特許第6923979号(P6923979)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6923979
(24)【登録日】2021年8月3日
(45)【発行日】2021年8月25日
(54)【発明の名称】ライブ配信装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/235 20110101AFI20210812BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20210812BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20210812BHJP
【FI】
   H04N21/235
   G06Q50/10
   G06F13/00 650A
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-213070(P2020-213070)
(22)【出願日】2020年12月23日
【審査請求日】2020年12月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520507232
【氏名又は名称】MaKoChannel合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】特許業務法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】中原 誠夫
【審査官】 富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−152813(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0209677(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
G06F 13/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視聴者端末の画面上にライブ動画を配信するライブ配信装置であって、
一の視聴者端末により投稿されたコメントを、全視聴者端末の画面上のタイムラインに表示させる表示制御手段と、
所定のタイミングで、前記コメントに対して当選フラグを付与する当選フラグ付与手段と、
前記当選フラグが付与されたコメントを投稿した視聴者に対して報酬を付与する報酬付与手段と、を有し、
前記所定のタイミングは、前記タイムラインのコメント数が所定数に到達したタイミングであること、
を特徴とするライブ配信装置。
【請求項2】
視聴者端末の画面上にライブ動画を配信するライブ配信装置であって、
一の視聴者端末により投稿されたコメントを、全視聴者端末の画面上のタイムラインに表示させる表示制御手段と、
所定のタイミングで、前記コメントに対して当選フラグを付与する当選フラグ付与手段と、
前記当選フラグが付与されたコメントを投稿した視聴者に対して報酬を付与する報酬付与手段と、を有し、
前記所定のタイミングは、前記タイムラインの所定時間内におけるコメント数が所定数に到達したタイミングであること、
を特徴とするライブ配信装置。
【請求項3】
視聴者端末の画面上に出場者による競技のライブ動画を配信するライブ配信装置であって、
一の視聴者端末により投稿されたコメントを、全視聴者端末の画面上のタイムラインに表示させる表示制御手段と、
所定のタイミングで、前記コメントに対して当選フラグを付与する当選フラグ付与手段と、
前記当選フラグが付与されたコメントを投稿した視聴者に対して報酬を付与する報酬付与手段と、を有し、
前記所定のタイミングは、出場者の競技状態が所定の競技状態に至ったタイミングであること、
を特徴とするライブ配信装置。
【請求項4】
前記所定の競技状態は、出場者が競技種目に係る競技目標の達成に失敗した状態であること、
を特徴とする請求項に記載のライブ配信装置。
【請求項5】
前記所定の競技状態は、出場者が競技種目に係る競技目標の達成に成功した状態であること、
を特徴とする請求項に記載のライブ配信装置。
【請求項6】
視聴者端末の画面上にライブ動画を配信するライブ配信装置であって、
一の視聴者端末により投稿されたコメントを、全視聴者端末の画面上のタイムラインに表示させる表示制御手段と、
所定のタイミングで、前記コメントに対して当選フラグを付与する当選フラグ付与手段と、
前記当選フラグが付与されたコメントを投稿した視聴者に対して報酬を付与する報酬付与手段と、を有し、
前記コメントは、複数種類の異なる言語で投稿され、
前記表示制御手段は、投稿されたコメントの言語に応じて、言語別に設けられたタイムライン毎に表示させ、
前記当選フラグ付与手段は、前記所定のタイミングで、言語別に設けられたタイムライン毎のコメントに対して当選フラグを付与すること、
を特徴とするライブ配信装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、全視聴者端末の画面上のタイムラインの、前記当選フラグが付与されたコメントに、該コメントを投稿した視聴者に対して報酬を付与する表示をさせること、
を特徴とする請求項1ないし6何れか一項に記載のライブ配信装置。
【請求項8】
コンピュータを、
ライブ配信装置にコメントを複数種類の異なる言語で投稿が可能な投稿手段と、
画面上の言語別に設けられたタイムラインに、投稿されたコメントの言語に応じて、投稿された全てのコメントを言語別に表示する表示手段として機能させ、
前記表示手段は、前記タイムライン毎のコメントのうち、前記ライブ配信装置により所定のタイミングで選出されたコメントに、該コメントを投稿した視聴者に対して報酬を付与する表示を行うこと、
を特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライブ配信装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを用いたライブ配信サービスが普及している。また視聴者はライブ配信中、ライブ映像やライブ動画といったライブコンテンツに対して、リアルタイムに自身の発言コメント(ライブコメントという)を投稿することができる。ユーザが投稿したライブコメントは、ユーザによるコメントの投稿時間に沿って全ユーザのタイムラインに表示される(例えば、特許文献1参照)。タイムラインは、コメントが時系列で並んだ状態の表示画面をいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−022321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のライブ配信中のライブコメント機能は、ライブ配信の場を盛り上げるための視聴者参加型の重要な機能である。よって、視聴者のライブコメント機能の利用をより促進させ、ライブ配信の場をいっそう盛り上がることが期待される。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み提案されたものであり、一つの側面では、インターネットを用いたライブ配信の場において趣向性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係るライブ配信装置は、視聴者端末の画面上にライブ動画を配信するライブ配信装置であって、一の視聴者端末により投稿されたコメントを、全視聴者端末の画面上のタイムラインに表示させる表示制御手段と、所定のタイミングで、前記コメントに対して当選フラグを付与する当選フラグ付与手段と、前記当選フラグが付与されたコメントを投稿した視聴者に対して報酬を付与する報酬付与手段と、を有する。
【0007】
また、上記の課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、ライブ配信装置にコメントを投稿する投稿手段と、画面上のタイムラインに、投稿された全てのコメントを表示する表示手段として機能させ、前記表示手段は、タイムラインの前記全てのコメントのうち、前記ライブ配信装置により選出されたコメントに、該コメントを投稿した視聴者に対して報酬を付与する表示を行う。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施の形態によれば、インターネットを用いたライブ配信の場において趣向性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るライブ配信システムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態に係る競技開催画面例を示す図である。
図3】本実施形態に係るコメントボーナス当選時のタイムライン例1を示す図である。
図4】本実施形態に係るコメントボーナス当選時のタイムライン例2を示す図である。
図5】本実施形態に係るコメントボーナス当選時のタイムライン例3を示す図である。
図6】本実施形態に係るライブ配信サーバ及び視聴者端末のハードウェア構成例を示す図である。
図7】本実施形態に係るライブ配信サーバのソフトウェア構成例を示す図である。
図8】本実施形態に係るユーザ管理DB及びコメント管理DBのデータ構成例を示す図である。
図9】本実施形態に係るライブ配信サーバのコメントボーナス付与処理を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態に係るライブ配信システムは、インターネット上でいわばオリンピック(以下単にネットオリンピックという)の開催するためのライブ映像配信プラットフォームである。主催者はサイトの開催運営を行うとともに、競技の出場者を募る。出場者は各国から選出され、各国の出場者は自身のライブ映像を撮影し配信する。サイト画面上には各国出場者のライブ映像が並んで表示される。主催者による競技開始の合図とともに、出場者は報酬賞金等を目指し一斉に競技を開始する。視聴者も各国からのアクセスが多く予想され、サイト画面上から視聴者は各国出場者による様々な競技模様を視聴することが可能となっている。以下詳しく説明する。
【0011】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るライブ配信システムの構成例を示す図である。図1のライブ配信システム100は、ライブ配信サーバ(以下配信サーバという)10、出場者端末20、及び視聴者端末30を含み、ネットワーク50を介して接続されている。
【0012】
配信サーバ10は、インターネット上でネットオリンピックサイトの開催を行うサーバであり、出場者端末20からのライブ映像を、視聴者端末30に配信するサーバ装置である。
【0013】
出場者端末20は、例えばスマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータなど、出場者がカメラとマイクを用いてライブ映像を撮影し、撮影したライブ映像をリアルタイムに配信サーバ10に送信するための情報処理端末である。
【0014】
視聴者端末30は、例えばスマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータなど、視聴者がライブ映像をリアルタイムに配信サーバ10から受信し視聴するための情報処理端末である。
【0015】
ネットワーク50は、有線、無線を含む通信ネットワークである。ネットワーク50は、例えば、インターネット、公衆回線網、WiFi(登録商標)などを含む。
【0016】
<競技開催画面例>
図2は、本実施形態に係る競技開催画面例を示す図である。出場者端末20及び視聴者端末30には、汎用のウェブブラウザ・プログラムや所定のアプリケーション・プログラムが予めインストールされており、これらプログラムを介して配信サーバ10にアクセスすることで、競技開催画面120を表示することができる。
【0017】
視聴者は視聴者端末30を介して、配信サーバ10のネットオリンピックサイトにアクセスの上、ユーザ登録したユーザIDとパスワードをログイン入力することで、競技開催画面120を表示する。なお、ログイン時、視聴料として所定額の視聴料(入場料)を視聴者に課金することも可能である。
【0018】
図2に示す競技開催画面120には、例えば、種目121、勝者賞金122、出場者映像ウインドウ123、ユーザID124、競技詳細125、書込欄126、送信ボタン127、タイムラインウインドウ(以下単にタイムラインという)128、コメントボーナス129などが表示されている。
【0019】
種目121は、出場者が出場する競技の種目を示す。例えば「ドリンク早飲み競技(決勝)」といったように、各国から出場者を募りやすいよう世界共通に誰でも分かり易く準備等を含め手軽に実施できる競技種目がより望ましい。勝者賞金122は、出場者のうち競技成績の優秀者(例えば優勝者)に対して支払われる報酬を示す。
【0020】
出場者映像ウインドウ123は、各出場者のライブ映像を表示する表示部である。言うまでもなく、出場者映像ウインドウ123の映像は、出場者(出場者端末20)からリアルタイムに送信されるライブ映像(動画)である。
【0021】
ユーザID124は、競技開催画面120にログインした視聴者のユーザ名を示す。競技詳細125は、例えば、競技の開始時間、参加国、参加者プロフィールなど、当該競技に関する詳細事項を示す。
【0022】
書込欄126は、視聴者がコメントの書き込みを行うための入力部である。なお、書込欄126に入力可能なテキストは、各国言語による文字列、記号、絵文字など、コンピュータの画面に表示可能な文字情報を含む。送信ボタン127は、視聴者が書込欄126に書き込みしたコメントの送信を行うための操作部である。タイムライン128は、各々の視聴者により書き込みされたライブコメントを全視聴者に対して表示する表示部である。即ち、視聴者が書込欄126にコメントを書き込みし、送信ボタン127を押下すると、書き込みされたコメントが配信サーバ10に送信されることで、各々の視聴者からのコメントがタイムライン128にリアルタイム且つ時系列に表示される。コメントボーナス129は、コメントの書き込みを行った視聴者に当選しうる報酬を示す。当選者の選出方法についての詳細は後述する。
【0023】
このように、本実施形態に係るライブ配信システムは、ライブ配信・ライブ放送中に視聴者がリアルタイムにコメントすることができるライブコメント機能(ライブチャット機能ともいう)を備えている。視聴者が書き込んだコメントは、タイムラインに表示されるので、書込みした視聴者のみならず、他の視聴者も見られるため、ライブコメント機能は、競技のライブ配信を盛り上げるための視聴者参加型の重要な機能である。
【0024】
なお、以下の点についても併せて言及する。
・書込欄126への書き込み入力可能な言語は、世界各国の自然言語・文字を含む。
・タイムライン128のコメントは、誰のコメントかを識別可能とするため、コメント書き込みを行った視聴者のユーザIDやアイコン(バッジ)が付されて表示される。
・タイムライン128のコメント及びユーザIDは、競技終了後、保存(アーカイブ)される。
・競技開催画面120の画面表示言語は、ログインユーザの国籍に対応する言語文字で表示される。例えばログインユーザの国籍が日本であれば日本語、米国であれば英語となる。
・コメントは、視聴者のみならず出場者及び主催者が書き込みを行えるようにしてもよい。また、出場者からの書き込みは出場者専用のタイムラインを別途設けてもよい。
・報酬の一例としての視聴者からの課金、出場者への勝者賞金は、法定通貨のみならず仮想通貨により課金又は支払われてもよい。また報酬は、ポイントや賞品等であってもよい。
【0025】
<コメントボーナス当選者の選出>
上述したように、本実施形態に係るライブ配信システムでは、ライブ配信中に視聴者がリアルタイムにコメントを投稿するためのライブコメント機能を備えている。タイムラインに多数のコメントが書き込まれるほど出場者は多くの視聴者の存在を認識でき一体感を得ることができる。また視聴者もコメントを書き込むという形でその場に主体的に参加できるので、ライブコメントが多いほど、ライブ配信の場はいっそう盛り上がる。
【0026】
そこで、本実施形態に係るライブ配信システムにおいては、視聴者のコメントを促すインセンティブとして、コメントの書き込みを行った一部の視聴者に対してコメントボーナスなる報酬を付与する。具体的には、コメントの書き込みが可能となったタイミングから視聴者によるコメントの書き込み・投稿が始まるが、配信サーバ10は、後述するタイミングで、タイムライン128のコメントに対して当選フラグを付与する。当選フラグが付与された視聴者が当選者でありコメントボーナスを獲得することができる。
【0027】
図3は、本実施形態に係るコメントボーナス当選時のタイムライン例1を示す図である。視聴者「Taro」のコメントが書き込まれた同時のタイミングで当選フラグが発生した場合、当選フラグが発生したタイミングで書き込みした視聴者「Taro」に当選フラグが付与される。このときタイムライン128には、例えば「Taro GET BONUS$10,000 Congratulation!」といったように、当該ユーザIDに報酬が当選した旨が全視聴者に対して認識可能に表示される。
【0028】
図4は、本実施形態に係るコメントボーナス当選時のタイムライン例2を示す図である。図4のケースにおいては、視聴者「Taro」のコメントが書き込まれた直後のタイミングで当選フラグが発生した場合、当選フラグが発生したタイミングの一つ前のコメントを書き込みした視聴者「Taro」に当選フラグが付与される。
【0029】
図5は、本実施形態に係るコメントボーナス当選時のタイムライン例3を示す図である。図5のケースにおいては、視聴者「Nick」のコメントが書き込まれた直後のタイミングで当選フラグが発生した場合、当選フラグが発生したタイミングの次のコメントを書き込みした視聴者「Taro」に当選フラグが付与される。なお、当選フラグが発生したタイミングの次のコメントを書き込みした視聴者を当選者とする場合、当選フラグの発生は視聴者からは分からないようになっている。
【0030】
(当選フラグ発生のタイミング)
次いで、本実施形態に係る当選フラグ発生タイミングについて説明する。当選フラグ発生のタイミングは、ライブコメントの受付中であるため、タイムライン128にコメントの書き込みが可能となった時点からコメントの書き込みが終了となった時点迄の間となる。
【0031】
(1)主催者(管理者)が任意のタイミングで所定操作を行うことにより、タイムライン128上において当選フラグを発生させる。主催者(管理者)は、例えば、競技が盛り上がっている最中、コメント書き込み数が増加してきたタイミング、もしくはコメント書き込み数が低調なタイミング等、様々な任意のタイミングで当選フラグを発生させることができる。
【0032】
(2)配信サーバ10の制御の下、タイムライン128のコメント書き込み数に応じたタイミングで、当選フラグを発生させる。例えばタイムライン128にコメントの書き込みが可能となった時点から、総コメント数が例えば所定数10000に到達したタイミングで当選フラグを発生させる。例えば「Taro GET BONUS$10,000 10,000Th Congratulation!」といったように、一万人目のコメント書き込み者が当選した旨が全視聴者に対して認識可能に表示される。所定数は高め且つ現実的に達成可能な値に設定することが望ましい。これにより、コメント書き込み数の増加をより促すことができる。なお、所定時間内(60秒間)のコメント数が例えば1000に到達したタイミングで当選フラグを発生させるようにしてもよい。
【0033】
(3)配信サーバ10の制御の下、競技が所定の競技状態に至ったタイミング、即ち出場者映像ウインドウ123における出場者の競技状態と連動したタイミングで、タイムライン128上において当選フラグを発生させる。
【0034】
例えば「ドリンク早飲みの競技」の場合、出場者(競技者)がドリンクを口から噴き出してしまうとリタイアとなり、競技開催画面120上、リタイアした出場者の出場者映像ウインドウ123においてシャッターが閉まり当該出場者が非表示となる。「ドリンク早飲みの競技」のようなユーモラスな競技では、出場者の競技目標の失敗シーンは、競技が盛り上がるタイミングである。そしてそのような競技が盛り上がるタイミングではコメントの書き込み量が増加する。よって配信サーバ10は、出場者が競技に失敗したタイミング、出場者が競技にリタイアしたタイミングで、タイムライン128上において当選フラグを発生させる。
【0035】
また競技と連動したタイミングとして、例えば「ドリンクを1本飲み干した時点(飲み干す毎)」のように、配信サーバ10は、出場者が競技目標をクリアしたタイミングで、タイムライン128上において当選フラグを発生させることも可能である。出場者がドリンクを1本飲み切る度、即ち出場者が競技目標をクリアする毎にコメントボーナス当選が発生するため、視聴者の競技応援をより促すことができる。なお。配信サーバ10は、出場者が競技に失敗したか否か、出場者が競技目標をクリアしたか否かは、出場者映像ウインドウ123の映像解析により判定可能である。
【0036】
また、タイムライン128上においてコメントの言語別に当選フラグを発生させることも可能である。視聴者が世界国々からの視聴者である場合、書込欄126へのコメントは、世界各国の様々な言語文字が用いられる。例えばタイムライン128を言語別に複数設置し、同一のタイムライン内では同一言語のコメントが表示されるようにする。その上で各々のタイムライン毎において、上記(1)〜(3)に示すタイミングで当選フラグを発生させることにより、言語別(国別)に視聴者に広くコメントボーナス当選が発生させることができる。
【0037】
なお、当選フラグ発生は単数回に限られず複数回発生し得る。またその場合、複数の視聴者がコメントボーナス当選者となり得る。
【0038】
<システム構成>
(ハードウェア構成)
図6は、本実施形態に係るライブ配信サーバ及び視聴者端末のハードウェア構成例を示す図である。図6に示されるように、配信サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、HDD(Hard Disk Drive)14、及び通信装置15を有する。
【0039】
CPU11は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM12は、起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM13は、CPU11での処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。HDD14は、各種データ及びプログラムを格納する。通信装置15は、ネットワーク50を介して他装置との通信を行う。
【0040】
また視聴者端末30は、CPU31、ROM32、RAM33、ユーザ用メモリ34、通信装置35、表示装置36、及び入力装置37を有する。
【0041】
CPU21は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM32は、起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM33は、CPU31での処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。ユーザ用メモリ34は、不揮発性記憶装置であって、上記所定のアプリ等の各種プログラムなどの各種ユーザデータを格納し保存する。通信装置35は、ネットワーク50を介して他装置との通信を行う。
【0042】
表示装置36は、液晶ディスプレイ等のカラーディスプレイである。入力装置37は、固有の操作キーやボタンなどで実現される。また入力装置37は、操作キーやボタンを有するキーボードのみならず、ディスプレイ画面上のタップ座標(タッチ座標)を検知可能なタッチパネルにより実現されうる。この場合、入力操作は画面上のタッチパネルとプログラムにより制御されるソフトウェアキー等とにより実現される。
【0043】
(ソフトウェア構成)
図7は、本実施形態に係るライブ配信サーバ及び視聴者端末のソフトウェア構成例を示す図である。配信サーバ10は、主な機能部として、動画配信制御部101、ライブコメント管理部102、及び記憶部107を有する。
【0044】
動画配信制御部101は、出場者端末20からのライブ映像を、視聴者端末30に配信する制御を行う。
【0045】
ライブコメント管理部102は、ライブ配信中に視聴者の行うライブコメント機能を管理する。より詳しくライブコメント管理部102は、タイムライン表示制御部103、コメント受付部104、当選フラグ付与部105、及び報酬付与部106を有する。
【0046】
タイムライン表示制御部103は、一の視聴者端末30により投稿されたコメントを、全視聴者端末30の画面上のタイムラインウインドウに表示させる。
【0047】
コメント受付部104は、各々の視聴者端末30から書き込み投稿されたコメントを受信し、受け付ける。
【0048】
当選フラグ付与部105は、所定のタイミングで、タイムライン上のコメントに対して当選フラグを付与する。具体的には、後述するコメント管理DB109において、当該コメントに対して当選フラグに「1」を格納する。また図3〜5に示されるように、視聴者端末30側においては、全視聴者端末30の画面上のタイムラインウインドウに、例えば「Taro GET BONUS$10,000 Congratulation!」といったように、当該ユーザIDに報酬が当選した旨が全視聴者に対して認識可能に表示させることができる。
【0049】
報酬付与部106は、当選フラグが付与されたタイムライン上のコメントを投稿した視聴者に対して報酬を付与する。
【0050】
記憶部107は、ユーザ情報(ユーザID、パスワード、メールアドレス、口座情報、その他ユーザ属性情報等)が登録されたユーザ管理DB108、書き込みされたコメント及び書き込みを行ったユーザIDを管理するコメント管理DB109を記憶する。
【0051】
また視聴者端末30は、主な機能部として、表示部301及び投稿部302を有する。
【0052】
表示部301は、表示装置36の画面上にライブ映像及びタイムラインを表示する。また更に表示部301は、タイムラインの全てのコメントのうち、配信サーバ10により選フラグが付与されたコメントに、該コメントを投稿した視聴者に対して報酬を付与する表示を行う。
【0053】
投稿部302は、視聴者により入力装置37から書込欄126に書き込まれたコメントをコメント受付部104に送信することで、配信サーバ10にコメントを投稿する。
【0054】
なお、各機能部は、配信サーバ10及び視聴者端末30を構成するコンピュータのCPU、ROM、RAM等のハードウェア資源上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されるものである。これらの機能部は、「手段」、「モジュール」、「ユニット」、又は「回路」に読替えてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に格納されていてもよい。また、配信サーバ10における記憶部の各DBは、ネットワーク50上の外部記憶装置に配置することも可能である。
【0055】
(DB)
図8は、本実施形態に係るユーザ管理DB及びコメント管理DBのデータ構成例を示す図である。
【0056】
ユーザ管理DB108は、ログイン等に用いられるユーザIDとパスワード、メールアドレス、年齢、性別、報酬支払用の口座情報などのデータ項目を有する。口座情報は、選フラグが付与されたタイムライン上のコメントを投稿した視聴者に対して報酬を付与する際に用いられる。
【0057】
コメント管理DB109は、コメント識別子を示すコメントID、コメントした視聴者のユーザID、コメントが投稿された日時、コメント内容、当選フラグなどのデータ項目を有する。当選フラグには、当選フラグ付与部105により当該コメントに対して当選フラグが付与された場合、「1」が格納される。
【0058】
<情報処理>
図9は、本実施形態に係るライブ配信サーバのコメントボーナス付与処理を示すフローチャート図である。CPU11が本フローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップ(以下、「S」と表記する)を実現することができる。
【0059】
S1:配信サーバ10は、各々の視聴者端末30からのコメント受付を開始したか否かを判定する。コメント受付を開始した場合、S2へ進む。
【0060】
S2:配信サーバ10は、当選フラグを付与すべきタイミングは否かを判定する。選フラグを付与すべきタイミングである場合、S3へ進む。当選フラグ発生のタイミングは、例えば上述の(1)〜(3)である。
【0061】
S3:配信サーバ10は、タイムライン上のコメントに対して当選フラグを付与する当選フラグ付与処理を実行する。図3〜5に示されたように、例えば当選フラグが発生した同時のタイミングで書き込まれたコメントに当選フラグを付与する。同時のタイミングで書き込まれたコメントがない場合は、当選フラグが発生したタイミングの一つ前又は次のコメントを書き込みしたコメントに当選フラグ(即ち、コメントボーナス獲得権)を付与する。
【0062】
S4:配信サーバ10は、各々の視聴者端末30からのコメント受付を終了したか否かを判定する。コメント受付を終了した場合、ENDへ進み、コメント受付を終了しない場合、再びS2へ進む。
【0063】
<総括>
本実施形態に係るライブ配信システム100においては、ライブ配信中に視聴者がリアルタイムにコメントを投稿するためのライブコメント機能を備え、視聴者のコメントを促すインセンティブとして、コメントの書き込みを行った一部の視聴者に対してコメントボーナスなる報酬を付与する。これにより、視聴者もコメントを書き込むという形でその場に主体的に参加を促しつつライブコメントも増加するため、ライブ配信の場をいっそう盛り上げることが可能となる。即ち、本実施形態によれば、インターネットを用いたライブ配信の場において趣向性を向上させることが可能である。
【0064】
なお、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0065】
10 ライブ配信サーバ
20 出場者端末
30 視聴者端末
50 ネットワーク
100 ライブ配信システム
101 動画配信制御部
102 ライブコメント管理部
103 タイムライン表示制御部
104 コメント受付部
105 当選フラグ付与部
106 報酬付与部
107 記憶部
301 表示部
302 投稿部
【要約】
【課題】インターネットを用いたライブ配信の場において趣向性を向上させる
【解決手段】本発明に係るライブ配信装置は、視聴者端末の画面上にライブ動画を配信するライブ配信装置であって、一の視聴者端末により投稿されたコメントを、全視聴者端末の画面上のタイムラインに表示させる表示制御手段と、所定のタイミングで、コメントに対して当選フラグを付与する当選フラグ付与手段と、当選フラグが付与されたコメントを投稿した視聴者に対して報酬を付与する報酬付与手段と、を有する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9