特許第6924013号(P6924013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6924013
(24)【登録日】2021年8月3日
(45)【発行日】2021年8月25日
(54)【発明の名称】超合金用の溶加金属及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 35/40 20060101AFI20210812BHJP
   C22C 19/05 20060101ALI20210812BHJP
   C22C 19/07 20060101ALI20210812BHJP
   B23K 35/30 20060101ALI20210812BHJP
   B23K 35/02 20060101ALI20210812BHJP
   B23K 9/23 20060101ALN20210812BHJP
【FI】
   B23K35/40 330
   C22C19/05 B
   C22C19/07 G
   B23K35/30 320Q
   B23K35/30 320Z
   B23K35/02 A
   !B23K9/23 G
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-215832(P2016-215832)
(22)【出願日】2016年11月4日
(65)【公開番号】特開2017-94394(P2017-94394A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2019年10月23日
(31)【優先権主張番号】14/939,099
(32)【優先日】2015年11月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ツイ
(72)【発明者】
【氏名】スリカンス・チャンドルドゥ・コッティリンガム
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・リー・トリソン
【審査官】 小川 進
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/063222(WO,A1)
【文献】 特開2010−235974(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0086785(US,A1)
【文献】 米国特許第01756568(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 35/40
B23K 35/02
B23K 35/30
C22C 19/05
C22C 19/07
C25D 1/04
B23K 9/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超合金による溶接法で用いるための溶加金属(100)を製造する方法であって、当該方法が、
溶接棒(102)を第1の箔層(104)で囲む工程と、
溶接棒(102)及び第1の箔層(104)を焼結する工程であって、2分〜10分間、1038℃〜1204℃に加熱することを含む工程と
を含み、
溶接棒(102)が、MarM247、IN738、R80、IN939、R142、R195、H188、H25、FSX414、RN2又はGTD111を含み、
第1の箔層(104)が、ホウ素、ケイ素及びゲルマニウムの1種以上を1%以上含み、
溶加金属(100)の組成が、0.1%〜2.0%の間の、ホウ素、ケイ素及びゲルマニウムの1種以上を含む、方法。
【請求項2】
第1の箔層(104)が、接着剤層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
当該方法が、焼結工程の前に、溶接棒(102)及び第1の箔層(104)を、少なくとも第2の箔層(108)で囲む工程をさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第2の箔層(108)が、第1の箔層(104)の組成と同じ組成を有する第2の層を含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
第2の箔層(108)が、第1の箔層(104)の組成と異なる組成を有する第2の箔を含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
第2の箔層(108)が、接着剤層を含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
第2の箔層(108)が、ホウ素、ケイ素及びゲルマニウムの1種以上を1%以上含む、請求項又は請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、超合金用の溶加金属を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超合金、特にニッケル基超合金は、一般的に溶接性が低い。その結果、多くの新しい溶加金属が最近開発された。
【0003】
しかし、新しい溶加金属を開発するには、一般に新しい化学組成の溶加金属を選択すること、加工施設に発注することを含み、一般に45.35kg(100ポンド)以上の新しい溶加金属を購入することを必要とする。加工施設はたびたび、所望の組成の鋳塊を作り、鋳塊を熱処理し、それらをロッドに延伸し、強度及び溶接性についてロッドを試験しなければならない。注文した溶加金属が注文したパラメータに合わない場合、加工施設は時間と材料を浪費したかもしれない。溶加金属がパラメータを満たすが、溶加金属を購入する実体が、それが望み通りに機能しないことを知った場合、45.35kg(100ポンド)の溶加材料は、使用されずに、かつ失敗した溶加金属の開発の費用を補償されずに、貯蔵されるか、販売されるか、又は破壊されなければならない。
【発明の概要】
【0004】
本明細書において開示される本発明の実施形態は、超合金による溶接法で用いるための溶加金属を製造する方法を含み、該方法は、溶接棒を第1の箔層で囲むこと及び溶接棒と第1の箔層を焼結することを含む。
【0005】
本発明の実施形態はまた、超合金による溶接法で用いるための溶加金属も含み、該溶加金属は、溶接棒を第1の箔層で囲むこと及び溶接棒と第1の箔層を焼結することを含む方法によって製造される。
【0006】
本開示のこれら及びその他の特徴は、本発明の様々な態様を描く添付の図面と併せて、本発明の様々な態様の以下の詳細な説明から、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施形態に係る溶加金属を製造する方法の模式図を示す図である。
図2】本開示の実施形態に係る溶加金属を製造する方法の模式図を示す図である。
図3】本開示の実施形態に係る溶加金属を製造する方法の模式図を示す図である。
図4】本開示の実施形態に係る溶加金属を製造する方法の模式図を示す図である。
図5】本開示の実施形態に係る溶加金属を製造する方法の模式図を示す図である。
図6】本開示の実施形態に係る溶加金属を製造する方法の模式図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面は一定の比率でない点に注意される。図面は本発明の典型的な態様だけを描くことを目的とする。そのため、本発明の範囲を制限すると考えられるべきではない。図面中、同様の番号付けは図面間で同様の要素を表す。詳細な説明は、図面を参照して、例として、利点及び特徴とともに本発明の実施形態を説明する。
【0009】
本明細書に記載されるように、超合金、特にニッケル基合金は、溶接性が非常に低い。新しい溶加金属を開発しようとすると、異なる化学組成をもつ材料の複数の大型バッチを注文することになる。本明細書に記載されるように、これまでの試みによる方法は、法外な費用がかかり得、支払われる複数の注文、各材料を試験する費用及び失敗した材料を倉庫に保管する費用が積算されることになる。
【0010】
これまでは、一般に材料を溶接する際の不純要素と考えられたホウ素(B)は、通常、高温割れの傾向を低下させるために、材料中から可能な限り減らすように制御された。しかし、量を制御すると、ホウ素は実際には超合金において割れを最小限に抑えることができ、既存の割れを埋め戻しさえすることができる。正確にどの位のホウ素又は類似材料を使用するかは、特定の超合金について指摘することが困難であり得、超合金の組成、加工条件、溶接するミクロ組織、材料の相図、相分布及び溶加材の母材の特徴に基づいて変化し得る。
【0011】
したがって、本発明の実施形態は、従来のアプローチと比較した場合に、大量注文又は長いターンアラウンド時間を必要としない、時間と費用の両方の点でより効率的に新しい溶加金属を開発及び試験する方法を含む。
【0012】
図1は、ある実施形態に係る溶加金属100の前駆体の模式図である。ある実施形態に係る、溶加金属100を製造する方法は、溶接棒102の周囲を第1の箔層104で囲むことを含むことができる。溶接棒102を囲む方法には、ラッピング(wrapping)、封入(enveloping)、又は溶接棒102を第1の箔層104で取り囲む任意のその他の手段が挙げられる。溶接棒102は、溶接のための、特に超合金を溶接するための、現在公知であるか又は後に開発されるどんな材料であってもよい。いずれの市販されているか又は市販されていない溶接棒も使用してよい。ある実施形態では、溶接棒102としては、直径約0.020〜約0.062インチ、ある実施形態では直径約0.030〜約0.050インチ、ある実施形態では直径約0.040インチの長さの溶接棒、例えば、限定されるものではないが、タングステン不活性ガス(TIG)溶接を始めとするアーク溶接による効果的な溶接に必要な任意の長さの溶接棒が挙げられる。さらに、溶接としては、ガスタングステンアーク溶接(GTAW)、プラズマアーク溶接、レーザー溶接及び電子線溶接を挙げることができる。例えば、MarM247溶加棒を使用してよい。さらなる実施形態では、溶接棒102には、以下の材料:IN738、R80、IN939、R142、R195、H188、H25、FSX414、RN2及びGTD111から選択されるロッドが挙げられる。これらの材料は、下の表1でさらに概説される。値は重量パーセントとして記載され、公称値は重量百分率の範囲が含まれると理解されるべきである。
【0013】
【表1】
図1に示されるように、第1の箔層104は、例として、溶接棒102の周囲に第1の箔の層104を巻くことによって、溶接棒102に適用されてよい。明白であるべきであるので、溶接棒102を単一又は複数の層で十分に覆うための第1の箔層104の長さ及び幅は、溶接棒102のサイズによって決定されてよい。例えば、ある実施形態では、第1の箔層104は、溶加金属100が第1の箔層104の化学組成をどの程度含むかに応じて、約0.001〜0.005インチの厚さであってよく、約0.3〜約0.6インチの幅であってよい。ある実施形態では、第1の箔の層104は、厚さ約0.003インチ及び幅約0.50インチである。
【0014】
ある実施形態では、第1の箔層104は、箔の1以上の表面に接着剤層(図示せず)を含んでいてもよい。現在公知であるか又は後に開発されるどんな接着剤の薄層を使用してもよい。例えば、市販のろう付けテープは、テープを塗布するための接着剤を含んでいてもよく、それは溶接棒102への適用をより簡単に実現し、正しく揃えることができる。第1の箔層104は、最終溶加金属100にどの程度のB、Si及び/又はGeが望ましいか及び溶接棒102中の含有量はどれほどかによって、ホウ素(B)、ケイ素(Si)及びゲルマニウム(Ge)の1種以上を約0.1%〜約2.0%含んでいてもよい。ある実施形態では、B、Si及び/又はGeの含有量として、約3.0%が挙げられる。例えば、Amdry775(BNi−9)ろう付けテープを第1の箔層104に使用してよい。さらに、ろう付けテープは、BNi−2、BNi−5、BRB及びDF4Bを含んでいてもよい。これらの材料は、下の表2でさらに概説される。値は重量パーセントとして記載され、公称値は重量百分率の範囲が含まれると理解されるべきである。
【0015】
【表2】
第1の箔層104からB、Si及び/又はGe含有量の一部を溶接棒102に含めることにより、溶加金属100は超合金を溶接する際に利益を得る。例えば、溶加金属100の化学組成が、B、Si及びGeの1種以上を約0.1%〜2.0%、ある実施形態では約0.2%〜0.9%の量で含んでいる場合、溶加金属100は、超合金、例えばRene 108、Rene N2、GTD111及びGTD444などに関して溶接性が増加する。さらに、特定の実施形態に係る溶加金属100は、B、Si及びGeの温度降下性のために溶加金属100を超合金に適用するために必要な熱を低下させるので、従来の溶加金属の融解温度を、例として約1371℃(2500°F)から約982℃(1800°F)〜約1038℃(1900°F)に下げる。
【0016】
さらに、従来の溶接及び溶接へのアプローチと比較した場合に、溶加金属100は、ニッケル基超合金と鉄基超合金の両方で溶接の機械的性質を改善することができる。また、溶加金属は溶接中に既存の割れを埋め戻すことができるので、ある実施形態に係る溶加金属100は、超合金の割れを固定するのにも役立つことがある。
【0017】
図2に目を向けると、溶接棒102を第1の箔層104で囲んだ後、溶接棒102及び第1の箔層104の焼結が、例えば炉106を用いて達成され得る。ある実施形態では、焼結は、当技術分野で理解されるように、第1の箔層104の融点に基づいて所定の温度で所定量の時間、溶接棒102及び第1の箔層104を加熱することを含むことができる。ある実施形態では、約2分〜約10分間、約1038℃(1900°F)〜約1204℃(2200°F)の温度に加熱してもよい。さらなる実施形態では、加熱は、約3分間約1038℃(1900°F)までであってよい。
【0018】
焼結の後、溶接棒102の化学組成及び第1の箔層104の組成は、ある程度組み合わされて、溶加金属100に新しい組成をもたらす。上記のように、溶加金属100は、ここでB、Si及びGeの1種以上を約0.1%〜約2.0%の間で含むことができる。一例では、直径0.04インチのMarM247溶加棒を厚さ0.003インチ及び幅0.5インチのAmdry775ろう付けテープで包んだ。このロッドを1038℃(1900°F)で3分間焼結した。裸のロッド、テープ、包まれたロッド及び焼結した包まれたロッドの重量及び組成を測定した。結果は下の表3に記載される。
【0019】
【表3】
表3から分かるように、一部の材料は焼結中に失われるので、材料組成は、溶加金属100の望ましい目的組成を実現するために慎重に選択されなければならない。表4は、最初の溶加棒及びろう付けテープの組成、並びに焼結ロッド中の各々の組成の重量、並びに最終の溶加金属100中の重量及び百分率による全体的な組成の分析を示す。
【0020】
【表4】
表4から分かるように、MarM247溶接棒のホウ素含有量は、第1の箔層104(Amdry775、B含有量3.00%)の適用及び焼結後の溶加金属100中で0.02%から0.99%に増加した。表2〜3はほんの一例であるが、この例は、新しい溶加金属100が短い時間で小規模(単一ロッド)で開発され得る容易さを示す。
【0021】
図面に目を向けると、図3は、図2に例示されるように焼結の前に、少なくとも第2の箔層108で溶接棒102の周囲を囲むか又は包む実施形態を示し、それには溶接棒102の周囲を既に包んでいる第1の箔層104が含まれる。ある実施形態では、第2の箔層108は、第1の箔層104の箔の組成とは異なる別個の組成を有する第2の箔を含んでいてもよい。これらの実施形態では、第2の箔層108は、上記のように接着剤層を含んでいても含まなくてもよい第1の箔層104の要素とは異なる要素(又は同じ要素)のB、Si、又はGeを1%以上含んでよい。別の実施形態では、第2の箔層108は、第1の箔層104と同じ箔を含んでいてもよく、その場合、それは溶接棒102及び第1の箔層104の上の同じ箔の1以上のさらなる層であってよい。少なくとも第3の箔層の同じ又は異なる箔を始めとする、より多くの層をこの上に加えてもよい。
【0022】
図4は、溶接棒102と、第1の箔層104及び第2の箔層108、並びに焼結の前に付加されてよい任意のさらなる層を含む複数の層の、炉106による焼結を示す。これらの実施形態は、第1の箔層104及び第2の箔層108、並びに任意のさらなる層が類似するか又は同じ融点を有し、同時に効果的に焼結されることができる場合に利用されることができる。
【0023】
単一の焼結プロセスで複数の層を溶接することとは対照的に、第2の箔層108(及び付加される任意のさらなる層)が異なる融点を有する実施形態では、又は、多くの層を使用することができ、焼結の結果、材料組成の完全な焼結に至らない実施形態では、第2の箔層108は、最初の焼結の後に溶接棒102(及び第1の箔層104)を囲むことができる。つまり、図5に示されるように、溶接棒102及び第1の箔層104は、第2の箔層108の付加の前に、ある実施形態でロッド全体を通して実質的に一貫した組成をもつ単一のロッドに既に焼結されていることになる。任意の数のさらなる層が、次の焼結の前に付加されてよく(図6)、又は、各々のさらなる箔層が付加され、各々のさらなる箔層の付加の間に焼結されることができる。上記のように、第2の箔層108を越えた各々のさらなる箔層は、前の2つと同じ又は異なるサイズ又は形状をもち、同じ又は異なる組成をもつ同じ又は異なる箔を含んでいてもよく、各々B、Si及びGeの1種以上を1%以上含んでいてもよく、接着剤層を含んでもいても含んでいなくてもよい。図6に示される各々のさらなる焼結は、上に定義されるパラメータで達成されてよい。余分の厚さを焼結するためにはさらに時間がかかることがあるので、さらなる時間が多量の層の焼結に使われることがある。
【0024】
さらに、上記の方法によって製造された溶加金属100が本明細書において開示される。例えば、溶加金属は、溶接棒102を第1の箔層104で囲む工程、並びに溶接棒102及び第1の箔層104を焼結する工程を含む方法によって製造することができる。溶接棒102及び第1の箔層104の焼結の後に、溶加金属100が、ホウ素、ケイ素及びゲルマニウムの1種以上を約0.1%〜約2.0%含む組成を含むように、第1の箔層104には、ホウ素、ケイ素及びゲルマニウムの1種以上を1%以上含んでいてもよい。上記のように第2の箔層108、さらなる箔層及び層の複数の焼結を含むさらなる実施形態は、これらの実施形態に等しく適用できる。
【0025】
本明細書において使用される用語法は、特定の実施形態だけを説明するためのものであり、本開示の制限を意図するものではない。本明細書において、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈上明らかに示されている場合を除いて、複数形も同様に含むことを意図する。さらに、用語「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」は、本明細書で使用される場合、述べられている特徴、整数、工程、操作、要素及び/又は構成部品の存在を指定するが、1又はそれ以上のその他の特徴、整数、工程、操作、要素、構成部品及び/又はその群の存在を排除するものでないことは理解される。
【0026】
本記載の説明は、本発明を開示するために、最良の形態を含む、また、当業者が本発明を実践することを可能にするために、装置又はシステムを製造及び使用し、組み込まれた方法を実行することを含む、例を使用している。本発明の特許適格性を有する範囲は、特許請求の範囲に規定され、それには当業者の念頭に浮かぶその他の例を含んでいてもよい。かかるその他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの意味と異ならない構造要素を有する場合、又は、それらが特許請求の範囲の文字通りの意味との実質的な差異のない等価な構造要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあることが意図される。
[実施態様1]
超合金による溶接法で用いるための溶加金属(100)を製造する方法であって、当該方法が、
溶接棒(102)を第1の箔層(104)で囲む工程と、
溶接棒(102)及び第1の箔層(104)を焼結する工程と
を含む、方法。
[実施態様2]
溶接棒(102)が、MarM247、IN738、R80、IN939、R142、R195、H188、H25、FSX414、RN2、又はGTD111を含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様3]
第1の箔層(104)が、接着剤層を含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様4]
第1の箔層(104)が、ホウ素、ケイ素及びゲルマニウムの1種以上を1%以上含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様5]
溶加金属(100)の組成に、約0.1%〜約2.0%の間の、ホウ素、ケイ素及びゲルマニウムの1種以上を含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様6]
焼結工程が、約2分〜約10分間、約1038℃〜約1204℃に加熱することを含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様7]
当該方法が、焼結工程の前に、溶接棒(102)及び第1の箔層(104)を、少なくとも第2の箔層(108)で囲む工程をさらに含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様8]
第2の箔層(108)が、第1の箔層(104)の組成と同じ組成を有する第2の層を含む、実施態様7に記載の方法。
[実施態様9]
第2の箔層(108)が、第1の箔層(104)の組成と異なる組成を有する第2の箔を含む、実施態様7に記載の方法。
[実施態様10]
第2の箔層(108)が、接着剤層を含む、実施態様9に記載の方法。
[実施態様11]
第2の箔層(108)が、ホウ素、ケイ素及びゲルマニウムの1種以上を1%以上含む、実施態様9に記載の方法。
[実施態様12]
焼結工程の後に、溶接棒(102)及び第1の箔層(104)を、少なくとも第2の箔層(108)で囲む工程と、
溶接棒、第1の箔層(104)及び第2の箔層(108)を焼結する工程とをさらに含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様13]
第2の箔層(108)が、第1の箔層(104)の組成と同じ組成を有する第2の層を含む、実施態様12に記載の方法。
[実施態様14]
第2の箔層(108)が、第1の箔層(104)の組成と異なる組成を有する第2の箔を含む、実施態様12に記載の方法。
[実施態様15]
第2の箔層(108)が、接着剤層を含む、実施態様14に記載の方法。
[実施態様16]
第2の箔層(108)が、ホウ素、ケイ素及びゲルマニウムの1種以上を1%以上含む、実施態様14に記載の方法。
[実施態様17]
焼結工程が、約2分〜約10分間、約1038℃〜約1204℃に加熱することを含む、実施態様12に記載の方法。
[実施態様18]
超合金による溶接法で用いるための溶加金属(100)であって、溶加金属(100)が、
溶接棒(102)を第1の箔層(104)で囲む工程と、
溶接棒(102)及び第1の箔層(104)を焼結する工程とを含み、焼結後に、溶加金属(100)の組成に、約0.1%〜約2.0%の間の、ホウ素、ケイ素及びゲルマニウムの1種以上を含む方法
によって製造される、溶加金属(100)。
[実施態様19]
第1の箔層(104)が、ホウ素、ケイ素及びゲルマニウムの1種以上を1%以上含む、実施態様18に記載の溶加金属(100)。
[実施態様20]
焼結工程が、約2分〜約10分間、約1038℃〜約1204℃に加熱することを含む、実施態様18に記載の溶加金属(100)。
【符号の説明】
【0027】
100 溶加金属
102 溶接棒
104 第1の箔層
106 炉
108 第2の箔層
図1
図2
図3
図4
図5
図6