特許第6924011号(P6924011)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6924011内側バンド及び外側バンド冷却を備えたタービンノズル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6924011
(24)【登録日】2021年8月3日
(45)【発行日】2021年8月25日
(54)【発明の名称】内側バンド及び外側バンド冷却を備えたタービンノズル
(51)【国際特許分類】
   F01D 9/02 20060101AFI20210812BHJP
【FI】
   F01D9/02 102
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-195327(P2016-195327)
(22)【出願日】2016年10月3日
(65)【公開番号】特開2017-101654(P2017-101654A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2019年9月24日
(31)【優先権主張番号】14/880,565
(32)【優先日】2015年10月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】サンディップ・ダッタ
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・ポール・レイシー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・アンソニー・ウェーバー
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ギャレン・スティーヴンス
【審査官】 山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第08632298(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0025842(US,A1)
【文献】 特開2001−059402(JP,A)
【文献】 特開2012−102732(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0239432(US,A1)
【文献】 特開平08−082201(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0135772(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンノズル(100)であって、
内側バンド(200)から外側バンド(300)までスパン方向に延びる翼形部(400)であって、前記内側バンド(200)及び外側バンド(300)が当該タービンノズル(100)の内側及び外側流れ境界を定める翼形部(400)と、
前記内側バンド(200)のガス側表面(216)を少なくとも部分的に覆う1又はそれ以上の内側プレート(226)と、
前記内側バンド(200)のガス側表面(216)内で前記1又はそれ以上の内側プレート(226)の真下に形成される複数の冷却チャンネル(214)と、
前記外側バンド(300)のガス側表面(216)を少なくとも部分的に覆う1又はそれ以上の外側プレート(326)と、
前記外側バンド(300)のガス側表面(216)内で前記1又はそれ以上の外側プレート(326)の真下に形成される複数の冷却チャンネル(314)であって、前記外側バンド(300)の複数の冷却チャンネル(314)が、前記翼形部(400)の正圧側壁(412)と前記外側バンド(300)の正圧側壁(312)との間に定められる少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネル(320)、及び前記翼形部(400)の正圧側壁(412)の湾曲に沿うように配向した少なくとも1つの冷却チャンネルを含む、複数の冷却チャンネル(314)と、
冷却媒体を前記少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネル(320)に流入させるための流路を定める第1のアパーチャ(322)と、
冷却媒体を前記翼形部(400)の正圧側壁(412)の湾曲に沿うように配向した少なくとも1つの冷却チャンネルに流入させるための流路を定める第2のアパーチャ(322)と、
前記1又はそれ以上の内側プレート(226)に定められる複数の排気ポート(228)であって、該複数の排気ポート(228)の各々が、前記内側バンド(200)の複数の冷却チャンネル(214)のうちの対応する冷却チャンネル(214)から前記1又はそれ以上の内側プレート(226)のうちの対応する内側プレート(226)を貫通して半径方向外側に延びる、複数の排気ポート(228)と、
前記1又はそれ以上の外側プレート(326)に定められる複数の排気ポート(328)であって、該複数の排気ポート(328)の各々が、前記外側バンド(300)の複数の冷却チャンネル(314)のうちの対応する冷却チャンネル(314)から前記1又はそれ以上の外側プレート(326)のうちの対応する側プレート(326)を貫通して半径方向内側に延びる、複数の排気ポート(328)と
を備えるタービンノズル(100)。
【請求項2】
前記外側バンド(300)の複数の冷却チャンネル(314)が、前記翼形部(400)の前縁部分(406)と、前記外側バンド(300)の前方壁(306)との間に定められる少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネル(318)を含む、請求項1に記載のタービンノズル(100)。
【請求項3】
前記内側バンド(200)の複数の冷却チャンネル(214)が、少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネル(220,222)を含む、請求項1又は請求項2に記載のタービンノズル(100)。
【請求項4】
前記内側バンド(200)の複数の冷却チャンネル(214)が、前記翼形部(400)の前縁部分(406)と、前記内側バンド(200)の前方壁(206)との間に定められる少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネル(220)を含む、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のタービンノズル(100)。
【請求項5】
前記内側バンド(200)の複数の冷却チャンネル(214)が、前記翼形部(400)の正圧側壁(412)と、前記内側バンド(200)の正圧側壁(212)との間に定められる少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネルを含む、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のタービンノズル(100)。
【請求項6】
前記内側バンド(200)の複数の冷却チャンネル(214)が、前記内側バンド(200)の前縁部分(218)に沿って配置され且つ前記内側バンド(200)の正圧側壁(210)と負圧側壁(212)との間に延びる少なくとも1つの冷却チャンネル(214)を含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のタービンノズル(100)。
【請求項7】
前記外側バンド(300)の複数の冷却チャンネル(314)が、高密度に離間した冷却チャンネル(314a)のグループと、疎密度に離間した冷却チャンネル(314b)のグループとを含む、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のタービンノズル(100)。
【請求項8】
前記内側バンド(200)の複数の冷却チャンネル(214)が、高密度に離間した冷却チャンネル(214a)のグループと、疎密度に離間した冷却チャンネル(214b)のグループとを含む、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のタービンノズル(100)。
【請求項9】
ガスタービン(10)であって、当該ガスタービンが、
圧縮機(16)と、
前記圧縮機(16)の下流側にある燃焼器(20)と、
前記燃焼器(20)の下流側にあるタービン(24)と
を備え、前記タービン(24)が、タービンノズル(100)の列と、タービンロータブレード(34)の列とを含み、前記タービンノズル(100)の少なくとも1つが請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のタービンノズル(100)である、ガスタービン(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に、ガスタービン用のタービンノズルに関する。より詳細には、本発明は、内側バンド及び外側バンド冷却を備えたタービンノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
産業用、航空機用、又は船舶用ガスタービンなどのガスタービンは、一般に、直列流れ順に、圧縮機、燃焼器、及びタービンを含む。タービンは、複数の段を有し、各段が、タービンノズルの列と、タービンノズルから下流側に配置されたタービンロータブレードの隣接する列とを含む。タービンノズルは、タービン内で静止状態に保持され、タービンロータブレードは、ロータシャフトと共に回転する。種々のタービン段は、タービンを通る高温ガス経路を定める。
【0003】
作動中、圧縮機は、燃焼器に圧縮空気を提供する。圧縮空気は、燃料と混合され、燃焼器内に定められる燃焼室又は反応ゾーンにおいて燃焼し、高温ガスの高速ストリームを生成する。高温ガスは、燃焼器からタービン入口を介してタービンの高温ガス経路に流入する。高温ガス流が連続する各段を通って流れると、高速の高温ガスからの運動エネルギーがタービンロータブレードの列に伝達され、このようにして、ロータシャフトの回転を生じさせ、機械的仕事を生成するようになる。
【0004】
タービン効率は、少なくとも1つには、タービン高温ガス経路を流れる高温ガスの温度に関係付けることができる。例えば、高温ガスの温度が高い程、タービンの全体効率が高くなる。高温ガスの最大温度は、少なくとも部分的には、タービンノズル及びタービンロータブレードなどのタービン構成要素の材料特性によって、並びに種々のタービン構成要素に冷却を提供するための種々の冷却回路及び該冷却回路を通って循環する冷却媒体の有効性によって制限される。
【0005】
タービンノズル及びタービンロータブレードの第1の段は、タービン入口に最も近接して位置付けられ、従って、最も高いガス温度に晒される。第1段タービンノズルは、内側バンド又はシュラウドと外側バンド又はシュラウドとの間でスパン方向に延びる翼形部を含む。内側バンド及び外側バンドは、高温ガス経路の内側及び外側流れ境界を定め、高温ガスに晒される。
【0006】
第1段タービンノズルは通常、タービンノズルの翼形部分を通って半径方向に延びる中央又はコア冷却チャンネルに圧縮空気などの冷却媒体を通過させることにより冷却される。冷却媒体の一部は、翼形部に沿って定められる種々のフィルム孔を通って流れ、このようにして翼形部にフィルム冷却を提供する。タービンノズルの内側バンド及び外側バンドは、背面又はインピンジメント冷却を介して冷却される。しかしながら、背面冷却の恩恵は限定的な場合がある。従って、冷却が改善されたタービンノズルが有用となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第9,015,944号明細書
【発明の概要】
【0008】
本発明の態様及び利点は、以下の説明において記載され、又は本説明から明らかになることができ、或いは、本発明を実施することによって理解することができる。
【0009】
本発明の1つの実施形態は、タービンノズルである。タービンノズルは、内側バンドから外側バンドまでスパン方向で延びる翼形部を含む。内側バンド及び外側バンドが共に、タービンノズルの内側及び外側流れ境界を定める。内側バンドが、1又はそれ以上の内側プレートによって少なくとも部分的に覆われるガス側表面を有する。内側バンドはまた、1又はそれ以上の内側プレートの真下のガス側表面内に形成される複数の冷却チャンネルを含む。外側バンドは、1又はそれ以上の外側プレートによって少なくとも部分的に覆われるガス側表面を有する。外側バンドはまた、1又はそれ以上の外側プレートの真下のガス側表面内に形成される複数の冷却チャンネルを含む。
【0010】
本発明の別の実施形態は、ガスタービンである。ガスタービンは、圧縮機と、圧縮機から下流側にある燃焼器と、燃焼器から下流側にあるタービンと、を含む。タービンは、直列流れ順にタービンノズルの列とタービンロータブレードの列とを有する段を備える。少なくとも1つのタービンノズルは、内側バンドから外側バンドまでスパン方向で延びる翼形部を備え、上記内側バンド及び外側バンドがタービンノズルの内側及び外側流れ境界を定める。内側バンドは、1又はそれ以上の内側プレートによって少なくとも部分的に覆われるガス側表面を含む。内側バンドはまた、1又はそれ以上の内側プレートの真下のガス側表面内に形成される複数の冷却チャンネルを含む。外側バンドは、1又はそれ以上の外側プレートによって少なくとも部分的に覆われるガス側表面を有する。外側バンドはまた、1又はそれ以上の外側プレートの真下のガス側表面内に形成される複数の冷却チャンネルを含む。
【0011】
当業者であれば、本明細書を精査するとこのような実施形態の特徴及び態様、並びにその他がより理解されるであろう。
【0012】
添付図面を参照することを含めて、本明細書の残りの部分において、当業者にとって最良の形態を含む本発明の完全且つ有効な開示が記載される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の種々の実施形態を包含することができる例示的なガスタービンの概略図。
図2】本発明の種々の実施形態を包含することができるタービンの例示的なタービンセクションの側断面図。
図3】本発明の1又はそれ以上の実施形態を包含することができる例示的なタービンノズルの側方斜視図。
図4図4は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、図3に示す切断線4−4に沿って見た内側バンドを含むタービンノズルの一部の上面断面図。
図5図5は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、図3に示す切断線5−5に沿って見た外側バンドを含むタービンノズルの一部の下部断面図。
図6】本発明の少なくとも1つの実施形態による、図3に示すタービンノズルの外側バンド部分の部分斜視図。
図7】本発明の少なくとも1つの実施形態による、図3に示すタービンノズルの内側バンド部分の部分斜視図。
図8】本発明の少なくとも1つの実施形態による、図4及び5にそれぞれ示されるタービンノズルの内側バンド又は外側バンド何れかに形成することができる例示的な冷却チャンネルの断面図。
図9】本発明の少なくとも1つの実施形態による、図4及び5にそれぞれ示されるタービンノズルの内側バンド又は外側バンド何れかに形成することができる隣接する冷却チャンネルの上面図。
図10】本発明の少なくとも1つの実施形態による、図4に示すタービンノズルの一部の上方断面図。
図11】本発明の少なくとも1つの実施形態による、図5に示すタービンノズルの一部の下方断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、その1つ又はそれ以上の実施例が添付図面に例示されている本発明の実施形態について詳細に説明する。詳細な説明では、図面中の特徴部を示すために参照符号及び文字表示を使用している。本発明の同様の又は類似の要素を示すために、図面及び説明において同様の又は類似の記号表示を使用している。
【0015】
本明細書で使用される用語「第1」、「第2」、及び「第3」は、ある構成要素を別の構成要素と区別するために同義的に用いることができ、個々の構成要素の位置又は重要性を意味することを意図したものではない。用語「上流」及び「下流」は、流体通路における流体流れに対する相対的方向を指す。例えば、「上流」は、流体がそこから流れる方向を指し、「下流」は流体がそこに向けて流れ込む方向を指す。用語「半径方向」は、特定の構成要素の軸方向中心線に実質的に垂直な相対方向を指し、用語「軸方向」は、特定の構成要素の軸方向中心線に実質的に平行な及び/又は同軸に整列された相対方向を指す。
【0016】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。本明細書で使用される単数形態は、前後関係から明らかに別の意味を示さない限り複数形態も含む。更に、本明細書内で使用する場合に、用語「備える」及び/又は「備えている」という用語は、そこに述べた特徴部、完全体、ステップ、動作、要素及び/又は構成部品の存在を明示しているが、1つ又はそれ以上の他の特徴部、完全体、ステップ、動作、要素、構成部品及び/又はそれらの群の存在又は付加を排除するものではないことは理解されるであろう。
【0017】
各実施例は、本発明の限定ではなく、例証として提供される。実際に、本発明の範囲又は技術的思想から逸脱することなく、修正形態及び変形形態を本発明において実施できることは、当業者であれば理解されるであろう。例えば、1つの実施形態の一部として例示され又は説明される特徴は、別の実施形態と共に使用して更に別の実施形態を得ることができる。従って、本発明は、そのような修正及び変形を特許請求の範囲及びその均等物の技術的範囲内に属するものとして保護することを意図している。
【0018】
本発明の例示的な実施形態は、例示の目的で陸上ベースの発電用ガスタービンのためのタービンノズルに関して全体に説明しているが、請求項に別途規定のない限り、本発明の実施形態は、あらゆる型式又はタイプのガスタービンに適用することができ、陸上ベースの発電用ガスタービンに限定されないことは、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0019】
ここで図面を参照すると、図1は、本発明の種々の実施形態を包含することができる例示的なガスタービン10の概略図を示す。図示のように、ガスタービン10は、一般に、軸流圧縮機16の上流側端部に配置された入口14を有する圧縮機セクション12を含む。ガスタービン10は更に、圧縮機16から下流側に位置付けられた1又はそれ以上の燃焼器20を有する燃焼セクション18と、燃焼セクション18から下流側に配置された膨張タービンのようなタービン24を含むタービンセクション22と、を含む。シャフト26は、ガスタービン10の軸方向中心線28に沿って圧縮機16及びタービン24を通って軸方向に延びる。
【0020】
図2は、本発明の種々の実施形態を包含することができる例示的なタービン24の側断面図を示す。図2に示すように、タービン24は、複数のタービン段30を含むことができる。例えば、タービン24は、第1段30(a)、第2段30(b)及び第3段30(c)を含む、3つのタービン段30を含むことができる。タービン段30の総数は、3つよりも多くても少なくてもよく、本発明の実施形態は、請求項に別途記載のない限り、3つのタービン段に限定されない。
【0021】
図2に示すように、各段30(a−c)は、直列流れ順で、シャフト26(図1)に沿って軸方向に離間して配置された、タービンノズル32(a),32(b)及び32(c)の対応する列と、タービンロータブレード34(a),34(b)及び34(c)の対応する列と、を含む。ケーシング又はシェル36は、タービンノズル32(a−c)及びタービンロータブレード34(a−c)からなる各段30(a−c)を円周方向に囲む。タービンノズル32(a−c)は、ガスタービン10の作動中にタービンロータブレード34(a−c)に対して静止している。
【0022】
作動時には、図1及び2に全体的に示すように、圧縮機16からの圧縮空気38は、燃焼器20に提供され、ここで圧縮空気が燃料と混合されて燃焼して、高温燃焼ガス40のストリームをもたらし、これが燃焼器20からタービン24に流入する。圧縮空気38の少なくとも一部は、タービンノズル32(a−c)及びタービンロータブレード34(a−c)などのタービンの種々の構成要素を冷却するための冷却媒体として用いることができる。
【0023】
図3は、図2に示すようなタービン24に組み込むことができ、本発明の種々の実施形態を包含することができる例示的なタービンノズル100の斜視図を示す。タービンノズル100は、タービンノズル32(a−c)の何れかに相当し、又は何れかの代わりに設置することができる。特定の実施形態において、タービンノズル100は、当該産業分野において第1段ノズルすなわちS1Nとしても知られている第1段30(a)のタービンノズル32(a)に相当する。
【0024】
図3に示すように、タービンノズル100は、内側バンド200と、該内側バンド200から半径方向に離間した外側バンド300と、内側バンド200から外側バンド300までスパン方向で延びる翼形部400と、を含む。内側バンド200は、ガス側面202と、ガス側面202から半径方向内向きに配向された裏面204とを含む。外側バンド300は、ガス側面302と、該ガス側面302から半径方向外向きに配向された裏面304とを含む。図2及び3に全体的に示すように、外側バンド300のガス側面302及び内側バンド200のガス側面202は、燃焼器20からタービン24を通って高速度で流れる高温燃焼ガス40のストリームの内側及び外側流れ境界を定める。
【0025】
図4は、図3に示す切断線4−4に沿って見たタービンノズル100の一部の上部断面図を示し、本発明の1つの実施形態による翼形部400及び内側バンド200の一部を含む。図5は、図3に示す切断線5−5に沿って見たタービンノズル100の一部の下部断面図を示し、本発明の1つの実施形態による翼形部400及び外側バンド300の一部を含む。
【0026】
図4及び5に示すように、翼形部400は、内側及び外側バンド200,300それぞれの前方壁206,306に近接して配置された前縁部分406と、内側及び外側バンド200,300それぞれの後方壁208,308に近接して配置された後縁部分408と、負圧側壁410と、正圧側壁412と、を含む。
【0027】
図4に示すように、内側バンド200は、負圧側壁210及び正圧側壁212を含む。図5に示すように、外側バンド300は、負圧側壁310及び正圧側壁312を含む。種々の実施形態において、図3、4及び5に全体的に示されるように、タービンノズル100は、一次冷却チャンネル102を含む、及び/又は少なくとも部分的に定める。1つの実施形態において、一次冷却チャンネル102は、外側バンド300、翼形部400及び内側バンド200を通って半径方向に延びる。
【0028】
1つの実施形態において、図4に示すように、内側バンド200は、該内側バンド200の上部又はガス側表面216に機械加工、鋳造、又は他の方法で形成された複数の冷却チャンネル214を定め、また、図5に示すように、外側バンド300は、該外側バンド300の上部又はガス側表面316に機械加工、鋳造、又は他の方法で形成された複数の冷却チャンネル314を定める。
【0029】
内側バンド200に関して、図4に示すように、冷却チャンネル214は、内側バンド200の特定の冷却要件に応じて様々な位置でガス側表面216に沿って配置することができる。例えば、特定の実施形態において、複数の冷却チャンネル214のうちの少なくとも一部は、翼形部400の前縁部分406、負圧側壁410、後縁部分408及び正圧側壁412のうちの1又はそれ以上のものの湾曲又は輪郭に沿う又は実質的に沿うような配列又は配向にすることができる。冷却チャンネル214の少なくとも一部は、内側バンド200の負圧側壁210又は後方壁208に近接して配置することができる。1つの実施形態において、冷却チャンネル214の少なくとも1つは、負圧側壁210と正圧側壁212との間で内側バンド200の前縁部分218に沿って延びる。
【0030】
1つの実施形態において、図4に示すように、複数の冷却チャンネル214のうちの1又はそれ以上の冷却チャンネルは、蛇行又は「S字」形状にされる。特定の実施形態において、少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネル220は、内側バンド200の前方壁206と翼形部400の前縁部分406との間に配置される。特定の実施形態において、少なくとも1つの蛇行形状又は「S字」形状の冷却チャンネル222は、翼形部の負圧側壁410と内側バンド200の後方壁208との間に配置される。特定の実施形態において、「S字」形状の冷却チャンネル220は、冷却特性を最適化するため、冷却チャンネルの長さ又は管路に沿って深さDの変動を有することができる。例えば、「S字」形状の冷却チャンネル220は、中央でより深くなり、「S字」形状の冷却チャンネル220の両端においてより浅くすることができる。
【0031】
複数のアパーチャ224は、裏面204(図3)から内側バンド200を通って冷却チャンネル214のうちの1又はそれ以上に流れるように、圧縮空気38のような冷却媒体用の流路を定める。冷却チャンネル214のうちの1又はそれ以上は、内側バンド200の負圧側壁210及び正圧側壁212に沿って冷却媒体を排出するよう構成することができる。「S字」形状の冷却チャンネル220は、複数のアパーチャ226及び出口を有することができる。例えば、「S字」形状の冷却チャンネル220のうちの1又はそれ以上は、「S字」形状の冷却チャンネル220の中間部分に近接して定められたアパーチャ224と、「S字」形状の冷却チャンネル220の両端に定められた出口と、を有することができ、或いは、両端にて2つのアパーチャ222と、「S字」形状の冷却チャンネル220の中間部分に近接した出口と、を有することができる。
【0032】
外側バンド300に関して、図5に示すように、冷却チャンネル314は、内側バンド300の特定の冷却要件に応じて様々な位置でガス側表面316に沿って配置することができる。例えば、特定の実施形態において、複数の冷却チャンネル314のうちの少なくとも一部は、翼形部400の前縁部分406、負圧側壁410、後縁部分408及び正圧側壁412のうちの1又はそれ以上のものの湾曲又は輪郭に沿う又は実質的に沿うような配列又は配向にすることができる。冷却チャンネル314の少なくとも一部は、外側バンド300の負圧側壁310又は後方壁308に近接して配置することができる。
【0033】
1つの実施形態において、図5に示すように、複数の冷却チャンネル314のうちの1又はそれ以上の冷却チャンネル318は、蛇行又は「S字」形状にされる。特定の実施形態において、複数の冷却チャンネル314は、外側バンド300の前方壁306と翼形部400の前縁部分406との間に配置された少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネル318を含む。特定の実施形態において、複数の冷却チャンネル314は、翼形部400の正圧側壁412と外側バンド300の正圧側壁312との間に配置された少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネル320を含む。特定の実施形態において、「S字」形状の冷却チャンネル318の1又はそれ以上は、冷却特性を最適化するため、冷却チャンネル318の長さ又は管路に沿って深さDの変動を有することができる。例えば、「S字」形状の冷却チャンネル318は、中央でより深くなり、「S字」形状の冷却チャンネル318の両端においてより浅くすることができる。
【0034】
複数のアパーチャ322は、裏面304(図3)から外側バンド300を通って冷却チャンネル314のうちの1又はそれ以上に流れるように、圧縮空気38のような冷却媒体用の流路を定める。冷却チャンネル314のうちの1又はそれ以上は、外側バンド300の負圧側壁310及び正圧側壁312又は後方壁308に沿って冷却媒体を排出するよう構成することができる。「S字」形状の冷却チャンネル318のうちの1又はそれ以上は、複数のアパーチャ322及び出口を有することができる。例えば、「S字」形状の冷却チャンネル318のうちの1又はそれ以上は、「S字」形状の冷却チャンネル318の中間部分に近接して定められたアパーチャ322と、「S字」形状の冷却チャンネル328の両端において定められた出口とを有することができ、或いは、両端にて2つのアパーチャ322と、「S字」形状の冷却チャンネル318の中間部分に近接した出口と、を有することができる。
【0035】
図6は、本発明の1つの実施形態による、図5に示す外側バンド300の半径方向外向き断面図を示す。図7は、本発明の1つの実施形態による、図5に示す内側バンド200の上方断面図を示す。種々の実施形態において、外側バンド300(図5)のガス側表面316に沿って定められた冷却チャンネル314は、1又はそれ以上の外側プレート326によって覆われる。種々の実施形態において、内側バンド200(図4)のガス側表面216に沿って定められる冷却チャンネル214は、1又はそれ以上の内側プレート226によって覆われる。特定の実施形態において、図6及び7に示すように、複数の排気ポート228,328が、1又はそれ以上の内側プレート226及び1又はそれ以上の外側プレート326のうちの1又はそれ以上によって定められる。各排気ポート228,328は、対応する冷却チャンネル214,314から対応する内側プレート226又は外側プレート326をそれぞれ通る流路を定め、ガスタービン10の燃焼運転中に外側バンド300のガス側面202及び外側バンド300のガス側面302にフィルム冷却を提供するようにする。特定の実施形態において、排気ポート228,328の1又はそれ以上は、冷却媒体が燃焼ガス40のストリームの流れ方向に対して実質的に垂直に冷却チャンネル214,314から流出するように形成することができる。特定の実施形態において、排気ポート228,328のうちの1又はそれ以上は、冷却媒体が燃焼ガス40のストリームの流れ方向に対して所定角度で冷却チャンネル214,314から流出するように形成することができる。特定の実施形態において、排気ポート228,328のうちの1又はそれ以上は、少なくとも部分的に楕円、円形、三角形、矩形又は方形の形状を有することができる。1つの実施形態において、排気ポート228,328のうちの1又はそれ以上は、冷却媒体が対応するガス側面202,302の一部にわたって拡散又は分散されるように形成することができる。特定の実施形態において、複数の冷却チャンネル214,314は、冷却トレンチを介し共通の排気ポート228,328を通じて排出することができる。
【0036】
図8は、本発明の種々の実施形態による、冷却チャンネル214及び314の何れかを表すことができる例示的な冷却チャンネルの断面図を示す。図9は、本発明の種々の実施形態による、冷却チャンネル214及び314を表すことができる隣接する冷却チャンネルの上面図を示す。図8の例示的な冷却チャンネル214及び314には、略「U字」形状すなわち半円断面輪郭を有して図示されているが、冷却チャンネル214及び314は、あらゆる断面輪郭を有することができ、請求項に別途記載のない限り、図示の「U字」形断面輪郭に限定されないことは理解されたい。特定の実施形態において、冷却チャンネル214及び314は、実質的に方形、三角形、涙形、及び/又はダブテールもしくは他の断面輪郭を有することができる。断面輪郭の形状及び/又はサイズは、冷却チャンネル214,314のうちの1又はそれ以上のチャンネルの長さに沿って変わることができる。
【0037】
特定の実施形態において、図8に示すように、各冷却チャンネル214,314は、深さD及び幅Wを有し、各冷却チャンネル214,314の底部は、半径Rを有する。深さDは、ガス側表面216,316それぞれから測定することができる。図9に示すように、複数の冷却チャンネル214,314のうちの隣接する冷却チャンネル、又は蛇行形状の冷却チャンネルのような単一の冷却チャンネルの複数の通路は、ピッチPで離間して配置される。深さD、幅W、半径R、及び隣接する冷却チャンネル214,314間のピッチPは、内側及び外側バンド200,300の壁厚及び/又は内側及び外側バンド200,300のガス側面202,302にわたる熱分布などの要因に少なくとも部分的に基づいて、ガス側表面216,316に沿って変化することができる。
【0038】
図10は、本発明の1つの実施形態による、図4に示す内側バンド200の上方断面図を示す。図11は、本発明の1つの実施形態による、図5に示す外側バンド300の半径方向外向き断面図を示す。特定の実施形態において、図11に示すように、外側バンド300の複数の冷却チャンネル314は、高密度に実装された冷却チャンネル314(a)の1又はそれ以上のグループ及び疎密度に実装された冷却チャンネル314(b)の1又はそれ以上のグループを含むことができる。
【0039】
特定の実施形態において、内側バンド200に関して、高密度に実装された冷却チャンネル214(a)のグループを構成する冷却チャンネル214の幅Wは、半径Rの約2倍に等しい。疎密度に実装された冷却チャンネル214(b)のグループを構成する冷却チャンネル214の幅Wは、半径Rの約2倍に等しい。疎密度に実装された冷却チャンネル214(b)のグループを構成する冷却チャンネル214の深さDは、高密度に実装された冷却チャンネル214(a)の深さDの約1.3倍に等しい。隣接する疎密度に実装された冷却チャンネル214(b)間のピッチP又は間隔は、隣接する高密度に実装された冷却チャンネル214(a)間のピッチPの約2倍に等しい。
【0040】
1つの実施形態において、高密度に実装された冷却チャンネル214(a)のグループを構成する冷却チャンネル214の幅Wは、これらの冷却チャンネルの半径Rの約2倍に等しい。1つの実施形態において、疎密度に実装された冷却チャンネル214(b)のグループを構成する冷却チャンネル214の幅Wは、これらの冷却チャンネルの半径Rの約2倍に等しい。1つの実施形態において、高密度に実装された冷却チャンネル214(a)のグループを構成する冷却チャンネル214の幅Wは、これらの冷却チャンネルの半径Rの1.8〜2.2倍に等しい。特定の実施形態において、疎密度に実装された冷却チャンネル214(b)のグループを構成する冷却チャンネル214の幅Wは、冷却チャンネル214のうちの1又はそれ以上の冷却チャンネルの管路に沿って変化することができる。例えば、対応する冷却チャンネル214の側壁は、角度付き又は非垂直とすることができる。特定の実施形態において、疎密度に実装された冷却チャンネル214(b)の1又はそれ以上の冷却チャンネル214の特定の位置における深さDは、高密度に実装された冷却チャンネル214(a)の1又はそれ以上の冷却チャンネル214の特定の位置における深さDの約1.3〜約2.5倍に等しい。1つの実施形態において、疎密度に実装された冷却チャンネル214(b)の1又はそれ以上の冷却チャンネル214の特定の位置における深さDは、高密度に実装された冷却チャンネル214(a)の深さDの1.3〜2.5倍に等しい。1つの実施形態において、疎密度に実装された冷却チャンネル214(b)の1又はそれ以上の冷却チャンネル214の特定の位置における深さDは、高密度に実装された冷却チャンネル214(a)の深さDの2.0〜5.0倍に等しい。1つの実施形態において、疎密度に実装された冷却チャンネル214(b)の1又はそれ以上の冷却チャンネル214の特定の位置における深さDは、高密度に実装された冷却チャンネル214(a)の深さDの1.3倍に等しい。特定の実施形態において、深さDは、疎密度に実装された冷却チャンネル214(b)の1又はそれ以上の冷却チャンネル214の管路に沿って変化することができる。
【0041】
隣接する疎密度に実装された冷却チャンネル214(b)間のピッチP又は間隔は、隣接する高密度に実装された冷却チャンネル214(a)間のピッチPの約2倍〜5倍に等しい。特定の実施形態において、隣接する疎密度に実装された冷却チャンネル214(b)間のピッチP又は間隔は、隣接する高密度に実装された冷却チャンネル214(a)間のピッチPのピッチPの2倍に等しい。
【0042】
特定の実施形態において、外側バンド300に関して、高密度に実装された冷却チャンネル314(a)のグループを構成する冷却チャンネル314の幅Wは、半径Rの約2倍に等しい。疎密度に実装された冷却チャンネル314(b)のグループを構成する冷却チャンネル314の幅Wは、半径Rの約2倍に等しい。疎密度に実装された冷却チャンネル314(b)のグループを構成する冷却チャンネル314の深さDは、高密度に実装された冷却チャンネル314(a)の深さDの約1.3倍に等しい。隣接する疎密度に実装された冷却チャンネル314(b)間のピッチP又は間隔は、隣接する高密度に実装された冷却チャンネル314(a)間のピッチPの約2倍に等しい。
【0043】
1つの実施形態において、高密度に実装された冷却チャンネル314(a)のグループを構成する冷却チャンネル314の幅Wは、これらの冷却チャンネルの半径Rの約2倍に等しい。1つの実施形態において、疎密度に実装された冷却チャンネル314(b)のグループを構成する冷却チャンネル314の幅Wは、これらの冷却チャンネルの半径Rの約2倍に等しい。1つの実施形態において、高密度に実装された冷却チャンネル314(a)のグループを構成する冷却チャンネル314の幅Wは、これらの冷却チャンネルの半径Rの1.8〜2.2倍に等しい。特定の実施形態において、疎密度に実装された冷却チャンネル314(b)のグループを構成する冷却チャンネル314の幅Wは、冷却チャンネル314のうちの1又はそれ以上の冷却チャンネルの管路に沿って変化することができる。例えば、対応する冷却チャンネル314の側壁は、角度付き又は非垂直とすることができる。
【0044】
特定の実施形態において、疎密度に実装された冷却チャンネル314(b)の1又はそれ以上の冷却チャンネル314の特定の位置における深さDは、高密度に実装された冷却チャンネル314(a)の1又はそれ以上の冷却チャンネル314の特定の位置における深さDの約1.3〜約2.5倍に等しい。1つの実施形態において、疎密度に実装された冷却チャンネル314(b)の1又はそれ以上の冷却チャンネル314の特定の位置における深さDは、高密度に実装された冷却チャンネル314(a)の深さDの1.3〜2.5倍に等しい。1つの実施形態において、疎密度に実装された冷却チャンネル314(b)の1又はそれ以上の冷却チャンネル314の特定の位置における深さDは、高密度に実装された冷却チャンネル314(a)の深さDの2.0〜5.0倍に等しい。1つの実施形態において、疎密度に実装された冷却チャンネル314(b)の1又はそれ以上の冷却チャンネル314の特定の位置における深さDは、高密度に実装された冷却チャンネル314(a)の深さDの1.3倍に等しい。特定の実施形態において、深さDは、疎密度に実装された冷却チャンネル314(b)の1又はそれ以上の冷却チャンネル314の管路に沿って変化することができる。
【0045】
隣接する疎密度に実装された冷却チャンネル314(b)間のピッチP又は間隔は、隣接する高密度に実装された冷却チャンネル314(a)間のピッチPの約2倍〜5倍に等しい。特定の実施形態において、隣接する疎密度に実装された冷却チャンネル314(b)間のピッチP又は間隔は、隣接する高密度に実装された冷却チャンネル314(a)間のピッチPのピッチPの2倍に等しい。
【0046】
本明細書で提供される冷却チャンネル214,314は、タービンノズルの既存の冷却方式に優る様々な技術上の利点をもたらす。例えば、本明細書で提供される冷却チャンネルは、内側プレート226又は外側プレート326それぞれの真下にガス側表面216,316に沿って延在する。これにより、内側バンド200及び外側バンド300のバルクが燃焼ガス40のストリームの高温に晒されるのが防止され、従って、ベース金属の軟化を防ぎ、長期間にわたる内側バンド200及び外側バンド300の材料寿命を改善することができる。本明細書で提示される冷却チャンネル214,314は、必要な冷却媒体の量を低減し、内側バンド200及び外側バンド300の動作温度を許容限度内に維持することができる。
【0047】
本明細書は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、また、あらゆる当業者が、あらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること並びにあらゆる組み込み方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。
【0048】
最後に、代表的な実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
タービンノズルであって、
内側バンドから外側バンドまでスパン方向で延び、上記内側バンド及び外側バンドが上記タービンノズルの内側及び外側流れ境界を定める翼形部を備え、
上記内側バンドが、1又はそれ以上の内側プレートによって少なくとも部分的に覆われるガス側表面を有し、上記内側バンドが、上記1又はそれ以上の内側プレートの真下の上記ガス側表面内に形成される複数の冷却チャンネルを含み、
上記外側バンドが、1又はそれ以上の外側プレートによって少なくとも部分的に覆われるガス側表面を有し、
上記外側バンドが、上記1又はそれ以上の外側プレートの真下の上記ガス側表面内に形成される複数の冷却チャンネルを含む、タービンノズル。
[実施態様2]
上記外側バンドの複数の冷却チャンネルが、少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネルを含む、実施態様1に記載のタービンノズル。
[実施態様3]
上記外側バンドの複数の冷却チャンネルが、上記翼形部の前縁部分と上記外側バンドの前方壁との間に定められる少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネルを含む、実施態様1に記載のタービンノズル。
[実施態様4]
上記外側バンドの複数の冷却チャンネルが、上記翼形部の正圧側壁と、上記外側バンドの正圧側壁との間に定められる少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネルを含む、実施態様1に記載のタービンノズル。
[実施態様5]
上記内側バンドの複数の冷却チャンネルが、少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネルを含む、実施態様1に記載のタービンノズル。
[実施態様6]
上記内側バンドの複数の冷却チャンネルが、上記翼形部の前縁部分と、上記内側バンドの前方壁との間に定められる少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネルを含む、実施態様1に記載のタービンノズル。
[実施態様7]
上記内側バンドの複数の冷却チャンネルが、上記翼形部の正圧側壁と、上記外側バンドの正圧側壁との間に定められる少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネルを含む、実施態様1に記載のタービンノズル。
[実施態様8]
上記内側バンドの複数の冷却チャンネルが、上記内側バンドの前縁部分に沿って配置され且つ上記内側バンドの正圧側壁と負圧側壁との間に延びる少なくとも1つの冷却チャンネルを含む、実施態様1に記載のタービンノズル。
[実施態様9]
上記外側バンドの複数の冷却チャンネルが、高密度に離間した冷却チャンネルのグループと、疎密度に離間した冷却チャンネルのグループとを含む、実施態様1に記載のタービンノズル。
[実施態様10]
上記内側バンドの複数の冷却チャンネルが、高密度に離間した冷却チャンネルのグループと、疎密度に離間した冷却チャンネルのグループとを含む、実施態様1に記載のタービンノズル。
[実施態様11]
ガスタービンであって、
圧縮機と、
上記圧縮機から下流側にある燃焼器と、
上記燃焼器から下流側にあるタービンと、
を備え、上記タービンが、タービンノズルの列とタービンロータブレードの列とを有する段を含み、
上記タービンノズルの少なくとも1つが、
内側バンドから外側バンドまでスパン方向で延び、上記内側バンド及び外側バンドが上記タービンノズルの内側及び外側流れ境界を定める翼形部を備え、
上記内側バンドが、1又はそれ以上の内側プレートによって少なくとも部分的に覆われるガス側表面を有し、上記内側バンドが、上記1又はそれ以上の内側プレートの真下の上記ガス側表面内に形成される複数の冷却チャンネルを含み、
上記外側バンドが、1又はそれ以上の外側プレートによって少なくとも部分的に覆われるガス側表面を有し、
上記外側バンドが、上記1又はそれ以上の外側プレートの真下の上記ガス側表面内に形成される複数の冷却チャンネルを含む、ガスタービン。
[実施態様12]
上記外側バンドの複数の冷却チャンネルが、少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネルを含む、実施態様11に記載のガスタービン。
[実施態様13]
上記外側バンドの複数の冷却チャンネルが、上記翼形部の前縁部分と。上記外側バンドの前方壁との間に定められる少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネルを含む、実施態様11に記載のガスタービン。
[実施態様14]
上記外側バンドの複数の冷却チャンネルが、上記翼形部の正圧側壁と、上記外側バンドの正圧側壁との間に定められる少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネルを含む、実施態様11に記載のガスタービン。
[実施態様15]
上記内側バンドの複数の冷却チャンネルが、少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネルを含む、実施態様11に記載のガスタービン。
[実施態様16]
上記内側バンドの複数の冷却チャンネルが、上記翼形部の前縁部分と、上記内側バンドの前方壁との間に定められる少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネルを含む、実施態様11に記載のタービンノズル。
[実施態様17]
上記内側バンドの複数の冷却チャンネルが、上記翼形部の正圧側壁と、上記外側バンドの正圧側壁との間に定められる少なくとも1つの蛇行形状の冷却チャンネルを含む、実施態様11に記載のタービンノズル。
[実施態様18]
上記内側バンドの複数の冷却チャンネルが、上記内側バンドの前縁部分に沿って配置され且つ上記内側バンドの正圧側壁と負圧側壁との間に延びる少なくとも1つの冷却チャンネルを含む、実施態様11に記載のタービンノズル。
[実施態様19]
上記外側バンドの複数の冷却チャンネルが、高密度に離間した冷却チャンネルのグループと、疎密度に離間した冷却チャンネルのグループとを含む、実施態様11に記載のタービンノズル。
[実施態様20]
上記内側バンドの複数の冷却チャンネルが、高密度に離間した冷却チャンネルのグループと、疎密度に離間した冷却チャンネルのグループとを含む、実施態様11に記載のタービンノズル。
【符号の説明】
【0049】
10 ガスタービン
12 圧縮機セクション
14 入口
16 圧縮機
18 燃焼セクション
20 燃焼器
22 タービンセクション
24 タービン
26 ロータシャフト
28 軸方向中心線
30 タービン段
30(a) 第1タービン段
30(b) 第2タービン段
30(c) 第3タービン段
32(a) タービンノズル
32(b) タービンノズル
32(c) タービンノズル
34(a) タービンロータブレード
34(b) タービンロータブレード
34(c) タービンロータブレード
36 シェル/ケーシング
38 圧縮空気
40 燃焼ガスのストリーム
100 タービンノズル
102 一次冷却チャンネル
200 内側バンド
202 ガス側面
204 裏面
206 前方壁/面
208 後方壁/面
210 正圧側壁/面
212 負圧側壁/面
214 冷却チャンネル
214(a) 高密度に実装された冷却チャンネル
214(b) 疎密度に実装された冷却チャンネル
216 ガス側表面
218 前縁部分(内側バンド)
220 S字形状の冷却チャンネル
222 S字形状の冷却チャンネル
224 アパーチャ
226 内側プレート
228 排気ポート
300 内側バンド
302 ガス側面
304 裏面
306 前方壁/面
308 後方壁/面
310 正圧側壁/面
312 負圧側壁/面
314 冷却チャンネル
314(a) 高密度に実装された冷却チャンネル
314(b) 疎密度に実装された冷却チャンネル
316 ガス側表面
318 S字形状の冷却チャンネル
320 S字形状の冷却チャンネル
322 アパーチャ
326 外側プレート
328 排気ポート
400 翼形部
406 前縁部分
408 後縁部分
410 負圧側壁
412 正圧側壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11