特許第6924149号(P6924149)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6924149
(24)【登録日】2021年8月3日
(45)【発行日】2021年8月25日
(54)【発明の名称】マルチビーム距離測定プロセス
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/58 20060101AFI20210812BHJP
   G01S 17/87 20200101ALI20210812BHJP
【FI】
   G01S17/58
   G01S17/87
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-555454(P2017-555454)
(86)(22)【出願日】2016年1月13日
(65)【公表番号】特表2018-505427(P2018-505427A)
(43)【公表日】2018年2月22日
(86)【国際出願番号】US2016013264
(87)【国際公開番号】WO2016115260
(87)【国際公開日】20160721
【審査請求日】2018年12月19日
(31)【優先権主張番号】62/102,901
(32)【優先日】2015年1月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516181066
【氏名又は名称】ディーエスシージー ソルーションズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】リチャード セバスティアン
【審査官】 東 治企
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−257415(JP,A)
【文献】 特表2012−518793(JP,A)
【文献】 特表2012−502301(JP,A)
【文献】 特表2008−513145(JP,A)
【文献】 特表2008−531993(JP,A)
【文献】 特開平04−025791(JP,A)
【文献】 特開平08−114673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48−7/51
G01S 17/00−17/95
G01C 3/00−3/32
G01P 1/00−21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレーザービームをある時間に物体上の第1の位置に送信するように構成された第1のレーザーサブシステム;
第2のレーザービームを該時間に該物体上の第2の位置に送信するように構成された第2のレーザーサブシステム;及び
該第1のレーザービームに応答して該物体から反射される第1の反射レーザービームに基づいて第1の速度を算出するように構成され、かつ該第2のレーザービームに応答して該物体から反射される第2の反射レーザービームに基づいて第2の速度を算出するように構成された分析器を含み、
該第1の速度が、該第2の速度と実質的に同じであるように、該第1の位置が、該第2の位置に近接しており、該第1の位置が、該第1のレーザーサブシステムによって標的にされ、該第2の位置が、該第2のレーザーサブシステムによって標的にされ、
前記第1の速度及び前記第2の速度が、同時測定値の第1のセットに含められ、前記時間が第1の時間であり、
前記第1のレーザーサブシステムが、第3のレーザービームを第2の時間に前記物体上の第3の位置に送信するように構成され;
前記第2のレーザーサブシステムが、第4のレーザービームを該第2の時間に該物体上の第4の位置に送信するように構成され;
前記分析器が、該第3のレーザービームからの第3の反射レーザービームに基づいて第3の速度を算出するように構成され、該分析器が、該第4のレーザービームからの第4の反射レーザービームに基づいて第4の速度を算出するように構成され、
該第3の速度及び該第4の速度が、同時測定値の第2のセットに含められ、
該分析器が、同時測定値の該第1のセット及び同時測定値の該第2のセットに基づいて該第1の速度を修正するように構成されている、
光検出及び測距(LIDAR)システム。
【請求項2】
前記第1の速度及び前記第2の速度が、前記時間に一致する、請求項1記載のLIDARシステム。
【請求項3】
前記第1のレーザーサブシステムが、レーザー光源、スプリッタ、及び遅延部を含み、該スプリッタが、該レーザー光源と該遅延部との間に配設されている、請求項1記載のLIDARシステム。
【請求項4】
前記第1のレーザーサブシステムが、レーザー光源、遅延部、及び結合器を含み、該遅延部が、該結合器と該レーザー光源との間に配設されている、請求項1記載のLIDARシステム。
【請求項5】
前記第1の速度が、前記第1の反射レーザービームに基づいて算出される第1の推定速度であり、前記第2の速度が、前記第2の反射レーザービームに基づいて算出される第2の推定速度である、請求項1記載のLIDARシステム。
【請求項6】
第1のレーザービームをある時間に物体上の第1の位置に送信するように構成された第1のレーザーサブシステム;
第2のレーザービームを該時間に該物体上の第2の位置に送信するように構成された第2のレーザーサブシステム;及び
該第1のレーザービームに応答して該物体から反射される第1の反射レーザービームに基づいて、該第1の位置における第1の速度及び第1の距離を算出するように構成され、かつ該第2のレーザービームに応答して該物体から反射される第2の反射レーザービームに基づいて、該第2の位置における第2の速度及び第2の距離を算出するように構成された分析器を含み、
該第1の速度が、該第2の速度に線形に関連するように、該第1の位置が、該第2の位置に近接しており
前記第1の速度及び前記第2の速度が、同時測定値の第1のセットに含められ、前記時間が第1の時間であり、
前記第1のレーザーサブシステムが、第3のレーザービームを第2の時間に前記物体上の第3の位置に送信するように構成され;
前記第2のレーザーサブシステムが、第4のレーザービームを該第2の時間に該物体上の第4の位置に送信するように構成され;
前記分析器が、該第3のレーザービームからの第3の反射レーザービームに基づいて第3の速度を算出するように構成され、該分析器が、該第4のレーザービームからの第4の反射レーザービームに基づいて第4の速度を算出するように構成され、
該第3の速度及び該第4の速度が、同時測定値の第2のセットに含められ、
該分析器が、同時測定値の該第1のセット及び同時測定値の該第2のセットに基づいて該第1の速度を修正するように構成されている、
光検出及び測距(LIDAR)システム。
【請求項7】
前記分析器が、前記物体の表面の一定速度を算出するように構成され、該分析器が、該表面の該一定速度に基づいて前記第1の距離を補正するように構成されている、請求項6記載のLIDARシステム。
【請求項8】
前記分析器が、前記物体の表面の変化する速度を算出するように構成され、該分析器が、該表面の該変化する速度に基づいて前記第1の距離を補正するように構成されている、請求項6記載のLIDARシステム。
【請求項9】
前記分析器が、絶対距離の精度に関係なく前記時間における前記第1の距離と前記第2の距離との間の相対距離を算出するように構成されている、請求項6記載のLIDARシステム。
【請求項10】
前記第1のレーザーサブシステムが、前記第2のレーザーサブシステムに対して固定された位置にある、請求項6記載のLIDARシステム。
【請求項11】
前記第1の距離が、前記第1の反射レーザービームに基づいて算出される第1の推定距離であり、かつ前記第2の距離が、前記第2の反射レーザービームに基づいて算出される第2の推定距離である、請求項6記載のLIDARシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、その全体が引用により本明細書中に組み込まれている、2015年1月13日出願の米国仮特許出願第62/102,901号の優先権及び利益を主張するものである。
【0002】
(技術分野)
本記載は、マルチビームレーザー光検出及び測距(LIDAR)システムに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
一部の公知のLIDARシステムでは、レーザーを用いて移動物体の距離と速度を推定することができる。しかしながら、計測に使用される公知のLIDARシステムは、多くの場合、比較的遅くて非効率である。従って、現状の技術の不足に対応し、他の新規及び革新的な特徴を提供するシステム、方法、及び装置が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(概要)
一般的な一態様では、装置は、第1のレーザービームをある時間に物体上の第1の位置に送信するように構成された第1のレーザーサブシステム、及び第2のレーザービームを該時間に該物体上の第2の位置に送信するように構成された第2のレーザーサブシステムを備えることができる。この装置は、第1のレーザービームに応答して物体から反射される第1の反射レーザービームに基づいて第1の速度を算出するように構成された分析器を備えることができる。この分析器は、第2のレーザービームに応答して物体から反射される第2の反射レーザービームに基づいて第2の速度を算出するように構成することができる。第1の速度が、第2の速度と実質的に同じであるように、第1の位置を、第1のレーザーサブシステムによって標的とすることができ、かつ第2の位置を、第2のレーザーサブシステムによって標的とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
(図面の簡単な説明)
図1A図1Aは、マルチレーザーサブシステムを含むレーザーシステムを例示する図である。
【0006】
図1B図1Bは、図1Aに示されている少なくとも1つのレーザーサブシステムに含められる構成要素をより詳細に例示する図である。
【0007】
図2図2は、本明細書に記載される実施態様に関連したプロセスを例示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(詳細な説明)
図1Aは、レーザーシステム100に対して静止又は移動することができる物体5の距離及び/又は速度を生成又は測定するために、複数のレーザーサブシステム105A〜105Nを使用するように構成されたレーザーシステム100(光検出及び測距(LIDAR)システムと呼ばれることもある)を例示する図である。一部の実施では、複数のレーザーシステム105A〜105Nは、1つ以上のレーザービームを送信するように構成することができる。従って、レーザーシステム100は、例えば、物体5の特徴付け(例えば、測定)のためにレーザーのアレイを生成するように構成することができる。一部の実施では、物体5は、標的又は標的物体5と呼ぶことができる。レーザーシステム100は、周波数変調連続波(FMCW)の適用例に使用することができる。このような適用例は、表面(例えば、製造環境における輸送手段(例えば、航空機、自動車など)の金属表面)の特徴付けを含む計測の適用例を含み得る。
【0009】
レーザーシステム100は、例えば、FMCWの適用例の範囲内で距離測定の速度及び精度を改善することができるマルチビーム距離測定プロセスを実施することができる。特定の一例として、レーザーシステム100の複数のレーザーの同時使用のための唯1回の設定時間は、1つのレーザーの各使用が1つの設定時間を伴うため複数の設定時間が必要となる1つのレーザーが複数回使用されるシステムよりも測定が効率的となり得る。レーザーシステム100は、特徴付けに不正確さをもたらし得る物体5(剛体物体又は非剛体物体であり得る)の振動に関連した様々な問題に対処するように構成することもできる。
【0010】
図1Aに示されているように、LIDARシステム100は、レーザーサブシステム105A〜105Nによって生成されるレーザービームに基づいてデータを分析するように構成された分析器170を含む。一部の実施では、分析することは、レーザーサブシステム105A〜105Nの1つ以上の距離及び/又は速度を推定することを含み得る。
【0011】
図1Bは、図1Aに示されているレーザーサブシステムの少なくとも1つに含められた構成要素をより詳細に例示する図である。レーザーサブシステム105Aのレーザー光源110は、例えば、コヒーレント光放出(例えば、単色光放出)又はビームとすることができる1つ以上の周波数での電磁放射線を放出する(例えば、生成する、伝播する)ように構成されている。簡潔にするために、レーザー光源110からの放出は、電磁放射線放出(例えば、電磁放射線放出)、放出レーザー信号10、又は放出光と呼ぶことにする。
【0012】
図1Bに示されているように、レーザー信号10は、スプリッタ125によって複数のレーザー信号、例えば、少なくともレーザー信号11−1及び11−2に分割することができる。一部の実施では、レーザー信号11は、スプリットレーザー信号から導出することができ、組み合わせレーザー信号と呼ぶことができる。図1Bに示されているように、干渉計を使用して、レーザー信号11を生成することができ、これを、図1Aに示されている分析器170(復調器とも呼ばれることもある)によって1つ以上の補正のために分析することができる。このような実施では、レーザー信号10は、(例えば、スプリッタ125によって)レーザー信号11−1及びレーザー信号11−2に更に分割することができる。レーザー信号11−1は、物体5からレーザー信号11−4として反射され得る。レーザー信号11−2は、遅延部142C(長さに相関し得る)によってレーザー信号11−3に遅延させることができ、レーザー信号11−3は、結合器140Cによってレーザー信号11−4と組み合わせることができる。干渉計からのレーザー信号11(干渉計信号とも呼ぶこともある)を使用して、検出器150Cを用いてレーザー信号11についての情報を収集することができる。レーザー信号11に関連した以下の説明は、レーザー信号11を定義するために使用することができる構成要素のレーザー信号11−1〜11−4のいずれにも適用することができ、該レーザー信号11は、標的レーザー信号、即ち分析器170によって分析するために標的にされるレーザー信号であり得る。スプリッタ125は、簡単にするために単一の構成要素として例示されている。一部の実施では、スプリッタ125は、2つ以上のスプリッタを含み得る。同様に、図1Bに示されている1つ以上の結合器は、組み合わせても良いし、又はさらなる結合器を含んでも良い。
【0013】
図1Bに示されているように、レーザーサブシステム105Aは、(2つ以上のレーザーサブシステムと共に使用することができる)周波数掃引モジュール120を含む。周波数掃引モジュール120は、レーザー光源110を起動させて、例えば、レーザー光源110の駆動電流を変調することによって種々の光周波数(一般的には周波数とも呼ばれることもある)を生成するように構成されている。具体的には、周波数掃引モジュール120は、レーザー光源110を起動させて、光周波数のパターン(周波数パターンと呼ばれることもある)を生成するように構成されている。例えば、周波数掃引モジュール120は、レーザー光源110を起動させて、光周波数の正弦波パターン及び/又は光周波数の鋸歯波パターンなどを生成するように構成することができる。一部の実施では、鋸歯波パターンは、光周波数において連続的に増加する(例えば、単調に増加する、線形に増加する、非線形に増加する)部分(アップチャープと呼ばれることもある)を有することができ、かつ、光周波数において連続的に減少する(例えば、単調に減少する、線形に減少する、非線形に減少する)部分(ダウンチャープと呼ばれることもある)を有することができる。従って、周波数パターンは、アップチャープ及びダウンチャープを含むサイクルを有し得る。
【0014】
レーザーサブシステム105Aは、レーザー光源110から物体5に向かう(レーザー信号10から分割された)放出レーザー信号11−1に応答して、物体5から反射されたレーザー信号11−4(反射レーザー信号又は散乱レーザー信号と呼ばれることもある)(不図示)を受信するように構成された結合器140Cを含む。一部の実施では、物体5からの反射レーザー信号(戻り信号又は戻り光と呼ばれることもある)は、放出レーザー信号10(例えば、遅延部142Cによって遅延されたレーザー信号11−3)の一部と混合し、次いで、(検出器150Cによって電気信号に変換された後に)分析器170によって分析することができる。
【0015】
レーザーサブシステム105Aの(2つ以上のレーザーサブシステムと共に使用することができ、かつ/又は1つ以上の該レーザーサブシステム内に含めることができる)分析器170は、レーザー光源110からの放出レーザー信号11−1と結合器140Cによって受信される反射レーザー信号11−4との組み合わせを分析するように構成されている。放出レーザー信号11−1は、アップチャープ及びこれに続くダウンチャープ(又はダウンチャープ及びこれに続くアップチャープ)を含むパターンに従って放出させることができる。レーザー光源110からの放出レーザー信号11−1の周波数と結合器140Cによって受信される反射レーザー信号11−4の周波数との組み合わせを、ビート周波数若しくは信号を得るため又は定義するために分析器170によって分析することができる。言い換えると、ビート周波数は、物体5まで(放出レーザー信号)、そして該物体5から戻る(反射レーザー信号)往復に亘る信号周波数変化の合計であり得、レーザーサブシステム105Aと物体5との間の相対距離の動きから得られる反射レーザー信号のドップラー周波数シフトを含み得る。一部の実施では、ビート信号は、比較的一定な周波数又は変動する周波数を有し得る。一部の実施では、放出レーザー信号11−1の周波数と反射レーザー信号11−4の周波数との組み合わせは、差周波数、ビート周波数、又は往復周波数と呼ぶことができる。
【0016】
分析器170は、往復期間を算出するように構成することができ、該往復期間は、レーザー信号10の放出から反射レーザー信号の戻りを受信するまでの期間である。放出レーザー信号11−1と反射レーザー信号11−4との組み合わせは、まとめて往復レーザー信号と呼ぶことができる。分析器170は、放出レーザー信号11−1と反射レーザー信号11−4との組み合わせに基づいて距離及び/又は速度を算出するように構成することもできる。
【0017】
レーザー出力の光パワーは、例えば、レーザー光源110の駆動電流変調の結果として周波数掃引又はアップチャープ/ダウンチャープの周波数パターン中に著しく変化し得る。周波数パターンは、例えば、周波数、及び/又は位相などに変化を引き起こし得る不完全な駆動電流信号及び/又はレーザー光源110の不可避の熱励起などのために、非理想的であり得る(例えば、指定周波数パターンから逸脱し得る)。
【0018】
線形チャープのFMCW LIDARは、LIDARシステム100内の局所発振器(LO)経路に沿って進んだチャープの周波数に対して、標的(例えば、物体5)まで移動してから戻る遅延チャープの周波数を決定することによって距離を算出することができる。一部の実施では、LO経路は、スプリッタ125と結合器140Cとの間の経路を含み得、該経路は、レーザー信号11−2、遅延部142C、及びレーザー信号11−3を含み得る。標的信号がLO信号(例えば、LO信号に対するビート)と組み合わせられる場合、ビート信号の周波数は、(距離−LO)遅延から生じる差周波数となる:
F=(2距離−LO)HZPM (式1)
式中、F=ビート周波数、2距離=標的の往復経路の距離、LO=局所発振器経路の長さ、HZPM=(Hz/秒lidarチャープレート)/c、かつc=光の速度(メートル/秒)。
【0019】
図1Bに示されているように、LO長さは、遅延部142Cに相関する長さである。(距離−LO)項は、レーザー信号10から導出された干渉計信号に関連した長さの差を表すことができる。言い換えると、この距離項は、標的(例えば、物体5)までの距離を含み得るレーザー信号10に関連した長さであり得、かつ往復距離であり得、そしてLO項は、遅延型のレーザー信号10に関連した長さであり得る。従って、(距離−LO)は、レーザー信号10のビート及び遅延型のレーザー信号10から導出された長さを表すことができる。
【0020】
標的が、増加する距離の方向に非ゼロ速度成分(線形運動又は振動)vを有する場合、一般的なケースでは、式(1)は以下となる:
F=(2距離−LO)HZPM+(v/c)F0 (式2)
式中、F0は、LIDARレーザーの搬送波周波数=c/λであり、λは、レーザー波長である。一部の実施では、許容され得る距離及び/又は速度の変化は、式(2)を用いて算出することができる。例えば、距離の変化は、式(2)を用いて速度の変化に基づいて特定の閾値距離内で算出することができる。従って、速度(例えば、線形運動又は振動)の変化における許容差は、所与の距離の変化について決定することができる。同様に、距離の変化における許容差は、所与の速度(例えば、線形運動又は振動)の変化について決定することができる。
【0021】
標的が振動するためv=v(t)である場合、本発明者らは、良好な近似値を有する:
F(t)=(2距離−LO)HZPM+(v/c)F0 (式3)
【0022】
複数の同時距離測定が、ごく近接近した表面で行われる場合、本発明者らは、近似的に以下を有する(LO経路が同じであり、かつ速度が、各位置で同じである場合):
Fj(t)=(2距離j−LO)HZPM+(v/c)F0 (式4)
一部の実施では、近接近は、例えば、それぞれの距離測定に関連した位置のそれぞれにおける振動による変位が、同じである又は少なくとも線形に相関するように近接して十分に近づき得る。
【0023】
図1A及び図1Bに関連して上記説明されたレーザーシステム100(及び、例えば、レーザーサブシステム105A)は、様々な効率となり得る。例えば、一部の実施では、各時点での周波数は、距離方向(例えば、距離微分)における距離及び速度に比例した成分(ノイズであり得、かつドップラー効果に関連し得る)の合計である。この概念は、上記の式(1)〜(3)に表されている。これらの成分は、アップチャープトデータ点とダウンチャープデータ点との間で相対符合が交互する。例えば、逆チャープLIDARアーキテクチャが存在しないと、複数の時点が、距離及び速度を決定するために処理される。
【0024】
一部の実施では、微分方程式を解いて、距離及び距離微分の時刻歴を決定することができる。計測の適用例などの一部の公知の適用例では、一定速度などの単純近似を行って、距離及び速度を推定する、又は時間に対して平均化し、そして距離が一定で、速度が平均するとゼロであると見なすことができる。このアプローチは、振動が著しい環境では遅い測定プロセスとなり得る(例えば、上記説明された式(2)を用いて決定することができる著しさ又は許容差)。対照的に、複数のレーザー(例えば、間隔が狭いレーザービーム)を有するLIDARシステム100は、測定プロセスを大幅に速めることができ、しかも、相対及び絶対距離の推定値並びに相対方位及び仰角の推定値に著しい向上をもたらす。
【0025】
具体的には、LIDARシステム100の一部の実施では、振動速度場が位置の関数としてゆっくりと変化し得るため、絶対及び相対距離の精度向上を実現することができる。従って、比較的狭い間隔の点での速度値(例えば、大きさ)は、ほぼ同じとなる、又は最悪の場合でも、履歴及び/又は横方向距離の関数として値が線形に変化するように近似することができる。一部の実施では、狭い間隔の点での速度値は、ほぼ同じとなる、又は最悪の場合でも、zがLIDARビームの方向におけるデカルト座標である場合は、x及びyの関数として値が線形に変化するように近似することができる。一部の実施では、剛体物体の場合は、瞬間z−速度は、x及びyの関数として正確に線形に変化し得る。従って、各点における距離及び速度の時刻歴のために解くべき微分方程式を、互いに結合することができる。距離場及び速度場を同時に解くことにより、誤差が減少することになる。LIDARシステム100の一部の実施では、局所点が同時に測定されて、距離が動く可能性が排除されるため、局所点間の相対距離誤差の減少を実現することができる。一部の実施では、局所点の相対方位及び仰角が、LIDARシステム100のマルチビームアレイの剛体構造から得られるため、相対方位及び仰角の誤差の実質的な減少が局所点間に存在し得る。一部の実施では、複数の測定を、LIDARシステム100で同時に行うことができ、これにより時間又は速度が効率的となり得る。多くの計測プロセスでは、多数の相対的に狭い間隔の点を測定することによって特徴を測定することができる。複数の点を同時に測定することによって速さの利点を得ることができる。
【0026】
一部の実施では、LIDARシステム100は、レーザーサブシステム105A〜105Nからの複数のビームを有することができ、該複数のビームを使用する同時測定により、各ビーム位置での距離及び/又は速度の両方の同時推定が可能になり、かつ様々なビーム位置が、実質的に同じ速度(ドップラー成分)を有するほど空間的に近い。言い換えると、一部の実施では、LIDARシステム100は、レーザーサブシステム105Aから第1の位置である時間に送信される第1のレーザービーム、及び第2の位置でレーザーサブシステム105Nから同じ時間に送信される第2のレーザービームを有することができ、該第1及び第2のレーザービームを用いて算出される同時測定値が、第1及び第2のビーム位置のそれぞれにおける距離及び/又は速度の両方の同時推定値をもたらし、該第1及び第2のレーザービームのドップラー偏移が実質的に同じ又は線形に関連し得るように、該第1及び第2のビーム位置を空間的に十分に近づけることができる。一部の実施では、LIDARシステム100からの測定値を分析器170によって一緒に処理して、表面の一定速度又は線形に変化する速度を推定することができ、そしてこの推定速度を該分析器170が使用して、ビーム位置のそれぞれにおける距離推定値を補正することができる。
【0027】
一部の実施では、複数の時間における測定値を分析器170が使用して距離及び速度の時刻歴(例えば、変化)を推定し、距離(及び速度)の推定値を更に向上させることができる。例えば、第1の時間における同時測定値の第1のセットを第2の時間における同時測定値の第2のセットと共に分析器170が使用して、距離及び/又は速度の時刻歴の少なくとも一部を生成することができる。同時測定値のこれらの異なるセットを分析器170が使用して、距離及び/又は速度の推定値を更に向上させることができる。
【0028】
一部の実施では、LIDARシステム100は、該LIDARシステム100によって生成される特定の時間における点での複数の同時測定値を分析器170が使用して、絶対距離の精度に関係なく特定の時間における点間の相対距離を向上させることができるように構成することができる。本発明者らは、式(2)を変形して以下の式を得ることができる
距離=(F/HZPM+LO)/2−(v/c)F0/HZPM/2 (式5)
【0029】
各ビームでは、各測定値の相対距離は、これらの測定値間の差であるため、vが各ビームで同じであるとすると、相対距離は速度に依存しない。
【0030】
一部の実施では、LIDARシステム100は、剛性の物理的構造が、該LIDARシステム100のレーザーサブシステム105A〜105Nによって生成されるマルチビームアレイの相対位置を画定するように構成することができる。この既知の相対位置のセットを分析器170が使用して、レーザーサブシステム105A〜105Nによって測定された点のそれぞれのx、y、及び/又はz位置の向上した相対測定値を生成することができる。
【0031】
一部の実施では、LIDARシステム100は、複数の点を同時に測定することができるため、高い有効データ速度を有することができ、各点は、高い絶対精度を有することができ、かつ/又は各点は、上記のように高い相対精度を有することができる。
【0032】
図2は、本明細書に記載の実施態様に関連したプロセスを例示している。流れ図に示されているように、第1のレーザービームが、ある時間に物体上の第1の位置に送信される(ブロック200)。第1のレーザービームは、第1のレーザーサブシステム(例えば、レーザーサブシステム105の1つ)によって送信することができる。第2のレーザービームが、その時間に(例えば、同時に)物体上の第2の位置に送信される(ブロック210)。第2のレーザービームは、第2のレーザーサブシステムによって送信することができる。
【0033】
図2に示されているように、第1の位置での第1の速度は、第1のレーザービームに応答して物体から反射される第1の反射レーザービームに基づいて算出される(ブロック220)。この算出は、分析器(例えば、分析器170)によって行うことができる。一部の実施では、第1の距離を、第1の反射レーザービームに基づいて第1の位置で算出することができる。
【0034】
第2の位置での第2の速度は、第2のレーザービームに応答して物体から反射される第2の反射レーザービームに基づいて算出され、第1の位置は、第1の速度が第2の速度に線形に関連するように該第2の位置に近接させることができる(ブロック230)。この計算は、分析器によって行うことができる。一部の実施では、第2の距離を、第2の反射レーザービームに基づいて第2の位置で算出することができる。
【0035】
一部の実施では、例えば、図1A及び図1Bのレーザーシステム100及び/又はレーザーサブシステム105Aに示されている構成要素の1つ以上の部分は、ハードウェアベースモジュール(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、メモリ)、ファームウェアモジュール、及び/又はソフトウェアベースモジュール(例えば、コンピュータコードのモジュール、コンピュータで実行することができる一連のコンピュータ可読命令)であっても良いし、又はこれらを含んでも良い。例えば、一部の実施では、レーザーサブシステム105Aの1つ以上の部分は、少なくとも1つのプロセッサ(不図示)によって実行するように構成されたソフトウェアモジュールであっても良いし、又はこれらを含んでも良い。一部の実施では、構成要素の機能性は、図1A及び図1Bに示されるものとは異なるモジュール及び/又は異なる構成要素に含めることができる。
【0036】
一部の実施態様では、レーザーサブシステム105Aの1つ以上の構成要素は、メモリに格納された命令を処理するように構成されたプロセッサであっても良いし、又はこれらを含んでも良い。例えば、分析器170(及び/又はその一部)は、1つ以上の機能を実現する処理に関連した命令を実行するように構成されたプロセッサとメモリとの組み合わせであっても良い。
【0037】
図示されていないが、一部の実施では、レーザーサブシステム105A(又はその一部)の構成要素は、例えば、データセンタ(例えば、クラウドコンピューティング環境)、コンピュータシステム、及び/又は1つ以上のサーバ/ホストデバイスなどの内部で作動するように構成することができる。一部の実施では、レーザーサブシステム105A(又はその一部)の構成要素は、ネットワーク内で作動するように構成することができる。このため、レーザーサブシステム105A(又はその一部)は、1つ以上のデバイス及び/又は1つ以上のサーバデバイスを含み得る様々な種類のネットワーク環境内で機能するように構成することができる。例えば、ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)及び/又はワイドエリアネットワーク(WAN)などであっても良いし、又はこれらを含んでも良い。ネットワークは、ワイヤレスネットワーク、及び/又は、例えば、ゲートウェイデバイス、ブリッジ、及び/又はスイッチなどを用いて実現されるワイヤレスネットワーク及び/又はワイヤレスネットワークであっても良いし、又はこれを含んでも良い。ネットワークは、インターネットプロトコル(IP)及び/又は専用通信プロトコルなどの様々なプロトコルに基づいた1つ以上のセグメントを含んでも良いし、かつ/又はこれらに基づいた部分を有しても良い。ネットワークは、インターネットの少なくとも一部を含み得る。
【0038】
一部の実施では、メモリは、あらゆるタイプのメモリ、例えば、ランダムアクセスメモリ、ディスクドライブメモリ、及び/又はフラッシュメモリであり得る。一部の実施では、メモリは、レーザーサブシステム105Aの構成要素に関連した2つ以上のメモリ構成要素(例えば、2つ以上のRAM構成要素又はディスクドライブメモリ)として実現することができる。
【0039】
本明細書に記載の様々な技術の実施は、デジタル電子回路で、又はコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、若しくはそれらの組み合わせで実現することができる。実施は、コンピュータプログラム製品として、即ち、情報担体に、例えば、機械可読記憶装置(コンピュータ可読媒体、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、有形コンピュータ可読記憶媒体)に、或いはデータ処理装置、例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、若しくは複数のコンピュータによって処理するための、又は該データ処理装置の操作を制御するための伝播信号に有形的に組み込まれたコンピュータプログラムとして実現することができる。コンピュータプログラム、例えば、上記のコンピュータプログラム(複数可)は、コンパイル言語又はインタプリタ言語を含むあらゆる形態のプログラミング言語で書き込むことができ、かつ、スタンドアロンプログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとしての形態を含むあらゆる形態で展開することができる。コンピュータプログラムは、1つの場所にある1台のコンピュータで、又は複数の場所に分散配置されて通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータで処理するために展開することができる。
【0040】
方法ステップは、コンピュータプログラムを実行して、入力データ上で動作させて出力を生成することにより機能を実行する1つ以上のプログラマブルプロセッサによって行うことができる。方法ステップはまた、特定用途論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって行うことができ、かつ装置を該特定用途論理回路として実現することもできる。
【0041】
コンピュータプログラムを処理するのに適したプロセッサとしては、一例として、汎用及び特定用途向けマイクロプロセッサの両方、及びあらゆる種類のデジタルコンピュータのいずれか1つ以上のプロセッサが挙げられる。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリ又はランダムアクセスメモリ又はこれら両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの要素は、命令を実行する少なくとも1つのプロセッサと、命令及びデータを格納する1つ以上のメモリ素子を含み得る。一般に、コンピュータはまた、データを格納する1つ以上の大容量記憶装置、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は光ディスクも含んでも良いし、又は、これらからデータを受信する、若しくはこれらへデータを送信する、若しくはデータを送受信するためにこれらと動作可能に結合しても良い。コンピュータプログラム命令及びデータを具体化するのに適した情報担体としては、例として、半導体メモリ素子、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリ素子;磁気ディスク、例えば、内部ハードディスク又はリムーバブルディスク;光磁気ディスク;並びにCD−ROM及びDVD−ROMディスクを含む不揮発性メモリの全ての形態が挙げられる。プロセッサ及びメモリは、特定用途向け論理回路によって補完しても良いし、又はその中に含めても良い。
【0042】
使用者とのやりとりを提供するために、実施は、使用者に対して情報を表示する表示デバイス、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)モニタ、並びに使用者がコンピュータに対して入力を提供することができるキーボード及びポインティングデバイス、例えば、マウス又はトラックボールを有するコンピュータ上で実現することができる。その他の種類のデバイスも、同様に使用者とのやりとりを提供するために使用することができ;例えば、使用者に提供されるフィードバックは、感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックのあらゆる形態とすることができ;かつ使用者からの入力は、音響入力、音声入力、又は触覚入力を含むあらゆる形態で受信することができる。
【0043】
実施は、コンピューティングシステムで実現することができ、該コンピューティングシステムは、バックエンドコンポーネントを、例えば、データサーバとして含む、或いはミドルウェアコンポーネント、例えば、アプリケーションサーバを含む、或いはフロントエンドコンポーネント、例えば、使用者が実施を用いてやりとりすることができるグラフィカルユーザインタフェース若しくはウェブブラウザーを有するクライアントコンピュータ、又はそのようなバックエンド、ミドルウェア、若しくはフロントエンドコンポーネントのあらゆる組み合わせを含む。コンポーネントは、デジタルデータ通信のあらゆる形式又は媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)、例えば、インターネットが挙げられる。
【0044】
上記の実施の特定の特徴を本明細書に記載されるように例示してきたが、当業者であれば、多くの修正、置き換え、変更、等価物に想到するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、実施の範囲内に含まれるものとしてそのような修正及び変更の全てを網羅することが意図されていることを理解されたい。添付の特許請求の範囲は、限定としてではなく、例としてのみ提示され、形態及び詳細の様々な変更を行うことができることを理解されたい。本明細書に記載の装置及び/又は方法のどの部分も、互いに排反する組み合わせを除いて、あらゆる組み合わせで組み合わせることができる。本明細書に記載の実施は、記載された異なる実施の機能、構成要素、及び/又は特徴の様々な組み合わせ及び/又は部分的な組み合わせを含み得る。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
第1のレーザービームをある時間に物体上の第1の位置に送信するように構成された第1のレーザーサブシステム;
第2のレーザービームを該時間に該物体上の第2の位置に送信するように構成された第2のレーザーサブシステム;及び
該第1のレーザービームに応答して該物体から反射される第1の反射レーザービームに基づいて第1の速度を算出するように構成され、かつ該第2のレーザービームに応答して該物体から反射される第2の反射レーザービームに基づいて第2の速度を算出するように構成された分析器を含み、
該第1の速度が、該第2の速度と実質的に同じであるように、該第1の位置が、該第1のレーザーサブシステムによって標的にされ、該第2の位置が、該第2のレーザーサブシステムによって標的にされる、光検出及び測距(LIDAR)システム。
(構成2)
前記第1の速度及び前記第2の速度が、前記時間に一致する、構成1記載のLIDARシステム。
(構成3)
前記第1のレーザーサブシステムが、レーザー光源、スプリッタ、及び遅延部を含み、該スプリッタが、該レーザー光源と該遅延部との間に配設されている、構成1記載のLIDARシステム。
(構成4)
前記第1のレーザーサブシステムが、レーザー光源、遅延部、及び結合器を含み、該遅延部が、該結合器と該レーザー光源との間に配設されている、構成1記載のLIDARシステム。
(構成5)
前記分析器が、前記物体の表面の一定速度を算出するように構成され、該分析器が、該表面の該一定速度に基づいて前記第1の速度を補正するように構成されている、構成1記載のLIDARシステム。
(構成6)
前記分析器が、前記物体の表面の変化する速度を算出するように構成され、該分析器が、該表面の該変化する速度に基づいて該第2の速度を補正するように構成されている、構成1記載のLIDARシステム。
(構成7)
前記第1の速度及び前記第2の速度が、同時測定値の第1のセットに含められ、前記時間が第1の時間であり、
前記第1のレーザーサブシステムが、第3のレーザービームを第2の時間に前記物体上の第3の位置に送信するように構成され;
前記第2のレーザーサブシステムが、第4のレーザービームを該第2の時間に該物体上の第4の位置に送信するように構成され;
前記分析器が、該第3のレーザービームからの第3の反射レーザービームに基づいて第3の速度を算出するように構成され、該分析器が、該第4のレーザービームからの第4の反射レーザービームに基づいて第4の速度を算出するように構成され、
該第3の速度及び該第4の速度が、同時測定値の第2のセットに含められ、
該分析器が、同時測定値の第1のセット及び同時測定値の第2のセットに基づいて該第1の速度を修正するように構成されている、構成1記載のLIDARシステム。
(構成8)
前記第1の速度が、前記第1の反射レーザービームに基づいて算出される第1の推定速度であり、前記第2の速度が、前記第1の反射レーザービームに基づいて算出される第2の推定速度である、構成1記載のLIDARシステム。
(構成9)
第1のレーザービームをある時間に物体上の第1の位置に送信するように構成された第1のレーザーサブシステム;
第2のレーザービームを該時間に該物体上の第2の位置に送信するように構成された第2のレーザーサブシステム;及び
該第1のレーザービームに応答して該物体から反射される第1の反射レーザービームに基づいて、該第1の位置における第1の速度及び第1の距離を算出するように構成され、かつ該第2のレーザービームに応答して該物体から反射される第2の反射レーザービームに基づいて、該第2の位置における第2の速度及び第2の距離を算出するように構成された分析器を含み、
該第1の速度が、該第2の速度に線形に関連するように、該第1の位置が、該第2の位置に近接している、光検出及び測距(LIDAR)システム。
(構成10)
前記分析器が、前記物体の表面の一定速度を算出するように構成され、該分析器が、該表面の該一定速度に基づいて前記第1の距離を補正するように構成されている、構成9記載のLIDARシステム。
(構成11)
前記分析器が、前記物体の表面の変化する速度を算出するように構成され、該分析器が、該表面の該変化する速度に基づいて前記第1の距離を補正するように構成されている、構成9記載のLIDARシステム。
(構成12)
前記分析器が、絶対距離の精度に関係なく前記時間における前記第1の位置と前記第2の位置との間の相対距離を算出するように構成されている、構成9記載のLIDARシステム。
(構成13)
前記第1のレーザーサブシステムが、前記第2のレーザーサブシステムに対して固定された位置にある、構成9記載のLIDARシステム。
(構成14)
前記第1の距離が、前記第1の反射レーザービームに基づいて算出される第1の推定距離であり、かつ前記第2の速度が、前記第1の反射レーザービームに基づいて算出される第2の推定距離である、構成9記載のLIDARシステム。
図1A
図1B
図2