(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図は、構造ないし構成を説明する目的で記載された模式図に過ぎず、図示された各部材の寸法は必ずしも現実のものを反映するものではない。また、各図において、同一の部材または同一の構成要素には同一の参照番号を付しており、以下、重複する内容については説明を省略する。
【0010】
図1は、実施形態に係るプリンタ1000のシステム構成を説明するための模式図である。プリンタ1000は、本実施形態では電子写真方式の構成であるが、インクジェット方式等の他の構成が採用されてもよい。
【0011】
プリンタの概念には、シートへの画像形成または記録(印刷)を主たる機能として備えるものだけでなく、これを補助的な機能として備えるもの(例えば、スキャナ機能、ファクシミリ機能等を更に備えるマルチファンクションプリンタ等)も含まれる。よって、「プリンタ」は、画像形成装置あるいは画像形成システムと称されてもよいし、記録装置あるいは記録システム(印刷システム)と称されてもよい。
【0012】
本実施形態では、プリンタ1000は、装置本体900と、スキャナ(読取装置)2000と、ペーパーデッキ(給送装置、給紙装置)3000とを具備する。装置本体900は、画像形成を行うための各機構を備え、シートSに画像を形成する(印刷を行う。)。また、スキャナ2000は、シートS上の画像を読み取って、その画像に応じたデータ(画像データ)を生成し、装置本体900に出力する。ペーパーデッキ3000は、詳細については後述とするが、複数のサイズのシートSに対応可能に構成され、多様な種類のシートのいずれかを選択的に収納することができ、また、対象のサイズのシートSを装置本体900に対して給送(或いは給紙/出力)する。
【0013】
例えば、装置本体900は、スキャナ2000からの画像データに基づいて、ペーパーデッキ3000から受け取ったシートSに印刷を行い、或いは、装置本体900内のシートSに印刷を行い、そして、印刷済みのシートSを排出する。また、装置本体900は、有線(LAN等)または無線(Wi−Fi等)により汎用コンピュータと通信可能であり、それにより入力された画像データに基づいて印刷を行うことも可能である。
【0014】
本明細書において、画像の概念には、例えば、文字、記号、模様、図形、絵、写真等の視覚的に認識可能な情報の他、空白(紙面の地色と実質的に同一の領域)も含まれる。また、シートは、画像の形成ないし記録が可能な記録媒体であればよく、一般にはA3、A4等の規格に準拠した所定サイズの紙が用いられるが、規格外のサイズのものが用いられてもよい。
【0015】
装置本体900は、画像形成部901と、シート搬送機構902と、複数の給紙部1001〜1004と、コントローラ120とを備える。画像形成部901は、シート搬送機構902により搬送されたシートSに対して画像を形成する。シート搬送機構902は、後述の実施形態ではペーパーデッキ3000からのシートSを画像形成部901に向かって搬送する態様を述べるが、給紙部1001〜1004からのシートSを画像形成部901に向かって搬送することも可能である。
【0016】
コントローラ120は、装置本体900での印刷が適切に実現されるように、装置本体900内の各要素の動作を制御する。コントローラ120は、例えば、CPU(中央演算装置)およびメモリを用いて所定のプログラムを実現可能に構成されてもよいし、PLD(プログラマブルロジックデバイス)、ASIC(特定用途向け集積回路)等の半導体デバイスにより実現されてもよい。即ち、コントローラ120による制御は、ハードウェアおよびソフトウェアのいずれによっても実現可能である。
【0017】
画像形成部901は、レーザ光走査部111、感光ドラム112、ミラー113、現像器114、転写帯電器115、分離帯電器116、搬送ベルト117、定着器118、排出ローラ119、及び、排出センサ122を含む。レーザ光走査部111は、スキャナ2000からの画像データに基づいて、レーザ光を出力する。このレーザ光は、ミラー113で反射され、ミラー113からの反射光が感光ドラム112の表面を走査するように、レーザ光走査部111から出力される。これにより、感光ドラム112表面には電位分布が潜像として形成される。
【0018】
現像器114は、感光ドラム112表面にトナーを付着させ、上記電位分布に基づく現像を行う。ここで、後述のシート搬送機構902によって、シートSが感光ドラム112下方の位置112aまで搬送される。感光ドラム112表面のトナーは、このシートSに対して、転写部112bにおいて転写帯電器115により転写される。これにより、シートSに画像が形成される。このシートSは、分離帯電器116によって感光ドラム112から分離された後、搬送ベルト117により定着器118に搬送される。定着器118は、シートSに転写されたトナーを定着させる。その後、このシートSは、排出ローラ119により装置本体900の外部へ排出される。排出センサ122は、シートSが排出されたことを検知し、例えば、1枚分の印刷が完了したことを示す信号をコントローラ120に出力する。
【0019】
シート搬送機構902は、ピックアップローラ11、搬送用ローラ対15、フィードローラ22及びリタードローラ23から成るローラ対25、検知センサ24、シート搬送路108、プレレジストローラ対130、並びに、レジストローラ対110を含む。なお、以下の説明において、搬送方向(或いは給送方向)に従う下流側を単に下流側と表現し、その反対側を単に上流側と表現する場合がある。
【0020】
ピックアップローラ11は、各給紙部1001〜1004に配され、対応の給紙部(1001等)から、シートSを1枚ずつ取り出して、下流側に搬送する。ローラ対25は、各給紙部1001〜1004に配され、フィードローラ22及びリタードローラ23を用いて、対応の給紙部から取り出されたシートSを1枚ずつ搬送し、2枚以上のシートSが取り出された場合にはそれらを分離する。具体的には、1枚のシートSが取り出された場合には、フィードローラ22及びリタードローラ23は、そのシートSを下流側に搬送する方向に回転する。2枚以上のシートSが取り出された場合には、リタードローラ23は逆回転を行い、2枚以上のシートSを分離して1枚のシートSを下流側に搬送すると共にそれ以外のシートSを対応の給紙部に戻す。
【0021】
検知センサ24は、各給紙部1001〜1004に配され、シートSが通過したことを示す信号をコントローラ120に出力する。搬送用ローラ対15は、シート搬送路108の各位置に配され、給紙部1001〜1004からのシートSを下流側に向かって搬送する。
【0022】
プレレジストローラ対130は、給紙部1001〜1004の何れかからのシートS、或いは、後述のペーパーデッキ3000からのシートSを、下流側に搬送する。そして、このシートSは、画像形成部901による印刷開始のタイミングに合わせて、レジストローラ対110により画像形成部901に向かって搬送される。
【0023】
各給紙部1001〜1004には給紙カセット10が配されており、ユーザは、対応のサイズのシートSを給紙カセット10に収納することができる。なお、給紙部1001〜1004には同一サイズのシートSが収納されてもよいし、これらの一部/全部には互いに異なるサイズのシートSが収納されていてもよい。
【0024】
スキャナ2000は、走査用光源201、プラテンガラス202、圧板203、レンズ204、受光素子205、プロセッサ206、通信用ケーブル207、メモリ208、及び、自動原稿給紙部(Auto Document Feeder)250を備える。走査用光源201は、ユーザによりプラテンガラス202上に配され圧板203により押圧された原稿(何らかの画像が形成された紙、例えば雑誌等の切り抜き)に対して、光を照射する。この光は、原稿表面を走査するように照射される。
【0025】
原稿からの反射光は、図中に示されるように、本実施形態ではミラーによって導かれ、レンズ204によって集光され、その後、受光素子205によって検知される。プロセッサ206は、受光素子205による検知結果に基づいて、原稿上の画像に基づく画像データを生成する。プロセッサ206は、この画像データを、通信用ケーブル207を介して装置本体900に出力することもできるし、メモリ208に格納することもできる。
【0026】
自動原稿給紙部250は、ユーザにより1枚以上の原稿が載置された場合に、それらを1枚ずつスキャナ2000内に取り込むように構成される。これにより、各原稿上の画像に基づく画像データが、プロセッサ206によって上記同様の手順で生成される。
【0027】
なお、装置本体900およびスキャナ2000の構成は一例に過ぎず、プリンタ1000は上記構成に限られるものではない。
【0028】
ペーパーデッキ3000は、装置本体900に対してシートSを供給可能に接続されており、本実施形態では、給紙機構30、コントローラ41、及び、それらを内蔵する筐体3000aを備える。本実施形態では、給紙機構30は、多様なサイズのシートSを積載可能に構成された積載機構61(積載装置)と、積載機構61と共にシートSを収納する収納庫62とを含む。
【0029】
積載機構61は、メインリフタである第1積載部61aと、延長リフタである第2積載部61bとを含む。詳細については後述とするが、第2積載部61bは、第1積載部61aに連結可能に構成されている。例えば、第1積載部61aを用いて通常サイズ(第1サイズ)のシートSを積載することが可能である。また、第1積載部61aと第2積載部61bとを連結させて第1〜第2積載部61a及び61bを共通に用いて大型サイズ(第2サイズ)のシートSを積載することも可能である。
図1は、ペーパーデッキ3000において、第1〜第2積載部61a及び61bの双方を用いて大型サイズのシートSが積載された態様を示している。収納庫62の底板63上には、第1積載部61aの可動領域の下端となる位置に緩衝部材81が配されてもよい。
【0030】
なお、本明細書では説明の容易化のため、上記シートSのサイズを通常サイズ/大型サイズで表現する場合があるが、これらは、積載機構61の使用態様に基づく相対的な大きさを示すものに過ぎない。例えば、大型サイズは、通常サイズの1.5〜3倍程度の長さ(搬送方向での長さ)を有する長尺状のサイズであり、例えばA4サイズの見開き2ページ或いは4ページのカタログ、パンフレット、POP広告、ブックカバー等に用いられうる。
【0031】
積載機構61上のシートSは、加圧部84により押圧され、これにより、積載されたシートSの浮き上がりを防ぐことができる。積載されたシートSのうち最上の1枚は、ピックアップローラ51により取り出され、フィードローラ12及びリタードローラ13から成るローラ対31により、接続搬送路32に向かって搬送される。接続搬送路32は、装置本体900内のシート搬送路108に接続される。これにより、接続搬送路32に搬送されたシートSは、シート搬送路108に搬送され、その後、プレレジストローラ対130およびレジストローラ対110により画像形成部901に向かって搬送される。この観点で、接続搬送路32は、装置本体900へのシートSの出力を行う出力部に相当する。
【0032】
なお、ピックアップローラ51の機能は、ピックアップローラ11の機能同様である。また、フィードローラ12及びリタードローラ13の機能は、ローラ対31のフィードローラ22及びリタードローラ23の機能とそれぞれ同様である。
【0033】
図2は、ペーパーデッキ3000のシステム構成の詳細を説明するためのブロック図である。ペーパーデッキ3000は、ドライバ45および収納庫ロックソレノイド46を備えており、収納庫62はソレノイドロック方式でロック可能となっている。コントローラ41は、ドライバ45により収納庫ロックソレノイド46を駆動することにより、収納庫62をロックし(収納庫62の開放を制限し)、又は、そのロックを解除する(収納庫62を開放可能にする。)。
【0034】
ペーパーデッキ3000は、更に、IOインタフェース42、モータドライバ43、各種モータ44、モータドライバ53および駆動機構54を備える。これらは、給紙機構30に配される。コントローラ41は、IOインタフェース42を介して、例えばモータドライバ43により各種モータ44を駆動し、それによりピックアップローラ51を回転させる。
【0035】
また、コントローラ41は、IOインタフェース42を介して、例えばモータドライバ53を駆動し、それにより駆動機構54を駆動する。詳細については後述とするが、駆動機構54は、動力源である昇降モータ55等を含み、メインリフタである第1積載部61aを上下方向に昇降させる昇降駆動部として機能する。このような構成により、コントローラ41は、モータドライバ53を用いて昇降モータ55を駆動し、第1積載部61aの昇降制御を行う。
【0036】
ペーパーデッキ3000は、更に、収納庫開閉ボタン306を備える。収納庫62の開放が許容される動作状態(例えば、装置本体900内において印刷が行われていない状態)の下で収納庫開閉ボタン306がユーザにより押された場合には、収納庫62の開放要求があったことを示す信号75がコントローラ41に入力される。これに応答して、コントローラ41は、ドライバ45により収納庫ロックソレノイド46を駆動して収納庫62のロックを解除し、収納庫62を開ける。
【0037】
また、ペーパーデッキ3000は、更に、複数のセンサ48〜50及び300〜302を備える。これらセンサ48〜50及び300〜302の検知結果は、その検知結果を示す信号69によりコントローラ41に入力される。これに応答して、コントローラ41は、ペーパーデッキ3000内、主に給紙機構30の各要素の動作を制御する。
【0038】
中継ぎセンサ48は、第1積載部61aの位置を検知するためのセンサの1つであり、収納庫62が開いた際に、第1積載部61aを、ユーザがシートSを補充しやすい位置まで移動させるためのセンサである。収納庫開閉センサ49は、収納庫62が開いた状態か閉じられた状態かを検知するためのセンサである。紙面検知センサ50は、積載機構61に積載されたシートSの最上の位置を検知するためのセンサである。
【0039】
また、紙有無センサ300は、積載機構61上のシートSの有無を検知するためのセンサである。下限検知センサ301は、第1積載部61aが可動領域の下端に位置しているか否かを検知するためのセンサである。規制部検知センサ302は、詳細については後述とするが、シートSのサイズを検知するためのセンサである。
【0040】
以上のような構成により、コントローラ41は、給紙機構30による給紙が適切に実現されるように、給紙機構30内の各要素の動作を制御する。コントローラ41による制御は、コントローラ120同様、ハードウェアおよびソフトウェアのいずれによっても実現可能である。
【0041】
ペーパーデッキ3000は、コントローラ41により、装置本体900との間で信号通信が可能であり、例えば、装置本体900からの給紙要求を受け付け、また、印刷開始のタイミング、給紙のタイミング等について同期をとることができる。装置本体900は、操作パネル40を介して、ユーザからの印刷ジョブを受け付ける。また、装置本体900は、操作パネル40を介して、印刷に必要な情報(例えば、シートSの補充が必要になったこと、トナー交換が必要となったこと、紙詰まりが発生したこと等)をユーザに対して通知することができる。なお、操作パネル40は、ユーザにとって見やすい位置、例えば装置本体900の上部に設けられうる。
【0042】
図3は、ペーパーデッキ3000の内部構造、主に給紙機構30の斜視図である。ピックアップローラ51がa方向に回転すると、積載機構61上に積載されたシートSの最上の1枚がb方向に取り出され、そのシートSの搬送が開始される。シートSは、フィードローラ12がc方向に回転することで接続搬送路32に向かって搬送され、プレレジストローラ対130がd方向に回転することで更に下流側に搬送される。
【0043】
給紙機構30は、b方向における一端部側、即ち下流側において前端規制部86を更に含み、また、他端部側、即ち上流側において後端規制部(第1規制部)87を更に含む。前端規制部86は、収納庫62の側面部を形成する板材である。後端規制部87は、その位置をb方向に調整可能に構成された柱状部材である。これら規制部86及び87により、シート長を規制し、或いは、積載機構61上に積載されたシートSの束を整えることができる。
【0044】
b方向と交差(ここでは実質的に直交)する方向をh方向とする。給紙機構30は、h方向の両側それぞれにおいて側端規制部(第2規制部)80及び83を更に含む。側端規制部80は、下流側において、シートSを側方側から挟持するように一対配される。同様に、側端規制部83は、上流側において一対配される。側端規制部80及び83は、それぞれ、それらの位置をh方向に調整可能に構成されている。即ち、側端規制部80は、第1積載部61aによるシートSの積載領域の一部をh方向に移動可能であり、側端規制部83は、第2積載部61bによるシートSの積載領域の一部をh方向に移動可能である。これにより、シート幅を規制し、或いは、積載機構61上に積載されたシートSの束を整えることができる。
【0045】
側端規制部80及び83は、幅規制部、シート幅規制部等と称されてもよい。側端規制部80及び83のh方向の可動範囲は、後端規制部87のb方向の位置に基づいて変更されてもよい。例えば、通常サイズのシートSが積載される場合、後端規制部87は一対の側端規制部83よりも下流側に位置し、これら一対の側端規制部83は互いに近接する位置まで移動可能となりうる。
【0046】
上述の各規制部80、83、86及び87は、まとめて、ガイド機構、ガイド部材等と表現されてもよい。
【0047】
図4は、給紙機構30の側面図である。ここでは、積載機構61の構造の詳細を説明するため、シートSを積載していない状態を図示する。前述のとおり、積載機構61は、メインリフタである第1積載部61aと、延長リフタである第2積載部61bとを含む。
図4には、第1積載部61aがその可動領域の下端に位置している様子が示される。
【0048】
第1積載部61aは、上流側において肉薄の部分61a’を含む。第2積載部61bは、部分61a’と重なることにより第1積載部61aに連結可能に構成される(第1〜第2積載部61a及び61bは相互に連結可能に構成される。)。即ち、部分61a’は、第2積載部61bとの連結を実現する連結部として機能する。
【0049】
そして、第2積載部61bは、第1積載部61aと連結していない状態では、支持部305に支持されることで底板63から所定高さの位置、ここでは底板63から所定距離だけ上方の位置(第1位置)P1に固定される。
【0050】
駆動機構54(
図2参照)は、昇降モータ55の他、
図4に示されるように、駆動用プーリ90、複数のガイドプーリ91、及び、複数のワイヤ92a〜92c(吊り上げ部材)を更に含む。駆動用プーリ90は、昇降モータ55の回転軸と同軸上に配される。複数のガイドプーリ91は、第1積載部61aを固定可能な各位置にワイヤ92a〜92cを導くように配される。ワイヤ92aは、第1積載部61aの下流側の端部に固定される。ワイヤ92bは、第1積載部61aの中央部に固定される。ワイヤ92cは、第1積載部61a(の肉薄の部分61a’)の上流側の端部に固定される。
【0051】
昇降モータ55が回転すると駆動用プーリ90が回転し、その回転は各ワイヤ92a〜92cを介して第1積載部61aに伝達される。このような構成により、昇降モータ55の駆動力は第1積載部61aに直接的/間接的に伝達され、例えば、昇降モータ55が一方向に回転すると第1積載部61aは上昇し、他方向に回転すると第1積載部61aは下降する。
【0052】
ワイヤ92a〜92cが、第1積載部61aの下流側の端部、中央部、上流側の端部にそれぞれ固定されることで、第1積載部61aは、その姿勢を水平に維持しながら且つその歪みを抑制しながら、昇降可能となる。詳細については後述とするが、第1積載部61aは、第2積載部61bが連結された場合には第2積載部61bを支持する形となる。そのため、本実施形態のようにワイヤ92a等により第1積載部61aを複数の位置で固定する場合、それらの固定位置は、b方向において、少なくとも、第2積載部61bの重心に対して上流側および下流側の2点を含むとよい。ここで、第2積載部61bの重心は、
図4において一点鎖線により示される。なお、
図3の斜視図からも分かるように、上述の駆動用プーリ90、複数のガイドプーリ91およびワイヤ92a〜92cは、h方向の両側それぞれに設けられる。
【0053】
ワイヤ92a〜92cは、昇降モータ55の駆動力を伝達可能なものであればよく、これらには、ワイヤの代わりに、例えばケーブル、ベルト、チェーン等、紐状、帯状あるいは鎖状の他の伝達部材が用いられてもよい。
【0054】
図5(a)〜5(b)は、積載機構61の挙動を説明するための給紙機構30の側面図である。
図5(a)は、第1積載部61aが位置P1より下方の第1領域R1に位置し、かつ、第2積載部61bが位置P1に固定された状態での構造を示す。
図5(a)において、後端規制部87は、支持部305より下流側に(或いは第2積載部61bよりも下流側に)位置している。この状態において、第1積載部61a上には通常サイズ(例えばA3、A4サイズ)のシートSを積載可能である。
【0055】
図5(b)は、第1積載部61aが位置P1より上方の第2領域R2に位置し、かつ、第2積載部61bが第1積載部61aに連結された状態での構造を示す。後端規制部87は、支持部305より上流側に(或いは第2積載部61bの下方に)位置している。この状態において、第1〜第2積載部61a〜61b上には大型サイズ(例えば、通常サイズよりも長い規格外のサイズ)のシートSを積載可能である。
【0056】
ユーザ側の観点では、ユーザは後端規制部87の位置をb方向に調整可能であり、後端規制部87を下流側に移動させることで通常サイズのシートSを積載可能となり、後端規制部87を上流側に移動させることで大型サイズのシートSを積載可能となる。
【0057】
そして、第1積載部61aは、第1〜第2領域R1及びR2の双方を可動領域として昇降可能である。一方、第2積載部61bは、第1積載部61aが第1領域R1内の場合には、位置P1に保持され、第1積載部61aが第2領域R2内の場合には、第1積載部61aの部分61a’と連結して第1積載部61aと共に昇降可能である。即ち、位置P1において、第2積載部61bは、第1積載部61aの上昇動作に連動して第1積載部61aと連結され、第1積載部61aの下降動作に連動して該連結が解除される。よって、位置P1は、第1積載部61aの下降可能な下限位置よりも高く且つ第1〜第2積載部61a及び61bの上昇可能な上限位置よりも低い位置である。
【0058】
第2積載部61bは、第1積載部61aと協働して大型サイズのシートSを積載可能とするため、b方向(即ち、大型サイズのシートSの長辺と平行な方向)において、第1積載部61aのうち通常サイズのシートSを載置可能な部分と並設される。
【0059】
ここで、1枚あたりのシートSの重さは、大型サイズの方が通常サイズよりも大きい。そして、本実施形態によれば、積載するシートSが通常サイズの場合、第1積載部61aの可動領域の下端は位置P1よりも下方である。一方、積載するシートSが大型サイズの場合、第1積載部61a(及び第2積載部61b)の可動領域の下端は位置P1である。よって、大型サイズの場合のシートSの最大積載数量(例えば1500枚)は、通常サイズの場合の最大積載数量(例えば3000枚)よりも小さくなる。そのため、本実施形態によれば、大型サイズのシートSを積載する場合においても昇降モータ55の過負荷となることもない。なお、大型サイズのシートSの積載量は、第1〜第2積載部61a及び61bが位置P1に固定されている状態で最大となる。
【0060】
また、規制部検知センサ302は、後端規制部87の位置によって、積載を予定しているシートSのサイズが通常サイズおよび大型サイズのいずれかを検知可能な検知部として作用する。コントローラ41は、規制部検知センサ302による検知結果に基づいて、シートSのサイズを計測可能となり、例えば、ピックアップローラ51によるシートSの搬送距離を決定することができる。
【0061】
図6(a)は、
図5(a)に対応する給紙機構30の上面図であり、また、
図6(b)は、
図5(b)に対応する給紙機構30の上面図である。
図6(a)〜6(b)から分かるように、積載機構61には、b方向に延在する長穴部61cが設けられており、後端規制部87は、長穴部61c内においてb方向に移動可能となっている。
【0062】
ここで、第1積載部61aは、平面視において(上下方向の視点において)、b方向に延びた幅広部と、この幅広部からh方向に延びた複数の幅狭部と、を含む冊状形状である。これにより、積載されるシートSの撓みを防ぐと共に、側端規制部80及び83が第1積載部61aからh方向に離間して配され且つh方向に移動可能となっている。なお、幅広部のh方向での幅は、各幅狭部のb方向での幅より広くなっており、上記長穴部61cは、この幅広部に設けられる。
【0063】
また、第2積載部61bは、平面視において、第1積載部61aの上流側の一部、ここでは肉薄の部分61a’、と重なるように設けられる。このような構造により、第2積載部61bは、第1積載部61aが位置P1まで上昇すると、第1積載部61aに連結され、そして、位置P1より上方の第2領域R2を第1積載部61aと共に昇降可能となる。また、第2積載部61bが第1積載部61a同様に冊状形状をとることにより、側端規制部83が第1〜第2積載部61a及び61bからh方向に離間して配され且つh方向に移動可能となっている。
【0064】
上記長穴部61cは、
図6(a)〜6(b)では、矩形状の1つの穴として描かれるが、第1積載部61aおよび第2積載部61bの双方に設けられて成る。即ち、平面視において、第1積載部61aについては第2積載部61bと重なっている部分および重なっていない部分の双方にわたって、かつ、第2積載部61bについては第1積載部61aと重なっている部分に、1つの穴が設けられる。これにより、後端規制部87はb方向に移動可能となっている。
【0065】
図7(a)〜7(b)は、ペーパーデッキ3000の内部構造、主に筐体3000aおよび収納庫62を説明するための斜視図である。
図7(a)は、収納庫62が閉じられた状態の斜視図であり、また、
図7(b)は、収納庫62が開いた状態の斜視図である。
図2を参照しながら述べたように、ユーザにより収納庫開閉ボタン306が押されたことに応答して、コントローラ41は収納庫62を開ける。
【0066】
図8(a)〜8(b)は、ペーパーデッキ3000の使用方法を説明するためのフローチャートである。これらのフローチャートの各ステップの内容は主としてコントローラ41により実行される。
図8(a)のフローチャートは、収納庫62に収納可能なシートSのサイズの設定の仕方を示す。本フローチャートでは、収納庫62が開けられた後、ユーザは後端規制部87の位置を調整することでシートSのサイズを設定可能である。
【0067】
まず、ステップS100(以下、単に「S100」とする。他のステップについても同様。)では、収納庫開閉ボタン306(
図2参照)が押されたか否かを判定する。ボタン306が例えばユーザにより押された場合にはS110に進み、そうでない場合にはS100に戻る。S110では、ボタン306が押されたことに応答して収納庫62を開ける。
【0068】
S120では、収納庫62がユーザにより閉じられたか否かを判定する。収納庫62が例えばユーザにより閉じられた場合には本フローチャートを終了し、そうでない場合にはS130に進む。S120は、収納庫開閉センサ49(
図2参照)の検知結果により実現可能である。
【0069】
S130では、後端規制部87の位置が変更されたか否かを判定する。後端規制部87の位置が変更された場合にはS140に進み、そうでない場合にはS120に戻る。S130は、規制部検知センサ302(
図2、
図5参照)の検知結果に基づいて実現可能である。
【0070】
S140では、後端規制部87の位置が変更されたことに基づいて、即ち、新たに収納ないし搬送対象となるシートSのサイズに基づいて、動作モードの設定を行う。例えば、シートSの搬送距離の調整、本実施形態では、ピックアップローラ51やローラ対31の回転量の調整が行われる。
【0071】
図8(b)のフローチャートは、S140の動作モードの設定方法の一例を示す。S1401では、後端規制部87の位置が所定条件を満たすか否かを判定する。本実施形態では、後端規制部87が支持部305より下流側に位置する場合にはS1402に進み、そうでない場合にはS1403に進む。
【0072】
S1402では、動作モードを普通紙モードに設定する。後端規制部87が支持部305より下流側に位置する場合、第2積載部61bとの連結に関わらず(第1〜第2領域R1及びR2のいずれに位置するかに関わらず)、第1積載部61aには普通サイズのシートSが積載される。普通紙モードでは、収納庫62が開いた状態では、例えばユーザが普通サイズのシートSを積載しやすくなるように、第1積載部61aは第1領域R1内の所定位置まで降下される。
【0073】
S1403では、動作モードを大型紙モードに設定する。後端規制部87が支持部305より上流側に位置する場合、第1積載部61aの可動領域は第2領域R2のみに制限される。そして、第1積載部61aと第2積載部61bとは連結され、これらには大型サイズのシートSが積載される。大型紙モードでは、収納庫62が開いた状態では、例えばユーザが大型サイズのシートSを積載しやすくなるように、第1積載部61aは第2領域R2の下端、即ち位置P1に移動される。
【0074】
以上のような制御によれば、ユーザは、適切にペーパーデッキ3000を使用可能となる。再び
図3を参照すると、普通紙モードの場合(後端規制部87が下流側に位置する場合)には、側端規制部83はホームポジション(例えば、大型サイズのシートSの積載を許容しない位置)に移動するように構成されてもよい。また、普通紙モードの場合においてユーザが誤って大型サイズのシートSを積載しようとしたときには、コントローラ41は、該積載が中止されるべきであることを、操作パネル40に表示することでユーザに通知してもよい。また、動作モードが変更される場合には、コントローラ41は、変更前のサイズのシートSが積載機構61から取り除かれるべきであることをユーザに通知してもよい。これらの通知は、音、光等を用いた他の通知部により行われてもよい。
【0075】
以上、本実施形態によれば、ペーパーデッキ3000は、第1積載部61aと、第1積載部に連結可能に構成された第2積載部61bと、昇降駆動部として機能する駆動機構54と、を備える。第1積載部61aには、本実施形態では通常サイズのシートSを積載可能である。第2積載部61bは、第1積載部61aと連結することで第1積載部61aと共に大型サイズのシートSを載置可能となる。駆動機構54は、第1積載部61aを上下方向に昇降させる。第2積載部61bは、第1積載部61aが位置P1より低い第1領域R1を昇降する場合、位置P1に固定される。一方、第2積載部61bは、第1積載部61aが位置P1より高い第2領域R2を昇降する場合、第1積載部61aと連結して第1積載部61aと共に昇降する。
【0076】
ペーパーデッキ3000に通常サイズのシートSを収納する場合、通常サイズのシートSは第1積載部61aに積載される。一方、ペーパーデッキ3000に大型サイズのシートSを収納する場合、大型サイズのシートSは、互いに連結された第1〜第2積載部61a及び61bに積載される。このような構成によれば、比較的簡素な構成で、例えば駆動機構54の昇降モータ55を複数設けることなく、第1積載部61a、及び、付随的に第2積載部61bを昇降可能となる。
【0077】
また、一般に、大型サイズのシートSの1枚あたりの質量の方が、通常サイズSのシートの1枚あたりの質量よりも大きい。ここで、第2積載部61bの可動領域は、位置P1より上、即ち第2領域R2となる。そのため、第1〜第2積載部61a及び61bに大型サイズのシートSを積載する場合の最大積載数量は、第1積載部61aに通常サイズのシートSを積載する場合の最大積載数量よりも少ない。よって、大型サイズのシートSが過剰にペーパーデッキ3000に収納されることがないため、駆動機構54(例えば昇降モータ55)に過負荷が加わることもない。
【0078】
第1積載部61aが第1領域R1の場合の第2積載部61bの挙動態様と、第1積載部61aが第2領域R2の場合の第2積載部61bの挙動態様とは、他の実施形態として、逆の態様になるように変更されてもよい。例えば、第2積載部61bは、第1積載部61aが第2領域R2の場合には所定の高さ(例えば位置P1)に保持され、第1積載部61aが第1領域R1の場合に第1積載部61aに連結されて第1積載部61aと共に昇降可能となってもよい。このような構成は、例えば積載されたシートSの束のうち最下の1枚から順に装置本体900に供給するように給紙機構30が構成される場合に、採用されうる。
【0079】
以上、いくつかの好適な態様を例示したが、本発明はこれらの例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その一部が変更されてもよい。また、本明細書に記載された個々の用語は、本発明を説明する目的で用いられたものに過ぎず、本発明は、その用語の厳密な意味に限定されるものでないことは言うまでもなく、その均等物をも含みうる。