(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、近距離無線通信を用いた無線通信システムが普及している。近距離無線通信としては、例えばBluetooth(登録商標)やZigbee(登録商標)がある。
図6と
図7は、従来の近距離無線通信を使用した無線通信システムの動作について説明するための図である。
図6と
図7の無線通信システムは、一つ以上の指令装置401と、一つ以上の基地局装置402と、複数の移動局装置から構成されている。
移動局装置は指令装置401からの一斉指令受信及び移動局間の個別通信等を行う。移動局装置は操作表示及び音響機能を有するハンドセット装置405,406と移動局本体部403,404が近距離無線通信により制御及び音声信号の通信を行う。
図6は指令装置401からシステム内の移動局装置に対し一斉指令を実施している状態であり、各移動局装置の本体部403,404は基地局装置402からの一斉指令を受信し、受信音声を近距離無線通信でハンドセット装置405,406側へ送信する。
図7は移動局装置403,405と移動局装置404,406が個別通信を行っている状態である。移動局装置の本体部403,404とハンドセット装置405,406は送話及び受話音声を近距離無線通信で送受信する。
図6、
図7において、基地局装置402と移動局本体部403,404との間の無線通信は、SCPC(Single Channel Per Carrier)方式、MCA(Multi Channel Access)方式、TDMA(Time Division Multiple Access)方式、FDMA(Frequency Divison Multiple Access)方式、公衆無線回線など種々の無線通信方式が適用され得る。
【0003】
先行技術文献としては、例えば、特許文献1に、有線接続された無線機本体とハンドセットに、子機やハンズフリー端末装置を増設する必要が生じた場合、それを勘弁かつ安価に実現する発明が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6、
図7に示す無線通信システムでは、移動局装置の本体部403,404とハンドセット装置405,406間の近距離無線通信ペアリング切断時は、基地局装置402から本体部403,404が受信した音声やデータをハンドセット装置405,406に送信できない。例えば、一斉指令を本体部403,404が受信した場合でも、ハンドセット装置405,406を所持するユーザが一斉指令を受話できない。また、個別通信中に移動局装置の本体部403、404とハンドセット装置405,406間の近距離無線通信ペアリングが切断された場合には、ハンドセット装置405,406を所持するユーザは相手側と通話することができず、さらにハンドセット装置405,406の操作による呼切断ができなくなる。
このように、従来の近距離無線通信を利用した無線通信システムでは、移動局装置の本体部とハンドセット装置との間の近距離無線通信が切断すると、種々の不具合が生じ、ユーザの運用に支障が出ていた。
そこで、本発明は、移動局装置の本体部とハンドセット装置間の近距離無線通信が切断した場合に、ユーザの運用への支障を低減できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の無線通信システムは、指令装置と、基地局装置と、本体部とハンドセット装置とを有する無線通信装置とを備えた無線通信システムであって、前記無線通信装置の前記本体部は、前記基地局装置と無線通信を行う第1無線部と、前記ハンドセット装置と無線通信を行う第2無線部と、前記第2無線部と前記ハンドセット装置との無線回線の切断時に前記第1無線部が前記基地局装置からデータを受信した場合には、当該データを記憶部に記憶する制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記本体部の前記制御部は、前記第2無線部と前記ハンドセット装置との前記無線回線が再接続されると、前記記憶部に記憶した前記データを、前記第2無線部を介して前記ハンドセット装置に送信することが好ましい。
【0008】
また、前記本体部の前記制御部は、前記ハンドセット装置との無線回線が再接続された場合には、前記第2無線部を介して前記記憶部に前記基地局装置から受信したデータを記憶したことを示す記録情報を前記ハンドセット装置に通知するように構成され、ハンドセット装置は、前記本体部の前記第2無線部と無線通信を行う第3無線部と、前記第3無線部を介して前記本体部から前記記録情報を受信すると、その旨を表示部に表示する制御部とを備えることが好ましい。
【0009】
また、本発明の無線通信装置は、本体部とハンドセット装置とを有する無線通信装置であって、前記本体部は、基地局装置と無線通信を行う第1無線部と、前記ハンドセット装置と無線通信を行う第2無線部とを備え、前記ハンドセット装置は、前記本体部の前記第2無線部と無線通信を行う第3無線部を備え、前記本体部は、前記第2無線部と前記第3無線部との無線回線の切断時に前記第1無線部が前記基地局装置からデータを受信した場合には、当該データを記憶部に記憶する制御部を更に備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の無線通信システムは、指令装置と、基地局装置と、本体部とハンドセット装置とを有する無線通信装置とを備えた無線通信システムであって、前記無線通信装置の前記本体部は、前記基地局装置と無線通信を行う第1無線部と、前記ハンドセット装置と無線通信を行う第2無線部と、前記第1無線部と前記基地局装置との無線通信中に、前記第2無線部と前記ハンドセット装置との無線回線が切断すると、前記第1無線部から前記ハンドセットとの無線回線が切断したことを示す信号、または、前記基地局装置との無線通信の切断を要求する信号を送信する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、前記本体部の前記制御部は、前記第2無線部と前記ハンドセット装置との無線回線が所定時間連続して切断すると、前記第1無線部から前記ハンドセットとの無線回線が切断したことを示す信号、または、前記基地局装置との無線通信の切断を要求する信号を送信することが好ましい。
【0012】
また、前記本体部の前記制御部は、前記第2無線部と前記ハンドセット装置との無線回線が切断すると、前記基地局装置との無線通信の切断を要求する信号を送信し、前記無線回線が再接続されると、切断時間が所定時間以内であれば、前記基地局装置に対して無線通信の再接続を要求する信号を送信することが好ましい。
【0013】
また、前記基地局装置は、前記無線通信装置から前記ハンドセットとの無線回線が切断したことを示す信号を受信すると、当該無線通信装置の通信相手に対して、その旨を通知することが好ましい。
【0014】
さらに、本発明の無線通信装置は、本体部とハンドセット装置とを有する無線通信装置であって、前記本体部は、基地局装置と無線通信を行う第1無線部と、前記ハンドセット装置と無線通信を行う第2無線部と、前記第1無線部と前記基地局装置との無線通信中に、前記第2無線部と前記ハンドセット装置との無線回線が切断すると、前記第1無線部から前記ハンドセットとの無線回線が切断したことを示す信号、または、前記基地局装置との無線通信の切断を要求する信号を送信する制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、移動局装置の本体部とハンドセット装置間の近距離無線通信が切断した場合に、ユーザの運用への支障を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1〜
図5は本発明の一実施例である無線通信システムの動作を説明するための図である。
図1は本発明の一実施例に関わる無線通信システムの無線通信装置の構成を説明するためのブロック図である。
図2は本発明の一実施例に関わる無線通信システムの一斉指令の動作を説明するための図である。
本発明の一実施例の無線通信システム(以下、本無線通信システムという)は、指令装置10、基地局装置20、無線通信装置である移動局装置30−1,30−2(以下、移動局装置30−1,30−2を区別しない場合には移動局装置30とする)で構成されている。
なお、指令装置10と基地局装置20は複数であってもよい。
【0018】
移動局装置30−1,30−2は指令装置10からの一斉指令受信及び移動局装置間の個別通信などを基地局装置20を介して行う。移動局装置30−1,30−2は基地局装置20と無線通信を行う本体部40−1,40−2(以下、本体部40−1,40−2を区別しない場合には本体部40という)と、操作表示及び音響機能を有するハンドセット装置50−1,50−2(以下、ハンドセット装置50−1,50−2を区別しない場合にはハンドセット装置50という)とからなる。本体部40とハンドセット装置50とは近距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)通信)によりデータ通信を行う。
【0019】
ここで、
図1を参照しながら、移動局装置30の構成について説明する。
本体部40は、無線部41、記憶部42、操作部43、表示部44、Bluetooth通信部(近距離無線部)45、制御部46を備えている。
ハンドセット装置50は、Bluetooth通信部(近距離無線部)51、記憶部52、マイク53、スピーカ54、操作部55、表示部56、制御部57を備えている。
【0020】
無線部41は、基地局装置20と無線通信を行うものである。基地局装置20との無線方式は本発明において限定されるものではなく、種々の無線方式を適用可能である。
記憶部42は、基地局装置20から受信した音声やデータなどの情報や、ユーザが操作部43を介して入力した設定情報などを記憶するものである。
操作部43は、ユーザの操作部であり、電源や音量や各種設定ボタンなどである。
表示部44は、LEDや液晶モニタによって構成されるユーザインタフェースである。
近距離無線部45は、ハンドセット装置50の近距離無線部51と近距離無線通信(ここではBluetooth通信)を行うものである。
【0021】
制御部46は、本体部40全体を制御するものであり、例えばCPU(Central Process Unit)から構成される。制御部46は、近距離無線部45と近距離無線部51との無線回線の接続状態を制御、監視し、切断時には後述する所定動作を行う。また、制御部46は、近距離無線部45と近距離無線部51との無線回線を常に接続状態に保つように近距離無線部45を制御しても良いし、ハンドセット装置50が本体部40に有線で着脱可能な場合には、有線未接続の場合にのみ、無線回線を接続するように近距離無線部45を制御してもよい。制御部46は、ハンドセット装置50の着脱状態を例えば接続インターフェースからの接点信号によって検出する。
【0022】
ハンドセット装置50の近距離無線部51は、上述の通り、近距離無線部45と無線通信を行うものである。
記憶部52は、近距離無線部45から受信した音声やデータなどの情報や、ユーザが操作部43を介して入力した設定情報などを記憶するものである。
マイク53は、ユーザの音声入力部であり、スピーカ54は近距離無線部51が受信した音声を出力する出力部である。
操作部55は、ユーザの操作部であり、プレストークスイッチや、各種設定ボタンなどである。
表示部56は、LEDや液晶モニタによって構成されるユーザインタフェースである。
制御部57は、ハンドセット装置50全体を制御するものであり、例えばCPUから構成される。
【0023】
次に、無線通信システムの一斉指令の動作について
図2を用いて説明する。
図2に示すように、移動局装置30−1,30−2は、本体部40とハンドセット装置50が近距離無線通信によるペアリングで動作制御を行っており、無線通信で使用する送話音声の集音はマイク53で行い、受話音声の鳴動はスピーカ54で行う。
【0024】
図2(A)において、移動局装置30−1は、本体部40−1とハンドセット装置50−1の近距離無線通信ペアリング中である。一方、移動局装置30−2は、本体部40−2とハンドセット装置50−2の近距離無線通信ペアリング切断中(1)である。
このとき、移動局装置30−1の本体部40−1は、指令装置10からの一斉指令を基地局装置20を介して受信すると、近距離無線通信により本体部40−1からハンドセット装置50−1に受信音声信号を送信し、スピーカ54から受信音声が再生される。一方、移動局装置40−2は、近距離無線通信ペアリング切断中であるため、制御部46は基地局装置20から受信した一斉指令の音声信号情報を記憶部42に記憶する。(2)。
【0025】
図2(B)において、移動局装置30−2は、本体部40−2の近距離無線部45とハンドセット装置50−2の近距離無線部51との近距離無線通信ペアリングが再接続され(3)、制御部46が近距離無線通信ペアリング接続を検出すると(4)、ハンドセット装置50−2に対し、近距離無線部45を介して一斉指令の録音がある旨を通知する(5)。そして、ハンドセット装置50−2ではユーザ操作により一斉指令の再生(6)を行うことができる。
【0026】
次に、無線通信システムのより詳細な動作について
図3を用いて説明する。
図3は本発明の一実施例に関わる無線通信システムの一斉指令時の動作を説明するためのフローチャートである。
一斉指令はすべての移動局装置30に対して送信される音声またはデータ送信であり、指令装置10のユーザが図示しない操作部を操作して一斉指令を指定することにより、基地局装置20から送信される。基地局装置20から送信される無線信号には、制御情報として、指令種別(例えば一斉指令、グループ指令、個別通信、グループ通信等)を示す情報や宛先を示す情報が含まれている。移動局装置30の本体部40の制御部46は、制御情報に基づいて指令種別や自信が受信すべき信号であるか否かを判断する。
【0027】
そして、制御部46は基地局装置20からの一斉指令を受信した場合(S301)、ハンドセット装置50との近距離無線通信ペアリング状態を判定する(S302)。近距離無線部45,51間のペアリング状態は、近距離無線部45から定期的に制御部46に通知されており、制御部46はこの情報に基づいてペアリング状態を判定する。なお、制御部46が近距離無線部45にペアリング状態を問合せるように構成されていてもよい。
ここで、制御部46はペアリング接続中と判定するとS303の処理に進み、切断中と判定するとS304の処理に進む。
【0028】
制御部46は、S303の処理では無線部41が受信した一斉指令情報を近距離無線部45を介してハンドセット装置50に送信し、ハンドセット装置50のスピーカ54から一斉指令を鳴動させ、処理を終了する(S311)。
制御部46は、S304の処理では記録機能のユーザ設定を判定する。移動局装置30ではユーザによる操作部43または55の操作によって、一斉指令受信時に近距離無線通信ペアリングが切断していた場合に一斉指令を記録するか否かの設定情報を設定可能である。この設定は指令種別に応じて設定可能とすることが好ましい。ここで、ユーザ設定が記録しない設定の場合には制御部46は処理を終了する(S311)。一方、ユーザ設定が録音する設定の場合には、制御部46は無線部41が受信した一斉指令を記憶部42に記録し(S305)、S306の処理に進む。
【0029】
制御部46は、S306の処理では近距離無線部45,51間の近距離無線通信ペアリング状態を判定し、切断中の場合にはS306の処理に戻り、再接続したと判定した場合には近距離無線部45から近距離無線部51へ一斉指令を記録したことを示す記録情報を通知し(S307)、S308の処理に進む。
【0030】
制御部46は、S308の処理では記録した一斉指令情報送信(ここでは音声再生)の要否を判定する。ここで、ハンドセット装置50の制御部57は、近距離無線部51が記録情報を受信すると、記憶部52に記録するとともに、表示部56に記録情報を受信した旨を表示する。そして、ユーザによる操作部55の操作で、記録情報を読み出すための操作がなされると、制御部57は記録情報の送信要求信号を近距離無線部51を介して本体部40に送信する。そして、本体部40の制御部46は、ハンドセット装置50から送信要求信号を受信すると、送信要と判定してS309の処理に進む。一方、ユーザによる操作部55の操作で、記録情報を読み出さない選択がなされた場合には、制御部57は送信不要信号を近距離無線部51を介して本体部40に送信する。制御部46は送信不要信号を受信すると、S310の処理に進む。
【0031】
制御部46は、S309の処理では記憶部42に記憶した一斉指令情報を近距離無線部45からハンドセット装置50へ送信し、ハンドセット装置50のスピーカ54から一斉指令を鳴動させ、S310の処理に進む。つまり、ハンドセット装置50では、制御部57が近距離無線部51が受信した一斉指令情報をスピーカ54から出力する。
制御部46は、S310の処理では録音の削除をするか否かを判定し、録音を削除しない場合にはS308の処理に戻り、録音を削除する場合には処理を終了する(S311)。録音を削除するか否かは、ユーザによって予め設定された設定情報に基づくか、あるいは、ハンドセット装置50におけるユーザの操作部55の操作に基づく。
【0032】
このように、本実施例によれば、本体部40とハンドセット装置50との近距離無線通信ペアリングが切断中に、一斉指令などの重要な情報を本体部40が基地局装置20から受信した場合には、受信した情報が記憶部42に記憶されるので、ユーザは後ほど確認することができる。上述した実施例では、ハンドセット装置50が再接続した場合にハンドセット装置50から記録した情報を確認する場合を説明した。加えて、本体部40の操作部43の操作によって本体部40において記録した情報を確認することもできる。
【0033】
また、本実施例では、本体部40とハンドセット装置50との近距離無線通信ペアリングが再接続された際に、記憶情報を本体部40からハンドセット装置50に通知するので、ユーザは一斉指令が記録されていること知ることができる。さらに、ユーザの操作部55の操作によりハンドセット装置50にて記憶部42に記憶された受信情報を確認することができる。
さらに、本実施例では、近距離無線通信の切断時に一斉指令を受信した場合に記憶部42に記憶するか否かを設定することができる。通信種別に応じて設定することにより、大切な情報だけを記憶させることができるのでユーザの利便性が向上する。
【0034】
次に、無線通信システムの個別通信の動作について
図4を用いて説明する。
図4(A)は、移動局30−1と移動局30−2とが基地局装置20を介して個別通信中に移動局装置30−2の本体部40−2とハンドセット装置50−2との近距離無線通信ペアリングが切断した場合を示している。
個別通信中に移動局装置30−2の本体部40−2とハンドセット装置50−2との近距離無線通信ペアリングが切断すると(1)、本体部40−2の制御部46は近距離無線通信ペアリング切断を検出し(2)、個別通信の呼切断要求を基地局装置20に送信する(3)。これにより、移動局30−1と移動局30−2との個別通信は切断される。
【0035】
図4(B)において、移動局装置30−2の本体部40−2とハンドセット装置50−2とが再接続すると(4)、制御部46は近距離無線通信ペアリングが再接続を検出する(5)。そして、制御部46は近距離無線通信ペアリング切断時間が所定時間内(例えば、1分以内)であれば、ハンドセット装置50−2へ自動発呼を通知するとともに(6)、基地局装置20に対して移動局装置30−1に対する個別通信要求(自動発呼)を送信し(7)、移動局装置30−1との個別通信を自動的に再開する。
【0036】
図5は本発明の一実施例に関わる無線通信システムの個別通話の動作を説明するためのフローチャートである。
図5において、移動局装置30の本体部40の制御部46は、基地局装置20を介して他の移動局装置30と個別通信中(S321)の場合にはハンドセット装置50との近距離無線通信ペアリング状態を判定し(S322)、接続中の場合にはS322の処理に戻り、切断の場合にはS323の処理に進む。
【0037】
制御部46は、S323の処理では基地局装置20に対して他の移動局装置30との個別通信を切断すべく、無線通信の切断要求を送信し、S324の処理に進む。なお、基地局装置20により他の移動局装置30との無線通信は切断される。このとき、基地局装置20は、他の移動局装置30に対して、本体部40とハンドセット装置50との近距離無線通信ペアリングの切断が原因であることを通知することが好ましい。これにより、通信相手はなぜ通信が切断したのかを知ることができ、再発呼などの不要な通信を発生させなくて済む。
そして、制御部46は、S324の処理ではハンドセット装置50との近距離無線通信ペアリング状態を判定し、つまり、監視しており、切断中の場合にはS324の処理に戻り、再接続を検出した場合にはS325の処理に進む。
【0038】
制御部46は、S325の処理では自動発呼機能のユーザ設定を判定し、ユーザ設定が発呼しない場合には処理を終了し(S329)、ユーザ設定が発呼する場合にはS326の処理に進む。つまり、移動局装置30では、ユーザが操作部43または55を操作して近距離無線通信ペアリング切断による呼切断後にペアリング再接続した場合に、当該呼を再接続するか否かを記憶部42に設定できる。
【0039】
制御部46は、S326の処理ではハンドセット装置50との近距離無線通信ペアリングの切断後から近距離無線通信ペアリングの再接続までの時間がユーザ設定の所定時間(例えば、1分)以内か否かを判定し、所定時間外である場合には処理を終了し(S329)、所定時間以内である場合には基地局装置20に対して他の移動局装置30への個別通信を発呼し(S327)、個別通信の処理に進む(S328)。
【0040】
従来は、個別通信中に、本体部40とハンドセット装置50との近距離無線通信ペアリングが切断すると、相手方の移動局装置30は会話等ができない理由がわからないまま、呼接続が接続状態のままとなっていた。しかし、本実施例によれば、制御部46が近距離無線通信ペアリングの切断を検出すると、基地局装置20に対して無線通信の切断を要求する信号を送信するので、呼接続を切断することができ、貴重な無線資源を無駄にすることがなくなる。
さらに、切断理由を通知するので、相手方はなぜ通信できなくなったかを知ることができる。また、制御部46は所定時間以内であれば、個別通信を再接続するので、ユーザは操作することなく通信を復活させることができ、利便性が向上する。
【0041】
なお、上述した本実施例では、制御部46が近距離無線通信ペアリングの切断を検出するとすぐに、基地局装置20に対して切断要求を送信したが、本発明はこれに限らず、制御部46はユーザ設定、あるいは、予め設定された時間連続して近距離無線通信ペアリングが切断した場合に、切断要求を送信するように構成してもよい。これにより、近距離無線通信ペアリング切断時にむやみに切断することを抑止でき、近距離無線通信ペアリングがすぐに再接続した場合には無線回線は切断されることなく、そのまま通信を継続することができる。
【0042】
以上、本発明の一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができる。