(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顧客の要望に応じて顧客の元に青果を届けることが求められる。また、青果を搬送する際には、できるだけ搬送コストを抑えることが求められる。
【0005】
この発明の目的は、顧客の要望に応じて顧客の元に青果を届けることができると共に、輸送コストの低減を図ることができる収容箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る収容箱は、ポットを用いて栽培される青果を収容する収容箱である。収容箱は、底板部と、底板部と離隔して配置される天板部と、ポットを保持する保持部と、長手方向の長さが可変であって、長手方向の一方端において底板部と接続され、長手方向の他方端において天板部と接続され、底板部と天板部との間に青果を配置する空間を確保する柱部と、を備える。
【0007】
青果については土壌に苗を植えて栽培する土耕方法に対し、例えばポットと呼ばれるプラスチック製の容器を用い、ポット内に苗を植えて栽培する方法がある。このようなポット栽培によれば、苗の移植が容易である。また、供給する養液の量の調整をシステム化することが容易となり、効率的に青果を育成することができる。
【0008】
上記収容箱によると、ポットごと青果を移動させることが容易になる。すなわち、青果について果実が生る場合、ポットから延びる蔓や茎に果実を取り付けたままの状態で移動させることも容易になる。
【0009】
上記収容箱によると、ある程度育成されたポット栽培の青果について、底板部、天板部および長手方向の一方端において底板部と接続され、長手方向の他方端において天板部と接続され、底板部と天板部との間に青果を配置する空間を確保する柱部によって形成される空間にポットごと青果を収容することができる。よって、果実が蔓や茎に付いた状態で、青果を出荷することが可能になる。したがって、果実を蔓や茎から切断して収穫することなく輸送することができる。収容箱は、ポットを保持する保持部を備えるため、輸送中にポットを安定して保持することができる。
【0010】
ここで、上記収容箱は、長手方向の長さが可変な柱部を備えるため、輸送時に柱部を短くして底板部と天板部との距離を近くし、全体の大きさを小さくすることができる。すなわち、輸送時に収容箱が占める体積を小さくすることができる。よって、輸送コストを抑えることができる。
【0011】
輸送して顧客の元に届けられた後には、柱部を長くして底板部と天板部との間隔を遠ざけ、青果が収容される空間を大きくすることができる。したがって、輸送後にこのような状態として、例えばしばらく収穫を待機して、青果に生っている果実を熟成させることができる。すなわち、青果の果実を収容箱内で完熟させることも可能になる。顧客は、顧客の望むタイミングで蔓や茎から果実を取り外すことにより、顧客の望むタイミングで果実を収穫することができる。
【0012】
以上より、上記収容箱によれば、顧客の要望に応じて顧客の元に青果を届けることができると共に、輸送コストの低減を図ることができる。
【0013】
上記収容箱において、柱部は、底板部に接続される筒状の第1部分と、天板部に接続され、第1部分内に収容可能な第2部分と、第1部分内に第2部分の少なくとも一部を収容した状態で第2部分の長手方向の位置を固定するジョイント部とを含んでもよい。このようにすることにより、柱部を短くする際、筒状の第1部分内に第2部分の少なくとも一部を収容し、ジョイント部で第2部分の長手方向の位置を固定することができる。したがって、底板部と天板部との距離を望みの距離として、収容箱の大きさを調整することが容易になる。
【0014】
上記収容箱は、ポット内に液体を供給する供給機構をさらに備えてもよい。このようにすることにより、収容箱内に青果がポットごと収容された際に、供給機構によりポット内に養液を供給することができる。よって、例えば輸送中に養液を青果に供給することができ、青果の育成の促進を図ることができる。
【0015】
上記収容箱は、底板部と天板部との間の空間を外部から仕切る仕切り部をさらに備えてもよい。このようにすることにより、収容箱の外部から青果が配置される空間を離隔して、例えば、収容箱内の温度や湿度を安定させることが容易となる。したがって、輸送する青果の品質向上を図ることができる。
【0016】
上記収容箱において、仕切り部は、可撓性を有する部材を含んでもよい。このようにすることにより、柱部を短くして底板部と天板部との距離を縮めた場合において、可撓性を有する部材が撓んで、収容箱の容積の変化に仕切り部の形状を対応させることができる。また、柱部を短くした後、再度柱部を長くして容積を大きくしても空間のサイズの変化に仕切り部は対応することができる。したがって、収容箱内の温度や湿度をより安定させることができ、輸送する青果の品質向上をさらに図ることができる。
【0017】
上記収容箱において、仕切り部は、空間を外部から視認可能な透明部材から構成されてもよい。このようにすることにより、青果を収容箱内に収容した後においても、青果の状態を外部から容易に視認することができる。また、収容箱内に配置される青果に外部から光を供給することができる。したがって、例えば輸送中においても光合成を促進して、青果の育成の促進を図ることができる。
【0018】
上記収容箱は、空間内において青果の位置を規制する規制部をさらに備えてもよい。このようにすることにより、輸送時において収容箱内における青果の移動を規制することができ、青果が輸送中に移動して衝突したり、衝突に伴って損傷するおそれを低減することができる。
【0019】
上記収容箱は、柱状であって、長手方向の長さが可変であり、空間内に配置されて青果を支持する支柱をさらに備えてもよい。このようにすることにより、輸送中に青果を支柱によって支持することができる。したがって、輸送中における収容箱内における青果の姿勢や位置を安定させて、青果を損傷させるおそれを低減することができる。この場合、支柱は長手方向の長さが可変であるため、柱部の長さの変更に合わせて支柱の長さを変更することができる。したがって、収容箱の容積の変化に対応することができる。
【0020】
上記収容箱において、底板部および天板部は、それぞれ板厚方向に見た平面視で長方形状を有し、柱部は、底板部および天板部の4つの角を含む領域に4つ備えられてもよい。このようにすることにより、4つの柱部と底板部と天板部との間の空間で、収容箱内に配置される青果の配置されるスペースを確保することができる。
【発明の効果】
【0021】
上記収容箱によると、顧客の要望に応じて顧客の元に青果を届けることができると共に、輸送コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本願発明の一実施形態に係る収容箱を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
【0024】
(実施の形態1)
本願に係る収容箱の一実施の形態である実施の形態1を、
図1〜
図5を参照しつつ説明する。
図1は、実施の形態1における収容箱の外観を示す概略斜視図である。
図2は、実施の形態1における収容箱の概略側面図である。
図1および
図2において、幅方向をX方向、奥行き方向をY方向、高さ方向をZ方向とする。
【0025】
図1および
図2を参照して、実施の形態1における収容箱11は、ポット栽培の青果Fを収容して輸送する際に用いられる。青果Fは、ポットPから延びる蔓Tの先に葉や略球状の果実Mが生っている。収容箱11において輸送される青果Fとしては、例えば、メロンや瓜等が挙げられる。なお、青果Fとして果実Mが生る場合について以下説明するが、青果Fについては、果実Mが生らない場合についても適用される。
【0026】
収容箱11は、直方体形状である。収容箱11は、底板部12aと、天板部12bと、を備える。底板部12aおよび天板部12bは、それぞれ板厚方向に見た平面視(矢印Zで示す方向で見た場合)で、長方形の形状を有する。底板部12aおよび天板部12bは共に、平板状である。底板部12aと天板部12bとは、同じ形状、すなわち、同じ厚みおよび同じ大きさである。底板部12aと天板部12bとは、高さ方向に間隔をあけて、板厚方向に見た平面視で重なるように配置される。
【0027】
収容箱11は、複数の柱部、本実施形態においては、4本の柱部13a,13b,13c,13dを備える。柱部13a〜13dは、高さ方向が長手方向となるように配置される。柱部13a〜13dは、Z方向に真っ直ぐに延びるよう配置される。具体的には、柱部13a〜13dの両端部はそれぞれ、底板部12aのうちの天板部12bに対向する面と、天板部12bのうちの底板部12aに対向する面と接触するように配置される。柱部13a〜13dはそれぞれ、長手方向の一方端において底板部12aと接続され、長手方向の他方端において天板部12bと接続されている。4本の柱部13a〜13dはそれぞれ、底板部12aおよび天板部12bの四隅を含む領域に配置されている。すなわち、実施の形態1における収容箱11において、4つの柱部13a〜13dは、底板部12aおよび天板部12bの4つの角を含む領域に4つ備えられる。収容箱11は、底板部12a、天板部12bおよび4本の柱部13a〜13dによって取り囲まれる空間Sに、ポット栽培の青果Fを収容する。柱部13a〜13dはそれぞれ、長手方向の長さが可変である。柱部13a〜13dの具体的な構成については、後に詳述する。
【0028】
収容箱11は、2本の棒状の連結部14a,14bを備える。連結部14aは、底板部12aに近い領域においてX方向に延び、柱部13aと柱部13bとを連結する。連結部14aにより、柱部13aと柱部13bとのX方向の間隔を一定に保つことが容易となる。連結部14bは、底板部12aに近い領域においてX方向に延び、柱部13cと柱部13dとを連結する。連結部14bにより、柱部13cと柱部13dとのX方向の間隔を一定に保つことが容易となる。連結部14a,14bにより、収容箱11の強度を高めることができる。
【0029】
また、収容箱11は、4本の棒状の連結部15a,15b,15c,15dを備える。4本の連結部15a〜15dはそれぞれ高さ方向における柱部13a〜13dの中央付近に配置される。連結部15aは、X方向において柱部13aと柱部13bとを連結する。連結部15bは、Y方向において柱部13bと柱部13cとを連結する。連結部15cは、X方向において柱部13cと柱部13dとを連結する。連結部15dは、Y方向において柱部13dと柱部13aとを連結する。連結部15a〜15dにより、収容箱11の強度を高めることができる。
【0030】
収容箱11は、底板部12aと天板部12bとの間の空間Sを外部から仕切る仕切り部16a,16b,16c,16dを備える。仕切り部16aは、底板部12aと天板部12bと柱部13aと柱部13bとによって取り囲まれる領域に配置される。仕切り部16bは、底板部12aと天板部12bと柱部13bと柱部13cとによって取り囲まれる領域に配置される。仕切り部16cは、底板部12aと天板部12bと柱部13cと柱部13dとによって取り囲まれる領域に配置される。仕切り部16dは、底板部12aと天板部12bと柱部13dと柱部13aとによって取り囲まれる領域に配置される。
【0031】
仕切り部16a〜16dはそれぞれ、可撓性を有する部材から構成される。仕切り部16a〜16dは、空間Sを外部から視認可能な透明部材から構成される。具体的には、例えば、仕切り部16a〜16dは、ビニル樹脂から構成される。
【0032】
収容箱11は、ポットPを保持する保持部21を備える。
図3は、
図2中のIII−IIIで示す断面で切断してZ方向に見た状態を示す図である。併せて
図3を参照して、保持部21は、2本の棒状の接続部22a,22bを含む。対となる2本の接続部22a,22bは、X方向に間隔をあけて平行に配置される。接続部22a,22bはそれぞれ、両端部が連結部14a,14bに接続されている。保持部21は、接続部22a,22bの間の隙間GにポットPの一部を嵌め込むように配置して、空間S内においてポットPを保持する。保持部21によって、特に輸送時において、ポットPを移動しないように規制することができる。
【0033】
収容箱11は、空間S内において青果Fの位置を規制する規制部23を備える。
図4は、
図2中のIV−IVで示す断面で切断してZ方向に見た状態を示す図である。併せて
図4を参照して、規制部23は、一対の接続部24a,24bおよび一対の接続部25a,25bを含む。対となる接続部24a,24bは、X方向に間隔をあけて平行に配置される。接続部24a,24bはそれぞれ、両端部が連結部15a,15cに接続されている。対となる接続部25a,25bは、Y方向に間隔をあけて平行に配置される。接続部25a,25bはそれぞれ、両端部が連結部15b,15dに接続されている。接続部25a,25bは、接続部24a,24bよりもやや天板部12b側に配置される。接続部24a,24bはそれぞれ、接続部25a,25bとZ方向に接触するように配置される。規制部23は、一対の接続部24a,24bおよび一対の接続部25a,25bによって格子状に形成される載置領域Aにおいて青果Fのうちの球状の果実Mを載置することにより青果Fの果実Mの位置を規制する。この場合、略球状の果実Mの一部を格子状の部分に嵌め込んで下から支える構成となる。
【0034】
収容箱11は、空間S内に配置されて青果Fを支持する支柱26を備える。支柱26は、柱状であって、高さ方向が長手方向となるように配置される。支柱26は、Z方向に真っ直ぐに延びるよう配置される。支柱26の両端部は、底板部12aと天板部12bとにそれぞれ接続されている。支柱26は、底板部12aを板厚方向に見た平面視で、ポットPが配置される位置の近傍であって、底板部12aのほぼ中央領域に配置されている。支柱26は、青果Fの蔓Tを巻きつけるようにして、青果Fの蔓Tを支持する。支柱26についても、長手方向の長さが可変である。支柱26のうちの長手方向の長さが可変である構成については、後述する柱部13aの構成と同様である。
【0035】
収容箱11は、ポットP内に液体を供給する供給機構27を備える。供給機構27は、液体、具体的には養液が収容された容器Cを空間S内で保持する取り付け部28と、容器CからポットP内に延びる管29とを含む。取り付け部28は、空間S内において、柱部13aに設置されている。供給機構27において、取り付け部28に容器Cを取り付け、容器Cに形成される開口部分に管29を接続することにより、容器C中の養液をポットP内に適宜供給することができる。
【0036】
ここで、柱部13aの具体的な構成について説明する。なお、他の柱部13b,13c,13dの構成については、柱部13aと同様であるため、それらの説明を省略する。
【0037】
柱部13aは、第1部分31aと、第2部分32aと、ジョイント部33aとを含む(特に
図2参照)。第1部分31aは、円筒状である。第1部分31aの一方端部36aは、底板部12aに接続される。第1部分31aの他方端部は、ジョイント部33aに接続される。第2部分32aは、円柱状である。円柱状の第2部分32aは、底板部12aの板厚方向に見た平面視において、円筒状の第1部分31aの内部に収容可能な直径である。第2部分32aの一方端部37aは、天板部12bに接続される。第2部分32aの他方端部は、ジョイント部33aに接続されている。第1部分31aと第2部分32aとが連結される部分に、ジョイント部33aが取り付けられる。ジョイント部33aは、
図2中の矢印Wで示す一方向に回転させることにより、第1部分31a内に第2部分32aの少なくとも一部が収容された状態で第1部分31aを内側に締め付けて第2部分の長手方向の位置を固定することができる。また、ジョイント部33aを矢印Wと逆で示す多方向に回転させることにより、第1部分31aの締め付けを緩めて固定を解除することができる。すなわち、第1部分31a内に収容する第2部分32aの長さを調整し、ジョイント部33aにより第1部分31aに対する第2部分32aの位置を決めることにより、柱部13aの長さを変えることができる。他の柱部13b,13c,13dについても同様であり、ジョイント部を回転させて柱部13b,13c,13dの長さを変えることができる。
【0038】
仕切り部16aは、第1部分31aと底板部12aと天板部12bとに接続されており、第2部分32aには接続されていない。他の仕切り部16b,16c,16dについても同様である。仕切り部16a〜16dについては、底板部12a、天板部12bおよび柱部13a〜13dの接続箇所の一部において、着脱自在な構成である。
【0039】
なお、収容箱11内に青果Fを配置させる一例について説明する。まず、着脱自在な仕切り部16a〜16dの一部を取り外し、収容箱11内に青果Fを入れる。ここで、まず、青果Fの果実Mを規制部23の載置領域A上に載置するようにする。ポットPについては、格子状に組まれる接続部24a,24b,25a,25bの間のスペースを利用してポットPを通し、保持部21の隙間Gに保持させる。その後、青果Fの蔓Tを支柱26にある程度巻きつけるようにする。また、ポットP内に管29を差し込む。最後に、取り外した仕切り部16a〜16dの一部を取り付ける。このようにして、収容箱11内に青果Fを配置させる。なお、収容箱11内に青果Fを配置させる場合、柱部13a〜13dを縮めた状態として青果Fを配置してもよい。
【0040】
図5は、実施の形態1における柱部13a〜13dを縮めた収容箱11を示す概略側面図である。
図5を併せて参照して、第2部分32aの一部、この場合は第2部分32aの全てを第1部分31a内に収容している。
図5に示す底板部12aと天板部12bとの距離L
2は、
図1に示す底板部12aと天板部12bとの距離L
1と比較して短くなっている。すなわち、
図1に示す収容箱11の体積と比較して、
図5に示す収容箱11の体積は、小さくなっている。具体的には、天板部12bの板厚方向に見た平面視における面積×(距離L
1−距離L
2)の分だけ、収容箱11の体積を小さくすることができる。よって、収容箱11を輸送する際に必要な容積を小さくすることができる。例えば、トラックを用いて複数の収容箱11を輸送する際に、
図1に示す場合と比較して各収容箱11の体積を小さくして、数多くの収容箱11を輸送することができる。したがって、輸送コストの低減を図ることができる。なお、収容箱11の体積を小さくしても、蔓Tや葉は多少の柔軟性を有するため、容積の変化に応じて変形することができる。輸送後に底板部12aと天板部12bとの距離をL
1に戻して、輸送時に押し縮められた蔓Tや葉を元の状態に戻すことができる。
【0041】
上記収容箱11によると、長手方向の長さが可変な柱部13a〜13dを備えるため、輸送時に柱部13a〜13dを短くして底板部12aと天板部12bとの距離を近くし、全体の大きさを小さくすることができる。すなわち、輸送時に収容箱11が占める体積を小さくすることができる。よって、輸送コストを抑えることができる。
【0042】
また、ポットPを保持する保持部21を備えるため、ポットPごと青果Fを輸送することができる。すなわち、果実Mを蔓Tや茎から切断して収穫することなく、輸送することができる。したがって、鮮度の高い状態で、顧客の元に送り届けることができる。
【0043】
輸送して顧客の元に届けられた後には、柱部13a〜13dを長くして底板部12aと天板部12bとの距離を遠ざけ、青果Fが収容される空間Sを大きくすることができる。したがって、輸送後にこのような状態として、例えばしばらく収穫を待機して、青果Fに生っている果実Mを熟成させることができる。すなわち、青果Fの果実Mを収容箱11内で完熟させることも可能になる。顧客は、顧客の望むタイミングで蔓Tや茎から果実Mを取り外すことにより、顧客の望むタイミングで果実Mを収穫することができる。
【0044】
本実施形態においては、柱部13aは、底板部12aに接続される筒状の第1部分31aと、天板部12bに接続され、第1部分31a内に収容可能な第2部分32aと、第1部分31a内に第2部分32aの少なくとも一部を収容した状態で第2部分32aの長手方向の位置を固定するジョイント部33aとを含むため、柱部13aを短くする際、筒状の第1部分31a内に第2部分32aの少なくとも一部を収容し、ジョイント部33aで第2部分32aの長手方向の位置を固定することができる。したがって、底板部12aと天板部12bとの距離を望みの距離として、収容箱11の大きさを調整することが容易になる。
【0045】
本実施形態においては、収容箱11は、ポットP内に液体を供給する供給機構27を備えるため、収容箱11内に青果FがポットPごと収容された際に、供給機構27によりポットP内に養液を供給することができる。よって、例えば輸送中に養液を青果Fに供給することができ、青果Fの育成の促進を図ることができる。
【0046】
本実施形態においては、収容箱11は、底板部12aと天板部12bとの間の空間Sを外部から仕切る仕切り部16a〜16dを備えるため、収容箱11の外部から青果Fが配置される空間Sを離隔して、例えば、収容箱11内の温度や湿度を安定させることが容易となる。したがって、輸送する青果Fの品質向上を図ることができる。
【0047】
本実施形態においては、仕切り部16a〜16dは、可撓性を有する部材から構成されているため、柱部13a〜13dを短くして底板部12aと天板部12bとの距離を縮めた場合において、可撓性を有する部材が撓んで、収容箱11の容積の変化に仕切り部16a〜16dの形状を対応させることができる。本実施形態においては、収容箱11内の空間Sに余剰の仕切り部16a〜16dが垂れ下がった状態となっている。なお、
図5において、仕切り部16aのうちの垂れさがっている部分の図示を省略している。また、柱部13a〜13dを短くした後、再度柱部13a〜13dを長くして容積を大きくしても空間Sのサイズの変化に仕切り部16a〜16dは対応することができる。したがって、収容箱11内の温度や湿度をより安定させることができ、輸送する青果Fの品質向上をさらに図ることができる。
【0048】
本実施形態においては、仕切り部16a〜16dは、仕切り部16a〜16dは、空間Sを外部から視認可能な透明部材から構成されているため、青果Fを収容箱11内に収容した後においても、青果Fの状態を外部から容易に視認することができる。また、収容箱11内に配置される青果Fに外部から光を供給することができる。したがって、例えば輸送中においても光合成を促進して、青果Fの育成の促進を図ることができる。
【0049】
上記収容箱は、空間S内において青果Fの位置を規制する規制部23を備えるため、輸送時において収容箱11内における青果Fの移動を規制することができる。本実施形態においては、規制部23は、一対の接続部24a,24bおよび一対の接続部25a,25bによって格子状に形成される載置領域Aにおいて青果Fのうちの球状の果実Mを載置することにより青果Fの果実Mの位置を規制する。この場合、略球状の果実Mの一部を格子状の部分に嵌め込んで下から支える構成となる。したがって、青果Fおよび果実Mが輸送中に移動して衝突したり、衝突に伴って損傷するおそれを低減することができる。
【0050】
本実施形態においては、収容箱11は、柱状であって、長手方向の長さが可変であり、空間S内に配置されて青果F、具体的には青果Fの蔓Tを支持する支柱26を備えるため、輸送中に青果Fを支柱26によって支持することができる。したがって、輸送中における収容箱11内における青果Fの姿勢や位置を安定させて、青果Fを損傷させるおそれを低減することができる。この場合、支柱26は長手方向の長さが可変であるため、柱部13a〜13dの長さの変更に合わせて支柱26の長さを変更することができる。したがって、収容箱11の容積の変化に対応することができる。
【0051】
本実施形態においては、底板部12aおよび天板部12bは、それぞれ板厚方向に見た平面視で長方形状を有し、柱部13a〜13dは、底板部12aおよび天板部12bの4つの角を含む領域に4つ備えられているため、4つの柱部13a〜13dと底板部12aと天板部12bとの間の空間Sで、収容箱11内に配置される青果Fの配置されるスペースを確保することができる。
【0052】
以上より、上記収容箱11によれば、顧客の要望に応じて顧客の元に青果Fを届けることができると共に、輸送コストの低減を図ることができる。
【0053】
(実施の形態2)
次に、他の実施の形態である実施の形態2について説明する。
図6は、実施の形態2における収容箱11の概略斜視図である。
図6は、
図1に相当する図である。
図1および
図6を参照して、実施の形態2における収容箱11は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態2の収容箱11は、供給機構を備えない点において実施の形態1の場合とは異なっている。
【0054】
図6を参照して、実施の形態2における収容箱11には、ポットP内に液体を供給する供給機構が備えられていない。このようにすることにより、空間S内の容積が広く確保される。特に、輸送先が近い場合や、輸送中にポットP内への養液の供給を停止させてもよい場合に、供給機構を備えない構成が好適に採用される。すなわち、収容箱が供給機構を備えない分、収容箱11内の空間Sを有効活用することができる。
【0055】
(実施の形態3)
次に、さらに他の実施の形態である実施の形態3について説明する。
図7は、実施の形態3における収容箱11の概略側面図である。
図7は、
図5に相当する図である。
図5および
図7を参照して、実施の形態3における収容箱11は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態3の収容箱11は、仕切り部16a〜16dが可撓性を有しない部材から構成されている点において実施の形態1の場合とは異なっている。
【0056】
図7を参照して、実施の形態3における収容箱11において、仕切り部16a〜16dは、剛性を有する部材から構成される。この場合、例えば、仕切り部16a〜16dを高さ方向に分割された複数の板状の部材として柱部13a等に取り付け、高さ方向にスライドさせて底板部12aと天板部12bとの距離の変化に対応する。このようにすることにより、可撓性を有する部材が空間S内に垂れ下がることはなくなる。また、仕切り部16a〜16dによって、収容箱11の剛性を高めることができる。
【0057】
(実施の形態4)
次に、さらに他の実施の形態である実施の形態4について説明する。
図8は、実施の形態4における収容箱の概略側面図である。
図8は、
図2に相当する図である。
図2および
図8を参照して、実施の形態4における収容箱11は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態4の収容箱11は、支柱26を備えない点において実施の形態1の場合とは異なっている。
【0058】
図8を参照して、実施の形態4における収容箱11において、支柱26は備えられていない。このようにすることにより、支柱26を備えない分、収容箱11内の空間Sを有効活用することができる。特に、青果Fの蔓Tや茎がある程度の剛性を有し、支柱26を備えなくとも収容箱11内の空間Sにおいて、ある程度の位置が保持できる場合や、支柱26を備えると青果Fが収容箱11の空間S内に収めにくい場合に、好適に利用される。
【0059】
(実施の形態5)
次に、さらに他の実施の形態である実施の形態5について説明する。
図9は、実施の形態5における収容箱の概略側面図である。
図9は、
図2および
図8に相当する図である。
図2、
図8および
図9を参照して、実施の形態5における収容箱11は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態5の収容箱11は、規制部23の構成が異なる点において実施の形態1の場合とは異なっている。
【0060】
図9を参照して、実施の形態5における収容箱11において、規制部23は、青果F、この場合は青果Fの果実Mを吊り下げる紐状部41を含む。紐状部41は、伸縮をほとんどしない部材で構成されていてもよいし、ゴム等のある程度伸縮性を有する部材で構成されていてもよい。もちろん、紐状部41は、複数形成されてもよい。紐状部41の太さや長さは、必要に応じて適宜選択される。紐状部41は、その一方端部が天板部12bのうちの底板部12aに対向する面42に取り付けられた支持具43に接続されている。紐状部41は、その他方端部に取り付けられた保持具44を青果Fの果実Mの根元部、例えば蔓Tと果実Mとの境界部分に取り付けることにより、青果Fの果実Mの移動を規制する。具体的には、果実Mの自重によりある程度のテンションで果実Mが吊り下げられた状態で、空間S内における天地方向および水平方向の移動が規制される。このようにすることによっても、青果Fの果実Mの空間S内における移動を規制することができる。特に、上記した実施の形態1における格子状に形成される載置領域Aに載置できない大きさや形状の果実Mを輸送する場合や果実M自体を他の部材と接触させたくない場合に特に有効に適用することができる。また、一対の接続部24a,24bおよび一対の接続部25a,25bを形成しないで良いため、収容箱11内の空間Sを広く確保することができる。なお、規制部23は、一対の接続部24a,24bおよび一対の接続部25a,25bに加え、紐状部41を備える構成としてもよい。このようにすることにより、果実Mの大きさや形状、さらには用途等に応じて、いずれかの規制部23を輸送時に適宜利用することができる。
【0061】
(他の実施の形態)
なお、上記の実施の形態においては、収容箱11は、複数の柱部を備えることとしたが、これに限らず、柱部は1本であってもよい。また、柱部の伸縮自在な機構についても上記構成に限られず、例えば、第2部分が円筒状であって、第1部分が第2部分の内径に収容可能な径の円柱状であってもよい。また、柱部は、四角筒状や三角筒状といった角筒状の部材と、四角柱状や三角柱状といった角柱部材とから構成されていてもよい。また、いずれか一方が他方側に収容される構成ではなく、第1部分と第2部分とが板厚方向に見た平面視で異なる位置であって平行に配置され、それぞれが高さ方向に長さを可変なようにジョイント部で接続されていてもよい。底板部および天板部は、長方形状に限られず、板厚方向に見た平面視で外形形状が円状や楕円状であってもよいし、三角形状や六角形状等、多角形状であってもよい。底板部と天板部とは異なる形状であってもよい。
【0062】
また、仕切り部については、収容箱11に着脱可能な構成としてもよい。このようにすることにより、底板部12aと天板部12bとの距離を短くした場合に、仕切り部を取り外して対応することができる。
【0063】
なお、上記の実施の形態においては、仕切り部は、空間を外部から視認可能な透明部材から構成されることとしたが、これに限らず、仕切り部は、透明部材で構成されていなくともよい。特に、輸送中に光合成をさせたくない場合は、遮光性を有する部材で仕切り部を構成することにしてもよい。また、収容箱11の中身を輸送中に見せたくない場合には、仕切り部を外部から空間を視認不可能な有色の部材で構成してもよい。また、仕切り部にサービス内容や内容物の表示等、文字や絵を記載するようにしてもよい。なお、柱部に文字や絵を記載することにしてもよい。また、供給機構について、収容箱の内部または外部に着脱可能な構成としてもよい。また、規制部を備えない構成としてもよい。
【0064】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。