特許第6924059号(P6924059)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6924059クランプカラーおよびスリーブを含むクランプデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6924059
(24)【登録日】2021年8月3日
(45)【発行日】2021年8月25日
(54)【発明の名称】クランプカラーおよびスリーブを含むクランプデバイス
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/08 20060101AFI20210812BHJP
   F16B 7/04 20060101ALI20210812BHJP
   F16B 2/14 20060101ALI20210812BHJP
【FI】
   F16B2/08 H
   F16B7/04 B
   F16B2/14 C
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-75439(P2017-75439)
(22)【出願日】2017年4月5日
(65)【公開番号】特開2017-190869(P2017-190869A)
(43)【公開日】2017年10月19日
【審査請求日】2020年3月26日
(31)【優先権主張番号】1653222
(32)【優先日】2016年4月12日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591085905
【氏名又は名称】エタブリスマン・カイロウ
【氏名又は名称原語表記】ETABLISSEMENTS CAILLAU
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(72)【発明者】
【氏名】プレヴォー,ファブリス
(72)【発明者】
【氏名】リゴレー,ニコラ
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0008663(US,A1)
【文献】 特表2013−540953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/08
F16B 2/14
F16B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の周りが締め付けられるのに適したベルト(12)を有するクランプカラー(10)、および前記ベルト(12)の周りに配置された外側スリーブ(16)を備え、前記スリーブは、複数の固定器タブ(18;118)によって前記ベルトのそばに支えられるクランプデバイスであって、
前記デバイスは、各固定器タブ(18;118)が、固定ゾーン(18A;118A)によって前記スリーブ(16)へと固定され、前記固定ゾーンから、前記ベルトの下で折り返され、かつ前記ベルトの内側表面と前記ベルトが周りに締め付けられるべき物品との間で挟まれるような構成にされた圧迫ブランチ(18B;118B)に前記各固定器タブが達するまで、前記カラーの軸(A)に向かって延伸し、
前記ベルト(12)は、第1の翼および第2の翼(12C,12D)を与え、前記第1の翼と第2の翼との間に、前記カラーによってクランプ留めされるべき前記物品の拡がり(1A,1B)を受容するのに適した内側トラフが規定され、前記翼の各々は、前記カラーの軸(A)に対して傾斜していることを特徴とするクランプデバイス。
【請求項2】
前記圧迫ブランチ(18B;118B)は、前記ベルト(12)を前記物品の周りに締め付けるという効果の下で変形されるのに適していることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
各固定器タブ(18;118)の前記圧迫ブランチ(18B;118B)は、前記カラーの軸(A)の方向で測定して、前記ベルト(12)の幅(LC)のうちの10%に少なくとも等しい長さ(L18B)を覆って延伸することを特徴とする請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
各固定器タブ(18;118)の前記圧迫ブランチ(18B;118B)は、前記カラーの軸(A)の方向で測定して、前記ベルト(12)の幅(LC)のうちの20%に少なくとも等しい長さ(L18B)を覆って延伸することを特徴とする請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記スリーブ(16)は、自由な状態で、すなわち、前記スリーブが前記ベルト(12)から隔てられている場合に、前記固定器タブ(18;118)を介して前記ベルトのそばに支えられているときの前記スリーブの直径より大きい、ロールアップ直径(DE)で丸められることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記固定器タブ(18;118)は、前記ベルト(12)の同じ側に全て位置することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
各固定器タブ(18;118)は、前記固定ゾーン(18A;118A)と前記圧迫ブランチ(18B;118B)との間にスペーサ部分(18C;118C)を与え、前記スペーサ部分(18C;118C)は、前記ベルト(12)から間隔を空けられ、前記ベルトと前記スリーブとの間に空の空間(E)を規定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記スペーサ部分(18C;118C)は、前記カラーの軸(A)に対して実質的に垂直に延伸することを特徴とする請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記固定器タブ(18;118)の圧迫ブランチ(18B;118B)は、前記同じ翼(12D)と連携し、前記翼(12D)に対して実質的に平行に延伸することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記固定器タブ(118)のうちの少なくとも1つは、自由な状態で、前記圧迫ブランチ(118B)に対して前記カラーの軸側にずれている少なくとも1つの保持器ブランチ(118D)を与える固定器かつ保持器タブであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記保持器ブランチ(118D)および前記圧迫ブランチ(118B)はともに、前記固定器かつ保持器タブの固定ゾーンの反対側にある前記固定器かつ保持器タブ(118)の自由端において形成され、切り欠き(118E)によって隔てられることを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記カラー(10)は、前記ベルトに対して半径方向に突出する締め付け突起部(12A,12B)を与えられるという点、および前記スリーブ(16)は、ウインドウ(20)を与え、前記ウインドウを超えて前記締め付け突起部が延伸することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記スリーブ(16)は、前記締め付け突起部(12B)のうちの一方の近くに位置する第1の端部(16A)および前記ウインドウ(20)を含みかつ前記第1の端部と連携する自由端(16B’)を有する第2の端部(16B)を与えることを特徴とする請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記スリーブ(16)は、少なくとも1つの周囲リブ(17)を与えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記スリーブ(16)は、少なくとも1つの周囲リブ(17)を与えるという点、ならびに前記周囲リブ(17)は、前記第1の端部(16A)から前記周囲リブ(17)が自由端(16B’)に達するまで延伸し、前記スリーブの第1の表面上に突出部を、および反対側の第2の表面に中空部を形成するという点、ならびに自由端(16B’)および前記第1の端部(16A)は、互いを覆い、自由端および前記第1の端部によって構成された要素のうちの一方の前記第1の表面上に前記リブによって形成される前記突出部は、前記要素のうちの他方の前記第2の表面において前記リブによって形成される前記中空部の中に入り込むことを特徴とする請求項13に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物品の周りが締め付けられるのに適したベルトを有するクランプカラー、および上記ベルトの周りに配置された外側スリーブであって、上記スリーブは、複数の固定器タブによって上記ベルトのそばに支えられる外側スリーブを備えるクランプデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
例示によれば、このタイプのデバイスは、特許文献1から、スリーブがカラー領域に熱保護を提供する具体例に関して公知である。
【0003】
特に、そのデバイスは、特に、温度勾配、振動に関して、または砂礫もしくは流体のような外部要素の放射に関しても、かなりのストレスに供されるゾーンにおいて設置される。それは、上記デバイスがエンジン区画の中または輸送手段のボディーの下に設置される場合には特に当てはまる。
【0004】
特許文献1は、スリーブを、カラーのベルトに固定するために種々の解決策を提唱している。特に、特許文献1は、スリーブをカラーの上に直接溶接またはクリンチ留めすることによって、またはスリーブから突出しかつカラーを囲い込むクリップタブによってクリップ留めすることによっても当該固定を実行することを提唱している。それらの解決策は、全体としては満足感を与えるが、より安全にするために、特に、例えば、振動もしくは衝撃の影響下で、または実際には、熱ストレスの影響下で(温度の変動は、輸送手段のエンジン区画において数百度に達し得る)、溶接もしくはクリンチ留めの破壊というリスク、または実際には、タイミング悪くクリップ留めが外れるというリスクを考慮に入れるために、カラーに対してスリーブを固定する必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】フランス国特許第3008160号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本開示は、スリーブをクランプカラー上に固定するという観点からさらに安全である解決策を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、一局面において、本開示は、物品の周りが締め付けられるのに適したベルトを有するクランプカラー、およびベルトの周りに配置された外側スリーブを備え、上記スリーブは、複数の固定器タブによって上記ベルトのそばに支えられているクランプデバイスを提供し、当該デバイスにおいて各固定器タブは、固定ゾーンによって上記スリーブに固定され、当該固定ゾーンから、上記ベルトの下に折り返され、上記ベルトの内側表面と上記ベルトが周りに締め付けられるべき物品との間で挟まれるように構成されている圧迫ブランチに上記固定器タブが達するまで、上記カラーの軸に向かって延伸する。
【0008】
便宜上、3個または4個の固定器タブが設けられてもよい。しかし、それらのうちの2個、または4個より多くを設けることも可能である。上記固定器タブは、固定ゾーンによってスリーブに固定される。
【0009】
以下で認められ得るように、スリーブは、カラーの軸に沿って特定して、特にその幅に関して比較的大きい寸法であり得る。その結果として、タブとスリーブとの間の固定ゾーンに関して満足のいく表面積が利用できる。結果として、例えば、溶接またはクリンチ留めによって作製される固定器タブとスリーブとの間の固定は、大きな面積で作製され得、従って、破壊というリスクに滅多にあわないと考えられる。
【0010】
主には、タブとカラーとの間を固定するにあたって困難がある。なぜならこの固定は、カラーが上に配置される物品の周りをクランプ留めすることを上記カラーが主に提供しなければならないという事実から、縮小したサイズの領域の中で、またはより複雑である形状に対して行われなければならないからである。本開示において、固定器タブとカラーとの間の固定は、ベルトの内側表面と上記ベルトが周りに締め付けられるべき物品との間で挟まれる圧迫ブランチによって提供される。その締め付け力は相当なものであるので、挟むことによって、圧迫ブランチを効率的にかつ非常に信頼性の高い様式で、上記カラーの下に保持することは可能である。そのような様式では、使用中の場合には、および極限の条件(特に、温度勾配、振動、または衝撃に関して)の中ですら、上記ブランチは、カラーがクランプ留めされたままである限りは、十分に挟まれたままであり、そしてスリーブが上記カラーの周りに適所に保持されることを確実にする。
【0011】
必要に応じて、圧迫ブランチは、ベルトを物品の周りに締め付けるという効果の下で変形されるのに適している。
【0012】
必要に応じて、各固定器タブの圧迫ブランチは、上記カラーの軸の方向で測定して、上記ベルトの幅のうちの10%に少なくとも等しい、好ましくは、20%に少なくとも等しい長さで延伸する。
【0013】
一局面において、スリーブは、自由な状態で、すなわち、上記スリーブがベルトから隔てられている場合に、固定器タブを介して上記ベルトのそばに支えられている場合の上記スリーブの直径より大きいロールアップ直径で丸められる。
【0014】
例示によれば、スリーブは、オープンタイプ(すなわち、上記スリーブがその第1の端部からその第2の端部に達するまで丸められる)であり、当該端部は、互いに固定されない。この構成において、上記スリーブを上記カラーに設置するために、圧迫ブランチが上記カラーのベルトの下に入り込み得るように、その直径を減少するために半径方向に上記スリーブを圧迫し、次いで、上記スリーブがその自由な状態の直径へと弾性的に戻る傾向の結果として、上記圧迫ブランチが上記カラーのベルトの下で保持されるように、上記スリーブに対して発揮される半径方向の圧力を単に解放することは容易である。
【0015】
必要に応じて、固定器タブは、ベルトの同じ側に全て位置する。
【0016】
この構成において、および例示によれば、種々のタブの圧迫ブランチは、スリーブのブランチがベルトの下を通過し得るように上記スリーブが半径方向に圧迫される間に、スリーブをカラーの軸に対して平行移動して動かすだけで、上記カラーのベルトの下にもってこられ得る。
【0017】
一局面において、各固定器タブは、固定ゾーンと圧迫ブランチとの間でスペーサ部分を与え、当該スペーサ部分は、ベルトから間隔を空けられ、上記ベルトとスリーブとの間で空の空間を規定する。
【0018】
スペーサ部分は、カラーのベルトから半径方向に距離をとってスリーブを維持する。これは、場合によっては、上記スリーブによって果たされる機能にとって有利であり得る。例示によれば、上記スペーサ部分によって、上記スリーブは、上記カラーのベルトと接触しておらず、上記スリーブが熱保護のために使用される場合に、上記スリーブと上記カラーとの間での伝導によって熱が伝えられないような様式で、上記ベルトからも比較的離れている。別の例では、上記スリーブは、砂礫または衝撃に対して保護するために使用され得、上記スリーブが比較的強い衝撃によってわずかに変形されるとしても、その変形が上記カラーに影響を及ぼすことなく、上述の空の空間において吸収されることを可能にする距離で維持され得る。
【0019】
必要に応じて、スペーサ部分は、カラーの軸に対して実質的に垂直に延伸する。
【0020】
これは、固定器タブとカラーとの間の接触面積を制限することを可能にする。実際に、その接触ゾーンは、圧迫ブランチに相当するが、固定器タブは、上記圧迫ブランチおよびスペーサ部分が一緒に接続されると直ぐに、上記カラーから離れるように動く。
【0021】
一局面において、ベルトは、第1のおよび第2の翼を与え、当該翼の間には、カラーによってクランプ留めされるべき物品の拡がりを受容するのに適した内側トラフが規定され、当該翼の各々は、上記カラーの軸に対して傾斜している。
【0022】
例示によれば、上記カラーは、上述の拡がりを形成するそれらそれぞれの端部を介して互いに接続される2本の類似のチューブによって構成される物品をクランプ留めするように働き得、当該拡がりは、上記カラーのベルトの内側トラフの中に収容される。これは、例えば、特許文献1に記載される。
【0023】
必要に応じて、上記固定器タブの圧迫ブランチは、その同じ翼と連携し、当該翼に対して実質的に平行に延伸する。
【0024】
必要に応じて、上記固定器タブのうちの少なくとも1つは、自由な状態で、上記圧迫ブランチに対して上記カラーの軸側にずれている少なくとも1つの保持器ブランチを与える固定器かつ保持器タブである。
【0025】
以下で認められ得るように、保持器ブランチは、カラーを締め付ける前に、事前付着の場合でベルトの内側でクランプ留めされるべき物品の拡がりを保持するために使用され得る。用語「自由な状態で」とは、固定器かつ保持器タブが、物品に対するカラーの締め付けストレスに未だ供されていない状態を意味する。特に、それは、上記カラーが締め付けられずに、上記スリーブが上記固定器タブによって上記カラーに固定される状態である。
【0026】
必要に応じて、保持器ブランチおよび圧迫ブランチはともに、固定器かつ保持器タブのその固定ゾーンの反対側にある自由端において形成され、それらは、切り欠きによって隔てられる。
【0027】
一局面において、カラーは、ベルトに対して半径方向に突出する締め付け突起部を与え、スリーブは、ウインドウを与え、当該ウインドウを超えて上記締め付け突起部が延伸する。
【0028】
従って、スリーブが締め付け突起部上の適所にある場合、カラーを締め付けるために締め付け突起部にアクセスすることは容易である。
【0029】
一局面において、スリーブは、締め付け突起部のうちの1つの近位に位置した第1の端部、およびウインドウを含みかつ上記第1の端部と連携する自由端を有する第2の端部を与える。
【0030】
一局面において、スリーブは、少なくとも1つの周囲リブを与える。
【0031】
周囲リブは、スリーブを強化する、すなわち、その自由な状態の直径に向かって弾性的に戻る傾向を促進するために、上記スリーブを周囲方向に硬くすることを可能にする。
【0032】
必要に応じて、周囲リブは、第1の端部から、上記周囲リブが自由端に達するまで延伸し、スリーブの第1の表面上に突出部を、およびその反対側の第2の表面において中空部を形成し、上記自由端および上記第1の端部は互いを覆い、上記自由端および上記第1の端部によって構成される要素のうちの一方の第1の表面上のリブによって形成される突出部は、上記要素のうちの他方の第2の表面において上記リブによって形成される中空部の中に入り込む。
【0033】
このような形状にすると、上記スリーブの直径が上記カラーの締め付けの間に減少される場合に互いに対して上記自由端および上記第1の端部をガイドすることが可能になり、これら2つの要素が互いに対して適切に位置づけられることを確実にするように働く。
本開示は、非限定的な例によって示される実施形態の以下の詳細な説明を読めば、十分に理解され得る。その説明は、添付の図面に言及する。ここで:
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、本開示のデバイスの斜視図である。
図2図2は、図1の矢印IIに沿って見た図1のデバイスの側面図である。
図3図3は、図2の断面IIIの断面図である。
図4図4は、固定器タブの斜視図である。
図5図5は、固定器タブを支える単一のスリーブの斜視図である。
図6図6は、図1の図に類似であるが、変形例の実施形態を示す図である。
図7図7は、図6の矢印Vに沿って見た側面図である。
図8図8は、図7の断面VIIIの断面図である。
図9図9は、上記カラーを締め付ける前および締め付けた後の変形例の実施形態における固定器タブの斜視図である。
図10図10は、上記カラーを締め付ける前および締め付けた後の変形例の実施形態における固定器タブの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、半径方向に立ち上がっている締め付け突起部(それぞれ、12Aおよび12B)を有するベルト12とともにクランプカラー10を備えるクランプデバイスを示す。これら突起部は、締め付けボルト14のロッド14Bが貫通する穴とともに設けられ、当該ボルトの頭部14Aは、突起部12Aを支持し、ナット14Cによって突起部12Bに対して締め付けられ得る。さらに、締め付け力をまっすぐにし、締め付けの質を増大させるために、スペーサ14Dは、ナット14Cと突起部12Bとの間に配置され得る。
【0036】
クランプデバイスはまた、ベルト12の周りに配置されている、カラーのそばに支えられる外側スリーブ16を備える。特に、図1〜3を考慮する場合、スリーブがカラーのベルト12の周りを囲み、おそらく、さらにはベルトの幅LCより大きな幅LMを覆って軸方向に延伸する(当該幅は、カラーの軸Aに対して平行に測定される)ことは、理解されるべきである。スリーブは、ベルトの一方の側から、または実際には、当該ベルトの両側から軸方向に突出し得る。さらに、スリーブは、ベルトを部分的にのみ囲って、360°未満の角度範囲を覆って延伸し得る。
【0037】
スリーブは、複数の固定器タブ18によってベルトのそばに支えられる。この例において、4個の固定器タブが示される。各固定器タブは、特に図1および3において認められ得るように、固定ゾーン18Aによってスリーブに固定され、固定ゾーンから、ベルト12の下で折りたたまれる圧迫ブランチ18Bに各固定器タブが達するまで、カラーの軸Aに向かって延伸する。
【0038】
本発明の意味において、内側の方向は、カラーの軸Aに半径方向に向かって進む方向であるとみなされる。さらに、圧迫ブランチがベルトの下で折りたたまれると述べることは、当該ブランチがカラーの内側に接している、すなわち、ベルトと軸Aとの間にあることを意味する。概して、ある要素が別の要素の下に位置づけられると述べられる場合、それは、その要素が当該他方の要素と軸Aとの間にあることを意味する。
【0039】
さらに、固定器タブ18は、固定ゾーン18Aと圧迫ブランチ18Bとの間で延伸するスペーサ部分18Cを与える。特に図3で示されるように、スペーサ部分は、ベルト12とスリーブ16との間に空の空間Eを規定する。この例では、固定器タブは、スリーブの下で固定され、固定ゾーン18Aは、スリーブの内側表面と連携する。上記のように、スリーブは、軸方向に測定して、比較的大きな幅LMを与え得る。従って、固定器タブの固定ゾーン18Aとスリーブの内側表面との間の接触ゾーンは、比較的大きくてもよく、このことによって強い固定が可能になる。特に、固定ゾーンは、溶接するかまたは例えば、1cm2程度の比較的大きな面積を覆ってクリンチ留めすることによって、スリーブに固定され得る。これは、固定器タブとスリーブとの間の極めて強い固定を担保し、振動、温度変化または高い衝撃の影響下ですら、固定が希にしか破壊を受けないことを可能にする。
【0040】
示される例では、カラーのベルト12は、カラーによってクランプ留めされるべき物品の拡がりを受容するのに適した内側トラフを与えるタイプのベルトである。より正確には、図3において認められ得るように、ベルト12は、第1の翼12Cおよび第2の翼12Dを与え、その間にトラフが規定される。例示によれば、カラーは、欧州特許第1451498号および同第2598785号に記載されるものと同じタイプのカラーである。この例では、カラーによってクランプ留めされるべき物品は、一緒に接続される2本のチューブ、すなわち、第1のクランプ表面1Aを規定するフレア部分を与える第1のチューブ1および第2のクランプ表面2Aを規定するフレア部分を与える第2のチューブ2によって形成される。チューブを一緒に接続するために、この2つのクランプ表面1Aおよび2Aは、互いに向かって動かされ、従って、クランプ留めされるべき物品の拡がりを形成し、当該拡がりは、ベルトのトラフの中に受容される。実際に、チューブ1Aは、第1のクランプ表面1Aを形成するフレア部分の頂部から第1のチューブの自由端に向かって、軸Aに近づくように延伸する端部スカート1Bを与える。従って、クランプ表面2Aを形成するフレア部分の内側表面は、2本のチューブが組み立てられる場合に、当該スカート1Bの上に位置する。
【0041】
具体的には、示されるデバイスは、欧州特許第2598785号(その内容は本明細書に参考として援用される)に記載されるタイプの事前付着ワッシャを含む。本開示では、当該ワッシャは、簡潔に記載されるのみである。より詳細に関しては、上述の特許が考慮され得る。ワッシャ28は、カラーに固定され、スカート1Bとクランプ表面2Aを形成するフレア部分の内側表面との間に配置される円錐台形環状部分30、およびワッシャをベルトに対して保持しかつ事前付着の場合に、カラーをクランプ留めする前にチューブ1および2の組み立てられた端部をベルト12の下に保持するようにも働くタブの両方を与える。特に、ワッシャは、ベルトの翼12Cの内側表面を支持するための内側タブ(これらタブは、示されない)、および翼12Cの外側を覆って折りたたまれる外側タブ34を与えてもよく、方向Fでベルトに対して動くことに対向して第2のチューブを保持するために、クランプ表面2Aを支持する自由端を有する舌部38を与えてもよい。ワッシャ28は、タブ40をさらに与える。このタブ40は、円錐台形部分30から、クランプ表面1Aの頂部を乗り越えるために軸Aからわずかに遠ざかり、事前付着の場合にクランプ表面1Aを保持する折り目40Aを与えるために軸Aに近づき、次いで、軸から再び遠ざかって、ベルトに対して保持されるように、翼12Dの外側を覆って折りたたまれる。
【0042】
クランプタブ18を有するスリーブが、このような事前付着ワッシャの存在と完全に適合性であることは、観察されるべきである。特に、図2において認められ得るように、タブ18は、タブ40に干渉しない。なぜならタブ18は、タブ40の間で円周状に位置するからである。
【0043】
しかし、本開示のスリーブが、内方ワッシャを有しないカラー上に、および内側トラフを有しないカラー上にも設けられ得ることは、理解されるべきである。
【0044】
カラーおよび保護スリーブは、金属から、例えば、ステンレス鋼から作製され得る。図3において認められ得るように、カラーのベルトは、必要とされる締め付け力を発揮し得るために、比較的厚くてもよい。対照的に、ワッシャ28は、変形可能である(すなわち、ベルトより容易に顕著に変形可能)。その厚みがベルトの厚みより小さいことは、理解され得る。特に、ワッシャは、ベルトより薄い金属片で作製される。
【0045】
図3は、その同じことが、特に、ワッシャと同じ材料から作製され得、同じ厚みを有し得る締め付けタブ18に当てはまることを示す。例示によれば、タブ18の厚みe18は、ベルトの厚みe12のうちの10%〜40%の範囲にあり得る。従って、固定器タブ18は、容易に変形され得る。
【0046】
これは、それらの圧迫ブランチ18Bに関して特に有利である。図3は、圧迫ブランチ18Bが、カラーを締め付ける前に、ベルトの翼12Dに内側表面に対して押しつけられることを示すが、これは、そうされる必要はない。圧迫ブランチは、翼12Dの傾斜とは異なる、軸Aに対する傾斜を最初に有し得る(例えば、翼12Dより小さく傾斜している)。しかし、カラーの締め付けの間に、圧迫ブランチは、ワッシャ28のように変形して、ベルトの内側表面の形状をとり、締め付けを妨げない。
【0047】
図3は、固定器タブ18の圧迫ブランチ18Bが、カラーの軸Aに対して平行に測定して、長さL18B(同様にカラーの軸の方向で測定して、ベルトの幅LCのうちの30%程度である)を覆って延伸することを示す。特に、長さL18Bは、幅LCのうちの10%に少なくとも等しくてもよいし、さらには少なくとも20%に少なくとも等しくてもよい。このことは、タブをカラーの下に有効にかつ効率的に保持するために十分である長さで挟むことを確実にする。さらに、圧迫ブランチが翼12Cまで延伸することは、可能である。
【0048】
スリーブ16は、ロールアップ直径DEで丸められる。図5は、自由な状態にあるスリーブを示し、この場合、当該直径DEは、カラーを締め付ける前ですら、スリーブがベルトのそばに支えられているときのスリーブの直径よりわずかに大きい。さらに、図1〜3は、固定器タブ18が全てベルト12の同じ側に位置することを示す。スリーブが単独で、カラーに付着されずに考慮される場合、固定器タブ18は、そうすると、図5で示されるように、スリーブの同じ半径方向のエッジ表面に全て位置する。さらに、図5はまた、スリーブが、具体的にはウインドウ20のエッジ上に形成される第1の端部16Aと第2の端部16Bとの間で丸められ、このウインドウ20を超えて、締め付け突起部12Aおよび12Bが延伸することを示す。特に、図1は、スリーブの第1の端部16Aが、付着した状態では、突起部12Bと同じ側に位置することを示す。スリーブの第2の端部の自由端16B’は、第1の端部16Aと相対的にスライドして連携する。従って、自由な状態にあるその直径に対して、スリーブの直径は、半径方向の圧縮によって減少され得るに過ぎない。
【0049】
この実施形態において、スリーブの第2の端部16Bが、具体的には、ウインドウ20に円周状に境をなす舌部を形成することは、観察されるべきである。これは、スリーブがクランプ留めされるべき物品を超えて延伸し、上述の舌部が、カラーを締め付けるための手段と並んで軸方向にあることを可能にする。
【0050】
当然のことながら、上記例が、ウインドウの単一の円周状のエッジ上に単一の舌部を示すとしても、特に、スリーブが、特許文献1に記載されるようにチューブ2をさらに覆って延伸するような様式で、図3に示される方向Fで軸方向に延伸される場合、ウインドウの2つの円周状のエッジの各々の上に2つの舌部が存在し得ることは、理解されるべきである。
【0051】
しかし、スリーブの第2の端部はまた、第1の端部に類似であってもよく、ウインドウ20と軸方向に境をなしていてもよい。当該構成において、図5に示される切り欠き線16Dは、スリーブの幅全体を覆って延伸する。
【0052】
上述の可能性のうちのいずれか1つにおいて、半径方向の圧縮を使用することによって、スリーブの直径を減少することは可能である。さらに、自由な状態で、圧迫ブランチが、それらの自由端がカラーの軸からそれるように、わずかに持ち上げられるフックへと曲げられることは、理解され得る。従って、カラーを締め付ける前に、スリーブをカラーに設置するために、スリーブを、圧迫ブランチの自由端がともにベルトの翼12Dの内側エッジの直径より小さい直径を規定する様式でスリーブの直径が減少されるまで半径方向に圧縮し、次いで、スリーブを、圧迫ブランチがベルトの下に挿入されるまで軸方向に動かし、次に、圧迫ブランチをベルトの内側表面に押し付ける寸法へと弾性的に戻るように、スリーブに作用する半径方向のストレスを解放するだけで、十分である。従って、スリーブが適所にある場合、固定器タブ18は、ベルトの同じ翼12Dと連携し、圧迫ブランチは、当該翼に実質的に並行して延伸する。
【0053】
特に、図3および5では、スリーブ16が周囲リブ17を与えることは、さらに認められ得る。例示によれば、このリブは、半径方向のエッジ表面において、スリーブの円周に沿って延伸するボスによって形成される。リブは、その自由な状態の直径に向かって弾性的に戻るための所望の特性をスリーブに与えるような様式で、スリーブを硬くするように働き得る。
【0054】
さらに、周囲リブ17は、具体的には、スリーブの第1の端部16Aから、周囲リブ17が自由端16B’に達するまで延伸する。周囲リブ17は、スリーブの外側表面上に突出部を、その内側面に中空部を形成する。自由端16B’および第1の端部16Aは、互いに重なる。具体的には、自由端16B’が第1の端部16Aの内側に延伸することが理解されるべきである。この構成において、自由端の外側表面にリブ17によって形成される突出部は、第1の端部16Aの内側表面にリブが形成する中空部の中へと入り込む。このリブは、スリーブの直径が改変される場合、特に、当該スリーブが設置されかつカラーを締め付ける間にある場合に、自由端と第1の端部16Aとの間にガイダンスを設けるといわれ得る。これはまた、スリーブの良好な軸方向の強度を確実にするために、第2の端部16Bで形成される舌部を、第1の端部16Aに対して軸方向に押し込むことを可能にする。
【0055】
当然のことながら、その形状は、中空部が外側表面にあるような様式でリブを作製することによって、逆にされ得る。上述のタイプの複数のリブもまた設けられ得る。さらに、スリーブの軸方向のエッジ17Aおよび17Bが、多少外側に持ち上げられることは、観察されるべきである。第2の端部16Bにおいてこのようにして持ち上げられる場合の軸方向のエッジ17Aは、従って、第1の端部16Aにおいて軸方向のエッジ17Aの下でかみ合い、スリーブの2つの端部をそれぞれ軸方向に押し込むことにも寄与する。
【0056】
変形例の実施形態は、図6〜10を参照して以下で記載される。この変形例において、カラーおよびスリーブは、上記の図中のものに同一であり、従って、同じ参照番号によって指定される。対照的に、ワッシャ28が存在しないことは観察されるべきである。この変形例において、カラー上にスリーブを固定するための固定器タブはまた、締め付ける前に、カラーへのチューブの事前付着を確実にするように働く。具体的には、固定器タブ118は、これら固定器タブ118が固定ゾーン118A、圧迫ブランチ118B、およびスペーサ部分118Cを含むという点で、上述のタブ18に類似である。固定器タブは従って、タブ18と全体的に同じ形状を有し、そのスペーサ部分は、具体的には、実質的に半径方向に配向される。しかし、この変形例において、固定器タブ118は、固定器かつ保持器タブである。従って、圧迫ブランチ118Bに加えて、固定器タブ118は、圧迫ブランチに対してカラーの軸側にずれている保持器ブランチ118Dを与える。図8において認められ得るように、保持器ブランチ118Dは、このようにして、自由な状態で、すなわち、カラーを締め付けてその締め付けの効果の下で当該ブランチを変形する前に、カラーの軸に向かって、圧迫ブランチ118Bよりもさらに延伸する。当該保持器ブランチは、チューブ1のクランプ表面1Aの頂部の直径より小さい、カラーの軸に対して最小限の距離を規定する。従って、チューブ1がカラーの下に設置されている場合、クランプ表面1Aの頂部は、当該ブランチの下を通過することで、保持器ブランチを外側に向かって曲げるようにし、次いで、保持器ブランチは、図8に示されるその支え位置に弾性的に戻る。従って、保持器ブランチは、カラーを締め付ける前に、図8に示される方向Gでカラーからチューブ1を引っ込めるのに対抗する。
【0057】
クランプデバイスがまた、チューブ2のための事前付着手段で差し込まれて、方向Fでのその引っ込めに対抗し得ることは、観察されるべきである。図8は、欧州特許第1451498号に開示されるものに概して類似であるワッシャ128を示す。この説明において、当該ワッシャは、簡潔に記載される。当該ワッシャは、チューブ1とチューブ2との間に位置した円錐台形部分130を与え、内側タブ133は、ベルト12の翼12Cの内側表面を支持し、外側タブ134は、外側で当該翼12Cのエッジと連携して、舌部138はチューブ2のクランプ表面2Aを支持する。さらに、当該ワッシャは、実質的に軸方向の、それらの自由端が外側に折りたたまれた外側タブ139を与える。当該ワッシャ130は、カラーのベルトに固定され、従って、カラーの内側に事前付着された状態で第2のチューブ2を保持するように働く。従って、この2本のチューブは、カラーを締め付ける前に、クランプデバイスの内側に接続され得る。
【0058】
特に、図9および10は、保持器ブランチ118Dおよび圧迫ブランチ118Bがともに、その固定ゾーン118Aの反対側のタブ118の自由端において形成されることを示す。保持器ブランチ118Dおよび圧迫ブランチ118Bは、切り欠き部分118Eによって互いから隔てられている。従って、タブ118の端部は、保持器ブランチおよび圧迫ブランチを備えることのみが必要である。しかし、示される例では、保持器ブランチ118Dは、2つの圧迫ブランチ118Bの間で、保持器ブランチ118Dのいずれの側にも位置した2つの切り欠き部分が形成されるような様式で配置される。
【0059】
自由な状態で、図8および9に示されるように、保持器ブランチは、上述の事前付着を果たすような様式で、圧迫ブランチよりカラーの軸に向かってさらに延伸する。特に、保持器ブランチは、従って、軸の近くにかつカラーの翼12Dの下に位置した折りたたみゾーン118D’を与える。上記のように、固定器タブは変形可能である。図10は、カラーを締め付けた後のタブ118の外形を示し、保持器ブランチ118Dが、カラーの内側周囲とカラーによってクランプ留めされる物品との間で圧迫ブランチのように挟まれることによって、圧迫ブランチ118Bと同じ平面に戻ったことが、その図の中で示され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10