(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、前記第1可視領域に少なくとも一部が含まれ、所定の行および列のサブピクセルで構成される第1サブピクセル群を決定し、前記第2可視領域に少なくとも一部が含まれ、前記所定の行および列のサブピクセルで構成される第2サブピクセル群を決定し、前記第1サブピクセル群に含まれ、且つ、前記輝度が抑制された前記両眼サブピクセルに含まれないサブピクセルに第1画像を表示し、前記第2サブピクセル群に含まれ、且つ、前記輝度が抑制された前記両眼サブピクセルに含まれないサブピクセルに第2画像を表示する、請求項1または2に記載の3次元表示装置。
前記コントローラは、前記明るさに関する情報として、周囲環境の照度に関する情報を取得し、前記照度に基づいて、前記両眼サブピクセルの輝度を抑制する、請求項1から3のいずれか一項に記載の3次元表示装置。
前記コントローラは、前記明るさに関する情報として、前記表示面に表示する画像の輝度に関する情報を取得し、前記画像の輝度に基づいて、前記両眼サブピクセルの輝度を抑制する、請求項1から3のいずれか一項に記載の3次元表示装置。
利用者の両眼が並ぶ方向に対応する第1方向、および前記第1方向に直交する第2方向に沿って格子状に配列された複数のサブピクセルを備える表示面と、前記表示面上の前記第2方向と0度でない所定角度をなす方向に延びる複数の帯状領域ごとに、前記表示面から射出される光の光線方向を規定する光学素子と、前記表示面に画像を表示させるコントローラと、を備える3次元表示装置が実行する3次元表示方法であって、
明るさに関する情報を取得し、該明るさに関する情報に基づいて、前記利用者の第1の眼の位置に伝播する光を射出する前記表示面上の第1可視領域に一部が含まれ、前記利用者の第2の眼の位置に伝播する光を射出する前記表示面上の第2可視領域に残りの一部が含まれる両眼サブピクセルのうち、少なくとも一部のサブピクセルの輝度を抑制し、利用者の眼の位置に関する情報を取得し、該利用者の眼の位置に関する情報に基づいて、前記両眼サブピクセル、前記第1可視領域、および前記第2可視領域を判定し、前記明るさの度合いが低いほど、多くの前記両眼サブピクセルの輝度を抑制する、3次元表示方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<<第1の実施形態>>
以下、本開示の第1の実施形態について、図面を参照して説明がされる。
【0013】
本開示の第1の実施形態にかかる3次元表示システム100は、
図1に示すように、検出装置1と、計測装置2と、3次元表示装置3とを含んで構成される。
【0014】
検出装置1は、利用者の左眼(第1の眼)および右眼(第2の眼)の位置を検出し、コントローラ7に出力する。検出装置1は、例えば、カメラを備えてよい。検出装置1は、カメラによって利用者の顔を撮影してよい。検出装置1は、カメラの利用者の顔の像を含む撮影画像から左眼および右眼の位置を検出してよい。検出装置1は、1個のカメラの撮影画像から、左眼および右眼の位置を3次元空間の座標として検出してよい。検出装置1は、2個以上のカメラの撮影画像から、左眼および右眼の位置を3次元空間の座標として検出してよい。
【0015】
検出装置1は、カメラを備えず、装置外のカメラに接続されていてよい。検出装置1は、装置外のカメラからの信号を入力する入力端子を備えてよい。装置外のカメラは、入力端子に直接的に接続されてよい。装置外のカメラは、共有のネットワークを介して入力端子に間接的に接続されてよい。カメラを備えない検出装置1は、カメラが映像信号を入力する入力端子を備えてよい。カメラを備えない検出装置1は、入力端子に入力された映像信号から左眼および右眼の位置を検出してよい。
【0016】
検出装置1は、例えば、センサを備えてよい。センサは、超音波センサまたは光センサ等であってよい。検出装置1は、センサによって利用者の頭部の位置を検出し、頭部の位置に基づいて左眼および右眼の位置を検出してよい。検出装置1は、1個または2個以上のセンサによって、左眼および右眼の位置を3次元空間の座標として検出してよい。
【0017】
3次元表示システム100は、検出装置1を備えなくてよい。3次元表示システム100が検出装置1を備えない場合、3次元表示装置3は、装置外の検出装置からの信号を入力する入力端子を備えてよい。装置外の検出装置は、入力端子に接続されてよい。装置外の検出装置は、入力端子に対する伝送信号として、電気信号および光信号を用いてよい。装置外の検出装置は、共有のネットワークを介して入力端子に間接的に接続されてよい。コントローラ7は、装置外の検出装置から取得した左眼および右眼の位置を示す位置座標が入力されてよい。コントローラ7は、位置座標に基づいて、水平方向に沿った、左眼および右眼の移動距離を算出してよい。
【0018】
計測装置2は、周囲環境の照度を計測しうる。計測装置2は、計測した照度示す照度情報を3次元表示装置3に出力する。計測装置2は、照度センサであってよい。照度センサは、周囲環境の照度を計測してよい。照度センサは、光電池,光電管,光電子増倍管等の受光素子を有してよい。照度センサは、受光素子に入射した光を電気信号に変換することによって周囲環境の照度を測定してよい。
【0019】
計測装置2は、他の装置を制御するために周囲環境の照度を計測する装置であってよい。計測装置2は、例えば、自動点灯機能付きヘッドライトであってよい。
【0020】
図1に示したように、3次元表示装置3は、照射器4、表示パネル5、光学素子としてのパララックスバリア6、コントローラ7を含んで構成される。
【0021】
照射器4は、表示パネル5を面的に照射しうる。照射器4は、光源、導光板、拡散板、拡散シート等を含んで構成されてよい。照射器4は、光源により照射光を射出し、導光板、拡散板、拡散シート等により照射光を表示パネル5の面方向に均一化する。そして、照射器4は均一化された光を表示パネル5の方に出射しうる。
【0022】
表示パネル5は、例えば透過型の液晶表示パネルなどの表示パネルを採用しうる。表示パネル5は、板状の表示面51上に、
図2に示すように、格子状のブラックマトリックス52により第1方向および第1方向に直交する第2方向に区画された複数の区画領域を有する。第1方向および第2方向に直交する方向は第3方向と称される。第1方向は水平方向と称されてよい。第2方向は鉛直方向と称されてよい。第3方向は奥行方向と称されてよい。しかし、第1方向、第2方向、および第3方向はそれぞれこれらに限られない。図面において、第1方向はx軸方向として表され、第2方向はy軸方向として表され、第3方向はz軸方向として表される。
【0023】
ブラックマトリックス52は、鉛直方向に延びる第1ブラックライン52aと、水平方向に延びる第2ブラックライン52bとを含む。複数の第1ブラックライン52aは、水平方向に例えば一定のピッチで配列されている。複数の第2ブラックライン52bは、鉛直方向に例えば一定のピッチで配列されている。
【0024】
区画領域の各々には、1つのサブピクセルが対応する。したがって、表示面51は、水平方向および鉛直方向に沿って格子状に配列された複数のサブピクセルを備える。
【0025】
各サブピクセルはR,G,Bの各色に対応し、R,G,Bの3つのサブピクセルを一組として1ピクセルを構成することができる。1ピクセルは、1画素と称されうる。水平方向は、例えば、1ピクセルを構成する複数のサブピクセルが並ぶ方向である。鉛直方向は、例えば、同じ色のサブピクセルが並ぶ方向である。表示パネル5としては、透過型の液晶パネルに限られず、有機EL等他の表示パネルを使用しうる。表示パネル5として、自発光型の表示パネルを使用した場合、3次元表示装置3は照射器4を備えなくてよい。
【0026】
上述のように表示面51に配列された複数のサブピクセルはサブピクセル群Pgを構成する。サブピクセル群Pgは、左サブピクセル群Pgl(第1サブピクセル群)および右サブピクセル群Pgr(第2サブピクセル群)を含む。左サブピクセル群Pglおよび右サブピクセル群Pgrは、水平方向に互いに隣接して配置される。複数のサブピクセル群Pgは、水平方向に隣接して、繰り返して配列される。サブピクセル群Pgは、鉛直方向においては、水平方向に1サブピクセル分ずれた位置に隣接して繰り返して配列される。
【0027】
左サブピクセル群Pglは、所定の行および列のサブピクセルを含む。具体的には、左サブピクセル群Pglは、鉛直方向にb個(b行)、水平方向にn個(n列)、連続して配列された(n×b)個(以降において、n×b=mとする)のサブピクセルP1〜Pmを含む。右サブピクセル群Pgrは、左サブピクセル群Pglと同様の所定の行および列のサブピクセルを含む。具体的には、右サブピクセル群Pgrは、水平方向にn個、鉛直方向にb個、連続して配列されたm個のサブピクセルP(m+1)〜P(2×m)を含む。以降において、nは水平方向配列数と称されうる。bは鉛直方向配列数と称されうる。
【0028】
図2に示す例では、表示面51には、鉛直方向に2個、水平方向に3個、連続して配列された6個のサブピクセルP1〜P6を含む左サブピクセル群Pglが配置される。表示面51には、左サブピクセル群Pglの水平方向に隣接して、鉛直方向に2個、水平方向に3個ずつ連続して配置された6個のサブピクセルP7〜P12を含む右サブピクセル群Pgrが配置される。
【0029】
パララックスバリア6は、
図1に示したように、表示面51に沿う平面により形成され、表示面51から所定距離(ギャップ)g、離れて配置される。パララックスバリア6は、表示パネル5に対して照射器4の反対側に位置してよい。パララックスバリア6は、表示パネル5の照射器4側に位置してよい。
【0030】
パララックスバリア6は、
図3に示すように、面内の所定方向に伸びる複数の帯状領域である開口領域62ごとに、サブピクセルから射出される画像光の伝播方向である光線方向を規定する。所定方向は、鉛直方向と0度でない所定角度をなす方向である。パララックスバリア6がサブピクセルから射出される画像光を規定することによって、利用者の眼が視認可能な表示面51上の領域が定まる。以降において、当該領域は可視領域51aと称される。利用者の左眼が視認可能な表示面51上の領域は左可視領域51aL(第1可視領域)と称される。利用者の右眼が視認可能な表示面51上の領域は右可視領域51aR(第2可視領域)と称される。
【0031】
具体的には、パララックスバリア6は、複数の、画像光を遮光する遮光面61を有する。複数の遮光面61は、互いに隣接する該遮光面61の間の開口領域62を画定する。開口領域62は、遮光面61に比べて光透過率が高い。遮光面61は、開口領域62に比べて光透過率が低い。
【0032】
開口領域62は、パララックスバリア6に入射する光を透過させる部分である。開口領域62は、第1所定値以上の透過率で光を透過させてよい。第1所定値は、例えば100%であってよいし、100%に近い値であってよい。遮光面61は、パララックスバリア6に入射する光を遮って透過させない部分である。言い換えれば、遮光面61は、3次元表示装置3に表示される画像を遮る。遮光面61は、第2所定値以下の透過率で光を遮ってよい。第2所定値は、例えば0%であってよいし、0%に近い値であってよい。
【0033】
開口領域62と遮光面61とは、表示面51に沿う所定方向に延び、所定方向と直交する方向に繰り返し交互に配列される。開口領域62は、サブピクセルから射出される画像光の光線方向を規定する。
【0034】
仮に、開口領域62の端部を示す線が第2方向に延びる場合、パララックスバリア6の開口のパターンと、表示パネル5が表示する画素パターンとの間にモアレが発生する場合がある。開口領域62の端部を示す線が第2方向に対して0度でない所定角度を有する所定方向に延びる場合、表示画像においてモアレの発生が低減される。
【0035】
図1に示したように、パララックスバリア6の開口領域62の配置間隔であるバリアピッチBp、表示面51とパララックスバリア6との間のギャップgは、次の式(1)および式(2)が成り立つように規定される。式(1)および式(2)において、dは適視距離である。適視距離dは、可視領域51aの水平方向の長さがサブピクセルn個分となるような利用者の眼とパララックスバリア6との距離である。Eは利用者の眼間距離である。Hpは、サブピクセルの水平方向の長さである。
E:d=(n×Hp):g 式(1)
d:Bp=(d+g):(2×n×Hp) 式(2)
【0036】
パララックスバリア6は、第2所定値未満の透過率を有するフィルムまたは板状部材で構成されてよい。この場合、遮光面61は、当該フィルムまたは板状部材で構成される。開口領域62は、フィルムまたは板状部材に設けられた開口で構成される。フィルムは、樹脂で構成されてよいし、他の材料で構成されてよい。板状部材は、樹脂または金属等で構成されてよいし、他の材料で構成されてよい。パララックスバリア6は、フィルムまたは板状部材に限られず、他の種類の部材で構成されてよい。パララックスバリア6は、基材が遮光性を有してよいし、基材に遮光性を有する添加物が含有されてよい。
【0037】
パララックスバリア6は、液晶シャッターで構成されてよい。液晶シャッターは、印加する電圧に応じて光の透過率を制御しうる。液晶シャッターは、複数の画素で構成され、各画素における光の透過率を制御してよい。液晶シャッターは、光の透過率が高い領域または光の透過率が低い領域を任意の形状に形成してうる。パララックスバリア6が液晶シャッターで構成される場合、開口領域62は、第1所定値以上の透過率を有する領域としてよい。パララックスバリア6が液晶シャッターで構成される場合、遮光面61は、第2所定値以下の透過率を有する領域としてよい。
【0038】
このように構成されることによって、パララックスバリア6は、表示面51の一部のサブピクセルから出射した画像光を、開口領域62を通過させ利用者の右眼に伝搬させる。パララックスバリア6は、他の一部のサブピクセルから出射した画像光を、開口領域62を通過させ利用者の左眼に伝搬させる。
【0039】
画像光が利用者の左眼および右眼に伝播されることによって、利用者の眼に視認される画像について、
図4を参照して詳細に説明がされる。
図4において、パララックスバリア6は省略されている。
【0040】
図4に示す左可視領域51aLは、上述のように、パララックスバリア6の開口領域62を透過した画像光が利用者の左眼に到達することによって、利用者の左眼が視認する表示面51上の領域である。左不可視領域51bLは、パララックスバリア6の遮光面61によって画像光が遮られることによって、利用者の左眼が視認することのできない領域である。したがって、例えば、左可視領域51aLに含まれサブピクセルに左眼画像が表示され、左不可視領域51bLに右画像が表示されると、利用者の左眼は左眼画像を視認する。図面において、左眼画像を表示するサブピクセルには符号「L」が付される。
【0041】
右可視領域51aRは、パララックスバリア6の開口領域62を透過した他の一部のサブピクセルからの画像光が利用者の右眼に到達することによって、利用者の右眼が視認する表示面51上の領域である。右不可視領域51bRは、パララックスバリア6の遮光面61によって画像光が遮られることによって、利用者の右眼が視認することのできない領域である。したがって、例えば、左可視領域51aLに含まれサブピクセルに左眼画像(第1画像)が表示され、左不可視領域51bLに右画像が表示されると、利用者の右眼(第2画像)は右眼画像を視認する。図面において、右眼画像を表示するサブピクセルには符号「R」が付される。
【0042】
図3に示す例では、バリアピッチBpに対する開口領域62の水平方向の長さであるバリア開口率は50%である。この場合、右可視領域51aRは、左不可視領域51bLに相当しうる。右不可視領域51bRは左可視領域51aLに相当しうる。
【0043】
このように、利用者の右眼は右眼画像を視認し、左眼は左眼画像を視認しうる。したがって、左眼画像と右眼画像との間に視差がある場合、利用者は3次元画像を視認しうる。しかし、本実施形態におけるパララックスバリア6の開口領域62は鉛直方向と0度でない所定角度をなす方向に伸びる。サブピクセルは、水平方向と鉛直方向とに沿って格子状に配列される。このため、表示面51上のサブピクセルのうちいくつかのサブピクセル(例えば、
図4に示すサブピクセルP1、P6、P7、P12)は両眼サブピクセルとなる。両眼サブピクセルは、左可視領域51aLに一部が含まれ、右可視領域51aRに残りの一部が含まれるサブピクセルである。両眼サブピクセルは、左眼によって一部が視認され、右眼によって他の一部が視認される。これにより、利用者の眼にはクロストークが発生する。
【0044】
そこで、コントローラ7は、両眼サブピクセルに起因して発生するクロストークを低減させるように、サブピクセルそれぞれに画像を表示させうる。
【0045】
コントローラ7は、3次元表示システム100の各構成要素に接続され、各構成要素を制御しうる。コントローラ7によって制御される構成要素は、検出装置1および表示パネル5を含む。コントローラ7は、例えばプロセッサとして構成される。コントローラ7は、1以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。コントローラ7は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、およびSiP(System In a Package)のいずれかであってよい。コントローラ7は、記憶部を備え、記憶部に各種情報、または3次元表示システム100の各構成要素を動作させるためのプログラム等を格納してよい。記憶部は、例えば半導体メモリ等で構成されてよい。記憶部は、コントローラ7のワークメモリとして機能してよい。
【0046】
コントローラ7は、利用者の眼の位置に関する情報、および明るさに関する情報を取得し、位置と明るさとに基づいて、表示面51上の複数のサブピクセルそれぞれに画像を表示させうる。
【0047】
具体的には、コントローラ7は、検出装置1によって検出された利用者の眼の位置に関する情報を取得しうる。コントローラ7は、計測装置2によって計測された明るさを示す情報を取得しうる。明るさを示す情報は、例えば、周囲環境の照度であってよい。
【0048】
以降において、コントローラ7が位置および照度に基づいて各サブピクセルに表示させる画像について説明がされる。
【0049】
<第1例>
利用者の眼が基準位置にある場合に、コントローラ7が各サブピクセルについて画像を表示させる例が、第1例として
図4から
図6を参照して詳細に説明される。
【0050】
基準位置は、
図4に示すように、左可視領域51aLと右可視領域51aRとの境界を構成する直線(
図4に示す斜めの線)が、第1ブラックライン52aと第2ブラックライン52bとの交点を所定の間隔で通るような、利用者の眼の位置である。
【0051】
コントローラ7は、利用者の眼の位置に基づいて、左サブピクセル群Pglを決定しうる。具体的には、コントローラ7は、利用者の眼の位置に基づいて、左可視領域51aLを判定する。そして、コントローラ7は、左可視領域51aLに最も多くの部分が含まれるような所定の行および列のサブピクセルの集合を左サブピクセル群Pglと決定しうる。
図4に示した例では、所定の行および列は2行3列である。この例では、コントローラ7はサブピクセルP1〜P6が構成するサブピクセルの集合を左サブピクセル群Pglと決定する。
【0052】
コントローラ7は、利用者の眼の位置に基づいて、右サブピクセル群Pgrを決定しうる。具体的には、コントローラ7は、利用者の眼の位置に基づいて、右可視領域51aRを判定する。そして、コントローラ7は、右可視領域51aRに最も多くの部分が含まれるような所定の行および列のサブピクセルの集合を右サブピクセル群Pgrと決定しうる。
図4に示した例では、コントローラ7はサブピクセルP7〜P12が構成するサブピクセルの集合を右サブピクセル群Pgrと決定する。
【0053】
コントローラ7は、照度に基づく数の両眼サブピクセルの輝度を抑制させうる。輝度の抑制は、例えば、輝度を所定輝度以下とすることであってよい。輝度が0〜255の数値で表される場合、所定輝度は例えば10であってよい。輝度の抑制は、輝度を0にすることであってよい。サブピクセルの輝度を0にすることを、サブピクセルを消灯させるともいう。図面においては、輝度が抑制されたサブピクセルには符号「B」が付される。
【0054】
具体的には、コントローラ7は、左可視領域51aLに一部が含まれ、右可視領域51aRに残りの一部が含まれるサブピクセルを両眼サブピクセルと判定する。そして、コントローラ7は、取得した明るさの度合いが低いほど、多くの両眼サブピクセルの輝度を抑制しうる。例えば、コントローラ7は、照度が低いほど、多くの両眼サブピクセルの輝度を抑制しうる。コントローラ7は、左サブピクセル群Pglに含まれ、且つ、輝度が抑制された両眼サブピクセルに含まれないサブピクセルに左眼画像を表示する。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrに少なくとも一部が含まれ、且つ、輝度が抑制された両眼サブピクセルに含まれないサブピクセルに右眼画像を表示する。
【0055】
例えば、コントローラ7は、計測装置2によって計測された照度が第1照度以上である場合、
図4に示すように、いずれの両眼サブピクセルの輝度も抑制しない。第1照度は、左眼が両眼サブピクセルに表示される右眼画像を視認し、右眼が両眼サブピクセルに表示される左眼画像を視認ことによって発生するクロストークが利用者の眼に認識されにくい程度の周囲環境の照度である。第1照度は、バリア開口率、水平方向配列数n等により、適宜決定されてよい。コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成する全てのサブピクセルに左眼画像を表示させうる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成する全てのサブピクセルに右眼画像を表示させうる。
【0056】
図4に示した例では、コントローラ7は、サブピクセルP1〜P6に左眼画像を表示させる。コントローラ7は、サブピクセルP7〜P12に右眼画像を表示させる。この場合、左眼はサブピクセルP7およびP12に表示される右眼画像を視認しうる。右眼はサブピクセルP1およびP6に表示される左眼画像を視認しうる。このため、クロストークが発生する。しかし、人間の眼には、周囲環境の照度が高い場合にクロストークを感知しにくいという特性がある。したがって、コントローラ7が両眼サブピクセルの輝度を抑制させず、左眼画像または右眼画像を表示させることによって、利用者は、解像度が保たれた画像を適切に視認することができる。
【0057】
コントローラ7は、計測装置2によって計測された照度が第1照度未満であり、第2照度以上である場合、
図5に示すように、第1所定数の両眼サブピクセルの輝度を抑制させうる。第2照度は、第1照度より低い照度である。第1所定数は1以上である。第1所定数は、全ての両眼サブピクセルの数未満である。
【0058】
コントローラ7は、例えば、両眼サブピクセルのうち右サブピクセル群Pgrを構成するサブピクセルの輝度を抑制させうる。このとき、コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成する全てのサブピクセルに左眼画像を表示させうる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに右眼画像を表示させうる。
【0059】
図5に示す例では、コントローラ7はサブピクセルP7およびP12の輝度を抑制させる。コントローラ7は、サブピクセルP1〜P6に左眼画像を表示させる。コントローラ7は、サブピクセルP8〜P11に右眼画像を表示させる。上述のように、人間の眼には、周囲環境の照度が高い場合にクロストークを感知しにくいという特性がある。言い換えれば、人間の眼は、周囲環境の照度が低くなるほど、クロストークを感知しやすくなる。したがって、コントローラ7が一部の両眼サブピクセルの輝度を抑制させ、他の一部の両眼サブピクセルに左眼画像または右眼画像を表示させることによって、利用者は、解像度の低下を抑えつつ、クロストークが抑えられた画像を適切に視認することができる。
【0060】
コントローラ7は、計測装置2によって計測された照度が第2照度未満である場合、
図6に示すように、第2所定数の両眼サブピクセルの輝度を抑制させうる。第2所定数は第1所定数以上である。第2所定数は、全ての両眼サブピクセル数以下である。例えば、コントローラ7は、全ての両眼サブピクセルの輝度を抑制させうる。このとき、コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに左眼画像を表示させうる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに右眼画像を表示させうる。
【0061】
図6に示す例では、コントローラ7はサブピクセルP1、P6、P7、およびP12の輝度を抑制させる。コントローラ7は、サブピクセルP2〜P5に左眼画像を表示させる。コントローラ7は、サブピクセルP8〜P11に右眼画像を表示させる。上述のように、人間の眼は、周囲環境の照度が低くなるほど、クロストークを感知しやすくなる。したがって、コントローラ7が全ての両眼サブピクセルの輝度を抑制させることによって、利用者は、クロストークが抑えられた画像を適切に視認することができる。
【0062】
<第2例>
利用者の眼が基準位置から、E/n未満の距離、水平方向に変位した変位位置にある場合に、コントローラ7が各サブピクセルについて画像を表示させる例が、第2例として
図7から
図9を参照して詳細に説明される。
【0063】
利用者の眼が変位位置にある場合、
図7に示すように、左可視領域51aLと右可視領域51aRとの境界を構成する直線は、第1ブラックライン52aと第2ブラックライン52bとの交点を通らない。
【0064】
コントローラ7は、第1例と同様に、左サブピクセル群Pglおよび右サブピクセル群Pgrを決定しうる。
図7に示す例では、コントローラ7は、サブピクセルP1〜P6によって構成されるサブピクセルの集合を左サブピクセル群Pglと決定とする。コントローラ7は、サブピクセルP7〜P12よって構成されるサブピクセルの集合を右サブピクセル群Pgrと決定する。
【0065】
コントローラ7は、計測装置2によって計測された照度が第1照度以上である場合、
図7に示すように、いずれの両眼サブピクセルの輝度も抑制させない。コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成する全てのサブピクセルに左眼画像を表示させうる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成する全てのサブピクセルに右眼画像を表示させうる。
図7に示す例では、コントローラ7は、P1〜P6に左眼画像を表示させる。コントローラ7はP7〜P12に右眼画像を表示させる。これにより、照度が高い(第1照度以上)場合、利用者は、クロストークをあまり感知せずに、且つ、解像度が保たれた画像を適切に視認することができる。
【0066】
コントローラ7は、照度が第1照度未満であり、第2照度以上である場合、
図8に示すように、左サブピクセル群Pglを構成する両眼サブピクセルのうち右可視領域51aRに含まれる部分が最も大きいサブピクセルの輝度を抑制させうる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成する両眼サブピクセルのうち左可視領域51aLに含まれる部分が最も大きいサブピクセルの輝度を抑制させうる。コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに左眼画像を表示させうる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに右眼画像を表示させうる。
【0067】
図8に示す例では、コントローラ7は、サブピクセルP1およびP7の輝度を抑制させる。このとき、コントローラ7は、サブピクセルP2〜P6に左眼画像を表示させる。コントローラ7は、サブピクセルP8〜P12に右眼画像を表示させる。これにより、照度が中程度(第1照度未満、第2照度以上)である場合、利用者は、解像度の低下を抑えつつ、クロストークが抑えられた画像を適切に視認することができる。
【0068】
コントローラ7は、計測装置2によって計測された照度が第2照度未満である場合、
図9に示すように、第2所定数の両眼サブピクセルの輝度を抑制させうる。例えば、コントローラ7は、左可視領域51aLを構成する両眼サブピクセルのうち右可視領域51aRに含まれる部分が最も大きいサブピクセルと2番目に大きいサブピクセルとの輝度を抑制させうる。コントローラ7は、右可視領域51aRを構成する両眼サブピクセルのうち左可視領域51aLに含まれる部分が最も大きいサブピクセルと2番目に大きいサブピクセルとの輝度を抑制させうる。このとき、コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに左眼画像を表示させうる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに右眼画像を表示させうる。
【0069】
図9に示す例では、コントローラ7は、サブピクセルP1、P6、P7、およびP12の輝度を抑制させる。コントローラ7は、サブピクセルP2〜P5に左眼画像を表示させる。コントローラ7は、サブピクセルP8〜P11に右眼画像を表示させる。これにより、周囲環境の照度が低い(第2照度未満)場合、利用者は、クロストークが抑えられた画像を視認することができる。
【0070】
<第3例>
眼が変位位置にある場合の、コントローラ7が各サブピクセルについて画像を表示させる例が、第3例として
図7、
図10、および
図11を参照して詳細に説明される。
【0071】
コントローラ7は、第1例と同様に、左サブピクセル群Pglおよび右サブピクセル群Pgrを決定しうる。
図7に示す例では、コントローラ7は、サブピクセルP1〜P6が構成するサブピクセルの集合を左サブピクセル群Pglと決定する。コントローラ7は、サブピクセルP7〜P12が構成するサブピクセルの集合を右サブピクセル群Pgrと決定する。
【0072】
コントローラ7は、計測装置2によって計測された照度が第1照度以上である場合、
図7に示すように、いずれの両眼サブピクセルの輝度も抑制させない。コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成する全てのサブピクセルに左眼画像を表示させうる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成する全てのサブピクセルに右眼画像を表示させうる。
図7に示す例では、コントローラ7は、P1〜P6に左眼画像を表示させる。コントローラ7はP7〜P12に右眼画像を表示させる。
【0073】
コントローラ7は、計測装置2によって計測された照度が第1照度未満であり、第1照度より低い第2照度以上である場合、
図10に示すように、両眼サブピクセルのうち、右サブピクセル群Pgrを構成するサブピクセルの輝度を抑制させうる。コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成するサブピクセルの全てに左眼画像を表示させうる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに右眼画像を表示させうる。
図10に示す例では、コントローラ7は、サブピクセルP7、P8、およびP12の輝度を抑制させる。このとき、コントローラ7は、サブピクセルP1〜P6に左眼画像を表示させる。コントローラ7は、サブピクセルP9〜P11に右眼画像を表示させる。
【0074】
コントローラ7は、計測装置2によって計測された照度が第2照度未満である場合、
図11に示すように、全ての両眼サブピクセルの輝度を抑制させうる。このとき、コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに左眼画像を表示させうる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに右眼画像を表示させうる。
図11に示す例では、コントローラ7はサブピクセルP1、P2、P6、P7、P8、およびP12の輝度を抑制させる。コントローラ7は、サブピクセルP3〜P5に左眼画像を表示させる。コントローラ7は、サブピクセルP9〜P11に右眼画像を表示させる。
【0075】
次に、第1の実施形態に係る3次元表示装置3が行う処理の一例について、
図12を参照して説明がされる。
【0076】
コントローラ7は、検出装置1から利用者の眼の位置を示す情報を取得する(ステップS11)。
【0077】
ステップS11で目の位置を示す情報が取得されると、コントローラ7は、計測装置2から周囲環境の照度を示す情報を取得する(ステップS12)。
【0078】
ステップS12で照度を示す情報が取得されると、コントローラ7は、ステップS11で取得された情報が示す眼の位置に基づいて、左サブピクセル群Pglおよび右サブピクセル群Pgrを決定する(ステップS13)。
【0079】
ステップS13で左サブピクセル群Pglおよび右サブピクセル群Pgrが決定されると、コントローラ7は、ステップS12で取得された情報が示す照度が第1照度以上であるか否かを判定する(ステップS14)。
【0080】
ステップS14で照度が第1照度以上であると判定されると、コントローラ7は、いずれの両眼サブピクセルの輝度も抑制させない(ステップS15)。具体的には、コントローラ7は、両眼サブピクセルに左眼画像または右眼画像を表示させる。このとき、コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成する全てのサブピクセルに左眼画像を表示させる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成する全てのサブピクセルに右眼画像を表示させる。
【0081】
ステップS14で照度が第1照度未満であると判定されると、コントローラ7は、照度が第2照度以上であるか否かを判定する(ステップS16)。
【0082】
ステップS16で照度が第2照度以上であると判定されると、コントローラ7は、第1所定数の両眼サブピクセルの輝度を抑制させる(ステップS17)。このとき、コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに左眼画像を表示させる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに右眼画像を表示させる。
【0083】
ステップS16で照度が第2照度未満であると判定されると、コントローラ7は、第2所定数の両眼サブピクセルの輝度を抑制させる(ステップS18)。このとき、コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに左眼画像を表示させる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに右眼画像を表示させる。
【0084】
以上説明したように、第1の実施形態では、コントローラ7は、周囲環境の照度に基づいて、複数のサブピクセルそれぞれに画像を表示させる。人間の眼には、周囲環境の照度によってクロストークを感知しやすさが変化するという特性がある。具体的には、人間の眼には、周囲環境の照度が高いほど、クロストークを感知しにくいという特性がある。したがって、周囲環境の照度が比較的高い場合に、コントローラ7が両眼サブピクセルの輝度が抑制させず、左眼画像または右眼画像を表示させることによって、利用者は、クロストークを感知しにくい状態で解像度が保たれた画像を適切に視認することができる。人間の眼は、周囲環境の照度が低くなるほど、クロストークを感知しやすくなる。照度が低くなるほど、コントローラ7が多くの両眼サブピクセルの輝度を抑制させることによって、利用者は、クロストークが抑えられた画像を適切に視認することができる。したがって、利用者は適切に3次元画像を視認することが可能となる。
【0085】
<第2の実施形態>
以下、本開示の第2の実施形態について、図面を参照して説明がされる。
【0086】
図13に示すように、第2の実施形態における3次元表示システム200は、第1の実施形態における3次元表示システム100の検出装置1と、3次元表示装置3とを含んで構成される。検出装置1と、3次元表示装置3とは、それぞれ第1の実施形態における検出装置1と、3次元表示装置3と同様に構成されうる。
【0087】
第2の実施形態のコントローラ7は、明るさに関する情報を取得する。例えば、コントローラ7は、表示面51に表示させるために3次元表示装置3が外部装置から取得した画像情報、あるいはメモリに記憶されている画像情報を取得する。コントローラ7は、画像情報に含まれる明るさに関する情報を取得する。明るさに関する情報は、画像の輝度に関する情報としてよい。輝度に関する情報は、例えば、画像を構成する画素の輝度の統計値としてよい。統計値は、例えば、中間値、平均値等の任意の統計的な値としてよい。
【0088】
具体的には、コントローラ7は、画像の輝度が第1輝度以上である場合、いずれの両眼サブピクセルの輝度も抑制しない。コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成する全てのサブピクセルに左眼画像を表示させる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成する全てのサブピクセルに右眼画像を表示させる。第1輝度は、クロストークが利用者の眼によって認識されにくい程度に高い、画像の輝度に関する値である。
【0089】
コントローラ7は、画像の輝度が第1輝度未満であり、第2輝度以上である場合、第1所定数の両眼サブピクセルの輝度を抑制させる。第2輝度は、第1輝度より低い輝度である。コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに左眼画像を表示させる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに右眼画像を表示させる。
【0090】
コントローラ7は、画像の輝度が第2輝度未満である場合、第2所定数の両眼サブピクセルの輝度を抑制させる。このとき、コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに左眼画像を表示させる。コントローラ7は、右サブピクセル群Pgrを構成するサブピクセルのうち輝度が抑制されないサブピクセルに右眼画像を表示させる。
【0091】
この場合、画像の輝度が低いほど、両眼サブピクセルの輝度を抑制するため、画像全体がより暗くなってしまうことがある。そのため、コントローラ7は、画像全体の明るさを保つために、両眼サブピクセルの輝度を抑制するとともに、右眼画像および左眼画像の輝度を高くしてもよい。
【0092】
第2の実施形態におけるその他の構成、作用は第1の実施形態と同様なので、同一または対応する構成要素には、同一参照符号を付して説明を省略する。
【0093】
以上説明したように、第2の実施形態では、3次元表示装置3は、表示面51上各サブピクセルに表示させようとする画像の輝度に関する情報に基づいて、複数のサブピクセルそれぞれに画像を表示させる。具体的には、人間の眼には、表示面51に表示される画像の輝度が高いほど、クロストークを感知しにくいという特性がある。したがって、画像の輝度が比較的高い場合に、コントローラ7が両眼サブピクセルに輝度が抑制させず、左眼画像または右眼画像を表示させることによって、利用者は、クロストークを感知しにくい状態で解像度が保たれた画像を適切に視認することができる。人間の眼は、表示面51に表示される画像の輝度が低くなるほど、クロストークを感知しやすくなる。輝度が低くなるほど、コントローラ7が多くの両眼サブピクセルの輝度を抑制させることによって、利用者は、クロストークが抑えられた画像を適切に視認することができる。したがって、利用者は適切に3次元画像を視認することができ、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0094】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨および範囲内で、多くの変更および置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形および変更が可能である。例えば、実施形態および実施例に記載の複数の構成ブロックを1つに組合せたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
【0095】
上述の実施形態では、コントローラ7は、計測装置2から取得した照度を第1照度および第2照度と比較したが、これに限られない。例えば、コントローラ7は、照度を、第1照度から第N照度(Nは整数)までそれぞれと比較し、照度が大きいほど、多くの両眼サブピクセルの輝度を抑制させるようにしてよい。
【0096】
上述の実施形態の第1例および第3の例では、コントローラ7は、照度が第1照度未満であり、第2照度以上である場合、右サブピクセル群Pgrを構成する両眼サブピクセルの輝度を抑制させるとした。しかし、コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成する両眼サブピクセル輝度を抑制させるとしてよい。
【0097】
上述の第2例では、コントローラ7は、照度が第1照度未満であり、第2照度以上である場合、左サブピクセル群Pglを構成する両眼サブピクセルのうち右可視領域51aRに含まれる部分が最も大きいサブピクセルの輝度を抑制させた。しかし、コントローラ7が輝度を抑制するサブピクセルは、これに限られない。例えば、コントローラ7は、左サブピクセル群Pglを構成する両眼サブピクセルのうち右可視領域51aRに含まれる部分が最も小さいサブピクセルの輝度を抑制させてよい。この場合、クロストークの発生はあまり抑えられないが、解像度の低下が防がれる。照度が第1照度未満であり、第2照度以上である場合に輝度を抑制させるサブピクセルは、クロストークの発生と解像度の低下とのバランスに応じて、適宜設計されてよい。
【0098】
上述の実施形態では、光学素子がパララックスバリア6であるとしたが、これに限られない。例えば、
図14に示すように、3次元表示装置3が備える光学素子は、レンチキュラレンズ8としてよい。この場合、レンチキュラレンズ8は、シリンドリカルレンズ9を、xy平面内に配列して構成される。レンチキュラレンズ8は、パララックスバリア6と同様に、可視領域51aのサブピクセルを出射した画像光を、利用者の左眼の位置に伝搬させ、他の一部の可視領域51aのサブピクセルを出射した画像光を、利用者の右眼の位置に伝搬させる。
【0099】
図15に示すように、3次元表示システム100は、ヘッドアップディスプレイシステム300に搭載されうる。ヘッドアップディスプレイシステム300は、HUD(Head Up Display)300ともいう。HUD300は、3次元表示システム100と、光学部材310と、被投影面330を有する被投影部材320とを備える。HUD300は、3次元表示システム100から射出される画像光を、光学部材310を介して被投影部材320に到達させる。HUD300は、被投影部材320で反射させた画像光を、利用者の左眼および右眼に到達させる。つまり、HUD300は、破線で示される光路340に沿って、3次元表示システム100から利用者の左眼および右眼まで画像光を進行させる。利用者は、光路340に沿って到達した画像光を、虚像350として視認しうる。3次元表示システム100は、利用者の左眼および右眼の位置に応じて表示を制御することによって、利用者の動きに応じて立体視を提供しうる。
【0100】
図16に示すように、HUD300、3次元表示システム100、および3次元表示システム200は、移動体10に搭載されてよい。HUD300、3次元表示システム100、および3次元表示システム200は、構成の一部を、当該移動体10が備える他の装置、部品と兼用してよい。例えば、移動体10は、ウインドシールドを被投影部材320として兼用してよい。構成の一部を当該移動体10が備える他の装置、部品と兼用する場合、他の構成をHUDモジュールまたは3次元表示コンポーネントと呼びうる。HUD300、3次元表示システム100、および3次元表示システム200は、移動体10に搭載されてよい。本開示における「移動体」には、車両、船舶、航空機を含む。本開示における「車両」には、自動車および産業車両を含むが、これに限られず、鉄道車両および生活車両、滑走路を走行する固定翼機を含めてよい。自動車は、乗用車、トラック、バス、二輪車、およびトロリーバス等を含むがこれに限られず、道路上を走行する他の車両を含んでよい。産業車両は、農業および建設向けの産業車両を含む。産業車両には、フォークリフト、およびゴルフカートを含むがこれに限られない。農業向けの産業車両には、トラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、および芝刈り機を含むが、これに限られない。建設向けの産業車両には、ブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、およびロードローラを含むが、これに限られない。車両は、人力で走行するものを含む。なお、車両の分類は、上述に限られない。例えば、自動車には、道路を走行可能な産業車両を含んでよく、複数の分類に同じ車両が含まれてよい。本開示における船舶には、マリンジェット、ボート、タンカーを含む。本開示における航空機には、固定翼機、回転翼機を含む。
【0101】
移動体10は、周囲に光を照射する照射装置を備えてよい。照射装置は、例えば、ヘッドライトである。この場合、移動体10が搭載するHUD300および3次元表示システム100の計測装置2は、当該計測装置2が計測した明るさに基づいて照射装置を制御してよい。