(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1挿入要素が前記第2位置にある状態において、前記第1軸に垂直な第1面と前記第1内面との間の交線は、第1曲率半径を有する第1内側円弧と、前記第1曲率半径より大きな第2曲率半径を有する第1外側円弧とを有し、
前記第1挿入要素が前記第2位置にある状態において、前記第1外面は、前記第1内側円弧に接触する第1外面第1部分と、前記第1外側円弧に接触する第1外面第2部分とを有する
請求項3に記載の連結構造体。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、実施形態における連結構造体1、連結構造体1の組立方法、および、連結構造体1の構成部品2を製造する製造方法について、詳しく説明する。なお、本明細書において、同種の機能を有する部材には、同一または類似の符号が付されている。そして、同一または類似の符号の付された部材について、繰り返しとなる説明が省略される場合がある。
【0011】
(用語の定義)
本明細書において、「第1軸AX1」とは、第1挿入要素40が第1部材20の第1穴部21に挿入される際に第1挿入要素40が通る第1円弧軌道PAの円弧の中心軸を意味する。換言すれば、第1挿入要素40が第1部材20の第1穴部21に挿入される際に、第1挿入要素40は、第1軸AX1を中心とする第1円弧軌道PAに沿って移動する。
【0012】
本明細書において、「X軸」とは、第1軸AX1に平行な軸を意味する。本明細書において、「Z軸」とは、X軸に垂直な軸を意味し、「Y軸」とは、X軸およびZ軸の両方に垂直な軸を意味する。なお、Z軸は、鉛直方向と平行な軸であってもよい。代替的に、X軸が、鉛直方向と平行な軸であってもよいし、Y軸が、鉛直方向と平行な軸であってもよい。更に代替的に、X軸、Y軸、および、Z軸の全てが、鉛直方向と非平行であってもよい。
【0013】
(第1の実施形態)
図1乃至
図3を参照して、第1の実施形態における連結構造体1Aについて説明する。
図1は、第1の実施形態における連結構造体1Aを模式的に示す概略斜視図である。
図2は、第1の実施形態における連結構造体1Aが組み立てられる前の状態を模式的に示す概略断面図(より具体的には、概略縦断面図)である。
図3は、第1の実施形態における連結構造体1Aを模式的に示す概略断面図(より具体的には、概略縦断面図)である。
【0014】
第1の実施形態における連結構造体1Aは、複数の構成部品2を有する。
図1に記載の例では、連結構造体1Aは、2個の構成部品2(より具体的には、第1の構成部品である第1部材20、および、第2の構成部品である第2部材30)によって構成されている。代替的に、連結構造体1Aは、3個以上の構成部品2によって構成されていてもよい。
【0015】
図1に記載の例では、連結構造体1Aは、第1部材20と、第2部材30とを含む。
【0016】
図2に記載の例では、第1部材20は、第1穴部21を有する。当該第1穴部21は、第1軸AX1を中心とする第1円弧軌道PAを規定する。
図2に記載の例では、第1軸AX1は、第1部材20の外縁(より具体的には、第1部材20の角部)を通過するように配置されている。代替的に、第1軸AX1は、第1部材20と交わらないように、第1部材20の外縁よりも外側の空間に配置されていてもよい。代替的に、第1軸AX1は、第1部材20の外縁よりも内側に配置されていてもよい。
【0017】
第2部材30は、第1部材20に連結される部材である。第2部材30は、第1部材20とは別体である。
図1に記載の例では、第1部材20と第2部材30とが互いに連結されることにより連結構造体1が組み立てられている。
【0018】
図2に記載の例では、連結構造体1A(より具体的には、第2部材30)は、第1穴部21に挿入可能な第1挿入要素40を有する。
図2に記載の例では、第1部材20は、第1挿入要素40が挿入される第1入口開口25を有する。第1挿入要素40は、第1入口開口25を介して第1穴部21に挿入される。
【0019】
第1挿入要素40は、第1穴部21外の第1位置(
図2を参照。)と、第1穴部21に係合する第2位置(
図3を参照。)との間で、第1部材20に対して相対移動可能である。当該相対移動は、第1穴部21によって規定される第1円弧軌道PAに沿う移動である。換言すれば、第1挿入要素40は、第1穴部21外の第1位置と第1穴部21に係合する第2位置との間で、第1円弧軌道PAに沿って移動可能である。なお、本明細書において、「円弧」の用語には、完全な円弧に加え、略円弧が含まれる。換言すれば、製造誤差、公差、あるいは、製造後の変形等に起因して、完全な円弧軌道から多少ずれた軌道も円弧軌道に包含され、完全な円弧形状から多少ずれた形状も円弧形状に包含される。
【0020】
図3に例示されるように、第1挿入要素40が第1穴部21に係合する第2位置にあるとき、第1部材20と第2部材30とが連結される。換言すれば、第1挿入要素40が、第1円弧軌道PAに沿って、第1位置から第2位置まで移動することにより、第1部材20と第2部材30とが連結された状態の連結構造体1Aが形成される。
【0021】
図2に例示されるように、第1挿入要素40が第1穴部21外の第1位置にあるとき、第1部材20と第2部材30との連結が解除される。換言すれば、第1挿入要素40が、第1円弧軌道PAに沿って、第2位置(
図3を参照。)から第1位置(
図2を参照。)まで移動することにより、第1部材20と第2部材30との間の連結を解除することができる。
【0022】
以上のとおり、第1の実施形態では、第1円弧軌道PAに沿って第1挿入要素40を移動させることにより第1部材20と第2部材30とが連結された連結構造体1Aを組み立てることができる。
【0023】
図3に記載の例では、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき(換言すれば、第1挿入要素40が第1穴部21に係合する第2位置にあるとき)、第1挿入要素40と第1穴部21との間の係合面は、Z軸と非平行である。よって、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき、第2部材30を第1部材20に対して、Z軸に平行な方向に相対移動させることはできない。
【0024】
図1に記載の例では、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき、第1軸AX1に沿う方向における第1挿入要素40の移動が第1穴部21の内壁面によって拘束される。よって、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき、第2部材30を第1部材20に対して、第1軸AX1に平行な方向(換言すれば、X軸に平行な方向)に相対移動させることはできない。
【0025】
図1に記載の例では、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき、Y軸に沿う方向における第1挿入要素40の移動が第1穴部21の内壁面によって拘束される。よって、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき、第2部材30を第1部材20に対して、Y軸に平行な方向に相対移動させることはできない。
【0026】
以上のことから、
図1に記載の連結構造体1Aでは、X軸と平行な方向における構造の安定性が確保され、Y軸と平行な方向における構造の安定性が確保され、Z軸と平行な方向における構造の安定性が確保される。
【0027】
図1に記載の例では、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき(換言すれば、第1挿入要素40が第1穴部21に係合する第2位置にあるとき)、第1部材20に対する第1挿入要素40の全ての直線的な相対移動が、第1穴部21の内壁面によって拘束される。よって、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき、第1部材20と第2部材30との間の全ての直線的な相対移動が、第2位置にある第1挿入要素40によって防止される。こうして、
図1に記載の連結構造体1Aでは、全ての方向における構造の安定性が確保される。
【0028】
図1に記載の例では、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき(換言すれば、第1挿入要素40が第1穴部21に係合する第2位置にあるとき)、第2位置にある第1挿入要素40を直線的に移動させることができない。この場合、連結構造体1Aに振動等が作用した場合であっても、第1挿入要素40と第1穴部21との間の係合が緩みにくい。
【0029】
第1の実施形態あるいは後述の実施形態の連結構造体1における連結構造はシンプルである。このため、非熟練の作業者を含む任意の作業者は、第1部材20と第2部材30とを容易に連結することができ、第1部材20と第2部材30とを容易に分離することが可能である。また、部品点数を低減することが可能である。なお、第1の実施形態あるいは後述の実施形態における連結構造体1が、
図1等には図示されていない付加的な要素を含んでいてもよいことは言うまでもない。換言すれば、第1の実施形態あるいは後述の実施形態の連結構造体1における連結構造はシンプルであることに限定されない。
【0030】
続いて、
図1乃至
図3を参照して、第1の実施形態における連結構造体1Aにおいて採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0031】
(第1内面210、および、第1外面410)
図2に記載の例では、第1穴部21は、第1軸AX1を中心とする円弧状の第1内面210を有する。円弧状の第1内面210によって、上述の第1円弧軌道PAが規定される。より具体的には、第1挿入要素40が、円弧状の第1内面210に接触しながら円弧状の第1内面210に沿って移動することにより、第1挿入要素40は第1円弧軌道PAに沿って移動する。
【0032】
図2に記載の例では、第1挿入要素40は、円弧状の第1外面410を有する。当該第1外面410は、第1穴部21の円弧状の第1内面210に対して摺動可能である。
【0033】
図2に記載の例では、円弧状の第1外面410が、円弧状の第1内面210に接触しつつ、第1内面210によって規定される第1円弧軌道PAに沿って移動する。この場合、第1挿入要素40が第1穴部21に挿入される際に、第1挿入要素40と第1穴部21との間のガタツキが防止される。よって、第1挿入要素40を円滑に第1穴部21に挿入することができる。
【0034】
図2に記載の例では、円弧状の第1内面210は、第1円弧面210aと、第1円弧面210aと対向する第2円弧面210bとを有する。
図1に例示されるように、第1穴部21の内面は、第1円弧面210aと、第2円弧面210bと、第1側面210cと、第2側面210dとを有していてもよい。第1側面210cおよび第2側面210dの各々は、第1円弧面210aと第2円弧面210bとを接続する。また、第1側面210cは、第2側面210dに対向配置される。
【0035】
図2に記載の例において、第1円弧面210aの中心軸は、第1軸AX1であり、第2円弧面210bの中心軸は、第1軸AX1である。また、第1円弧面210aの曲率半径は、第2円弧面210bの曲率半径よりも大きい。
【0036】
図2に記載の例では、円弧状の第1外面410は、第1円弧面210aに対して摺動可能な第3円弧面410aと、第2円弧面210bに対して摺動可能な第4円弧面410bとを有する。
【0037】
図3に示される状態において(換言すれば、第1挿入要素40が第2位置にある状態において)、第1軸AX1に垂直な第1面(
図3の紙面に沿う面)と第1内面210との間の交線Eは、第1曲率半径を有する第1内側円弧E1と、第1曲率半径より大きな第2曲率半径を有する第1外側円弧E2とを有する。
【0038】
図3に示される状態において(換言すれば、第1挿入要素40が第2位置にある状態において)、第1外面410は、第1内側円弧E1に接触する第1外面第1部分F1と、第1外側円弧E2に接触する第1外面第2部分F2とを有する。
【0039】
図3に記載の例では、第1外面第1部分F1は円弧形状を有し、第1外面第2部分F2は円弧形状を有する。より具体的には、第1軸AX1に垂直な第1面(
図3の紙面に沿う面)と第1外面410との間の交線Fは、第1内側円弧(F1)と、第1内側円弧(F1)と比較して第1軸AX1からの距離が大きい第1外側円弧(F2)とを有する。
【0040】
図3に記載の例では、第1内面210は、第1内側円弧E1および第1外側円弧E2を有し、第1外面410は、第1内側円弧E1に接触する第1外面第1部分F1、および、第1外側円弧E2に接触する第1外面第2部分F2を有する。この場合、2つの円弧(E1、E2)によって第1円弧軌道PAが規定されるため、第1挿入要素40の軌道が安定する。また、第1挿入要素40が、2つの円弧(E1、E2)に挟まれた状態で、2つの円弧(E1、E2)によってガイドされる。よって、第1挿入要素40が第1穴部21に挿入される際に、第1挿入要素40と第1穴部21との間のガタツキが防止される。
【0041】
(第1接触面27、および、第2接触面37)
図2に記載の例では、第1部材20は、第2部材30に接触する第1接触面27を有し、第2部材30は、第1部材20に接触する第2接触面37を有する。第1接触面27と第2接触面37とは、第1部材20と第2部材30とが連結された状態にあるとき、互いに面接触するように構成されていることが好ましい。当該面接触により、連結構造体1Aの強度が向上する。
図2に記載の例では、第1部材20の第1接触面27に上述の第1入口開口25が形成されている。
【0042】
(ねじレス部品)
図1に記載の例では、第1部材20と第2部材30とは、ボルト等の金具を介することなく、第1部材20の第1穴部21と第1挿入要素40との間の係合によって連結されている。ボルト等の金具が不要である場合には、第1部材20と第2部材30とを連結する作業、あるいは、第1部材20と第2部材30との連結を解除する作業を、迅速かつ効率的に実施することができる。
図1に記載の例では、第1部材20は、ねじレス部品(換言すれば、ねじ穴が形成されていない部品)であり、第2部材30は、ねじレス部品(換言すれば、ねじ穴が形成されていない部品)である。第1部材20および第2部材30がねじレス部品である場合には、ねじ穴の周辺に応力集中が生じることがなく、ねじ穴を起点としてクラックが生じることがない。
【0043】
第1部材20と第2部材30との間の連結構造は、日本において伝統的な継手構造あるいは仕口構造の新たな一形態を提供し得る。
【0044】
(第1挿入要素40が配置される部材)
図2に記載の例では、第1挿入要素40が第2部材30に配置されている。換言すれば、第2部材30が第1挿入要素40を有する。第2部材30が第1挿入要素40を有する場合には、連結構造体1Aを構成する部品の部品点数を低減することができる。
【0045】
(第2の実施形態)
図4乃至
図6を参照して、第2の実施形態における連結構造体1Bについて説明する。
図4は、第2の実施形態における連結構造体1Bを模式的に示す概略斜視図である。
図5は、第2の実施形態における連結構造体1Bが組み立てられる前の状態を模式的に示す概略断面図(より具体的には、概略縦断面図)である。
図6は、第2の実施形態における連結構造体1Bを模式的に示す概略断面図(より具体的には、概略縦断面図)である。
【0046】
図5に例示されるように、第2の実施形態における連結構造体1Bは、第1挿入要素40および第1挿入要素40が挿入される第1穴部21に加えて、第2挿入要素50および第2挿入要素50が挿入される第2穴部31を備える。
【0047】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第2の実施形態では、第1の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第2の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態において説明済みの事項を第2の実施形態に適用できることは言うまでもない。
【0048】
第2の実施形態における連結構造体1Bは、第1軸AX1を中心とする第1円弧軌道PAを規定する第1穴部21を有する第1部材20と、第1部材20に連結される第2部材30と、第1穴部21外の第1位置と第1穴部21に係合する第2位置との間で、第1円弧軌道PAに沿って移動可能な第1挿入要素40とを具備する。第1挿入要素40が第2位置にあるとき、第1部材20と第2部材30とが連結される。
【0049】
よって、第2の実施形態における連結構造体1Bは、第1の実施形態における連結構造体1Aと同様の効果を奏する。
【0050】
(第2穴部31、および、第2挿入要素50)
図5に記載の例では、連結構造体1Bは、第2穴部31、および、第2挿入要素50を備える。
図5に記載の例では、第2穴部31が第2部材30に設けられている。より具体的には、第2部材30は、第1軸AX1を中心とする第2円弧軌道PBを規定する第2穴部31を有する。
【0051】
図5に記載の例では、連結構造体1B(より具体的には、第1部材20)は、第2穴部31に挿入可能な第2挿入要素50を有する。
【0052】
第2挿入要素50は、第2穴部31外の第3位置(
図5を参照。)と、第2穴部31に係合する第4位置(
図6を参照。)との間で、第2部材30に対して相対移動可能である。当該相対移動は、第2穴部31によって規定される第2円弧軌道PBに沿う移動である。換言すれば、第2挿入要素50は、第2穴部31外の第3位置と第2穴部31に係合する第4位置との間で、第2円弧軌道PBに沿って移動可能である。
【0053】
図6に例示されるように、第1挿入要素40が第1穴部21に係合する第2位置にあり、第2挿入要素50が第2穴部31に係合する第4位置にあるとき、第1部材20と第2部材30とが連結される。換言すれば、第1挿入要素40が、第1円弧軌道PAに沿って、第1位置(
図5を参照。)から第2位置(
図6を参照。)まで移動し、第2挿入要素50が、第2円弧軌道PBに沿って、第3位置(
図5を参照。)から第4位置(
図6を参照。)まで移動することにより、第1部材20と第2部材30とが連結された状態の連結構造体1Bが形成される。
【0054】
図5に例示されるように、第1挿入要素40が第1穴部21外の第1位置にあり、かつ、第2挿入要素50が第2穴部31外の第3位置にあるとき、第1部材20と第2部材30との連結が解除される。換言すれば、第1挿入要素40が、第1円弧軌道PAに沿って、第2位置から第1位置まで移動し、第2挿入要素50が、第2円弧軌道PBに沿って、第4位置から第3位置まで移動することにより、第1部材20と第2部材30との間の連結を解除することができる。
【0055】
図5に記載の例では、連結構造体1Bは、第1穴部21に挿入される第1挿入要素40と、第2穴部31に挿入される第2挿入要素50とを備える。連結構造体1Bが少なくとも2つの挿入要素(40、50)を備えることにより、第1部材20と第2部材30とがより一層安定的に連結される。
【0056】
図4に記載の例では、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき(換言すれば、第1挿入要素40が第1穴部21に係合する第2位置にあり、第2挿入要素50が第2穴部31に係合する第4位置にあるとき)、第1挿入要素40と第1穴部21との間の係合面は、Z軸と非平行であり、第2挿入要素50と第2穴部31との間の係合面は、Z軸と非平行である。よって、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき、第2部材30を第1部材20に対して、Z軸に平行な方向に相対移動させることはできない。
【0057】
図4に記載の例では、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき、第1軸AX1に沿う方向における第1挿入要素40の移動が第1穴部21の内壁面によって拘束され、第1軸AX1に沿う方向における第2挿入要素50の移動が第2穴部31の内壁面によって拘束される。よって、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき、第2部材30を第1部材20に対して、第1軸AX1に平行な方向(換言すれば、X軸に平行な方向)に相対移動させることはできない。
【0058】
図4に記載の例では、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき、Y軸に沿う方向における第1挿入要素40の移動が第1穴部21の内壁面によって拘束され、Y軸に沿う方向における第2挿入要素50の移動が第2穴部31の内壁面によって拘束される。よって、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき、第2部材30を第1部材20に対して、Y軸に平行な方向に相対移動させることはできない。
【0059】
以上のことから、
図4に記載の連結構造体1Bでは、X軸と平行な方向における構造の安定性が確保され、Y軸と平行な方向における構造の安定性が確保され、Z軸と平行な方向における構造の安定性が確保される。
【0060】
図4に記載の例では、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき(換言すれば、第1挿入要素40が第1穴部21に係合する第2位置にあり、第2挿入要素50が第2穴部31に係合する第4位置にあるとき)、第1部材20に対する第1挿入要素40の全ての直線的な相対移動が、第1穴部21の内壁面によって拘束され、第2部材30に対する第2挿入要素50の全ての直線的な相対移動が、第2穴部31の内壁面によって拘束される。よって、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき、第1部材20と第2部材30との間の全ての直線的な相対移動が、第2位置にある第1挿入要素40および第4位置にある第2挿入要素50によって防止される。こうして、
図4に記載の連結構造体1Bでは、全ての方向における構造の安定性が確保される。
【0061】
(第2内面310、および、第2外面510)
図5に記載の例では、第2穴部31は、第1軸AX1を中心とする円弧状の第2内面310を有する。円弧状の第2内面310によって、上述の第2円弧軌道PBが規定される。より具体的には、第2挿入要素50が、円弧状の第2内面310に接触しながら円弧状の第2内面310に沿って移動することにより、第2挿入要素50は第2円弧軌道PBに沿って移動する。
【0062】
図5に記載の例では、第2挿入要素50は、円弧状の第2外面510を有する。当該第2外面510は、第2穴部31の円弧状の第2内面310に対して摺動可能である。
【0063】
図5に記載の例では、円弧状の第2外面510が、円弧状の第2内面310に接触しつつ、第2内面310によって規定される第2円弧軌道PBに沿って移動する。この場合、第2挿入要素50が第2穴部31に挿入される際に、第2挿入要素50と第2穴部31との間のガタツキが防止される。よって、第2挿入要素50を円滑に第2穴部31に挿入することができる。
【0064】
図6に示される状態において(換言すれば、第2挿入要素50が第4位置にある状態において)、第1軸AX1に垂直な第1面(
図6の紙面に沿う面)と第2内面310との間の交線Gは、第3曲率半径を有する第2内側円弧G1と、第3曲率半径より大きな第4曲率半径を有する第2外側円弧G2とを有する。
【0065】
図6に示される状態において(換言すれば、第2挿入要素50が第4位置にある状態において)、第2外面510は、第2内側円弧G1に接触する第2外面第1部分J1と、第2外側円弧G2に接触する第2外面第2部分J2とを有する。
【0066】
図6に記載の例では、第2外面第1部分J1は円弧形状を有し、第2外面第2部分J2は円弧形状を有する。より具体的には、第1軸AX1に垂直な第1面(
図6の紙面に沿う面)と第2外面510との間の交線Jは、第2内側円弧(J1)と、第2内側円弧(J1)と比較して第1軸AX1からの距離が大きい第2外側円弧(J2)とを有する。
【0067】
図6に記載の例では、第2内面310は、第2内側円弧G1および第2外側円弧G2を有し、第2外面510は、第2内側円弧G1に接触する第2外面第1部分J1、および、第2外側円弧G2に接触する第2外面第2部分J2を有する。この場合、2つの円弧(G1、G2)によって第2円弧軌道PBが規定されるため、第2挿入要素50の軌道が安定する。また、第2挿入要素50が、2つの円弧(G1、G2)に挟まれた状態で、2つの円弧(G1、G2)によってガイドされる。よって、第2挿入要素50が第2穴部31に挿入される際に、第2挿入要素50と第2穴部31との間のガタツキが防止される。
【0068】
(補助係合凹部、および、補助係合凸部)
図5に記載の例では、第1部材20は、第2部材30に配置された補助係合凹部33に係合可能な補助係合凸部23を有する。代替的に、あるいは、付加的に、第1部材20は、第2部材30に配置された補助係合凸部34に係合可能な補助係合凹部24を有していてもよい。
【0069】
第1部材20が、第2部材30に配置された補助係合凹部33(または、補助係合凸部34)に係合可能な補助係合凸部23(または、補助係合凹部24)を有する場合、第1部材20と第2部材30との間の連結状態がより安定化される。
【0070】
図5に記載の例では、補助係合凹部33は、補助係合凸部23に対して相対的に摺動する円弧面33cを有する。
図5に記載の例では、当該円弧面33cの中心軸は、第1軸AX1と一致する。当該円弧面33cは、第1挿入要素40の第1外面410に滑らかに接続されていてもよい。
【0071】
図5に記載の例では、補助係合凹部24は、補助係合凸部34に対して相対的に摺動する円弧面24cを有する。
図5に記載の例では、当該円弧面24cの中心軸は、第1軸AX1と一致する。当該円弧面24cは、第2挿入要素50の第2外面510に滑らかに接続されていてもよい。
【0072】
(第3の実施形態)
図7乃至
図10を参照して、第3の実施形態における連結構造体1Cについて説明する。
図7は、第3の実施形態における連結構造体1Cを模式的に示す概略斜視図である。
図8は、第3の実施形態における連結構造体1Cの構成部品2を模式的に示す概略断面図(より具体的には、概略縦断面図)である。
図9は、第3の実施形態における連結構造体1Cが組み立てられる前の状態を模式的に示す概略断面図(より具体的には、概略縦断面図)である。
図10は、第3の実施形態における連結構造体1Cを模式的に示す概略断面図(より具体的には、概略縦断面図)である。
【0073】
第3の実施形態における連結構造体1Cは、第1挿入要素40が、第1部材20および第2部材30とは異なる固定部材4に設けられている。換言すれば、連結構造体1Cは、第1挿入要素40を有する固定部材4を備える。第2部材30は、第1部材20とは別体であり、固定部材4は、第1部材20および第2部材30とは別体である。
【0074】
第3の実施形態では、第1の実施形態および第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第3の実施形態では、第1の実施形態または第2の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第3の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態または第2の実施形態において説明済みの事項を第3の実施形態に適用できることは言うまでもない。
【0075】
図8に記載の例では、連結構造体1Cは、複数の構成部品2を有する。
図8に記載の例では、連結構造体1Cは、3個の構成部品2(より具体的には、第1の構成部品である第1部材20、第2の構成部品である第2部材30、および、第3の構成部品である固定部材4)によって構成されている。代替的に、連結構造体1Cは、4個以上の構成部品2によって構成されていてもよい。
【0076】
図9に記載の例では、連結構造体1Cは、第1部材20と、第2部材30と、固定部材4とを含む。
【0077】
図9に記載の例では、第1部材20は、第1穴部21を有する。当該第1穴部21は、第1軸AX1を中心とする第1円弧軌道PAを規定する。
図9に記載の例では、第1軸AX1は、第1部材20の外縁(より具体的には、第1部材20の角部)を通過するように配置されている。代替的に、第1軸AX1は、第1部材20と交わらないように、第1部材20の外縁よりも外側の空間に配置されていてもよい。代替的に、第1軸AX1は、第1部材20の外縁よりも内側に配置されていてもよい。
【0078】
第3の実施形態における連結構造体1Cは、第1軸AX1を中心とする第1円弧軌道PAを規定する第1穴部21を有する第1部材20と、第1部材20に連結される第2部材30と、第1穴部21外の第1位置と第1穴部21に係合する第2位置との間で、第1円弧軌道PAに沿って移動可能な第1挿入要素40とを具備する。第1挿入要素40が第2位置にあるとき、第1部材20と第2部材30とが連結される。
【0079】
よって、第3の実施形態における連結構造体1Cは、第1の実施形態における連結構造体1Aと同様の効果を奏する。
【0080】
(第2穴部31)
図9に記載の例では、連結構造体1Cは、第2穴部31を備える。
図9に記載の例では、第2穴部31が第2部材30に設けられている。より具体的には、第2部材30は、第1軸AX1を中心とする第1円弧軌道PAを規定する第2穴部31を有する。
【0081】
図9に記載の例では、第1穴部21および第2穴部31によって、第1円弧軌道PAが規定される。
【0082】
図10に記載の例では、第1挿入要素40の一部40aが第1穴部21内に配置され、かつ、第1挿入要素40の他の一部40bが第2穴部31内に配置されるとき、第1部材20と第2部材30とが連結される。換言すれば、第1挿入要素40の位置が、第1穴部21と第2穴部31とに跨って配置される第2位置にあるとき、第1部材20と第2部材30とが連結される。
【0083】
図10に記載の例では、第1挿入要素40の一部40aが第1穴部21内に配置され、かつ、第1挿入要素40の他の一部40bが第2穴部31内に配置されるように、第1挿入要素40が第1円弧軌道PA(
図9を参照。)に沿って移動することにより、第1部材20と第2部材30とが連結された状態の連結構造体1Cが形成される。
【0084】
また、
図9に例示されるように、第1挿入要素40が、第1穴部21および第2穴部31の少なくとも一方から引き抜かれると、第1部材20と第2部材30との間の連結を解除することができる。換言すれば、第1挿入要素40が、第1穴部21および第2穴部31のうちの少なくとも一方の外部に位置するとき、第1部材20と第2部材30との間の連結が解除される。
【0085】
図7に記載の例では、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき(換言すれば、第1挿入要素40が第1穴部21および第2穴部31に係合する第2位置にあるとき)、第1部材20および第2部材30に対する第1挿入要素40の全ての直線的な相対移動が、第1穴部21の内壁面および第2穴部31の内壁面によって拘束される。また、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき、第1部材20と第2部材30との間の全ての直線的な相対移動が、第2位置にある第1挿入要素40によって防止される。こうして、
図7に記載の連結構造体1Cでは、全ての方向における構造の安定性が確保される。
【0086】
図7に記載の例では、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき(換言すれば、第1挿入要素40が第1穴部21および第2穴部31に係合する第2位置にあるとき)、第2位置にある第1挿入要素40を直線的に移動させることができない。この場合、連結構造体1Cに振動等が作用した場合であっても、第1挿入要素40と第1穴部21および第2穴部31との間の係合が緩みにくい。
【0087】
(第2内面310)
図9に記載の例では、第2穴部31は、第1軸AX1を中心とする円弧状の第2内面310を有する。円弧状の第2内面310によって、上述の第1円弧軌道PAが規定される。より具体的には、第1挿入要素40が、円弧状の第2内面310に接触しながら円弧状の第2内面310に沿って移動することにより、第1挿入要素40は第1円弧軌道PAに沿って移動する。
【0088】
図9に記載の例では、第1挿入要素40は、円弧状の第1外面410を有する。当該第1外面410は、第1穴部21の円弧状の第1内面210に対して摺動可能であり、当該第1外面410は、第2穴部31の円弧状の第2内面310に対して摺動可能である。
【0089】
図9に記載の例では、円弧状の第1内面210は、第1円弧面210aと、第1円弧面210aと対向する第2円弧面210bとを有する。第1円弧面210aの中心軸は、第1軸AX1であり、第2円弧面210bの中心軸は、第1軸AX1である。また、第1円弧面210aの曲率半径は、第2円弧面210bの曲率半径よりも大きい。
【0090】
図9に記載の例では、円弧状の第2内面310は、第5円弧面310aと、第5円弧面310aと対向する第6円弧面310bとを有する。第5円弧面310aの中心軸は、第1軸AX1であり、第6円弧面310bの中心軸は、第1軸AX1である。また、第5円弧面310aの曲率半径は、第6円弧面310bの曲率半径よりも大きい。
【0091】
図9に記載の例では、円弧状の第1外面410は、第1円弧面210aおよび第5円弧面310aに対して摺動可能な第3円弧面410aと、第2円弧面210bおよび第6円弧面310bに対して摺動可能な第4円弧面410bとを有する。
【0092】
図10に示される状態において(換言すれば、第1挿入要素40が第2位置にある状態において)、第1軸AX1に垂直な第1面(
図10の紙面に沿う面)と第2内面310との間の交線Kは、第1曲率半径を有する第3内側円弧K1と、第1曲率半径より大きな第2曲率半径を有する第3外側円弧K2とを有する。
【0093】
図10に示される状態において(換言すれば、第1挿入要素40が第2位置にある状態において)、第1外面410は、第3内側円弧K1に接触する第1外面第1部分F1と、第3外側円弧K2に接触する第1外面第2部分F2とを有する。
【0094】
図10に記載の例では、第1外面第1部分F1は円弧形状を有し、第1外面第2部分F2は円弧形状を有する。より具体的には、第1軸AX1に垂直な第1面(
図10の紙面に沿う面)と第1外面410との間の交線Fは、第1内側円弧(F1)と、第1内側円弧(F1)と比較して第1軸AX1からの距離が大きい第1外側円弧(F2)とを有する。
【0095】
図10に記載の例では、第1内面210は、第1内側円弧E1および第1外側円弧E2を有し、第2内面310は、第3内側円弧K1および第3外側円弧K2を有し、第1外面410は、第1内側円弧E1および第3内側円弧K1に接触する第1外面第1部分F1、および、第1外側円弧E2および第3外側円弧K2に接触する第1外面第2部分F2を有する。この場合、4つの円弧(E1、E2、K1、K2)によって第1円弧軌道PA(
図9を参照。)が規定されるため、第1挿入要素40の軌道が安定する。
【0096】
図8に記載の例では、第1部材20は、第1挿入要素40の先端部が挿入される第1入口開口25を有する。また、
図8に記載の例では、第2部材30は、第1挿入要素40の先端部が挿入される第2入口開口35と、第1挿入要素40の先端部が通過する出口開口36とを有する。
図8に記載の例では、第2入口開口35が配置される第2部材30の第1面30aと、出口開口36が配置される第2部材30の第2面30bとの間のなす角度が90度である。代替的に、第2入口開口35が配置される第2部材30の第1面30aと、出口開口36が配置される第2部材30の第2面30bとの間のなす角度は、例えば、10度以上170度以下であってもよい。
【0097】
図8に記載の例では、第1部材20は、第2部材30に接触する第1接触面27を有し、第2部材30は、第1部材20に接触する第2接触面37を有する。
図8に記載の例では、第1部材20の第1接触面27に上述の第1入口開口25が形成され、第2部材30の第2接触面37に上述の出口開口36が形成されている。
図9に記載の例では、第1部材20の第1入口開口25と第2部材30の出口開口36とが互いに位置合わせされた状態で、第1挿入要素40が、第2部材30の第2穴部31と第1部材20の第1穴部21に挿入される。
【0098】
(第4の実施形態)
図11乃至
図14を参照して、第4の実施形態における連結構造体1Dについて説明する。
図11は、第4の実施形態における連結構造体1Dを模式的に示す概略斜視図である。
図12は、第4の実施形態における連結構造体1Dの構成部品2を模式的に示す概略断面図(より具体的には、概略縦断面図)である。
図13は、第4の実施形態における連結構造体1Dが組み立てられる前の状態を模式的に示す概略断面図(より具体的には、概略縦断面図)である。
図14は、第4の実施形態における連結構造体1Dを模式的に示す概略断面図(より具体的には、概略縦断面図)である。
【0099】
第4の実施形態における連結構造体1Dは、補助係合凹部(24、33)と、補助係合凸部(34、23)とを有する。補助係合凹部および補助係合凸部は、第1挿入要素40が第1部材20の第1穴部21、および、第2部材30の第2穴部31の両方に挿入される前に、第1部材20と第2部材30とを互いに仮固定する。
【0100】
第4の実施形態では、第1の実施形態乃至第3の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第4の実施形態では、第1の実施形態、第2の実施形態または第3の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第4の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態、第2の実施形態または第3の実施形態において説明済みの事項を第4の実施形態に適用できることは言うまでもない。
【0101】
第4の実施形態における連結構造体1Cは、第1軸AX1を中心とする第1円弧軌道PAを規定する第1穴部21を有する第1部材20と、第1部材20に連結される第2部材30と、第1穴部21外の第1位置と第1穴部21に係合する第2位置との間で、第1円弧軌道PAに沿って移動可能な第1挿入要素40とを具備する。第1挿入要素40が第2位置にあるとき、第1部材20と第2部材30とが連結される。
【0102】
よって、第4の実施形態における連結構造体1Dは、第3の実施形態における連結構造体1Cと同様の効果を奏する。なお、
図14に記載の例では、第1軸AX1は、第1部材20と交わらないように、第1部材20の外縁よりも外側の空間に配置されている。代替的に、
図10に例示されるように、第1軸AX1は、第1部材20の外縁(例えば、第1部材20の角部)を通過するように配置されていてもよい。代替的に、第1軸AX1は、第1部材20の外縁よりも内側に配置されていてもよい。
【0103】
第4の実施形態における連結構造体1Dは、第1部材20と、第2部材30と、第1挿入要素40を有する固定部材4とを備える点において、第3の実施形態における連結構造体1Cと同様である。第4の実施形態における連結構造体1Dは、付加的に、補助係合凹部(24、33)と、補助係合凸部(34、23)とを有する。
【0104】
図12に記載の例では、第1部材20は、第2部材30に配置された補助係合凹部33に係合可能な補助係合凸部23を有する。代替的に、あるいは、付加的に、第1部材20は、第2部材30に配置された補助係合凸部34に係合可能な補助係合凹部24を有していてもよい。
【0105】
第1部材20が、第2部材30に配置された補助係合凹部33(または、補助係合凸部34)に係合可能な補助係合凸部23(または、補助係合凹部24)を有する場合、第1挿入要素40による本固定に先立ち、第1部材20と第2部材30とを互いに仮固定することができる。また、第1部材20が、第2部材30に配置された補助係合凹部33(または、補助係合凸部34)に係合可能な補助係合凸部23(または、補助係合凹部24)を有する場合、第1部材20と第2部材30との間の連結状態が、より安定化される。
【0106】
図12に記載の例では、第2部材30に配置された補助係合凸部34の突出方向は、出口開口36が配置される第2部材30の第2面30bと平行な方向である。ただし、補助係合凸部(23、34)の突出方向は、
図12に記載の例に限定されず、任意である。
【0107】
図14に記載の例では、第1挿入要素40が、補助係合凸部34に設けられた貫通孔部34hを通過するように、第1挿入要素40が貫通孔部34hに挿入されている。代替的に、第2部材30において、補助係合凸部34以外の部分に、第1挿入要素40を受容可能な貫通孔部34hが設けられてもよい。
【0108】
図14に記載の例では、第1挿入要素40が、補助係合凸部23に設けられた貫通孔部23hを通過するように、第1挿入要素40が貫通孔部23hに挿入されている。代替的に、第1部材20において、補助係合凸部23以外の部分に、第1挿入要素40を受容可能な貫通孔部23hが設けられてもよい。
【0109】
(第1挿入要素40の断面形状)
図1乃至
図18を参照して、第1の実施形態における連結構造体1A、第2の実施形態における連結構造体1B、第3の実施形態における連結構造体1C、または、第4の実施形態における連結構造体1Dにおいて採用可能な第1挿入要素40の形状の例について説明する。
【0110】
図1乃至
図14に記載の例では、第1円弧軌道PAに垂直な断面において、第1挿入要素40は、矩形形状を有する。換言すれば、第1円弧軌道PAに垂直な断面において、第1挿入要素40の外周縁の形状は、四角形である。
【0111】
図15乃至
図18に例示されるように、第1円弧軌道PAに垂直な断面(
図15におけるA−A断面、
図16におけるB−B断面、
図17におけるC−C断面、
図18におけるD−D断面)において、第1挿入要素40は、扁平形状を有していてもよい。第1挿入要素40が扁平形状を有する場合、第1穴部21を規定する第1部材20として、相対的に厚さ(
図1、
図4、
図7、
図11におけるY軸方向の長さ)が小さい部材を選定することが可能となる。なお、本明細書において、扁平形状とは、第1円弧軌道PAに垂直な断面において、第1軸AX1に平行な方向における第1挿入要素40の長さL1が、第1軸AX1に垂直な方向における第1挿入要素40の長さL2の1.5倍以上であることを意味する。第1軸AX1に平行な方向における第1挿入要素40の長さL1は、第1軸AX1に垂直な方向における第1挿入要素40の長さL2の2倍以上であってもよい。なお、第1挿入要素40が扁平形状を有さない場合、第1軸AX1に平行な方向における第1挿入要素40の長さL1は、第1軸AX1に垂直な方向における第1挿入要素40の長さL2の1倍より大きく1.5倍未満であってもよい。更に代替的に、第1部材20の厚さ(
図1、
図4、
図7、
図11におけるY軸方向の長さ)が相対的に厚い場合には、上述の長さL1は、上述の長さL2と等しくてもよいし、上述の長さL2より小さくてもよい。
【0112】
図16および
図17に例示されるように、第1円弧軌道PAに垂直な断面(
図16におけるB−B断面、
図17におけるC−C断面)において、第1挿入要素40の外周縁の1/2以上が曲線によって構成されていてもよい(換言すれば、第1挿入要素40の外周縁に沿う道程のうち1/2以上の部分が曲線によって構成されていてもよい。)。第1挿入要素40の外周縁の1/2以上が曲線によって構成されることにより、第1挿入要素40の曲げ剛性および/または曲げ強度が向上する。
【0113】
図16に記載の例では、第1円弧軌道PAに垂直な断面(
図16におけるB−B断面)において、第1挿入要素40の外周縁のうち第1軸AX1から遠い側の第1縁48は、第1軸AX1に向かって凹んだ凹曲線を有する。また、第1円弧軌道PAに垂直な断面において、第1挿入要素40の外周縁のうち第1軸AX1から近い側の第2縁49は、第1軸AX1に向かって凸な凸曲線を有する。
図16に記載の例では、第1円弧軌道PAに垂直な断面(
図16におけるB−B断面)において、第1挿入要素40は第1軸AX1に向かう方向に凸なシェル(shell)形状を有する。代替的に、第1円弧軌道PAに垂直な断面において、第1挿入要素40は第1軸AX1から離れる方向に凹んだシェル(shell)形状を有していてもよい。
【0114】
図17に記載の例では、第1円弧軌道PAに垂直な断面(
図17におけるC−C断面)において、第1挿入要素40の外周縁のうち第1軸AX1から遠い側の第1縁48は、第1軸AX1から離れる方向に凸な凸曲線を有する。また、第1円弧軌道PAに垂直な断面において、第1挿入要素40の外周縁のうち第1軸AX1から近い側の第2縁49は、第1軸AX1に向かって凸な凸曲線を有する。
図17に記載の例では、第1円弧軌道PAに垂直な断面(
図17におけるC−C断面)において、第1挿入要素40は、長円形状を有する。
【0115】
図18に記載の例では、第1円弧軌道PAに垂直な断面(
図18におけるD−D断面)において、第1挿入要素40の外周縁は、角丸多角形形状を有する。
図18に記載の例では、当該角丸多角形形状は、角丸三角形形状である。この場合、第1挿入要素40の当該外周縁は、3つの直線と、3つの丸角とを有する。代替的に、角丸多角形形状は、角丸四角形形状であってもよいし、角丸五角形形状であってもよいし、角丸六角形形状であってもよい。
【0116】
第1円弧軌道PAに垂直な断面において、第1挿入要素40の外周縁のうち第1軸AX1から遠い側の縁(48)、および、第1挿入要素40の外周縁のうち第1軸AX1に近い側の縁(49)の少なくとも一方が曲線を有する場合、第1挿入要素40の曲げ剛性および/または曲げ強度が向上する。また、第1円弧軌道PAに垂直な断面において、第1挿入要素40の外周縁のうち第1軸AX1から遠い側の縁(48)、および、第1挿入要素40の外周縁のうち第1軸AX1に近い側の縁(49)の両方が曲線を有する場合、第1挿入要素40の曲げ剛性および/または曲げ強度が更に向上する。特に、第1円弧軌道PAに垂直な断面において、第1挿入要素40が湾曲したシェル形状を有する場合には、第1挿入要素40の軽量化と、第1挿入要素40の曲げ剛性および/または曲げ強度の向上の両方が実現される。
【0117】
図15乃至
図18に記載の例では、第1挿入要素40は、固定部材4に設けられた挿入要素である。代替的に、
図15乃至
図18において説明された第1挿入要素40の断面形状は、第2部材30に設けられた第1挿入要素40において採用されてもよい。なお、第1挿入要素40の断面形状に対応するように、第1挿入要素40を受容する第1穴部21(または、第2穴部31)の形状が設定されることは言うまでもない。
【0118】
図15乃至
図18を用いて、第1挿入要素40のいくつかの断面形状について説明された。代替的に、あるいは、付加的に、上述の断面形状は、第2挿入要素50において採用されてもよい。例えば、第2円弧軌道PBに垂直な断面において、第2挿入要素50は、扁平形状を有していてもよい。
【0119】
(柱状の連結構造体1)
図1、
図4、
図7、
図11に記載の例では、連結構造体1は、柱状の連結構造体である。より具体的には、第1部材20は、第1の柱状部品であり、第2部材30は、第2の柱状部品である。代替的に、実施形態における連結構造体1は、パネル状の連結構造体であってもよい。より具体的には、第1部材20は、第1のパネル部品であり、第2部材30は、第2のパネル部品であってもよい。
【0120】
(ハニカム構造、断熱材)
図1乃至
図14に記載の例において、第1部材20は、ハニカム構造を有していてもよい。また、
図1乃至
図14に記載の例において、第2部材30は、ハニカム構造を有していてもよい。第1部材20、および/または、第2部材30がハニカム構造を有する場合、連結構造体1が軽量化される。
【0121】
図19には、ハニカム構造の一例が示されている。
図19に記載の例では、第1部材20は、外殻281と、第1穴部21を規定する内殻285と、外殻281と内殻285との間に配置されるハニカム構造283とを含む。
図19に記載の例では、ハニカム構造を構成する六角筒283aの長手方向は、第1軸AX1と垂直である。代替的に、ハニカム構造を構成する六角筒283aの長手方向は、第1軸AX1と平行であってもよい。更に代替的に、ハニカム構造を構成する六角筒283aの長手方向は、第1軸AX1に対して斜めに傾斜した方向であってもよい。
【0122】
図19に記載の例では、第1部材20の長手方向に垂直な断面(換言すれば、六角筒283aの長手方向に垂直な断面)における外殻281の形状は、矩形形状である。また、第1部材20の長手方向に垂直な断面における内殻285の形状は、矩形形状である。内殻285の内面は、第1挿入要素40を摺動可能に案内するガイド面として機能する。より具体的には、内殻285の内面285aは、第1の実施形態乃至第4の実施形態において説明された円弧状の第1内面210を含む。
【0123】
図1乃至
図14に記載の例において、第1部材20は、断熱材を内蔵していてもよい。また、
図1乃至
図14に記載の例において、第2部材30は、断熱材を内蔵していてもよい。
【0124】
図20に記載の例では、第1部材20は、外殻281と、第1穴部21を規定する内殻285と、外殻281と内殻285との間に配置される断熱材284とを含む。
【0125】
図20に記載の例では、第1部材20の長手方向に垂直な断面における外殻281の形状は、矩形形状である。また、第1部材20の長手方向に垂直な断面における内殻285の形状は、矩形形状である。内殻285の内面285aは、第1挿入要素40を摺動可能に案内するガイド面として機能する。より具体的には、内殻285の内面285aは、第1の実施形態乃至第4の実施形態において説明された円弧状の第1内面210を含む。
【0126】
(第3部材60)
図1乃至
図14では、第1部材20と第2部材30とが連結された連結構造体1について説明された。
図1乃至
図14に記載の例では、Z軸方向に沿って2つの部材(第1部材20および第2部材30)が連結された構造体である。代替的に、連結構造体1は、Z軸方向に沿って3つ以上の部材が連結された構造体であってもよい。更に代替的に、連結構造体1は、2次元的、または、3次元的に、3つ以上の部材が連結された構造体であってもよい。連結構造体1が、3つ以上の部材が連結された構造体である場合、連結構造体1は、第1部材20および第2部材30に加えて、第3部材60を備える。より具体的には、連結構造体1は、第1部材20に連結される第3部材60を備える。
【0127】
図21に記載の例では、連結構造体1は、3つ以上の部材が連結された構造体である。換言すれば、連結構造体1は、少なくとも、第1部材20と、第2部材30と、第3部材60とを含む。
図21に記載の例では、第2部材30が、第1部材20の右斜め上方において、第1部材20に連結され、第3部材60は、第1部材20の左斜め上方において、第1部材20に連結されている。なお、実施形態において、各部材(20、30、60)の配置は、
図21に記載の例に限定されない。また、
図21に記載の例では、連結構造体1は、パネル状の構造体であるが、連結構造体は、
図1乃至
図14に例示されるように柱状の構造体であってもよい。
【0128】
図21に記載の例では、連結構造体1は、第1部材20と、第2部材30と、第1挿入要素40と、第3部材60と、第1部材20と第3部材とを連結する第3挿入要素70とを備える。第1部材20、第2部材30、第1挿入要素40については、第1の実施形態乃至第4の実施形態において詳細に説明されているため、第1部材20、第2部材30、第1挿入要素40についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0129】
第3部材60は、第1部材20に連結される部材である。第3部材60は、第1部材20および第2部材30とは別体である。
【0130】
図21に記載の例では、第1部材20および第3部材60のうちの少なくとも一方には、第2軸AX2を中心とする第3円弧軌道を規定する穴部(29;61)が形成されている。また、第3円弧軌道に沿って移動可能な第3挿入要素70が当該穴部(29;61)に挿入されることにより第1部材20と第3部材60とが連結される。
【0131】
より具体的には、
図21に記載の例では、第1部材20に、第2軸AX2を中心とする第3円弧軌道を規定する穴部(より具体的には、第3穴部29)が形成されている。また、第3部材60に、第2軸AX2を中心とする第3円弧軌道を規定する穴部(より具体的には、第4穴部61)が形成されている。
図21に記載の例では、第3円弧軌道に沿って移動可能な第3挿入要素70が穴部(より具体的には、第3穴部29および第4穴部61)に挿入されることにより、第1部材20と第3部材60とが連結される。
【0132】
図21に記載の例では、連結構造体1は、第3挿入要素70を有する第2固定部材7を備える。第2固定部材7は、第1部材20および第3部材60とは別体である。
【0133】
なお、第1部材20と第3部材60との間の接触面が第2軸AX2に沿う方向に湾曲していない場合には、第3挿入要素70は、第1部材20または第3部材60に形成されていてもよい。例えば、第1部材20と第3部材60との間の接触面が第2軸AX2に平行な平面である場合、第3挿入要素70が設けられた第1部材20に対して、第3部材60を第2軸AX2まわりに回動させることにより、第3挿入要素70を第3部材60に設けられた穴部(より具体的には、第4穴部61)に挿入して、第1部材20と第3部材60とを連結することが可能である。代替的に、第1部材20と第3部材60との間の接触面が第2軸AX2に平行な平面である場合、第1部材20に対して、第3挿入要素70が設けられた第3部材60を第2軸AX2まわりに回動させることにより、第3挿入要素70を第1部材20に設けられた穴部(より具体的には、第3穴部29)に挿入して、第1部材20と第3部材60とを連結してもよい。以上のとおり、第3挿入要素70が第1部材20に設けられる場合には、第3円弧軌道に沿って移動可能な第3挿入要素70が穴部(より具体的には、第4穴部61)に挿入されることにより、第1部材20と第3部材60とが連結される。また、第3挿入要素70が第3部材60に設けられる場合には、第3円弧軌道に沿って移動可能な第3挿入要素70が穴部(より具体的には、第3穴部29)に挿入されることにより、第1部材20と第3部材60とが連結される。
【0134】
図21に記載の例では、第1軸AX1を中心とする第1円弧軌道に沿って移動可能な第1挿入要素40によって、第1部材20と第2部材30とが連結され、第2軸AX2を中心とする第3円弧軌道に沿って移動可能な第3挿入要素70によって、第1部材20と第3部材60とが連結される。この場合、より大きな連結構造体1、あるいは、より複雑な連結構造体1を形成することができる。
【0135】
図21に記載の例では、連結構造体1は、パネル状の連結構造体である。より具体的には、第1部材20は、第1のパネル部品であり、第2部材30は、第2のパネル部品であり、第3部材60は、第3のパネル部品である。代替的に、実施形態における連結構造体1は、柱状の連結構造体であってもよい。より具体的には、第1部材20は、第1の柱状部品であり、第2部材30は、第2の柱状部品であり、第3部材60は、第3の柱状部品であってもよい。
【0136】
(連結構造体の組立方法)
続いて、
図1乃至
図22を参照して、実施形態における連結構造体1の組立方法について説明する。
図22は、実施形態における連結構造体1の組立方法の一例を示すフローチャートである。
【0137】
実施形態における連結構造体1の組立方法によって組み立てられる連結構造体1は、第1軸AX1を中心とする第1円弧軌道PAを規定する第1穴部21を有する第1部材20と、第1部材20に連結される第2部材30と、第1挿入要素40とを備える。
【0138】
実施形態における連結構造体1の組立方法によって組み立てられる連結構造体1は、第1の実施形態における連結構造体1Aであってもよいし、第2の実施形態における連結構造体1Bであってもよいし、第3の実施形態における連結構造体1Cであってもよいし、第4の実施形態における連結構造体1Dであってもよいし、その他の連結構造体(例えば、
図21に例示される連結構造体1)であってもよい。
【0139】
第1ステップST1において、第1挿入要素40が、第1部材20の第1穴部21外の第1位置に配置される。第1ステップST1は、配置工程である。
【0140】
第1ステップST1(配置工程)は、第1挿入要素40を、第1部材20の第1穴部21外において、第1円弧軌道PA上に配置することを含む。
【0141】
図2、
図5に記載の例では、第1ステップST1(配置工程)は、第1挿入要素40が設けられた第2部材30を、実線によって示される位置から、破線によって示される位置に移動させることを含む。より具体的には、第1ステップST1(配置工程)は、第1挿入要素40の第1外面410に含まれる円弧面(より具体的には、第3円弧面410a)の中心軸が第1軸AX1と一致するように、第1挿入要素40を配置することを含む。
【0142】
図9、
図13に記載の例では、第1ステップST1(配置工程)は、第1挿入要素40の第1外面410に含まれる円弧面(より具体的には、第3円弧面410a)の中心軸が第1軸AX1と一致するように、第1挿入要素40を配置することを含む。
【0143】
図9、
図13に示されるように、第1挿入要素40が、第2部材30とは異なる固定部材4に含まれる場合、第1ステップST1(配置工程)の実行前に、第1部材20の第1入口開口25と第2部材30の出口開口36とが互いに位置合わせされてもよい。また、
図13に示されるように、第1挿入要素40が、第2部材30とは異なる固定部材4に含まれる場合、第1ステップST1(配置工程)の実行前に、第2部材30の第2接触面37が第1部材20の第1接触面27に接触配置されてもよい。
図13に示されるように、第1挿入要素40が、第2部材30とは異なる固定部材4に含まれる場合、第1ステップST1(配置工程)の実行前に、第1部材20の補助係合凸部23または補助係合凹部24と、第2部材30の補助係合凹部33または補助係合凸部34とが互いに係合されてもよい。
【0144】
第2ステップST2において、第1部材20と第2部材30とが連結される。第2ステップST2は、連結工程である。
【0145】
第2ステップST2(連結工程)は、第1挿入要素40を、第1穴部21外の第1位置から第1穴部21に係合する第2位置まで、第1円弧軌道PAに沿って移動させる移動工程を含む。
【0146】
図2、
図5に記載の例では、上述の移動工程は、第1挿入要素40の先端部を、第1入口開口25を介して、第1穴部21に挿入することを含む。
図5に例示されるように、第2ステップST2(連結工程)は、第2挿入要素50を、第2穴部31外の第3位置から第2穴部31に係合する第4位置まで、第2円弧軌道PBに沿って移動させることを含んでいてもよい。
【0147】
図9、
図13に記載の例では、上述の移動工程は、第1挿入要素40の先端部を、第2入口開口35を介して、第2穴部31に挿入し、その後、第1挿入要素40の先端部を、第1入口開口25を介して、第1穴部21に挿入することを含む。
図13に例示されるように、上述の移動工程は、第1部材20に配置された補助係合凸部23に形成された貫通孔部23h、および/または、第2部材30に配置された補助係合凸部34に形成された貫通孔部34hに、第1挿入要素40を挿入することを含んでいてもよい。
【0148】
図2、
図5、
図9、
図13に記載の例では、上述の移動工程は、第1挿入要素40の第1外面410に含まれる円弧面(より具体的には、第3円弧面410a)を、第1穴部21の第1内面210に含まれる円弧面(より具体的には、第1円弧面210a)に接触させつつ、第1外面410に含まれる円弧面(410a)を、第1内面210に含まれる円弧面(410a)に対してスライド移動させることを含む。
【0149】
実施形態における連結構造体1の組立方法では、第1挿入要素40を第1円弧軌道PAに沿って移動させることにより、第1挿入要素40が第1穴部21に係合される。この場合、連結構造体1に振動等が作用した場合であっても、第1挿入要素40と第1穴部21との間の係合が緩みにくい。実施形態における連結構造体1の組立方法において、第1部材20と第2部材30とが連結状態にあるとき、第1部材20と第2部材30との間の全ての直線的な相対移動が、第2位置にある第1挿入要素40によって防止されることが好ましい。この場合、組み立てられた後の連結構造体1において、全ての方向における構造の安定性が確保される。
【0150】
(連結構造体の構成部品を製造する製造方法)
続いて、
図23乃至
図26を参照して、実施形態における連結構造体1の構成部品2を製造する製造方法について説明する。
図23は、実施形態における連結構造体1の構成部品を製造する製造方法の一例を示すフローチャートである。
図24は、第1層形成工程が実行された後の様子を示す概略斜視図である。
図25は、第2層形成工程が実行された後の様子を示す概略斜視図である。
図26は、第3層形成工程が実行された後の様子を示す概略斜視図である。
【0151】
実施形態における連結構造体1の構成部品2を製造する製造方法は、3Dプリンタ100を用いて、連結構造体1の構成部品2を製造する製造方法である。
図24に記載の例では、3Dプリンタ100は、ノズル110と、ベース120と、ノズル110をベース120に対して相対移動させる駆動装置130とを含む。
【0152】
図26に記載の例では、3Dプリンタ100を用いて製造される構成部品2は、上述の実施形態において説明された第1部材20を含む。付加的に、3Dプリンタ100を用いて製造される構成部品2は、上述の実施形態において説明された第2部材30、および/または、上述の実施形態において説明された固定部材4を含んでいてもよい。
【0153】
実施形態における連結構造体1の構成部品2を製造する製造方法において製造される構成部品2は、第1層T1と、第2層T2とを含む。当該構成部品2は第3層T3を含んでいてもよい。
【0154】
図25に記載の例では、第2層T2は、第1軸AX1を中心とする第1円弧軌道PAを規定する第1穴部21を含む。より具体的には、第2層T2は、円弧状に延在する第1穴部21を含む。他方、第1層T1は、当該第1穴部21(円弧状に延在する第1穴部21)を含まない。また、
図26に記載の例では、第3層T3は、当該第1穴部21(円弧状に延在する第1穴部21)を含まない。
【0155】
図24に例示されるように、第1ステップST101において、3Dプリンタ100(より具体的には、ノズル110)から吐出される材料によって、第1層T1が形成される。第1ステップST101は、第1層形成工程である。
【0156】
第1ステップST101(第1層形成工程)は、3Dプリンタ100に設けられたノズル110をベース120に対して相対移動させる第1ノズル移動工程と、ノズル110から材料を吐出する第1吐出工程とを含む。
【0157】
第1ステップST101(第1層形成工程)は、第2部材30と係合可能な補助係合凸部23の少なくとも一部、および/または、第2部材30と係合可能な補助係合凹部24の少なくとも一部を形成することを含んでいてもよい。
【0158】
図25に例示されるように、第2ステップST102において、3Dプリンタ100(より具体的には、ノズル110)から吐出される材料によって、第2層T2が形成される。第2ステップST102は、第2層形成工程である。
【0159】
第2ステップST102(第2層形成工程)は、3Dプリンタ100に設けられたノズル110をベース120に対して相対移動させる第2ノズル移動工程と、ノズル110から材料を吐出する第2吐出工程とを含む。
【0160】
図25に記載の例では、第2ステップST102(第2層形成工程)は、円弧状に延在する第1穴部21を形成することを含む。より具体的には、第2ステップST102(第2層形成工程)では、第1穴部21の表面の一部として、互いに対向する2つの円弧面(より具体的には第1円弧面210aおよび第2円弧面210b)が形成される。当該2つの円弧面(210a、210b)によって、第1挿入要素40の移動軌道として機能する第1円弧軌道PAが規定される。
【0161】
通常の機械加工では、構成部品2に円弧状に延在する第1穴部21を形成することは困難である。これに対し、実施形態における構成部品2の製造方法では、3Dプリンタ100を用いることにより、円弧状に延在する第1穴部21を有する第2層T2を容易に形成することができる。
【0162】
図24および
図25に記載の例では、第1ステップST101(第1層形成工程)の実行後に、第2ステップST102(第2層形成工程)が実行される。この場合、第2ステップST102(第2層形成工程)において、第1層T1上に、第2層T2が積層される。代替的に、第1ステップST101(第1層形成工程)の実行前に、第2ステップST102(第2層形成工程)が実行されてもよい。この場合、第1ステップST101(第1層形成工程)において、第2層T2上に、第1層T1が積層される。
【0163】
第2ステップST102(第2層形成工程)は、第2部材30と係合可能な補助係合凸部23の少なくとも一部、および/または、第2部材30と係合可能な補助係合凹部24の少なくとも一部を形成することを含んでいてもよい。
【0164】
図26に例示されるように、第3ステップST103において、3Dプリンタ100(より具体的には、ノズル110)から吐出される材料によって、第3層T3が形成される。第3ステップST103は、第3層形成工程である。
【0165】
第3ステップST103(第3層形成工程)は、3Dプリンタ100に設けられたノズル110をベース120に対して相対移動させる第3ノズル移動工程と、ノズル110から材料を吐出する第3吐出工程とを含む。
【0166】
図25および
図26に記載の例では、第2ステップST102(第2層形成工程)の実行後に、第3ステップST103(第3層形成工程)が実行される。この場合、第3ステップST103(第3層形成工程)において、第2層T2上に、第3層T3が積層される。
【0167】
第3ステップST103(第3層形成工程)は、第2部材30と係合可能な補助係合凸部23の少なくとも一部、および/または、第2部材30と係合可能な補助係合凹部の少なくとも一部を形成することを含んでいてもよい。
【0168】
上述の第1吐出工程、第2吐出工程、あるいは、第3吐出工程において、ノズル110から吐出される材料は、樹脂を含んでいてもよい。上述の第1吐出工程、第2吐出工程、あるいは、第3吐出工程において、ノズル110から吐出される材料は、金属、コンクリート、土、ミネラル、グラスのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、ノズル110から吐出される材料は、パルプ、ウッドチップ、木の粉等の自然素材あるいは廃材を含んでいてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、ノズル110から吐出される材料は、セルロースファイバ、カーボンファイバ、グラスファイバ等のファイバを含んでいてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、ノズル110から吐出される材料は、断熱材を含んでいてもよい。
【0169】
図24乃至
図26に記載の例では、3Dプリンタ100を用いて、連結構造体1の構成部品2を製造する製造方法は、構成部品2の一つとして第1部材20を形成する工程を含む。第1部材20を形成する工程は、上述の第1層形成工程と、上述の第2層形成工程とを含む。付加的に、第1部材20を形成する工程は、上述の第3層形成工程を含んでいてもよい。
【0170】
3Dプリンタ100を用いて、連結構造体1の構成部品2を製造する製造方法は、構成部品2の一つとして第1部材20に連結される第2部材30を形成する工程を含んでいてもよい。付加的に、3Dプリンタ100を用いて、連結構造体1の構成部品2を製造する製造方法は、第1穴部21に挿入可能な第1挿入要素40を形成する工程を含んでいてもよい。なお、第1挿入要素40は、第2部材30と一体的に形成されてもよいし、第2部材30とは別体の固定部材4として形成されてもよい。
【0171】
第2部材30および/または第1挿入要素40の形成は、3Dプリンタ100を用いて実行されてもよいし、3Dプリンタ100を用いずに実行されてもよい。換言すれば、3Dプリンタ100を用いて製造される構成部品2は、第1部材20のみであってもよいし、第1部材20を含む複数の部材であってもよい。
【0172】
図24乃至
図26には、
図12において例示される連結構造体1の構成部品2(より具体的には、
図12に示された第1部材20、第2部材30、および/または、固定部材4)が3Dプリンタ100を用いて製造される例が示されている。代替的に、3Dプリンタ100を用いて製造される連結構造体1の構成部品2は、
図12に例示される実施形態とは異なる実施形態における連結構造体の構成部品であってもよい。また、
図24乃至
図26には、
図12において例示される連結構造体1の構成部品が、
図12におけるX軸方向(換言すれば、Y軸およびZ軸に垂直な方向)に沿って積層されて製造される例が示されている。代替的に、連結構造体1の構成部品2は、
図12におけるZ軸方向(あるいは、Y軸方向)に沿って積層されて製造されてもよい。なお、連結構造体1の構成部品2(より具体的には、第1部材20)がZ軸方向に沿って積層される場合、上述の第1層形成工程および第2層形成工程の実行により、構成部品2(より具体的には、第1部材20)を製造することができる。換言すれば、連結構造体1の構成部品2(より具体的には、第1部材20)がZ軸方向に沿って積層される場合、上述の第3層形成工程は省略されてもよい。
【0173】
実施形態における連結構造体1は、例えば、建築分野における構造体(例えば、柱、パネル、外壁、屋根、または、建物と一体化される棚、バスタブ等の設備等、あるいは、柱、パネル、外壁、屋根等と棚、バスタブ等の設備との組み合わせ)として使用可能である。代替的に、実施形態における連結構造体1は、家具または家具の一部、あるいは、玩具または玩具の一部として使用されてもよい。また、実施形態における連結構造体1は、テント、または、フードスタンド等のような持ち運び可能あるいは移動可能な構造体の一部として使用されてもよい。連結構造体1の構成部品2(例えば、第1部材20)の材質として、樹脂、あるいは、木材等の自然素材が使用されてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、連結構造体1の構成部品2(例えば、第1部材20)の材質として、金属、コンクリート、土、ミネラル、グラスのうちの少なくとも1つが使用されてもよい。なお、連結構造体1の構成部品2(例えば、第1部材20)の材質は、上述の例に限定されない。実施形態における連結構造体1において、第1部材20は、3Dプリンタ100を用いて形成された部材であってもよい。また、実施形態における連結構造体1において、第2部材30は、3Dプリンタ100を用いて形成された部材であってもよい。
【0174】
実施形態における連結構造体1は、任意の構造に適用可能である。連結構造体1は、例えば、軸組構造(FRAMEWORK STRUCTURE)、壁式構造(WALL STRUCTURE)、または、シェル構造(SHELL STRUCTURE)に適用されてもよい。
【0175】
本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または変形例は適宜変形または変更され得ることが明らかである。また、各実施形態または変形例で用いられる任意の構成要素を、他の実施形態または変形例に組み合わせることが可能であり、また、各実施形態または変形例において任意の構成要素を省略することも可能である。
【課題】円弧軌道に沿って挿入要素を移動させることにより第1部材と第2部材とを連結可能な連結構造体、連結構造体の組立方法、および、連結構造体の構成部品を製造する製造方法を提供する。
【解決手段】連結構造体は、第1軸を中心とする第1円弧軌道を規定する第1穴部を有する第1部材と、第1部材に連結される第2部材と、第1穴部外の第1位置と第1穴部に係合する第2位置との間で、第1円弧軌道に沿って移動可能な第1挿入要素とを具備する。第1挿入要素が第2位置にあるとき、第1部材と第2部材とが連結される。