(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、例が添付図に示されている本発明の例示的な実施形態を詳細に参照する。可能である限り、図面全体を通して使用される同じ参照符号は同じまたは類似の部品を指しており、その説明を繰り返さない。
【0016】
用語「実質的に」、「概ね」、および「約」は、本明細書で使用するとき、構成部品または組立体の機能的な目的を達成するために適切な理想的な所望の状態に対して合理的に達成できる製造公差および組立公差内の状態を示す。「電気的に結合された」、「電気的に接続された」、および「電気的な連通」は、本明細書で使用するとき、参照された要素が、電流が一方から他方に流れるように、直接または間接に接続されていることを意味する。接続は、直接的な導電接続、すなわち、容量要素、誘電要素、または能動要素が介在しない接続、誘電接続、容量接続、ならびに/あるいは他の任意の適切な電気的な接続を含むことができる。介在する構成部品が存在する場合がある。また、用語「流体接続された」は、本明細書で使用するとき、参照された要素が、流体(液体、気体、および/またはプラズマ)が一方から他方に流れることができるように接続されることを意味する。したがって、用語「上流」および「下流」は、本明細書で使用するとき、参照された要素間、および/またはそれらの近くを流れる流体の流路に関して、参照された要素の位置を説明している。さらに、用語「充填する」は、本明細書で使用するとき、入れ物を充填物で完全に満たすこと、および部分的に満たすことの両方を含む。また、用語「加熱接触」は、本明細書で使用するとき、参照された物が、熱エネルギーがそれらの間を伝わることができるように互いに近接していることを意味する。用語「作動媒体」は、本明細書で使用するとき、熱エネルギーを吸収および貯蔵することができる水などの任意の媒体を意味する。
【0017】
さらに、本明細書で開示する実施形態は、排熱回収蒸気発生器(HRSG)に関して記述されているが、本発明の実施形態は、その1つまたは複数の構成部品が熱含有媒体に曝されることによって生じる熱応力による損傷の危険性がある任意の装置および/またはプロセスに等しく適用することができることは理解されよう。したがって、本明細書で開示する実施形態の多くは、コンバインドサイクル発電プラントの環境でのHRSGを記述するが、本発明の実施形態はまた、コンバインドサイクル発電プラント以外の用途での排熱回収発生器(蒸気を含む場合も含まない場合もある)に等しく適用することができることはさらに理解されよう。
【0018】
したがって、
図1を参照すると、HRSG20の1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を加熱するためのシステム10は、HRSG20のハウジング23によって画定された流路22、および伝熱導管24を含む。流路22は、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を加熱するように熱含有媒体26を導き、高圧セクション28および低圧セクション30を含む。熱含有媒体26が、高圧セクション28での熱含有媒体26の第1の圧力p1と低圧セクション30での熱含有媒体26の第2の圧力p2との間の差圧に少なくとも部分的に基づいて伝熱導管24を通って流れるように、高圧セクション28を低圧セクション30に流体接続し、流路22から熱含有媒体26を受け入れるように伝熱導管24は構成される。伝熱導管24は、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を加熱するように熱含有媒体26を導く。
【0019】
実施形態において、システム10はさらに、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18、排熱回収蒸気発生器20、および/または制御器32を含むことができる。制御器32は、少なくとも1つのプロセッサ/CPU34、および加熱プログラム/アプリケーションを記憶する記憶装置36を含むことができる。システム10の1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を含む様々な構成部品と制御器32が電子的に通信するように配置されたHRSG20内および/またはその他の場所に制御器32を配置することができる。
【0020】
図1に示すように、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18が、作動媒体40を含む作動導管38を画定するように、HRSG20内に1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を配置することができる。1つまたは複数の構成部品12、14、16、18は、タンク18、蒸発器14、16、および過熱器12、および/または熱含有媒体26から発生する熱を受け入れて/吸収して、吸収された熱を作動媒体40に伝える他の構成部品を含むことができる。実施形態において、1つまたは複数の構成部品12、14、16のうちの少なくともいくつかは、熱含有媒体26と加熱接触するように構成された流路22および/またはその他に配置することができる。特定の実施形態では、加熱される1つまたは複数の構成部品は、HRSG20のハウジングの外部に位置する、または配置することができる。このような外部構成部品は、ドラム、タンクなどを含むことができる。
【0021】
実施形態において、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18は、1つまたは複数の被加圧部品/加圧部品/圧力部品12、14、16、18とすることができる/を含むことができる。用語「圧力部品」、「加圧部品」、および「被加圧部品」は、本明細書で使用するとき、作動媒体40および/または熱含有媒体26を含む蒸気、煙道ガス、および/または他の被加圧媒体などの被加圧媒体を含むHRSG20の任意の構成部品、または同様の装置を意味する。加圧部品12、14、16、18は厚肉壁を有することができる。例えば、実施形態においては、HRSG20は三重圧HRSGとすることができ、三重圧HRSGにおいては、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18は、第1の圧力セクション42、第2の圧力セクション44、および第3の圧力セクション46にグループ化され、各圧力セクション42、44、46にグループ化された構成部品は、例えば厚肉壁を有して、前のセクションより高い圧力で作動媒体40を含むように構成される。例えば、
図1に示すように、構成部品12は第3の圧力セクション46にグループ化され、圧力構成部品14および16より高い圧力で作動媒体40を含むように構成することができ、圧力構成部品14および16はそれぞれ、第2および第1の圧力セクション44および42にグループ化することができる。さらに、構成部品14は、構成部品16より高い圧力で作動媒体40を含むように構成することができる。
図1は、3つの圧力セクション42、44、および46を有するようにHRSG20を描いているが、HRSG20は、これより多い、または少ない圧力セクションを有することができることは理解されよう。
【0022】
さらに、流路22は、入口48および出口50を含み、作動導管38を介して作動媒体40を加熱するように構成される。例えば、流路22は、作動導管38と加熱接触するように熱含有媒体26を導くことができる。このような実施形態では、流路22は、1つまたは複数の構成部品12、14、16が熱含有媒体26に直接曝されるように熱含有媒体26を導くことができる。
図1で分かるように、高圧セクション28は、1つまたは複数の構成部品12、14、16の上流の流路22のセクションとすることができ、低圧セクション30は、1つまたは複数の構成部品12、14、16の下流の流路22のセクションとすることができる。
【0023】
作動導管38は、流路22によって導かれた熱含有媒体26から熱を吸収するように構成される。例えば、
図1で分かるように、作動導管38の少なくとも一部分は、作動導管38の外部が熱含有媒体26に直接曝されるように流路22内に配置することができる。次いで、作動導管38によって熱含有媒体26から吸収された熱エネルギーは作動媒体40に伝達され、作動媒体40の温度および/または圧力は上昇する。実施形態において、作動媒体40は、液体から気体および/またはプラズマに変化するまで加熱される。実施形態において、作動導管38は、作動導管38に向かう、または作動導管38から出る作動媒体40の流れを調整する弁52および54を含むことができる。
【0024】
伝熱導管24は、取出しポート56、例えば入口、および排出ポート58、例えば出口を含む。取出しポート56は、伝熱導管24を流路22の高圧セクション28に流体接続することができ、排出ポート58は、伝熱導管24を流路22の低圧セクション30に流体接続することができる。上記のように、伝熱導管24は、流路22から熱含有媒体26を受け入れるように構成される。弁60を伝熱導管24に配置することができる。弁60は、流路22から伝熱導管24内に流れる熱含有媒体26の量を調整するように構成することができる。例えば、弁60は、伝熱導管24に入る熱含有媒体26の速度ヘッドを調整することができる。認識されるように、伝熱導管24を通って流れる熱含有媒体26の量を調整/制御すると、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18の温度を調整/制御することができる。
【0025】
上記のように、伝熱導管24は、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を加熱するように熱含有媒体26を導く。したがって、実施形態において、伝熱導管24は、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18と加熱接触することができる、かつ/または、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18と加熱接触するように熱含有媒体26を導くことができる。具体的には、
図1に示すように、伝熱導管24は、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18の周りに、個々に、および/または、まとめて巻きつけることができる。実施形態において、伝熱導管24を使用して1つまたは複数の構成部品12、14、16、18をヒートトレースすることができる。
【0026】
例えば、次に
図2を参照すると、作動媒体40を含む作動導管38を形成する1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を代表する構成部品62の断面図が、伝熱導管24と加熱接触しているように示されている。認識されるように、伝熱導管24は、円形、長方形、および/または正方形の断面/外面を有する1つまたは複数のセグメントを有することができる。さらに
図2に示すように、伝熱導管24は、伝熱導管24を構成部品62に取り付ける、かつ/または固定するための締結具72、例えば、溶接、接着剤、ねじ、ナット、ボルト、および/または任意の他の手段によって構成部品62に取り付けることができる。
【0027】
次に
図3を参照すると、伝熱導管24の破線のセグメントは、描かれた構成部品62の背後にある伝熱導管24の部分を表しているが、伝熱導管24は、これによって示されるように、構成部品62の周りに、螺旋状に巻きつけることができる。
図3は、構成部品62を螺旋状にトレースする伝熱導管24を示しているが、他のパターンを使用することができることは理解されよう。さらに、
図2および3に示すように、伝熱導管24は、構成部品62によって形成された作動導管38のノズル74の近くで構成部品62と加熱接触して配置することができる。
【0028】
次に、
図4を参照すると、実施形態において、熱含有媒体26は、燃焼室76によって生じた煙道ガスとすることができる。実施形態において、燃焼室76は、燃料を燃焼させることによって熱含有媒体26を発生させることができる。しかしながら、燃焼室76は、他の化学プロセス、例えば、電気分解、および/または加熱されたガスを発生させる他の化学的手段によって熱含有媒体26を発生させることができることは理解されよう。実施形態において、燃焼室76は、熱含有媒体26を供給することに加えて、発電、物質の調整、および/または他の工業、医療、および/または家庭用途などのプロセスのために熱を供給することができる。このような実施形態では、熱含有媒体26は廃ガスとすることができる。
【0029】
図4に示すように、HRSG20は、コンバインドサイクル発電プラント78の二次発生器とすることができる。このような実施形態では、燃焼室76は、コンバインドサイクル発電プラント78の主発生器80のために熱および/または動力を発生させることができる。例えば、燃焼室76および主発生器80は、電力を発生するガス炊きタービンとすることができ、HRSG20は、ガス焚きタービン76、80によって生じた煙道ガス26の熱エネルギーのいくらか、および/またはほとんどを取り込む/回収することによって、コンバインドサイクル発電プラント78の全体効率を増大させるように構成することができる。
【0030】
実施形態において、コンバインドサイクル発電プラント78は、シンプルサイクルモードおよびコンバインドサイクルモードの2つのモードで作動することができる。コンバインドサイクルモードでは、燃焼室76によって生じた熱含有媒体26が、入口/ダクト48を経てHRSG20の流路22内に送られるようにHRSG20は「オンライン」になっており、HRSG20は、熱含有媒体26に含まれる熱エネルギーのいくらか、および/またはほとんどを1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を介して回収する。シンプルサイクルモードでは、HRSG20は「オフライン」になっており、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を介して熱含有媒体26から熱エネルギーを回収しない。
【0031】
しかしながら、このような実施形態では、コンバインドサイクル発電プラント78がシンプルサイクルモードのときは、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18が熱含有媒体に曝されないように、熱含有媒体26はHRSG20の1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を迂回することができる。例えば、シンプルサイクルモードでは、熱含有媒体26は、
図4に示すように、実線/経路84ではなくて、破線/経路82をたどることができ、コンバインドサイクルモードでは、熱含有媒体26は、これもまた
図4に示すように、破線/経路82ではなくて、実線/経路84をたどることができる。このような実施形態では、コンバインドサイクル発電プラント78は、熱含有媒体26がHRSG20をバイパスする、すなわち迂回することを可能にするバイパス煙突86を含むことができる。コンバインドサイクル発電プラント78がバイパス煙突86を有する実施形態では、1つまたは複数の弁88、90は、HRSG20とバイパス煙突86との間で、熱含有媒体26の流れを切り替える/制御する/調整することができる。認識されるように、弁88、90は可変とすることができる。すなわち、HRSG20に送られる熱含有媒体26の量に対するバイパス煙突86内に迂回する熱含有媒体26の量を変えることができる、かつ/または、2値化することができる、すなわち、弁88、90は、熱含有媒体26の量のすべてをバイパス煙突86かまたはHRSG20のどちらかに向けることだけしかできない。
【0032】
したがって、
図1および4を参照すると、1つの実施形態による運転では、コンバインドサイクル発電プラント78は、HRSG20をオフラインにしたシンプルサイクルモードで運転を始めて、熱含有媒体26は、弁88、90によってバイパス煙突86に導かれ、その結果、HRSG20の1つまたは複数の構成部品12、14、16、18は流路22を介して熱含有媒体26と加熱接触しない。したがって、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18は、外気温度となることができる、かつ/または外気温度近くに温度を下げることができる。
【0033】
次いで、コンバインドサイクル発電プラント78は、弁88、90によって、熱含有媒体26のいくらか、および/またはすべてを流路22の入口48に導くことによってコンバインドサイクルモードに移行し始めることができる。さらに、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18、および/または1つまたは複数の構成部品12、14、16、18によって形成/画定された作動導管38が熱含有媒体26と加熱接触するように、例えば、1つまたは複数の構成部品が熱含有媒体26に曝されるように、流路22は熱含有媒体26を導く。しかしながら、この際、弁52および/または54によって作動媒体40が作動導管38内に流れることを制限することができる。したがって、1つまたは複数の構成部品12、14、16は、作動媒体40を蒸気に変換せずに、熱含有媒体26から熱エネルギーを吸収し始める、すなわち温度を上昇し始めることができる。熱含有媒体26が1つまたは複数の構成部品12、14、16を加熱している間、作動媒体40が作動導管38内に流れることを制限することによって、1つまたは複数の構成部品12、14、16に生じる熱応力が下がる。
【0034】
1つまたは複数の構成部品12、14、16が熱含有媒体26から熱エネルギーを吸収するので、熱含有媒体26の圧力は下がる。したがって、高圧セクション28における熱含有媒体26の圧力p1は、低圧セクション30における熱含有媒体26の圧力p2より高くなり得る。圧力p1と圧力p2との間に圧力差ができる結果、熱含有媒体26のいくらかは取出しポート56を経て伝熱導管24に入る。熱含有媒体26が伝熱導管24を通って流れると、1つまたは複数の構成部品12、14、16は、熱含有媒体26によってさらに加熱される。
【0035】
さらに、実施形態において、作動媒体40が作動導管38内に流れることを制限されるとき、構成部品18は、流路22によって熱含有媒体26に加熱されない/曝されない作動導管38の一部を形成する、すなわち、被加圧構成部品18は、流路22の外側にあり、蒸気などの加熱作動流体40と加熱接触状態になるまで、通常加熱されないが、伝熱導管24は、この構成部品18に熱含有媒体26を導くことができる。このような実施形態では、伝熱導管24によって、HRSG20が作動媒体40を蒸気に変換する前に作動導管38の温度勾配は均一化される。このようにしない場合には、1つまたは複数の構成部品18は、蒸気などの加熱作動媒体40によって最初に加熱されるが、HRSG20が蒸気を発生する前に、作動導管38の温度勾配が均一化されると、これらの構成部品に生じる熱応力が低減される。実施形態において、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18の温度、および/または温度の流れの速度、すなわち温度変化の速度は、伝熱導管24を通って流れる熱含有媒体26の量を弁60によって調整/制御することによって、調整/制御することができる。
【0036】
認識されるように、上記のように1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を伝熱導管24で加熱すると、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18と加熱作動媒体40との間の温度差が小さくなり、その結果、作動媒体40に曝されることによって1つまたは複数の構成部品12、14、16、18に生じる熱応力の量および/または大きさが低減する。
【0037】
1つまたは複数の構成部品12、14、16、18が、作動媒体40、例えば発生蒸気に曝されることによって1つまたは複数の構成部品12、14、16、18内に生じる熱応力の量を低減させるのに十分な温度に達すると、弁52および/または54によって、作動媒体40は作動導管38内に流れて、次いで、熱含有媒体26から作動媒体40に熱を吸収/伝達することによって作動媒体40を蒸気に変換することが可能となる。
図1の矢印92で示すように、HRSG20によって発生した蒸気、すなわち加熱作動媒体40は、蒸気消費装置および/またはプロセス、例えば、蒸気タービン発電機に送ることができる。
【0038】
したがって、上記のように、システム10を使用して、伝熱導管24によって、構成部品12、14、16、および18を予熱、および/またはより一様に加熱することができ、それによって熱応力が緩和される。用語「予熱」は、本明細書で使用するとき、1つまたは複数の構成部品が、熱含有媒体の通常の運転負荷に持続して曝される前、例えば、HRSGが、「全負荷」運転に相当するレベルで蒸気を発生する前に、HRSGの1つまたは複数の構成部品を加熱することを意味する。用語「一様に加熱」は、本明細書で使用するとき、構成部品12、14、16、および18が、熱含有媒体の通常の運転負荷に持続して曝される前、例えば、HRSGが、「全負荷」運転に相当するレベルで蒸気を発生する前に、(システム10によって)外側、および(加熱流体40によって)内側の両方から、1つまたは複数のHRSG構成部品12、14、16、および18を加熱することを意味する。しかしながら、実施形態において、システム10を使用して、伝熱導管24によって、作動導管38の温度勾配をコンバインドサイクル運転中に調整することができることは理解されよう。
【0039】
認識されるように、実施形態において、1つまたは複数のダンパ(図示せず)を、取出しポート56の下流で加圧部品12、14、16、および18の上流で、流路22に配置することができ、その結果、煙道ガス26が、伝熱導管24を介して1つまたは複数の加圧部品12、14、16、および18を加熱するまで、ダンパが熱含有媒体/煙道ガス26をバイパス煙突86に導く。
【0040】
さらに、伝熱導管24を通って流れることによって1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を冷却する冷却剤を供給する冷却剤源(
図1、94)に、伝熱導管24はさらに流体接続することができる。冷却剤によって1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を冷却すると、作動媒体40が1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を通って流れるとき、作動媒体40の温度を調整することができる。冷却剤源94からの冷却剤の流れは、弁96によって制御/調整することができる。
【0041】
システム10は、本明細書に記述される機能を実行するために、かつ/または本明細書に記述される結果を達成するために必要な電子機器、ソフトウェア、メモリ、記憶装置、データベース、ファームウェア、論理/状態マシン、マイクロプロセッサ、通信リンク、表示装置あるいは他のビジュアルまたはオーディオユーザインターフェース、印刷装置、および他の任意の入力/出力インターフェースを含むことができることもまた理解されよう。例えば、前述のように、システム10は、少なくとも1つのプロセッサ34、ならびにランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)および読出し専用メモリ(ROM:read−only memoy)を含むことができるシステムメモリ36を含むことができる。システム10はさらに、入力/出力コントローラおよび、1つまたは複数のデータ記憶装置構造を含むことができる。これら後者の要素はすべて、少なくとも1つのプロセッサ34と通信して、上記で論じたシステム10の作動を容易にする。本明細書で開示するシステム10および方法に関連して上記で論じたものを含む、多数の機能を実行するために、適切なコンピュータプログラムコードを提供することができる。コンピュータプログラムコードはまた、オペレーティングシステム、データベース管理システム、および「デバイスドライバ」などのプログラム要素を含むことができ、システム10が、コンピュータ周辺装置、例えば、センサ、ビデオ表示装置、キーボード、コンピュータマウスなどとインターフェースできるようにしている。
【0042】
システム10の少なくとも1つのプロセッサ34は、1つまたは複数の従来のマイクロプロセッサ、および数値演算コプロセッサなどの1つまたは複数の補助的なコプロセッサを含むことができる。相互に通信している要素は継続的に相互に信号送信または送信している必要はない。逆に、このような要素は、必要に応じて相互に送信することができ、特定の時間、データの交換を止めることができ、また、要素間の通信リンクを確立するためにいくつかのステップを実行させることができる。
【0043】
本明細書で論じるメモリなどのデータ記憶装置構造は、磁気、光学、および/または半導体メモリの適切な組合せを含むことができ、また、例えば、RAM、ROM、フラッシュドライブ、コンパクトディスクなどの光ディスク、ならびに/あるいはハードディスクまたはハードドライブを含むことができる。データ記憶装置構造は、例えば、システム10に必要な情報、ならびに/あるいは、システム10に指示するように適合された、1つまたは複数のプログラム、例えば、加熱用途のコンピュータプログラムコード、および/または他のコンピュータプログラム製品を記憶することができる。プログラムを、例えば、圧縮形式、非コンパイル形式、および/または暗号形式で記憶することができ、また、プログラムは、コンピュータプログラムコードを含むことができる。コンピュータプログラムコードの命令は、コンピュータ読取可読な媒体からプロセッサのメインメモリに読み込むことができる。プログラムの命令のシーケンスを実行して、本明細書に記述される処理ステップをプロセッサに実行させる一方、ハードウェアの回路を、本発明の処理を実行するためのソフトウェアの命令の代わりに、またはそれと組み合わせて使用することができる。したがって、本発明の実施形態は、ハードウェアとソフトウェアとのいかなる特定の組合せにも限定されるものではない。
【0044】
また、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジック装置などのプログラマブルハードウェア装置にプログラムを実装することができる。また、様々なタイプのコンピュータプロセッサによって実行するために、プログラムをソフトウェアに実装することができる。実行可能コードのプログラムは、例えば、コンピュータの命令の1つまたは複数の物理ブロックまたは論理ブロックを含むことができ、それらを、例えば、オブジェクト、プロシージャ、プロセス、またはファンクションとして編成することができる。それにもかかわらず、同定されたプログラムのうちの実行可能なものは、物理的に一緒に配置されることを必要とせず、異なった場所に記憶された別個の命令を含むことができる。これらの別個の命令は、論理的に一緒に結合されると、プログラムを形成して、複数の任意の操作を実行することによってプライバシーを保護するなどのプログラムの定められた目的を達成する。一実施形態では、実行可能コードのアプリケーションは、多くの命令をコンパイルしたものとすることができ、いくつかの異なるコードパーティションまたはコードセグメントにわたって、異なるプログラムの間で、およびいくつかの装置にわたって分散することさえできる。
【0045】
用語「コンピュータ読取可能な媒体」は、本明細書で使用するとき、システム10の少なくとも1つのプロセッサ34(または、本明細書で説明した装置の他の任意のプロセッサ)に実行するための命令を与える、またはこれを与えることに関与する任意の媒体を指す。このような媒体は、限定するものではないが、不揮発性媒体および揮発性媒体を含む多くの形態をとることができる。不揮発性媒体は、例えば、メモリなどの光学、磁気、または光磁気ディスクを含む。揮発性媒体はダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:dynamic random access memory)を含み、これは典型的にはメインメモリを構成する。コンピュータ読取可能な媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD−ROM、DVD、他の任意の光学媒体、RAM、PROM、EPROMまたはEEPROM(electronically erasable programmable read−only memory、電子的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ)、FLASH−EEPROM、他の任意のメモリチップまたはカートリッジ、あるいはコンピュータが読み取ることができる他の任意の媒体を含む。
【0046】
コンピュータ読取可能な媒体の様々な形態は、1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを実行するために、少なくとも1つのプロセッサに伝えるのに関係する場合がある。例えば、命令を、最初、リモートコンピュータ(図示せず)の磁気ディスクに保持することができる。リモートコンピュータは、そのダイナミックメモリに命令をロードし、モデムを使用してイーサネット(登録商標)接続、ケーブル回線、または電話回線を通じてその命令を送信することができる。コンピュータ装置、例えばサーバに対してローカルな通信装置は、各通信回線でデータを受信し、少なくとも1つのプロセッサに対してシステムバスにそのデータを置くことができる。システムバスは、メインメモリにデータを伝達し、少なくとも1つのプロセッサはメインメモリから命令を取り出し、実行する。メインメモリによって受信された命令は、少なくとも1つのプロセッサによる実行前、または実行後のいずれかに、任意選択的にメモリに記憶することができる。さらに、命令は、通信ポートを介して、電気信号、電磁信号、または光信号として受信することができるが、これらは様々なタイプの情報を伝達する無線通信またはデータストリームの例示的な形態である。
【0047】
上記の説明は、例示的であることを意図し、限定するものではないことをさらに理解されたい。例えば、上記の実施形態(および/またはそれらの態様)は互いに組み合わせて使用することができる。さらに、本発明の教示の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料をそれらに適合するように多くの修正を行うことができる。
【0048】
例えば、一実施形態では、排熱回収蒸気発生器の1つまたは複数の構成部品を加熱するためのシステムが提供される。本システムは、流路の高圧セクションを流路の低圧セクションに流体接続する伝熱導管を含む。流路は、排熱回収蒸気発生器のハウジングによって画定され、熱含有媒体を導くように構成される。熱含有媒体が、高圧セクションと低圧セクションとの間の差圧によって伝熱導管を通って流れるように、流路から熱含有媒体を受け入れるように伝熱導管は構成される。伝熱導管はさらに、1つまたは複数の構成部品と加熱接触するように熱含有媒体を導くことによって、排熱回収蒸気発生器の1つまたは複数の構成部品を加熱するように構成される。これらの構成部品は、排熱回収蒸気発生器のハウジングの外部とすることができる。特定の実施形態では、1つまたは複数の構成部品は、作動媒体を含む作動導管を画定し、流路は、作動導管と加熱接触するように熱含有媒体を導くことによって、作動媒体を加熱するように構成され、伝熱導管はさらに、作動媒体が流路によって加熱される前に、作動導管を一様に加熱するように構成される。特定の実施形態では、1つまたは複数の構成部品は、作動媒体を含むように構成された作動導管を画定し、流路は、作動導管と加熱接触するように熱含有媒体を導くことによって、作動媒体を加熱するように構成され、伝熱導管はさらに、作動媒体が流路によって加熱される前に、作動導管を予熱するように構成される。特定の実施形態では、高圧セクションは低圧セクションの上流にある。特定の実施形態では、伝熱導管は、取出しポートおよび排出ポートにおいてそれぞれ高圧セクションおよび低圧セクションに流体接続し、1つまたは複数の構成部品の少なくともいくつかは、取出しポートと排出ポートとの間で流路内に配置される。特定の実施形態では、システムはさらに、伝熱導管に配置され、伝熱導管を通って流れる熱含有媒体の量を制御することによって1つまたは複数の構成部品の温度を調整するように構成された弁を含む。特定の実施形態では、伝熱導管は、円形または長方形の少なくとも1つのセグメントを有する。特定の実施形態では、伝熱導管を通って流れることによって1つまたは複数の構成部品を冷却する冷却剤を供給する冷却剤源に、伝熱導管はさらに流体接続される。特定の実施形態では、1つまたは複数の構成部品は加圧部品である。特定の実施形態では、熱含有媒体は、燃焼室によって生じた煙道ガスである。特定の実施形態では、排熱回収蒸気発生器は、コンバインドサイクル発電プラントにおいて二次発生器であり、燃焼室は、コンバインドサイクル発電プラントの主発生器に動力を提供する。
【0049】
他の実施形態は、排熱回収蒸気発生器の1つまたは複数の構成部品を加熱するための方法を提供する。本方法は、排熱回収蒸気発生器のハウジングによって画定された流路によって熱含有媒体を導くステップを含む。流路は高圧セクションおよび低圧セクションを含む。本方法はさらに、高圧セクションおよび低圧セクションに流体接続された伝熱導管によって、熱含有媒体を受け入れるステップを含む。本方法はさらに、1つまたは複数の構成部品と加熱接触するように熱含有媒体を伝熱導管によって導くことによって、排熱回収蒸気発生器の1つまたは複数の構成部品を加熱するステップを含む。熱含有媒体は、高圧セクションと低圧セクションとの間の差圧に少なくとも部分的に基づいて伝熱導管を通って流れる。特定の実施形態では、1つまたは複数の構成部品と加熱接触するように熱含有媒体を伝熱導管によって導くことによって、排熱回収蒸気発生器の1つまたは複数の構成部品を加熱するステップは、1つまたは複数の構成部品によって画定され、作動媒体を含むように構成された作動導管を予熱する。特定の実施形態では、1つまたは複数の構成部品と加熱接触するように熱含有媒体を伝熱導管によって導くことによって、排熱回収蒸気発生器の1つまたは複数の構成部品を加熱するステップは、1つまたは複数の構成部品によって画定され、作動媒体を含むように構成された作動導管を一様に加熱する。特定の実施形態では、本方法はさらに、伝熱導管に配置された弁によって、伝熱導管を通って流れる熱含有媒体の量を制御することによって1つまたは複数の構成部品の温度を調整するステップを含む。特定の実施形態では、本方法はさらに、冷却剤が伝熱導管を通って流れるように伝熱導管に流体接続された冷却剤源によって供給された冷却剤によって、1つまたは複数の構成部品を冷却するステップを含む。特定の実施形態では、1つまたは複数の構成部品は加圧部品である。特定の実施形態では、熱含有媒体は、燃焼室によって生じた煙道ガスである。特定の実施形態では、排熱回収蒸気発生器は、コンバインドサイクル発電プラントにおいて二次発生器であり、燃焼室は、コンバインドサイクル発電プラントの主発生器に動力を提供し、コンバインドサイクル発電プラントは、シンプルサイクルモードとコンバインドサイクルモードとの間を移行し、伝熱導管は、コンバインドサイクル発電プラントがシンプルサイクルモードからコンバインドサイクルモードに移行し終える前に、1つまたは複数の構成部品を予熱する。
【0050】
さらに他の実施形態は、燃焼室によって生じた煙道ガスから熱を回収するための排熱回収蒸気発生器を提供する。排熱回収蒸気発生器は、1つまたは複数の加圧部品と、流路と、伝熱導管とを含む。1つまたは複数の加圧部品は、作動媒体を含むように構成された作動導管を画定する。流路は、排熱回収蒸気発生器のハウジングによって画定され、高圧セクションおよび低圧セクションを含み、煙道ガスを導くように構成される。煙道ガスが、高圧セクションでの煙道ガスの第1の圧力と低圧セクションでの煙道ガスの第2の圧力との間の差圧に少なくとも部分的に基づいて伝熱導管を通って流れるように、高圧セクションを低圧セクションに流体接続し、流路から煙道ガスを受け入れるように伝熱導管は構成される。伝熱導管はさらに、1つまたは複数の加圧部品を加熱するように煙道ガスを導くように構成される。特定の実施形態では、煙道ガスが伝熱導管を介して1つまたは複数の加圧部品を加熱する後まで、作動媒体が作動導管内に流れることを制限する弁を作動導管は含む。特定の実施形態では、1つまたは複数のダンパは、流路に配置され、煙道ガスが、伝熱導管を介して1つまたは複数の加圧部品を加熱するまで、煙道ガスをバイパス煙突に導くように構成される。
【0051】
したがって、認識されるように、HRSG20で蒸気を発生させる前に、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を、伝熱導管24を介して加熱することによって、システム10のいくつかの実施形態は、HRSG20の1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を加熱するのに必要な時間量を減少させ、したがって、HRSG20を起動するのに必要な時間量を減少させる。さらに、作動媒体40を作動導管38内に導入する前に、かつ/または導入と同時に、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を予熱する、かつ/または一様に加熱することによって、システム10のいくつかの実施形態は、コンバインドサイクル運転中、熱含有媒体が最初に1つまたは複数の構成部品12、14、16、18と接触するときに、比較的高温、すなわち、熱含有媒体26の通常負荷/全負荷温度で、および/またはそれに近い温度で、作動媒体40を供給する。
【0052】
さらに、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を予熱する、かつ/または一様に加熱することによって、システム10のいくつかの実施形態は、作動媒体40を作動導管38内に導入することから生じる1つまたは複数の構成部品12、14、16、18に生じる熱応力量を低減し、それによって、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18の予想耐用寿命を延長する。さらに、高圧セクション28と低圧セクション30との間の差圧を使用して、熱含有媒体26が伝熱導管24内に入る、またはそれを通って流れるように力を与えることによって、システム10のいくつかの実施形態は、補助熱源、例えば、補助ボイラ、および/または電気ヒートトレースを使用することなく、1つまたは複数の構成部品12、14、16、18を予熱する、かつ/または温度調整する。
【0053】
さらに、本明細書で説明した材料の寸法およびタイプは、本発明のパラメータを規定するように意図されているが、それらは決して限定するものではなく、例示的な実施形態である。他の多くの実施形態は、上記の説明を検討する際に当業者には明らかになるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物のすべての範囲を含めて決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、用語「含む(including)」および「において(in which)」はそれぞれ、用語「備える、含む(comprising)」および「ここでは(wherein)」の表現を簡単にした同等の表現として使用されている。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、「第3」、「上側」、「下側」、「底部」、「頂部」などの用語は、単に符号として使用され、その物体に数的または位置的な要件を課すことを意図するものではない。さらに、以下の請求項の限定事項は、ミーンズプラスファンクション形式で書かれておらず、このような請求項の限定事項が、「するための手段(means for)」という語句に続いて追加的な構造に関する機能排除の記述を明示的に使用しない限り、および使用するまでは、米国特許法第112条f項に基づいて解釈されることを意図していない。
【0054】
本明細書では、最良の態様を含む例を用いて本発明のいくつかの実施形態を開示し、また、任意の装置またはシステムの作製および使用、ならびに任意の組み入れられた方法の実施を含め、当業者が本発明の実施形態を実施できるようにしている。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が想到する他の例を含むことができる。このような他の例は、特許請求の範囲の文言と相違ない構成要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に相違ない等価の構成要素を含む場合、特許請求の範囲内であることを意図されている。
【0055】
単数形で記述され、その前に語「1つの(a)」または「1つの(an)」が付く要素またはステップは、本明細書で使用するとき、排除することが明確に記載されていない限り、複数の前記要素またはステップを排除するものではないと理解すべきである。さらに、本発明の「一実施形態」に言及する場合、記述された特徴も取り入れた追加の実施形態の存在を排除するものと解釈することは意図されていない。さらに、逆の意味で明確に記載しない限り、特定の性質を有する1つの要素または複数の要素を「備える、含む(comprising)」、「含む(including)」または「有する(having)」実施形態は、その性質を有しない追加のこのような要素を含むことができる。
【0056】
本明細書に含まれる本発明の精神および範囲から逸脱することなく、上記の発明に特定の変更を行うことができるので、添付の図面に示された上記の主題のすべては、本発明の概念を例示する単なる例として解釈されるべきで、本発明を限定するものとして解釈すべきではないことを意図する。
【0057】
最後に、代表的な実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
流路(22)の高圧セクション(28)を前記流路(22)の低圧セクション(30)に流体接続する伝熱導管(24)であって、前記流路(22)が、排熱回収蒸気発生器(20)のハウジング(23)によって画定され、熱含有媒体(26)を導くように構成された、伝熱導管(24)を備える、前記排熱回収蒸気発生器(20)の1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)を加熱するためのシステム(10)であって、
前記熱含有媒体(26)が、前記高圧セクション(28)と前記低圧セクション(30)との間の差圧によって前記伝熱導管(24)を通って流れるように、前記流路(22)から前記熱含有媒体(26)を受け入れるように前記伝熱導管(24)が構成され、
前記伝熱導管(24)がさらに、前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)と加熱接触するように前記熱含有媒体(26)を導くことによって、前記排熱回収蒸気発生器(20)の前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)を加熱するように構成された、システム(10)。
[実施態様2]
前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)が、作動媒体(40)を含む作動導管(38)を画定し、
前記流路(22)が、前記作動導管(38)と加熱接触するように前記熱含有媒体(26)を導くことによって、前記作動媒体(40)を加熱するように構成され、
前記伝熱導管(24)がさらに、前記作動媒体(40)が前記流路(22)によって加熱される前に、前記作動導管(38)を予熱するように構成された、実施態様1に記載のシステム(10)。
[実施態様3]
前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)が、作動媒体(40)を含む作動導管(38)を画定し、
前記流路(22)が、前記作動導管(38)と加熱接触するように前記熱含有媒体(26)を導くことによって、前記作動媒体(40)を加熱するように構成され、
前記伝熱導管(24)がさらに、前記作動媒体(40)が前記流路(22)によって加熱される前に、前記作動導管(38)を一様に加熱するように構成された、実施態様1に記載のシステム(10)。
[実施態様4]
加熱される前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)が、前記排熱回収蒸気発生器(20)の前記ハウジング(23)の外部に位置する、実施態様1に記載のシステム(10)。
[実施態様5]
前記伝熱導管(24)が、取出しポート(56)および排出ポート(58)においてそれぞれ前記高圧セクション(28)および前記低圧セクション(30)に流体接続し、前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)の少なくともいくつかが、前記取出しポート(56)と前記排出ポート(58)との間で前記流路(22)内に配置される、実施態様1に記載のシステム(10)。
[実施態様6]
前記伝熱導管(24)に配置され、前記伝熱導管(24)を通って流れる前記熱含有媒体(26)の量を制御することによって前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)の温度を調整するように構成された弁(60)をさらに備える実施態様1に記載のシステム(10)。
[実施態様7]
前記伝熱導管(24)を通って流れることによって前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)を冷却する冷却剤を供給する冷却剤源(94)に、前記伝熱導管(24)がさらに流体接続された、実施態様1に記載のシステム(10)。
[実施態様8]
前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)が加圧部品である、実施態様1に記載のシステム(10)。
[実施態様9]
前記熱含有媒体(26)が、燃焼室(76)によって生じた煙道ガスである、実施態様1に記載のシステム(10)。
[実施態様10]
前記排熱回収蒸気発生器(20)が、コンバインドサイクル発電プラント(78)において二次発生器であり、前記燃焼室(76)が、前記コンバインドサイクル発電プラント(78)の主発生器(80)に動力を提供する、実施態様9に記載のシステム(10)。
[実施態様11]
排熱回収蒸気発生器(20)のハウジング(23)によって画定された流路(22)によって熱含有媒体(26)を導くステップであって、前記流路(22)が高圧セクション(28)および低圧セクション(30)を含む、ステップと、
前記高圧セクション(28)および前記低圧セクション(30)に流体接続された伝熱導管(24)によって前記熱含有媒体(26)を受け入れるステップと、
1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)と加熱接触するように前記熱含有媒体(26)を前記伝熱導管(24)によって導くことによって、前記排熱回収蒸気発生器(20)の前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)を加熱するステップと
を含む、前記排熱回収蒸気発生器(20)の前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)を加熱するための方法であって、
前記熱含有媒体(26)が、前記高圧セクション(28)での前記熱含有媒体(26)の第1の圧力と前記低圧セクション(30)での前記熱含有媒体(26)の第2の圧力との間の差圧に少なくとも部分的に基づいて前記伝熱導管(24)を通って流れる、方法。
[実施態様12]
前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)と加熱接触するように前記熱含有媒体(26)を前記伝熱導管(24)によって導くことによって、前記排熱回収蒸気発生器(20)の前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)を加熱するステップが、前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)によって画定され、作動媒体(40)を含むように構成された作動導管(38)を予熱する、実施態様11に記載の方法。
[実施態様13]
前記伝熱導管(24)に配置された弁(60)によって、前記伝熱導管(24)を通って流れる前記熱含有媒体(26)の量を制御することによって前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)の温度を調整するステップをさらに含む実施態様12に記載の方法。
[実施態様14]
前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)と加熱接触するように前記熱含有媒体(26)を前記伝熱導管(24)によって導くことによって、前記排熱回収蒸気発生器(20)の前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)を加熱するステップが、前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)によって画定され、作動媒体(40)を含むように構成された作動導管(38)を一様に加熱する、実施態様11に記載の方法。
[実施態様15]
前記冷却剤が前記伝熱導管(24)を通って流れるように前記伝熱導管(24)に流体接続された冷却剤源(94)によって供給された冷却剤によって、前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)を冷却するステップをさらに含む、実施態様11に記載の方法。
[実施態様16]
前記熱含有媒体(26)が、燃焼室(76)によって生じた煙道ガスである、実施態様11に記載の方法。
[実施態様17]
前記排熱回収蒸気発生器(20)が、コンバインドサイクル発電プラント(78)において二次発生器であり、
前記燃焼室(76)が、前記コンバインドサイクル発電プラント(78)の主発生器(80)に動力を提供し、
前記コンバインドサイクル発電プラント(78)が、シンプルサイクルモードとコンバインドサイクルモードとの間を移行し、
前記伝熱導管(24)が、前記コンバインドサイクル発電プラント(78)が前記シンプルサイクルモードから前記コンバインドサイクルモードに移行し終える前に、前記1つまたは複数の構成部品(12、14、16、18)を予熱する、実施態様16に記載の方法。
[実施態様18]
燃焼室(76)によって生じた煙道ガスから熱を回収するための排熱回収蒸気発生器(20)であって、
作動媒体(40)を含むように構成された作動導管(38)を画定する1つまたは複数の加圧部品(12、14、16、18)と、
前記排熱回収蒸気発生器(20)のハウジング(23)によって画定され、前記煙道ガスを導くように構成された流路(22)であって、高圧セクション(28)および低圧セクション(30)を含む流路(22)と
前記煙道ガスが、前記高圧セクション(28)での前記煙道ガスの第1の圧力と前記低圧セクション(30)での前記煙道ガスの第2の圧力との間の差圧に少なくとも部分的に基づいて前記伝熱導管(24)を通って流れるように、前記高圧セクション(28)を前記低圧セクション(30)に流体接続し、前記流路(22)から前記煙道ガスを受け入れるように構成された伝熱導管(24)とを備え、
前記伝熱導管(24)がさらに、前記1つまたは複数の加圧部品(12、14、16、18)を加熱するように前記煙道ガスを導くように構成された、排熱回収蒸気発生器(20)。
[実施態様19]
前記煙道ガスが前記伝熱導管(24)を介して前記1つまたは複数の加圧部品(12、14、16、18)を加熱する後まで、前記作動媒体(40)が前記作動導管(38)内に流れることを制限する弁(52、54)を前記作動導管(38)が含む、実施態様18に記載の排熱回収蒸気発生器(20)。
[実施態様20]
1つまたは複数のダンパが、前記流路(22)に配置され、前記煙道ガスが、前記伝熱導管(24)を介して前記1つまたは複数の加圧部品(12、14、16、18)を加熱するまで、前記煙道ガスをバイパス煙突(86)に導くように構成された、実施態様18に記載の排熱回収蒸気発生器(20)。