【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る電力価格予測システムは、
所望の受渡日時である対象受渡日時に売電事業者から買電事業者へ受け渡される電力の市場価格が入札状況により変動する変動市場における約定予測価格を入札エリア別に算出する電力価格予測システムであって、
過去の気象情報を含む環境実績情報、前記変動市場及び前記変動市場の取引日よりも以前に電力を取引する先渡市場の各々で取引された過去の電力量を合計した約定量実績情報、前記変動市場において過去に取引された電力の約定価格の実績である約定価格実績情報、を相互に対応づけて、前記受渡日時別、かつ、前記入札エリア別に記憶する過去実績データベースと、
前記先渡市場において取引された前記対象受渡日時に所望の前記入札エリアである対象入札エリアで受け渡される電力量である先渡約定総量を取得する先渡約定総量取得部と、
前記対象入札エリアにおける前記対象受渡日時の気象情報を含む環境予報情報を取得する環境予報取得部と、
前記対象入札エリアにおける前記対象受渡日時の前記環境予報情報と前記過去実績データベースに記憶されている前記環境実績情報との比較に基づいて、前記過去実績データベースから前記対象入札エリアにおける前記対象受渡日時の時間に対応する前記約定量実績情報を取得する約定量実績取得部と、
前記約定量実績情報から前記先渡約定総量を差し引くことによって、前記変動市場で取引される電力量の予測値である約定量予測を算出する約定量予測算出部と、
前記約定量予測に基づいて前記過去実績データベースから前記約定価格実績情報を取得すると共に、取得した前記約定価格実績情報に基づいて前記約定予測価格を算出する約定予測価格算出部と、を備える。
【0011】
受渡日の電力を取引する一日前市場(スポット市場)や当日市場(時間前市場)といった変動市場では、受渡日が例えば30分毎などの時間帯に分けられており(合計が48の時間帯)、買電事業者および買電事業者は、それぞれ、時間帯毎の価格および量を指定して買入札あるいは売入札を行うが、これらの買入札の条件および売入札の条件が一致することで約定するので、入札状況に応じて電力の市場価格(約定価格)が変動する。
【0012】
上記(1)の構成によれば、電力価格予測システムは、予測しようとする所望の受渡日時(対象受渡日時)における流動市場の約定予測価格を、過去実績データベースに記憶された過去実績情報に基づいて予測する。具体的には、対象受渡日時の環境予報情報に一致(同一または類似)する環境実績情報に対応づけられている約定量実績情報を対象受渡日時に受け渡される予測の電力量とする。また、対象受渡日時に関して先渡市場で取引された電力量(先渡約定総量)を予測電力量から差し引くことで、変動市場において取引(約定)される対象受渡日時の電力量の予測とする。
【0013】
そして、例えば、過去実績データベースに記憶される過去の約定価格実績情報に対して、過去に算出した約定量予測の結果(約定量予測実績)が対応づけられて記憶されていれば、約定量予測に一致する約定量予測実績に対応づけられている約定価格実績情報を取得して対象受渡日時の約定予測価格とするなど、約定価格実績情報に基づいて対象受渡日時の約定予測価格を算出する。このように、過去の実績に基づいて、所望の受渡日時における約定予測価格を精度良く予測することができる。また、約定予測価格を精度良く算出可能となることで、変動市場における最適な売買入札を提示することもできる。
【0014】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記過去実績データベースは、さらに、前記約定価格実績情報に対して、前記約定量予測算出部が過去に算出した前記約定量予測である約定量予測実績または前記約定量実績情報を対応づけて記憶しており、
前記約定予測価格算出部は、前記約定量予測と前記過去実績データベースに記憶されている前記約定量予測実績または前記約定量実績情報との比較に基づいて前記過去実績データベースから前記約定価格実績情報を取得する。
上記(2)の構成によれば、前記過去実績データベースには、過去の受渡日時における約定価格実績情報がその受渡日時についての約定量予測の算出結果(約定量予測実績)あるいは約定量実績情報に対応付けて記憶されており、約定予測価格算出部は、約定量予測と約定量予測実績あるいは約定量実績情報との比較に基づいて過去実績データベースから約定価格実績情報を取得する。これによって、約定予測価格の算出に用いる約定価格実績情報を過去実績データベースから適切に取得することができ、約定予測価格の算出を行うことができる。
【0015】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記売電事業者が発電に用いる燃料の燃料価格情報を取得する燃料価格取得部と、
前記売電事業者が有する発電プラントの前記対象受渡日時における発電能力予測を取得する発電能力予測取得部と、をさらに備え、
前記過去実績データベースは、前記環境実績情報と、前記約定量実績情報と、前記約定価格実績情報と、前記売電事業者における過去の日時毎の発電能力実績情報と、過去の前記燃料価格情報である燃料価格実績情報と、を相互に対応づけて記憶すると共に、
前記約定量実績取得部は、
前記環境予報情報と前記環境実績情報との比較に基づいて、前記過去実績データベースから前記約定量実績情報を取得して買入札約定量実績とする買入札約定量実績取得部と、
前記環境予報情報と前記環境実績情報との比較に加えて、前記発電能力予測と前記発電能力実績情報との比較、及び前記燃料価格情報と前記燃料価格実績情報との比較に基づいて、前記過去実績データベースから前記約定量実績情報を取得して売入札約定量実績とする売入札約定量実績取得部と、を有し、
前記約定量予測算出部は、
前記買入札約定量実績から前記先渡約定総量を差し引くことによって買入札約定量予測を算出する買入札約定量予測算出部と、
前記売入札約定量実績情報から前記先渡約定総量を差し引くことによって売入札約定量予測を算出する売入札約定量予測算出部と、を有する。
【0016】
上記(3)の構成によれば、約定量実績取得部は買入札および売入札に関する約定量実績情報をそれぞれ算出し、約定量予測算出部は約定量予測を買入札(買入札約定量予測)と売入札(売入札約定量予測)とで別々に算出する。そして、買入札および売入札の各々に関する約定量実績情報からそれぞれ先渡約定総量を差し引くことで、買入札約定量予測および売入札約定量予測を算出する。また、過去実績データベースには、過去に算出された買入札約定量予測(買入札約定量予測実績)と、売入札約定量予測(売入札約定量予測実績)と、約定価格実績情報とが対応づけて記憶されており、買入札約定量予測実績および売入札約定量予測実績が買入札約定量予測および売入札約定量予測にそれぞれ一致する場合の約定価格実績情報に基づいて、約定予測価格を算出する。
【0017】
このように、買入札約定量実績は、環境実績情報(過去)が対象受渡日時の環境予報情報と一致する場合の約定量実績情報である。つまり、環境要因に基づいて予測される対象受渡日時の電力需要量に相当する。よって、買入札約定量予測は、変動市場における電力需要量予測に相当する。他方、売入札約定量実績は、環境実績情報(過去)、発電能力実績情報(過去)、燃料価格実績情報(過去)の各々が、それぞれ、対象受渡日時の環境予報情報、発電能力予測、および燃料価格情報と一致する場合の約定量実績情報である。つまり、環境要因および発電事情要因に基づいて予測される受渡日に電力供給量に相当する。よって買入札約定量予測Qcbは、変動市場における電力供給量予測に相当する。したがって、過去実績データベースを参照することによって、過去に行った、電力需要量予測(買入札約定量予測実績)および電力供給量予測(売入札約定量予測実績)に対して実際に約定した約定価格実績情報を得ることにより、約定価格実績情報に基づいて算出する約定予測価格の精度をより高めることができる。
【0018】
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、
前記売電事業者が有する発電プラントを構成する設備の情報である電源構成情報および前記発電プラントの停止情報を前記売電事業者別にそれぞれ記憶する電源構成データベースと、
前記発電プラントの前記電源構成情報および前記停止情報に基づいて前記売電事業者の前記発電能力を算出する発電能力算出部と、をさらに備え、
前記発電能力予測取得部は、前記発電能力算出部が算出した前記発電能力を前記発電能力予測として取得する。
上記(4)の構成によれば、対象入札エリアにおける対象受渡日時の発電能力予測を発電プラントの電源構成情報および停止情報に基づいて適切に算出することができる。よって、売入札約定量実績をより精度良く求めることができる。
【0019】
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)〜(4)の構成において、
前記過去実績データベースは、過去に、前記買入札約定量実績に基づいて算出された前記買入札約定量予測である前記買入札約定量予測実績を、前記買入札約定量予測実績の算出に用いた前記買入札約定量実績となる前記約定量実績情報に対応づけて記憶しており、
前記買入札約定量予測と、前記過去実績データベースに記憶されている前記買入札約定量予測実績との比較に基づいて、前記過去実績データベースから前記買入札約定量予測実績および前記約定量実績情報を取得すると共に、取得した前記買入札約定量予測実績および前記約定量実績情報に基づいて買入札約定量予測誤差を算出する買入札約定量予測誤差算出部を、さらに備え、
前記買入札約定量予測算出部は、前記買入札約定量予測誤差を用いて、前記買入札約定量予測を算出する。
上記(5)の構成によれば、買入札約定量予測を買入札約定量予測誤差で補正する。これによって、買入札約定量予測の精度を向上させることができる。
【0020】
(6)幾つかの実施形態では、上記(3)〜(5)の構成において、
前記過去実績データベースは、過去に、前記売入札約定量実績に基づいて算出された前記売入札約定量予測である売入札約定量予測実績を、前記売入札約定量予測実績の算出に用いた前記売入札約定量実績となる前記約定量実績情報に対応づけて記憶しており、
前記売入札約定量予測と、前記過去実績データベースに記憶されている前記売入札約定量予測実績との比較に基づいて、前記過去実績データベースから前記売入札約定量予測実績および前記約定量実績情報を取得すると共に、取得した前記売入札約定量予測実績および前記約定量実績情報に基づいて売入札約定量予測誤差を算出する売入札約定量予測誤差算出部を、さらに備え、
前記売入札約定量予測算出部は、前記売入札約定量予測誤差を用いて、前記売入札約定量予測を算出する。
上記(6)の構成によれば、売入札約定量予測を売入札約定量予測誤差で補正する。これによって、売入札約定量予測の精度を向上させることができる。
【0021】
(7)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、
前記買電事業者が前記電力を送電する送電先に関する前記送電先の所在地を含む送電先情報を記憶するための送電先情報データベースと、
前記送電先情報データベースから前記対象入札エリアに所在する複数の前記送電先の前記送電先情報をそれぞれ取得する送電先情報取得部と、をさらに備え、
前記環境予報取得部は、前記複数の送電先の所在地毎に前記環境予報情報を取得し、
前記買入札約定量予測算出部は、前記送電先の所在地毎の前記環境予報情報の各々と、前記過去実績データベースに記憶されている前記環境実績情報との比較に基づいて、前記過去実績データベースからそれぞれ取得される前記約定量実績情報の合計を前記買入札約定量予測とする。
上記(7)の構成によれば、買電事業者毎に、電力供給を契約した送電先(契約者)毎に約定量実績情報を取得すると共に、その合計を買入札約定量実績とする。このように、送電先情報に基づいて予測した契約先需要者毎の電力需要を積み上げて最終的な買入札約定量予測を算出することによって、その算出精度を高めることができる。
【0022】
(8)幾つかの実施形態では、上記(3)〜(7)の構成において、
前記変動市場は、受渡日において前記市場価格を決定する当日市場、および前記受渡日の一日前において前記市場価格を決定する一日前市場を含んでおり、
前記過去実績データベースは、前記環境実績情報と、前記買入札約定量予測実績と、売入札約定量予測実績と、前記当日市場において取引された過去の日時毎の前記電力量である当日約定量実績情報と、前記一日前市場において取引された過去の日時毎の前記電力量である一日前約定量実績情報と、を相互に対応づけて記憶しており、
前記電力価格予測システムは、さらに、
前記買入札約定量予測および前記環境予報情報と、前記過去実績データベースに記憶されている前記買入札約定量予測実績および前記環境実績情報との比較に基づいて、前記当日約定量実績情報および前記一日前約定量実績情報を取得する買入札内訳実績取得部と、
前記買入札内訳実績取得部によって取得された前記当日約定量実績情報および前記一日前約定量実績情報に基づいて、前記変動市場を構成する前記当日市場および前記一日前市場の各々で取引された前記電力量の内訳である買入札内訳実績を算出すると共に、前記買入札内訳実績に基づいて、前記買入札約定量予測における前記当日市場および前記一日前市場の内訳である買入札市場内訳予測を算出する買入札市場内訳予測算出部と、
前記売入札約定量予測および前記環境予報情報と、前記過去実績データベースに記憶されている前記売入札約定量予測実績および前記環境実績情報との比較に基づいて、前記当日約定量実績情報および前記一日前約定量実績情報を取得する売入札内訳実績取得部、前記売入札内訳実績取得部によって取得された前記当日約定量実績情報および前記一日前約定量実績情報に基づいて、前記変動市場を構成する前記当日市場および前記一日前市場の各々で取引された前記電力量の内訳である売入札内訳実績を算出すると共に、前記売入札内訳実績情報に基づいて、前記売入札約定量予測における前記当日市場および前記一日前市場の内訳である売入札市場内訳予測を算出する売入札市場内訳予測算出部と、を備え、
前記約定予測価格算出部は、前記買入札約定量予測、前記買入札市場内訳予測、前記売入札約定量予測、前記売入札市場内訳予測に基づいて、前記当日市場または前記一日前市場の少なくとも一方における前記約定予測価格を算出する。
上記(8)の構成によれば、変動市場を構成する当日市場や一日前市場といった市場毎に市場価格予測を算出することができる。
【0023】
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の構成において、
前記過去実績データベースは、さらに、前記約定量実績情報に対して、1以上の前記入札エリアで構成される地域間を結ぶ地域間連系線の過去の使用電力量である連系線使用量実績情報を対応づけて記憶しており、
前記地域間連系線の送電許容量を取得する連系線許容量取得部と、
前記買入札約定量予測および前記売入札約定量予測と、前記過去実績データベースに記憶されている前記買入札約定量予測実績および前記売入札約定量予測実績との各々の比較に基づいて、前記過去実績データベースから前記連系線使用量実績情報を取得する連系線使用量実績取得部と、
前記地域間連系線の送電許容量と前記連系線使用量実績情報との比較に基づいて、市場分断が生じるか否かを予測する分断予測実行部と、
前記市場分断が生じると予測される場合の前記入札エリア別の前記約定予測価格であるエリア予測価格を算出するエリア予測価格算出部と、をさらに備える。
上記(9)の構成によれば、市場分断が生じた場合の入札エリア別の約定予測価格を算出することができ、約定予測価格をより精度良く算出することができる。
【0024】
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、
前記分断予測実行部による前記予測の結果を前記地域間連系線の位置情報を出力する出力部を、さらに備える。
上記(10)の構成によれば、地域間連系線の位置が示される地図情報に市場分断の予測の結果を示すなど、市場分断の予測の結果を地域間連系線の位置情報と共にディスプレイなどの出力装置に出力することによって、市場分断が起こるリスクを一目で把握できるように図ることができる。
【0025】
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(10)の構成において、
前記変動市場を構成する複数の市場に対する入札の入札パターンを決定する入札パターン決定部を、さらに備える。
上記(11)の構成によれば、変動市場において適切な入札を行うことができる。
【0026】
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(11)の構成において、
前記売電事業者が有する発電プラントが発電した発電単価実績を含む前記発電プラントの運転実績情報を考慮して入札条件を決定する入札条件決定部を、さらに備える。
上記(12)の構成によれば、発電プラントの運転実績情報を考慮して入札条件を決定することにより、発電プラントの運転に最適となる入札条件を決定することができる。
【0027】
(13)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、
前記連系線使用量実績取得部は、前記買入札約定量予測および前記売入札約定量予測と、前記過去実績データベースに記憶されている前記買入札約定量予測実績および前記売入札約定量予測実績との類似度を、前記過去実績データベースで管理されるレコード毎に求め、前記類似度に基づいて、前記過去実績データベースから前記連系線使用量実績情報を取得する。
【0028】
(14)幾つかの実施形態では、上記(8)の構成において、
前記買入札内訳実績取得部は、前記買入札約定量予測および前記環境予報情報と前記過去実績データベースに記憶されている前記買入札約定量予測実績および前記環境実績情報との類似度を、前記過去実績データベースで管理されるレコード毎に求め、前記類似度に基づいて、前記過去実績データベースから前記当日約定量実績情報および前記一日前約定量実績情報を取得し、
前記売入札内訳実績取得部は、前記売入札約定量予測および前記環境予報情報と、前記過去実績データベースに記憶されている前記売入札約定量予測実績および前記環境実績情報との類似度を前記レコード毎に求め、前記類似度に基づいて、前記過去実績データベースから前記当日約定量実績情報および前記一日前約定量実績情報を取得する。
【0029】
(15)幾つかの実施形態では、上記(2)〜(14)の構成において、
前記約定予測価格算出部は、前記約定量予測と前記過去実績データベースに記憶されている前記約定量予測実績または前記約定量実績情報との類似度を、前記過去実績データベースで管理されるレコード毎に求め、前記類似度に基づいて、前記過去実績データベースから前記約定価格実績情報を取得する。
【0030】
(16)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(15)の構成において、
前記約定量実績取得部は、前記対象入札エリアにおける前記対象受渡日時の前記環境予報情報を含む取得条件と、前記過去実績データベースに記憶されている前記環境実績情報を含む情報との類似度を、前記過去実績データベースで管理されるレコード毎に求め、前記類似度に基づいて、前記過去実績データベースから前記対象入札エリアにおける前記対象受渡日時の時間に対応する前記約定量実績情報を取得する。
【0031】
上記(13)〜(16)の構成によれば、例えば、動的計画法によるマッチングや機械学習(深層機械学習)などを用いて、各種データベースから各種の情報を取得する。これによって、過去の実績に基づいて、所望の受渡日時における約定予測価格を精度良く予測することができる。
【0032】
(17)幾つかの実施形態では、上記(14)の構成において、
前記買入札内訳実績取得部および前記売入札内訳実績取得部は、予め設定された前記類似度の閾値を超えた前記レコードに含まれる前記当日約定量実績情報および前記一日前約定量実績情報を前記過去実績データベースから取得し、
前記買入札市場内訳予測算出部および前記売入札市場内訳予測算出部は、それぞれ、複数の前記レコードが前記閾値を超える前記類似度となる場合に、複数取得される前記当日約定量実績情報の集合である当日約定量実績集合と、複数取得される前記一日前約定量実績情報の集合である一日前約定量実績集合のそれぞれに対し、所定の計算を行い算出した値である前記当日約定量実績集合に基づく当日約定量代表値および前記一日前約定量実績集合に基づく一日前約定量実績代表値に基づいて、前記買入札内訳実績または前記売入札内訳実績を算出する。
【0033】
(18)幾つかの実施形態では、上記(15)の構成において、前記約定予測価格算出部は、予め設定された前記類似度の閾値を超えた前記レコードに含まれる前記約定価格実績情報を前記過去実績データベースから取得すると共に、
複数の前記レコードが前記閾値を超える前記類似度となる場合に、複数取得される前記約定価格実績情報の集合である約定価格実績集合に対し、所定の計算を行い約定価格実績代表値を算出し、前記約定価格実績代表値に基づき前記約定予測価格を算出する。
【0034】
(19)幾つかの実施形態では、上記(16)の構成において、
前記約定量実績取得部は、予め設定された前記類似度の閾値を超えた前記レコードに含まれる前記約定量実績情報を前記過去実績データベースから取得するものであって、
複数の前記レコードが前記閾値を超える前記類似度となる場合に、複数取得される前記約定量実績情報の集合である約定量実績集合に対し、所定の計算を行い算出した約定量実績代表値を前記約定量実績情報として取得する。
【0035】
上記(17)〜(19)の構成によれば、各類似度を求める際に、類似するものとして過去実績データベースから複数のレコードが取得された場合、取得された複数のレコードにおける各実績情報に対し平均などの計算を通じて得られた値を、求める実績情報としてもよい。これにより、例えば過去実績データベースに記憶された複数のレコードの中間に位置するようなデータであっても、補正されるため、精度のよい実績情報として取得することができる。