特許第6924503号(P6924503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6924503
(24)【登録日】2021年8月4日
(45)【発行日】2021年8月25日
(54)【発明の名称】香炉
(51)【国際特許分類】
   A47G 35/00 20060101AFI20210812BHJP
   E04H 13/00 20060101ALI20210812BHJP
【FI】
   A47G35/00 A
   E04H13/00 J
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-147922(P2019-147922)
(22)【出願日】2019年8月9日
(65)【公開番号】特開2021-27906(P2021-27906A)
(43)【公開日】2021年2月25日
【審査請求日】2020年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】520204261
【氏名又は名称】有限会社ブンカドー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】須賀田 覺信
【審査官】 東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−225726(JP,A)
【文献】 特開平10−137109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 33/00 − 35/00
E04H 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の香を薫香するための香炉であって、
前記所定の香を載置するための載置部を有する薫香台と、
この薫香台を収容する香炉容器と、を備え、
前記薫香台は、前記香炉容器の底面に置かれる所定厚さの第1の難燃性シートと、この第1の難燃性シートの上面に重ねられる所定厚さの第2の難燃性シートとを備え、
前記薫香台の前記第1の難燃性および前記第2の難燃性シートは、通気性を有し、
前記薫香台の第2の難燃性シートには、厚さ方向に貫通した所定長さおよび所定形状の切り抜き部分が形成され、
前記薫香台は、その載置部に、前記第2の難燃性シートの切り抜き部分および前記第1の難燃性シートの上面によって前記所定の香を保持可能な溝部が形成されるように、前記第2の難燃性シートが前記第1の難燃性シートに重ねられて構成される、ことを特徴とする香炉。
【請求項2】
前記所定の香は、粉末状の粉末香であり、
前記溝部は、前記粉末香を保持可能であり、
前記香炉は、前記溝部の長さ方向に沿って前記溝部内に保持された粉末香を、前記溝部の長さ方向に沿って連続的に燃焼させるように構成されている、請求項1に記載の香炉。
【請求項3】
前記薫香台の前記第1の難燃性シートは、カーボンシート、カーボンファイバーシート、カーボンフェルト、フッ素ゴムシート、または、岩綿であり、
前記薫香台の前記第2の難燃性シートは、カーボンシート、カーボンファイバーシート、カーボンフェルト、フッ素ゴムシート、または、岩綿であり、
前記薫香台の前記第1の難燃性シートおよび前記第2の難燃性シートの所定厚さは、2.0〜5.0mmである、請求項1または請求項2に記載の香炉。
【請求項4】
前記薫香台の載置部の溝部は、平面視で、4本の溝部で形成された四角形状、3本の溝部で形成されたコの字状、または、馬蹄形に形成され、
前記薫香台の載置部に形成された溝部の溝幅は、3mm〜10mmである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の香炉。
【請求項5】
前記香炉は、前記香炉容器を内部に収容する香炉本体を更に備える請求項1乃至4のいずれか1項に記載の香炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香炉に係り、特に種火を用いない香炉に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有形の香(線香、円錐香、渦巻き香、コの字形香、馬蹄形香等)は、先端に点火された状態で、灰の上に直立させたり、灰や網の上に水平においたりして薫香される。一方、粉末状の香(抹香等)は、種火の上で直に焚いている。例えば、仏教儀式や香道では、焼香用の抹香を指で摘まんで種火の上に落としたり、予め灰の中に埋められた香の上に種火を置いたりして薫香する。
【0003】
市販の香は、形状や素材が製造業者により独自に設定されており、形状や素材の調合に応じて燃焼のし易さや煙の量は様々である。使用者は、これら種々の香から用途に応じた香を選択することができるが、使用者が独自に香の燃焼のし易さや煙の量及び薫香時間を手間を掛けずに調整することは難しかった。
【0004】
このような従来の問題に対し、本出願人(本発明者)は、粉末香の横置き薫香が可能な新たな香炉を提案している(特許文献1)。この特許文献1の香炉は、粉末状の粉末香を薫香台の載置部に形成された溝の長さ方向に沿って配置して、その溝の長さ方向に沿って粉末香を連続的に燃焼させるようにする香炉である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6342954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、特許文献1に記載の香炉では、内部香炉に設置される薫香台をメッシュ状の金網体で構成し、この金網体に、粉末香を保持可能な溝を形成している。
しかしながら、このようなメッシュ状の金網体においては、所望する寸法および形状の溝を精度良く形成することが容易ではなく、また、メッシュ状の金網体の線径や目開きの寸法および粉末香の粒径との関係によっては、粉末香を溝に保持することが難しい場合があり、さらに、薫香台に使用可能なメッシュ状の金網体が比較的高価である、という問題があった。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、薫香時の煙量及び薫香時間を容易に調整可能であり、かつ、より確実に粉末香を保持可能な溝を形成することができる薫香台を備える香炉を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、所定の香を薫香するための香炉であって、所定の香を載置するための載置部を有する薫香台と、この薫香台を収容する香炉容器と、を備え、薫香台は、香炉容器の底面に置かれる所定厚さの第1の難燃性シートと、この第1の難燃性シートの上面に重ねられる所定厚さの第2の難燃性シートとを備え、薫香台の第1の難燃性および第2の難燃性シートは、通気性を有し、薫香台の第2の難燃性シートには、厚さ方向に貫通した所定長さおよび所定形状の切り抜き部分が形成され、薫香台は、その載置部に、第2の難燃性シートの切り抜き部分および第1の難燃性シートの上面によって所定の香を保持可能な溝部が形成されるように、第2の難燃性シートが第1の難燃性シートに重ねられて構成される、ことを特徴としている。
【0009】
このように構成された本発明によれば、薫香台は、香炉容器の底面に置かれる所定厚さの通気性を有する第1の難燃性シートに、所定厚さの通気性を有する第2の難燃性シートが重ねられて構成され、薫香台の載置部には、第2の難燃性シートに形成された所定長さおよび所定形状の切り抜き部分および第1の難燃性シートの上面によって、所定の香を保持可能な溝部を容易に形成することができる。
また、本発明では、薫香台を構成する第1の難燃性シートおよび第2の難燃性シートは通気性を有するので、溝部に載置された香に容易に空気が供給されて、より確実に燃焼させることができる。
【0010】
また、本発明において、好ましくは、所定の香は、粉末状の粉末香であり、溝部は、粉末香を保持可能であり、香炉は、溝部の長さ方向に沿って溝部内に保持された粉末香を、溝部の長さ方向に沿って連続的に燃焼させるように構成されている。
このように構成された本発明によれば、第2の難燃性シートの切り抜き部分および第1の難燃性シートの上面によって形成された溝部により、より確実に粉末香を保持しつつ、有効に連続燃焼させることができる。
また、本発明では、薫香台を構成する第1の難燃性シートおよび第2の難燃性シートは通気性を有するので、粉末香に容易に空気が供給され、粉末香を確実に燃焼させることができる。
さらに、本発明では、薫香台の溝へ充填する粉末香を種々に調合して薫香することが可能であるので、好みや用途に応じて適宜な調合の粉末香を使用することができる。また、溝内への粉末香の充填度合又は充填量に応じて、薫香中の煙量を容易に調整することができる。更に、溝の長手方向において粉末香を充填する長さを変更することにより、薫香時間を容易に調整することが可能である。
【0011】
また、本発明において、好ましくは、薫香台の第1の難燃性シートは、カーボンシート、カーボンファイバーシート、カーボンフェルト、フッ素ゴムシート、または、岩綿であり、薫香台の第2の難燃性シートは、カーボンシート、カーボンファイバーシート、カーボンフェルト、フッ素ゴムシート、または、岩綿であり、薫香台の第1の難燃性シートおよび第2の難燃性シートの所定厚さは、2.0〜5.0mmである。
このように構成された本発明によれば、より容易に、薫香台の載置部に所望する寸法の溝部を形成することができる。
【0012】
また、本発明において、好ましくは、薫香台の載置部の溝部は、平面視で、4本の溝部で形成された四角形状、3本の溝部で形成されたコの字状、または、馬蹄形に形成されており、薫香台の載置部に形成された溝部の溝幅は、3mm〜10mmである。
また、本発明において、好ましくは、香炉容器を内部に収容する香炉本体を更に備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明の香炉によれば、薫香時の煙量及び薫香時間を容易に調整可能であり、かつ、より確実に粉末香を保持可能な溝を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態による香炉の外観図である。
図2】本発明の実施形態による香炉の部分断面図である。
図3】本発明の実施形態による香炉内に配置された薫香台の外観図である。
図4】本発明の実施形態による香炉内に配置された薫香台の第1の難燃性シートを単体で示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態による香炉内に配置された薫香台の第2の難燃性シートを単体で示す斜視図(A)およびそのb-b線に沿って見た断面図(B)である。
図6】本発明の実施形態による香炉の薫香台に形成された溝の断面説明図である。
図7】本発明の実施形態による香炉の薫香台の説明図である。
図8】本発明の変形例による香炉の薫香台に形成された溝の断面図である。
図9】本発明の変形例による香炉の薫香台に形成された溝の説明図である。
図10図1と同様に示す、本発明の別の例による香炉の外観図である。
図11図2と同様に示す、本発明の別の例による香炉の部分断面図である。
図12】本発明の実施形態の別の例による香炉の外観図である。
図13】本発明の実施形態の別の例による内部香炉の外観図である。
図14】本発明の実施形態の別の例による内部香炉の断面図である。
図15】本発明の実施形態の別の例による内部香炉の線香を固定した状態の外観図である。
図16】本発明の実施形態のさらなる別の例による内部香炉の外観図である。
図17】本発明の実施形態のさらなる別の例による内部香炉の断面図である。
図18】本発明の実施形態の香炉で使用可能なコーン形香の連続薫香方法を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
先ず、図1図6を参照して、本発明の一実施形態の香炉の構成を説明する。
図1は、本発明の実施形態による香炉の外観図であり、図2は、本発明の実施形態による香炉の部分断面図であり、図3は、本発明の実施形態の香炉内に配置された薫香台の外観図であり、図4は、本発明の実施形態による香炉内に配置された薫香台の第1の難燃性シートを単体で示す斜視図であり、図5は、本発明の実施形態による香炉内に配置された薫香台の第2の難燃性シートを単体で示す斜視図(A)およびそのb-b線に沿って見た断面図(B)であり、図6は、本発明の実施形態の香炉の薫香台に形成された溝の断面説明図である。
【0016】
まず、図1及び図2に示すように、本実施形態の香炉1は、凹部を有する有底円筒状の香炉本体/外部香炉10と、香炉本体10の内部に配置された同じく有底円筒状の香炉容器/内部香炉20と、香炉容器20内に配置された薫香台30と、香炉本体10の上部開口を開閉自在な本体蓋40と、香炉容器20の上部開口を密閉して閉じる容器蓋50とを備えている。また、香炉1は、柄香炉であってもよく、この場合には香炉本体10に柄が取り付けられる。容器蓋50は、不使用時や持ち運び時に香炉容器20を閉じるが、薫香中には取り外される。
【0017】
香炉本体10は、好ましくは難燃性材料(例えば、陶磁器,石,琺瑯,難燃性合成樹脂,金属等)で形成されており、平面視で略円形の底部11と、底部11から上方へ立ち上がる側壁12と、底部11を支持する台座部13とを有する。側壁12には、複数の通気孔14が設けられており、薫香中に香炉本体10内へ外部空気を取り入れ、香炉容器20内で燃焼する香へ空気を供給するように構成されている。なお、通気孔14は、香炉本体10の底部11に設けてもよい。
【0018】
また、薫香中、本体蓋40により香炉本体10の上部開口を閉じてもよく、この場合、本体蓋40に設けられた複数の通気孔41を通して香炉本体10の内部から外部へ煙が放出される。
【0019】
香炉容器20は、香炉本体10と同じく、好ましくは難燃性材料(例えば、陶磁器,石,琺瑯,難燃性合成樹脂、金属等)で形成されている。なお、金属で形成する場合には香の立ち消えを防止するため、表面に耐熱塗料等を塗布して熱伝導率を低くすることが好ましい。香炉容器20は、平面視で略円形の底部21と、底部21から上方へ立ち上がる側壁22とを有している。
【0020】
また、香炉容器20は、図示しない磁石により、香炉本体10の底部11に着脱自在に固定されている。したがって、香炉1の持ち運びの際に香炉容器20を香炉本体10内で固定状態で保持することができると共に、クリーニング時に香炉容器20を香炉本体10から取り外すことができる。
【0021】
なお、空気の取り込みを促進して燃焼効率を向上させるため、香炉容器20の側壁にも1つ又は複数の通気孔を設けてもよい。この場合、この通気孔から薫香中に香炉容器20の内部に空気を供給することができる。また、この通気孔を薫香中又は薫香後に使用しない場合には、着脱自在な任意形状の密閉栓で閉じるようにすると好適である。
【0022】
次に、図2に示すように、本実施形態による香炉1では、有底円筒状の香炉容器20の底面23に、図示するような薫香台30が載せられる。この薫香台30には、載置部31および溝部33が形成されている。
【0023】
次に、図2図6により、本実施形態における薫香台30について説明する。
まず、図3および図4に示すように、薫香台30は、第1の難燃性シート70を有する。
この第1の難燃性シート70は、たとえば、カーボンシート、カーボンファイバーシート、カーボンフェルト、フッ素ゴムシート、または、ロックウールと呼ばれる岩綿などの難燃性の素材かつ通気性を有する素材のシートで形成されている。
このシート70は、香炉容器20の底面23の大きさおよび形状に合わせた大きさおよび形状となっている。このようなシート70は、たとえば、市販のカーボンシートなどを、手持ち式のカッターやコンパスカッター(サークルカッター)などで切り取り、あるいは、打ち抜きダイなどで打ち抜くことで比較的容易に作ることができる。
シート70の厚さは、たとえば、2.0〜5.0mmである。
【0024】
次に、図3および図5に示すように、薫香台30は、第2の難燃性シート72を有する。
この第2の難燃性シート72も、第1の難燃性シート70と同様に、たとえば、カーボンシートなどの難燃性の素材かつ通気性を有する素材のシートで形成されている。このシート72は、基本的に、第1の難燃性シート70と同じ大きさおよび形状に、切り取られ、あるいは、打ち抜かれて作られる。
また、シート72の厚さは、たとえば、2.0〜5.0mmである。
【0025】
この第2の難燃性シート72には、所定の長さおよび所定の幅の打ち抜き部74が形成されている。本実施形態では、打ち抜き部74は、3つの直線状からなるコの字状に切り抜かれて形成されている。この打ち抜き部74は、手持ち式のカッターやなどで切り取り、あるいは、打ち抜きダイなどで打ち抜くことで比較的容易に形成することができる。
【0026】
そして、図3に示すように、第1の難燃性シート70の上面70a(図4参照)に、第2の難燃性シート72の下面72b(図5参照)が重なるように、第2のシート72が第1のシート70上に置かれて、薫香台30が構成される。
図2および図6に示すように、本実施形態の薫香台30では、第2のシート72に形成された、平面視でコの字状かつ断面視で矩形状の打ち抜き部74と、第1のシート70の上面70aとにより、溝部33が形成されるようになっている。
また、図2および図3に示すように、第2のシート72の上面72a(図5参照)が、薫香台30の載置部31となる。
そして、薫香台30の下面、すなわち、第1のシート70の下面70b(図4参照)が、香炉容器20の底面23に接するように置かれて、薫香台30が香炉容器20内に配置される。
【0027】
なお、本実施形態における香炉1では、第1のシート70に第2のシート72を載せて一体的に薫香台30を構成した後に、この薫香台30を香炉容器20の底部21(底面23)に載せるようにしている。あるいは、第1のシート70を香炉容器20の底部21(底面23)に載せた後に、第2のシート72を第1のシート70に載せて、薫香台60を構成するようにしてもよい。
また、図2図6に示す例では、第1のシート70および第2のシート72の厚さは、いずれも5mmであり、これにより、溝部33は深さ5mmに形成される。
また、薫香台30の載置部31に形成された溝部33の溝幅は、3mm〜10mmが好ましい。
【0028】
溝部33は、図3に示すように平面視でコの字状に形成され、図6に示すように、溝部33内に粉末香Aを充填配置することが可能である。溝部33の幅及び深さは任意の寸法が可能であるが、薫香中の煙量や燃焼効率を考慮すると、溝部33の幅及び深さはいずれも3mm〜5mmに設定することが好ましい。また、薫香中の煙量を多くする場合には、溝部33の幅及び深さを適宜大きく設定し、薫香中の煙量を少なくする場合には、溝部33の幅及び深さを適宜小さく設定すればよい。
【0029】
次に、主に図7により、本実施形態の香炉の作用について説明する。
図7は、本発明の実施形態の香炉の薫香台の説明図である。
香炉1により薫香する際には、粉末状の香である粉末香Aを用いると好適である。粉末香Aは、香木等の香原料を石臼や製粉機を用いて粉末状にした後、篩にかけて所定の粒径のものを選別することにより製造することができる。また、市販の抹香、線香、円錐香等を香原料として用いてもよい。また、所定粒径の塗香を粉末香として用いることができる。
【0030】
なお、市販の香には、それ自体だけでは燃焼し難いものもある。例えば、沈香や、樹木の液を乾燥させ固形化した樹脂香は、それ自体では燃焼し難い。このため、このようなそれ自体では燃焼し難い香を香原料とする場合には、粉末化した木炭である粉炭を混合してもよい。即ち、粉末香に粉末炭を混合することにより、燃焼し易さが増し、薫香中の立ち消えを起こし難くすることができる。また、季節、外気温、湿度等の環境条件に応じて、粉末炭の混合比率を変更してもよい。
【0031】
粉末炭は、木炭や焼香炭等の炭原料を石臼や製粉機を用いて粉末状にし篩にかけて所定粒径のものを選別することにより製造することができる。なお、長時間の薫香用には硬質の炭原料が好適であり、着火のし易さ向上のためや短時間の薫香用には軟質の炭原料が好適である。また、硬質と軟質の炭原料を適宜の割合で混合することにより、着火のし易さと燃焼時間を調整することも可能である。硬質から軟質の炭原料を順に列挙すると、例えば、備長炭、樫炭、楢炭、竹炭、雑木炭、消し炭である。
【0032】
また、用いる香原料に応じて、薫香中の煙量や香りを選択することができるが、粉末香に粉末炭を混合しても煙量や香りを調整することができる。即ち、粉末香に混合する粉末炭の割合を大きくすることにより、粉末香のみを薫香するよりも煙量を少なくし、香りを抑えることができる。例えば、樹脂香を香原料とする場合、樹脂香と粉末炭の割合を1:4や1:5といった低い割合にすれば少量の煙量に設定することができ、樹脂香と粉末炭の割合を1:1にすれば多量の煙量に設定することができる。
【0033】
本実施形態では、それ自体では燃焼し難い香原料を用いる場合であっても、適切な粉末炭を適宜な混合割合で混合して粉末香を生成することにより、薫香中の立ち消えを防止することができる。また、粉末香に含まれる粉末炭の混合割合を適宜に設定することにより、煙量や香りの強弱や質を容易に設定することができる。更に、適切な炭原料を選択して粉末香に混合することにより、薫香時間又は薫香速度を調整することも可能である。
【0034】
所望の粉末香(必要であれば粉末炭との混合体からなる粉末香)を選択すると、図7に示すように、薫香台30の溝部33内に粉末香Aを充填する。例えば、第1のシート70および第2のシート72からなる薫香台30を香炉容器20から取り出して、あるいは、香炉容器20内に配置させたまま、香匙で掬った粉末香Aを薫香台30の載置部31の上面側から溝部33内に溝部33の長手方向に沿って落とし入れる。その後、溝部33から溢れた粉末香Aをブラシや板材で載置部31上から払い落とす。又は、香炉容器20内の薫香台30の溝部33内に香匙や紛体注入器を用いて粉末香Aを落とし入れる。
【0035】
このとき、載置部31の上面と面一になる量(基準量)だけ粉末香Aを溝部33内に充填すると、溝部33の長さ方向に沿って単位長さ当たり均一な量で粉末香Aを配置することができる。また、薫香中の煙量を増加させたい場合は、載置部31の上面から盛り上がるように基準量よりも多く溝部33に沿って粉末香Aを配置し、逆に煙量を減少させたい場合は、基準量よりも少なく溝部33に沿って粉末香Aを配置することができる。
溝部33に粉末香Aを充填すると、香炉容器20内に薫香台30を配置した状態で(更には、香炉容器20を香炉本体10内に配置した状態で)、図7に示すように、コの字状の溝部33の末端部の粉末香Aに点火する。図7に示すように、図中奥側の末端部で溝部33内の粉末香Aに点火すると、この末端部から溝部33の長手方向に沿って(図中の矢印bの方向に沿って)、他方の末端部まで粉末香Aを連続的に燃焼させることができる。なお、図7は、理解の容易のため、香炉容器20及び香炉本体10等の図示が省略されている。
なお、図示は省略するが、例えば、溝部(33)を平面視で矩形状に形成した場合には、その矩形状に延びる溝部(33)の角部の粉末香Aに点火すると、この角部から両側の矩形状の2片に沿って、粉末香Aを連続的に燃焼させることができる。
【0036】
薫香中、香炉本体10の通気孔14や本体蓋40の通気孔41を通して、外部から香炉本体10の内部に空気が流入し、香炉容器20の上面開口(設けられている場合には、側壁の通気孔)を通して、香炉容器20の内部へも示されているように空気が流入する。そして、この空気は、溝部33の上側から直接的に粉末香Aに供給される(図7中矢印c)。さらに、空気は、第1のシート70の下面から溝部33に供給されると共に第2のシート72の側面からも溝部33に供給される(図7中矢印c)。これらにより、粉末香Aに十分な空気を供給し、燃焼効率を向上させることができる。
【0037】
また、図示しない、上述した溝部(33)を平面視で矩形状に形成するような場合には、薫香中に粉末香(A)は溝部(33)の2箇所で燃焼が進行するため、煙を2箇所で生成することができる。一方、溝部(33)の途中に粉末香(A)を充填しない箇所を設け、途中で途切れた連続しない粉末香(A)の充填体を溝部(33)に形成してもよい。そして、この粉末香Aの充填体のいずれか一方の端部のみに点火すれば、煙の発生箇所が1箇所になるため、半分の量で煙を生成することができる。
【0038】
また、図7に示す例において平面視でコの字状の溝部33の全周にわたって粉末香Aを充填するのではなく、溝部33を構成する3辺のうち、1辺のみ、あるいは、2辺に連続して粉末香Aを充填すれば、充填した辺の数に応じて薫香時間を調整することが可能である。更には、対向する2辺に粉末香Aを充填してもよい。これらの場合において、粉末香Aの充填体の一方の端部のみに点火してもよいし、両端に点火してもよい。これにより、薫香時間と煙量を容易に調整することができる。
【0039】
また、薫香を中断する場合には、香炉容器20を容器蓋50で閉じることにより、空気供給を遮断して、燃焼中の粉末香Aを窒息消火することができる。
【0040】
次に、図8および図9により、本発明の変形例について説明する。
図8は、本発明の変形例による香炉の薫香台に形成された溝の断面図であり、図9は、本発明の変形例による香炉の薫香台に形成された溝の説明図である。
上述した実施形態では、図6に示すように、溝部33の断面が矩形(略正方形)であったが、これに限らず、図8に示すように構成してもよい。例えば、載置部31に断面略半円形の溝部33aを形成してもよく(図8(A)参照)、断面略V字の溝部33bを形成してもよく(図8(B)参照)、複数段の断面を有する溝部33cを形成してもよい(図8(C)参照)。これらは、溝側面や溝の上側開放面を通した通気性の度合いや溝と粉末香Aとの接触面積、溝への粉末香Aの充填し易さ等に応じて適宜に設定することができる。
【0041】
また、上述した実施形態では、図3に示すように、溝部33が平面視で矩形であったが、これに限らず、図9に示すように構成してもよい。例えば、溝を円形(図9(A)参照)、コの字形(図9(B)参照)、馬蹄形(図9(C)参照)、多角螺旋形(図9(D)参照:四角の場合)、円形螺旋形(図9(E)参照)、つづら折れ形(図9(F)、図9(G)参照)、直線形(図9(H)、図9(I)参照))等の各種形状に構成することができる。
【0042】
図9(D)〜図9(G)の溝形状は、図3図9(A)〜図9(C)の溝形状に比べて、同じ外形寸法の薫香台30であっても、より長時間の薫香時間を確保することができる点で有利である。また、図9(D)〜図9(G)の溝形状では、溝の長さ方向の全域にわたって粉末香Aを充填する必要はなく、所望の長さに粉末香Aを充填することにより、薫香時間を調整することができる。
【0043】
なお、例えば、図3図9(B),図9(D),図9(F)のように、直線部を連結する角部を有する溝形状では、この角部で粉末香Aの燃焼が不安定になるおそれがある。これに対して、図9(A),図9(C),図9(E),図9(G)に示すように、直線部及び/又は曲線部のみで連続する溝形状では、常に一定の安定した燃焼状態を維持可能なため、立ち消えのおそれを更に低減することができる。
【0044】
また、図9(H)は、複数の直線状の溝133a,133bが設けられた例であり、溝133aの幅よりも溝133bの幅の方が大きく形成されている。したがって、細い溝133aを用いれば少量の煙量で薫香することが可能であり、太い溝133bを用いれば多用の煙量で薫香することが可能であり、或いは、用いる溝数に応じて煙量を調整することも可能である。
【0045】
また、図9(I)は、複数の直線状の溝233a〜233dが設けられた例であり、それぞれ長さが異なるように構成されている。したがって、この例では、薫香時間を4段階で調整することが可能である。
さらに、図3及び図9に示された種々の形状の溝を組み合わせた薫香台30を用いて香炉1を構成してよい。
【0046】
また、上述した実施形態では、図7に示すように、溝部33が、平面視で、3本の溝が接続されたコの字状の形状に形成されているが、これに限らず、溝部を、平面視で四角形状(ロの字状)に形成するようにしてもよい。なお、この変形例では、ロの字状の中央側の部分が、外側の部分に対して分離されるので、この場合は、第1のシート70の上面70aに、そのロの字状の中央側の部分(72)および外側の部分(72)を、ぞれぞれ、上述した溝幅が形成されるように置くようにしてもよいし、ロの字状の中央側の部分(72)および外側の部分(72)との位置関係を規定する治具や固定具を用いてもよい。
【0047】
また、上述した実施形態の香炉1では、香炉容器20、薫香台30等が平面視で略円形の外形を有しているが、これに限らず、平面視で他の任意の形状、例えば矩形(正方形等)の外形を有していてもよい。
【0048】
また、香炉1として、香炉専用に作製された外部香炉(香炉本体10)や本体蓋40を用いずに、あるいは、上述した通気孔14、41が形成されていない密閉型の容器であってもよい。
以下、これらの香炉1の別の例としての密閉容器による香炉(外部香炉および内部香炉)の例を説明する。
【0049】
まず、第1の例による香炉を説明する。この第1の例では、例えば、日常生活で使用しているコーヒーカップ、湯飲み茶碗、ガラス製や陶磁器製のコップ、木製の宝石入れ、器などを外部香炉((10))として使用するものである。
そして、その本体蓋(40)として、外部香炉に内接または外接できる透かし加工された金属板や、孔の開いた陶磁器の蓋体を作製して使用する。
金属板などの加工可能な蓋にドリルなどで孔を開けて通気孔とすれば、その蓋体を、密閉型の容器である外部香炉(コーヒーカップなど)の蓋体として使用することができる。孔の大きさは、例えば、直径70mmの金属製の蓋体であれば、直径8mmの孔を6個以上開けるのが好ましい。
陶磁器やガラスなどは、特殊なドリルの刃と技術を擁するので、陶磁器やガラスの容器の蓋として別の蓋を制作すればよい。
この第1の例では、日常使用している好みの器(たとえばコーヒーカップ)を、コーヒーカップとして使用するだけでなく、香炉としても使用することができ、使用者は楽しむことができる。
【0050】
次に、図10図12により、第2の例による香炉100を説明する。この第2の例による香炉100では、通気孔が形成されていない外部香炉(茶碗など)110および本体蓋140で構成される密閉容器に対し、スペーサ130を使用して通気性を確保するよう構成している。
まず、外部香炉110は、上述した第1の例と同様であり、図10に示す例では、底部111、側壁112、(茶碗などの)台座部113を有し、上述した図1に示すような通気孔(14)は形成されていない。
本体蓋140も、上述した第1の例と同様であり、図10に示すように、通気孔(図1の41)は形成されていない。
【0051】
この第2の例では、このような密閉型容器において、外部香炉110と本体蓋140との間に、空気の出入りが可能な複数の孔132やメッシュ状の隙間が形成されたスペーサ130を使用する。このスペーサ130を外部香炉110と本体蓋140との間に挟み込むように設置することにより、図10および図11に示すように、外部香炉110と本体蓋140との間に、香炉の高さ方向の隙間134が形成される。
スペーサ130は、本体蓋140を支持可能な剛性および強度を有する円筒形状または矩形状のものが好ましく、そのスペーサ130は、難燃性を有する金属板、金網、陶磁器などで構成される。スペーサ130は、上面および下面で開口しているリング状のものが好ましいが、内部香炉20(上述した実施形態と同様であり、その説明を省略する)を設置可能であれば、下面が開口していなくてもよい。
なお、スペーサ130に孔(132)を形成する場合は、孔の直径は5〜8mmが好ましい。また、孔の形状は円形であると作製が容易である。
【0052】
使用法としては、このスペーサ130を、外部香炉110内に設置し、そのスペーサ130の内側に内部香炉20を設置する。設置する順番は、外部香炉110と内部香炉20とを同時でもよいし、どちらかを先に設置するようにしてもよいが、内部香炉20内の粉末香Aに着火させることが容易になるよう、例えば、内部香炉20を設置し、粉末香Aを着火させ、その後、スペーサ130を設置するのが好ましい。
また、スペーサ130の高さ方向の寸法は、本体蓋140が外部香炉110の上縁部から離れすぎて見た目の体裁が悪くならないような寸法に設定される。例えば、外部香炉110の上縁部と本体蓋140との隙間134は、通気性をより確実に確保できる寸法であればよく、好ましくは5mm〜8mmが好ましい。スペーサ130は、このような隙間134が形成される高さのものを、市販品の製品から、上述した通気性および難燃性を有するものを選択してもよいし、新たに作製してもよい。
【0053】
次に、図12により、第3の例による香炉100を説明する。
この第3の例では、外部香炉110として、角形の密閉型容器を使用する例である。図12に示すように、薫香時には、角形の本体蓋140を、同じく角形の箱状の外部香炉110に対して、平面視で45度回転させて、外部香炉110の上縁部に設置する。このようにして、三角形状の隙間150が形成され、この隙間150を介して空気が出入りする。すなわち、この第3の例では、本体蓋140を外部香炉110に対して回転させることで、通気口150を形成するのである。角形の容器として、たとえば、市販の重箱のような容器を用いてもよい。
なお、隙間150の大きさが空気の出入りが必要十分な大きさとなれば、回転させる角度は45度に限らず、他の角度でもよい。
【0054】
次に、第4の例による香炉を説明する。この第4の例では、上述した例のように密閉型容器である外部香炉本体や本体蓋を変形や加工などせず、本体蓋を外して薫香する例である。この例では、内部香炉を外部香炉内に設置した後に粉末香に点火し、または、粉末香に点火した状態での内部香炉を外部香炉内に設置して、薫香する。この際、本体蓋を外部香炉の縁に立てかけても、見た目上、相応しくなくはない。
【0055】
次に、図13図15により、内部香炉の別の構成に係る例を説明する。
まず、図13および図14に示すように、この例による内部香炉220は、その底部221の中心に、底部221を貫通する孔部を介して設けたボルト/ナット223により固定された台座225を備える。
台座225は、薄板状の金属製(たとえば真鍮)のものであり、この台座225には、割鋲227が一体的に形成されている。割鋲227は、台座225の一部を折り曲げて形成された2枚の鋲の羽が、台座225を根元して上方に向けて延びるよう形成されたものであり、渦巻き状の線香(図15参照)の一端部を挟みこんで固定するためのものである。
割鋲227は、その割鋲227に挟んだ線香が抜け落ちにくいように、割鋲227の2枚の金属板のそれぞれには、凹凸の突起が形成されている。凹凸の突起は、金属板(227)を湾曲させて波状にして形成される。
【0056】
次に、図15に示すように、渦巻き状の線香Bの一端部を割鋲227の2枚の金属板の間に挟んだ後、ばね(押しばね、圧縮ばね)229を割鋲227の先端部から、その2枚の金属板を挟み込むように嵌合させ、2枚の金属板を互いに近づける方法に付勢する。これにより、2枚の金属板の間に挟み混まれた線香Bが、より確実に固定される。
その後、線香Bの他端部を着火すれば、この内部香炉220により、渦巻き線香Bを薫香させることができる。
【0057】
次に、図16および図17により、内部香炉のさらなる別の構成に係る例を説明する。
この例による内部香炉320は、その底部321の中心に、底部221を貫通する孔部を介して設けたボルト/ナット323により固定された、平面視で矩形状の金属板325を備える。図示するように、金属板325は、内部香炉320の中心部から外周方向に延びるよう設けられる。この金属板325は、香C(馬蹄形香C/コの字状香C)を固定するための基礎となる台座325となる。
さらに、この金属板325の外周方向側には、コの字状の香Cを固定するためのボルトおよび複数のナットを有する固定具327が設けられている。
【0058】
図16および図17に示すように、この固定具327により、香Cを、内部香炉320の特に底部321に接触しないように固定することができる。香Cを固定した後、香Cの他端部を着火すれば、この内部香炉320により、香Cを薫香させることができる。
ここで、たとえば、金属状のメッシュなどによりこの高さ位置に香(C)を載置して固定することも考えられるが、その場合、冬場など気温が低い状態では、金属状のメッシュに熱を奪われて、香(C)が立ち消えしてしまう。これに対し、この例による内部香炉320では、台座325および固定具327により、香Cを浮かせた状態で固定できるので、立ち消えの懸念がなく、安定して薫香させることができる。
【0059】
次に、図18により、コーン形香の連続薫香方法の例を説明する。
まず、図18(a)に示すように、コーン形香Dは、円形の底面402、先端部404および円錐状の側面406を有する。この例では、その側面406に孔408が形成されている。
たとえば図18(b)に示す例では、コーン形香D1の底面402付近の側面406に、底面402と平行な方向に延び、かつ、コーン形香Dの先端部404の形状に近い形状になるように、孔408を形成している。
【0060】
コーン形香を連続薫香する場合には、たとえば、まず、このコーン形香D1を垂直に立てた状態で、他のコーン形香D2の先端部404を香D1の孔408に差し込み、抜けないように固定する。そして、垂直に立っている香D1の先端部404に点火し、その薫香(コーン形香の無炎燃焼)が孔408に近づくと、接続された香D2に、燃焼が移り、コーン形香D1、D2を連続して薫香させることができる。
【0061】
図18(c)に示す例は、コーン形香を垂直に立てずに、水平に寝かして連続薫香させる例である。この例では、1つ目に燃焼させるコーン形香D1の底面402の中心に、上述した形状と同様の孔408を形成し、2つ目のコーン形香D2の先端部404を、その孔408に差し込めばよい。この場合には、1つめの香D1の先端部404に点火し、その薫香が底面402に近づくと、接続された香D2に、燃焼が移り、コーン形香D1、D2を連続して薫香させることができる。
なお、図18(b)および図18(c)に示す例では、同様に孔408を形成したコーン形香を3つ以上用意し、それぞれを接続させて、連続薫香させてもよい。
【0062】
なお、図18(c)に示すような複数のコーン形香を連続薫香させる場合、上述した図3に示すようなカーボンシートを利用し、その溝33に連続的に複数のコーン形香を載置するようにしてもよい。そして、コの字状の溝33の角部では、図18(b)に示すような位置関係にコーン形香を配置すれば(この場合、図18(b)に示すように垂直に立てず、溝33に沿って水平方向に並ぶように載置する)、角部において、直角方向に燃焼を連続させることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 香炉
10 香炉本体
11 底部
12 側壁
13 台座部
14 通気孔
20 香炉容器
21 底部
22 側壁
23 底面
30 薫香台
31 載置部
33 溝
40 本体蓋
41 通気孔
50 容器蓋
70 第1の難燃性シート(第1のシート)
70a 第1のシートの上面
72 第2の難燃性シート(第2のシート)
72a 第2のシートの上面
74 切り抜き部(溝部33の一部/厚さ方向に貫通した切り抜き部分)
100 香炉の一例
110 外部香炉
111 底部
112 側壁
113 台座部
130 スペーサ
132 孔部
140 本体蓋の一例
150 隙間、通気口
220 内部香炉の一例
221 底部
223 ボルト/ナット
225 台座
227 割鋲
229 ばね
320 内部香炉の一例
321 底部
323 ボルト/ナット
325 金属板、台座
327 香の固定具
402 コーン形香の底面
404 先端部
406 側面
408 孔
A 粉末香
B 渦巻き型線香
C 香(コの字状)
D コーン形香
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18