(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6924467
(24)【登録日】2021年8月4日
(45)【発行日】2021年8月25日
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 75/62 20060101AFI20210812BHJP
B65D 75/58 20060101ALI20210812BHJP
B65D 30/16 20060101ALI20210812BHJP
B65D 33/00 20060101ALI20210812BHJP
B65D 33/36 20060101ALI20210812BHJP
【FI】
B65D75/62 A
B65D75/58
B65D30/16 A
B65D33/00 C
B65D33/36
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-149080(P2016-149080)
(22)【出願日】2016年7月29日
(65)【公開番号】特開2018-16368(P2018-16368A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2019年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175397
【氏名又は名称】三笠産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】片山 文恵
【審査官】
金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−022572(JP,A)
【文献】
特開2016−120944(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3067575(JP,U)
【文献】
特開2011−105357(JP,A)
【文献】
特開2012−218792(JP,A)
【文献】
特開2016−104634(JP,A)
【文献】
特開2012−056588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/62
B65D 30/16
B65D 33/00
B65D 33/36
B65D 75/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容され可撓性を有する容器本体の上部に、内容物を出すスパウトが取り付けられた容器であって、
容器本体を引き裂くための引き裂き用開封部が、容器本体の上部の側辺部に設けられ、
前記引き裂き用開封部は、スパウトを有する容器本体の上部を前記側辺部から横方向に引き裂くことが可能な位置に配置され、かつスパウトの内部および容器本体のスパウトへの取付部の近傍箇所に内容物が残った状態となった際に容器本体におけるスパウトの取付部に起因して厚み方向に膨らむ膨出部よりも下方の位置に設けられていることを特徴とする容器。
【請求項2】
引き裂き用開封部は、横方向に延びる複数の切れ込み線であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
引き裂き用開封部が、容器本体の側辺部において、外周面から離れた孔形状であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項4】
引き裂き用開封部が、容器本体の側辺部において、外周面に近い箇所で鋭角形状であり、外周面に遠い箇所では円弧形状であることを特徴とする請求項3に記載の容器。
【請求項5】
容器本体がパウチであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパウトパウチなどの、可撓性を有する容器本体内に内容物が収容されている容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
柔軟性シートなどからなる容器本体に液体や半固体状の流体などの内容物を収容し、容器本体の上部に、前記内容物を出すスパウト(注出口部)が取り付けられた容器(注ぎ口付包装容器やパウチ容器とも称せられる)は、既に広く知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、
図10に示すように、内容物を注ぎ出すための筒状の注出口を有するスパウト51と、スパウト51が上辺部52aに取り付けられ、可撓性を有する容器本体52と、を備えた容器50が開示されている。容器50は、内容物を少量ずつ取り出す場合に、スパウト51のキャップ53を開けて注出口から注出できるよう構成されている。また、この容器50の容器本体52には、側辺部(
図10に示す容器50おいては一方の側辺部)52bの上端部に引き裂き用開封部(切り欠き)54が設けられ、引き裂き用開封部54から容器本体52の上辺部52aの直下部を横方向に切断(引き裂き)可能に構成されている。さらに、この容器50の容器本体52では、
図11に示すように、引き裂き用開封部54を用いるなどして容器本体52の上辺部の直下部を切断した(引き裂いた)後に容器本体52の上辺部52aの直下部を挟んで容器本体52を密封可能なクリップ(密閉手段)55が設けられている。
【0004】
この容器50によれば、容器本体52に側辺部52bの上端部に引き裂き用開封部54が設けられているため、引き裂き用開封部54を用いて手などにより、容器本体52における側辺部52bの上端部を切断することができる。
【0005】
したがって、特許文献1にて記載されている目的とは異なるが、スパウト51を通して内容物を取り出して内容物をほぼ使い終えた状態でも、スパウト51の内部や容器本体52の内部(特に、スパウト51が取り付けられている箇所の近傍)には内容物が残るため、この箇所の内容物も使いきるべく、容器本体52における側辺部52bの上端部を切断して、スパウト51の内部などに残った内容物を取り出すことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−137315公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1の構造によれば、切込み部54を設けているため、切込み部が無い場合と比較すると手で切断し易くなる利点がある。しかしながら、容器本体52におけるスパウト51を装着している箇所は、10mm前後の厚みがあり、厚み方向に膨らんでいるので、
図12に示すように、手で切断している際に厚みがある箇所に到達した時点で、切断する際の力が切断したい横方向に作用し難くなり、その結果、手で切断できずに鋏などを用いざるを得なくなるなど、不便となることが多かった。
【0008】
本発明は上記課題を解決するもので、スパウトの内部などに残った内容物を取り出すことが可能であり、かつ、手により容器本体の上部を容易に引き裂く(切断する)ことができる容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、内容物が収容され可撓性を有する容器本体の上部に、内容物を出すスパウトが取り付けられた容器であって、容器本体を引き裂くための引き裂き用開封部が、容器本体の上部の側辺部に設けられ、前記引き裂き用開封部は、
スパウトを有する容器本体の上部を前記側辺部から横方向に引き裂くことが可能な位置に配置され、かつスパウトの内部および容器本体のスパウトへの取付部の近傍箇所に内容物が残った状態となった際に容器本体におけるスパウトの取付部に起因して厚み方向に膨らむ膨出部よりも下方の位置に設けられていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、引き裂き用開封部が、容器本体の上部に設けられていながら、容器本体におけるスパウトの取付部に起因して厚み方向に膨らむ膨出部よりも下方の位置に設けられているので、内容物を使用して残り少ない状態では、引き裂き用開封部を利用して容器本体を手で切断する際に、スパウトの取付部に起因する容器本体の厚み方向の膨らみの影響を受けず、容器本体の上部を容易かつ良好に引き裂いて切断することができる。
【0011】
なお、引き裂き用開封部は、横方向に延びる複数の切れ込み線であると好適であるが、これに限るものでなく、引き裂き用開封部が、外周面から離れた孔形状であってもよく、この場合に、さらに、引き裂き用開封部が、引き裂き用開封部が、容器本体の側辺部において、外周面に近い箇所で鋭角形状であり、外周面に遠い箇所では円弧形状であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、引き裂き用開封部を、容器本体の上部
の側辺部に設けるとともに
、スパウトを有する容器本体の上部を前記側辺部から横方向に引き裂くことが可能な位置に配置し、かつスパウトの内部および容器本体のスパウトへの取付部の近傍箇所に内容物が残った状態となった際に容器本体におけるスパウトの取付部に起因して厚み方向に膨らむ膨出部よりも下方の位置に設けることにより、引き裂き用開封部を利用して容器本体を手で切断する際に、スパウトの取付部に起因する容器本体の厚み方向の膨らみの影響を受けず、容器本体の上部を容易かつ良好に引き裂いて切断することができる。したがって、容器本体を、鋏などを用いることなく、手で容易かつ良好に切断することができて便利である。
【0013】
また、引き裂き用開封部が容器本体の上部(より詳しくは、容器本体の上部の側辺部)に設けられているため、引き裂き用開封部を用いて引き裂いた後に、スパウトの内部や容器本体のスパウト取付部近傍箇所に残った内容物を近くから取り出すことができ、内容物を殆ど残すことなく良好に使い切ることができる。
【0014】
また、引き裂き用開封部として、横方向に延びる複数の切れ込み線であると、引き裂く際に、側辺部の引き裂き用開封部が設けられている領域を上下に変形させ易くなり、より容易に手で引き裂く(切断する)ことができて便利である。
【0015】
また、引き裂き用開封部が、外周面から離れた孔形状であってもよく、この場合に、さらに、引き裂き用開封部が、容器本体の側辺部において、外周面に近い箇所で鋭角形状であり、外周面に遠い箇所では円弧形状であってもよい。すなわち、引き裂き用開封部が、外周面から離れた孔形状であることや、外周面に遠い箇所では円弧形状であることにより、この容器を使用している際に、容器本体を意図せずに引き裂き用開封部から引き裂いて切断することを最小限に抑えることができ、信頼性が向上する。一方で、引き裂き用開封部の孔部における外側には鋭角形状部が形成されているので、意図的に、引き裂き用開封部の鋭角形状部から外側に引き裂くことで、容器本体2の外周部に続くように切断できて、便利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係る容器の正面図である。
【
図2】同容器の斜視図であり、容器本体に多量の内容物がある状態を示す。
【
図4】同容器の斜視図であり、容器本体の内容物が残り少ない状態を示す。
【
図5】同容器の正面図で、引き裂き用開封部で容器本体を引き裂いた状態を示す。
【
図6】本発明の他の実施の形態に係る容器の正面図である。
【
図8】同容器の要部拡大正面図であり、引き裂き用開封部を用いて容器本体を引き裂き始めた状態を示す。
【
図9】同容器の要部拡大正面図であり、引き裂き用開封部を用いて容器本体を引き裂いた状態を示す。
【
図11】同従来の容器の斜視図で、引き裂き用開封部を用いて容器本体を引き裂いた(切断した)状態を示す。
【
図12】同従来の容器の斜視図で、引き裂き用開封部を用いて容器本体を引き裂き途中の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係る容器を図面に基づき説明する。なお、本実施の形態においては、容器本体がパウチであり、このパウチにスパウトが装着された容器について以下に説明するが、これに限るものではない。
【0018】
図1〜
図3における1は本発明の実施の形態に係る容器、2はスパウト(注出口部)10が装着されている容器本体で、容器本体2内(内容物収容空間2g)には、半固体状や泥状、液状などの内容物が収容される。容器本体2は、例えば合成樹脂などからなりそれぞれ可撓性を有する表裏2枚のフレキシブルシートと底面の1枚のフレキシブルシートとの互いの周囲を熱溶着するなどして形成された(シールされた)パウチで構成され、正面視して矩形状(略矩形形状)とされている。
【0019】
容器本体2には、上部(詳しくは上辺部2aの中央)に、スパウト10が2枚のフレキシブルシートにより挟持された状態で熱溶着されている。すなわち、容器本体2は、それぞれシールされた左側辺部2b、右側辺部2c、上辺部2a、底辺部2dを有しており、容器本体2の下部における下端部寄り箇所は、底面2eのフレキシブルシートにより厚み方向に大きく膨らみ可能な二重構造とされている。
【0020】
図1、
図2に示すように、スパウト10は、容器本体2に溶着される複数の溶着用リブ11aを有するスパウト取付部11に、筒状体12が立設された状態で一体形成されており、筒状体12の軸心方向(すなわち、筒状体12の内側空間である注出口13の軸心部)が容器本体2に対して上方に向いた姿勢で上辺部2aの中央位置に溶着されるなどして取り付けられている。スパウト10の先端部外周には、キャップ14が螺合されるねじ面12aが形成され、キャップ14が着脱自在とされている。なお、スパウト取付部11の幅方向中央部には、注出口13に連通する連通孔13aが形成され、この連通孔13aは注出口13の直径よりも若干大きくて広げられている(
図3参照)が、これに限るものではない。
【0021】
容器本体2の左右の側辺部2b、2cに、容器本体2を引き裂く引き裂き用開封部15が設けられている。この引き裂き用開封部15は、容器本体2の上部(容器本体2の上下方向の中央位置Aよりも上方の領域)に設けられている。この実施の形態では、引き裂き用開封部15は、横方向に点線状に延びる切れ込み線から構成され、上下に複数箇所設けられている。この実施の形態では、容器本体2の左右の側辺部2b、2cにおいて、上下に近接して4箇所形成されているが、2箇所あるいは3箇所または5箇所以上など複数箇所が好ましいが、1箇所だけであっても構わない。また、左右の側辺部2b、2cの両方に形成されていることが好ましいが、これに限るものではなく、左右の側辺部2b、2cの一方のみに形成されていてもよい。
【0022】
ここで、引き裂き用開封部15は、容器本体2の上部の側辺部2b、2cにおける、スパウト取付部11による(起因する)容器本体2の厚み方向の膨らみがない上下方向の位置(領域)に設けられている。すなわち、容器1を使用し続けて、容器1内の内容物の残量が少なくなると、容器本体2が厚み方向に薄くなり、最終的には、
図4に示すように、スパウト10の内部および容器本体2のスパウト取付部11の近傍箇所だけに内容物が残った状態となる。この際、スパウト取付部11に起因して、容器本体2は、スパウト取付部11の近傍のみ厚み方向に膨らむ状態となる(膨らんでいる箇所を膨出部2fと称する)が、容器本体2の上部の側辺部2b、2cにおける、膨出部2fの下端部に対応する位置Bよりも下方の位置(領域)に、引き裂き用開封部15が設けられている。
【0023】
この構成において、上述したように、容器1を使用し続けて、容器1内の内容物の残量が少なくなると、容器本体2が厚み方向に薄くなり、最終的には、
図4に示すように、スパウト10の内部および容器本体2のスパウト取付部11の近傍箇所だけに内容物が残った状態となる。この場合に、上記構成では、引き裂き用開封部15が、容器本体2の上部(より詳しくは容器本体2の上部の側辺部2b、2c)に設けられていながら、膨出部2fの下端部に対応する上下方向の位置Bよりも下方の位置(領域)、すなわち、スパウト取付部11による容器本体2の厚み方向の膨らみがない上下方向の位置(領域)に設けられている。したがって、内容物をほぼ使い切って容器本体2のスパウト取付部11近傍しか残っていない状態では、引き裂き用開封部15を利用して容器本体2を手で引き裂く(切断する)際に、スパウト取付部11に起因する容器本体2の厚み方向の膨らみの影響を受けず、
図5に示すように、容器本体2の上部を容易かつ良好に横方向に直線状に引き裂いて切断することができる。このように、鋏などを用いなくても、容器本体2の上部を容易かつ良好に引き裂いて切断できて、便利である。
【0024】
また、引き裂き用開封部15が容器本体2の上部(より詳しくは、容器本体2の上部の側辺部2b、2c)に設けられているため、引き裂き用開封部15を用いて引き裂いた後に、スパウト10の内部や容器本体52のスパウト取付部11近傍箇所に残った内容物を近くから取り出すことができ、内容物を殆ど残すことなく良好に使い切ることができる。なお、引き裂き用開封部15は、容器本体2の上部を引き裂く際に、容器本体2の膨出部2fの膨らみに影響を受けない範囲でできるだけ上方に設けるとより好適であり、この場合には、残った内容物をより便利に(内容物が手に付着し難い状態で)取り出すことができる利点がある。
【0025】
また、引き裂き用開封部15が、上記のように、横方向に延びる複数の切れ込み線であると、切れ込み線が1つだけである場合と比較して、引き裂く際に、側辺部2b、2cの引き裂き用開封部15が設けられている領域を上下に変形させ易くなり、より容易に手で引き裂く(切断する)ことができて便利である。なお、このような引き裂き用開封部15の構成(形状)は、容器本体2が引き裂き難い材質で形成されている場合に適している。なお、引き裂き用開封部15を鋭角なV字形状溝で形成してもよい。
【0026】
また、引き裂き用開封部20として、上記のように切れ込み線で構成する場合に代えて、
図6、
図7に示すように、容器本体2の側辺部2b、2cにおいて、外周面から離れた孔形状であってもよい(他の実施の形態)。さらに、引き裂き用開封部20が、外周面から離れた孔形状であり、かつ、容器本体2の側辺部2b、2cにおいて、外周面に近い箇所で鋭角形状であり、外周面に遠い箇所では円弧形状であってもよい。なお、
図6、
図7において、20aは外周面に近い箇所に形成された鋭角形状部、20bは外周面に遠い箇所に形成された円弧形状部である。なお、上記実施の形態と同様に、引き裂き用開封部20は、容器本体2の上部の側辺部2b、2cに設けられ、容器本体2におけるスパウト取付部11に起因して厚み方向に膨らむ膨出部2fよりも下方の位置に設けられている。
【0027】
上記構成において、内容物をほぼ使い切って容器本体2のスパウト取付部11近傍にしか内容物が残っていない状態で、引き裂き用開封部20を用いて容器本体2を引き裂く際には、
図8に示すように、まず、引き裂き用開封部20の孔部における外側の鋭角形状部20aを用いて、容器本体2を外側に引き裂き、引き裂き用開封部20が容器本体2の外周面に続くように開放させる。この後、
図9に示すように、外周面に続いた引き裂き部分を手で持ちながら、引き裂き用開封部20の円弧形状部20bやその近傍箇所から横方向に容器本体2を引き裂く。この場合も、引き裂き用開封部20が、容器本体2におけるスパウト取付部11に起因して厚み方向に膨らむ膨出部2fよりも下方の位置に設けられているので、スパウト取付部11に起因する容器本体2の厚み方向の膨らみの影響を受けずに、容器本体2の上部を容易かつ良好に横方向に直線状に引き裂いて切断することができる。
【0028】
また、引き裂き用開封部20が、外周面から離れた孔形状であることや、外周面に遠い箇所、すなわち内容物収容空間2gに近い箇所では円弧形状であることにより、この状態で容器1の使用中などに、容器本体2の内容物が収納されている箇所を意図せずに引き裂き用開封部20から引き裂いて切断することを最小限に抑えることができ、信頼性が向上する。
【0029】
一方で、引き裂き用開封部20の孔部における外側には鋭角形状部20aが形成されているので、
図8に示すように、意図的に、引き裂き用開封部20の鋭角形状部20aから外側に引き裂くことで、引き裂き用開封部20から容器本体2の外周部に続くように比較的容易に切断でき、例えば、引き裂き用開封部が単純な円形である場合よりも容易に引き裂くことができて便利である。
【0030】
なお、この引き裂き用開封部20も左右の側辺部2b、2cに形成すると好適であるが、これに限るものではなく、一方の側辺部2b、2cだけに引き裂き用開封部20を形成してもよい。また、引き裂き用開封部20における外周面から遠い箇所に、円弧形状部20bに代えて鈍角形状部を形成してもよい。なお、このような引き裂き用開封部20の構成(形状)は、容器本体2が引き裂かれ易い材質で形成されている場合に適している。
【0031】
また、上記実施の形態においては、スパウト10が容器本体2における上辺部2aの中央に取り付けられている場合を述べたが、これに限るものではなく、スパウト10が容器本体2の肩部、すなわち容器本体2における上辺部と一方の側辺部とが接続されている角部に取り付けられている容器の場合でも適用可能である。また、上記の実施の形態では、容器本体2がパウチである場合を述べたが、これに限るものではない。
【符号の説明】
【0032】
1 容器
2 容器本体(パウチ)
2a 上辺部
2b 側辺部(左側辺部)
2c 側辺部(右側辺部)
2d 底辺部
2g 内容物収容空間
2f 膨出部
10 スパウト(注出口部)
11 スパウト取付部
12 筒状体
13 注出口
14 キャップ
15、20 引き裂き用開封部
20a 鋭角形状部
20b 円弧形状部