)
前記画面識別情報は、ページ番号であることを特徴とする付記1又は2に記載の商品販売データ処理装置。ページ番号を用いることによって、簡易に容易に各画面別の管理を行うことができる。
(付記4)
前記ページ番号は、言語別に分類されていることを特徴とする付記3に記載の商品販売データ処理装置。