(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6923963
(24)【登録日】2021年8月3日
(45)【発行日】2021年8月25日
(54)【発明の名称】災害情報における時間価値検出システム及び表示方法
(51)【国際特許分類】
G08B 27/00 20060101AFI20210812BHJP
【FI】
G08B27/00 C
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-67892(P2020-67892)
(22)【出願日】2020年3月18日
【審査請求日】2021年5月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520119921
【氏名又は名称】株式会社BosaiTUBE Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100194467
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 健文
(72)【発明者】
【氏名】尾北 高博
【審査官】
西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−252614(JP,A)
【文献】
特開平11−316781(JP,A)
【文献】
特開2020−052594(JP,A)
【文献】
特開2021−009496(JP,A)
【文献】
特開2003−006381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F19/00
G06Q10/00−10/10
30/00−30/08
50/00−50/20
50/26−99/00
G08B19/00−31/00
H04M3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ又は複数のクライアントデバイスと通信可能なサーバを備えるシステムであって、
前記サーバには、災害情報を構成する識別要素に対して、災害レベル情報、地図情報及びリードタイム閾値が予め関連付けて記憶されており、
前記サーバは、
前記災害情報に対応する情報を外部から受信した場合、前記災害情報に対応する情報を受信した時刻と現在時刻と前記リードタイム閾値とに基づいてリードタイムを算出し、
前記クライアントデバイスに対して、前記災害情報に対応する災害行動計画を示すタイムラインと共に前記リードタイムを表示させる、
災害情報における時間価値検出システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記リードタイムとして、時間変化を表すシンボルを表示させる、
請求項1記載の災害情報における時間価値検出システム。
【請求項3】
少なくとも一つのプロセッサと、前記少なくとも一つのプロセッサにより実行されるプログラムを含むソフトウェアが記憶されるメモリとを含むシステムを用いて実行される方法であって、
少なくとも一つの前記メモリと通信可能な前記少なくとも一つのプロセッサにより前記プログラムが実行されたときに、前記少なくとも一つのプロセッサが、外部の情報基盤で構成される災害情報に対する複数の識別要素を受信して前記メモリに格納するステップであって、前記識別要素が災害レベル情報と地図情報とを含むステップと、
前記各識別要素に対し、前記災害情報を取得した時刻に紐づけて記憶するステップと、
前記メモリに格納されている前記複数の識別要素に少なくとも一つの規則を適用するステップであって、前記少なくとも一つの規則は、前記メモリに格納されている前記複数の識別要素の中から、時間変化を表わす表示の要求を選択する規則を含むステップと、
前記メモリに格納されている前記複数の識別要素のうちの少なくとも一つが所定要件を満たすか否かを判断するステップと、
前記所定要件を満たすと判断された少なくとも一つの識別要素に対応する警告を示す情報を、識別要素とともに生成して前記識別要素に対応する警告を、リモートデバイスに伝送するステップであって、前記リモートデバイスと前記プロセッサがネットワーク上で通信するステップと、
前記識別要素に対応する警告に関する情報を検出すると、タイムライン表示する表示領域に、前記警告に関する情報に対応するタイムラインを表示するとともに、前記タイムラインとともに警告と時間変化を表わすシンボルを表示するステップと、
を実行する、
方法。
【請求項4】
前記複数の識別要素に前記少なくとも一つの規則を適用するステップにおいて、
前記少なくとも一つのプロセッサにより前記プログラムが実行されたときに、前記少なくとも一つのプロセッサが、前記識別要素毎に予めデータベースに記憶させたリードタイム閾値の残時間を演算するステップを実行する、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記識別要素毎に予めデータベースに記憶された前記リードタイム閾値の残時間を演算するステップにおいて、
前記予め記憶させた指定残時間が到来すると警告を示す情報をリモートデバイスに伝送するステップを実行する、
請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記識別要素毎に予めデータベースに記憶されたリードタイム閾値の残時間を演算するステップにおいて、
前記災害情報を取得した時刻を起点とする、前記識別要素毎に予めデータベースに記憶させたリードタイム閾値の残時間のカウントダウンを当該識別要素と紐づけ、当該識別要素と紐付けした情報をリモートデバイスに伝送するステップを実行する、
請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記識別要素毎に予めデータベースに記憶されたリードタイム閾値の残時間を演算するステップにおいて、
前記識別要素を指定した場合、前記災害情報を取得した時刻を起点とする、前記識別要素毎に予めデータベースに記憶させたリードタイム閾値の残時間の情報が表示対象として選択されたと判定し、前記の残時間のカウントダウンを当該識別要素と紐づけて表示する処理を前記少なくとも一つのプロセッサに実行させるとともに表示プログラムを実行する、
請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ユーザーである学校、病院、工場、民間会社などの既設のネットワーク環境において使用され、避難情報、気象情報、緊急地震速報、などの災害情報に係る外部からの情報を受け、クラウドサーバー上において、時間価値を検出し、上記ユーザーネットワーク上のコンピュータ端末に表示して、避難を完了するまでのリードタイムをユーザーに伝えタイムベースで共有する災害情報ネットワーク表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、既設のネットワーク環境を利用して緊急地震速報、火災報知器の警報、防犯センサー情報などの緊急情報を、ユーザーPCに表示して伝達できる緊急情報ネットワーク表示システムを提供することで、多くの人が災害の発生を認識し、地域全体がリアルタイムに正確な情報を把握できるようにすることで、2次3次の緊急事態発生の抑止効果を狙っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4923304号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、防災行動を有効に機能させるためには、災害の発生時点を予測して、それより前にリードタイムを確保して、早めに防災行動を開始することが、一人でも多くの命を救う鍵となるが、上述した従来技術では、緊急事態発生の情報を認知できたとしても、有効な防災行動を促すことは困難である。
【0005】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、ユーザー側の既設のネットワーク環境を利用して、避難情報、気象情報、緊急地震速報、などの災害情報に係る外部からの情報を受け、クラウドサーバー上において、時間価値を検出し、上記ユーザーネットワーク上のコンピュータ端末に表示して、避難を完了するまでのリードタイムをタイムベースでユーザーに伝え共有することで、有効な防災行動を機能させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
複数の情報処理装置を含むシステムを用い、少なくとも一つのプロセッサと、前記少なくとも一つのプロセッサにより実行されるプログラムを含むソフトウェアが記憶されるメモリとを含むシステムを用いて実行される方法であって、少なくとも一つの前記メモリと電子通信可能な前記少なくとも一つのプロセッサにより前記プログラムが実行されたときに、前記少なくとも一つのプロセッサが、外部の情報基盤で構成される災害情報に対する複数の識別情報を受信してトリガー単位に分解し前記メモリに格納するステップであって、各識別情報の識別子が災害レベル情報及び地図情報等を含むステップと、前期各識別情報の識別子に前記災害情報を取得した時刻に紐づけて記憶するステップと、前記メモリに格納されている前記複数の識別情報に少なくとも1つの規則を適用するステップであって、前記少なくとも1つの規則は、前記メモリに格納されている前記複数の識別情報の識別子の中から、時間変化を表わす表示の要求を選択する規則を含むステップと、前記メモリに格納されている前記複数の識別情報の識別子の少なくとも1つが所定要件を満たすか否かを判断するステップと、前記所定要件を満たすと判断された少なくとも1つの識別情報に関する警告を示す情報を識別子とともに生成して前記識別情報に関する警告をリモートデバイスに伝送するステップであって、前記リモートデバイスと前記プロセッサがネットワーク上で電子通信するステップと、前記識別情報に関する警告を示す情報を検出すると、タイムライン表示する表示領域に、前記警告を示す情報に対応するタイムラインを新たに表示するとともに、前記のタイムライン上に時間変化を表わすシンボルを表示するステップと、を実行させる。
【0007】
さらに、前記複数の識別情報に前記少なくとも1つの規則を適用するステップにおいて、前記少なくとも一つのプロセッサにより前記プログラムが実行されたときに、前記少なくとも一つのプロセッサが、識別情報毎に予めデータベースに記憶させた閾値の残時間を演算するステップを実行させる。
【0008】
さらに、前記識別情報毎に予めデータベースに記憶された閾値の残時間を演算するステップにおいて、前記予め記憶させた指定残時間が到来すると警告を示す情報を識別子とともに生成してリモートデバイスに伝送するステップを実行させる。
【0009】
さらに、前記識別情報毎に予めデータベースに記憶された閾値の残時間を演算するステップにおいて、前記識別情報を前記災害情報の取得した時刻を起点とする前記識別情報毎に予めデータベースに記憶させた閾値の残時間のカウントダウンを当該識別情報と紐づけて情報を識別子とともに生成してリモートデバイスに伝送するステップを実行させる。
【0010】
さらに、前記識別情報毎に予めデータベースに記憶された閾値の残時間を演算するステップにおいて、前記識別情報を指定した場合、前記識別情報を前記災害情報を取得した時刻を起点とする識別情報毎に予めデータベースに記憶させた閾値の残時間の情報が表示対象として選択されたと判定し、前記の残時間のカウントダウンを当該識別情報と紐づけて表示する処理を前記少なくとも一つのプロセッサに実行させるとともに表示プログラムを実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態によれば、主たる災害の発生予想時点の時刻から時間を遡り、個々の防災行動を実施するタイミングと防災行動に必要な時間としてのリードタイムを確保し、相互にそのリードタイム情報を共有することで、有効な防災行動を機能させることが可能となる。これにより、これまでのような災害情報の単体情報取得だけではなく、平時、注意喚起時、防災情報の発表・伝達、有事体制の構築、避難誘導、公共交通機関の運行・停止等の対応、緊急輸送路の確保等、防災関係機関が実施する防災タイムライン、つまり事前の防災行動計画に寄り添う形で、地域住民が「いつ」、「誰が」、「何をするか」を伝達することによって、早めに防災行動を開始することで、一人でも多くの地域住民の命と資産の保全が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【00012】
【
図1】
図1は、本発明の態様によるシステムのブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の態様によるシステムの図解ブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態の記憶工程の動作を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態の伝送及び表示工程の動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態の伝送及び表示工程の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施形態にかかるプログラムを説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明するプログラムは、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
【0014】
図1及び2に示されるように、本発明の一態様によるシステム900は、汎用コンピュータに通常存在する、複数のプロセッサ810と、メモリ820と、他のコンポーネントとを含むサーバ910を含む。
【0015】
メモリ820は、少なくとも1つのプロセッサ810がアクセス可能な情報を格納し、情報は、プロセッサ810が実行できる命令840や、プロセッサが回収、操作又は格納できるデータ830を含む。メモリは、プロセッサがアクセス可能な情報の格納が可能な如何なるタイプのものでもあり得る。
【0016】
命令840は、プロセッサが直接(機械コード等)又は間接的に(スクリプト等)実行する予定の如何なる命令セットでもあり得る。その関連で、「命令」、「ステップ」及び「プログラム」という用語は、本明細書では、交換可能に使用することができる。又、命令は、プロセッサが命令によって意図される目的を実行できるようにするアルゴリズムとしても機能する。命令は、プロセッサが直接処理する為のオブジェクトコード形式で格納することも、要求に応じて解釈されるか又は前もってコンパイルされているスクリプト又は独立したソースコードモジュールの集合体を含む他の任意のコンピュータ言語で格納することもできる。命令の機能、方法及びルーティンについては、以下で更に詳細に説明する。
【0017】
データ830は、命令840に従ってプロセッサ810が回収、格納又は変更することができる。例えば、本発明は特定の如何なるデータ構造によっても制限されないが、データは、コンピュータレジスタに、複数の異なるフィールド及び記録を有する表として関係データベースに、XML文書に又はフラットファイルに格納することができる。又、データは、これらに限定されないが、2進値、ASCII又はユニコード等、如何なるコンピュータ可読フォーマットでもフォーマットすることもできる。その上、データは、説明文、専用コード、ポインタ、他のメモリ(他のネットワークの位置を含む)に格納されたデータへの参照、又は、関連データを計算する為の機能によって使用される情報等の関連情報の識別に十分な如何なる情報も含み得る。
【0018】
図1ではプロセッサ及びメモリは機能上同じブロック内に示されているが、当業者であれば、プロセッサ及びメモリは、同じ物理的なハウジング内に格納しても格納しなくともよい複数のプロセッサ及びメモリを実際に含み得ることが理解されよう。例えば、命令及びデータの幾つかをリムーバブルCD−ROM上に格納し、他を読み取り専用コンピュータチップ内に格納することができる。命令及びデータの幾つか又は全ては、プロセッサから物理的に離れた位置ではあるが依然としてプロセッサがアクセス可能な位置に格納することもできる。同様に、プロセッサは、並行動作を行っても行わなくともよいプロセッサの集合体を実際に含み得る。
【0019】
少なくとも1つの実施形態では、サーバ910は、1つ又は複数のクライアントデバイス950、951及び952等と通信するサーバである。各クライアントデバイスは、サーバ910と同様に、プロセッサ、メモリ及び命令を有するように構成することができる。各クライアントデバイス950、951及び952は、人物990、991及び992による使用が意図される、アイパッド(登録商標)(iPad)等のモバイルデバイスであり得、モバイルデバイスは、中央処理装置(CPU)、ディスプレイ960、ハードドライブ、ユーザー入力デバイス(例えば、タッチスクリーン、マイクロホン、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)マウス、ワイヤレスキーボード、拡張現実メガネ)、スピーカ、ワイヤレスモデム又はネットワークインターフェースデバイス、並びに、これらの要素を互いに接続する為に使用される全てのコンポーネント等、タブレットデバイスに通常見られる全ての内部コンポーネントを有する。その上、本明細書で説明されるシステム及び方法によるクライアントデバイスは、命令の処理並びに人間への及び人間からのデータの伝送が可能な如何なるデバイスや他のコンピュータも含み得、モバイルデバイス、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、汎用コンピュータ、ローカルストレージ能力に欠けるネットワークコンピュータ、モデム付きの携帯情報端末(PDA)、インターネット(Internet)使用可能携帯電話、拡張現実デバイス(グーグルグラス(Google Glass)等)を含む。
【0020】
サーバ910並びにクライアントデバイス950、951及び952は、ネットワーク895上で等、直接及び間接通信が可能である。
図1及び2では少数のデバイスしか描写されていないが、典型的なシステムは大多数のワイヤレスコンピューティングデバイスを含み得、異なる各コンピューティングデバイスはネットワーク895の異なるノードにアクセスできることを理解すべきである。ネットワーク及び介在ノードは、インターネット(Internet)、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、広域ネットワーク、ローカルネットワーク、1つ又は複数の会社専用の通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、イーサネット(登録商標)(Ethernet)(登録商標)、ワイファイ(WiFi)、LPWA、Zigbee、Bluetooth、Bluetooth Low Energy、RFID及びHTTPを含む、様々な構成及びプロトコルを含み得る。そのような通信は、モデム(例えば、ダイヤルアップ又はケーブル)、ネットワーク及びワイヤレスインターフェース等、他のコンピュータへの及び他のコンピュータからのデータの伝送が可能な如何なるデバイスによっても促進することができる。サーバ910は、クラウドサーバーであり得る。
【0021】
ある利点は上記で述べられるように外部からの災害情報940が送信又は受信された際に得られるが、本発明の他の態様は、災害情報940の特定の伝送方式に限定されない。例えば、幾つかの態様では、情報は、ディスク、テープ又はCD−ROMなどの媒体を介して送信することができる。他の態様では、情報は、非電子形式で伝送し、システムに手動で入力することができる。更に、幾つかの機能はサーバ上で行われ、他はクライアント上で行われるものとして示されているが、本発明の様々な態様は、単一のプロセッサを有する単一のコンピュータによって実装することができる。
【0022】
データ830は、データベース870を含む。データベース870は、外部の情報基盤で構成される特定の外部からの災害情報940と関連付けされた情報に対する要求に応答して、トリガー単位に分解し、災害レベル情報874、地図情報872、及びリードタイム閾値や指定残時間情報876を提供するとともに、タイマ880は災害情報を取得した時刻情報と現在時刻情報を提供する。システム及び方法は、時刻情報データを表現する特定の方式に限定されない。
【0023】
システム及び方法は、特定のタイプ又はフォーマットに限定されない。データベース870は、如何なるデータフォーマットでもあり得る。時刻情報データは、時間価値を検出しようと努めるユーザーにとって関心のある如何なる関連情報でもあり得る。クライアントデバイス950を使用するユーザーは、サーバ910に接続することによって、災害レベル情報、地図情報及び災害時間価値情報等を要求することができる。
【0024】
図3は、実施形態の事前の記憶工程の動作を示すフローチャートである。まず、災害情報を構成する識別要素を設定する(M101)。具体的には、公的情報としてスポットに送られてくる避難勧告、震度速報、津波警報、噴火警報や早期注意情報、河川情報であれば氾濫注意報、氾濫警戒情報、氾濫危険情報や氾濫発生情報等の設定が例示的にあげられる。次に、各識別要素に関連づける災害レベルを識別要素毎にメモリに記憶させる(M102)。そして、各識別要素に関連付ける地図情報を識別要素毎にメモリに記憶させる(M103)。次に、各識別要素で使用するリードタイム閾値を識別要素毎にメモリに記憶させる(M104)。次に、各識別要素で使用するリードタイムの指定残時間を識別要素毎に記憶させる(M105)。これらの事前の記憶工程を経て、外部の情報基盤で構成される災害情報に対する複数の識別情報を受信した場合、トリガー単位に分解しメモリに格納することができる。
【0025】
図4は、タイムライン領域に時間価値をタイムライン表示する場合の実施形態の伝送及び表示工程の動作を示すフローチャートである。まず、例えば避難勧告等の外部からの災害情報をクラウドを通じ受信した場合、災害情報を構成する識別要素をプロセッサがメモリに格納する(T101)。次に、各識別要素に関連付けるメモリに記憶されている災害レベルを紐づける(T102)。そして、各識別要素に関連付けるメモリに記憶されている地図情報を紐づける(T103)。次に、各識別要素に使用する災害情報取得時刻情報をタイマ280を通じて紐づける(T104)。次に、各識別要素のうち時間変化を表す表示要求規則に合致するかをプロセッサを通じ適用判断させる(T105)。次に、適用判断された識別要素に使用するメモリに記憶されているリードタイム閾値を紐づける(T106)。次に、紐づけを行ったリードタイム閾値に基づいて、識別要素毎にプロセッサを通じてリードタイムを算出する(T107)。具体的には、紐づけを行ったリードタイム閾値に対応する現在時刻をタイマにより取得して基準とし、紐づけを行った災害情報取得時刻との差分をリードタイム閾値から差し引くことによりリードタイムが算出される。そして、適用判断された識別要素に関する警告の識別子をリードタイムとともにプロセッサにより生成する(T108)。次に、生成された警告情報をリモートデバイスに伝送しネットワーク上で電子通信する(T109)。次に、生成された警告情報を検出しリードタイムをタイムライン領域にタイムライン表示する(T110)。これらの表示工程を経て、クライアントデバイスに警告と時間価値のシンボル表示をする。この時、一度にすべてを表示せず、下位の階層が上位の階層を展開した場合に表示されるようにしても良い。
【0026】
図5は、残時間警告情報をカウントダウン表示する場合の実施形態の伝送及び表示工程の動作を示すフローチャートである。まず、例えば避難勧告等の外部からの災害情報をクラウドを通じ受信した場合、災害情報を構成する識別要素をプロセッサがメモリに格納する(C101)。次に、各識別要素に関連付けるメモリに記憶されている災害レベルを紐づける(C102)。そして、各識別要素に関連付けるメモリに記憶されている地図情報を紐づける(C103)。次に、各識別要素に使用する災害情報取得時刻情報をタイマ280を通じて紐づける(C104)。次に、各識別要素のうち時間変化を表す表示要求規則に合致するかをプロセッサを通じ適用判断させる(C105)。次に、適用判断された識別要素に使用するメモリに記憶されているリードタイム閾値と指定残時間を紐づける(C106)。次に、紐づけを行ったリードタイム閾値に基づいて、識別要素毎にプロセッサを通じてリードタイムを算出する(C107)。具体的には、紐づけを行ったリードタイム閾値に対応する現在時刻をタイマにより取得して基準とし、紐づけを行った災害情報取得時刻との差分をリードタイム閾値から差し引くことによりリードタイムが算出される。そして、適用判断された識別要素に関する警告の識別子をリードタイムが指定残時間と合致した場合にプロセッサにより生成する(C108)。次に、生成された残時間警告情報をリモートデバイスに伝送しネットワーク上で電子通信する(C109)。次に、生成された残時間警告情報を検出しカウントダウン表示する(C110)。これらの表示工程を経て、クライアントデバイスに警告と時間価値のシンボル表示をする。この時、一度にすべてを表示せず、下位の階層が上位の階層を展開した場合に表示されるようにしても良い。
【0027】
図6は、表示形態の例示的な例を示したものである。インターフェイス600は、識別要素毎にタイムライン表示する。識別要素毎のボタン601を選択すると災害情報取得時刻情報、避難レベル情報及び地図情報を別の表示ウィンドウで表示するとともに、警告と時間価値のシンボル602が点滅等の反応をし、リードタイムを時間表示領域603に表示する。さらに識別要素毎のボタン601を選択し続けると、時間表示領域603にカウントダウンが表示される。他のボタン601を選択、他の表示領域、又はカウントダウンが終了すると、元のインターフェイス600に自動的に戻る。
【0028】
主たる災害の発生時点の時刻を「ゼロ・アワー」といい。このゼロ・アワーから時間を遡り、個々の防災行動を実施するタイミングと防災行動に必要な時間を「リードタイム」というが、防災行動を有効に機能させるためには、ゼロ・アワーより前にリードタイムを確保して、早めに防災行動を開始することが、一人でも多くの命を救う鍵となる。以上のように、
図6の、表示形態の例示的な例を用いれば、外部からの災害発生を予想した避難勧告等を受信した場合に、タイムディケイすることなく、いち早くリードタイムを確保することが可能になり、多くの率先避難者を創出することで、生存するための事前の危機回避行動が飛躍的に向上する。さらに、あらゆる財産を保全するための事前の初動制御機能を始動させるためのトリガーとなることで財産の棄損回避行動が飛躍的に向上する。
【0029】
また、災害発生時には、多種多様な情報から重要情報をリアルタイムで、かつ見逃しが無いように活用することが重要である。そのために防災タイムライン(災害行動計画)の策定が進められているが、これまでのような災害情報の単体情報取得だけではなく、平時、注意喚起時、防災情報の発表・伝達、有事体制の構築、避難誘導、公共交通機関の運行・停止等の対応、緊急輸送路の確保等、防災関係機関が実施するクロノロジー(chronology)型の出来事を時系列に沿ってリードタイムを基軸にタイムベースで共有することで、防災タイムラインとの照合が一目両全となり、防災管理者が地域住民の「いつ」、「誰が」、「何をするか」を的確に伝達することが可能になるので、早め早めの防災行動が実現できる。さらに、定期的な図上又はリアルな避難訓練を本発明の実施形態を用いて実施することにより、限られた時間を有効活用する、つまりタイムマネジメントが飛躍的に向上する、これこそが時間価値検出システム及び表示方法の最大効果である。
【符号の説明】
【0030】
900
…システム
910
…サーバ
940
…外部からの災害情報
950
…クライアントデバイス
951
…クライアントデバイス
952
…クライアントデバイス
960
…ディスプレイ
990
…人物
991
…人物
992
…人物
810
…プロセッサ
820
…メモリ
830
…データ
840
…命令
870
…データベース
872
…地図情報
874
…災害レベル情報
876
…リードタイム閾値や指定残時間情報
880
…タイマ
895
…ネットワーク
600
…インターフェイス
601
…識別要素毎のボタン
602
…警告と時間価値のシンボル
603
…時間表示領域
【要約】 (修正有)
【課題】タイムベースで防災行動を開始するために、災害の発生時点を予測して、有効な防災行動を促す方法を提供する。
【解決手段】サーバ910において、既設のネットワーク895を利用して、避難情報、気象情報、緊急地震速報などの災害情報940を外部から受け、時間価値を検出し、警告をユーザコンピュータ950に伝送する。ユーザコンピュータ950において、警告と時間変化を表わすシンボルをディスプレイ960に表示し、避難を完了するまでのリードタイムをユーザーに伝える。
【選択図】
図1