(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
立設された構造体と地面との間に張設された、つる性植物が巻き付いて這い上がる索条体の中間位置に、シート本体の一部が巻き付けられ保持される、前記つる性植物の這い上がり防止装置であって、
前記シート本体は、前記索条体の中間位置に巻き付けられたロール部と、該ロール部と連なり所定の垂下幅を有し、保形部材が縁辺に配設された旗状部とを有し、
保形された前記旗状部でつる性植物の巻き付き、這い上がりが抑止されることを特徴とするつる性植物の這い上がり防止装置。
前記ロール部は、前記索条体に取り付けられた筒状支持体の外周を覆うように巻き付けられ、複数本の帯状体で前記筒状支持体に固定保持された請求項1または請求項2に記載のつる性植物の這い上がり防止装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示した這い上がり防止装置では、支線の索条体への取り付け作業を容易にするために、所定直径の筒形状の被覆体の軸方向全体にわたって切割りを形成し、切り割り内に索条体を挿入し、索条体を保持するとともに、被覆体の外面につる性植物の忌避剤を施すことにより、つる性植物の這い上がりを防止するようになっている。この装置では、第一に筒形状の被覆体でつる性植物の這い上がりを防止し、さらに被覆体の外周に施された忌避剤で植物の生長を抑止することを考慮しているが、つるが被覆体に確実に巻き付かないようするためには、被覆体の直径を十分大きくしなければならない。そのため、さまざまなつる性植物におけるつるの這い上がりを防止するためには、被覆体の直径を大きくしなければならず、装置の大型化、重量化につながるという問題がある。
【0006】
一方、特許文献2に開示したかずら巻き防止具は、特許文献1に比べ、板羽の幅を大きくするのみでつる性植物の巻き付き効果を高めることができるという利点がある。しかし、この防止具は合成樹脂の一体成形品であるため、所定サイズに成形された支線装着用筒に嵌まる線材(索条体)にしか対応できない。そのため、たとえば特許文献1に開示された被覆体等の外周面には取り付けることができない。
【0007】
そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、電柱の支線の索条体に直接取り付けられ、筒状体を有するつる性植物の這い上がり防止装置の筒状体の外周にも巻き付けて使用することができるようにしたつる性植物の這い上がり防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、立設された構造体と地面との間に張設された、つる性植物が巻き付いて這い上がる索条体の中間位置に、シート本体の一部が巻き付けられ保持される、つる性植物の這い上がり防止装置であって、前記シート本体は、前記索条体の中間位置に巻き付けられたロール部と、該ロール部と連なり所定の垂下幅を有し、保形部材が縁辺に配設された旗状部とを有し、保形された前記旗状部でつる性植物の巻き付き、這い上がりが抑止されることを特徴とする。
【0009】
前記旗状部に前記つる性植物の生育抑制剤を施すことが好ましい。
【0010】
前記シート本体は、メッシュシートからなることが好ましい。
【0011】
前記ロール部は、前記索条体に取り付けられた筒状支持体の外周を覆うように巻き付けられ、複数本の帯状体で前記筒状支持体に固定保持されることが好ましい。
【0012】
前記保形部材は、前記旗状部の縁辺に沿って取り付けられた細径棒材であることが好ましい。
【0013】
前記細径棒材は、前記旗状部の縁辺に沿って形成された袋状部内に収容されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明のつる性植物の這い上がり防止装置の第1実施形態を、筒状の這い上がり防止装置の外周面に取り付けた状態を示した斜視図((a))、
図1(a)中のIb−Ib断面線に沿って示した断面図((b))。
【
図2】
図1に示したつる性植物の這い上がり防止装置の主構成であるシート本体の展開図および補強線材の平面図。
【
図3】
図1に示したつる性植物の這い上がり防止装置のシート本体の取り付け状態を示した部分拡大斜視図。
【
図4】本発明のつる性植物の這い上がり防止装置の第2実施形態を、筒状の這い上がり防止装置の外周面に取り付けた状態を示した斜視図((a))、
図4(a)中のIVb−IVb断面線に沿って示した断面図((b))。
【
図5】
図4に示したつる性植物の這い上がり防止装置の主構成であるシート本体の展開図および補強線材の平面図。
【
図6】
図4に示したつる性植物の這い上がり防止装置のシート本体の取り付け状態を示した部分拡大斜視図。
【
図7】本発明のつる性植物の這い上がり防止装置の変形例を電柱の支線の索条体に取り付けた状態を示した斜視図((a))、
図7(a)中のVIIb−VIIb断面線に沿って示した断面図((b))。
【
図8】本発明のつる性植物の這い上がり防止装置の第3実施形態の取り付け状態を示した部分拡大斜視図((a))および補強線材の平面図((b))。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のつる性植物の這い上がり防止装置の実施するための形態として、以下の施工例について添付図面を参照して説明する。
【0016】
図1(a)は、本発明のつる性植物の這い上がり防止装置を、一例としてすでに開発された、特許文献1に開示されたつる性植物の這い上がり防止装置(以下、先行這い上がり防止装置と記す。)の筒形状の被覆体に取り付けた状態を示した斜視図である。
【0017】
この索条体の所定位置に取り付けられた先行這い上がり防止装置の構成について、
図1各図を参照して簡単に説明する。
図1(a)に示された先行這い上がり防止装置51は、図示しない地面と電柱の支持部との中間位置に架設された索条体2の長手方向の所定位置を覆うように取り付けられている。先行這い上がり防止装置51は、索条体2を覆う部分として円筒形状の被覆体55を備えている。
図1(b)に示したように、被覆体55の軸心56周りの一部が軸方向の全体にわたり切割り57が形成され、切割り57に索条体2が挿入され、被覆体55が保持されている。
【0018】
被覆体55は発泡スチロール製で、長手方向の両端に支持体61,62とを備えている(
図1(a))。各支持体61,62は、
図1(b)に示したように、内部に合成ゴム製の円環状の環状体65と、この環状体65の内面から被覆体55の軸心56側に向かって一体的に突出する複数の突起66と、これら各突起66の突出端に一体的に形成される複数の舌片67とを備えている。各舌片67が索条体2の表面に強く圧接して被覆体55を索条体2に確実に支持させるようになっている。
【0019】
先行這い上がり防止装置51では、被覆体55の外面につる性植物の忌避材(図示せず)が部材の一部として被覆するような態様で施されている。部材としての忌避材は、樹脂製繊維による織編物製や不織布製の可撓性基材と、この基材に被覆されたり含浸されたりする可撓性樹脂材と、この樹脂材に含有されたり塗布などにより付着されたりして植物の生長を阻害する忌避剤とを備えている。薬剤としての忌避剤は、可撓性基材、可撓性樹脂材とに含浸あるいは塗布等によって付与されている。
【0020】
ここで、一実施形態として、先行這い上がり防止装置51の被覆体55に、本発明の這い上がり防止装置を取り付ける態様について、添付図を参照して説明する。本発明の這い上がり防止装置10は、本実施形態では、
図2(a)に展開図を示したような合成繊維メッシュシート製のシート本体11を主構成とする。このシート本体11は、その一部が先行這い上がり防止装置51の被覆体55の全長にわたる外周面に巻き付けられ、巻き付けられた部分以外の所定幅の部分(旗状部16)が、保形部材20で形状が保持されて旗状に垂下されて取り付けられている。シート本体11は、その一部が被覆体全体を長手方向に沿って包むようにロール状に巻き付けられる。そして、この巻き付け状態を保持するために、シート本体11の表裏面の所定位置に、シートの長辺に沿って一対の面ファスナー14,15が縫着されている。被覆体55にロール状に巻き付けられた部位(以下、ロール部13と記す。)は、一対の面ファスナー14,15をシート長辺に沿って貼り合わせるように結合することでロール形状が保持される。また、這い上がり防止装置10全体を被覆体55に固定保持するために、後述する固定バンド40がシート本体11の長手方向の両端部に取り付けられている。固定バンド40でロール状部13を締め込むように固定することで、這い上がり防止装置10全体が被覆体55に固定保持されている。
【0021】
[第1実施形態の構成]
以下、第1実施形態としての這い上がり防止装置のシート本体11としてのメッシュシート、保形部材等の各部構成について説明する。本実施形態のメッシュシートは、長さL、幅Wの略長方形状のシート部材で、ポリエステル繊維織物の表面を塩化ビニル樹脂で被覆した通風性を有する織物シートが使用されている。長さLは、取り付けられる先行這い上がり防止装置51の被覆体55の長さに相当するが、通常はL=1,300〜1,500mm程度に設定されている。幅Wは、
図2(a)に示したように、旗状部16の幅Fおよび先行這い上がり防止装置51の被覆体55(直径φ1)にロール状に巻き付けられた部分(ロール部13)の長さ(φ1・π)によっておおよその寸法が決まる。すなわち、W=F+φ1・π+K、(K:面ファスナー(フック側)幅)となる。旗状部16の幅Fは、らせん状をなして延びようとするつる性植物のつるが巻き付けない程度の長さ(たとえば、想定されるらせん形状の直径以上に相当)に設定されている。本実施形態では幅F=150〜300mmに設定されている。シート本体11の素材としては、上述したメッシュシート状の織物の他、所定厚さのポリエステル長繊維不織布等を用いることもできる。
【0022】
また。シート本体11の表面には、つる性植物の巻き付き防止効果を有する生育抑制剤(たとえば、特開2016−216449号公報に開示された重力屈性調節剤)が塗布されている。生育抑制剤はシート本体11に塗布してもよいし、シート本体11が不織布の場合は、不織布に含浸させてもよい。
【0023】
面ファスナー14,15に関し、本実施形態では、
図2(a)に示したように、図中のシート表面の上端部に細幅帯状のフック側ファスナー14が縫着され、シート裏面の下端部に広幅帯状のループ側ファスナー15が縫着されている。面ファスナーとしては、既存の種々のフック、ループ等の結合体以外に各種形状のものを使用できる。
【0024】
旗状部16を構成するシート縁辺部には、後述する細径棒材20を旗状部16の縁辺部に取り付けるために、シート縁辺の長辺と2辺の短辺とを連続するように棒材包みしろ17a、17bが設けられている。この棒材包みしろ17a、17bを折り曲げてシートに縫い付けることで、袋状ポケット21が形成されている。この袋状ポケット21内に、
図2(b)に示した保形部材としてのガラス繊維強化プラスチック(FRP)製の細径棒材20(たとえばφ4)が収容される。細径棒材20は、長部材20aと2本の短部材20bとをL字形ジョイント20cで接合したもので、各部材を袋状部内に収容させた状態で接合することで、
図2(b)に示した扁平な略U字形状の保形部材とすることができる。細径棒材20としては、中実棒材以外に所定肉厚のパイプでもよい。またその材質としては、FRP製以外にアルミニウム、ステンレス鋼、各種合成樹脂を用いることができる。
【0025】
ここで、シート本体11の折り畳み状態及び完成形状と、シート端部に設けられた面ファスナー14,15によるシート本体11端部の固定について、
図1(b)、
図3を参照して説明する。這い上がり防止装置10としてのシート本体11を被覆体55に巻き付ける前に、旗状部16の袋状ポケット21内に保形部材としての細径棒材20を扁平略U字形に組み立てた形で収容しておく。まずシート本体11の内、
図2(a)に示した状態での旗状部16の上端部cから先の部分のシート本体11の中間部fを被覆体55にロール状に巻き付け、端辺部dに沿って取り付けられたフック側ファスナー14を端辺部aに沿って取り付けられているループ側ファスナー15に面合わせして結合させ、ロール部13を完成させる。
【0026】
さらに、固定バンド40を使用して這い上がり防止装置10を被覆体55に堅固に固定する。固定バンド40は、
図3に拡大して示したように、シート本体11の長手方向の両端付近に形成されたベルト挿通スリット18を利用して這い上がり防止装置10に取り付けられた帯状バンドである。本実施形態では、バンド素材として被覆体55の外周に沿って湾曲可能なにステンレス製薄板が用いられている。被覆体55に巻き付けられたシート本体11の外周に固定バンド40を巻き付け、係止フック41を利用して這い上がり防止装置10を被覆体55に堅固に固定する。係止フック41としては本実施の形態ではバンド面に形成されたハトメ孔に係止フック41を掛け留めるようにしてバンドのロール部13への巻き付け状態を保持させている。これにより、這い上がり防止装置10は、
図1各図、
図3に示したように、保形された旗状部16がロール部13から垂下した形状で被覆体55に保持される。固定バンド40としては、ステンレスバンド以外に、合成樹脂、布織物、革バンド等各種材料を使用できる。また、固定バンド40をシート本体11に取り付ける方法は、スリット18以外に好適な手段であれば、どのような取付手段も採用できる。また、ベルト端部の係止手段も上記手段に限られないことは言うまでもない。
【0027】
このように被覆体55に保持された這い上がり防止装置10において、旗状部16の縁辺部には保形部材としての細径棒材20が取り付けられている。このため、
図1(a)の設置状態で風等が吹いた場合にも翻って長方形状が崩れたりすることがない。つる性植物が索条体2に巻き付いて生長し、這い上がり防止装置10の旗状部16の下端まで延びてきても旗状部16の幅(たとえば150mm)が十分に確保されているので、つるはこの部分に巻き付くことができない。また、旗状部16にはつる性植物の巻き付きを阻害する生育抑制剤が塗布されているため、つる性植物が這い上がり防止装置10より上側部分に這い上がるのが確実に抑止される。
【0028】
[第2実施形態の構成]
以下、シート本体11の形状が異なる、他の実施形態としての第2実施形態の這い上がり防止装置の各部構成について説明する。本実施形態のシート本体を構成するメッシュシートは、
図4(a)、
図5に示したように、第1実施形態とほぼ同様な長方形状で、長さL、幅Wの長方形状のシート部材からなる。材質も同じく、ポリエステル繊維織物の表面を塩化ビニル樹脂で被覆した織物シートが使用されている。長さLは第1実施形態と同じく、L=1,300〜1,500mm程度に設定されている。幅Wは、旗状部16が袋状をなすため、第1実施形態より幅広のW=2・F+φ1・π+K、(K:面ファスナー(フック側)幅)となる(
図5)。旗状部16の幅Fは幅F=150〜300mmに設定されている。シート本体11の素材としては、上述したメッシュシート状の織物の他、所定厚さのポリエステル長繊維不織布等を用いることもできる。
【0029】
本実施形態でも、シート本体11の表面につる性植物の巻き付き防止効果を有する生育抑制剤(たとえば、特開2016−216449号公報に開示された重力屈性調節剤)が塗布されている。生育抑制剤はシート本体11に塗布してもよいし、シート本体11が不織布の場合は、不織布に含浸させてもよい。また、後述するように本実施形態のシート本体11は、その一部が部分bを底部とする袋状部30を構成することから、その袋状部30に生育抑制剤を含浸させた布等の薄いシート部材31等を収容することができる(
図6参照)。
【0030】
面ファスナー14,15に関し、本実施形態でも、
図5(a)に示したように、図中のシート表面の上端部に細幅帯状のフック側ファスナー14が縫着され、シート裏面の下端部に広幅帯状のループ側ファスナー15が縫着されている。面ファスナーとしては、既存の種々のフック、ループ等の結合体以外に各種形状のものを使用できる。
【0031】
旗状部16を構成するシート部分には、シート縁辺の長辺と2辺の短辺とを連続するように扁平な略U字形をなす2本の平行な縫い目線sが付され、2本縫い目線sで囲まれた部分に細幅での袋状ポケット21が形成されている(
図5(a))。この袋状ポケット21内に、
図5(b)に示した保形部材としてのガラス繊維強化プラスチック(FRP)製の細径棒材20(たとえばφ4)が収容されるようになっている。細径棒材20は、第1実施形態と同様な構成からなる。
【0032】
ここで、シート本体11の折り畳み状態及び完成形状と、シート端部に設けられた面ファスナー14,15によるシート本体11端部の固定について、
図4(b)、
図5を参照して説明する。這い上がり防止装置10としてのシート本体11を被覆体55に巻き付ける前に、旗状部16の袋状ポケット21内に保形部材としての細径棒材20を扁平略U字形に組み立てた形で収容しておく。まずシート本体11の内、
図5(a)に示した状態での下端部aを被覆体55の下端に位置させて谷折り部bで折り上げ、中間部cと端部aとを合わせた状態からシート本体11の中間部fを被覆体55に巻き付け、端辺部eに沿って取り付けられたフック側ファスナー14を端辺部aに沿って取り付けられているループ側ファスナー15に面合わせして結合させ、ロール部13を完成させる。これにより、這い上がり防止装置10は、
図4各図、
図6に示したように、保形された旗状部16がロール部13から垂下した形状で被覆体55に保持される。被覆体55への取付手段としては、固定バンド40が第1実施形態と同様に使用されている。固定バンド40の構成も第1実施形態と同様である。
【0033】
第2実施形態でも、旗状部16に細径棒材20が取り付けられているため、設置状態で風等が吹いた場合にも翻って長方形状が崩れたりすることがない。つる性植物が索条体2に巻き付いて生長し、這い上がり防止装置10の旗状部16の下端まで延びてきても旗状部16の幅(たとえば150mm)が十分に確保されているので、つるはこの部分に巻き付くことができない。また、旗状部16にはつる性植物の巻き付きを阻害する生育抑制剤が塗布されているため、つる性植物が這い上がり防止装置10より上側部分に這い上がるのが確実に抑止される。
【0034】
図7各図は、上述した先行這い上がり防止装置51の被覆体55に取り付けるのでなく、図示しない電柱の支線としての索条体2に直接取り付けるようにした這い上がり防止装置10の変形例を示している。この変形例では、
図4(a)に示した被覆体55に巻き付けられた部分(範囲c−f−d)が索条体2に巻き付ける程度の幅に減少するため、シート本体11の幅Wが小さくなる。このとき索条体2の這い上がり防止装置10の上下端位置には装置の位置保持のためにストッパ部材25が取り付けられている。このストッパ部材25は索条体2にカシメ等により固定し、索条体2にシート本体11を巻き付けた状態の這い上がり防止装置10が所定位置に保持される役割を果たす。なお、
図7各図は、第2実施形態の変形例を示しているが、第1実施形態の場合も同様の取付態様が可能であることは言うまでもない。
【0035】
[第3実施形態]
図8各図は、被覆体55へ巻き付けられたロール部13と旗状部16とを、切り離した2枚のシート本体11A,11Bで構成するようにした第3実施形態の構成を示している。同図に示したように、シート本体11Bを被覆体に巻き付けることでロール部13を形成するとともに、ロール部13を被覆体55に巻き付けた状態を保持する固定バンド40を用いて、旗状部16を構成するシート本体11Aをロール部13から垂下する。この旗状部16の形状を保持するために、
図8(b)に示した、保形部材としての細径棒材20の各辺20a、20bが対応するシートの各縁辺で保持されるように取り付けられている。保形部材の材質は、前述の実施形態と同様である。この実施形態ではロール部13と旗状部16とが別体となっているため、風雨で傷んだり生育抑制剤の薬効が低下したような場合に旗状部16のみを交換することができ、装置のメンテナンス効率がよい。
【0036】
以上の説明では、先行這い上がり防止装置51の被覆体55と、索条体2にシート本体11を巻き付ける使用態様を示したが、這い上がり防止機能を有せず、被覆体55に類似した円筒形状からなる筒状支持体にシート本体11を巻き付けることで這い上がり防止装置10を索条体2に取り付けることができることはいうまでもない。この種の支持体は、索条体2の把持する機構等を有することが好ましい。また、把持機構を内蔵しない場合でも、上述したストッパ部材等のように外部から筒状支持体を索条体2に位置保持させる各種の固定手段を利用することも可能である。
【0037】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に示した範囲内での種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲内で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。